JPH07279672A - ピストンに副燃焼室を持つ副室式エンジン - Google Patents

ピストンに副燃焼室を持つ副室式エンジン

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JPH07279672A
JPH07279672A JP6095435A JP9543594A JPH07279672A JP H07279672 A JPH07279672 A JP H07279672A JP 6095435 A JP6095435 A JP 6095435A JP 9543594 A JP9543594 A JP 9543594A JP H07279672 A JPH07279672 A JP H07279672A
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JP
Japan
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sub
combustion chamber
chamber
piston
engine
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Application number
JP6095435A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Matsuoka
寛 松岡
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、始動性を確保すると共に、副燃焼
室からの噴流を主燃焼期間中にノズル孔の周囲に設けた
複数の連絡口のみから噴出させ、エンジン出力を向上さ
せるピストンに副燃焼室を持つ副室式エンジンを提供す
る。 【構成】 本発明は、副燃焼室2をピストン8に設け、
シリンダヘッド5に燃料噴射ノズル10とグロープラグ
20を配置し、連絡口9を副燃焼室2中心の周方向に隔
置して複数形成する。ピストン8に形成したノズル孔1
5とプラグ孔17を主たる燃焼期間中は燃料噴射ノズル
10とグロープラグ20で閉塞し、火炎、未燃混合気等
のガスを副燃焼室2から連絡口9を通じてのみ主燃焼室
1へ噴出させて、空気利用率を向上させてエンジン性能
を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主燃焼室、該主燃焼
室に連絡口で連通した副燃焼室及び副燃焼室に燃料を噴
射する燃料噴射ノズルを有するピストンに副燃焼室を持
つ副室式エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンの燃焼改善を目的として
渦流室を持つ渦流室式エンジンが開発されている。この
ような渦流室式エンジンは、シリンダヘッドに形成した
渦流室、該渦流室とシリンダ側に形成した主室とを連通
する連絡口及び渦流室内に配置した燃料噴射ノズルを有
し、連絡口を通じて渦流室に流入する渦流によって渦流
室内に噴射された燃料とで混合気を形成させている。
【0003】また、実開昭60−100528号公報に
は、直接噴射式ディーゼルエンジン用ピストンが開示さ
れている。該直接噴射式ディーゼルエンジン用ピストン
は、ピストン頂部に穿設された燃焼室の開口部を閉塞す
る閉塞部材を設け、燃焼室内に渦流を発生させる方向に
向かい、燃料噴射ノズルから噴射される燃料の噴出方向
と略平行に燃焼室とシリンダ室とを連通する燃料噴射通
路を閉塞部材に設けたものである。
【0004】また、実開昭57−148022号公報に
は、筒内燃料噴射式内燃機関の燃焼室が開示されてい
る。該筒内燃料噴射式内燃機関の燃焼室は、ピストンの
一端が主燃焼室に開口し且つ他端がキャビティ周面にキ
ャビティと略接線方向に開口した連通孔を形成し、シリ
ンダヘッドにピストン上死点付近でキャビティの主開口
部を閉塞するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、直噴式ディ
ーゼルエンジンは、副室式ディーゼルエンジンに比べて
熱効率に優れているため、多くのトラック、バス等の自
動車に使用されているが、NOX の生成量が多くなると
いう欠点を有している。一方、副室式ディーゼルエンジ
ンは、直噴式ディーゼルエンジンに比べて熱効率は劣る
が、NOX の生成量が少なくなるという長所を有してい
る。副室式エンジンが直噴式エンジンに比較して、熱効
率が劣るという最大の要因は、次のようなことに起因す
ると考えられる。即ち、(1)副室で一次燃焼した後、
火炎が主室と副室とを連通する連絡口を通って噴出して
二次燃焼をし、そのため、燃焼時間が長くなること、
(2)主室と副室とを連通する連絡口のしぼり損失が発
生すること、(3)副室内での空気流動が大きいため、
放熱損失が大きいこと等である。
【0006】一般に、副室式エンジンでは、スワールチ
ャンバタイプのもので、副室容積比を48〜62%、副
室連絡孔面積比を1〜2%程度で、単噴孔ノズルで燃焼
の最適化を図っている。副室式燃焼室の燃料噴霧と空気
との混合は、圧縮行程で圧縮された空気が絞りとなる副
室連絡口を通ることにより、空気の流速が増し、これが
混合気生成エネルギーとなり、燃料噴霧との混合を促進
していると考えられている。また、膨張行程では副室で
の燃焼と副室連絡口の絞り効果により、燃焼ガスの副室
から主室への噴出エネルギーとなり、主室での燃焼を促
進していると考えられている。このような副室式エンジ
ンでは、燃焼に重要な混合気生成エネルギー、及び噴出
エネルギーを副室連絡口の絞りにより形成されているた
め、連絡口の通路面積を大きくすることができず、その
ためポンプ損失が大きく、また、混合気生成を激しい空
気流動により得ているために、副室内の熱伝達率が大き
く、冷却水損失が大きくなっている。
【0007】また、傾斜した副連絡孔を有する副室の場
合には、主室内の吸気流入スワールの影響を考慮しない
条件では、流入時と着火後の噴出時の通過する空気の速
度が同じであり、噴出エネルギーを高めるために連絡口
の口径を絞った場合、同時に副室内で発生する空気流動
即ちスワールも強くなる。ところが、副室に流入すると
きの空気流動が強すぎる場合には、次のような悪影響が
発生する。即ち、まず、副室内で生じるスワール流はオ
ーバースワールの状態となり、NOX の排出量が増加す
ることになる。また、副室内の空気流動の速度が増加す
ることにより、副室壁面の熱伝導率が上昇し、壁面から
の放熱が増加することにより、出力が低下する。更に、
副室内の空気流動の速度が増加することにより、副室壁
面の温度が上昇するため、圧縮温度が上昇し、着火遅れ
時間が短縮され、燃焼が悪化する。上記のことより、副
室から主室へ噴出する火炎のペネトレーションの増加
と、副室内の燃焼の悪化は、背反する関係になり、副連
絡孔の径は両者がバランスする寸法となり、最適な値は
とれない。
【0008】前掲実開昭60−100528号公報に開
示されたものは、グロープラグの突出量は着火するため
に副室の中に突き出しているものであり、グロープラグ
の突出量をピストンの上下動との関係で考慮したもので
はない。即ち、図中のl2 寸法はグロープラグのアール
形状の先端までの長さであり、グロープラグによる開口
の閉塞期間を考慮していない。
【0009】また、前掲実開昭57−148022号公
報に開示されたものは、燃料噴射ノズルを囲むノズルサ
ポートは大径であり、基本的には直噴式燃焼室を考慮し
たものであり、連絡孔面積比による副燃焼室での燃焼期
間を考慮したものではなく、しかも、連絡孔の形成方向
は噴出時に吸気スワールとは逆方向に設定されているも
のである。
【0010】また、エンジンを副室式燃焼室に構成した
場合に、副室式燃焼室の燃焼スピードを直接噴射式燃焼
室の燃焼スピードと同程度まで速くするには、副室と主
室とを連通する連絡口の通路断面積を拡大することが必
要である。ところが、連絡口の通路断面積を大きくする
と、副室から主室へ流出する噴出スピードが低下し、主
室での燃焼が十分に行われない。
【0011】また、渦流室式エンジンでは、副室と主室
とを連通する連絡口が小さいので、該連絡口による絞り
損失が発生し、エンジン出力を低減する原因になる。ま
た、一般に、主室と副室とを連通する連絡口は、シリン
ダ中心部或いは外周部の1つの部位のいずれかに設けら
れているので、噴流の到達しなければならない距離が長
くなり、主室での空気との混合が不十分になり、HC、
スモークの発生原因になる。更に、連絡口は絞られて傾
斜状態に形成されているので、吸気ポートを通じて流入
した吸入空気はシリンダ内でスワール流を形成している
が、該スワール流が連絡口を通じて副室に流入する時
に、副室内にそのスワール流のエネルギーを十分に活か
すことができないという問題を有している。
【0012】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、副燃焼室をピストンに構成した副
燃焼室とシリンダ側に形成した主燃焼室を複数の連絡孔
で連通し、シリンダヘッドに設けた燃料噴射ノズルとグ
ロープラグとをピストンに形成したノズル孔とプラグ孔
に上死点近傍で突入させ、始動性を向上させ、燃料噴射
ノズルとグロープラグのノズル孔とプラグ孔の閉鎖期間
即ち閉塞期間を適正化して主たる燃焼期間中は維持して
連絡口を通じてのみ副燃焼室から主燃焼室へ火炎、未燃
混合気等のガスを噴出させると共に、副燃焼室での燃焼
期間を持続させてNOX の発生を抑制し、連絡口の絞り
損失を低減させると共に連絡口面積が過大になることを
防止し、シリンダ中央に設けた副燃焼室から連絡口を通
じて主燃焼室へ噴出する噴流のシリンダ周辺までの到達
距離を短くして燃焼期間を短縮し、エンジン性能を向上
させると共に、スモーク、HC、NOX 等の発生を抑制
できるピストンに副燃焼室を持つ副室式エンジンを提供
することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するため、次のように構成されている。即ち、この
発明は、ピストンに形成される副燃焼室、シリンダ側に
形成される主燃焼室、該主燃焼室と前記副燃焼室とを連
通する前記ピストンに形成した連絡口及び前記副燃焼室
内に燃料を噴射する燃料噴射ノズルを有する副室式エン
ジンにおいて、シリンダヘッドに配置された前記燃料噴
射ノズルがピストン上死点近傍で前記ピストンに形成し
た中央ノズル孔を閉塞するように突入でき、前記シリン
ダヘッドに配置されたグロープラグがピストン上死点近
傍で前記ピストンに形成したプラグ孔を閉塞するように
突入でき、前記連絡口は前記副燃焼室中心から偏心した
周方向に隔置して複数形成されていることを特徴とする
ピストンに副燃焼室を持つ副室式エンジンに関する。
【0014】また、このピストンに副燃焼室を持つ副室
式エンジンにおいて、総燃焼室の容積に対する前記副燃
焼室の容積の比が35〜65%に設定され、また、前記
連絡口が1.5〜5%の連絡口面積比に設定されている
ものである。
【0015】また、前記燃料噴射ノズルと前記グロープ
ラグとによって前記ノズル孔と前記プラグ孔を閉塞する
期間は、上死点前後のクランク角30°以上に設定され
ているものである。
【0016】更に、前記燃料噴射ノズルと前記グロープ
ラグは、シリンダ軸に平行に配置され且つ前記グロープ
ラグの外形閉塞面は前記グロープラグの軸に垂直に形成
されているものである。
【0017】また、このピストンに副燃焼室を持つ副室
式エンジンにおいて、前記燃料噴射ノズルは多噴孔を有
し、該多噴孔のうち少なくとも1つは前記グロープラグ
よりスワール上流側に短いペネトレーションで噴霧でき
る小噴孔に構成されているものである。
【0018】
【作用】この発明によるピストンに副燃焼室を持つ副室
式エンジンは、上記のように構成され、次のように作用
する。即ち、この副室式エンジンは、シリンダヘッドに
燃料噴射ノズルとグロープラグとを設け、前記燃料噴射
ノズルと前記グロープラグをピストンに形成した副燃焼
室に上死点近傍で突入させ、始動性を向上させると共
に、連絡口面積が過大になることを防止する。特に、前
記副燃焼室と総燃焼室との容積比を35〜65%に設定
し、前記連絡口を1.5〜5%の連絡口面積比に設定す
ると共に、前記燃料噴射ノズルと前記グロープラグとに
よって前記中央連絡口と前記周辺連絡口を閉鎖する期間
を上死点前後のクランク角30°以上に設定したので、
前記燃料噴射ノズルでノズル孔を且つ前記グロープラグ
でプラグ孔を閉塞すると共に、それらの前記副燃焼室へ
の突出量で閉塞期間を適正化し、火炎、未燃混合気等の
ガスを副燃焼室から主として複数の連絡孔を通じて主燃
焼室へ噴出させ、主たる燃焼の終了後にノズル孔とプラ
グ孔を通じて噴出させ、前記副燃焼室での燃焼期間を確
保して前記副燃焼室内で燃料リッチで燃焼し、NOX
発生を抑制すると共に、エンジン性能をアップさせる。
【0019】この副室式エンジンは、ピストンの副燃焼
室とシリンダ側の主燃焼室とを連通する連絡口は、前記
副燃焼室中心の周方向に隔置して複数形成されているの
で、前記連絡口とシリンダ壁面との距離が短く、前記連
絡口からの噴流の到達距離が短く、火炎と未燃混合気は
主燃焼室内に存在する新気と混合を促進して燃焼スピー
ドをアップし、主燃焼室でのHC、スモーク等の発生を
抑制して燃焼を完結し、熱効率が向上する。また、副燃
焼室からの噴流の到達距離が短くて済むため、前記連絡
口を複数形成してその通路面積を大きく形成でき、しぼ
り損失を低減でき効率を向上できる。更に、複数の連絡
口を設けることによって、1つの連絡口から噴出する火
炎、未燃混合気等の燃焼ガスが受け持つ主燃焼室の範囲
は狭くなり、新気との混合が促進され、燃焼スピードが
短くなる。
【0020】前記燃料噴射ノズルは多噴孔を有し、前記
多噴孔のうち少なくとも1つは前記グロープラグよりス
ワール上流側に短いペネトレーションで噴霧できる小噴
孔に構成されているので、前記グロープラグの着火補助
機能を最適にして着火し易くなり、着火ミスもなく、副
燃焼室での着火燃焼が良好に行われる。しかるに、グロ
ープラグが燃料噴射ノズルに近接して配設されている
と、燃料噴射ノズルの主噴霧のみであると、着火につい
ての好条件を確保できず、着火が困難になるからであ
る。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明によるピス
トンに副燃焼室を持つ副室式エンジンの実施例を説明す
る。図1はこの発明によるピストンに副燃焼室を持つ副
室式エンジンの一実施例を示す断面図、図2は図1の副
室式エンジンにおけるピストンヘッドの上面図、図3は
図1の線A−Aにおける断面図、及び図4は図1の副室
式エンジンにおけるグロープラグによるプラグ孔の閉塞
期間とエンジン性能との関係を示すグラフである。
【0022】このピストンに副燃焼室を持つ副室式エン
ジンは、アルコール燃料、軽油等の液体燃料を燃料噴射
ノズル10から副燃焼室2内に噴射して燃焼させるディ
ーゼルエンジンであり、アルミニウム、アルミニウム合
金、鋳鉄等の金属材料から成るシリンダブロック6、該
シリンダブロック6にガスケット22を介在して固定さ
れたアルミニウム合金等の金属材料から成るシリンダヘ
ッド5を有している。シリンダブロック6にはエンジン
の気筒数に対応する孔部25が形成され、孔部25には
シリンダ3を形成するシリンダライナ19が嵌合されて
いる。また、シリンダヘッド5には、各シリンダ3に対
応して吸排気ポート13が形成され、吸排気ポート13
のバルブシートには吸排気弁16が配置されている。シ
リンダライナ19に形成されるシリンダ3には、ピスト
ン8が往復運動するように組み込まれている。
【0023】この副室式エンジンにおいて、主燃焼室1
は、シリンダヘッド下面14とピストン頂面21との間
のシリンダ3側に形成されている。副燃焼室2は、ピス
トン8側に設けられているものであり、ピストンヘッド
18のシリンダ中央に形成されたキャビティ24によっ
て構成されている。燃料噴射ノズル10は、シリンダヘ
ッド5に配置され、ピストンヘッド18の副燃焼室2内
に燃料を噴射するように構成されている。グロープラグ
20は、シリンダヘッド5に配置され、副燃焼室2での
着火を補助する機能を有している。
【0024】この副室式エンジンは、主燃焼室1と副燃
焼室2とを連通するため、ピストンヘッド18に周方向
に互いに隔置して複数個(図2では、6個)の連絡口9
が形成されている。ピストン8に形成した副燃焼室2の
容積比については、圧縮端における全体燃焼室の容積に
対する副燃焼室2の容積比は、好ましくは、約35〜6
5%に設定されている。連絡口9は、副燃焼室2の中心
から偏心した周方向に隔置して主燃焼室1側の開口7か
ら副燃焼室2側の開口12へ傾斜してピストンヘッド1
8に形成されている。燃料噴射ノズル10は、主たる噴
霧を行う複数の多噴孔11を有すると共に、多噴孔のう
ち少なくとも1つはグロープラグ20より吸気スワール
ISの上流側に設定された短いペネトレーションで噴霧
できる小噴孔23を有している。燃料噴射ノズル10
は、ピストン8の圧縮行程上死点近傍で多噴孔11から
副燃焼室2内に燃料を噴射できるものである。
【0025】この副室式エンジンは、燃焼室の一部を副
燃焼室2に構成することによって、副燃焼室2で初期燃
焼即ち一次燃焼を高当量比即ち燃料リッチで行わせ、N
Xの発生を低減することができ、しかも主燃焼室1か
ら副燃焼室2へ流入するスワール流は減衰させられるの
で、副燃焼室2からシリンダヘッド5への熱放散を低減
でき、連絡口9を複数設けて連絡口通路面積を大きくし
て絞り損失を低減し、熱効率を向上できる。また、副燃
焼室2から主燃焼室1への噴出エネルギーは連絡口9が
主燃焼室1の壁面までの距離が短く、周辺まで短期に噴
出し、噴流のペネトレーションが良好になり、主燃焼室
1の新気と噴流との混合が促進して二次燃焼即ち再燃焼
を行わせることができる。しかも、連絡口9の通路面積
をトータルとして大きくでき且つ主燃焼室1に存在する
新気と副燃焼室2からの噴流との混合を促進するため、
連絡口9を中央のノズル15から隔置した周方向に形成
してシリンダ3の壁面への到達距離を短くして連絡口9
から噴出される噴流によって主燃焼室1に存在する空気
と良好に且つ短期間に混合を行わせることができ、H
C、スモーク、NOX 等の発生を低減する。
【0026】この実施例では、副燃焼室2の上面の中心
軸上に多噴孔11を備えた燃料噴射ノズル10が設置さ
れ、燃料噴射ノズル10からの燃料噴射によって着火
し、爆発行程に移行し、副燃焼室2から主燃焼室1へと
火炎、未燃混合気等のガスは噴出するが、連絡口9の持
つ傾斜角度の効果によって主燃焼室1内に残留している
吸気スワール流Sとの混合を促進し、主燃焼室1内の外
周付近まで短期に火炎を到達させる。主燃焼室1へ一気
に噴出し、主燃焼室1内の新気との混合を促進する。
【0027】この副室式エンジンでは、連絡口9から斜
めに副燃焼室2に流入する空気によって副燃焼室2内に
減衰させたスワール流CSを発生させ、燃料噴射ノズル
10からの噴霧により、該燃料を副燃焼室2内で短期間
に混合気を生成させて燃焼スピードをアップさせる。ま
た、図示していないが、連絡口9を形成したピストンヘ
ッド18の領域を、セラミックス、耐熱合金等の耐熱性
に優れる材料で作製すると、連絡口9自体の開口7,1
2をシャープな形状に形成でき、エンジン性能を向上さ
せることができる。また、主燃焼室1の燃焼を考えた場
合、主燃焼室1は副燃焼室2からの火炎と混合気の噴出
流により混合燃焼を行なうが、この混合エネルギーは個
々の連絡口面積が小さい程大きい。即ち、主燃焼室1の
燃焼スピードを上げるには連絡口面積は小さい程良い。
【0028】この副室式エンジンは、特に、シリンダヘ
ッド3に配置された燃料噴射ノズル10がピストン上死
点近傍でピストンヘッド18に形成した中央ノズル孔1
5に僅かな隙間を有して中央ノズル孔15を殆ど閉塞状
態に突入でき、シリンダヘッド5に配置されたグロープ
ラグ20がピストン上死点近傍でピストンヘッド18に
形成したプラグ孔17に僅かな隙間を有してプラグ孔1
7を殆ど閉塞状態に突入できることを特徴としている。
燃料噴射ノズル10とグロープラグ20の副燃焼室2へ
の突出量でノズル孔15とプラグ孔17と閉塞期間を適
正化することができ、火炎、未燃混合気等のガスを副燃
焼室2から主として複数の連絡口9を通じて主燃焼室1
へ噴出させ、主たる燃焼期間の終了後になって始めてノ
ズル孔15とプラグ孔17を通じて噴出させ、副燃焼室
2での燃焼期間を確保して副燃焼室2内で燃料リッチで
燃焼し、NOX の発生を抑制すると共に、エンジン性能
をアップさせる。
【0029】この副室式エンジンでは、燃料噴射ノズル
10とグロープラグ20は、シリンダ軸に平行に配置さ
れるようにシリンダヘッド3に取り付けられている。ま
た、グロープラグ20について、図1に示すように、プ
ラグ孔17に挿入されるグロープラグ自体の外形を段付
きの異なった径に形成し、グロープラグ20の段部をグ
ロープラグ20の軸に垂直に面27に形成しておけば、
グロープラグ20がプラグ孔17を閉塞する期間は、グ
ロープラグ20の段部の面27になる。この場合には、
グロープラグ20の段部の面27が外形閉塞面を形成す
る。そこで、副燃焼室2内でのグロープラグ20の突出
し量を段部の面27で正確に設定でき、プラグ孔17の
閉塞期間を的確に設定できる。例えば、図1に示すピス
トン8が上死点に位置するとすれば、ピストン8の頂面
21から面27までの距離Lが後述のクランク角度30
°以上に相当することになる。或いは、図示していない
が、グロープラグ20について、プラグ孔17に挿入さ
れるグロープラグ自体の外形を同径に形成し、グロープ
ラグ20の先端をグロープラグ20の軸に垂直に平らな
面26に形成しておけば、グロープラグ20がプラグ孔
17を閉塞する期間は、グロープラグ20の先端の平ら
な面26になる。この場合には、グロープラグ20の先
端の平ら面26が外形閉塞面を形成する。そこで、副燃
焼室2内でのグロープラグ20の突出し量を該平らな面
26で正確に設定でき、プラグ孔17の閉塞期間を的確
に設定できる。この場合には、クランク角度30°以上
というのは、上死点に位置するピストン8の頂面21か
ら面26までの距離となることは言うまでもない。
【0030】また、この副室式エンジンでは、主燃焼室
1と副燃焼室2との容積の総和を総容積とすると、副燃
焼室2の容積は該総燃焼室容積の35〜65%に設定さ
れおり、しかも、連絡口9は1.5〜5%の連絡口面積
比に設定されているものである。
【0031】更に、燃料噴射ノズル10によるノズル孔
15の閉塞期間及びグロープラグ20によるプラグ孔1
7の閉塞期間は、上死点前後のクランク角30°以上に
設定されている。燃料噴射ノズル10によるノズル孔1
5の閉塞期間とグロープラグ20によるプラグ孔17の
閉塞期間は、主たる燃焼期間が終了するまでは閉鎖して
おくことがエンジン性能即ち出力をアップするため好ま
しいものである。そして、主たる燃焼期間は、上死点後
でほぼクランク角度で50°程度であるが、図4から分
かるように、ノズル孔15とプラグ孔17の閉塞期間
は、クランク角度でほぼ30°以上であれば、エンジン
性能即ち出力をアップする点からも好ましいものであ
る。しかるに、副燃焼室2での相当に活発に燃焼してい
る燃焼期間中に、ノズル孔15とプラグ孔17とが開放
すると、副燃焼室2から噴出する噴流が主としてノズル
孔15とプラグ孔17を通じて主燃焼室1へ噴出し、そ
のため、連絡口9からシリンダ周辺に向かって噴き出し
ている火炎、未燃混合気等のガスの噴流が弱められ、連
絡口9からの噴出エネルギーが減少してペネトレーショ
ンが短くなり、空気利用率を低減し、エンジン性能が低
下することになる。
【0032】この実施例の副室式エンジンは、上記のよ
うに構成されているので、グロープラグ20によって始
動性、特に、低温時の始動性を確実に達成することがで
きる。しかも、燃料噴射ノズル10及びグロープラグ2
0を副燃焼室2へ上死点近傍で突入させるため、ピスト
ンヘッド18に形成されているノズル孔15とプラグ孔
17が閉塞され、副燃焼室2での燃料リッチで燃焼する
燃焼期間を持続し、しかも連絡口9からの噴出エネルギ
ーを低減することなく、シリンダ周辺に存在する新気と
の混合を促進して空気利用率を向上させ、スモーク、H
C、NOX 等の発生を低減でき、熱効率を向上できる。
【0033】
【発明の効果】この発明によるピストンに副燃焼室を持
つ副室式エンジンは、上記のように構成されており、次
のような効果を有する。このピストンに副燃焼室を持つ
副室式エンジンでは、シリンダヘッドに燃料噴射ノズル
とグロープラグを設け、燃料噴射ノズルとグロープラグ
とがピストン上死点近傍でノズル孔とプラグ孔を閉塞す
るように突入でき、複数の連絡口が副燃焼室中心から偏
心した周方向に隔置して形成されているので、前記燃料
噴射ノズルと前記グロープラグをピストンに形成した副
燃焼室に上死点近傍で突入させ、始動性を向上させると
共に、連絡口面積が過大になることを防止できる。特
に、ノズル孔とプラグ孔との閉塞期間を燃料噴射ノズル
とグロープラグとの副燃焼室内への突出し量で適正化で
き、主たる燃焼期間中には副燃焼室から周辺の連絡口を
通じて火炎、未燃混合気等のガスを噴出エネルギーを大
きくして長いペネトレーションで主燃焼室へ噴き出させ
ることができ、シリンダ周辺に存在する新気との混合を
促進し、燃焼期間を短縮して短期に燃焼を完結させるこ
とができ、スモーク、HC、NOX 等の発生を低減で
き、エンジン性能をアップして熱効率を向上できる。
【0034】また、副燃焼室がシリンダヘッドの中央に
位置し、前記連絡口からの噴流の到達距離が短く、燃焼
時間が短くなって性能が向上する。また、前記副燃焼室
からの噴流の到達距離が短くて済むため、前記連絡口の
通路面積を大きく形成でき、しぼり損失を低減でき効率
を向上できる。また、前記主燃焼室と前記副燃焼室との
通路面積を前記副燃焼室の外周囲に形成した多数の前記
連絡口の合計で全体として大きく形成でき、しぼり損失
を低減できる。また、前記連絡口の傾斜方向を外向きに
傾斜させると、ピストン周辺への前記副燃焼室からの噴
流の到達距離が更に短くなり、ピストン周辺の新気との
混合を促進する。
【0035】従って、この副室式エンジンは、前記副燃
焼室での燃焼状態を燃料リッチで燃焼を持続させ、直接
噴射式燃焼室と同等の燃焼スピードを確保でき、NOX
の発生を抑制できる。また、前記副燃焼室をシリンダの
中央部に形成して前記副燃焼室の外周から噴出する火炎
と混合気とは、前記シリンダの全周即ち前記主燃焼室に
存在する新気に対して距離が短くなるので、前記主燃焼
室での混合が促進され、燃焼スピードを速くして燃焼期
間を短縮でき、NOX 、HC、スモークの発生を抑制で
きる燃焼を行わせることができる。
【0036】また、この副室式エンジンは、総燃焼室の
容積に対する前記副燃焼室の容積比を35〜65%に設
定し、前記連絡口を1.5〜5%の連絡口面積比に設定
すると共に、ノズル孔とプラグ孔との閉塞期間として
は、上死点前後のクランク角30°以上に設定されてい
ることが好ましいものであり、前記副燃焼室での燃焼期
間を十分に確保でき、前記副燃焼室内で燃料リッチで燃
焼させ、NOX の発生を抑制することができる。また、
前記燃料噴射ノズルと前記グロープラグとをシリンダ軸
に平行に配置し、前記グロープラグの先端を前記グロー
プラグの軸に垂直に形成すると、前記グロープラグの前
記副燃焼室内での突出し量を正確に設定でき、前記プラ
グ孔の閉塞期間を的確に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるピストンに副燃焼室を持つ副室
式エンジンの一実施例を示す断面図である。
【図2】図1の副室式エンジンのピストンヘッドの上面
図である。
【図3】図1の線A−Aにおける断面図である。
【図4】図1の副室式エンジンにおけるグロープラグに
よるプラグ孔の閉塞期間とエンジン性能との関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 主燃焼室 2 副燃焼室 3 シリンダ 5 シリンダヘッド 8 ピストン 9 連絡口 10 燃料噴射ノズル 11 多噴孔 15 ノズル孔 17 プラグ孔 20 グロープラグ 21 ピストン頂面 24 キャビティ 26 グロープラグの先端の平らな面(外形閉塞面) 27 グロープラグの段部の面(外形閉塞面)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンに形成される副燃焼室、シリン
    ダ側に形成される主燃焼室、該主燃焼室と前記副燃焼室
    とを連通する前記ピストンに形成した連絡口及び前記副
    燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射ノズルを有する副室
    式エンジンにおいて、シリンダヘッドに配置された前記
    燃料噴射ノズルがピストン上死点近傍で前記ピストンに
    形成した中央ノズル孔を閉塞するように突入でき、前記
    シリンダヘッドに配置されたグロープラグがピストン上
    死点近傍で前記ピストンに形成したプラグ孔を閉塞する
    ように突入でき、前記連絡口は前記副燃焼室の中心から
    偏心した周方向に隔置して複数形成されていることを特
    徴とするピストンに副燃焼室を持つ副室式エンジン。
  2. 【請求項2】 総燃焼室の容積に対する前記副燃焼室の
    容積の比が35〜65%に設定され、前記連絡口は1.
    5〜5%の連絡口面積比に設定されていることを特徴と
    する請求項1に記載のピストンに副燃焼室を持つ副室式
    エンジン。
  3. 【請求項3】 前記燃料噴射ノズルによって前記中央ノ
    ズル孔を閉塞する期間と前記グロープラグによって前記
    プラグ孔を閉塞する期間は、上死点前後のクランク角3
    0°以上に設定されていることを特徴とする請求項1に
    記載のピストンに副燃焼室を持つ副室式エンジン。
  4. 【請求項4】 前記燃料噴射ノズルと前記グロープラグ
    は、シリンダ軸に平行に配置され、且つ前記グロープラ
    グの外形閉塞面は前記グロープラグの軸に垂直に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載のピストンに
    副燃焼室を持つ副室式エンジン。
  5. 【請求項5】 前記燃料噴射ノズルは多噴孔を有し、前
    記多噴孔のうち少なくとも1つは前記グロープラグより
    スワール上流側に短いペネトレーションで噴霧できる小
    噴孔に構成されていることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載のピストンに副燃焼室を持つ副室式エン
    ジン。
JP6095435A 1994-04-11 1994-04-11 ピストンに副燃焼室を持つ副室式エンジン Pending JPH07279672A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0809003A2 (en) * 1996-05-24 1997-11-26 Isuzu Ceramics Research Institute Co., Ltd. Low evaporativity fuel diesel engine
JP2012237388A (ja) * 2011-05-12 2012-12-06 Toyota Motor Corp シリンダヘッドガスケット

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0809003A2 (en) * 1996-05-24 1997-11-26 Isuzu Ceramics Research Institute Co., Ltd. Low evaporativity fuel diesel engine
EP0809003A3 (en) * 1996-05-24 1998-05-13 Isuzu Ceramics Research Institute Co., Ltd. Low evaporativity fuel diesel engine
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