JPH09325748A - 文字パターン形成装置及び文字パターン形成方法 - Google Patents

文字パターン形成装置及び文字パターン形成方法

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JPH09325748A
JPH09325748A JP8140328A JP14032896A JPH09325748A JP H09325748 A JPH09325748 A JP H09325748A JP 8140328 A JP8140328 A JP 8140328A JP 14032896 A JP14032896 A JP 14032896A JP H09325748 A JPH09325748 A JP H09325748A
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JP
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filling
character pattern
pattern
contour
column
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JP8140328A
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English (en)
Inventor
Hideo Ariga
英雄 有賀
Fumitaka Sato
文孝 佐藤
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Toshiba Corp
Toshiba Computer Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Computer Engineering Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】文字パターン輪郭を描く際に、冗長な輪郭情報
を省略して中間メモリに書き込むことにより、中間メモ
リへのアクセス回数を減らして文字パターンの描画に要
する時間を短縮し、文字パターンを高速に形成する。 【解決手段】フォントROM41からフォントデータを
ストローク毎に読み出し、輪郭スケーリング回路42に
て文字パターンの輪郭線を記述する制御点情報を復元、
スケーリングする。輪郭描画回路43にて文字パターン
の輪郭を中間メモリ44に描画する。塗り潰し回路45
は中間メモリ44にセットされた内容に基づいて文字パ
ターンの各列を塗り潰すものであり、特に塗り潰し方向
の各列毎に塗り潰しを行う第1の塗り潰し処理と、塗り
潰し方向の列パターンを塗り潰し方向とは直角な方向に
繰り返し発生して塗り潰しを行う第2の塗り潰し処理を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、日本語ワードプロ
セッサ等の文書作成装置に用いられ、線図形により定義
される文字パターンを形成する方式であって、線図形に
基づいて描画された輪郭を塗り潰す方式としてノンゼロ
・ワインディング・ナンバ(non−zerowind
ing number)方式を用いた文字パターン形成
装置及び文字パターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、日本語ワードプロセッサ等の文書
作成装置では、文字をディスプレイに表示したり、プリ
ンタにより印刷するために、文字パターンを形成する文
字パターン形成装置が設けられている。文字パターン形
成装置は、高品質の文字パターンを生成できるアウトラ
イン・フォント方式を採用したものが一般的である。ア
ウトライン・フォント方式は、基本的には文字パターン
毎の文字輪郭情報を用意し、この文字輪郭情報に基づい
て線図形情報をビットマップメモリ上に展開し、この線
図形を塗り潰して文字パターンを形成する。
【0003】1.文字パターンの形成方法 文字パターンを、互いに重なることを許された複数のス
トローク部品に分解してフォントROMに記憶してお
き、このフォントROMを用いて文字パターンを生成す
る際には、(1)まず、文字パターンの各ストローク部
品の輪郭を中間メモリ(文字パターンに対応するビット
マップメモリ、または、それに対応した内容を記憶する
ソフトウェア的な配列)に描画し、全ストローク部品を
描画した後、(2)中間メモリから輪郭情報を読み出し
て、塗り潰しを行って文字パターンを生成し出力する、
といった方法が広く知られている。
【0004】このように線図形により定義された領域
(パターン)を塗り潰す方式として、イーブン・オッド
方式(even−odd)とノンゼロ・ワインディング
・ナンバ(non−zerowinding numb
er)方式が周知である。
【0005】イーブン・オッド方式は、線図形が描画さ
れたビットマップメモリを所定方向(塗り潰し方向)に
走査して、例えば「奇数番目」の点から次の「偶数番
目」の点までを順次塗り潰す方式である。このイーブン
・オッド方式では、図17(b)に示すように、輪郭線
データを塗り潰したときに、重なり合った図形を塗り潰
すことができないという問題がある。
【0006】一方、ノンゼロ・ワインディング・ナンバ
方式は、米国Adobe Systems社の開発した
ページ記述言語PostScriptに採用されて広く
知られている方式であって、図17(a)に示すよう
に、輪郭線の進行方向に対して、例えば左側を塗り潰す
方式である(ワインディング番号に“+1”を加え、時
計回り閉曲線によって囲まれた領域では、ワインディン
グ番号に“−1”を加え、その結果ワインディング番号
がゼロ以外の値となった領域を塗り潰す)。このノンゼ
ロ・ワインディング・ナンバ方式は、例えば特開平2−
136890号公報に開示されているように、輪郭線を
1ドットずつビットマップメモリ上に展開する。
【0007】ここで、ビットマップメモリは、1ドット
(1画素)に対して記憶領域を1対1に対応させてあ
り、1ドットに対応するビット数を複数用意したもので
ある。この場合、ビットマップメモリに記憶される情報
は、輪郭線のベクトル方向情報と輪郭線重なり回数情報
とを合わせたwinding number差分情報
(以下、Wナンバ差分情報と称する)である。塗り潰す
ときには、先のビットマップメモリを走査線方向からス
キャンしていき、各ドットについてそこに記憶されてい
る先の情報を得て、その情報を累計することによりWナ
ンバを求める。このWナンバが零でない(non−ze
ro)区間にあるドット位置を塗り潰す。この方式であ
れば、図17(c)に示すように、重なり合った図形を
塗り潰すことも可能となる。
【0008】このようなノンゼロ・ワインディング・ナ
ンバ方式(NZWN方式)を用いた文字パターン描画方
式としては、例えば特開平2−266480号公報、特
開平02−270019号公報などがある。また、中間
メモリとしてビットマップメモリの代わりに配列を用い
る方式として、特願平5−135794号公報がある。
【0009】これらの方式においては、文字パターンを
塗り潰し方向に走査したときに、Wナンバが変化する点
の位置と変化量を中間メモリに記憶する。特開平2−2
66480号公報の場合は、中間メモリとして、文字パ
ターンの各ドットに対応したアドレスに複数ビットを持
つWNPM(ワインディング・ナンバ・パターン・メモ
リ)を用い、Wナンバの変化する点(すなわち、文字パ
ターンの輪郭を構成する点の一部)の位置は、WNPM
のアドレスによって示し、WNPMの内容としては、W
ナンバの変化量を記憶する。
【0010】特願平5−135794号公報の場合は、
塗り潰し方向の座標値とWナンバの変化量を記憶する1
次元配列の配列を中間メモリとして持つ。この1次元配
列は、文字パターンの塗り潰しと直角の方向のドット数
だけ用意され、点の位置情報のうち、塗り潰しと直角方
向の成分は、この1次元配列の識別情報に対応する。
【0011】図2に中間メモリとしてWNPMを用いる
場合について従来の塗り潰し技術を、「土」の字を例に
とって図示する。ただし、ここでは簡潔に要点を示すた
め、全体の大きさは、20ドット×20ドットに縮小し
ているが、横線の線幅は一般的な動作例となるように3
ドット幅に設定している。この例では、塗り潰しをY軸
方向(上から下方向)へ行う。これは、縦方向に並んだ
ドット印刷機構を持つヘッドを横方向へ移動させつつ、
文字パターンを印字するOA機器用プリンタの文字パタ
ーンデータ転送方向と一致させて、全体を最適化してい
るためである。
【0012】「土」の字は、第1画の横棒、第2画の縦
棒、第3画の横棒の3つのストローク部品から成る。そ
れらが順次描画されて、文字パターンの輪郭(実際の輪
郭とは異なる)がWNPMに記憶された状態が図2であ
る。特開平2−266480号公報では、WNPMの内
容(各ドットのWナンバを示すコード情報)は、最大の
重なり回数(3回)に従って、“−3”〜“+3”およ
び“±”で表記することになっているが、この例では、
“+1”、“−1”、“±”の3つの値しか出現しない
ので、それらを“+”、“−”、“±”で表現してい
る。
【0013】“+”の印は、注目点のWナンバが、その
直前(塗り潰し方向の直前であり、ここでは注目点の上
隣)の点のWナンバと比べて1だけ大きくことを示すも
のである。したがって、注目点が“+”の場合には、そ
のWナンバの変化量として1だけ加算することになる。
【0014】“−”の印は、注目点のWナンバが、その
直前の点のWナンバと比べて1だけ小さいことを示すも
のである。したがって、注目点が“−”の場合には、そ
のWナンバの変化量として1だけ減算することになる。
【0015】“±”の印は、“+”と“−”の重なった
点であり、その点の直前と直後の点のWナンバに差はな
いが、この点は黒く印字すべきことを示す(特開平2−
266480号公報の第7ページ参照)。
【0016】また、「土」の字の第2画の縦棒の左右の
輪郭は“●”の印で示されているが、これは実際にはW
NPMには描画されない。この“●”印は、図の上で文
字パターンを見やすくするために付けた印であり、実際
は何も印をつけていないドットと全く同じ状態にある。
例えば縦棒の左側輪郭は、(7,0)の点の“+”印か
ら(7,17)の点の“−”印までが塗り潰され、
(8,0)の点の“+”印から(8,17)の点の
“−”印までが塗り潰されることにより、その左側の塗
り潰されないで白地として残った点との対比として、自
然に輪郭として現れる。すなわち、塗り潰し方向に沿っ
た輪郭はWNPMに記憶される必要がない。
【0017】また、横棒と縦棒の重なった部分、例えば
(8,16)の点は、塗り潰しの処理でWナンバを累計
すると“+2”になるが、文字パターンとしては、この
点も“+1”の点と同様に黒ドットにされる。
【0018】2.ファクシミリ用画像符号化方式 後述する本発明の実施形態に類似する従来技術を説明す
る。
【0019】ファクシミリでは、送信する画像を横方向
に走査して、白か黒の点を列と見なす。その点列の中
で、白から黒へ、あるいは黒から白へと変化した点の位
置を逐次送信することによって、受信側で送信側と同じ
画像を復元できるようにしている。その変化点の位置を
表現する方法の1つとして、垂直モードの符号化方式が
ある。
【0020】これは、図16に示すように、現在符号化
中の走査ラインの直前のライン(これを参照ラインとい
う)のパターンを送信側でも受信側でも記憶しておき、
参照ラインの変化点を基準点として、符号化ラインの変
化点が基準点の真下にあるとき、コード“V”、基準点
より1ドット右にあるときコード“VR(1)”などと表
す。VL(3)からVR(3)までのコードを使うことができ
る。
【0021】点の位置をそのまま数値として表現した
り、ラン長コードを用いるよりも、このコードを用いた
方がコードが短くて済むケースが多いことが知られてい
る。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上述したようなノンゼ
ロ・ワインディング・ナンバ方式を用いた文字パターン
描画方式において、従来、図2に示すように、水平線の
上側と出力側の輪郭線を構成するドットは、すべて中間
メモリに記憶させる必要があった。なお、水平線ストロ
ークの輪郭であっても、そのうちの縦線部分は中間メモ
リに記憶させる必要がないことは当然である。例えば、
図2の(19,17)の点である。
【0023】一般に、文字パターン描画処理全体に要す
る時間のうち、文字パターンの輪郭を中間メモリに描画
するのに要する時間の比率は大きく、その比率が1/2
を越えるケースも多い。その輪郭描画時間を左右する重
大な要因が中間メモリへのアクセス回数である。
【0024】図2を参照すると、“+”あるいは“−”
の変化値を示すWナンバのコード情報が、同じY座標値
を持つ連続した位置に一様に書かれている部分が多い。
例えば、(3,7)、(4,7)〜(15,7)の各点
である。したがって、冗長な情報を中間メモリに書き込
むために、多数のメモリサイクルを消費していることが
分かる。
【0025】本発明は上記のような点に鑑みなされたも
ので、冗長な情報を中間メモリに書き込むことなく文字
パターンの輪郭を描くことにより、中間メモリへのアク
セス回数を減らして文字パターンの描画に要する時間を
短縮化して、文字パターンを高速に形成可能な文字パタ
ーン形成装置及び文字パターン形成方法を提供すること
を目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の文字パターン形成装置は、文字パターン
を構成するフォントデータを記憶したフォントメモリ
と、このフォントメモリから、指定された文字パターン
に対応する上記フォントデータを読み出し、そのフォン
トデータに基づいて上記文字パターンの輪郭情報を描画
する輪郭描画手段と、この輪郭描画手段によって描画さ
れた上記輪郭情報を記憶するための中間メモリと、この
中間メモリに記憶された上記輪郭情報に基づいて塗り潰
し処理を実行し、上記文字パターンを形成する塗り潰し
手段とを具備したものである。
【0027】特に、上記塗り潰し手段は、上記塗り潰し
方向の各列毎に塗り潰しを行う第1の塗り潰し手段と、
上記塗り潰し方向の列パターンを上記塗り潰し方向とは
直角な方向に繰り返し発生して塗り潰しを行う第2の塗
り潰し手段とを有することを特徴とする。
【0028】なお、後述するように、実際には第2の塗
り潰し手段のための情報は、第1の塗り潰し手段のため
の情報と一緒に中間メモリから読み出す。
【0029】このような構成によれば、上記第2の塗り
潰し手段を備えたことにより、輪郭描画時における中間
メモリへのアクセス回数を減らすことができる。例えば
単純水平線セグメントであれば、その大きさにかかわら
ず4回のアクセス(後述する“(+)”2個、
“(−)”2個を書き込むため)で形成できるので、中
間メモリアクセス回数が大幅に減る。
【0030】また、配列で中間メモリを実現する特願平
5−135794号公報のような方式の場合には、塗り
潰しの際の中間メモリアクセス回数も同様にして大幅に
減る。この場合、ビットマップ方式の特開平2−266
480号公報では、塗り潰しのために中間メモリ全ドッ
トを1回ずつアクセスするので、本発明を適用しても塗
り潰しの中間メモリアクセス回数は変わらない。
【0031】(2)また、本発明の文字パターン形成装
置は、文字パターンの第1の座標軸方向に塗り潰しを行
う第1の塗り潰し手段と、上記第1の座標軸方向に少な
くとも上記文字パターンと同じ大きさの列パターンを記
憶する列パターン記憶手段と、この列パターン記憶手段
に記憶された上記列パターンを第2の座標軸方向に繰り
返し発生する第2の塗り潰し手段と、この第2の塗り潰
し手段による塗り潰し処理に従って上記列パターン記憶
手段の内容を更新する更新手段と、上記第1の塗り潰し
手段から出力されるパターンと上記列パターン記憶手段
に記憶された上記列パターンとを演算し、上記文字パタ
ーンとして出力する演算手段とを具備したことを特徴と
する。
【0032】このような構成によれば、列パターン記憶
手段(後述するHPM)があるので、単純水平線セグメ
ントを出力するには、セグメントの始端と終端でHPM
の内容を更新するだけでよい。
【0033】また、第1の塗り潰し手段を動かし、ま
た、HPMの内容を更新するのは中間メモリからの情報
を用いることになるが、このHPMがあるので、
“(+)”2個、“(−)”2個に対する4回分の中間
メモリへのアクセスで単純水平線セグメントを描画でき
る。その結果、高速化できる。
【0034】(3)また、本発明の文字パターン形成装
置は、文字パターンの第1の座標軸方向に塗り潰しを行
う第1の塗り潰し手段と、上記第1の座標軸方向に少な
くとも上記文字パターンと同じ大きさの列パターンを記
憶する列パターン記憶手段と、この列パターン記憶手段
に記憶された上記列パターンを上記第1の座標軸方向に
繰り返し発生する第2の塗り潰し手段と、上記第1の塗
り潰し手段を制御するための第1の制御情報と上記第2
の塗り潰し手段を制御するための第2の制御情報とを用
いて、上記文字パターンの輪郭を描画する輪郭描画手段
とを具備し、上記文字パターンの上記第1の座標軸方向
の輪郭は、上記第1の塗り潰し手段によって形成され、
上記文字パターンの上記第1の座標軸方向と直角方向の
輪郭の少なくとも一部は、上記第2の塗り潰し手段によ
って形成されることを特徴とする。
【0035】このような構成によれば、例えばY軸方向
(上から下方向)を塗り潰し方向とした場合に、文字パ
ターンの垂直の輪郭は第1の塗り潰し手段で、水平な輪
郭は第2の塗り潰し手段で形成されるため、冗長な情報
(後述する図1の“●”印と“○”印)を中間メモリに
記憶させる必要がない。したがって、高速化できる。
【0036】(4)また、本発明の文字パターン形成方
法は、塗り潰しによって文字パターンを形成する文字パ
ターン形成方法であって、指定された文字パターンに対
応するフォントデータをストローク単位に読み出すステ
ップと、読み取ったストロークの少なくとも一部のスト
ロークのパターンを塗り潰し方向に平行な輪郭と塗り潰
し方向に直角な輪郭とで囲まれた矩形部分とそれ以外の
部分とに分割するステップと、上記矩形部分以外の部分
を第1の制御情報で表現し、上記矩形部分を第2の制御
情報で表現して中間メモリに書き込むステップと、上記
中間メモリに書き込まれた上記第1、第2の制御情報を
読み出し、上記第1の制御情報で表現された部分に対し
ては1次元的に塗り潰しを行い、上記第2の制御情報で
表現された部分に対しては2次元的に塗り潰しを行うこ
とによって、上記文字パターンを形成するステップとを
具備したことを特徴とする。
【0037】このような方法によれば、文字パターンの
矩形部分を分離し、その矩形部分を簡単な表示方法で表
現することによって、中間メモリへ記憶するデータ量を
少なくすることができる。したがって、高速に文字パタ
ーンを形成できる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態について説明する。
【0039】まず、図1を参照して本発明の原理を説明
する。図1は、図2(従来)に対応する本発明の塗り潰
し方式を説明するための概念図である。
【0040】図1では、WNPM(中間メモリ)に何も
書かれていないが、文字パターンの輪郭となる点が、
“●”と“○”の印で示されている。“●”の印は、図
2の場合と同じ意味である。すなわち、実際にはWNP
Mには描画されない点であり、この図の上で文字パター
ンを見やすくするために付けた印である。
【0041】“○”の印は、図2で“+”または“−”
であった点であり、本実施形態では何も書かれなくなっ
た点を示す。すなわち、“○”印の数だけWNPMへの
アクセスが減ったことを示す。図1の例では、“+”、
“−”、“±”印の数よりも“○”印の数の方が多いか
ら、本発明を実施することにより、WNPMのアクセス
回数が半分以下に減ったことを示している。これは、と
りもなおさず、文字パターン描画が大幅に高速化される
ことを意味している。
【0042】また、図1において、“(+)”と
“(−)”の印は、図2の“+”、“−”と同じ働きを
持つ他に、その“(+)”から“(−)”までの縦列
(Y軸方向)のパターンをそれ以降、右側(X軸方向)
へ繰り返し発生すべきことを示している。上記“+”、
“−”は、従来の塗り潰し処理(第1の塗り潰し処理)
を制御するための第1の制御情報に対応し、上記
“(+)”と“(−)”は、本発明の塗り潰し処理(第
2の塗り潰し処理)を制御するための第2の制御情報に
対応する。
【0043】こうして指定された繰り返しパターンは、
再び同じ位置に“(+)”と“(−)”の印が現れるま
で続く。ここで、塗り潰しの方向はY軸方向(上から下
方向)であり、左から順に1列ずつ塗り潰すものと想定
している。“(+)”と“(−)”の印で生成されたパ
ターンが各列の塗り潰し処理毎に次の“(+)”と
“(−)”が出現するまで繰り返されることにより、
“○”印の点は自然に文字パターンの輪郭となる。
【0044】本発明を適用した文字パターン形成装置の
ブロック図を図4に示す。図4において、HPM(水平
パターンメモリ)46は、本発明を実現するためのメモ
リである。
【0045】フォントROM41は、文字パターンをデ
ータ圧縮して記憶している。輪郭スケーリング回路42
は、文字パターンの輪郭線を記述する制御点情報を復元
し、所定の文字サイズとなるように座標値や線幅情報を
スケーリングする。輪郭描画回路43は、文字パターン
の輪郭を中間メモリ44に描画する。塗り潰し回路45
は、中間メモリ44にセットされた内容に基づいて文字
パターンの各列を上から下方向に塗り潰すものであっ
て、ここでは塗り潰し方向の各列毎に塗り潰しを行う第
1の塗り潰し処理と、塗り潰し方向の列パターンを上記
塗り潰し方向とは直角な方向に繰り返し発生して塗り潰
しを行う第2の塗り潰し処理を有する。出力イメージメ
モリ47は、塗り潰し後の文字パターンを最終的に出力
する文字パターンとして記憶する。
【0046】ここで、HPM(水平パターンメモリ)4
6は、塗り潰し処理中の列の直前(すぐ左)の列に含ま
れる水平線ストロークのパターンを保持するものであ
る。そのために、HPM46は、出力文字パターンの塗
り潰し処理の方向の長さ(ドット数)と同じ長さのビッ
ト数を持つ。
【0047】このような構成にあっては、フォントRO
M41から、指定された文字のフォントデータ(線図形
を構成するための文字輪郭情報)を読み出し、輪郭スケ
ーリング回路42にて文字パターンの輪郭線を記述する
制御点情報を復元し、所定の文字サイズとなるように座
標値や線幅情報をスケーリングする。そして、輪郭描画
回路43にて、文字パターンの輪郭を中間メモリ44に
対し、“+”、“−”のコード情報と共に、そのストロ
ークパターンに応じて“(+)”、“(−)”のコード
情報を用いて描画する。
【0048】文字を構成する全てのストロークの情報を
中間メモリ44へ記憶したら、次は、塗り潰し回路45
にて、中間メモリ44にセットされた文字パターンの輪
郭を1列毎に上から下に塗り潰し、これを最終的な文字
パターンとして出力イメージメモリ47に出力する。こ
の場合、HPM46にて保持された水平線パターン
(“(+)”、“(−)”で示される)を参照すること
により、中間メモリ44へのアクセスを減らして塗り潰
しを行うことができる。例えば単純水平線ストロークで
あれば、“(+)”2個、“(−)”2個に対する4回
分の中間メモリ44へのアクセスで単純水平線セグメン
トを描画できる。この塗り潰しと文字パターン出力は、
最も左側の列から始めて順に右へと繰り返す。
【0049】図1に対応するHPM(水平パターンメモ
リ)と、その内容が塗り潰し処理の進行につれて変化す
る様子を図3に示す。図3のHPMは、図1の文字パタ
ーンの塗り潰し方向(上から下方向)の長さと同じく、
20ドットを持つ。塗り潰し開始時点では、HPM46
の内容は全て“0”(白を“0”で、黒を“1”で表現
する)にクリアされる(図示せず)。
【0050】塗り潰し処理が図1の列3まで進んだとき
のHPMの状態を図3(a)に示す。図1の(2,1
6)点の“(+)”印と、(2,18)点の“(−)”
印によって指定された水平線ストロークパターンがあ
り、これに対応して、図3(a)に示すようにHPMの
ドット16から18が黒になっている。
【0051】塗り潰し処理が図1の列4まで進むと、
(3,7)点の“+”、(3,8)点の“−”の対によ
って、従来通りの塗り潰し処理によって、文字パターン
の列3に対しては、ドット7とドット8だけを黒とした
パターンが作られる。
【0052】そのパターンとHPMの内容とがOR演算
されて、文字パターンの第4列として出力される。その
内容は、言うまでもなく、ドット7,8およびドット1
6〜18が黒になったものであり、図1の文字パターン
として期待される通りのパターンになっている。上記の
OR演算を行う手段の詳細は後述する。
【0053】第4列の塗り潰し処理を行った後、第15
列の塗り潰しを始める前までのHPMの内容を図3
(b)に示す。図1の(4,7)点の“(+)”と
(4,9)点の“(−)”によって、HPMのドット7
〜9も黒に変わっている。このパターンが、文字パター
ンの各列にOR演算されることにより、図1の「土」の
字を構成する2本の横棒が作られる。
【0054】図1の第15列に含まれる“(+)”と
“(−)”によって、HPMに記憶されていたパターン
がクリアされる。つまり、始めの“(+)”と
“(−)”のコード情報でHPMに水平ストロークパタ
ーンが記憶され、次の“(+)”と“(−)”でその内
容がクリアされることになる。これは、後述するEXO
R演算によって実現される。その結果、第16列以降の
塗り潰し処理では、HPMの内容は図3(c)に示すよ
うに全て白になっており、従来の塗り潰し処理と同じ結
果が作られる。
【0055】すなわち、本発明によれば、HPMの内容
を従来の塗り潰し処理の結果にORすることによって、
塗り潰し処理の方向と直角の方向のストロークを描画で
きる。その結果、中間メモリに書き込むべき輪郭データ
の量が大幅に減って、中間メモリへ書き込む処理段階の
所要時間が大幅に短縮されることになる。
【0056】次に、HPMの内容を更新する手段と、従
来の塗り潰し処理結果にHPMの内容をORする手段の
実施形態について図5を参照して説明する。
【0057】図5は塗り潰し回路の主要部を出力文字パ
ターンの1ビット分について示す。従来から塗り潰し回
路は、複数のドットを並列処理するように構成されるこ
とが多い。本実施形態の場合も、実際には(後述のよう
に8ビット幅SRAMで作られた中間メモリから2ドッ
ト分の情報が同時に読み出されるのに対応して)2ドッ
ト並列に構成されている。この並列構成に対する技術は
広く知られており、本発明に直接は関係しないので、図
5は1ビット分の回路の構成を簡明に示すにとどめる。
【0058】中間メモリから読み出された当該ドットの
Wナンバの差分値は累算器50にて加えられて、ゼロ判
定回路51に与えられる。Wナンバがゼロならば、白ド
ットを表す“0”が、また、ノンゼロならば黒ドットを
表す“1”が、ゼロ判定の結果として得られる。これが
従来の塗り潰し回路(50、51)であり、従来は、こ
れが出力イメージメモリへ、出力文字パターンの1ドッ
トとして送られていた。
【0059】なお、累算器50の出力は、入力に対して
1クロックずつ遅れるので、ゼロ判定回路57を付加し
て“+”のあるドット位置も黒ドットとなるようにする
のが一般的である。ここまでの部分が公知のノンゼロワ
インディング方式の塗り潰し回路の例である。
【0060】一方、図5のトグル回路52、OR回路5
3、EXOR(エクスクルーシブ・オア)回路54、H
PM(水平パターンメモリ)55、OR回路56が、本
発明を実現するためのものである。
【0061】トグル回路52は、入力に1が加えられる
ごとに反転するDフリップフロップである。HPM55
は、前述のメモリであるが、その中の当該ドットだけを
示している。文字パターンの各列の塗り潰しを始める時
に、トグルはゼロにリセットされる。中間メモリから読
み出された当該ドットに関するデータには、本実施形態
では図1の“(+)”、“(−)”を示すフラグFが、
Wナンバの差分値と並んで記憶されている。そのフラグ
Fがトグル回路52へ加えられる。その結果、トグル回
路52は、次のドットから状態を反転する。
【0062】具体的に説明すると、今、図1の(4,
7)の点を処理しているとすると、中間メモリからフラ
グFが読み出され、これはOR回路53、EXOR回路
54を通してHPM55に記憶される。すなわち、次の
列の処理において、(5,7)の点をクロックにする準
備ができたことになる。ドット(4,7)は、従来の塗
り潰し回路(50、51)の働きで、ゼロ判定回路51
から“1”が出力されることにより、OR回路56の出
力が“1”となり、文字パターンのドットとしては黒に
なる。
【0063】次のドット(4,8)を処理するタイミン
グでは、トグル回路52の出力が“1”となり、OR回
路53、EXOR54を通してHPM55に“1”が書
き込まれる。ドット(4,8)では、中間メモリから読
み出されるフラグFが“1”となるので、トグル回路5
2の出力はドット(4,8)まで“1”であり、(4,
9)が以降はゼロになる。
【0064】ドット(4,16)から(4,18)で
は、HPM55の内容が“1”になっているので、それ
がEXOR54を通してHPM55の入力となり、次の
列についても同じHPM55の内容が記憶されることに
なる。文字パターンの列15では、HPM55の内容と
同じパターンがトグル回路52によって作られ、それが
EXOR54に加えられるので、列16以降ではHPM
55の内容はゼロになる。
【0065】図6は本実施形態における中間メモリのデ
ータ形式を示す図である。中間メモリは、8ビット並列
データ入出力ピンを持つSRAMで構成され、その1語
8ビットがドット(n,i)とドット(n,i+1)の
情報を図6の形式で記憶する。
【0066】ここで、Di ,Di+1 はそれぞれの点のW
ナンバ差分値を、また、Fi ,Fi+1 はそれぞれの点の
フラグを表す。差分値については、特開平2−2664
80号公報に開示されている通りである。
【0067】Wナンバ差分値の更新規則を図7に示す。
この更新規則を一言で説明すれば、“中間メモリに書か
れている輪郭の別のストロークの輪郭が重なった場合
は、両者のWナンバ差分値を加えた値をその点の差分値
とする”ということになる。この更新規則は本実施形態
においても全く同じである。なお、表中で、生成WNコ
ードとは、書き込もうとするストロークに関する当該ド
ットでのWナンバの差分値である。
【0068】なお、中間メモリの同じ点(文字パターン
の同じ位置)にFフラグを2回以上セットすることは本
実施形態では想定していないので、Fフラグの更新規則
は例えば図8のようにすれば良い。その詳細については
後述する。
【0069】中間メモリにフラグを立てる手段として
は、フラグを立てるべきことをフォントデータの一部と
して、図4のフォントROMに記憶しておくのが単純で
ある。つまり、図8のGfビットをフォントデータの中
に持つ方法であって、自明であり、説明を要さない。一
方、フォントROMの内容は従来のままとして、図4の
輪郭の復元・スケーリング部分(輪郭スケーリング回路
42)を変更してGfビットを作り出せることが望まし
い場合も多い。これは、一般にフォントROMは、種々
の製品に利用することも多いからである。
【0070】次に、本発明を芯線フォントに適用した場
合について説明する。ここでは、図9(a)に示すよう
に文字ストロークを芯線Mの形状およびその芯線Mから
ストローク輪郭までの幅Wを基にして記述する従来例に
対して本発明を適用する場合を例にとっても説明する。
【0071】従来例のフォントデータの基本データ構造
を図9(b)に示す。ストロークはセグメントのつなが
りとして表現されるが、図9(b)は1つのセグメント
のデータ構造を示す。図9(a)の横棒のような単純な
ストロークは1個のセグメントとして表現される。セグ
メント種別のフィールドには、水平線、垂直線、斜線、
曲線の別を示す部分を持つ。このデータ構造には、芯線
形状と線幅を示すフィールドの他に、クリッピングと飾
りを示すフィールドがある。芯線Mと線幅Wから決まる
ストローク輪郭線の端点、つまり、図9(a)に示すC
rs,Cre,Cls,Cleの4点の位置をクリッピング・フ
ィールドで示し、その先の部分の形状を飾りのフィール
ドで示している。
【0072】従来は、輪郭復元部でCrsからCreまでと
ClsからCleまでの2本の直線と、ClsからCrsまでと
CreからCleまでの2つの飾り輪郭の記述に変換し、こ
れを目的文字サイズにスケーリングして輪郭描画部へ渡
していた。
【0073】ここで、本発明を芯線フォントに適用する
基本的な考え方を、図10を用いて説明する。説明を簡
単にするために、塗り潰し方向が上から下である場合に
限定して説明する。
【0074】図10は本発明を図9の横棒ストロークに
適用した場合での表現を示す図である。本発明を芯線フ
ォントに適用する場合には、ストロークパターンを塗り
潰し方向に平行な輪郭と塗り潰し方向に直角な輪郭とで
囲まれた矩形部分(ここでは水平ストロークパターン)
と、それ以外の部分とに分割する必要がある。
【0075】そこで、図9(a)のように表されている
横棒ストロークを、図10のように水平線と垂直線で囲
まれた単純水平線セグメント101と、二つの飾り部分
102、103とに分けて輪郭描画する。なお、以下の
説明では、102、103はそれぞれ閉じた輪郭で囲ま
れた図形として輪郭描画部へ渡す。これは、従来の輪郭
描画部が、輪郭が閉じることをチェックしているからで
あって、本質的ではない。
【0076】始端側、終端側それぞれの2つのクリッピ
ング点のうち、ストローク中心に近い方(始端側ではx
座標値の大きい方、終端側ではx座標値の小さい方)の
x座標値と遠い方のY座標値を持つ点Ks 、Ke を求め
る。そして、始端側では、Crs,Ks ,Clsを結ぶ2本
の線分を輪郭描画部に送った後、従来通りの飾りの輪郭
線を輪郭描画部へ送る。これにより、飾り部分102が
描画される。同様に、終端側では、Cle、Ke 、Creを
結ぶ2本の線分を輪郭描画部へ送った後、従来通りの終
端飾りの輪郭線を輪郭描画部へ送る。これにより、飾り
部分103が描画される。
【0077】この場合、Ks またはKe を終点として含
む線分のうち、垂直方向のものを送るときに、新設され
たGfフラグを付けて輪郭描画部へ送る。輪郭描画部で
は、Gfフラグのついた輪郭を中間メモリに書き込む際
に、上述した“(+)”、“(−)”を示すフラグFを
立てる。こうして、フォントROMとして従来のものを
用いて、本発明を実行することができる。
【0078】図11に上記の動作をより詳しくフローチ
ャートの形で示す。図中で、例えばKs.x ,Ks.y のよ
うに、P.x,P.y の形で表記されているのは点Pのx
座標、点PのY座標である。また、L(Ks ,Cls)の
ように、L(P,Q)の形で表記されているのは点Pか
ら点Qへ至る線分を描画するよう輪郭描画部へ指示する
ことを示す。これは従来から用いられている。L(P,
Q,Gf)の形で表記されているのは、点Pから点Qへ
至る線分を描画すると共に、図6のFフラグを立てるよ
うに輪郭描画部へ指示することを示す。すなわち、Gf
付き(図8)の輪郭線分描画を示し、本発明のために追
加されたものである。
【0079】図11において、ステップA11〜A18
は始端側の処理である。上述したように、ストローク中
心に近い方、つまり、始端側ではx座標値の大きい方の
x座標値と遠い方のY座標値を持つ点Ks を求め、Cr
s,Ks ,Clsを結ぶ2本の線分を輪郭描画部に送る。
このとき、Ks を端点として含む線分のうち、垂直方向
のものを送るときに、Gfフラグを付けて輪郭描画部へ
送る。引き続き、従来通りの始端飾り処理を行うことに
よって、始端部分の輪郭が閉じる。
【0080】また、ステップA19〜A25は終端側の
処理である。上述したように、ストローク中心に近い
方、つまり、終端側ではx座標値の小さい方のx座標値
と遠い方のY座標値を持つ点Ke を求め、Cle、Ke 、
Creを結ぶ2本の線分を輪郭描画部に送る。このとき、
Ke を端点として含む線分のうち、垂直方向のものを送
るときに、Gfフラグを付けて輪郭描画部へ送る。引き
続き、従来通りの終端飾り処理を行うことによって、終
端部分の輪郭が閉じる。
【0081】このようにして、輪郭描画部では、Gfフ
ラグのついた輪郭を中間メモリに書き込む際に、上述し
た“(+)”、“(−)”を示すフラグFを立てること
になる。図1の“(+)”、“(−)”は、このように
して中間メモリに書き込まれたものである。
【0082】Gfフラグの有無に応じて輪郭描画部が中
間メモリのFフラグを更新する規則を図8に示す。垂直
線の描画は、従来から線の両端のドット位置にだけ差分
値が書き込まれ、中間のドットはアクセスされないこと
を付記する。なお、図11には2つのクリッピング点が
丁度、上下に並ぶ場合の動作も示されている。もともと
の飾りが、2つのクリッピング点を結ぶ「切り落し」飾
りである場合には、飾りの描画全体を省略し、それ以外
ならばK点を省略する。
【0083】ところで、本発明は、従来のものの小変更
として実現できる利点を持つ。例えば、中間メモリとし
て用いるメモリは、通常8ビットのデータ幅を持ってい
るので、従来から図6のようなデータ形式を用いてお
り、Fi ,Fi+1 に相当するビット部分は未使用になっ
ていた。したがって、本発明を実施するために中間メモ
リの記憶容量を物理的に増す必要もなく、また、従来の
中間メモリの更新回路をそのまま利用できる。
【0084】また、その一方で、本実施形態では、Fフ
ラグにより縦方向と横方向へ2重にeven−odd方
式の塗り潰しを行っていることになる。したがって、図
10の101で示すような単純水平線セグメント同士が
互いに重なり合うことは許されない。つまり、例えば図
1に示すような「土」の字で2つの横棒のストローク部
品が重なり合うと、その重なり部分の塗り潰しが抜けて
しまう(白になる)。
【0085】通常の漢字文字パターンでは、“横棒”と
“縦棒”、“横棒”と“はらい”など、他の種類のセグ
メントと重なることはあっても、横棒同士が重なること
はないので、上記の制約は通常は障害にならない。しか
し、目的の文字サイズを極度に小さく設定した場合に
は、縮小の結果として横棒同士が重なることがあり、問
題となる。そこで、本実施形態では、図12のフローチ
ャートに示すような処理をOA機器側で行うものとす
る。
【0086】図12は本発明を文字サイズに応じて適用
するための処理動作を示すフローチャートである。文字
サイズが一定値未満の小さな文字を描画する場合には
(ステップB11)、本発明を適用しないようにしてい
る。この場合、従来通りの描画を行ってもよいが、本実
施形態の場合には、フォントデータの芯線をそのまま描
画し、塗り潰しを行わないようにして、文字の潰れを減
らしている(ステップB12)。
【0087】また、文字サイズが所定値以上の場合には
(ステップB11)、本発明を適用する(ステップB1
4)。ただし、線幅を太くして文字を描く場合には横棒
が重なるおそれがあるので、線幅を変化させるような文
字修飾が指定された場合には(ステップB13)、安全
のため従来技術で描画するものとする(ステップB1
5)。
【0088】なお、図4の中間メモリへの書き込みをソ
フトウェア的な処理で実現し、塗り潰しをハードウェア
で行うこともできる。この場合のソフトウェア部分のフ
ローチャートを図13に示す。ここでは、文字のフォン
トデータをROMから読んで伸長する処理をまとめて行
っているが(ステップC11、C12)、図13の点線
で示すようにストローク毎に読込みと伸長を行ってもよ
い。
【0089】データ圧縮されたフォントデータを伸張す
ると、ストロークの輪郭を復元、目的の文字サイズへ座
標値をスケーリングした後、その輪郭を中間メモリに書
き込む(ステップC13)。その際に、上述したように
“+”、“−”のコード情報と共に、水平線パターンに
対しては“(+)”、“(−)”のコード情報を用いて
描画する。
【0090】文字パターンを構成する全てのストローク
に対する処理を終えると(ステップC14)、中間メモ
リの1列分の情報を座標値でソートし(ステップC1
5)、ハードウェアである塗り潰し回路の空き状態に応
じて(ステップC16、C17)、ソート後の1列分の
情報をHWインタフェース領域へ書き込む(ステップC
18)。そして、塗り潰し回路を起動して、塗り潰し処
理を行う(ステップC19)。これを全ての列について
繰り返し行う(ステップC20)。この場合、
“(+)”と“(−)”を見付けると、次に“(+)”
と“(−)”が出現するまで、同じパターンを当該塗り
潰し処理の繰返し毎に発生することで、中間メモリへの
アクセスを減らして塗り潰しを行うことができる。
【0091】ここで、ハードウェア部分のブロック図を
図14に示す。図14において、141は全体の制御を
行うCPUである。142は各種情報を記憶した主メモ
リである。143は文字パターンの塗り潰し処理を行う
ための塗り潰し回路である。144は水平ストロークパ
ターンを格納しておくためのHPMである。145はフ
ォントデータを圧縮した形で記憶しているフォントRO
Mである。146はバスである。
【0092】この例では、併せて、中間メモリとして配
列を用いて本発明を実現する。文字パターン列の数だけ
1次元配列を設け、文字パターンの列に対応する1次元
配列の中に順次、ドットのY座標値、Wナンバの差分値
およびFフラグを、例えば図15のような形式で書き込
む。図15は中間メモリとして配列を用いた場合のデー
タ形式を示す図である。このような配列の場合には、同
じドットに輪郭が重なった場合でも、同じY座標値を持
つ複数のデータ要素として表現できるので、個々のデー
タ要素内に持つWナンバの差分値は、図15の如く、
“+”,“−”,“±”の3通りだけでよい。
【0093】上記の配列は、図14の主メモリ142の
一部に設けられる。図13の中で言及されるHWインタ
フェース領域も主メモリ142の中に設けられる。塗り
潰し回路143は、DMA回路を内蔵し、このHWイン
タフェース領域から1列分の中間メモリデータを読み込
み、塗り潰し処理を行って、1列分の文字パターンを主
メモリ142中のバッファ領域にDMA回路を用いて書
き込む。これらの詳細は、公知技術で容易に設計できる
ので、説明を省略する。本発明の要点である図5はこの
ような実施形態の場合でも特に変更を必要としない。
【0094】また、塗り潰し部分も含めて、すべてソフ
トウェアで実現することも考えられる。上述した各実施
形態の場合には、HPMを専用メモリとして作ることが
できる大きさであるので、HPMへのアクセスはバスサ
イクルを専有しない。したがって、中間メモリへのアク
セス回数の削減によって高速化できる。
【0095】塗り潰しもソフトウェアで行う場合にはH
PMを主メモリ上に取ることになり、HPMを設けたこ
とによるバスサイクルの増加を考慮する必要がある。中
間メモリアクセスの回数に比例して長くなる処理が複雑
な場合は検討に値する。この場合、中間メモリは1ドッ
ト分のアクセス当たり1バスサイクルを要するのに対
し、HPMのアクセスは、例えば16ドット当たり1サ
イクルで済む。
【0096】なお、漢字の場合には横棒の方が縦棒より
も出現頻度がずっと高いので、文字パターンの塗り潰し
方向を漢字の縦方向に選ぶようにすれば、本発明を適用
した場合での効果が大きくなる。
【0097】また、文字パターンの塗り潰し方向の1列
のドットパターンの一部を同時にバスに出力することに
より、並列処理の方向の整合がとれるので高速化を図る
ことができる。
【0098】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、塗り潰し
方向の各列毎に塗り潰しを行う第1の塗り潰し手段とは
別に、上記塗り潰し方向の列パターンを上記塗り潰し方
向とは直角な方向に繰り返し発生して塗り潰しを行う第
2の塗り潰し手段を備えたことにより、輪郭描画時にお
ける中間メモリへのアクセス回数を減らすことができ
る。これにより、単純水平線セグメントであれば、その
大きさにかかわらず4回のアクセスで形成することがで
き、中間メモリアクセス回数を大幅に減らすことができ
る。なお、中間メモリを配列として実現する場合には、
塗り潰し処理のための中間メモリアクセス回数も減るの
で、本発明による高速化の効果はさらに大きい。
【0099】また、文字パターンの第1の座標軸方向に
同じ大きさの列パターンを記憶する列パターン記憶手段
(HPM)を用いることで、単純水平線セグメントの出
力を容易にすることができる。
【0100】また、例えばY軸方向(上から下方向)を
塗り潰し方向とした場合に、垂直の輪郭は第1の塗り潰
し手段で、水平な輪郭は第2の塗り潰し手段で形成する
ことにより、冗長的な情報を中間メモリに記憶させずに
済み、その結果として高速化を図ることができる。
【0101】また、文字パターンの矩形部分を分離し、
その矩形部分を簡単な表示方法で表現することによっ
て、中間メモリへ記憶するデータ量を少なくすることが
できる。したがって、高速に文字パターンを形成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗り潰し方式を説明するための概念
図。
【図2】図1に対応する従来の塗り潰し方式を説明する
ための概念図。
【図3】図1に対応するHPMとその内容が塗り潰し処
理の進行につれて変化する様子を示す図。
【図4】本発明を適用した文字パターン形成装置の構成
を示すブロック図。
【図5】本発明を適用した場合での塗り潰し回路の主要
部を出力文字パターンの1ビット分について示すブロッ
ク図。
【図6】中間メモリのデータ形式を示す図。
【図7】Wナンバ差分値の更新規則を示す図。
【図8】Gfフラグの有無に応じて輪郭描画部が中間メ
モリのFフラグを更新する規則を示す図。
【図9】芯線フォントの基本データ構造としての横棒ス
トロークの表現を示す図。
【図10】本発明を芯線フォントに適用した場合での横
棒ストロークの表現を示す図。
【図11】本発明を芯線フォントに適用した場合での処
理動作を示すフローチャート。
【図12】本発明を文字サイズに応じて適用するための
処理動作を示すフローチャート。
【図13】中間メモリへの書き込み処理をソフトウェア
で実現した場合での処理動作を示すフローチャート。
【図14】塗り潰し処理をハードウェアで実現した場合
での構成を示すブロック図。
【図15】中間メモリとして配列を用いた場合のデータ
形式を示す図。
【図16】ファクシミリの符号化方式を説明するための
概念図。
【図17】従来の塗り潰し方式を説明するための概念
図。
【符号の説明】
41…フォントROM 42…輪郭スケーリング回路 43…輪郭描画回路 44…中間メモリ 45…塗り潰し回路 46…水平パターンメモリ 47…出力イメージメモリ 50…累算器 51…ゼロ判定回路 52…トグル回路 53…OR回路 54…EXOR(エクスクルーシブ・オア)回路 55…HPM(水平パターンメモリ) 56…OR回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 文字パターンを構成するフォントデータ
    を記憶したフォントメモリと、 このフォントメモリから、指定された文字パターンに対
    応する上記フォントデータを読み出し、そのフォントデ
    ータに基づいて上記文字パターンの輪郭情報を描画する
    輪郭描画手段と、 この輪郭描画手段によって描画された上記輪郭情報を記
    憶するための中間メモリと、 この中間メモリに記憶された上記輪郭情報に基づいて塗
    り潰し処理を実行し、上記文字パターンを形成する塗り
    潰し手段とを具備し、 上記塗り潰し手段は、 上記塗り潰し方向の各列毎に塗り潰しを行う第1の塗り
    潰し手段と、 上記塗り潰し方向の列パターンを上記塗り潰し方向とは
    直角な方向に繰り返し発生して塗り潰しを行う第2の塗
    り潰し手段とを有することを特徴とする文字パターン形
    成装置。
  2. 【請求項2】 文字パターンの第1の座標軸方向に塗り
    潰しを行う第1の塗り潰し手段と、 上記第1の座標軸方向に少なくとも上記文字パターンと
    同じ大きさの列パターンを記憶する列パターン記憶手段
    と、 この列パターン記憶手段に記憶された上記列パターンを
    第2の座標軸方向に繰り返し発生する第2の塗り潰し手
    段と、 この第2の塗り潰し手段による塗り潰し処理に従って上
    記列パターン記憶手段の内容を更新する更新手段と、 上記第1の塗り潰し手段から出力されるパターンと上記
    列パターン記憶手段に記憶された上記列パターンとを演
    算し、上記文字パターンとして出力する演算手段とを具
    備したことを特徴とする文字パターン形成装置。
  3. 【請求項3】 文字パターンの第1の座標軸方向に塗り
    潰しを行う第1の塗り潰し手段と、 上記第1の座標軸方向に少なくとも上記文字パターンと
    同じ大きさの列パターンを記憶する列パターン記憶手段
    と、 この列パターン記憶手段に記憶された上記列パターンを
    上記第1の座標軸方向に繰り返し発生する第2の塗り潰
    し手段と、 上記第1の塗り潰し手段を制御するための第1の制御情
    報と上記第2の塗り潰し手段を制御するための第2の制
    御情報とを用いて、上記文字パターンの輪郭を描画する
    輪郭描画手段とを具備し、 上記文字パターンの上記第1の座標軸方向の輪郭は、上
    記第1の塗り潰し手段によって形成され、 上記文字パターンの上記第1の座標軸方向と直角方向の
    輪郭の少なくとも一部は、上記第2の塗り潰し手段によ
    って形成されることを特徴とする文字パターン形成装
    置。
  4. 【請求項4】 塗り潰しによって文字パターンを形成す
    る文字パターン形成方法であって、 指定された文字パターンに対応するフォントデータをス
    トローク単位に読み出すステップと、 読み取ったストロークの少なくとも一部のストロークの
    パターンを塗り潰し方向に平行な輪郭と塗り潰し方向に
    直角な輪郭とで囲まれた矩形部分とそれ以外の部分とに
    分割するステップと、 上記矩形部分以外の部分を第1の制御情報で表現し、上
    記矩形部分を第2の制御情報で表現して中間メモリに書
    き込むステップと、 上記中間メモリに書き込まれた上記第1、第2の制御情
    報を読み出し、上記第1の制御情報で表現された部分に
    対しては1次元的に塗り潰しを行い、上記第2の制御情
    報で表現された部分に対しては2次元的に塗り潰しを行
    うことによって、上記文字パターンを形成するステップ
    とを具備したことを特徴とする文字パターン形成方法。
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WO2010134124A1 (ja) * 2009-05-19 2010-11-25 三菱電機株式会社 ベクトル図形描画装置

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