JPH0932557A - 渦流室式ディーゼル機関 - Google Patents

渦流室式ディーゼル機関

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JPH0932557A
JPH0932557A JP7188833A JP18883395A JPH0932557A JP H0932557 A JPH0932557 A JP H0932557A JP 7188833 A JP7188833 A JP 7188833A JP 18883395 A JP18883395 A JP 18883395A JP H0932557 A JPH0932557 A JP H0932557A
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swirl
chamber
fuel
swirl chamber
piston
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Application number
JP7188833A
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Inventor
Katsuhiko Shirai
克彦 白井
Masanori Shimada
昌典 島田
Kunio Hasegawa
国生 長谷川
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Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 出力を高くしても渦流室が高温にならず、か
つピストンの熱負荷のばらつきを少なくし、焼付きやオ
イル消費の悪化を防止する。 【構成】 ピストン3とシリンダヘッド4の間の主燃焼
室5に噴口7を介して連通された渦流室6を設け、渦流
室6に燃料を噴射する噴射ノズル8を配置し、ピストン
3の上面に、主燃焼室5の一部を構成するとともにピス
トン3が上死点近傍に到達したときにスワール流11を
存続させる窪み部10を形成し、渦流室6内から噴口7
を通して直接窪み部10に向けて燃料を噴射するように
噴射ノズル8を配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主燃焼室に噴口を介し
て連通された渦流室を有するとともにその渦流室に燃料
の噴射ノズルが配置された渦流室式ディーゼル機関に関
し、特に2サイクルディーゼル機関において特別顕著な
効果を発揮する渦流室式ディーゼル機関に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の渦流室式ディーゼル機関、主に4
サイクルディーゼル機関においては、図9に示すよう
に、シリンダ21内のピストン22とシリンダヘッド2
3の間の主燃焼室24の上部一側に位置するようにシリ
ンダヘッド23に渦流室25が形成され、この渦流室2
5から主燃焼室24に向けて斜めに噴口26が形成さ
れ、かつ渦流室25内に燃料を噴射する噴射ノズル27
が配置されている。この噴射ノズル27は、ピストン2
2の上昇に伴って噴口26から空気が流入して渦流室2
5内に強い渦流が発生するためにより大量の燃料を燃焼
させることができること、及び主燃焼室24に燃料を噴
射すると直噴式のように騒音の原因になることから、燃
料の全量を渦流室25内に噴射しかつ流入空気の渦流に
沿う方向に噴射するように配置されている。また、空気
利用率を上げるために、ピストン22が上死点に到達し
たときの全すきま容積に対する渦流室25の容積の占め
る割合を60〜70%と大きく取っている。また、ピス
トン22の上面には、図10に示すように、噴口26か
ら噴出する主として燃焼ガス及び蒸発した未燃焼ガスと
空気の混合ガスを主燃焼室24全体に円滑に拡散・燃焼
伝播させるために二葉形状の窪み部28が形成されてい
る。このように渦流室25を設計し、噴射ノズル27を
配置することによって最も高い出力を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
9に示した構成のように、出力を重視した同じ考え方で
2サイクルディーゼル機関を設計すると、ガス交換サイ
クルが無いために渦流室25が高温となり、渦流室25
を構成する部材の耐熱温度によって燃料噴射量、すなわ
ち出力が制限されるという問題があり、またピストン2
2の熱負荷が噴口26に対向する二葉形状の窪み部28
の根元部分で特に高くなり、ピストン22に異常変形が
発生して、焼付きやオイル消費の悪化の原因になるとい
う問題があった。
【0004】一方、渦流室が高温になるという問題に対
しては直噴式にすることが考えられるが、直径90mm
以下のシリンダ径の小さいエンジンでは、噴霧燃料が着
火前に直接ピストンの上面に形成した窪み部の底面に衝
突しないような距離を取るのは難しく、また全運転域で
噴霧燃料が衝突前に着火し得るだけのスワール流を確保
することも困難であることから、直噴式を適用すること
もできない。また、ピストンの異常変形を防止するため
には噴口をシリンダの中央に配置することも考えられる
が、バルブ配置上の制約から実現性は乏しい。
【0005】なお、特開平3−225024号公報に
は、図9に示した構成では火炎が噴口から主燃焼室に伝
播した後、主燃焼室への燃料供給が不足がちになり、主
燃焼室内での火炎の伝播が遅くなって高速化を図れない
という問題があることに注目して、燃料を渦流室から噴
口を通して直接主燃焼室に向けて噴射し、かつ燃料噴射
方向を渦流室内での流入空気の流れ方向と逆らわない方
向となるようにしたものが開示されている。しかしなが
ら、ピストン上面に窪み部が形成されていないので、ピ
ストンが上死点近傍に到達したときにスワール流が消滅
して燃焼伝播が円滑に行われず、そのため一瞬遅れて急
激に燃焼し、騒音や過大な熱負荷の発生原因になるとい
う問題がある。
【0006】また、特開平4−255524号公報に
は、噴口を介して燃焼室に連通する副室空間に、噴口に
近い蒸気生成室と遠いエネルギ室を形成して、エネルギ
室に燃料を供給した後蒸気生成室に燃料を供給し、エネ
ルギ室での燃焼による圧力上昇で蒸気生成室の燃料蒸気
を噴口から主燃焼室に押し出すようにしたものが開示さ
れているが、ピストンが上死点近傍に達したときにもス
ワール流を維持するような窪み部がピストン上面に形成
されていず、上記と同様の問題がある。
【0007】また、特開平4−8821号公報や特開平
5−71345号公報には、直接噴射式ディーゼル機関
において、シリンダヘッドに攪乱燃焼室を設けて主燃焼
室と攪乱燃焼室にそれぞれ燃料噴射ノズルを設けたもの
が開示されているが、ピストンが上死点近傍に達したと
きにもスワール流を維持するような窪み部がピストン上
面に形成されていず、上記と同様の問題がある。
【0008】なお、以上の説明では2サイクルディーゼ
ル機関の場合の問題点として説明したが、程度の違いは
あっても4サイクル機関の場合にも高出力時には同様の
問題がある。
【0009】本発明は、このような従来の問題点に鑑
み、出力を高くしても渦流室が高温にならず、かつピス
トンの熱負荷のばらつきを少なくできて焼付きやオイル
消費の悪化を来さない渦流室式ディーゼル機関を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の第1発明の渦流室
式ディーゼル機関は、ピストンとシリンダヘッドの間の
主燃焼室に噴口を介して連通された渦流室を設け、渦流
室に燃料を噴射する噴射ノズルを配置した渦流室式ディ
ーゼル機関において、ピストンの上面に、主燃焼室の一
部を構成するとともにピストンが上死点近傍に到達した
ときにスワール流を存続させる窪み部を形成し、渦流室
内から噴口を通して直接窪み部に向けて燃料を噴射する
ように噴射ノズルを配置したことを特徴とする。
【0011】又、本願の第2発明の渦流室式ディーゼル
機関は、上記渦流室式ディーゼル機関において、ピスト
ンの上面に、主燃焼室の一部を構成するとともにピスト
ンが上死点近傍に到達したときにスワール流を存続させ
る窪み部を形成し、渦流室内から窪み部に向けて開口す
る噴口を窪み部内のスワール流方向に沿うように窪み部
外周部に略接線方向に配設したことを特徴とする。
【0012】又、本願の第3発明の渦流室式ディーゼル
機関は、上記渦流室式ディーゼル機関において、ピスト
ンの上面に、主燃焼室の一部を構成するとともにピスト
ンが上死点近傍に到達したときにスワール流を存続させ
る窪み部を形成し、かつこの窪み部に向けて燃料を噴射
する別の燃料噴射手段を設けたことを特徴とする。
【0013】
【作用】第1発明においては、ピストンの上昇に伴って
噴口から渦流室内に空気が流入して渦流室内に強い渦流
が発生し、その状態で噴射ノズルから燃料を噴射するこ
とにより、燃料は渦流室内で必ず着火し、着火した燃料
がピストンの上面に形成された窪み部内に形成されてい
るスワール流内に噴出し、燃焼がこの窪み部を含む主燃
焼室全体に円滑かつ速やかに伝播する。負荷が大きく、
燃料噴射量が多い場合には、着火した燃料の後からさら
に主燃焼室に燃料が供給され、その燃料が主燃焼室で燃
焼することにより高出力が得られる。また、渦流室内に
おいて燃料の一部が燃焼することにより、渦流室内の圧
力が大きくなって燃焼ガスが噴口から噴出することによ
り、ピストンが下降行程に入った燃焼の中・後期におい
ても主燃焼室内で燃料と空気を強く混合させることがで
きて円滑な燃焼伝播を促進できる。
【0014】このように渦流室で燃料を着火させるた
め、主燃焼室での着火遅れによる急激燃焼のために、熱
負荷が大きくなったり、騒音の原因になったりすること
がなく、また低負荷時には燃料噴射時間が短いので渦流
室での燃焼が主となるが高負荷時にはさらに主燃焼室に
燃料が供給されて主燃焼室での燃焼が主となるので、高
負荷時の渦流室の過大な温度上昇を防止でき、また噴口
から上死点近傍のピストン上面に向けては主として火炎
ではなく未燃焼燃料を噴出し、かつスワール流が形成さ
れた窪み部内に広がるために、ピストンの熱負荷を均一
にできて焼付きやオイル消費の悪化を来す恐れがない。
【0015】又、第2発明においては、渦流室が高温に
なるのを抑制するために噴口を大きくしてその結果渦流
室内の渦流が弱まっても、ピストン上面の窪み部にスワ
ールが形成されているために燃焼の悪化を防止ができ、
中後期の燃焼を活発にすることができ、高出力を確保し
かつエンジン性能を低下させることなく渦流室内の温度
を低下させることができる。
【0016】又、第3発明においては、噴射ノズルから
噴射された燃料が渦流室内に形成された強い渦流によっ
て空気と混合されて良い燃焼状態が得られ、その火炎が
噴口から主燃焼室に噴出することにより主燃焼室の混合
気の燃焼を促進でき、またその主燃焼室の窪み部に向け
て別の燃料噴射手段から燃料を噴射することによりその
燃料が窪み部に形成されているスワール流にて空気と確
実にかつ速やかに混合され、上記噴口からの火炎の噴出
と相まって主燃焼室の全体に円滑に燃焼伝播し、中後期
の燃焼においても良好な燃焼状態が得られ、高出力を確
保しかつエンジン性能を低下させることなく渦流室内の
温度を低下させることができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1〜図3を参
照して説明する。
【0018】図1において、1はシリンダブロック、2
はシリンダ、3はピストン、4はシリンダヘッドであ
る。5はシリンダ2内のピストン3とシリンダヘッド4
の間の主燃焼室であり、この主燃焼室5の上部一側に位
置するようにシリンダヘッド4に渦流室6が形成されて
いる。また、この渦流室6から主燃焼室5に向けて斜め
に噴口7が形成され、かつ渦流室6にこの渦流室6内か
ら噴口7を通して主燃焼室5に向けて直接燃料を噴射す
るように噴射ノズル8が配設されている。9は始動時に
点火するためのグロープラグである。
【0019】ピストン3の上面には、主燃焼室5の一部
を構成する平面視略円形の窪み部10が形成され、ピス
トン3が上死点近傍に到達したときにシリンダ2内のス
ワール流12によって内部にスワール流11が存続する
ように構成されている。また、図2、図3に示すよう
に、窪み部10はピストン3の中央部から若干偏芯させ
て形成され、噴口7が窪み部10の外周部に対して接線
方向に開口するように構成され、かつ噴口7を通して燃
料及び燃焼ガスが窪み部10内に形成されるスワール流
11に対して順方向に噴出するように窪み部10と噴口
7が配設されている。
【0020】また、渦流室6の容積は、ピストン3の上
面に窪み部10を設けているので、ピストン3が上死点
に到達したときの窪み部10を含む全すきま容積に対す
る容積比が30〜20%になるように設定されている。
なお、渦流室6の容積と噴口7の面積の比は、渦流が弱
まらないように従来と同様に設定されている。
【0021】なお、図2において13は排気バルブであ
る。
【0022】以上の構成において、シリンダ2内をピス
トン3が上昇すると、シリンダ2内の空気が圧縮される
とともに噴口7から渦流室6内に空気が流入して渦流室
6内に強い渦流が発生し、その状態でピストン3が上死
点近傍(例えば上死点の手前20°)に到達すると噴射
ノズル8から燃料が噴射される。噴射された燃料は渦流
室6内で必ず着火し、着火した燃料が噴口7からピスト
ン3の上面に形成された窪み部10内に形成されている
スワール流11に向けて噴出する。そして、窪み部10
内で着火した燃料と空気がスワール流11にて速やかに
混合されるため、燃焼がこの窪み部10を含む主燃焼室
5全体に円滑かつ速やかに伝播し、高い出力が得られ
る。
【0023】また、負荷が大きい場合には燃料量を増加
させるために、噴射ノズル8からの燃料噴射時間が長く
なって着火した燃料の後からさらに主燃焼室5に向けて
燃料が供給され、その燃料は主燃焼室5で燃焼する。
【0024】その際に、渦流室6内において燃料の一部
が燃焼して渦流室6内の圧力が大きくなり、燃焼ガスが
噴口7から噴出することにより、ピストン3の下降時に
も主燃焼室5内で燃料と空気を強く混合させることがで
き、中・後期の燃焼行程でも円滑な燃焼を促進でき、さ
らに主燃焼室5での燃焼後のピストン3の押し下げ効果
も発揮するので出力を高めることができる。
【0025】以上のように、本実施例によれば渦流室6
で燃料を着火させるため、主燃焼室5での着火遅れによ
る急激燃焼によって熱負荷が大きくなったり、騒音の原
因になったりすることがない。また低負荷時には燃料噴
射時間が短いので渦流室6での燃焼が主となるが、高負
荷時にはさらに主燃焼室5に燃料が供給されて主燃焼室
5での燃焼が主となるので、高負荷時の渦流室6の過大
な温度上昇を防止でき、渦流室6の耐熱温度によって出
力が制限を受けるのを防止できる。また、噴口7から上
死点近傍のピストン3上面に向けては主として火炎では
なく未燃焼燃料を噴出し、かつスワール流11が形成さ
れた窪み部10内に広がるために、ピストン3の熱負荷
を均一にできて焼付きやオイル消費の悪化を来す恐れも
ない。
【0026】次に、本発明の第2実施例について、図
4、図5を参照して説明する。なお、以下の実施例にお
いて、第1実施例と同一の構成要素については同一参照
番号を付して説明を省略する。
【0027】上記第1実施例では噴射ノズル8から噴口
7を通して主燃焼室5に向けて直接燃料を噴射するよう
にしたが、本実施例では渦流室6が縦長の長円形に形成
されてその下端に噴口7が開口され、この渦流室6下部
における噴口7に対して渦流方向上流側近傍位置に向け
て噴射ノズル8から燃料を噴射するように構成されてい
る。噴口7は、ピストン3の上面に形成された窪み部1
0の外周部に接線方向にかつスワール流11に対して順
方向に、さらにピストン3の上面に対する垂直方向の傾
斜角θが35°以下となるように配設されている。な
お、本実施例では、窪み部10はピストン3と渦流室6
の中心を結ぶ中心線上に配設され、噴口7が渦流室6か
ら窪み部10の外周部に向けて斜めに形成されている。
【0028】本実施例によれば、噴射ノズル8から噴射
された燃料の大部分が渦流室6内で渦流に混合されて燃
焼を開始し、その燃焼ガスと未燃焼混合ガスが噴口7か
ら主燃焼室5内に噴出するとともに、噴射された燃料の
一部が渦流室6の壁面を伝って円滑に噴口7に移動して
上記噴出ガスとともに主燃焼室5に向けて円滑に噴出さ
れる。主燃焼室5ではピストン3上面の窪み部10によ
って強いスワールが形成されているので、その後の主燃
焼が円滑にかつ速やかに行われ、中後期の燃焼を活発に
することができる。また、噴口7のピストン3上面に対
する傾斜角θを35°以下としているので、噴口7から
噴出した燃料がスワール流11に円滑に乗り、燃料が着
火燃焼前に窪み部10の底面に接触、付着するのを防止
でき、燃焼遅れによる弊害を防止できる。そのため渦流
室6内の渦流が弱まっても燃焼の悪化を防止することが
でき、それだけ噴口7を大きくして渦流室6が高温にな
るのを抑制することができる。従って、エンジン性能を
低下させずに渦流室内の温度を低下させることができ
る。
【0029】次に、本発明の第3実施例について図6を
参照して説明する。第1実施例では噴射ノズル8は、燃
料の全量を渦流室6から噴口7を通して主燃焼室5に向
けて噴射し、渦流室6で着火した燃料をすぐに噴口7か
ら主燃焼室5に噴出するように構成したが、この実施例
では渦流室6での燃焼が確実に行われるように、主燃焼
室5に向けて燃料を噴射する主噴射口15と渦流室6内
に向けて燃料を噴射する副噴射口16とを備えた噴射ノ
ズル18を設けている。副噴射口16は、渦流の方向に
対して順方向に燃料を噴射するようにその噴射方向が設
定されている。
【0030】また、これら噴射口15、16から噴射さ
れる燃料比は、上死点における主燃焼室5と渦流室6の
容積比にほぼ対応させて3〜4:1程度に設定されてい
る。
【0031】以上の構成によると、主噴射口15から噴
射された燃料は渦流室6で着火して直ぐに噴口7から主
燃焼室5に飛び出し、主燃焼室5で主燃焼が行われる。
一方、副噴射口16からは渦流の順方向に燃料が噴射さ
れるので、噴射が同時に始まっても遅れて着火して渦流
室6内で燃焼する。そのため、主燃焼室5内での燃焼が
行われているところへ、追って渦流室6内での燃焼によ
って生じた火炎が噴口7から吹き出し、特に主燃焼室5
内での中・後期の燃焼が促進され、この渦流室6の作用
が確実に発揮されて高出力が得られる。
【0032】次に、本発明の第4実施例について図7を
参照して説明する。上記第3実施例では主噴射口15と
副噴射口16を有する単一の噴射ノズル18を配設した
が、本実施例では渦流室6内に渦流に対して順方向に燃
料を噴射する第1の噴射ノズル19と噴口7を通して主
燃焼室5に向けて燃料を噴射する第2の噴射ノズル20
を渦流室6に配設している。この実施例においても第3
実施例と同様の作用が発揮される。
【0033】次に、本発明の第5実施例について図8を
参照して説明する。上記第4実施例では第1と第2の噴
射ノズル19、20を渦流室6に配設したが、本実施例
では第1の噴射ノズル19は当然渦流室6に配設してい
るが、主燃焼室5に燃料を噴射する第2の噴射ノズル2
0は直接主燃焼室5に向けて燃料を噴射するようにシリ
ンダヘッド4の渦流室6の側部に配設されている。第1
の噴射ノズル19には比較的低い噴射圧(例えば100
〜150kg/cm2)のスロットル又はピントノズルが用い
られ、第2の噴射ノズル20は比較的高い噴射圧(例え
ば200〜300kg/cm2)の単孔ホールノズルが用いら
れる。なお、渦流室6の容積は30〜40%、主燃焼室
5の容積は60〜70%にするのが望ましい。
【0034】本実施例においては、第1の噴射ノズル1
9から噴射された燃料が渦流室6内に形成された強い渦
流に乗ることによって空気利用率が高く良い燃焼状態が
得られ、その火炎が噴口7から主燃焼室5に噴出して主
燃焼室5の混合気の燃焼を促進する。しかも、主燃焼室
5においては窪み部10にスワール流11が形成されて
いるので、第2の噴射ノズル20から噴射された燃料が
このスワール流11にて空気と速やかに混合され、上記
渦流室6から噴口7を通して火炎が噴出することと相ま
って良好な燃焼状態が得られ、その結果渦流室6内に全
燃料を噴射する従来の渦流室式ディーゼル機関に比して
噴口7による絞り損失がなく、低燃費化と高出力化を図
ることができるとともに、高出力時の渦流室6の高温化
も防止できる。
【0035】
【発明の効果】本発明の渦流室式ディーゼル機関によれ
ば、以上のようにピストンの上面にシリンダ内のスワー
ル流を存続させる窪み部を形成し、渦流室内から噴口を
通して直接窪み部に向けて燃料を噴射するように噴射ノ
ズルを配置し、噴射ノズルから噴射した燃料を渦流室内
で必ず着火させてピストン上面の窪み部内に形成されて
いるスワール流内に噴出させるようにしているので、燃
焼が主燃焼室全体に円滑かつ速やかに伝播し、主燃焼室
での着火遅れによる急激燃焼のために、熱負荷が大きく
なったり、騒音の原因になったりすることがなく、また
低負荷時には燃料噴射時間が短いので渦流室での燃焼が
主となるが高負荷時にはさらに主燃焼室に燃料が供給さ
れて主燃焼室での燃焼が主となるので、高負荷時に高出
力を得ながら渦流室の過大な温度上昇を防止でき、また
渦流室内において燃料の一部が燃焼することにより、渦
流室内の圧力が大きくなって燃焼ガスが噴口から噴出す
ることにより、ピストンの下降時にも主燃焼室内で燃料
と空気を強く混合させることができ、円滑な燃焼を促進
でき、さらに主燃焼室での燃焼後のピストンの押し下げ
効果も発揮するので出力を高めることができ、また噴口
から上死点近傍のピストン上面に向けては主として火炎
ではなく未燃焼燃料を噴出し、かつスワール流が形成さ
れた窪み部内に広がるために、ピストンの熱負荷を均一
にできて焼付きやオイル消費の悪化を来す恐れもない。
【0036】又、第2発明によれば、渦流室が高温にな
るのを抑制するために噴口を大きくしてその結果渦流室
内の渦流が弱まっても、ピストン上面の窪み部にスワー
ルが形成されているために燃焼の悪化を防止することが
でき、中後期の燃焼を活発にすることができ、エンジン
性能を低下させずに渦流室内の温度を低下させることが
できる。
【0037】又、第3発明によれば、噴射ノズルから噴
射された燃料が渦流室内に形成された強い渦流によって
空気と混合されて良い燃焼状態が得られ、その火炎が噴
口から主燃焼室に噴出して主燃焼室の混合気の燃焼を促
進でき、かつその主燃焼室においては別の燃料噴射手段
から噴射された燃料が窪み部に形成されているスワール
流にて空気と確実にかつ速やかに混合され上記噴口から
の火炎の噴出と相まって主燃焼室でも良好な燃焼状態が
得られ、その結果渦流室での燃焼を少なくしてその高温
化を防止しながら高出力が可能でかつ噴口による絞り損
失が少なく、低燃費化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の渦流室式ディーゼル機関の一実施例の
要部の縦断面図である。
【図2】図1のII−II矢視平面図である。
【図3】同実施例の渦流室と噴口と窪み部の配置関係を
示す斜視図である。
【図4】本発明の渦流室式ディーゼル機関の第2実施例
の要部の縦断面図である。
【図5】図4のV−V矢視平面図である。
【図6】本発明の渦流室式ディーゼル機関の第3実施例
の要部の縦断面図である。
【図7】本発明の渦流室式ディーゼル機関の第4実施例
の要部の縦断面図である。
【図8】本発明の渦流室式ディーゼル機関の第5実施例
の要部の縦断面図である。
【図9】従来例の渦流室式ディーゼル機関の要部の縦断
面図である。
【図10】従来例のピストン上面の平面図である。
【符号の説明】
3 ピストン 4 シリンダヘッド 5 主燃焼室 6 渦流室 7 噴口 8 噴射ノズル 10 窪み部 11 スワール流 15 主噴射口 16 副噴射口 18 噴射ノズル 19 第1の噴射ノズル 20 第2の噴射ノズル
フロントページの続き (72)発明者 長谷川 国生 滋賀県蒲生郡竜王町大字山之上3000番地 ダイハツ工業株式会社滋賀テクニカルセン ター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンとシリンダヘッドの間の主燃焼
    室に噴口を介して連通された渦流室を設け、渦流室に燃
    料を噴射する噴射ノズルを配置した渦流室式ディーゼル
    機関において、ピストンの上面に、主燃焼室の一部を構
    成するとともにピストンが上死点近傍に到達したときに
    スワール流を存続させる窪み部を形成し、渦流室内から
    噴口を通して直接窪み部に向けて燃料を噴射するように
    噴射ノズルを配置したことを特徴とする渦流室式ディー
    ゼル機関。
  2. 【請求項2】 ピストンとシリンダヘッドの間の主燃焼
    室に噴口を介して連通された渦流室を設け、渦流室に燃
    料を噴射する噴射ノズルを配置した渦流室式ディーゼル
    機関において、ピストンの上面に、主燃焼室の一部を構
    成するとともにピストンが上死点近傍に到達したときに
    スワール流を存続させる窪み部を形成し、渦流室内から
    窪み部に向けて開口する噴口を窪み部内のスワール流方
    向に沿うように窪み部外周部に略接線方向に配設したこ
    とを特徴とする渦流室式ディーゼル機関。
  3. 【請求項3】 ピストンとシリンダヘッドの間の主燃焼
    室に噴口を介して連通された渦流室を設け、渦流室に燃
    料を噴射する噴射ノズルを配置した渦流室式ディーゼル
    機関において、ピストンの上面に、主燃焼室の一部を構
    成するとともにピストンが上死点近傍に到達したときに
    スワール流を存続させる窪み部を形成し、かつこの窪み
    部に向けて燃料を噴射する別の燃料噴射手段を設けたこ
    とを特徴とする渦流室式ディーゼル機関。
JP7188833A 1995-07-25 1995-07-25 渦流室式ディーゼル機関 Pending JPH0932557A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6920299B2 (en) * 2001-11-01 2005-07-19 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus and intermediate transfer unit detachably mountable thereon

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