JP3163842B2 - 副室式エンジン - Google Patents

副室式エンジン

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JP3163842B2 JP12307193A JP12307193A JP3163842B2 JP 3163842 B2 JP3163842 B2 JP 3163842B2 JP 12307193 A JP12307193 A JP 12307193A JP 12307193 A JP12307193 A JP 12307193A JP 3163842 B2 JP3163842 B2 JP 3163842B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主燃焼室、副燃焼室
及び該副燃焼室に燃料を噴霧する燃料噴射ノズルを有す
る副室式エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンの燃焼改善を目的として
渦流室を持つ副室式エンジンが開発されている。このよ
うな副室式エンジンは、シリンダヘッドに形成した渦流
室即ち副燃焼室、該副燃焼室とシリンダ側に形成した主
燃焼室とを連通する連絡孔及び副燃焼室内に燃料を噴霧
する燃料噴射ノズルを有し、連絡孔を通じて副燃焼室に
流入する渦流によって副燃焼室内に噴射された燃料とで
混合気を形成させ、着火燃焼させている。
【0003】従来、図3に示すような副室式エンジンが
開示されている。図3は副室式エンジンにおける副燃焼
室を説明する平面図である。該副室式エンジンは、シリ
ンダヘッド側に副室部材15を配置して副燃焼室2を形
成したものであり、副燃焼室2とシリンダ側に形成され
た主燃焼室とを複数のストレート状連絡孔19で連通し
ている。副室部材15にストレート状連絡孔19を複数
個形成した場合には、吸入空気が圧縮行程で主燃焼室か
ら連絡孔19を通じて副燃焼室2に流入することによっ
て副燃焼室2内に旋回流を形成し、また、火炎、未燃混
合気等のガスが膨張行程で副燃焼室2から連絡孔19を
通じて主燃焼室に噴出することによって主燃焼室に旋回
流を形成している。
【0004】従来、副室断熱エンジンの一例として、特
開平3−145515号公報に開示されたものがある。
該副室断熱エンジンは、シリンダヘッド下面部のシリン
ダ対向中央に配置した断熱構造の副室を構成するセラミ
ック製副室ブロック、前記副室に対して接線方向に前記
副室ブロックに形成し且つ前記副室を主燃焼室に分離箇
所で連通する複数個の連絡孔、及び前記副室の中央上部
に配置し且つホールノズルタイプの多噴孔を備えた燃料
噴射ノズルから構成したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の副室式エンジン
では、スワールチャンバタイプのもので、副室容積比を
52〜58%、副室連絡孔面積比を1.2〜1.6%程
度で、単噴孔ノズルで燃焼の最適化を図っている。副室
式燃焼室の燃料噴霧と空気との混合は、圧縮行程で圧縮
された空気が絞りとなる連絡孔を通ることにより、空気
の流速が増し、これが混合気生成エネルギーとなり、燃
料噴霧との混合を促進していると考えられている。ま
た、膨張行程では副室での燃焼と連絡孔の絞り効果によ
り、燃焼ガスの副室から主室への噴出エネルギーとな
り、主室での燃焼を促進していると考えられている。こ
のような副室式エンジンでは、燃焼に重要な混合気生成
エネルギー、及び噴出エネルギーを連絡孔の絞りにより
形成されているため、連絡孔の通路面積を大きくするこ
とができず、そのためポンプ損失が大きく、また、混合
気生成を激しい空気流動により得ているために、副室内
の熱伝導率が大きく、冷却水損失が大きくなっている。
【0006】ところで、副室式エンジンについては、主
室と副室を連通する連絡孔を副室壁面の接線方向に角度
を持たせて設け、副室内の空気流動が活発化し、更に着
火後、主室への火炎の噴出エネルギーの減衰がなく、短
時間に主室最外周に火炎が到達するため、空気利用率が
向上し、有害ガスの少ないクリーンな燃焼が可能で出力
も向上する。
【0007】ところが、副室に流入するときの空気流動
が強すぎる場合には、次のような悪影響が発生する。即
ち、まず、副室内で生じるスワール流はオーバースワー
ルの状態となり、NOX の排出量が増加することにな
る。また、副室内の空気流動の速度が増加することによ
り、副室壁面の熱伝導率が上昇し、壁面からの放熱が増
加することにより、出力が低下する。更に、副室内の空
気流動の速度が増加することにより、副室壁面の温度が
上昇するため、圧縮温度が上昇し、着火遅れ時間が短縮
され、燃焼が悪化する。上記のことより、副室から主室
へ噴出する火炎のペネトレーションの増加と、副室内の
燃焼の悪化は、背反する関係になり、副連絡孔の径は両
者がバランスする寸法となり、最適な値はとれない。
【0008】また、渦流室式エンジンでは、副室と主室
とを連通する連絡孔が小さいので、該連絡孔による絞り
損失が発生し、エンジン出力を低減する原因になる。一
般に、主室と副室とを連通する連絡孔は、シリンダ中心
部或いは外周部の1つの部位のいずれかに設けられてい
るので、噴流の到達しなければならない距離が長くな
り、主室での空気との混合が不十分になり、HC、スモ
ークの発生原因になる。特に、主燃焼室での混合促進の
ため連絡孔面積を小さくすると、副燃焼室での渦流が強
く成り過ぎて副燃焼室内での燃焼が悪化する。
【0009】図3に示すような副室式エンジンでは、吸
入空気が圧縮行程で主燃焼室から連絡孔19を通じて副
燃焼室2に流入するが、副燃焼室2内に形成される旋回
流の強さは各連絡孔19の偏心量及び通路面積によって
調整され、次いで、燃料噴射ノズルから燃料が副燃焼室
2内に圧縮行程終端付近で噴射されることで燃料が気化
混合して着火燃焼する。また、火炎、未燃混合気等のガ
スが膨張行程で副燃焼室2から連絡孔19を通じて主燃
焼室に噴出し、ガスの噴出エネルギーによって主燃焼室
に形成される旋回流が形成されるが、その強さは各連絡
孔19の偏心量と通路面積によって調整されることが分
かった。
【0010】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、副燃焼室をシリンダヘッドに構成
し、主燃焼室をシリンダ側に形成し、主燃焼室と副燃焼
室とを連通する連絡孔を副室部材のほぼシリンダ中心軸
の周方向に複数設けると共に、吸入空気が主燃焼室から
副燃焼室へ連絡孔の集合通路部を通じて流入し、副燃焼
室内での旋回流が弱く適正に調整され、次いで、火炎、
未燃混合気等のガスが副燃焼室から連絡孔の分岐通路部
を通じて主燃焼室へ噴出され、噴出エネルギーが該分岐
通路部の偏心量と分岐通路面積によって増強され、噴出
されたガスが好ましくは主燃焼室に残存する吸気スワー
ルに乗って新気との混合を促進し、副燃焼室での混合燃
焼を良好にすると共に、主燃焼室での混合燃焼を促進し
て燃焼スピードを短縮して熱効率を向上させ、スモー
ク、HC、NOX 等の発生を抑制する副室式エンジンを
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するため、次のように構成されている。即ち、この
発明は、シリンダ側に形成された主燃焼室、シリンダヘ
ッドのほぼシリンダ軸中心上に配置された副燃焼室、前
記主燃焼室と前記副燃焼室を連通する複数の連絡孔及び
前記副燃焼室内に燃料を噴霧する燃料噴射ノズルを有す
る副室式エンジンにおいて、前記連絡孔がシリンダヘッ
ド下面部にシリンダ中心軸の周囲方向に隔置して複数個
形成され且つ前記副燃焼室とシリンダヘッド下面の間で
前記副燃焼室の中心軸から偏心した中央方向に伸び、前
記連絡孔が前記副燃焼室に開口する集合通路部と該集合
通路部と連通する前記主燃焼室に開口する複数の分岐通
路部から構成され、前記各分岐通路部がシリンダ中心軸
からの偏心量が異なる方向にそれぞれ伸びていることを
特徴とする副室式エンジンに関する。
【0012】また、この副室式エンジンにおいて、前記
副燃焼室内に形成される旋回流の強さは前記集合通路部
の前記副燃焼室の中心軸からの偏心量と集合通路面積で
調整設定でき、また、前記主燃焼室内に形成される旋回
流の強さは前記各分岐通路部の前記シリンダ中心軸から
のそれぞれの偏心量と分岐通路面積で調整設定できるも
のである。
【0013】また、この副室式エンジンにおいて、前記
分岐通路部は前記主燃焼室へ噴出するガスが前記主燃焼
室に残存する吸気スワールと同一方向に噴出する方向に
傾斜しているものである。
【0014】
【作用】この発明による副室式エンジンは、上記のよう
に構成され、次のように作用する。即ち、この副室式エ
ンジンは、連絡孔がシリンダヘッド下面部にほぼシリン
ダ中心軸の周囲方向に隔置して複数個形成され且つ副燃
焼室とシリンダヘッド下面の間で副燃焼室の中心軸から
偏心した中央方向に伸び、前記連絡孔が前記副燃焼室に
開口する集合通路部と該集合通路部と連通する主燃焼室
に開口する複数の分岐通路部から構成され、前記各分岐
通路部がシリンダ中心軸からの偏心量が異なる方向にそ
れぞれ伸びているので、前記副燃焼室への旋回流をオー
バスワールになることを前記集合通路部の偏心量と集合
通路面積で調整設定でき、また、前記主燃焼室への噴き
出し火炎、未燃混合気等のガスの旋回流を前記分岐通路
部の偏心量と分岐通路面積で調整設定できる。従って、
副燃焼室と主燃焼室とで異なった旋回流を形成させるこ
とができ、特に、副燃焼室では旋回流を弱くして副燃焼
室での混合気を均一に生成させ、また、主燃焼室では旋
回流を強く且つ噴出エネルギーを大きくして前記主燃焼
室での空気利用率を大きくして燃焼スピードを短縮させ
ることができる。
【0015】従って、前記分岐通路部の各分岐通路面積
を小さく形成しても、副燃焼室へ流入する吸入空気の旋
回流の強さが集合通路部で適正に調整することができ、
また、個々の分岐通路部の通路面積を小さくでき、副燃
焼室内で部分的に燃焼したガスが燃焼による圧力上昇の
結果、副燃焼室から個々の分岐通路部を通って主燃焼室
へ高い流出速度で噴出し、噴出した火炎、未燃混合気等
のガスはペネトレーションを増強してシリンダ周辺へ短
期に到達して空気利用率をアップし、主燃焼室に存在す
る吸気スワールに乗って混合が促進され、燃焼を短期に
完結することができ、スモーク等の発生を抑制して熱効
率を向上させる。
【0016】この副室式エンジンにおいて、前記副燃焼
室がシリンダヘッド下面部のほぼシリンダ中央に位置
し、前記連絡孔の分岐通路部がシリンダ中心から離れた
周方向に前記主燃焼室に開口しているので、前記主燃焼
室では前記分岐通路部から周辺までの噴流の到達距離が
短く、燃焼時間が短くなって性能が向上する。副燃焼室
からの噴流の到達距離が短くて済むため、前記分岐通路
部を複数形成してトータルの通路面積を大きく形成で
き、しぼり損失を低減でき効率を向上できる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による副室
式エンジンの実施例を説明する。図1はこの発明による
副室式エンジンの一実施例を示す断面図、及び図2は図
1の副室式エンジンの副室部材を説明する平面図であ
る。
【0018】この副室式エンジンは、シリンダブロック
6にガスケット16を介在して固定されたシリンダヘッ
ド5を有し、シリンダブロック6にはエンジンの気筒数
に対応する孔部が形成され、孔部にはシリンダ3を形成
するシリンダライナ13が嵌合されている。シリンダヘ
ッド5は、吸排気弁18を配置した吸排気ポート17が
形成されている。シリンダライナ13に形成されるシリ
ンダ3には、ピストン8が往復運動するように組み込ま
れている。主燃焼室1は、シリンダヘッド下面12とピ
ストン頂面11との間のシリンダ3側に形成されてい
る。また、副燃焼室2は、ほぼシリンダ中心軸O上の位
置になるように、シリンダヘッド5に形成した穴部に配
置された副室部材15で構成されている。燃料噴射ノズ
ル10は、副燃焼室2内に燃料噴射するように、シリン
ダヘッド5に配置された副室部材15の中央挿入孔9を
貫通し、その多噴孔7を副燃焼室2内に開口している。
【0019】この副室式エンジンにおいて、連絡孔4
は、シリンダヘッド下面部即ち副室部材15の下面部2
1の副燃焼室2の中心軸Oの回りの周方向に隔置して複
数個(図2では4個)形成され、副燃焼室2とシリンダ
ヘッド下面12との間で傾斜状態に副燃焼室2の中心軸
Oから偏心した中央方向に伸びている。そして、副燃焼
室2の中心軸Oとシリンダ中心軸Oとは一致するように
設定されている。この副室式エンジンにおいて、連絡孔
4は、特に、図2に示すように、副燃焼室2側が1つに
集合した集合通路部20と、集合通路部20に連通する
主燃焼室1側が複数(図2では5個)に分岐した分岐通
路部14とから構成され、各分岐通路部14はシリンダ
中心軸Oからの偏心量即ち傾斜角度が異なる方向にそれ
ぞれ伸びるように調整設定されている。
【0020】また、この副室式エンジンにおいて、連絡
孔4の集合通路部20は、副燃焼室2の中心軸Oの回り
の周方向に隔置して該中心軸Oから偏心即ちオフセット
した中央方向に傾斜してそれぞれ伸びているので、副燃
焼室2内に形成される旋回流の強さは、集合通路部20
の副燃焼室2の中心軸Oからの偏心量と集合通路面積で
調整設定される。また、集合通路部20に連通する主燃
焼室1側が複数に分岐した分岐通路部14は、それぞれ
周方向に隔置して開口するように傾斜角度即ち偏心量が
異なるように構成されているので、主燃焼室1内に形成
される旋回流の強さは、各分岐通路部14のシリンダの
中心軸Oからのそれぞれの偏心量と分岐通路面積で調整
設定される。更に、分岐通路部14は、主燃焼室1側へ
噴出する火炎、未燃混合気等のガスが主燃焼室1に残存
する吸気スワールと同一方向に噴出する方向にそれぞれ
傾斜していると、主燃焼室1に残存している吸気スワー
ルを利用する上からも好ましいものである。
【0021】この副室式エンジンにおいて、多数の連絡
孔4が形成される副室部材15、特に、連絡孔4が形成
されている部分は、連絡孔4の集合通路部20と分岐通
路部14が高温に晒されることになるので、例えば、Z
rO2 等の酸化物セラミックス、窒化ケイ素等の非酸化
物セラミックス、鉄−Ni−Coをベースにしたインコ
ロイ等の超合金、Ti及びTi合金等の耐熱性に富んだ
高温高強度の材料で作製することが好ましいものであ
る。
【0022】この副室式エンジンは、上記のように、副
燃焼室2には集合通路部20が開口し、また、主燃焼室
1には分岐通路部14が開口しているので、主燃焼室1
と副燃焼室2との旋回流を異なった強さに調整設定する
ことができ、主燃焼室1と副燃焼室2とで個々に旋回流
の最適化を図ることができる。即ち、集合通路部20の
副燃焼室2の中心軸Oからの偏心量及び集合通路面積を
調整することによって副燃焼室2に形成される旋回流を
調整設定でき、副燃焼室2内に適正な弱い渦流を生成さ
せることができる。また、分岐通路部14のシリンダ中
心軸Oからの偏心量と分岐通路面積とを調整することに
よって主燃焼室1に形成される旋回流を調整設定でき、
主燃焼室2内への火炎、未燃混合気等のガスの噴出エネ
ルギーを増強させることができ、主燃焼室1でのペネト
レーションを強化して主燃焼室1での空気利用率を向上
させることができる。
【0023】この副室式エンジンでは、副燃焼室2での
旋回流を調整して適正な渦流を生成し、燃料噴射ノズル
10の多噴孔7から燃料を噴霧することによって、噴霧
燃料と副燃焼室2内の適正な渦流との混合を均一化して
着火燃焼させ、高当量比即ち燃料リッチで燃焼させて、
NOX の発生を低減することができ、連絡孔4を複数設
けてトータルの連絡孔通路面積を大きくして絞り損失を
低減し、熱効率を向上させることができる。次いで、副
燃焼室2内の火炎、未燃混合気等のガスは連絡孔4の集
合通路部20から分岐通路部14で複数に分流され、分
岐通路面積を小さく絞り込むことで主燃焼室1への噴出
エネルギーを上昇させ、主燃焼室1の周辺まで短期に噴
出させて噴流のペネトレーションを強化し、該噴流を主
燃焼室1に残存している吸気スワールに乗せて良好に混
合を促進し、主燃焼室1の新気と噴流との混合が促進し
て燃焼スピードを短縮して燃費を向上させ、熱効率を向
上させ、HC、スモーク、NOX 等の発生を低減するこ
とができる。
【0024】しかも、連絡孔4の分岐通路部14の分岐
通路面積をトータルとして連絡孔4の通路面積を大きく
でき、絞り損失を低減し、また、副燃焼室2からの噴流
と主燃焼室1に存在する新気との混合を促進するため、
連絡孔4の分岐通路部14をシリンダ中心軸Oの周方向
に隔置状態に形成して分岐通路部14からシリンダ3の
壁面への到達距離を短くして連絡孔4の分岐通路部14
から噴出される噴流によって主燃焼室1に存在する空気
と良好に且つ短期間に混合を行わせることができ、H
C、スモーク、NOX 等の発生を低減する。
【0025】
【発明の効果】この発明による副室式エンジンは、上記
のように構成されており、次のような効果を有する。こ
の副室式エンジンは、連絡孔がシリンダヘッド下面部に
シリンダ中心軸の周囲方向に隔置して複数個形成され且
つ副燃焼室とシリンダヘッド下面の間で前記副燃焼室の
中心軸から偏心した中央方向に伸び、前記連絡孔が前記
副燃焼室に開口する集合通路部と該集合通路部と連通す
る主燃焼室に開口する複数の分岐通路部から構成され、
前記各分岐通路部はシリンダ中心軸からの偏心量が異な
る方向にそれぞれ伸びているので、前記主燃焼室と前記
副燃焼室とにおける旋回流を異なった強さに調整設定す
ることができる。即ち、前記副燃焼室にはオーバスワー
ルにならない弱い適正な渦流を形成させることができ、
また、前記主燃焼室には強力な噴出エネルギーを有する
ような強力な噴流を形成させ、空気利用率を向上させ、
燃焼スピードをアップさせることができる。
【0026】即ち、圧縮行程で吸入空気を前記主燃焼室
から前記副燃焼室へ前記連絡孔の前記集合通路部を通じ
て流入させて旋回流を比較的に弱く生成させ、燃料噴射
ノズルからの燃料噴霧に対する渦流の強さが過大になる
のを避けることができ、空気と燃料との混合を均一化し
て促進させ燃料リッチで燃焼させてNOX の発生を抑制
する。
【0027】また、この副室式エンジンでは、膨張行程
で火炎、未燃混合気等のガスを前記副燃焼室から前記主
燃焼室へ噴き出させる時に、前記連絡孔の前記分岐通路
部の分岐通路面積を小さくして且つ噴射方向を個々に異
ならせて噴流を調整設定し、前記主燃焼室の周辺領域へ
の到達期間を短縮して空気利用率を向上させ、前記主燃
焼室に残存する吸気スワールに乗せて新気との混合を促
進させ、燃焼スピードを短縮することができる。また、
前記副燃焼室から前記主燃焼室への噴出エネルギーを絞
って有効に増強することができ、前記副燃焼室から前記
主燃焼室へ大きな噴出エネルギーを与えることができる
ので、噴出時の速度を増大させ、火炎のペネトレーショ
ンを増加させ、前記主燃焼室での新気との混合を促進で
き、前記主燃焼室内での燃焼スピードを促進して燃焼を
短期に完結し、スモーク、HC、NOX 等の発生を低減
でき、熱効率を向上できる。
【0028】また、副燃焼室がピストン即ちシリンダの
中央に位置し、主燃焼室における前記連絡孔からの噴流
の到達距離が短く、燃焼時間が短くなって性能が向上す
る。また、前記副燃焼室からの噴流の到達距離が短くて
済むため、シリンダ壁面へ短期に噴流が到達でき、燃焼
スピードを短縮できる。また、前記主燃焼室と前記副燃
焼室との通路面積を前記副燃焼室の外周囲に形成した多
数の前記連絡孔の前記分岐通路部の合計で全体として大
きく形成でき、しぼり損失を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による副室式エンジンの一実施例を示
す断面図である。
【図2】図1の副室式エンジンにおける副室部材を示す
平面図である。
【図3】従来の副室式エンジンにおける副室部材を示す
平面図である。
【符号の説明】
1 主燃焼室 2 副燃焼室 3 シリンダ 4 連絡孔 5 シリンダヘッド 6 シリンダブロック 7 多噴孔 8 ピストン 9 中央挿入孔 10 燃料噴射ノズル 11 ピストン頂面 12 シリンダヘッド下面 13 シリンダライナ 14 分岐通路部 15 副室部材 20 集合通路部 21 副室部材の下面部(シリンダヘッド下面部)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−145515(JP,A) 特開 平6−317156(JP,A) 特開 平6−241049(JP,A) 特開 昭57−171025(JP,A) 実開 平4−65921(JP,U) 実開 昭57−172120(JP,U) 実開 昭57−160923(JP,U) 特公 昭36−22451(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 19/00 - 19/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ側に形成された主燃焼室、シリ
    ンダヘッドのほぼシリンダ軸中心上に配置された副燃焼
    室、前記主燃焼室と前記副燃焼室を連通する複数の連絡
    孔及び前記副燃焼室内に燃料を噴霧する燃料噴射ノズル
    を有する副室式エンジンにおいて、前記連絡孔がシリン
    ダヘッド下面部にシリンダ中心軸の周囲方向に隔置して
    複数個形成され且つ前記副燃焼室とシリンダヘッド下面
    の間で前記副燃焼室の中心軸から偏心した中央方向に伸
    び、前記連絡孔が前記副燃焼室に開口する集合通路部と
    該集合通路部と連通する前記主燃焼室に開口する複数の
    分岐通路部から構成され、前記各分岐通路部がシリンダ
    中心軸からの偏心量が異なる方向にそれぞれ伸びている
    ことを特徴とする副室式エンジン。
  2. 【請求項2】 前記副燃焼室内に形成される旋回流の強
    さは前記集合通路部の前記副燃焼室の中心軸からの偏心
    量と集合通路面積で調整設定でき、また、前記主燃焼室
    内に形成される旋回流の強さは前記各分岐通路部の前記
    シリンダ中心軸からのそれぞれの偏心量と分岐通路面積
    で調整設定できることを特徴とする請求項1に記載の副
    室式エンジン。
  3. 【請求項3】 前記分岐通路部は前記主燃焼室へ噴出す
    るガスが前記主燃焼室に残存する吸気スワールと同一方
    向に噴出する方向に傾斜していることを特徴とする請求
    項1に記載の副室式エンジン。
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JPH06317157A (ja) 1994-11-15

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