JPH09327812A - 湿式プレス成形方法とその装置 - Google Patents

湿式プレス成形方法とその装置

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JPH09327812A
JPH09327812A JP16862096A JP16862096A JPH09327812A JP H09327812 A JPH09327812 A JP H09327812A JP 16862096 A JP16862096 A JP 16862096A JP 16862096 A JP16862096 A JP 16862096A JP H09327812 A JPH09327812 A JP H09327812A
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    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
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    • H01F41/0266Moulding; Pressing

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形体の厚み端面のひびや割れなどの欠陥を
防止でき、歩留まりよく製造できる湿式プレス成形方法
とその装置の提供。 【解決手段】 断面弓形状の成形体を得るに際して、ス
ラリからの濾過脱水を成形体の凸側外周面側と同時に厚
み端面からも行うことにより、実施例に明らかなように
厚み端面部分のグリーン密度の向上が著しく、また焼結
時の収縮の均一性を確保でき、湿式プレス成形方法にお
いて、原料粉末粒度の微細化並びに成形速度の高速化、
グリーン密度の向上を図ることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主としてモータ
や発電機で用いられる断面弓形状の永久磁石などの成形
体を、粉末を水などの分散媒と混合したスラリを原料と
して、湿式プレス圧縮成形する方法に係り、脱水を製品
の凸側外周面側と同時に厚み端面からも行い、ひびや割
れなどの欠陥を防止し歩留まりよく製造する湿式プレス
成形方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や家電製品に利用されるモータや
発電機の磁界発生源となる永久磁石は、ほとんどの場
合、断面弓形状をした高性能のフェライト磁石が利用さ
れている。高性能のフェライト磁石は、磁気特性を向上
させるため粒子径が1μm程度のフェライト微粉末を水
等の分散媒に混練させたスラリを原料として、磁界中で
湿式プレス成形を行うことにより製造されている。
【0003】湿式プレス成形方法では、フェルトや織り
布などの濾布や濾紙などの濾材を用いて金型内部のスラ
リ中の水を圧縮濾過して除去し、残留した原料粒子をさ
らに圧搾そして圧縮成形して成形体を得る。こうして得
られた一般にグリーンと呼ばれる成形体を乾燥後、焼結
して必要により切削加工して所要形状の製品を得てい
る。
【0004】上記の製造工程で断面弓形状の製品を製造
するが、断面弓形状の製品では、平坦な形状の製品に比
べてグリーンでの欠陥や焼結後の欠陥が顕著に多くなる
傾向がある。種々の欠陥の発生部位を整理すると、成形
体の外周側と内周側を結ぶ厚み端部はヒビや割れなどの
欠陥の最も発生しやすい部分となっている。
【0005】一方、実際の成形時に前記成形体の厚み端
部は、成形過程で密度が上がり難い部位であることが経
験的に理解されているため、この端部部分ではグリーン
強度が低いことが、また焼結時の収縮変形が大きいこと
が予想され、これを改善するための手段が検討されてい
る。例えば、金型形状を変化させ初期の原料充填深さを
製品の厚みで除して算出される圧縮比を成形体端部で大
きくしたり、金型の磁気回路の設計により成形体端部で
の磁界強度が大きくなるようにして原料の磁性粒子を多
く集めるなどの手法が採られたりしている。
【0006】これにより成形体端部の密度を上昇させ
て、この部分のグリーン強度あるいは焼結収縮の均一性
を改善するための努力がなされている。しかしながら、
ある程度の効果は見られるもののひびや割れなどの欠陥
の抑制効果は必ずしも十分とは言えない状態であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】また、成形体端部の密
度を向上するための手法とは別に、この部分に作用する
応力を減じることにより、成形体端部の欠陥を抑制する
手法も考案されている。例えば、特開昭60‐2392
03号では断面弓形状の粉末圧縮成形で生じるアーチ方
向端部の同様のヒビは下部パンチの側壁の弦長方向への
弾性変形と回復に起因するとして、このため下部パンチ
が弦長方向へ変形しないような構造にすることを提案し
ている。
【0008】しかしながら、この方法によってもひびの
解消には不十分であり、しかもこれ以外のひびや割れな
ど基本的にグリーン端部の密度が上がり難く強度が低い
こと、あるいは焼結時の収縮の均一性が悪いことによる
欠陥を抑制するものではない。従来の手法では、アーチ
方向の端部の密度を上昇させグリーン強度を十分に上昇
させ、また焼結時の収縮の均一性を十分に確保するには
至らず、これらを原因とするひびや割れなどの欠陥を十
分な程度にまで抑制することはできていない。
【0009】さらに、最近の傾向として生産性を高める
ために成形速度を上昇させたり、寸法精度を向上させる
ためグリーン密度を上昇させたり、さらに磁石特性を向
上させるために原料粒度を細かくすることが求められて
おり、粉末の成形性はますます低下する傾向にある。こ
のような中で成形体端部の欠陥は、完全に抑制されなけ
ればならない。
【0010】この発明は、断面弓形状の永久磁石など成
形体を湿式プレス装置にて圧縮成形する方法、特に、原
料粉末粒度の微細化並びに成形速度の高速化、グリーン
密度の向上を目的とした湿式プレス成形方法において、
成形体の厚み端面のひびや割れなどの欠陥を防止でき、
歩留まりよく製造できる湿式プレス成形方法とその装置
の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明者らは、湿式プレス
成形方法において、原料粉末粒度の微細化並びに成形速
度の高速化、グリーン密度の向上を図った場合において
も、成形体並びに焼結製品の厚み端面のひびや割れなど
の欠陥を防止できる方法を目的に種々検討した結果、ス
ラリからの濾過脱水を成形体の凸側外周面側と同時に厚
み端面からも行うことにより、厚み端面部分のグリーン
密度の向上が著しく、また焼結時の収縮の均一性を確保
でき、目的を達成できることを知見し、この発明を完成
した。
【0012】すなわち、この発明は、断面弓形状の成形
体をダイス及び上下金型にて成形体の凸側外周面を上側
にして成形する湿式プレス成形方法において、凸側外周
面並びに厚み端面より分散媒の濾過を行いながら成形す
る湿式プレス成形方法である。
【0013】また、この発明は、断面弓形状の成形体を
ダイス及び上下金型にて成形体の凸側外周面を上側にし
て成形する湿式プレス成形装置において、成形体の凸側
外周面並びに厚み端面より分散媒の濾過を行うための濾
過手段を上部金型に設けた湿式プレス成形装置である。
【0014】また、この発明は、断面弓形状の成形体を
ダイス及び上下金型にて成形体の凸側外周面を上側にし
て成形する湿式プレス成形装置において、成形体の凸側
外周面より分散媒の濾過を行う濾過手段を上部金型に、
また厚み端面より分散媒の濾過を行う濾過手段をダイス
に設けた湿式プレス成形装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、従来の断面弓形状の製品
を湿式プレスにより成形する方法における問題点を指摘
し、さらにこれを解消した本発明の構成並びにその作用
効果を詳述する。まず、図4に、従来法による断面弓形
状の成形体10(図6参照)を湿式プレスにより成形す
る場合の概要を示す。
【0016】図4に示した例は、ダイフロート方式の片
押し成形と呼ばれる成形方式で、図中のダイス1は、濾
材2を介して上部金型3により押し下げられ、下部金型
4がダイス内部5を上昇することにより、金型内部のス
ラリ6を上部金型3を経由して圧縮濾過して、その後粉
末層の圧搾ならびに圧縮成形を行う。また各金型の形状
は、断面弓形状の成形体10の内周面13側から凸側外
周面12側に向かう方向に圧縮成形されるように設計さ
れている。図中、9は排水管である。
【0017】発明者らは、このような断面弓形状をした
成形体を湿式プレス成形する場合の成形現象を詳細に検
討した。その結果、成形現象は初期にスラリの濾過が生
じ、上部金型側より成長した濾過層が金型内部に行き渡
ると、圧搾現象が生じて粒子間に存在する水がさらに搾
り出される。成形の最終段階では粉末粒子同士が接触し
ていわゆる粉末の圧縮成形過程となる。これらの現象の
詳細はX線などによる成形途中の成形体の密度分布の評
価で明らかになったものであるが、その評価の中で磁界
中湿式プレス成形において極めて重要な事実を知見し
た。
【0018】すなわち、濾過の段階では濾過層は成形方
向ではなく濾過面に対して均一の厚みで成長する。そし
てこのため断面弓形状をした成形体10の濾過面では、
その厚み端部11で図5に示すように成形方向の濾過層
14の厚みが他の部分より薄くなることが明らかになっ
た。つまり、成形方向から見た場合には、この部分の濾
過層の成長が見かけ上遅くなるということである。この
点が断面弓形状をした成形体と平坦な成形体の最大の相
違点となる。平坦な成形体では濾過層がどこでも均一
で、成形過程の最終段の圧縮成形過程においても均一な
状況下で成形される。
【0019】そこで発明者らは、以上のような成形現象
の詳細な解析のもとに、断面弓形状の成形体10を成形
する場合の濾過層の不均一性に起因する問題を解決する
ために、図1,2に示すように凸側外周面12と内周面
13を繋ぐ部分である厚み端部11に対応する金型部分
に濾過機能を持たせて濾過を促進し、厚み端部11部分
の濾過を促進することを考案した。
【0020】濾過の効率という観点から、金型全体に濾
過機能を持たせることは容易に考えられ、実際プレス成
形ではないがスリップキャスティングと呼ばれる加圧型
の鋳込み成形ではほぼ全面が濾過面となる成形方法とな
っている。しかしながら、たとえば外周面側と内周面側
各々から生じた濾過層は成形体内部で衝突し極めて不安
定な境界を形成し、成形時および焼結時のヒビや割れの
原因となり、磁石製品の場合には磁石特性を著しく低下
させる結果となる。また、図6で示す断面の垂直方向と
なる成形体の幅方向端部に濾過機能を持たせた場合に
は、幅方向端部と中央部とで濾過層の厚みが異なる結果
となり、この場合にも成形不良の原因となる。つまり濾
過効率の観点から無闇に濾過機能を付加するだけでは、
新たな成形上の問題を持ち込むことになり意味がない。
【0021】すなわち、この発明は、濾過の効率を向上
させることが目的ではなく、厚み端部の特定部分に生じ
る欠陥を未然に防ぐ方法として、従来の製造方法あるい
は金型構造において、濾過の成長の遅れる部分にのみ、
新たな濾過機構を付与することにより、断面弓形状をし
た成形体の厚み端部の濾過脱水を促進して密度、成形体
強度の向上を図る手法を提案するものである。
【0022】この発明において、原料粉末は、当該粉末
のスラリを原料として使用した水などの分散媒を濾過に
より除去して成形する製造方法をとる場合であれば、特
に限定されず、磁性材料を初めどのような粉末をも対象
とする。但し、濾過過程やプレス成形過程を含むことか
ら、平均粒子径が100μmから0.3μm程度の範囲
の粉末であることが好ましい。
【0023】この発明において、分散媒は、酸化物系磁
石粉末の場合、水あるいは若干の分散剤やバインダを含
む水系のものであり、希土類系磁石粉末などの場合、酸
化を防ぐために溶剤系やフロンや代替フロンのように、
原料粉末と反応しない比較的不活性な液体であり、濾過
過程を含むため極力低粘度の流体を利用するのが好まし
い。
【0024】また、この発明は、粉末を断面弓形状の成
形体に成形することを対象としている。断面弓形状をし
た成形体、製品とは、厚みの一定なリング形状の一部に
限らず、偏心した外周と内周とで構成される断面三日月
状の製品でもよく、さらに外周側と内周側は必ずしも円
弧である必要もない。何れにせよ外側に凸外周と同じ方
向に凸または平坦である内周との組合せを基本とする形
状の製品を意味する。
【0025】前述のように外周および内周がともに平坦
で平行である形状をした平坦な形状では、濾過層は場所
によらず均一で、端部がその他の部分に比較して密度が
上昇し難い、あるいは焼結時の収縮が不均一であるとか
いった問題が生じない。逆に断面弓形状ではこれらが原
因となって種々の欠陥が生じて問題となり、この外周部
端部の角度が立っているほど、つまり端部の傾きと圧縮
成形方向とが外れるほど端部での見かけの濾過層の成長
速度が小さく成形上の欠陥が生じやすい。
【0026】また、この発明において、外周側より濾過
が行われる場合に限定したのは、内周側から濾過をした
場合にはその形状から、端部の密度の上昇遅れが生じ
ず、ここで問題とした成形上の問題が生じ難いからであ
る。しかしながら、内周側から濾過した場合には成形後
の成形体の取扱が難しく、また離型時のヒビや割れの発
生など別の欠陥が発生しやすくなるため、内周側からの
濾過は一般には行われていない。
【0027】この発明において、分散媒の濾過の箇所を
凸側外周面とこれに連続する厚み端部に限定したのは、
上記したようにその他の部分に濾過機構を付与した場合
には、新たな濾過の発生により不用意な密度上昇を来し
かえって密度分布の不均一を生じ、これが原因となるグ
リーン上および焼結後の不良となるからである。特に、
内周面側つまり下部金型に濾過手段を取り付けた場合に
は、上方から生じた濾過層と下方から生じた濾過層が成
形体途中でであって、不安定な界面を形成することとな
る。また、弦方向と直角の幅方向端部に濾過機構を付与
した場合には、中心部と幅方向端部の密度分布による不
良が生じる。
【0028】また、厚み端部の濾過をおこなうための濾
過機構部分の長さは特に限定しないが、グリーン端部の
圧縮比や原料スラリの性状ならびに磁性材料の成形の場
合には磁気回路の影響を受けるため、成形体の実際の不
良率が極小になる条件を適宜選択すべきである。
【0029】この発明による湿式プレス成形装置の構成
例としては、図4と同様のダイフロート方式の片押し構
成において、図1に示すように成形体の厚み端部の濾過
脱水を行うための濾材7を上部金型3に組み込むため、
上部金型3の成形空間がやや大きな形状をなしており、
ここでは、凸側外周面用の濾材2と厚み端部用の濾材7
とが連続的に配置された構成となっている。またこの装
置の場合は、厚み端部用の濾材7が凸側外周面用の濾材
2と共通で、一般的な巻取り方式の連続供給方式により
濾材を適宜交換できるため、メンテナンスおよび濾材の
目づまりの防止を行い易い利点がある。なお、上記の図
1の構成では、成形終了後に上部金型3と成形体の離型
性を考慮して、一般的には厚み端部分に10°以上の抜
きテーパをつける必要がある。
【0030】図2に示す湿式プレス成形装置は、図4と
同一の構成において、ダイス1の上部金型3側の成形体
の厚み端部に対向する部分に濾材8を組み込んだ構成か
らなり、この場合には外周側の連続供給方式のシート状
の濾材を使用することができない。そこで例えば樹脂製
や金属製あるいは窒化珪素などのセラミックス製の多孔
質材料を濾材8に使用するとよい。多孔質材料の場合に
は目づまりが懸念されるが、原料粒子径が1μm程度の
場合、1〜10μm程度の気孔径でも安定した濾過が可
能でああり、さらには成形終了後に1〜5気圧程度の圧
縮空気を濾過方向と逆向きに付加して気孔を洗浄するこ
とも目づまりを防ぐ観点から有効である。
【0031】
【実施例】
実施例1 成形体10の寸法が図3に示すように、外径R1および
内径R2が45mm、長さLが80mm、中央部の厚み
Dが15mmの円弧状で、幅が35mmのフェライト磁
石の粉末成形を行うに際して、平均粒子径が1.2μm
の原料粉末が重量%で約50%となる水スラリとして金
型に充填し、10kガウスの磁界中で成形荷重13to
n/cm2を作用させて湿式プレス成形を行った。この
発明による成形体厚み端部の濾過は、図2に示す構成で
樹脂製で気孔径約2.4μmの多孔質部材をダイスに埋
め込むことにより行った。
【0032】比較のため、多孔質部材を全く使用しない
図4に示す従来の成形装置を使用した場合、また、従来
の方式で成形体の平均圧縮比(初期充填深さ/成形体厚
み)を約1.8に対して、下部(内周側)金型の端部形
状を調整してその部分の初期充填深さを浅くすること
で、厚み端部の圧縮比が2.0および2.2となる場
合、および多孔質部材を厚み端部のみならずダイスの成
形体と接触するダイス全周に配置した場合、についても
同じ原料スラリで成形を行った。
【0033】その結果、表1に示すように、厚み端部の
みに多孔質材料を配置したこの発明の場合に最も不良率
が低減し、実生産に耐える不良率が実現した。ここで、
不良率は試作数に対するひびや割れの発生した成品数の
百分率で示す。従来法でも、アーチ方向端部の圧縮比を
増加させることにより不良率が低減する傾向が見られる
が、実際には成品形状の制約があり、これ以上の圧縮比
増加は不可能で、もし仮に可能であっても、端部の成品
厚みが薄くなりかえって強度低下の原因となるため、圧
縮比増加による手法には限界がある。
【0034】さらにダイスの全内周に多孔質材料を配置
した場合には、幅方向端部での不要な密度上昇によると
考えられる密度不均一が生じて、成形体および焼結体で
の不良率はかえって悪化する傾向となる。以上、この発
明の方法により、従来では不良の発生が避けられなかっ
た厚み端部の欠陥の発生を抑える極めて有効な効果があ
る。
【0035】
【表1】
【0036】実施例2 成形体の外径R1が40mm、内径R2が35mmで内
径中心が外径中心より3mm外側にある偏心した断面三
日月形状で、長さLが25mm、幅が60mm、中央部
の厚みDが10mmのフェライト系永久磁石の粉末成形
を行うに際して、図2に概略を示す上部金型に厚み端部
の濾過を行う濾材7を組み込み、凸側外周面用の濾材2
と一体になった巻取り供給式の濾材を用いて成形荷重7
ton/cm2で成形をおこなった。 原料としたスラ
リは実施例1と同様のものを使用した。この場合、上部
金型端部の濾過機構部分には、成形後の成形体の金型か
らの離型性を考慮して15°の抜き勾配を付与した。成
形の結果、従来法では焼結後の不良率が15%であった
ものが、この発明による厚み端部の濾過により、不良率
が0.3%にまで激減し、上部金型への濾過機構部付与
によっても不良率低減の効果があることが確認できた。
【0037】
【発明の効果】この発明による湿式プレス成形方法とそ
の装置は、断面弓形状の成形体を得るに際して、スラリ
からの濾過脱水を成形体の凸側外周面側と同時に厚み端
面からも行うことにより、実施例に明らかなように厚み
端面部分の成形体密度の向上が著しく、また焼結時の収
縮の均一性を確保でき、湿式プレス成形方法において、
原料粉末粒度の微細化並びに成形速度の高速化、成形体
密度の向上を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による湿式プレス成形装置の実施例を
示す縦断説明図である。
【図2】この発明による湿式プレス成形装置の他の実施
例を示す縦断説明図である。
【図3】断面弓形状の成形体の寸法を示す説明図であ
る。
【図4】従来の湿式プレス成形装置の構成を示す縦断説
明図である。
【図5】従来の湿式プレス成形装置で得られる成形体厚
み端の説明図である。
【図6】断面弓形状の成形体を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ダイス 2 濾材 3 上部金型 4 下部金型 5 ダイス内部 6 スラリ 7,8 濾材 9 排水管 10 成形体 11 厚み端部 12 凸側外周面 13 内周面 14 濾過層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面弓形状の成形体をダイス及び上下金
    型にて成形体の凸側外周面を上側にして成形する湿式プ
    レス成形方法において、成形体の凸側外周面並びに厚み
    端面より分散媒の濾過を行いながら成形する湿式プレス
    成形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、被成形材料が磁性材
    粉である湿式プレス成形方法。
  3. 【請求項3】 断面弓形状の成形体をダイス及び上下金
    型にて成形体の凸側外周面を上側にして成形する湿式プ
    レス成形装置において、成形体の凸側外周面並びに厚み
    端面より分散媒の濾過を行うための濾過手段を上部金型
    に設けた湿式プレス成形装置。
  4. 【請求項4】 断面弓形状の成形体をダイス及び上下金
    型にて成形体の凸側外周面を上側にして成形する湿式プ
    レス成形装置において、成形体の凸側外周面より分散媒
    の濾過を行う濾過手段を上部金型に、また厚み端面より
    分散媒の濾過を行う濾過手段をダイスに設けた湿式プレ
    ス成形装置。
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