JPH09325080A - 荷重検出装置 - Google Patents

荷重検出装置

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JPH09325080A
JPH09325080A JP16391696A JP16391696A JPH09325080A JP H09325080 A JPH09325080 A JP H09325080A JP 16391696 A JP16391696 A JP 16391696A JP 16391696 A JP16391696 A JP 16391696A JP H09325080 A JPH09325080 A JP H09325080A
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JP
Japan
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load
deformation
piezoelectric actuator
body portion
rigid body
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Application number
JP16391696A
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English (en)
Inventor
Michito Utsunomiya
道人 宇都宮
Aren Deibisu Jieison
アレン デイビス ジェイソン
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Ishida Co Ltd
Original Assignee
Ishida Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定格荷重の増大に伴って大型化し、かつ計量
速度の遅くなる従来の歪ゲージ式ロードセルの欠点を克
服する新しいタイプの荷重検出装置を提供することを課
題とする。 【解決手段】 固定剛体部11と可動剛体部12と上下
2本のビーム部13,14とで構成される起歪体3の内
部中空部に、印加電圧の大きさに応じた力を外部に発生
する圧電アクチュエータ21を内蔵する。該アクチュエ
ータ21を上下で支持する支持部材19,20におい
て、そのアクチュエータ21と可動剛体部12との中間
位置に、負荷荷重Wによるこの起歪体3の変形を検出す
る変形検出手段を配置する。そして、該変形検出手段で
検出される起歪体3の変形を0に是正するようにアクチ
ュエータ21に電圧を印加し、その印加電圧から荷重W
を計測する制御装置6を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子秤等の荷重検出
装置に関し、特に、該検出装置に用いられるロードセル
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より電子秤等の荷重検出装置におい
ては、例えば特開平7−311101号公報に記載され
ているように、歪ゲージ式のロードセルが用いられてい
る。
【0003】この歪ゲージ式ロードセルは、両端に位置
する固定剛体部と可動剛体部との間に上下一対のビーム
部が架設され、かつ該ビーム部の両端部がそれぞれ肉厚
の薄い可撓部とされた概略中空四角形状の起歪体を備え
たもので、上記固定剛体部を固定した状態で可動剛体部
に荷重を負荷したときに上記可撓部に生じる引張歪又は
圧縮歪の量を、各可撓部に取り付けた歪ゲージの電気抵
抗の変化により検出して上記荷重を計測するように構成
されたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに従来の歪ゲージ式ロードセルにおいては、起歪体自
体が負荷された荷重を支えながら、そのときの該起歪体
の弾性変形量により上記荷重を計測する原理とされてい
ることから、次のような問題を有している。
【0005】すなわち、起歪体自体が荷重を支えるの
で、ロードセルの定格荷重が大きくなるに従って該起歪
体を寸法的に大きくせざるを得なくなり、その結果、材
料コストや運搬の面で不利となると共に、荷重検出装置
の設計の自由度が束縛される。
【0006】また、起歪体が荷重を支えたときに、可撓
部に生じる歪量が適度な大きさの値となって歪ゲージで
検出されるためには、該起歪体をバネ系と考えるとその
固有振動数を低くせざるを得なくなり、その結果、計測
値が安定するまでに要する時間が長くなって、荷重検出
装置の高速化の阻害要因となる。
【0007】そこで本発明は、かかる従来の歪ゲージ式
ロードセルが有する上記不具合を解消し、小型で高速計
量が可能な荷重検出装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は次のように特定される。
【0009】すなわち、本発明のうち請求項1に記載の
発明(以下「第1発明」という。)は、両端に位置する
固定剛体部と可動剛体部との間に上下一対のビーム部が
架設された中空四角形状の起歪体を用いて上記可動剛体
部に負荷された荷重を検出する荷重検出装置であって、
上記起歪体内部の中空部に、印加電圧の大きさに応じた
力を発生する圧電アクチュエータが、その発生した力で
上記可動剛体部に荷重が負荷されたときの起歪体の変形
を是正するように配設されていると共に、上記起歪体の
変形を検出する変形検出手段と、該検出手段で起歪体の
変形が検出されたときに、該変形が是正されるように上
記圧電アクチュエータに電圧を印加する印加手段と、該
印加手段が印加した電圧の大きさに基づいて上記可動剛
体部に負荷された荷重を検出する荷重検出手段とが備え
られていることを特徴とする。
【0010】この第1発明によれば、従来の歪ゲージが
受動素子であるのに対して能動素子である圧電アクチュ
エータが、電圧が印加されたときに外部に力を発生して
起歪体の変形を是正するように起歪体の内部中空部に配
設され、可動剛体部に負荷された荷重により起歪体が変
形したときに、その変形を是正するのに要した上記圧電
アクチュエータへの印加電圧の大きさから荷重が検出さ
れることになる。
【0011】その場合に、圧電アクチュエータは比較的
小型で大きな力を発生するため、起歪体の固定剛体部と
可動剛体部と上下一対のビーム部とで形成される中空部
の中に配設することができ、これにより、荷重検出装置
のコンパクト化が図られると共に、大きな定格荷重を計
測することが可能となる。
【0012】また、起歪体の歪量を適度な大きさの値と
して取り出すのではなく、該起歪体の変形是正に要した
印加電圧の大きさで荷重を検出する方式であるから、起
歪体の剛性を高くすることができ、その結果、該起歪体
の固有振動数が高くなって荷重検出装置の高速処理化が
図られることになる。その場合に、起歪体の内部中空部
に配設された圧電アクチュエータ自体が高剛性であるた
め、起歪体全体の剛性がより高められることになる。
【0013】さらに、起歪体の変形が検出されると圧電
アクチュエータに電圧を印加して上記変形を直ちに是正
するようにし、その印加した電圧の総量で荷重を計測す
る、所謂零位法を採用しているので、圧電アクチュエー
タの示す印加電圧と発生力特性のヒステリシスを補償で
き、高い計量精度が実現される。
【0014】また、請求項2に記載の発明(以下「第2
発明」という。)は、上記第1発明と同様の荷重検出装
置であって、上記起歪体内部の中空部に向けて延びる支
持部材が固定剛体部と可動剛体部とからそれぞれ突設さ
れ、これらの支持部材間に、印加電圧の大きさに応じた
力を発生する圧電アクチュエータが、その発生した力で
上記可動剛体部に荷重が負荷されたときの支持部材の変
形を是正するように介設されていると共に、上記支持部
材の変形を検出する変形検出手段が、該支持部材におけ
る圧電アクチュエータと可動剛体部との間の位置に設け
られ、且つ、該検出手段で支持部材の変形が検出された
ときに、該変形が是正されるように上記圧電アクチュエ
ータに電圧を印加する印加手段と、該印加手段が印加し
た電圧の大きさに基づいて上記可動剛体部に負荷された
荷重を検出する荷重検出手段とが備えられていることを
特徴とする。
【0015】この第2発明によれば、固定剛体部と可動
剛体部とからそれぞれ突設された支持部材間に圧電アク
チュエータが介設され、これにより該圧電アクチュエー
タが起歪体の内部中空部に配設されていると共に、上記
支持部材の変形を検出する変形検出手段も該支持部材に
設けられているので、荷重検出装置のコンパクト化がよ
り一層図られることになる。
【0016】そして、その場合に、上記変形検出手段が
圧電アクチュエータと可動剛体部との間に位置している
ことにより、次のような利点が得られる。すなわち、圧
電アクチュエータの剛性が高いために、この圧電アクチ
ュエータの近くに変形検出手段を配置すると、それだけ
起歪体の変形量が検出され難くなってロードセルとして
の出力が不安定となる。一方、この圧電アクチュエータ
から離れて可動剛体部に近付けて配置すると、変形量の
検出は容易であるが、支持部材の弾性変形に圧電アクチ
ュエータの発生力が消費されることになって感度が低く
なる。したがって、変形検出手段を圧電アクチュエータ
と可動剛体部との間に配置することにより、ロードセル
の出力の安定と、適正な感度の維持とが図られることに
なる。
【0017】さらに、請求項3に記載の発明(以下「第
3発明」という。)は、上記第1発明又は第2発明にお
いて、圧電アクチュエータは、多数の圧電素子が積層さ
れた積層型圧電アクチュエータであると共に、該圧電ア
クチュエータが、予め上記圧電素子の積層方向に所定の
圧力で圧縮されていることを特徴とする。
【0018】また、請求項4に記載の発明(以下「第4
発明」という。)は、上記第1発明又は第2発明におい
て、圧電アクチュエータは、多数の圧電素子が積層され
た積層型圧電アクチュエータであると共に、該圧電アク
チュエータに、予め定格電圧よりも小さい所定のバイア
ス電圧が印加されていることを特徴とする。
【0019】これらの第3、第4発明によれば、圧電ア
クチュエータが積層型圧電アクチュエータである場合
に、次のような利点が得られる。すなわち、積層型圧電
アクチュエータは多数の圧電素子が積層された構造であ
るため、該圧電素子間には僅かではあるが空隙が存在す
る。したがって、所定の電圧を印加しても、その当初に
おいてはアクチュエータの伸長が上記圧電素子間の空隙
を埋めるのに費やされるのみとなって、外部に向けての
力の発生に至らない場合が生じ、その結果、かかる積層
型圧電アクチュエータの初期挙動のために、印加電圧が
負荷された荷重を正しく反映しなくなる虞があるのであ
る。
【0020】そこで、上記第3発明では、予め圧電アク
チュエータに圧力を作用させることにより、また第4発
明では、予め圧電アクチュエータにバイアス電圧を印加
することにより、それぞれ圧電素子間の空隙を埋めるよ
うにしたのである。これにより、計量時に電圧を印加し
た当初から確実に圧電アクチュエータが外部に力を及ぼ
すことになって印加電圧が荷重を正しく反映することに
なり、高い計量精度が得られることになる。
【0021】なお、第4発明において、印加するバイア
ス電圧は圧電アクチュエータの定格電圧に比べて十分小
さく設定することが好ましい。バイアス電圧をあまり大
きくすると、アクチュエータのダイナミックレンジが狭
まって、ロードセルの計量範囲が小さくなるからであ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0023】図1に示すように、この実施の形態に係る
荷重検出装置1には、両端に位置する固定剛体部11と
可動剛体部12との間に上下2本のビーム部13,14
が平行に架設された中空四角形状の起歪体3を有するロ
ードセル2が備えられている。そして、上記起歪体3を
構成する上下2本のビーム部13,14の両端における
剛体部11,12との連結部分には、内面側に円弧形状
のノッチ15a〜15dがそれぞれ設けられて、これら
のノッチ15a〜15dによって肉圧が薄くされた可撓
部16a〜16dが形成されている。また、上記起歪体
3を構成する固定剛体部11の端部が台座(図示せず)
に立設されたベース4に固定されていると共に、可動剛
体部12の端部にはブラケット17を介して計量皿18
が支持されている。
【0024】さらに、上記起歪体3における剛体部1
1,12とビーム部13,14とで囲まれた内部中空部
に向けて、固定剛体部11及び可動剛体部12の各内面
からそれぞれ水平方向に延びる支持部材19,20が突
設されていると共に、これらの支持部材19,20間に
圧電アクチュエータ21が内部中空部のほぼ中央に位置
するように介設されている。
【0025】この圧電アクチュエータ21は、複数個の
固体圧電素子が図中において上下方向に積み重ねられた
構成の積層型圧電アクチュエータであって、電圧が印加
されたときに、外部に対して上下方向の力を発生するよ
うになっている。
【0026】一方、この圧電アクチュエータ21の下部
を支持する固定剛体部11から突設された下側支持部材
19は、アクチュエータ21の配置位置よりさらに可動
剛体部12方向に延設され、その延設端部19aがアク
チュエータ21の配置位置と可動剛体部12とのほぼ中
間位置において上方に屈曲成形されていると共に、圧電
アクチュエータ21の上部を支持する可動剛体部12か
ら突設された上側支持部材20には、アクチュエータ2
1の配置位置と可動剛体部12とのほぼ中間位置におい
て下方に垂下する中間分岐部20aが設けられ、上記延
設端部19aと所定の間隔で対向している。
【0027】そして、図2に示すように、この中間分岐
部20aにおける対向面に発光素子(LED)22が、
また、延設端部19aにおける対向面には光学的位置検
出素子(PSD)23がそれぞれ配設されて、これらに
より、両部19a,20aの上下方向の相対位置のずれ
が検出されるようになっている。すなわち、図3に概念
的に示すように、例えばPSD23は光によって電流を
生じる半導体素子によって構成され、LED22から符
号アのように光が照射されたときに、光点の当った位置
から、PSD23の上端及び下端に向けて流れる電流
の、上端及び下端において受け取る量から受光中心位置
が求められるようになっている。なお、一般に、PSD
23は、0.1μm程度の分解能を有する。
【0028】そして、この荷重検出装置1には、図1に
示すように、上記PSD23からの受光中心位置を示す
電圧信号が入力される電圧計5と、この電圧計5に入力
した受光中心位置に基づいて直流電源7を制御する例え
ばパーソナルコンピュータで構成される制御装置6と、
上記直流電源7で供給された電圧を増幅してこれを圧電
アクチュエータ21に印加する増幅器8とが閉ループ状
に接続されて備えられている。
【0029】この荷重検出装置1による被計量物Wの計
量は所謂零位法を採用して次のように行なわれる。
【0030】まず、被計量物Wを計量皿18に載荷する
前は、圧電アクチュエータ21には電圧を印加せず、ま
た、制御装置6は、PSD23で検出された受光中心位
置を零位として記憶する。
【0031】そして、被計量物Wを計量皿18に載荷す
ると、その荷重により起歪体3の可動剛体部12が図1
に矢印Aで示すように下方に移動し、該起歪体3が可撓
部16a〜16dで撓んで全体が平行四辺形状に変形す
る。そして、可動剛体部12の下方移動に伴い、該剛体
部12から延設された上側支持部材20及び中間分岐部
20aが下方に下がり、これによりLED22も下方に
下がって、PSD23の受光中心位置が計量前に記憶し
た上記の零位から下方に変位することになる。
【0032】制御装置6は、このような延設端部19a
と中間分岐部20aとの相対的変位が検出されると、該
変位を0に是正するように、つまり受光中心位置を零位
に戻すように圧電アクチュエータ21に印加する電圧を
制御すると共に、その是正に要した電圧の大きさに基づ
いて、載荷された被計量物Wの重量値を算出する。つま
り、圧電アクチュエータ21は、印加電圧の大きさに応
じた力を発生し、その発生した力で上側支持部材20を
荷重に抗して押し上げて変位を0に戻すのであるから、
上記印加電圧から被計量物Wの重量値が計測されること
になるのである。
【0033】その場合に、圧電アクチュエータ21とし
ては、例えば株式会社トーキンから商業的に入手し得る
積層型圧電アクチュエータ、品名AE0505D08、
又は品名AE0505D16等を使用することができ
る。次に、これらの積層型圧電アクチュエータを使用し
た場合の本発明に係る荷重検出装置1の起歪体3と、従
来の歪ゲージ式ロードセルの起歪体との大きさを比較す
る。
【0034】従来の歪ゲージ式ロードセルにおいては、
起歪体自体が荷重を支える方式であるので、ロードセル
の定格荷重を100kgfと設定したときの起歪体の大
きさは、およそ長さ14cm×幅6.5cm×高さ7.
5cmとなり、これは体積として約700立方cmであ
る。
【0035】一方、上記の市販されている積層型圧電ア
クチュエータの最大発生力はそれぞれ850N(1N=
0.102kgf)で、その寸法は、品名AE0505
D08の場合、高さ10mm×幅6.5mm(最大値)
×厚6.5mm(最大値)、品名AE0505D16の
場合、高さ20mm×幅6.5mm(最大値)×厚6.
5mm(最大値)であって、いずれも体積にして1立方
cmにも満たないものである。この圧電アクチュエータ
に荷重を伝達する起歪体を想定すると、本発明に係る荷
重検出装置1においては、零位法を採用しているので、
従来の歪ゲージ式ロードセルの起歪体のように、起歪体
自体が荷重を担うわけでない。したがって、図1のよう
に圧電アクチュエータ21を内蔵できる大きさであれば
よく、このときの該起歪体3の大きさとしては、100
〜200立方cmの体積があれば十分となる。これによ
り、従来の歪ゲージ式ロードセルのほぼ四分の一の体積
で高容量のロードセル2が提供されることになる。
【0036】そして、この荷重検出装置1においては、
上記圧電アクチュエータ21が起歪体3の内部中空部の
中央位置に内蔵されていると共に、該起歪体3の変形を
検出するLED22及びPSD23も同じく起歪体3の
内部中空部に内蔵され、かつ、これらが上記アクチュエ
ータ21と可動剛体部12との中間位置に配設されてい
る。これにより、次のような利点が得られることにな
る。
【0037】すなわち、圧電アクチュエータ21は剛性
が高いため、LED22及びPSD23(以下適宜「変
形検出手段」という。)を例えば圧電アクチュエータ2
1の伸縮線(図1に示す鎖線L)上に配置すると、起歪
体3が荷重により変形してもその変形量が少なく、それ
だけ変形検出手段による起歪体3の変形の検出が困難と
なってロードセル2の出力が不安定となる。したがっ
て、このような問題を回避するために、荷重の負荷によ
り下方移動する可動剛体部12とアクチュエータ21と
の間の位置に変形検出手段を配置して、変形量が増幅さ
れて容易に検出できるようにしているのである。
【0038】しかし、変形検出手段の配置位置を圧電ア
クチュエータ21から遠ざけるに従って変形の検出は容
易となるが感度が低下する虞が生じる。そこで、このよ
うな不具合を解消する意味からも、変形検出手段を、変
形の検出が容易で、かつ適正な感度維持が図られる、圧
電アクチュエータと可動剛体部との間に配置しているの
である。
【0039】また、この荷重検出装置1においては、前
述のように零位法を採用し、したがって起歪体3で荷重
を支えてその変形量から負荷された荷重を計測するので
はないから、該起歪体3の剛性を高くすることができ、
かつ内蔵する圧電アクチュエータ21自体の剛性も高い
ため、起歪体3全体の固有振動数が高くなって応答性つ
まり計量速度が高速化することになる。図4に、この実
施の形態に係る荷重検出装置1の応答性の実験結果の一
例を示す。この場合は、負荷荷重は0.5kgwで、載
荷してから0.44秒で計量値が安定したことがわか
る。
【0040】ところで、積層型圧電アクチュエータは多
数の圧電素子が積層された構造であるため、これらの圧
電素子間に僅かではあるが空隙が存在する場合がある。
したがって、所定の電圧を印加しても、その当初におい
てはアクチュエータの伸長が上記圧電素子間の空隙を埋
めるのに費やされるのみとなって、外部に向けての力の
発生に至らない場合が生じ、その結果、このような積層
型圧電アクチュエータの初期挙動のために、印加電圧が
負荷荷重を正しく反映しなくなる虞が生じる。そこで、
このような不具合の解消のために、計量前から予め圧電
アクチュエータ21にその積層方向(伸縮方向)に圧縮
力を及ぼしておいて(このような力を「プリロード」と
称する。)、上記圧電素子間の空隙を埋めておくことが
高い計量精度の点で好ましい。
【0041】このようなプリロードは、例えば図1にお
いて、上側支持部材20に所定の荷重を負荷しておいて
圧電アクチュエータ21を上方から圧縮させたり、又
は、上側支持部材20の圧電アクチュエータ21との係
合箇所に孔を設けてネジを通し、これで圧電アクチュエ
ータ21を上方から締め付けて押え付けることにより施
すことができる。
【0042】図5は、計量精度に対する効果を調べる実
験で用いたプリロードの一例である。すなわち、上側支
持部材20の圧電アクチュエータ21との係合箇所に孔
を設けると共に、この上にマイクロメータヘッド24を
ナット25で取り付け、プランジャ26で圧電アクチュ
エータ21を上方から圧縮するように構成した。そし
て、圧電アクチュエータ21に及ぼしたプリロードをマ
イクロメータヘッド24で長さとして測り、プリロード
が0.3mm、0.5mm、0.7mmの各場合につい
て、0〜5kgwの範囲の荷重測定を行なって、その計
量誤差を測定した。その場合の計量前の風袋の重さを3
〜8kgwの範囲で変化させたときの結果を図6に示
す。この実験結果から、プリロードが大きくなるほど、
また風袋が重くなるほど、誤差が小さくなり、プリロー
ドの効果が現れていることがわかる。
【0043】また、このようなプリロードに代えて、あ
るいは併用して、圧電アクチュエータ21に予めバイア
ス電圧を印加して、圧電素子間の空隙を埋めるようにし
てもよい。いずれによっても、圧電アクチュエータ21
が計量時に確実に外部に対して力を発生し、その結果、
印加電圧が荷重を正しく反映することになって高い計量
精度が得られることになる。
【0044】なお、バイアス電圧を印加する場合は、該
バイアス電圧を圧電アクチュエータ21の定格電圧に比
べて十分小さく設定することが好ましい。バイアス電圧
をあまり大きくすると、アクチュエータ21のダイナミ
ックレンジが狭まって、ロードセル2の計量範囲が小さ
くなるからである。
【0045】この荷重検出装置1を用いて0〜4kgw
の荷重を計測した場合の計量精度の実験結果を図7に示
す。この場合は、風袋は8kgwであって、計量誤差は
0.15〜0.50%以内であることがわかる。この荷
重検出装置1では、零位法を採用し、起歪体3の変形が
検出されると圧電アクチュエータ21に直ちに電圧を印
加して該変形を0に是正するようにしているので、圧電
アクチュエータ21への印加電圧と発生力との特性のヒ
ステリシスを補償することができ、高い計量精度が実現
される。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の歪ゲージが受動素子であるのに対して能動素子で
ある圧電アクチュエータが、電圧が印加されたときに外
部に力を発生して起歪体の変形を是正するように起歪体
の内部中空部に配設され、可動剛体部に負荷された荷重
により起歪体が変形したときに、その変形を是正するの
に要した上記圧電アクチュエータへの印加電圧の大きさ
から荷重が検出されることになる。
【0047】その場合に、圧電アクチュエータは比較的
小型で大きな力を発生するため、起歪体の固定剛体部と
可動剛体部と上下一対のビーム部とで形成される中空部
の中に配設することができ、これにより、荷重検出装置
のコンパクト化が図られると共に、大きな定格荷重を計
測することが可能となる。
【0048】また、起歪体の歪量を適度な大きさの値と
して取り出すのではなく、該起歪体の変形是正に要した
印加電圧の大きさで荷重を検出する方式であるから、起
歪体の剛性を高くすることができ、その結果、該起歪体
の固有振動数が高くなって荷重検出装置の高速処理化が
図られることになる。その場合に、起歪体の内部中空部
に配設された圧電アクチュエータ自体が高剛性であるた
め、起歪体全体の剛性がより高められることになる。
【0049】さらに、起歪体の変形が検出されると圧電
アクチュエータに電圧を印加して上記変形を直ちに是正
するようにし、その印加した電圧の総量で荷重を計測す
る、所謂零位法を採用しているので、圧電アクチュエー
タの示す印加電圧と発生力特性のヒステリシスを補償で
き、高い計量精度が実現される。
【0050】また、第2発明によれば、固定剛体部と可
動剛体部とからそれぞれ突設された支持部材間に圧電ア
クチュエータが介設され、これにより該圧電アクチュエ
ータが起歪体の内部中空部に配設されていると共に、上
記支持部材の変形を検出する変形検出手段も該支持部材
に設けられているので、荷重検出装置のコンパクト化が
より一層図られることになる。
【0051】そして、その場合に、上記変形検出手段が
圧電アクチュエータと可動剛体部との間に位置している
ことにより、ロードセルの出力の安定と、適正な感度の
維持とが図られることになる。
【0052】さらに、第3、第4発明によれば、計量時
に電圧を印加した当初から確実に圧電アクチュエータが
外部に力を及ぼすことになって印加電圧が荷重を正しく
反映することになり、高い計量精度が得られることにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る荷重検出装置の制御システム図
である。
【図2】 同荷重検出装置における変形検出手段の拡大
図である。
【図3】 同変形検出手段のPSDの概念図である。
【図4】 本発明に係る荷重検出装置の計測時間のグラ
フ図である。
【図5】 プリロードの一例を示す説明図である。
【図6】 プリロードの効果を示すグラフ図である。
【図7】 本発明に係る荷重検出装置の精度を示すグラ
フ図である。
【符号の説明】
1 荷重検出装置 2 ロードセル 3 起歪体 6 制御装置 7 直流電源 21 積層型圧電アクチュエータ 22 発光素子(LED) 23 光学的位置検出素子(PSD)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端に位置する固定剛体部と可動剛体部
    との間に上下一対のビーム部が架設された中空四角形状
    の起歪体を用いて上記可動剛体部に負荷された荷重を検
    出する荷重検出装置であって、上記起歪体内部の中空部
    に、印加電圧の大きさに応じた力を発生する圧電アクチ
    ュエータが、その発生した力で上記可動剛体部に荷重が
    負荷されたときの起歪体の変形を是正するように配設さ
    れていると共に、上記起歪体の変形を検出する変形検出
    手段と、該検出手段で起歪体の変形が検出されたとき
    に、該変形が是正されるように上記圧電アクチュエータ
    に電圧を印加する印加手段と、該印加手段が印加した電
    圧の大きさに基づいて上記可動剛体部に負荷された荷重
    を検出する荷重検出手段とが備えられていることを特徴
    とする荷重検出装置。
  2. 【請求項2】 両端に位置する固定剛体部と可動剛体部
    との間に上下一対のビーム部が架設された中空四角形状
    の起歪体を用いて上記可動剛体部に負荷された荷重を検
    出する荷重検出装置であって、上記起歪体内部の中空部
    に向けて延びる支持部材が固定剛体部と可動剛体部とか
    らそれぞれ突設され、これらの支持部材間に、印加電圧
    の大きさに応じた力を発生する圧電アクチュエータが、
    その発生した力で上記可動剛体部に荷重が負荷されたと
    きの支持部材の変形を是正するように介設されていると
    共に、上記支持部材の変形を検出する変形検出手段が、
    該支持部材における圧電アクチュエータと可動剛体部と
    の間の位置に設けられ、且つ、該検出手段で支持部材の
    変形が検出されたときに、該変形が是正されるように上
    記圧電アクチュエータに電圧を印加する印加手段と、該
    印加手段が印加した電圧の大きさに基づいて上記可動剛
    体部に負荷された荷重を検出する荷重検出手段とが備え
    られていることを特徴とする荷重検出装置。
  3. 【請求項3】 圧電アクチュエータは、多数の圧電素子
    が積層された積層型圧電アクチュエータであると共に、
    該圧電アクチュエータが、予め上記圧電素子の積層方向
    に所定の圧力で圧縮されていることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の荷重検出装置。
  4. 【請求項4】 圧電アクチュエータは、多数の圧電素子
    が積層された積層型圧電アクチュエータであると共に、
    該圧電アクチュエータに、予め定格電圧よりも小さい所
    定のバイアス電圧が印加されていることを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の荷重検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100679138B1 (ko) * 2005-11-03 2007-02-05 국방과학연구소 6축 하중 교정장치
JP2007232562A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Nagaoka Univ Of Technology 広範囲測定デバイス
DE102013107210A1 (de) * 2013-07-09 2015-01-15 Sartorius Lab Instruments Gmbh & Co. Kg Piezoelektrische Kraftmessvorrichtung

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