JPH0742561A - 副室式エンジン - Google Patents

副室式エンジン

Info

Publication number
JPH0742561A
JPH0742561A JP20558393A JP20558393A JPH0742561A JP H0742561 A JPH0742561 A JP H0742561A JP 20558393 A JP20558393 A JP 20558393A JP 20558393 A JP20558393 A JP 20558393A JP H0742561 A JPH0742561 A JP H0742561A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
sub
communication hole
main chamber
piston
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP20558393A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3191514B2 (ja
Inventor
Zuigun You
瑞群 楊
Kohei Yamaishi
興平 山石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP20558393A priority Critical patent/JP3191514B2/ja
Publication of JPH0742561A publication Critical patent/JPH0742561A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3191514B2 publication Critical patent/JP3191514B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ピストンに形成した副室と主室を
連通する複数の連絡孔の形状を主室の空気量分布に対応
させてガス量を噴射させるように形成し、主室での空気
とガスとの混合を短期に均一化する副室式エンジンを提
供する。 【構成】 本発明は、副室2をピストン中央部に位置さ
せ、ピストン中央には燃料噴射ノズル10が突入する中
央連絡孔11を形成し、連絡孔4は中央連絡孔11の回
りの周方向に複数グループごとに隔置して形成する。1
つのグループの各連絡孔4A,4B,4Cは、主室1に
形成される吸気スワールSの流れ方向に傾斜し、副室2
側から主室1側へ通路断面積が小さくなるテーパ形状に
それぞれ形成され、テーパ絞り角度α及び半径方向に対
する連絡孔傾斜角度θがそれぞれ異なった状態に設定さ
れ、噴流の噴き出し距離が異なった状態に噴出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主室、ピストンに形
成された副室及び該副室に燃料を噴霧する燃料噴射ノズ
ルを有する副室式エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンの燃焼改善を目的として
渦流室を持つ副室式エンジンが開発されている。このよ
うな副室式エンジンは、シリンダヘッドに形成した渦流
室即ち副室、該副室とシリンダ側に形成した主室とを連
通する連絡孔及び副室内に燃料を噴霧する燃料噴射ノズ
ルを有し、連絡孔を通じて副室に流入する渦流によって
副室内に噴射された燃料とで混合気を形成させ、着火燃
焼させている。燃料が副室で着火燃焼して副室内の圧力
が上昇して膨張行程になり、副室から主室へ火炎、未燃
混合気等のガスが連絡孔を通じて主室へ噴出され、主室
に存在する新気と混合して二次燃焼し、エンジンに仕事
をさせるものである。
【0003】従来、副室式内燃機関の燃焼室として、実
開平1−166719号公報に開示されたものがある。
該副室式内燃機関の燃焼室は、副室口金に主燃焼室と副
燃焼室とを連通する複数個の副室噴口を設け、副燃焼室
側開口通路面積を主燃焼室側開口通路面積より大きく形
成したものである。
【0004】また、実開昭57−200622号公報に
は、渦流室式ディーゼルエンジンの燃焼室が開示されて
いる。該渦流室式ディーゼルエンジンの燃焼室は、渦流
室と主室とを連通する主噴口に加えてほぼ燃料噴射方向
に沿って副噴口を開口し、主噴口の渦流室側開口部を渦
流室の接線方向に、他方主室側開口部を副噴口の主室側
開口部に対し異なる方向に向けて開口し、ピストン頂面
に上死点位置近傍で主、副噴口と各対向する部位から互
いに異なる領域に向けて主、副キャビティ部を形成した
ものである。
【0005】また、実開昭58−18025号公報に
は、渦流室式ディーゼル機関が開示されている。該渦流
室式ディーゼル機関は、渦流室側出口が主室側出口より
大きい主噴孔、及び1個以上の補助噴孔を設け、上記主
噴孔の主室側出口をピストンキャビティ内に向けると共
に、上記補助噴孔の主室側出口をピストンキャビティ外
に向けたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の副室
式エンジンでは、スワールチャンバタイプのもので、副
室容積比を52〜58%、副室連絡孔面積比を1.2〜
1.6%程度で、単噴孔ノズルで燃焼の最適化を図って
いる。副室式燃焼室の燃料噴霧と空気との混合は、圧縮
行程で圧縮された空気が絞りとなる連絡孔を通ることに
より、空気の流速が増し、これが混合気生成エネルギー
となり、燃料噴霧との混合を促進していると考えられて
いる。また、膨張行程では副室での燃焼と連絡孔の絞り
効果により、燃焼ガスの副室から主室への噴出エネルギ
ーとなり、主室での燃焼を促進している。副室式エンジ
ンでは、燃焼に重要な混合気生成エネルギー、及び噴出
エネルギーを連絡孔の絞りにより形成されているため、
連絡孔の通路面積を大きくすることができず、そのため
ポンプ損失が大きく、また、混合気生成を激しい空気流
動により得ているために、副室内の熱伝導率が大きく、
冷却水損失が大きくなっている。
【0007】また、副室式エンジンでは、主室と副室を
連通する連絡孔を副室壁面の接線方向に角度を持たせて
設け、副室内の空気流動が活発化し、更に着火後、主室
への火炎の噴出エネルギーの減衰がなく、短時間に主室
最外周に火炎が到達するため、空気利用率が向上し、有
害ガスの少ないクリーンな燃焼が可能で出力を向上させ
ている。しかしながら、従来の副室式エンジンでは、連
絡孔が同様の仕様を有する形状であり、副室から連絡孔
を通って主室へ噴出する火炎、未燃混合気等のガスは主
室に存在する空気分布と対応して噴出させることができ
なかった。
【0008】ところが、副室に流入する時の空気流動が
強すぎる場合には、次のような悪影響が発生する。即
ち、まず、副室内で生じるスワール流はオーバースワー
ルの状態となり、NOX の排出量が増加することにな
る。また、副室内の空気流動の速度が増加することによ
り、副室壁面の熱伝導率が上昇し、壁面からの放熱が増
加することにより、出力が低下する。更に、副室内の空
気流動の速度が増加することにより、副室壁面の温度が
上昇するため、圧縮温度が上昇し、着火遅れ時間が短縮
され、燃焼が悪化する。上記のことより、副室から主室
へ噴出する火炎のペネトレーションの増加と、副室内の
燃焼の悪化は、背反する関係になり、連絡孔の径は両者
がバランスする寸法となり、最適な値はとれない。
【0009】また、渦流室式エンジンでは、副室と主室
とを連通する連絡孔が小さいので、該連絡孔による絞り
損失が発生し、エンジン出力を低減する原因になる。一
般に、主室と副室とを連通する連絡孔は、シリンダ中心
部或いは外周部の1つの部位のいずれかに設けられてい
るので、噴流の到達しなければならない距離が長くな
り、主室での空気との混合が不十分になり、HC、スモ
ークの発生原因になる。特に、主室での混合促進のため
連絡孔面積を小さくすると、副室での渦流が強く成り過
ぎて副室内での燃焼が悪化する。
【0010】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、副室をピストンに形成したキャビ
ティで構成し、主室をシリンダ側に形成し、主室と副室
とを連通する連絡孔をピストンに複数設け、火炎、未燃
混合気等のガスが副室から連絡孔を通じて主室へ噴出さ
れる場合に、主室に存在する空気量分布に対応させて連
絡孔を通じて主室へ噴出するガス量を適正化させるよう
に連絡孔をテーパ形状に形成すると共に、連絡孔のテー
パ絞り角度及び連絡孔傾斜角度をそれぞれ異なった状態
に設定し、主室での空気利用率を向上させ、更に副室か
らの噴流を主室の吸気スワールに乗せて主室での混合を
均一化して燃焼を改善し、燃焼スピードを短縮して熱効
率を向上させ、スモーク、HC、NOX 等の発生を抑制
する副室式エンジンを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するため、次のように構成されている。即ち、この
発明は、シリンダ側に形成された主室、ピストンに形成
されたキャビティで構成される副室、前記主室と前記副
室を連通する前記ピストンに形成した連絡孔及び前記副
室に燃料を噴霧する燃料噴射ノズルを有する副室式エン
ジンにおいて、前記副室をピストン中央部に位置させ、
ピストン中央には上死点近傍で前記燃料噴射ノズルが突
入する中央連絡孔が形成され、前記連絡孔は前記中央連
絡孔の回りの周方向に複数グループごとに隔置して形成
され、1つのグループの前記各連絡孔は前記主室に形成
される吸気スワールの流れ方向に傾斜して前記副室側か
ら前記主室側へ通路断面積が小さくなるテーパ形状にそ
れぞれ形成されると共に、テーパ絞り角度及び半径方向
に対する連絡孔傾斜角度がそれぞれ異なった状態に設定
されていることを特徴とする副室式エンジンに関する。
【0012】また、この副室式エンジンにおいて、前記
連絡孔は吸気スワールの上流側の前記テーパ絞り角度及
び前記連絡孔傾斜角度が下流側の前記テーパ絞り角度及
び前記連絡孔傾斜角度より大きく形成されているもので
ある。
【0013】
【作用】この発明による副室式エンジンは、上記のよう
に構成され、次のように作用する。即ち、この副室式エ
ンジンは、ピストン中央に中央連絡孔を形成し、ピスト
ンに形成した副室と主室とを連通する連絡孔を副室中心
軸の回りの周方向に複数グループごとに隔置してピスト
ンに形成し、1つのグループの前記各連絡孔を前記主室
に形成される吸気スワールの流れ方向に傾斜して前記副
室側から前記主室側へ通路断面積が小さくなるテーパ形
状にそれぞれ形成し、テーパ絞り角度及び半径方向に対
する連絡孔傾斜角度をそれぞれ異なった状態に設定した
ので、前記副室から前記連絡孔を通じて前記主室へ噴出
する火炎、未燃混合気等のガスの噴流の到達距離即ちペ
ネトレーションが異なり、前記主室の全領域に噴流が吸
気スワールに乗って均一に且つ迅速に拡散する。即ち、
前記連絡孔のテーパ絞り角度及び連絡孔傾斜角度を変え
ることにより、テーパ長さ及び噴流の噴出方向が異な
り、前記連絡孔を通じて噴き出す噴流の噴出エネルギ
ー、到達距離及び到達領域をコントロールすることがで
きる。
【0014】従って、前記主室に存在する新気の空気量
分布と前記副室から前記主室へ噴出されるガス量とを適
正に対応させることができ、前記主室での空気と火炎、
未燃混合気等のガスとを均一に且つ良好に混合させるこ
とができ、前記主室での空気利用率を向上させ、燃焼ス
ピードをアップして燃焼を短期に完結させることがで
き、HC、カーボン、スモーク等のパティキュレート等
の発生を抑制し、熱効率を向上させることができる。
【0015】また、この副室式エンジンでは、前記連絡
孔が吸気スワールの上流側の前記テーパ絞り角度及び前
記連絡孔傾斜角度が下流側の前記テーパ絞り角度及び前
記連絡孔傾斜角度より大きく形成されているので、上流
側の前記連絡孔から噴出された噴流はテーパ絞り角度を
大きくさせることで、前記主室の外周領域まで短期に到
達させ新気と短期に混合して燃焼し、また、下流側の前
記連絡孔から噴出された噴流は主室の中間領域で新気と
短期に混合して燃焼し、ピストン下降に従って前記中央
連絡孔から燃料噴射ノズルが抜き出て中央連絡孔が開放
するので、前記主室の中央領域に残存している新気と短
期に混合して燃焼する。従って、前記副室から噴出した
噴流は前記主室に存在する全領域の空気と短期に且つ均
一に混合し、燃焼スピードをアップして燃焼を短期に完
結し、HC、カーボン、スモーク等のパティキュレート
等の発生を抑制し、熱効率を向上させることができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による副室
式エンジンの実施例を説明する。図1はこの発明による
副室式エンジンの一実施例を示す断面図、及び図2は図
1の副室式エンジンにおけるピストンの平面図である。
【0017】この副室式エンジンは、シリンダブロック
6にガスケット15を介在して固定されたシリンダヘッ
ド5を有し、シリンダブロック6にはエンジンの気筒数
に対応する孔部16が形成され、孔部16にはシリンダ
3を形成するシリンダライナ14が嵌合されている。シ
リンダヘッド5は、吸排気弁18を配置した吸排気ポー
ト17に形成したバルブシート13が配置されている。
シリンダライナ14に形成されるシリンダ3には、ピス
トン8が往復運動するように組み込まれている。主室1
は、シリンダ3側に形成され、特に、ピストン8に形成
したテーパ状凹部19によって円錐形状の燃焼室に構成
されている。また、副室2は、ピストン8に形成したキ
ャビティ12で構成されている。ピストン8の中央部に
は、ピストン上死点近傍で燃料噴射ノズル10が副室2
内に突入できる中央連絡孔11が形成されている。燃料
噴射ノズル10は多噴孔7を有し、燃料噴射ノズル10
が中央連絡孔11に突入することによって、その多噴孔
7が副室2内で開放して副室2に燃料を噴射するように
なる。
【0018】この副室式エンジンにおいて、連絡孔4
は、主室1と副室2とを連通するためピストン8に複数
個形成されている。特に、連絡孔4をテーパの異なる数
個を1組として複数箇所に設け、副室2から噴出する火
炎、未燃混合気等のガス即ち噴流と主室1の新気との混
合を空気分布に対応してコントロールするものである。
即ち、この副室式エンジンにおいて、副室2はピストン
中央部に位置設定されており、連絡孔4(符号4は連絡
孔の総称)は副室2の中心軸即ち中央連絡孔11の回り
の周方向に複数グループ(図2では3グループが示され
ている)ごとに隔置して形成されている。1つのグルー
プの各連絡孔3(図2では3個の連絡孔4A,4B,4
C)は、主室1に形成される吸気スワールSの流れ方向
に傾斜して副室2側から主室1側へ通路断面積が小さく
なるテーパ形状にそれぞれ形成されると共に、テーパ絞
り角度α及び半径方向に対する連絡孔傾斜角度θがそれ
ぞれ異なった状態に設定されている。
【0019】図2では、上流の連絡孔4Aのテーパ絞り
角度α1 、中間の連絡孔4Bのテーパ絞り角度α2 及び
下流の連絡孔4Cのテーパ絞り角度α3 とすると、α1
>α2 >α3 に設定されている。また、上流の連絡孔4
Aの連絡孔傾斜角度θ1 、中間の連絡孔4Bの連絡孔傾
斜角度θ2 及び下流の連絡孔4Cの連絡孔傾斜角度θ3
とすると、θ1 >θ2 >θ3 に設定されている。即ち、
連絡孔4については、吸気スワールSの上流側のテーパ
絞り角度α及び連絡孔傾斜角度θが下流側のテーパ絞り
角度α及び連絡孔傾斜角度θより大きく形成されてい
る。
【0020】この副室式エンジンでは、図2に示すよう
に、連絡孔4がテーパ形状に形成され、それぞれの連絡
孔4のテーパ絞り角度及び連絡孔傾斜角度がそれぞれ異
なった形状にピストン8に形成されているので、主室1
内への火炎、未燃混合気等のガスの噴出エネルギー及び
噴出量を各連絡孔4A,4B,4Cに応じてそれぞれ変
更させることができる。
【0021】即ち、主室1における吸気スワールSの下
流側連絡孔4Cでは、火炎、未燃混合気等のガスG3
遠くまで飛ばす必要が無いので、通路長さは短く、テー
パ絞り角度αと連絡孔傾斜角度θを小さく、ストレート
状に近い形状に形成する。また、主室1における吸気ス
ワールSの上流側連絡孔4Aでは、火炎、未燃混合気等
のガスG1 を遠くまで飛ばす必要があるので、通路長さ
は長く、テーパ絞り角度αと連絡孔傾斜角度θを大きく
形成し、それによって火炎、未燃混合気等のガスGの噴
出エネルギーを大きくし、シリンダ3壁面付近まで飛ば
し、主室1でのペネトレーションを強化して主室1での
空気利用率を向上させることができる。また、上流側連
絡孔4Aと下流側連絡孔4Cとの間の中間の連絡孔4B
では、火炎、未燃混合気等のガスG2 を中間領域で済む
ので、通路長さを両者の間に設定し、テーパ絞り角度α
と連絡孔傾斜角度θを中間サイズに形成し、それによっ
て火炎、未燃混合気等のガスG2 を中間領域まで飛ばす
ように設定する。
【0022】この副室式エンジンでは、副室2での旋回
流を調整して適正な渦流を生成し、ピストン上死点近傍
で中央連絡孔11に突入する燃料噴射ノズル10の多噴
孔7から燃料を噴霧することによって、噴霧燃料と副燃
焼室2内の適正な渦流との混合を均一化して着火燃焼さ
せ、高当量比即ち燃料リッチで燃焼させて、NOX の発
生を低減することができ、連絡孔4を複数設けてトータ
ルの連絡孔通路面積を大きくして絞り損失を低減し、熱
効率を向上させることができる。次いで、副室2内の火
炎、未燃混合気等のガスは複数の連絡孔4を通じて主室
1に噴出し、主室1の周辺まで全領域にわたって短期に
噴出させて噴流のペネトレーションを強化し、該噴流を
主室1に残存している吸気スワールSに乗せて良好に混
合を促進し、主室1の新気と噴流との混合が促進して燃
焼スピードを短縮して燃費を向上させ、熱効率を向上さ
せ、HC、スモーク、NOX 等の発生を低減することが
できる。
【0023】
【発明の効果】この発明による副室式エンジンは、上記
のように構成されており、次のような効果を有する。こ
の副室式エンジンは、副室をピストン中央部に位置さ
せ、ピストン中央には上死点近傍で燃料噴射ノズルが突
入する中央連絡孔が形成され、連絡孔は前記中央連絡孔
の回りの周方向に複数グループごとに隔置して形成さ
れ、1つのグループの前記各連絡孔は主室に形成される
吸気スワールの流れ方向に傾斜して前記副室側から前記
主室側へ通路断面積が小さくなるテーパ形状にそれぞれ
形成されると共に、テーパ絞り角度及び半径方向に対す
る連絡孔傾斜角度がそれぞれ異なった状態に設定されて
いるので、前記副室から前記連絡孔を通じて前記主室に
噴出する火炎、未燃混合気等のガスは前記主室に存在す
る空気分布に対応して噴出され、前記主室に存在する新
気を十分に利用でき空気利用率を向上させ、燃焼スピー
ドをアップし、燃焼期間を短縮して熱効率を向上させ
る。
【0024】即ち、前記連絡孔のテーパ絞り角度及び半
径方向に対する連絡孔傾斜角度をそれぞれ異なった状態
に形成することで、前記主室に存在する新気の空気量分
布と前記副室から前記主室へ噴出されるガス量とを適正
に対応させることができ、前記主室での空気と火炎、未
燃混合気等のガスとが均一に混合促進され、前記主室で
の空気利用率が向上し、前記主室での燃焼スピードを速
くして燃焼を短期に完結することができ、HC、カーボ
ン、スモーク等のパティキュレート等の発生を抑制し、
熱効率を向上させる。
【0025】しかも、前記副室には、前記各連絡孔を通
じて前記主室から前記副室へ各方向から流入し、前記副
室での乱れを良好にしてオーバスワールにならない適正
な渦流を形成させることができ、前記副室で燃料リッチ
で燃焼してNOX の発生を抑制し、また、前記主室には
空気量分布に応じて、即ち、空気量が多い領域には多く
のガス量を噴出させ、空気量が少ない領域では少量のガ
ス量を噴出させ、また、吸気スワールの上流側連絡孔か
らはガスの噴出エネルギーを強力にし、到達距離の短く
て済む吸気スワールの下流側連絡孔からのガスの噴出エ
ネルギーを小さくし、それによって、前記主室に残存す
る新気を全領域にわたって有効に利用して、空気利用率
を向上させ、燃焼スピードをアップさせて二次燃焼を短
期に完結し、燃焼を改善する。
【0026】また、この副室式エンジンでは、前記主室
と前記副室との通路面積を前記副室に形成した多数の前
記連絡孔の合計で全体として大きく形成でき、しぼり損
失を低減できる。また、膨張行程で火炎、未燃混合気等
のガスを前記副室から前記主室へ噴き出させる時に、前
記各連絡孔の通路面積を小さくして且つ噴射方向を個々
に異ならせて噴流を調整設定し、前記主室の周辺領域へ
の到達期間を短縮して空気利用率を向上させ、前記主室
に残存する新気との混合を促進させ、燃焼スピードを短
縮することができる。また、前記副室から前記主室への
噴出エネルギーを絞って有効に増強することができ、前
記副室から前記主室へ大きな噴出エネルギーを与えるこ
とができるので、噴出時の速度を増大させ、火炎のペネ
トレーションを増加させ、前記主室での新気との混合を
促進でき、前記主室内での燃焼スピードを促進して燃焼
を短期に完結し、スモーク、HC、NOX 等の発生を低
減でき、熱効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による副室式エンジンの一実施例を示
す断面図である。
【図2】図1の副室式エンジンにおけるピストンの平面
図である。
【符号の説明】
1 主室 2 副室 3 シリンダ 4 連絡孔 4A 上流の連絡孔 4B 中間の連絡孔 4C 下流の連絡孔 5 シリンダヘッド 7 多噴孔 8 ピストン 9 テーパ状凹部 10 燃料噴射ノズル 11 中央連絡孔 12 キャビティ G 火炎、未燃混合気等のガス(噴流) S 吸気スワール θ 連絡孔傾斜角度 α テーパ絞り角度

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ側に形成された主室、ピストン
    に形成されたキャビティで構成される副室、前記主室と
    前記副室を連通する前記ピストンに形成した連絡孔及び
    前記副室に燃料を噴霧する燃料噴射ノズルを有する副室
    式エンジンにおいて、前記副室をピストン中央部に位置
    させ、ピストン中央には上死点近傍で前記燃料噴射ノズ
    ルが突入する中央連絡孔が形成され、前記連絡孔は前記
    中央連絡孔の回りの周方向に複数グループごとに隔置し
    て形成され、1つのグループの前記各連絡孔は前記主室
    に形成される吸気スワールの流れ方向に傾斜して前記副
    室側から前記主室側へ通路断面積が小さくなるテーパ形
    状にそれぞれ形成されると共に、テーパ絞り角度及び半
    径方向に対する連絡孔傾斜角度がそれぞれ異なった状態
    に設定されていることを特徴とする副室式エンジン。
  2. 【請求項2】 前記連絡孔は吸気スワールの上流側の前
    記テーパ絞り角度及び前記連絡孔傾斜角度が下流側の前
    記テーパ絞り角度及び前記連絡孔傾斜角度より大きく形
    成されていることを特徴とする請求項1に記載の副室式
    エンジン。
JP20558393A 1993-07-29 1993-07-29 副室式エンジン Expired - Fee Related JP3191514B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20558393A JP3191514B2 (ja) 1993-07-29 1993-07-29 副室式エンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20558393A JP3191514B2 (ja) 1993-07-29 1993-07-29 副室式エンジン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0742561A true JPH0742561A (ja) 1995-02-10
JP3191514B2 JP3191514B2 (ja) 2001-07-23

Family

ID=16509287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20558393A Expired - Fee Related JP3191514B2 (ja) 1993-07-29 1993-07-29 副室式エンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3191514B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015151908A (ja) * 2014-02-13 2015-08-24 株式会社デンソー 燃料噴射弁
CN113669152A (zh) * 2021-08-18 2021-11-19 天津大学 一种包含强滚流预燃室的汽油机点火机构

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102621406B1 (ko) * 2020-09-23 2024-01-08 한국전력공사 맨홀용 안전 장치

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015151908A (ja) * 2014-02-13 2015-08-24 株式会社デンソー 燃料噴射弁
CN113669152A (zh) * 2021-08-18 2021-11-19 天津大学 一种包含强滚流预燃室的汽油机点火机构

Also Published As

Publication number Publication date
JP3191514B2 (ja) 2001-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3191514B2 (ja) 副室式エンジン
JP3275470B2 (ja) 副室式エンジン
JPH09144542A (ja) 副室式内燃機関の燃焼室
JPH07208170A (ja) 副室式エンジンにおける副室構造
JPH0719048A (ja) 副室式エンジン
JP3092393B2 (ja) 副室式エンジン
JP3293217B2 (ja) 副室式エンジン
JPH06317156A (ja) 副室式エンジン
JP3163842B2 (ja) 副室式エンジン
JP2552579Y2 (ja) 渦流室式ディーゼル機関の燃焼室
JP3163841B2 (ja) 副室式エンジン
JPH06317159A (ja) 副室式エンジン
JPH06173687A (ja) 副室を有する内燃機関の燃焼室
JP3324178B2 (ja) 副室式エンジン
JP3284671B2 (ja) ピストンに副室を備えた副室式エンジン
JPS61106914A (ja) 内燃機関の燃焼室
JPH06307246A (ja) 副室式エンジン
JP2971247B2 (ja) 渦流室式ディーゼル機関の燃焼室
JPS6318126A (ja) 直接噴射式デイ−ゼル機関
JPH06341322A (ja) 副室式エンジン
JPH07208168A (ja) 渦流式ディーゼル機関の燃焼室
JPH06317160A (ja) 副室式エンジン
JPH06307241A (ja) 副室式断熱エンジン
JPH07279672A (ja) ピストンに副燃焼室を持つ副室式エンジン
JPH09287454A (ja) 副室式内燃機関の燃焼室

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees