A.第1実施形態:
A-1.体重測定装置100の構成:
A-1-1.全体構成:
図1は、第1実施形態における体重測定装置100の概略構成を示す説明図である。第1実施形態の体重測定装置100は、新生児Bの体重を測定するためのベッド型の装置である。体重測定装置100は、特許請求の範囲における秤量装置の一例であり、新生児Bは、特許請求の範囲における被秤量物の一例である。
体重測定装置100は、基台220と、載置部材210と、4つの荷重測定装置10とを備える。基台220は、例えば略直方体状の台状の部材である。各荷重測定装置10は、所定の方向(本実施形態では鉛直方向)に受ける荷重の大きさを測定する装置であり、基台220の上面221に配置されている。載置部材210は、新生児Bが載置される載置面211を有する略板状の(ベッド型の)部材であり、4つの荷重測定装置10によって基台220上に支持されている。載置部材210は、例えば樹脂により形成されている。なお、本実施形態では、載置部材210は、上面視で略矩形であり、四隅のそれぞれの周辺の位置で荷重測定装置10により支持されている。
A-1-2.荷重測定装置10の構成:
図2は、第1実施形態における荷重測定装置10の構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、第1実施形態における荷重測定装置10のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。図3には、図2におけるIII-IIIの位置(後述する起歪体110を板厚方向(Y軸方向)に二分する位置)における荷重測定装置10のXZ断面構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本実施形態では、Z軸正方向は上方向であり、Z軸負方向は下方向である。なお、図2では、荷重測定装置10の構成をわかりやすく示すために、後述するカバー部材160が取り付けられていない状態の荷重測定装置10の構成を示している(ただし、カバー部材160を破線で示している)。
図2および図3に示すように、荷重測定装置10は、起歪体110と、カバー部材160と、ベース部材180と、2つの荷重センサ120とを備える。
起歪体110は、いわゆるロバーバル型の起歪体であり、例えば金属により形成されている。なお、起歪体110の形成材料は、荷重センサ120の形成材料の熱膨張係数に近似した熱膨張係数を有する材料であることが好ましい。後述するように、本実施形態では、荷重センサ120の主要部が水晶により形成されているため、起歪体110は、水晶の熱膨張係数に近似した熱膨張係数を有するSUS430により形成されている。
起歪体110は、Y軸方向に直交する略平板状の部材に、該部材をY軸方向に貫通する貫通孔111が形成された構成を有している。この貫通孔111は、Y軸方向視で、Z軸方向に延びる2つの鉛直部分111a,111bと、2つの鉛直部分111a,111bのそれぞれの中央部分を連通するようにX軸方向に延びる水平部分111cとから構成されている。貫通孔111の各鉛直部分111a,111bの上端および下端は、Y軸方向視で略半円形となっている。貫通孔111の各鉛直部分111a,111bの上端および下端の付近では、起歪体110を構成する部材が非常に薄肉となっており、この薄肉の部分が、弾性的に撓み変形する起歪部119を構成している。
このような構成の起歪体110は、Z軸方向に延びる一対の部分(以下、「鉛直部分」という。)を有している。一対の鉛直部分のうちの一方である荷重側鉛直部分112は、起歪体110のうち、貫通孔111に対してX軸正方向側に位置する部分である。また、一対の鉛直部分のうちの他方である固定側鉛直部分113は、起歪体110うち、貫通孔111に対してX軸負方向側に位置する部分である。荷重側鉛直部分112の上面には、カバー部材160との接合のための2つのネジ孔118が形成されている。また、固定側鉛直部分113の下面には、ベース部材180との接合のための2つのネジ孔117が形成されている。Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向の一例であり、鉛直部分は、特許請求の範囲における第1部分の一例であり、荷重側鉛直部分112は、特許請求の範囲における荷重側第1部分の一例であり、固定側鉛直部分113は、特許請求の範囲における固定側第1部分の一例である。
また、起歪体110は、Z軸方向に直交する方向(X軸方向)に延びる一対の部分(以下、「水平部分」という。)を有している。一対の水平部分のうちの一方である上側水平部分114は、起歪体110のうち、貫通孔111の2つの鉛直部分111a,111bに挟まれ、かつ、貫通孔111の水平部分111cより上側に位置する部分である。また、一対の水平部分のうちの他方である下側水平部分115は、起歪体110のうち、貫通孔111の2つの鉛直部分111a,111bに挟まれ、かつ、貫通孔111の水平部分111cより下側に位置する部分である。上側水平部分114の各端部は、起歪部119を介して、荷重側鉛直部分112および固定側鉛直部分113の上端部に接続されており、下側水平部分115の各端部は、起歪部119を介して、荷重側鉛直部分112および固定側鉛直部分113の下端部に接続されている。すなわち、上側水平部分114および下側水平部分115のそれぞれは、2つの鉛直部分(荷重側鉛直部分112および固定側鉛直部分113)に架けられた梁状の部分である。X軸方向は、特許請求の範囲における第2の方向の一例であり、水平部分は、特許請求の範囲における第2部分の一例である。
ベース部材180は、Z軸方向視で略円形の略平板状部材であり、例えば金属(例えば、SUS430等のステンレス)により形成されている。ベース部材180における起歪体110に対向する側の表面には、凹部181が形成されている。
ベース部材180における起歪体110の固定側鉛直部分113と対向する位置には、Z軸方向に貫通する2つのネジ孔182が形成されている。ベース部材180の上に起歪体110の固定側鉛直部分113が載置された状態では、ベース部材180に形成された各ネジ孔182と起歪体110の固定側鉛直部分113に形成された各ネジ孔117とが互いに連通する。これらの連通した各ネジ孔に図示しないネジが螺号されることにより、起歪体110とベース部材180とが接合され、ベース部材180が起歪体110の固定側鉛直部分113を固定的に支持した状態となっている。この状態では、起歪体110における固定側鉛直部分113を除く部分の下方に、凹部181に対応する空間が位置している。すなわち、起歪体110における固定側鉛直部分113を除く部分は、片持ち状態となっている。
カバー部材160は、起歪体110やベース部材180を覆う蓋状の部材である。カバー部材160の形成材料としては、任意の材料を用いることが可能であるが、後述する制御回路190をシールドすることができる材料(例えば、アルミニウム合金等の金属)が用いられることが好ましい。カバー部材160は、Z軸方向に直交する板状の台状部分160aを有する。台状部分160aは、体重測定装置100の載置部材210(図1)から、Z軸方向の荷重を受ける部分である。また、カバー部材160は、台状部分160aの外周位置からベース部材180の位置まで下方に突出する遮蔽部分160bを有する。カバー部材160は、特許請求の範囲における台部材の一例である。
カバー部材160の台状部分160aには、Z軸方向に貫通する2つのネジ孔161が形成されている。起歪体110を覆うようにカバー部材160が配置された状態では、カバー部材160の台状部分160aに形成された各ネジ孔161と起歪体110の荷重側鉛直部分112に形成された各ネジ孔118とが互いに連通する。これらの連通した各ネジ孔に図示しないネジが螺号されることにより、カバー部材160と起歪体110とが接合され、カバー部材160が起歪体110の荷重側鉛直部分112に接続された状態となっている。なお、カバー部材160と起歪体110との間には、ワッシャ168が介在しており、起歪体110における荷重側鉛直部分112以外の部分の上面とカバー部材160の台状部分160aの裏面との間には、空間が存在している。そのため、カバー部材160の台状部分160aが受けた鉛直方向の荷重は、起歪体110のうち、荷重側鉛直部分112のみに伝達される。
上述したように、荷重測定装置10は、2つの荷重センサ120を備える。各荷重センサ120は、起歪体110の起歪部119に対してZ軸方向に隣接する空間SPに配置されている。より詳細には、2つの荷重センサ120のうちの一方(以下、「上側荷重センサ120h」ともいう。)は、起歪体110における固定側鉛直部分113と上側水平部分114との接続箇所の起歪部119に対して下方向に隣接する空間SPに配置されている。上側荷重センサ120hは、X軸方向において、起歪体110の固定側鉛直部分113と上側水平部分114とに挟持されている。また、2つの荷重センサ120のうちの他方(以下、「下側荷重センサ120l」ともいう。)は、起歪体110における固定側鉛直部分113と下側水平部分115との接続箇所の起歪部119に対して上方向に隣接する空間SPに配置されている。下側荷重センサ120lは、X軸方向において、起歪体110の固定側鉛直部分113と下側水平部分115とに挟持されている。荷重センサ120の構成については、後に詳述する。
なお、本実施形態では、起歪体110に対する各荷重センサ120の取り付け・取り外しを可能とするため、起歪体110の固定側鉛直部分113の一部分が、別部材(固定ブロック部材130)により構成されている。固定ブロック部材130は、起歪体110の貫通孔111に対してX軸負方向側に連通する第2の貫通孔116内に、X軸方向に摺動可能に配置された略平板状の部材である。上述したように、各荷重センサ120は、X軸方向において、起歪体110の固定側鉛直部分113と上側水平部分114または下側水平部分115とに挟持されているが、より詳細には、起歪体110の固定側鉛直部分113を構成する固定ブロック部材130と上側水平部分114または下側水平部分115とに挟持されている。なお、本実施形態では、各荷重センサ120は、固定ブロック部材130の側面に接着されている。固定ブロック部材130は、固定側鉛直部分113の側面から第2の貫通孔116に向かってX軸方向に延びる2つのネジ孔118のそれぞれに螺号された固定用ネジ140により、X軸方向の移動が規制され、位置が固定された状態となっている。
また、図2に示すように、本実施形態の荷重測定装置10は、X軸方向における固定ブロック部材130の位置を強固に固定するための一対のストッパー部材150を備えている。一対のストッパー部材150は、Y軸方向において、固定ブロック部材130を含む固定側鉛直部分113を挟持した状態で、ストッパー部材150に形成されたネジ孔151および固定ブロック部材130に形成されたネジ孔131を通る図示しないネジによって互いに連結されて固定されている。なお、一対のストッパー部材150を用いる代わりに、例えば、固定ブロック部材130を起歪体110に溶接する等の他の方法により、固定ブロック部材130の位置を固定するものとしてもよい。
ベース部材180の凹部181内には、制御回路190が配置されている。図4は、第1実施形態における制御回路190の構成を概念的に示すブロック図である。制御回路190は、電源回路191と、発振回路192と、周波数カウンタ193とを備える。発振回路192は、荷重センサ120(後述する荷重センサ120の水晶振動子16)の発振を持続して行わせるための回路である。発振回路192としては、例えば、水晶振動子16の発振回路として一般的なコルピッツ型発振回路が用いられる。周波数カウンタ193は、発振回路192から出力される周期信号の周波数を読み取るための回路である。周波数カウンタ193としては、例えば、Agilent社製53230A等が用いられる。電源回路191は、発振回路192等へ電源を供給するための回路である。
A-1-3.荷重センサ120の構成:
図5は、第1実施形態における荷重センサ120の構成を概略的に示す斜視図であり、図6は、第1実施形態における荷重センサ120のXZ断面構成を示す説明図である。図5では、荷重センサ120の構成を分かりやすく示すために、一部の構成を透過させた状態で示している。また、図6には、図5のVI-VIの位置(後述する電極18のZ軸方向視での中心点を通る位置)における荷重センサ120のXZ断面構成が示されている。
図5および図6に示すように、荷重センサ120は、水晶振動子層12と、Z軸方向において水晶振動子層12を挟むように設けられた一対の保持層14とを備えている。
水晶振動子層12は、Z軸方向視で略矩形の薄板形状の部材である。水晶振動子層12の縦幅(X軸方向の大きさ)および横幅(Y軸方向の大きさ)は、ともに例えば1.0~3.0mm程度(例えば2.0mm)であり、水晶振動子層12の厚さ(Z軸方向の大きさ)は、例えば20~60μm程度(例えば41.7μm)である。
水晶振動子層12は、Z軸方向に直交する薄板形状の水晶振動子16と、水晶振動子16の厚さ方向(Z軸方向)に相対する一対の面に設けられた一対の電極18とを備える。水晶振動子16としては、例えば温度安定性に優れたATカット水晶が用いられる。ATカット水晶振動子は、外部からの印加電圧により電極に厚み滑り振動を生じ、外力に対して正確に比例した共振周波数での電気周期信号として出力を得ることができる。
水晶振動子16の平面上の略中央部分には、厚さ方向(Z軸方向)に対向する一対の電極18が略円形形状にそれぞれ設けられている。一対の電極18は、例えばスパッタリングによって形成される。一対の電極18には、配線20が接続されている。配線20は、水晶振動子16の平面上を対角方向に相反するように、水晶振動子16の端部近くまで伸びている。配線20は、例えば電極18と一体的にスパッタリングによって形成される。配線20は、水晶振動子16の端部において、荷重センサ120の外部に設けられた電線22に電気的に接続されている。
水晶振動子16は、例えば薄板形状のATカット水晶ウェハの両面に、Lift-offプロセスを用いて電極を成膜し、ダイシングによる分割を行うことにより形成される。より具体的には、ATカット水晶ウェハ上に、先ず犠牲層をパターンニングし、次にCrおよびAuをスパッタして電極を形成した後、犠牲層を除去する。この一連のプロセスを両面に行って電極18をパターンニングし、電極18の完成後、ダイシングソーによってカットして複数個の水晶振動子16を形成する。
なお、厚みの薄い水晶振動子16を得るのに際しては、水晶のエッチングを行なうことが考えられるが、エッチングにより表面荒さが生じ、平面度が低下することで水晶振動子16の発振特性に影響を及ぼすことがないようにするのが望ましい。具体的には例えば、本実施例においては、水晶振動子16の両面を鏡面研磨したうえで用いている。
また、水晶振動子16の厚さと電極18の大きさとの関係については、水晶振動子16の厚さの15~20倍程度の電極18の径が最適であるとされる。また、水晶の外形、すなわち、Z軸方向視での大きさは、電極18の径に対して十分に大きくする必要があるものとされる。
電線22は、配線20と制御回路190(図4)とを直接的もしくは中継基板などを介して接続するためのものである。電線22は、配線用の銅線である。
保持層14は、本実施例においてはバルク状(塊状)の水晶によって構成されている。すなわち、保持層14と水晶振動子層12とは、略同等の熱膨張率を有する材料によって構成されている。また、保持層14が水晶によって構成されていることから、水晶振動子層12にX軸方向の荷重が印加された際に、保持層14には水晶振動子層12の変位と略同量の変位が生ずる。
保持層14の縦幅(X軸方向の大きさ)および横幅(Y軸方向の大きさ)は、ともに例えば1.0~3.0mm程度(例えば、2.0mm)であり、保持層14の厚さ(Z軸方向の大きさ)は、例えば300~700μm程度(例えば、500μm)である。このように、保持層14は、水晶振動子層12に比べて十分な厚さを有している。また、保持層14において、上述した水晶振動子層12と接合された場合に外周面となる面においては、水晶振動子層12の電極18から引き出された配線20に対応する位置に、厚さ方向に延びる凹状の溝26が設けられており、保持層14と水晶振動子層12とを重ね合わせた場合に、配線20の端部が露出するようになっている。この露出した配線20の端部に電線22が接続される。また、溝26は断面が円弧形状の溝とされているが、これは水晶振動子層12に荷重が印可された場合に溝26の特定の箇所に応力集中が生じにくくするためである。
また、図6に示すように、保持層14における水晶振動子層12と重ね合わされる面には、水晶振動子層12と重ね合わされた際に電極18と対応する部分に段差28が設けられている。この段差28は、断面が円状の穴として設けられており、保持層14が水晶振動子層12と重ね合わされた際に、電極18が保持層14と接触することがないよう、具体的には例えば、段差28として設けられた穴と電極18との間に10μm程度のクリアランスCLが設けられるように、段差28の大きさや深さが設定される。段差28が設けられることにより、保持層14における水晶振動子層12と重ね合わせた際に、両者が接触することにより水晶振動子16の発振を妨げることがない。言い換えれば、水晶振動子層12のうち段差28に対向する部分が、好適な振動を生じる振動部として確保される。なお、段差28の形状は前述のような断面が円形の穴に限られず、電極18と保持層14とが接触しない形状であればよい。
保持層14および水晶振動子層12のそれぞれにおいて、両者が重ね合わされる面には、接着層32が設けられている。本実施例では、接着層32は、スパッタリングにより成膜された金属薄膜であり、具体的には、クロム(Cr)を成膜した後に金(Au)を成膜して得られる薄膜である。接着層32は、原子拡散接合により保持層14と水晶振動子層12とを接合する。また、接着層32は、水晶振動子層12において、水晶振動子16の面においてその外周側を囲むように設けられている。ここで接着層32は、水晶振動子層12に設けられた電極18および配線20と接触することがないように、それら電極18および配線20と重なることがなく、かつ、所定の間隔以上を隔てて設けられている。また、接着層32は、水晶振動子層12の両面、および、一対の保持層14の水晶振動子層12と重ね合わされる面にそれぞれ設けられており、保持層14に設けられる接着層32の形状は、水晶振動子層12と重ね合わされた際に、その重ね合わされた水晶振動子層12に設けられた接着層32と同形状となるようにされている。なお、配線20との絶縁が確保されることを前提として、保持層14の接着層32は面の外周側において全周に渡って設けられてもよい。
また、接着層32は、例えば、保持層14および水晶振動子層12がそれら接着層32により接着された場合において、上述の保持層14における水晶振動子層12との接触面のうち、段差28以外の部分に設けられるものであって、その段差28以外の部分の全部であってもよいし、一部であってもよい。水晶振動子層12に荷重計測方向に荷重が加えられた場合に水晶振動子層12が座屈しないために、接着層32の位置、大きさなどが決定される。これにより、水晶振動子層12の座屈を抑制することができる。
このような構成の荷重センサ120では、荷重センサ120が受けるX軸方向の荷重(図5および図6における圧縮荷重F、または引張荷重)の大きさに応じて、荷重センサ120の水晶振動子層12の発振周波数が変化する。荷重センサ120は、制御回路190による制御の下、発振周波数の変化に基づき、自らの受けた荷重の大きさを測定する。
A-2.体重測定装置100の動作:
本実施形態では、体重測定装置100(図1)において、載置部材210の載置面211に新生児Bが載置されていない状態(以下、「無負荷状態」という。)では、起歪体110に組み込まれた各荷重センサ120が受けるX軸方向の荷重が所定値に調整されている。なお、以下では、荷重センサ120が受けるX軸方向の荷重を、引張荷重で表すものとし、荷重センサ120がX軸方向に圧縮荷重を受けている場合には、その荷重を負の値で表すものとする。
体重測定装置100の載置部材210の載置面211に新生児Bが載置されると、載置部材210を支持する4つの荷重測定装置10のそれぞれに、鉛直方向の荷重が加えられる。より具体的には、各荷重測定装置10のカバー部材160(図2および図3)に、鉛直方向の荷重が加えられる。荷重測定装置10のカバー部材160が受けた鉛直方向の荷重は、起歪体110の荷重側鉛直部分112に伝達される。これにより、起歪体110の荷重側鉛直部分112が下方に変位するように、起歪体110の各起歪部119が弾性的に撓み変形する。起歪体110が変形すると、起歪体110に挟持された各荷重センサ120が起歪体110から受けるX軸方向の荷重が、起歪体110の荷重側鉛直部分112に伝達された鉛直方向の荷重に応じた量だけ変化する。例えば、上側荷重センサ120hでは、起歪体110の変形に伴いX軸方向の荷重(引張荷重)が減少し(すなわち、無負荷状態よりも圧縮側に変化し)、下側荷重センサ120lでは、起歪体110の変形に伴いX軸方向の荷重(引張荷重)が増加する(すなわち、無負荷状態よりも引張側に変化する)。各荷重センサ120が受けるX軸方向の荷重が変化すると、各荷重センサ120の発振周波数が、荷重の変化量に応じた量だけ変化する。各荷重センサ120は、制御回路190による制御の下、発振周波数の変化量を、荷重測定装置10が受けた鉛直方向の荷重の大きさに変換する。図示しない制御装置(例えば、CPUおよびメモリを備えるコンピュータ)により、体重測定装置100に備えられた4つの荷重測定装置10の荷重測定値が合計され、載置部材21に載置された新生児Bの体重として算出される。
なお、本実施形態では、各荷重測定装置10が2つの荷重センサ120(上側荷重センサ120hおよび下側荷重センサ120l)を備えるため、各荷重測定装置10は、2つの荷重センサ120を用いて、荷重測定装置10が受ける鉛直方向の荷重の大きさを測定する。例えば、荷重測定装置10は、上側荷重センサ120hを用いた荷重の測定値と、下側荷重センサ120lを用いた荷重の測定値との平均値を、荷重測定装置10が受ける鉛直方向の荷重の大きさとして算出する。あるいは、荷重測定装置10は、下側荷重センサ120lの発振周波数と上側荷重センサ120hの発振周波数との差分を用い、無負荷状態からの該差分の変化量に基づき、荷重測定装置10が受ける鉛直方向の荷重を測定するものとしてもよい。各荷重測定装置10が2つの荷重センサ120を用いて荷重の大きさを測定することにより、荷重を受ける位置による測定誤差の要因を相殺することができ、荷重測定装置10による荷重の測定精度を向上させることができる。
A-3.荷重測定装置10の性能評価:
上述した構成の第1実施形態の荷重測定装置10について、各種性能評価を行った。以下、各種性能評価について説明する。
A-3-1.第1の性能評価:
図7から図9は、第1実施形態の荷重測定装置10における荷重センサ120の位置に関する第1の性能評価の内容を示す説明図である。図7に示すように、この性能評価には、評価用荷重測定装置400が用いられた。評価用荷重測定装置400は、上述した本実施形態の荷重測定装置10と同様に、起歪体410を備えている。起歪体410は、Z軸方向に延びる一対の鉛直部分(荷重側鉛直部分412および固定側鉛直部分413)と、X軸方向に延び、それぞれ起歪部419を介して一対の鉛直部分に接続された一対の水平部分(上側水平部分414および下側水平部分415)とを有している。ただし、評価用荷重測定装置400では、上側水平部分414は、荷重側鉛直部分412および固定側鉛直部分413の上端部ではなく上端部より下方の位置に接続されており、下側水平部分415は、荷重側鉛直部分412および固定側鉛直部分413の下端部ではなく下端部より上方の位置に接続されている。そのため、評価用荷重測定装置400の起歪体410では、上側水平部分414と荷重側鉛直部分412および固定側鉛直部分413とを接続する2つの起歪部419の上側にも荷重センサ120を配置可能な空間SPが存在し、かつ、下側水平部分415と荷重側鉛直部分412および固定側鉛直部分413とを接続する起歪部419の下側にも荷重センサ120を配置可能な空間SPが存在する。すなわち、評価用荷重測定装置400の起歪体410では、図7に示す8つの位置(センサ位置a、a’、b、b’、c、c’、d、d’)に荷重センサ120を配置可能となっている。なお、図7では、8つのセンサ位置のすべてに荷重センサ120を図示しているが、実際に8つのセンサ位置のすべてに荷重センサ120が配置されるという意味ではなく、荷重センサ120を配置可能な位置を示しているに過ぎない。
また、評価用荷重測定装置400は、上述した本実施形態の荷重測定装置10におけるカバー部材160に相当する部材として、台部材460を備える。台部材460は、Z軸方向の荷重を受ける台状部分460aから構成されている。台部材460は、起歪体410の荷重側鉛直部分412に接続されている。台部材460の上面には、荷重を受ける位置として、図7に示す5つの位置(荷重位置1~5)が設定されている。荷重位置3は、荷重側鉛直部分412の直上の位置であり、荷重位置1,2は、荷重位置3よりX軸負方向側の位置であり、荷重位置4,5は、荷重位置3よりX軸正方向側の位置である。
本性能評価では、評価用荷重測定装置400の性能、より具体的には、台部材460における荷重を受ける位置の変化に伴う測定精度の低下の程度を確認するために、台部材460における各荷重位置(荷重位置1~5)に荷重を加えたときに、起歪体410における各センサ位置(センサ位置a、a’、b、b’、c、c’、d、d’)に生ずる応力を、シミュレーションにより算出した。シミュレーションは、SolidWorks Simulation(2018 SP2.0, SolidWorks社)を用いて行った。
図8には、各荷重位置に荷重を加えたときに各センサ位置に生ずる応力の算出結果を示している。図8では、縦軸の正の値は引張応力を表し、縦軸の負の値は圧縮応力を表している。図8において、各荷重位置に荷重を加えたときに各センサ位置に生ずる応力の値が一定に近いほど(すなわち、図8に示された直線の傾きが小さいほど)、荷重位置の変化に伴う測定精度の低下が小さく、高性能であると言える。これらの点は、図9や後述する図11,12等においても同様である。
図8に示すように、いずれのセンサ位置に対応する直線も、傾きがある程度以上小さくなっている。そのため、荷重センサ120を、起歪体110の起歪部119に対してZ軸方向に隣接する空間SPに配置し、かつ、X軸方向において起歪体110の鉛直部分と水平部分とに挟持するように構成すれば、荷重センサ120をどのセンサ位置に配置しても、一定以上の性能を確保することができると言える。特に、センサ位置a’およびc’に対応する直線は、傾きが非常に小さくなっているため、荷重測定装置において荷重センサ120をセンサ位置a’またはc’に配置すると、荷重測定装置の性能を効果的に向上させることができると言える。
また、図9には、各荷重位置に荷重を加えたときに一対のセンサ位置に生ずる応力の差分の算出結果を示している。例えば、図中の「a-c」は、各荷重位置に荷重を加えたときにセンサ位置aに生ずる応力とセンサ位置cに生ずる応力との差分を示している。図9には、センサ位置の4つの組合せについて、応力の差分の算出結果が示されている。図9に示されたどのセンサ位置の組合せに対応する直線も、傾きがある程度以上小さくなっている。そのため、荷重測定装置において一対の荷重センサ120を図9に示されたどのセンサ位置の組合せに配置しても、一対の荷重センサ120を利用して(例えば、両者の発振周波数の差分を用いて)荷重を測定することにより、一定以上の性能を確保することができると言える。なお、図9に示されたセンサ位置の各組合せ(ただし、センサ位置dおよびcの組合せを除く)は、Z軸方向に互いに対向する一対のセンサ位置の組合せであり、かつ、一対の水平部分(上側水平部分414および下側水平部分415)に挟まれた空間(すなわち、貫通孔111の水平部分111c、図3参照)より上側のセンサ位置と該空間より下側のセンサ位置との組合せである。そのため、荷重測定装置において、一対の水平部分に挟まれた空間(貫通孔111の水平部分111c)よりZ軸方向の一方側に位置する荷重センサ120と、該空間よりZ軸方向の他方側に位置する荷重センサ120と、から構成される一対の荷重センサ120を備えるように構成すれば、荷重測定装置の性能を向上させることができると言える。
特に、図9に示されたセンサ位置の各組合せの中でも、センサ位置a’およびc’の組合せ、並びに、センサ位置b’およびd’の組合せに対応する直線は、傾きが非常に小さくなっている。そのため、荷重測定装置において一対の荷重センサ120をこれらのセンサ位置の組合せに配置すると、荷重測定装置の性能を効果的に向上させることができると言える。なお、これらのセンサ位置の組合せは、上記条件に加えて、Z軸方向において起歪部を介さずに互いに対向した一対のセンサ位置の組合せである。そのため、荷重測定装置において、上記条件に加えて、Z軸方向において起歪部を介さずに互いに対向する一対の荷重センサ120を備えるように構成すれば、荷重測定装置の性能を効果的に向上させることができると言える。
さらに、これらのセンサ位置の組合せの中でも、センサ位置a’およびc’の組合せに対応する直線は、傾きが極めて小さくなっている。そのため、荷重測定装置において一対の荷重センサ120をこのセンサ位置の組合せに配置すると、荷重測定装置の性能を極めて効果的に向上させることができると言える。なお、このセンサ位置の組合せは、上記条件に加えて、X軸方向において固定側鉛直部分と水平部分とに挟持されるようなセンサ位置の組合せである。そのため、荷重測定装置において、上記条件に加えて、X軸方向において固定側鉛直部分と水平部分とに挟持された一対の荷重センサ120を備えるように構成すれば、荷重測定装置の性能を極めて効果的に向上させることができると言える。
A-3-2.第2の性能評価:
図10から図12は、第1実施形態の荷重測定装置10における上側水平部分114と下側水平部分115との間のギャップGP(すなわち、貫通孔111の水平部分111cの高さ)に関する第2の性能評価の内容を示す説明図である。図10に示すように、この性能評価では、上述した本実施形態の荷重測定装置10(図10では、一部の構成の図示を省略している)が用いられた。また、荷重測定装置10のカバー部材160の台状部分160aの上面には、荷重を受ける位置として、図10に示す3つの位置(荷重位置1~3)が設定されている。荷重位置2は、荷重側鉛直部分112の直上の位置であり、荷重位置1は、荷重位置2よりX軸負方向側の位置であり、荷重位置3は、荷重位置2よりX軸正方向側の位置である。
本性能評価では、上記ギャップGPが荷重測定装置10の性能、より具体的には、カバー部材160における荷重を受ける位置の変化に伴う測定精度の低下の程度に与える影響を確認するために、ギャップGPが2.0mmの場合およびギャップGPが0.1mmの場合について、カバー部材160における各荷重位置(荷重位置1~3)に荷重を加えたときに、起歪体110における各荷重センサ120(上側荷重センサ120hおよび下側荷重センサ120l)が配置される位置に生ずる応力を、シミュレーションにより算出した。シミュレーションは、SolidWorks Simulation(2018 SP2.0, SolidWorks社)を用いて行った。
図11には、ギャップGPが2.0mmの場合において、各荷重位置に荷重を加えたときに各荷重センサ120が配置される位置に生ずる応力の算出結果を示している。図11に示すように、上側荷重センサ120hおよび下側荷重センサ120lに対応する直線のいずれも、傾きがある程度以上小さくなっている。また、下側荷重センサ120lが配置される位置に生ずる応力と上側荷重センサ120hが配置される位置に生ずる応力との差分に対応する直線は、傾きが非常に小さくなっている。そのため、荷重測定装置10において、ギャップGPが2.0mmであれば、一定以上の性能を確保することができると言える。
また、図12には、ギャップGPが0.1mmの場合において、各荷重位置に荷重を加えたときに各荷重センサ120が配置される位置に生ずる応力の算出結果を示している。図12に示すように、上側荷重センサ120hおよび下側荷重センサ120lに対応する直線のいずれも、ギャップGPが2.0mmの場合と比べて、傾きがより小さくなっている。また、下側荷重センサ120lが配置される位置に生ずる応力と上側荷重センサ120hが配置される位置に生ずる応力との差分に対応する直線についても、ギャップGPが2.0mmの場合と比べて、傾きがより小さくなっている。そのため、荷重測定装置10において、ギャップGPが小さいほど性能が向上すると言える。従って、荷重測定装置10における上側水平部分114と下側水平部分115との間のギャップGPは、2.0mm以下であることが好ましく、0.1mm以下であることがさらに好ましいと言える。
A-3-3.第3の性能評価:
図13から図18は、第1実施形態の荷重測定装置10のカバー部材160における荷重位置の影響に関する第3の性能評価の内容を示す説明図である。図13に示すように、この性能評価では、上述した本実施形態の荷重測定装置10が用いられた。また、荷重測定装置10のカバー部材160の台状部分160aの上面には、荷重を受ける位置として、図13に示す5つの荷重位置が設定されている。具体的には、荷重位置Poは、カバー部材160の台状部分160aの上面の中心位置であり、より具体的には、起歪体110の荷重側鉛直部分112に形成された2つのネジ孔118のうちの固定側鉛直部分113に近い側のネジ孔118の直上の位置である(図3等参照)。また、荷重位置Px1およびPx2は、荷重位置PoからそれぞれX軸正方向およびX軸負方向に10mmずれた位置であり、荷重位置Py1およびPy2は、荷重位置PoからそれぞれY軸正方向およびY軸負方向に10mmずれた位置である。
本性能評価では、荷重測定装置10のカバー部材160における荷重位置が荷重測定装置10の性能、より具体的には、カバー部材160における荷重を受ける位置の変化に伴う測定精度の低下の程度に与える影響を確認するために、実際に作製した荷重測定装置10を使用し、上述した5つの荷重位置(Po、Px1、Px2、Py1、Py2)のそれぞれに荷重を加えた際の、一対の荷重センサ120(下側荷重センサ120lおよび上側荷重センサ120h)の出力周波数を計測した。評価は、各荷重位置について3回行った。
図14には、荷重位置Poに荷重を加えた際の下側荷重センサ120lの周波数計測結果が示されており、図15には、荷重位置Poに荷重を加えた際の上側荷重センサ120hの周波数計測結果が示されている。図14および図15の(A)~(C)欄には、それぞれ1~3回目の評価結果が示されている。なお、図示していないが、荷重位置Po以外の他の4つの荷重位置(Px1、Px2、Py1、Py2)についても、同様に周波数計測を行った。
また、図16には、X軸方向に並んだ3つの荷重位置(Po、Px1、Px2)のそれぞれに荷重を加えた際の周波数計測結果から算出した荷重センサ120の感度が示されている。荷重センサ120の感度は、図14および図15に示すように、荷重-周波数の関係から導出した近似直線の傾きである。図16に示すように、上側荷重センサ120hおよび下側荷重センサ120lに対応する直線のいずれも、傾きがある程度以上小さくなっている。また、下側荷重センサ120lと上側荷重センサ120hとの差分に対応する直線は、傾きが非常に小さくなっている。そのため、上述した本実施形態の荷重測定装置10の構成を採用すれば、荷重センサ120の感度に関して一定以上の性能を確保することができると言える。
また、図17には、X軸方向に並んだ3つの荷重位置(Po、Px1、Px2)のそれぞれについて、図16に示す感度から算出した相対誤差が示されている。相対誤差は、下式(1)に従い算出される。図17に示すように、上側荷重センサ120hおよび下側荷重センサ120lのいずれについても、相対誤差は10~15%程度以下の範囲に収まっている。また、下側荷重センサ120lと上側荷重センサ120hとの差分については、いずれの荷重位置においても相対誤差が極めて小さく(1~2%程度以下に)なっている。そのため、上述した本実施形態の荷重測定装置10において、一対の荷重センサ120(下側荷重センサ120lおよび上側荷重センサ120h)を用いれば、測定誤差を極めて小さくすることができると言える。
相対誤差(%)=((計測感度-荷重位置Poの平均感度)/荷重位置Poの平均感度)×100 ・・・(1)
また、図18には、Y軸方向に並んだ3つの荷重位置(Po、Py1、Py2)のそれぞれに荷重を加えた際の周波数計測結果から算出した荷重センサ120の感度が示されている。図18に示すように、上側荷重センサ120hおよび下側荷重センサ120lに対応する直線のいずれも、傾きがある程度以上小さくなっている。そのため、上述した本実施形態の荷重測定装置10の構成を採用すれば、荷重センサ120の感度に関して一定以上の性能を確保することができると言える。
A-4.第1実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の荷重測定装置10は、起歪体110と、カバー部材160と、ベース部材180とを備える。起歪体110は、Z軸方向に延びる一対の鉛直部分112,113と、Z軸方向に直交するX軸方向に延び、それぞれ起歪部119を介して一対の鉛直部分112,113に接続された一対の水平部分114,115とを有する。カバー部材160は、Z軸方向の荷重を受ける台状部分160aを有し、一対の鉛直部分のうちの一方である荷重側鉛直部分112に接続されている。ベース部材180は、一対の鉛直部分のうちの他方である固定側鉛直部分113を固定的に支持する。本実施形態の荷重測定装置10は、さらに、少なくとも1つの荷重センサ120を備える。荷重センサ120は、起歪体110の起歪部119に対してZ軸方向に隣接する空間SPに配置され、X軸方向において起歪体110の鉛直部分と水平部分とに挟持される。荷重センサ120は、X軸方向の荷重に応じた信号を出力する。このような構成の荷重測定装置10によれば、カバー部材160の台状部分160aにおける荷重を受ける位置の変化に伴う測定精度の低下を抑制することができ、荷重測定装置10の性能を向上させることができる。
また、本実施形態の荷重測定装置10は、Z軸方向に互いに対向する一対の荷重センサ120を備える。この一対の荷重センサ120は、一対の水平部分に挟まれた空間(貫通孔111の水平部分111c)より、Z軸方向の一方側(上側)に位置する荷重センサ120(上側荷重センサ120h)と、Z軸方向の他方側(下側)に位置する荷重センサ120(下側荷重センサ120l)とから構成される。このような構成の荷重測定装置10によれば、一対の荷重センサ120を用いることにより、荷重を受ける位置による測定誤差の要因を相殺することができ、カバー部材160の台状部分160aにおける荷重を受ける位置の変化に伴う測定精度の低下を効果的に抑制することができ、荷重測定装置10の性能を効果的に向上させることができる。
また、本実施形態の荷重測定装置10は、Z軸方向において起歪部119を介さずに互いに対向した一対の荷重センサ120(上側荷重センサ120hおよび下側荷重センサ120l)を備える。このような構成の荷重測定装置10によれば、一対の荷重センサ120を用いることにより、荷重を受ける位置による測定誤差の要因を相殺することができ、カバー部材160の台状部分160aにおける荷重を受ける位置の変化に伴う測定精度の低下をさらに効果的に抑制することができ、荷重測定装置10の性能をさらに効果的に向上させることができる。
また、本実施形態の荷重測定装置10は、X軸方向において固定側鉛直部分113と水平部分114,115とに挟持された一対の荷重センサ120(上側荷重センサ120hおよび下側荷重センサ120l)を備える。このような構成の荷重測定装置10によれば、一対の荷重センサ120を用いることにより、荷重を受ける位置による測定誤差の要因を相殺することができ、カバー部材160の台状部分160aにおける荷重を受ける位置の変化に伴う測定精度の低下を極めて効果的に抑制することができ、荷重測定装置10の性能を極めて効果的に向上させることができる。
また、本実施形態の荷重測定装置10では、荷重センサ120は、Z軸方向に直交する薄板形状の水晶振動子16と、水晶振動子16のZ軸方向に相対する一対の面に配置された一対の電極18と、を備える水晶振動子層12を有する。このような構成の荷重測定装置10によれば、水晶振動子16の発振周波数は、加えた荷重に正確に比例して変化することから、歪みゲージ等の他の荷重センサを用いた構成と比較して、高感度、高精度、長期安定性計測が可能な荷重測定装置10を実現することができる。
また、本実施形態の荷重測定装置10では、荷重センサ120は、さらに、水晶振動子層12の少なくとも一方の面に配置され、水晶振動子層12にX軸方向の荷重が印加された際に水晶振動子層12と略同量の変位を生ずる保持層14を有する。このような構成の荷重測定装置10によれば、薄板形状の水晶振動子16の薄板形状と平行な方向に外部荷重が印加される場合において、水晶振動子16に曲げ応力が生じる場合であっても、少なくとも1つの保持層14により水晶振動子16の曲げ方向の変形が抑制されるので、水晶振動子16の座屈を防止することができる。また、水晶振動子16に外部荷重が印加された際に、水晶振動子層12と保持層14とは略同量の変位を生ずるため、両者の変位の差によって曲げ方向の力が生ずることも防止される。そのため、このような構成の荷重測定装置10によれば、薄板形状の水晶振動子16の薄さをより薄くすることができ、荷重センサ120の計測レンジを広げることができる。
また、本実施形態の荷重測定装置10では、荷重センサ120は、Z軸方向において水晶振動子層12を挟むように設けられた一対の保持層14を有する。このような構成の荷重測定装置10によれば、水晶振動子層12の薄板形状の両側への変形が抑制され、より一層水晶振動子層12の座屈を抑制することができる。
また、本実施形態の体重測定装置100は、複数の荷重測定装置10と、被秤量物である新生児Bが載置される載置面211を有し、複数の荷重測定装置10により支持された載置部材210とを備える。このような構成の体重測定装置100によれば、載置面211における新生児Bの位置の変化に伴い、荷重測定装置10のカバー部材160の台状部分160aにおける荷重を受ける位置が変化しても、該変化に伴う荷重測定装置10の測定精度の低下を抑制することができるため、体重測定装置100の測定精度を向上させることができる。
B.第2実施形態:
図19は、第2実施形態における荷重測定装置30の構成を概略的に示す斜視図であり、図20は、第2実施形態における荷重測定装置30のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。図20には、後述する起歪体310を板厚方向(Y軸方向)に二分する位置における荷重測定装置30のXZ断面構成が示されている。なお、図19では、荷重測定装置30の構成をわかりやすく示すために、後述するカバー部材360が取り付けられていない状態の荷重測定装置30の構成を示している(ただし、カバー部材360を破線で示している)。以下では、第2実施形態の荷重測定装置30の構成のうち、上述した第1実施形態の荷重測定装置10の構成と同様の構成については、その説明を適宜省略し、第1実施形態の荷重測定装置10の構成との相違点を中心に説明する。
図19および図20に示すように、荷重測定装置30は、起歪体310と、カバー部材360と、ベース部材380と、2つの荷重センサ320とを備える。
第2実施形態における起歪体310の構成は、上述した第1実施形態における起歪体110の構成と同様である。すなわち、第2実施形態の起歪体310は、Z軸方向に延びる一対の鉛直部分(荷重側鉛直部分312および固定側鉛直部分313)と、X軸方向に延び、それぞれ起歪部319を介して一対の鉛直部分に接続された一対の水平部分(上側水平部分314および下側水平部分315)とを有する。ただし、第2実施形態の起歪体310では、貫通孔311の形状が、第1実施形態の起歪体110に形成された貫通孔111の形状と若干異なっている。具体的には、第2実施形態の起歪体310に形成された貫通孔311は、Y軸方向視で略矩形であり、該矩形の四隅に円の一部が連続した形状となっている。また、第2実施形態の起歪体310では、固定側鉛直部分313が、第1実施形態における固定ブロック部材130のような別部材により構成された部分を含まず、一体構成となっている。
また、第2実施形態におけるカバー部材360の構成は、上述した第1実施形態におけるカバー部材160の構成と同様である。すなわち、カバー部材360は、Z軸方向に直交する板状の台状部分360aと、台状部分360aの外周位置からベース部材380の位置まで下方に突出する遮蔽部分360bとを有する。カバー部材360の台状部分360aには、Z軸方向に貫通する2つのネジ孔361が形成されており、カバー部材360が配置された状態では、カバー部材360の台状部分360aに形成された各ネジ孔361と起歪体310の荷重側鉛直部分312の上面に形成された各ネジ孔318とが互いに連通し、これらの連通した各ネジ孔に図示しないネジが螺号されることにより、カバー部材360と起歪体310とが接合され、カバー部材360が起歪体310の荷重側鉛直部分312に接続された状態となっている。
また、第2実施形態におけるベース部材380における構成は、上述した第1実施形態におけるベース部材380の構成と同様である。ただし、第2実施形態のベース部材380は、Z軸方向視で略矩形となっている。ベース部材380における起歪体310の固定側鉛直部分313と対向する位置には、Z軸方向に貫通する2つのネジ孔382が形成されており、ベース部材380の上に起歪体310の固定側鉛直部分313が載置された状態で、ベース部材380に形成された各ネジ孔382と起歪体310の固定側鉛直部分313の下面に形成された各ネジ孔317とが互いに連通する。これらの連通した各ネジ孔に図示しないネジが螺号されることにより、起歪体310とベース部材380とが接合され、ベース部材380が起歪体310の固定側鉛直部分313を固定的に支持した状態となっている。ベース部材380の上面には、上述した第1実施形態と同様に、制御回路390が配置されている。
また、上述したように、第2実施形態の荷重測定装置30は、2つの荷重センサ320を備える。各荷重センサ320は、起歪体310の起歪部319上に配置されている。より詳細には、2つの荷重センサ320のうちの一方(以下、「固定側荷重センサ320i」ともいう。)は、起歪体310における固定側鉛直部分313と下側水平部分315との接続箇所の起歪部319における外側(下側)の表面に配置されている。また、2つの荷重センサ320のうちの他方(以下、「荷重側荷重センサ320j」ともいう。)は、起歪体310における荷重側鉛直部分312と下側水平部分315との接続箇所の起歪部319における外側(下側)の表面に配置されている。
第2実施形態における荷重センサ320は、上述した第1実施形態における荷重センサ120と同様に、Z軸方向に直交する薄板形状の水晶振動子327と、水晶振動子327の厚さ方向(Z軸方向)に相対する一対の面に設けられた一対の電極326とを有する水晶振動子層325を備える。ただし、第2実施形態では、2つの荷重センサ320のそれぞれを構成する水晶振動子327が、X軸方向に連続した一体の部材となっている。
また、第2実施形態の荷重センサ320は、上述した第1実施形態における荷重センサ120と同様に、Z軸方向において水晶振動子層325を挟むように設けられた一対の保持層329を有する。すなわち、水晶振動子層325の下面は、接着層328を介して一方の保持層329の上面に接着されており、水晶振動子層325の上面は、接着層328を介して他方の保持層329の下面に接着されており、該他方の保持層329の上面は、接着層328を介して起歪体310の下面に接着されている。なお、2つの荷重センサ320のそれぞれを構成する水晶振動子層325および一対の保持層329は、X軸方向に連続した一体の部材となっている。
なお、第2実施形態の荷重センサ320では、上述した第1実施形態と同様に、図示しない配線20や電線22を介して、荷重センサ320を構成する電極326と制御回路390とが電気的に接続されている。
第2実施形態の荷重測定装置30を、体重測定装置100(図1)に適用した場合の動作は、上述した第1実施形態と同様である。すなわち、体重測定装置100の載置部材210の載置面211に新生児Bが載置されると、載置部材210を支持する4つの荷重測定装置30(のカバー部材360)のそれぞれに、鉛直方向の荷重が加えられる。荷重測定装置30のカバー部材360が受けた鉛直方向の荷重は、起歪体310の荷重側鉛直部分312に伝達され、これにより、起歪体310の荷重側鉛直部分312が下方に変位するように、各起歪部319が弾性的に撓み変形する。起歪体310が変形すると、起歪体310の各起歪部319上に配置された各荷重センサ320が起歪体310から受けるX軸方向の荷重が、起歪体310の荷重側鉛直部分312に伝達された鉛直方向の荷重に応じた量だけ変化する。例えば、荷重側荷重センサ320jでは、起歪体310の変形に伴いX軸方向の荷重(引張荷重)が減少し(すなわち、無負荷状態よりも圧縮側に変化し)、固定側荷重センサ320iでは、起歪体310の変形に伴いX軸方向の荷重(引張荷重)が増加する(すなわち、無負荷状態よりも引張側に変化する)。各荷重センサ320が受けるX軸方向の荷重が変化すると、各荷重センサ320の発振周波数が、荷重の変化量に応じた量だけ変化する。各荷重センサ320は、制御回路390による制御の下、発振周波数の変化量を、荷重測定装置30が受けた鉛直方向の荷重の大きさに変換する。なお、本実施形態では、各荷重測定装置30が2つの荷重センサ320(固定側荷重センサ320iおよび荷重側荷重センサ320j)を備えるため、各荷重測定装置30は、2つの荷重センサ320を用いて、荷重測定装置30が受ける鉛直方向の荷重の大きさを測定する。
図21は、第2実施形態の荷重測定装置30の性能評価の内容を示す説明図である。図21には、第2実施形態の荷重測定装置30において、荷重位置Po(カバー部材360の台状部分360aの中心点)に荷重を加えた際の荷重センサ320の周波数計測結果が示されている。図21に示すように、荷重測定装置30における荷重と周波数との関係は、高い線形性を有していると言える。また、感度(図21に示す直線の傾き)は、32,728Hz/Nであり、分解能(=出力安定性(0.15Hz換算)/感度)は、4.6μNであり、いずれも良好な値であった。
以上説明したように、第2実施形態の荷重測定装置30は、起歪体310と、カバー部材360と、ベース部材380とを備える。起歪体310は、Z軸方向に延びる一対の鉛直部分312,313と、Z軸方向に直交するX軸方向に延び、それぞれ起歪部319を介して一対の鉛直部分312,313に接続された一対の水平部分314,315とを有する。カバー部材360は、Z軸方向の荷重を受ける台状部分360aを有し、一対の鉛直部分のうちの一方である荷重側鉛直部分312に接続されている。ベース部材380は、一対の鉛直部分のうちの他方である固定側鉛直部分313を固定的に支持する。本実施形態の荷重測定装置30は、さらに、起歪体310の起歪部319上に配置された少なくとも1つの荷重センサ320を備える。荷重センサ320は、Z軸方向に直交する薄板形状の水晶振動子327と、水晶振動子327のZ軸方向に相対する一対の面に配置された一対の電極326と、を備える水晶振動子層325を有する。このような構成の荷重測定装置30によれば、カバー部材360の台状部分360aにおける荷重を受ける位置の変化に伴う測定精度の低下を抑制することができ、荷重測定装置30の性能を向上させることができる。また、このような構成の荷重測定装置30によれば、水晶振動子327の発振周波数は、加えた荷重に正確に比例して変化することから、歪みゲージ等の他の荷重センサを用いた構成と比較して、高感度、高精度、長期安定性計測が可能な荷重測定装置30を実現することができる。
また、本実施形態の荷重測定装置30では、荷重センサ320は、さらに、水晶振動子層325の少なくとも一方の面に配置され、水晶振動子層325にX軸方向の荷重が印加された際に水晶振動子層325と略同量の変位を生ずる保持層329を有する。このような構成の荷重測定装置30によれば、薄板形状の水晶振動子327の薄板形状と平行な方向に外部荷重が印加される場合において、水晶振動子327に曲げ応力が生じる場合であっても、少なくとも1つの保持層329により水晶振動子327の曲げ方向の変形が抑制されるので、水晶振動子327の座屈を防止することができる。また、水晶振動子327に外部荷重が印加された際に、水晶振動子層325と保持層329とは略同量の変位を生ずるため、両者の変位の差によって曲げ方向の力が生ずることも防止される。そのため、このような構成の荷重測定装置30によれば、薄板形状の水晶振動子327の薄さをより薄くすることができ、荷重センサ320の計測レンジを広げることができる。
特に、本実施形態の荷重測定装置30では、荷重センサ320は、Z軸方向において水晶振動子層325を挟むように設けられた一対の保持層329を有する。このような構成の荷重測定装置30によれば、水晶振動子層325の薄板形状の両側への変形が抑制され、より一層水晶振動子層325の座屈を抑制することができる。
また、本実施形態の荷重測定装置30では、X軸方向に並ぶ2つの起歪部319上に配置された2つの荷重センサ320(固定側荷重センサ320iおよび荷重側荷重センサ320j)を備える。このような構成の荷重測定装置30によれば、一対の荷重センサ320を用いることにより、荷重を受ける位置による測定誤差の要因を相殺することができ、カバー部材360の台状部分360aにおける荷重を受ける位置の変化に伴う測定精度の低下を効果的に抑制することができ、荷重測定装置30の性能を効果的に向上させることができる。
また、本実施形態の荷重測定装置30を体重測定装置100に適用し、複数の荷重測定装置30と、被秤量物である新生児Bが載置される載置面211を有し、複数の荷重測定装置30により支持された載置部材210とを備える体重測定装置100を構成すれば、載置面211における新生児Bの位置の変化に伴い、荷重測定装置30のカバー部材360の台状部分360aにおける荷重を受ける位置が変化しても、該変化に伴う荷重測定装置30の測定精度の低下を抑制することができるため、体重測定装置100の測定精度を向上させることができる。
図22は、第2実施形態の第1の変形例における荷重測定装置30の構成を示す説明図である。図22では、図20に示す第2実施形態の荷重測定装置30の構成との相違点をわかりやすく示すために、一部の構成の図示を適宜省略している。図22に示す第2実施形態の第1の変形例における荷重測定装置30は、荷重センサ320の構成が、図20に示す第2実施形態の荷重測定装置30と異なる。具体的には、第2実施形態の第1の変形例における荷重測定装置30では、水晶振動子層325に対してZ軸方向の一方側(下側)には、保持層329が配置されているが、水晶振動子層325に対してZ軸方向の他方側(上側)には、保持層329が配置されていない。すなわち、水晶振動子層325の下面は、接着層328を介して保持層329の上面に接着されているが、水晶振動子層325の上面は、接着層328を介して起歪体310の下面に接着されている。なお、2つの荷重センサ320のそれぞれを構成する保持層329は、X軸方向に連続した一体の部材となっている。
このように、第2実施形態の第1の変形例における荷重測定装置30では、荷重センサ320は、水晶振動子層325の少なくとも一方の面に配置された保持層329を有する。このような構成の荷重測定装置30によれば、少なくとも1つの保持層329により水晶振動子327の曲げ方向の変形が抑制され、水晶振動子327の座屈を防止することができる。
図23は、第2実施形態の第2の変形例における荷重測定装置30の構成を示す説明図である。図23では、図20に示す第2実施形態の荷重測定装置30の構成との相違点をわかりやすく示すために、一部の構成の図示を適宜省略している。図23に示す第2実施形態の第2の変形例における荷重測定装置30は、荷重センサ320の構成が、図20に示す第2実施形態の荷重測定装置30と異なる。具体的には、図20に示す第2実施形態と同様に、第2実施形態の第2の変形例における荷重測定装置30では、荷重センサ320が、Z軸方向において水晶振動子層325を挟むように設けられた一対の保持層329を有する。ただし、第2実施形態の第2の変形例における荷重測定装置30では、2つの荷重センサ320のそれぞれを構成する水晶振動子層325および一対の保持層329は、それぞれ個別に設けられており、X軸方向に連続した一体の部材とはなっていない。
このように、第2実施形態の第2の変形例における荷重測定装置30では、荷重センサ320は、Z軸方向において水晶振動子層325を挟むように設けられた一対の保持層329を有する。このような構成の荷重測定装置30によれば、水晶振動子層325の薄板形状の両側への変形が抑制され、より一層水晶振動子層325の座屈を抑制することができる。
図24は、第2実施形態の第3の変形例における荷重測定装置30の構成を示す説明図である。図24では、図20に示す第2実施形態の荷重測定装置30の構成との相違点をわかりやすく示すために、一部の構成の図示を適宜省略している。図24に示す第2実施形態の第3の変形例における荷重測定装置30は、荷重センサ320の位置が、図20に示す第2実施形態の荷重測定装置30と異なる。具体的には、固定側荷重センサ320iが、起歪体310における固定側鉛直部分313と上側水平部分314との接続箇所の起歪部319における外側(上側)の表面に配置されており、荷重側荷重センサ320jが、起歪体310における荷重側鉛直部分312と上側水平部分314との接続箇所の起歪部319における外側(上側)の表面に配置されている。なお、図20に示す第2実施形態と同様に、第2実施形態の第3の変形例における荷重測定装置30では、荷重センサ320が、Z軸方向において水晶振動子層325を挟むように設けられた一対の保持層329を有する。また、第2実施形態の第3の変形例における荷重測定装置30では、2つの荷重センサ320のそれぞれを構成する水晶振動子層325および一対の保持層329は、X軸方向に連続した一体の部材となっている。
このように、第2実施形態の第3の変形例における荷重測定装置30では、荷重センサ320は、Z軸方向において水晶振動子層325を挟むように設けられた一対の保持層329を有する。このような構成の荷重測定装置30によれば、水晶振動子層325の薄板形状の両側への変形が抑制され、より一層水晶振動子層325の座屈を抑制することができる。
C.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における体重測定装置100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、体重測定装置100は、4つの荷重測定装置10(または荷重測定装置30、以下同様)を備えているが、体重測定装置100が備える荷重測定装置10の数はこれに限られず、任意の数に変更可能である。
また、上記第1実施形態における荷重測定装置10の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、荷重測定装置10が2つの荷重センサ120を備えているが、荷重測定装置10が備える荷重センサ120の数はこれに限られず、任意の数に変更可能である。また、荷重測定装置10における荷重センサ120の配置は、あくまで一例であり、他の配置であってもよい。また、荷重測定装置10を構成する各部材の形状や材料等は、あくまで一例であり、種々変形可能である。また、上記実施形態では、制御回路190が、電源回路191と発振回路192と周波数カウンタ193とを備えているが、これらのうちの少なくとも1つ(例えば、電源回路191および周波数カウンタ193)が、各荷重測定装置10の制御回路190ではなく、各荷重測定装置10の外部に設けられた図示しない別の制御回路に設けられていてもよい。
また、上記第1実施形態における荷重センサ120の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態における荷重センサ120は、水晶振動子層12を挟持する一対の保持層14を備えているが、荷重センサ120が、水晶振動子層12の片面に配置された1つのみの保持層14を備えるとしてもよい。また、上記実施形態では、荷重センサ120として、水晶振動子16を備える荷重センサが用いられているが、X軸方向の荷重に応じた信号を出力する荷重センサであれば、水晶振動子16を備えない他の荷重センサが用いられてもよい。
また、上記第2実施形態における荷重測定装置30の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、荷重測定装置30が2つの荷重センサ320を備えているが、荷重測定装置30が備える荷重センサ320の数はこれに限られず、任意の数に変更可能である。また、荷重測定装置30における荷重センサ320の配置は、あくまで一例であり、他の配置であってもよい。また、荷重測定装置30を構成する各部材の形状や材料等は、あくまで一例であり、種々変形可能である。
また、上記実施形態における荷重測定装置10(または荷重測定装置30、以下同様)は、体重測定装置100に限られず、被秤量物の質量を測定する秤量装置一般に適用可能である。また、上記実施形態における荷重測定装置10は、秤量装置への適用に限られず、秤量以外の用途で荷重を測定する荷重測定装置にも同様に適用可能である。