JP2002174545A - フォースバランス秤 - Google Patents

フォースバランス秤

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JP2002174545A
JP2002174545A JP2000371696A JP2000371696A JP2002174545A JP 2002174545 A JP2002174545 A JP 2002174545A JP 2000371696 A JP2000371696 A JP 2000371696A JP 2000371696 A JP2000371696 A JP 2000371696A JP 2002174545 A JP2002174545 A JP 2002174545A
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displacement
measured
force
movable rod
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JP2000371696A
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Yoshifumi Takahashi
良文 高橋
Kenichi Nakamura
賢一 中村
Setsuo Kotado
節夫 古田土
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Anritsu Corp
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Anritsu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型軽量で高い測定精度を得る。 【解決手段】 保持機構28と、保持機構に一端が固定
された単結晶シリコン材料で形成されたレバー29と、
下端がこのレバーの他端近傍に取付けられた可動棒31
と、この可動棒の上端に取付けられた秤量台23と、保
持機構と可動棒の下端との間に介挿され、外部から指定
された付勢力で可動棒を上方へ付勢する付勢機構32
と、レバーの変位量を検出する変位量検出手段33と、
秤量台に被測定物22が載置された状態において、変位
量検出手段にて検出された変位量が被測定物が載置され
ない状態の初期変位量に一致するように付勢機構に付勢
力を指定する付勢力指定手段41と、この付勢力指定手
段で指定された付勢力を前記被測定物の重量値として出
力する重量値出力手段43とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体の重量を測定
する秤に係わり、特に高い測定精度を有し微細な重量を
測定可能なフォースバランス秤に関する。
【0002】
【従来の技術】物体の重量を測定する最も簡単な手法
は、図7(a)に示すように、例えば、鋼鉄で扁平形状
に形成されたアーム2の一端を固定壁1に固定し、この
アーム2の両面又は片面に歪みゲージ5を貼付けたロー
ドセル6を用いる。このロードセル6のアーム2に用い
られる鋼鉄は、図7(b)に示すように、応力(F)―
歪み(ε)特性において、広い範囲で直線性を有する。
この応力(F)―歪み(ε)特性を予め測定しておく。
そして、アーム2に被測定物を載置した場合のこのアー
ム2の歪みを歪みゲージ5で測定して、図7(b)に示
す特性から、測定で得られた歪みεに対応する応力
(F)、すなわち、被測定物の重量Wが得られる。
【0003】しかしながら、図7(b)で示す応力
(F)―歪み(ε)特性は詳細に検証すると、必ずしも
直線ではなく非線形である。さらに、ヒステリシス特性
を有する。この非線形性及びヒステリシス特性は、特に
歪みの大きい領域に顕著に生じる。したがって、高い測
定精度を得ることは困難であった。
【0004】このような、ロードセル方式が有する課題
を解消する測定方式として、図8に示す天秤の原理を利
用したフォースバランス方式が実用化されている。すな
わち、レバー7をこのレバー7の中途位置に設定された
支点8で支持し、このレバー7の一端に重量Wが未知で
ある被測定体を載置する。そして、この被測定体を載置
したことに起因する他端の変位量を測定し、この変位量
が減少する方向に、他端に既知の力Fを加えていく。そ
して、変位量がゼロになった時点の力(付勢力)FS
特定する。そして、この力FSに支点8までの長さ比
(L2/L1)を乗算した値を被測定物の重量W[=FS
(L2/L1)]とする。
【0005】このような構成のフォースバランス方式の
秤における測定精度は、他端の変位量のゼロを如何に精
度よく測定するかに依存している。この変位量を精度よ
く測定するためには、前述した長さ比(L2/L1)を大
きく設定すればよい。この長さ比(L2/L1)を大きく
するには、図9に示すように、2つのレバー7a、7b
を直列に2段構成にすればよい。このように、レバーを
2段構成とすることによって、最終の長さ比を大きく設
定できるので、被測定物の重量Wの微少な変化に対して
他端の変位量を大きく確保できる。
【0006】このようなフォースバランス方式を採用す
ることによって、測定精度(分解能)を従来のロードセ
ル方式の1/2000〜1/3000から1/10000〜1/15000ま
で向上させることができる。
【0007】図10は、2段レバー構成を採用したフォ
ースバランス秤の断面模式図である。秤量台9に被測定
物10を載置すると、ブロック11が下方に移動し、第
1の支点12に支えられた第1のレバー13を矢印A方
向に変位する。第1のレバー12が矢印A方向に変位す
ると、第2の支点14に支えられた第2のレバー15も
同じ向きの矢印B方向に変位する。この第2のレバー1
5の先端の変位量を図示しない検出器で検出する。そし
て、この変位量がゼロになるように、電磁石16で第2
のレバー15を矢印B方向と反対方向に付勢する。そし
て、変位量がゼロになった時点における電磁石16に流
した励磁電流に基づいて、被測定物10重量Wを算出す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
に示す2段レバー構成を採用したフォースバランス秤に
おいてもまだ改良すべき次のような課題があった。
【0009】例えば、製薬工場で大量に製造される錠剤
やカプセル等においては、製品の安全性を確保するため
に、製造された全部の錠剤やカプセルの重量を短時間で
かつ高い精度で測定する必要がある。この場合、個々の
錠剤やカプセルの大きさはせいぜい3mm〜5mm程度
であるので、錠剤やカプセルが搬送される搬送路(ライ
ン)に多数の秤を並列に配設して、搬送路を流れる多数
の錠剤やカプセルの重量を同時に測定することが要求さ
れている。この場合、秤の搬送路に直交する方向の幅は
せいぜい10mm〜15mm程度が望ましい。
【0010】しかしながら、図10に示したフォースバ
ランス秤においては、2段レバー構成を採用しているの
で図示するように構造が非常に複雑になる。また、微量
な重量Wでも、第1のレバー13の変位量を大きく確保
するためにはブロック11と固定部17a、17bとを
接続する部分を図示するように極く薄く設定する必要が
ある。
【0011】したがって、図10に示した構造を維持し
たままで、このフォースバランス秤の形状を上述した製
薬会社の製造ラインに組込める程度に小型化することは
極めて困難である。
【0012】また、錠剤やカプセル等の重量Wが1g未
満の被測定物の重量を高い精度で短時間で測定するため
には、各レバー13,15の重量を小さくして、慣性モ
ーメントを小さくする必要がある。
【0013】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、レバーの材質を選択することにより1つの
レバーでもって高い測定精度を維持でき、もって、小型
軽量化を図ることができ、微量物質の重量を正確に測定
できるフォースバランス秤を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、シリコン材料の有するレバー材料に必要
とされる剛性、起歪体としての優れた弾性特性、及び優
れた微細加工性に着目して行われたものである。
【0015】すなわち、本発明のフォースバランス秤
は、保持機構と、この保持機構に一端が固定された単結
晶シリコン材料で形成されたレバーと、下端がこのレバ
ーの他端近傍に取付けられた可動棒と、この可動棒の上
端に取付けられた秤量台と、保持機構と可動棒の下端と
の間に介挿され、外部から指定された付勢力で可動棒を
上方へ付勢する付勢機構と、レバーの変位量を検出する
変位量検出手段と、秤量台に被測定物が載置された状態
において、変位量検出手段にて検出された変位量が被測
定物が載置されない状態の初期変位量に一致するように
付勢機構に付勢力を指定する付勢力指定手段と、この付
勢力指定手段で指定された付勢力を被測定物の重量値と
して出力する重量値出力手段とを備えている。
【0016】このように構成されたフォースバランス秤
においては、秤量台に例えば錠剤やカプセル等の被測定
物を載置すると、単結晶シリコン材料で形成されたレバ
ーが撓み、変位量が発生するが、この変位量を打ち消す
方向に、付勢機構よって、可動棒が付勢される。そし
て、この変位量がゼロになった時点における付勢力が被
測定物の重量となる。
【0017】秤量台に載置された被測定物の重量(重
力)が印加されるレバーの材質である単結晶シリコン
は、印加される応力が小さい範囲においては、従来の鋼
鉄やステンレス鋼に比較して、格段に高い直線性を有す
る。さらに、ヒステリシスも従来の鋼鉄やステンレス鋼
に比較して格段に小さい。また、横方向からの外力に対
する抵抗力を示す剪断応力係数(横弾性係数)も従来の
鋼鉄やステンレス鋼に比較して格段に大きい。
【0018】したがって、たとえ、2段のレバー構成を
採用しなかったとしても、高い精度で微量な被測定物の
重量の測定が可能である。このように、2段のレバー構
成を採用していないので構成を簡素化でき、かつ秤全体
を小型軽量化できる。
【0019】また、別の発明のフォースバランス秤にお
いては、保持機構と、この保持機構に中途位置に形成さ
れた梁を介して固定された単結晶シリコン材料で形成さ
れたレバーと、下端がレバーの一端近傍に取付けられた
第1の可動棒と、この第1の可動棒の上端に取付けられ
た秤量台と、一端がレバーの他端近傍に取付けられた第
2の可動棒と、保持機構と第2の可動棒の他端との間に
介挿され、外部から指定された付勢力で可動棒を下方又
は上方へ付勢する付勢機構と、レバーの変位量を検出す
る変位量検出手段と、秤量台に被測定物が載置された状
態において、変位量検出手段にて検出された変位量が被
測定物が載置されない状態の初期変位量に一致するよう
に付勢機構に付勢力を指定する付勢力指定手段と、この
付勢力指定手段で指定された付勢力と中途位置から第1
及び第2の可動棒の各取付位置までの距離の比とで被測
定物の重量値を算出して出力する重量値出力手段とを備
えている。
【0020】このように構成されたフォースバランス秤
においては、単結晶シリコン材料で形成されたレバーの
中途位置が梁を介して保持機構に固定されている。そし
て、レバーの一端に秤量台が取付けられた第1の可動棒
が固定され、他端に付勢機構に接続された第2の可動棒
が取付らている。
【0021】そして、秤量台に被測定物を載置すると、
単結晶シリコン材料で形成されたレバーの梁にねじり歪
みが生じて、レバーが傾斜し、変位量が発生するが、こ
の変位量を打ち消す方向に、付勢機構よって、第2の可
動棒が付勢される。そして、この変位量がゼロになった
時点における付勢力と中途位置から第1及び第2の可動
棒の各取付位置までの距離の比とで被測定物の重量値が
求まる。よって、先の発明とほぼ同様に作用効果を奏す
る。この場合、距離の比を調整することによって、第2
の可動棒の移動量を増加できる。
【0022】さらに別の発明においては、付勢機構を、
永久磁石と、この永久磁石に近接配設され外部から励磁
電流が供給されることにより永久磁石との間で磁気的反
発力又は磁気的吸引力が働く励磁コイルとで構成されて
いる。このような構成であれば、可動棒に対する付勢力
をより精度よく制御できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図面
を用いて説明する。
【0024】(第1実施形態)図2は本発明の実施形態
に係る複数台のフォースバランス秤が組込まれた重量検
査装置を示す斜視図である。この重量検査装置は製薬工
場におけるの製品検査ラインに組込まれている。
【0025】製品検査ラインにおける各搬送口21から
搬入された被測定物としての例えばカプセル22はそれ
ぞれ個別のフォースバランス秤20に供給され、各フォ
ースバランス秤20の秤量台23上へ載せられて重量W
が測定される。測定されたカプセル22の重量Wは次の
重量選別機24へ送出される。また、重量測定後のカプ
セル22は次の重量選別機24の選別レバー25上へ搬
送される。重量選別機24は、搬入されたカプセル22
の重量Wが許容範囲内の場合は、選別レバー25を上昇
させたままであるので、搬入されたカプセル22は次の
搬出トレー26上に落下して、良品として搬出される。
【0026】一方、重量選別機24は、搬入されたカプ
セル22の重量Wが許容範囲を外れた場合は、選別レバ
ー25を下降させるので、搬入されたカプセル22は重
量選別機24内の不良トレー27上に落下して、不良品
として搬出される。
【0027】図1は図1の重量検査装置に組込まれた各
フォースバランス秤20の概略構成を示す斜視図であ
る。
【0028】垂直部28aと水平部28bとでL字形に
形成された保持機構28における垂直部28aの中途位
置に板状のレバー29の一端29aが固定されている。
したがって、このレバー29は垂直部28aに対して力
学的に片持ち梁を形成する。この板状のレバー29の中
央部には窓29cが形成されており、この窓29c内に
レバー29の他端(自由端)29b側から突起30が形
成されている。この突起30の先端部に穿設された貫通
孔に可動棒31が貫通固定されている。
【0029】この可動棒31の上端に例えばカプセル2
2等の被測定物が載置される有底円筒状の秤量台23が
取付けられている。この可動棒31の下端は、保持機構
28における水平部28b上に固定された付勢機構32
に接続されている。また、フォースバランス秤20にお
ける図示しないケースの上壁に、レバー29の他端(自
由端)29bにおける上下方向の変位量、すなわち、レ
バー29の他端(自由端)29bまでの距離Lを非接触
で測定する変位量検出手段としての光学式の距離センサ
33が取付けられている。
【0030】保持機構28は、アルミ等の軽量金属材料
で形成されており、外形寸法は例えば60×60×15
mmである。また、レバー29は、単結晶シリコン材で
形成されており、形状は例えば45×15mmで、厚み
は例えば100μmである。さらに、秤量台23の直径
は3mm〜5mm程度の大きさを有したカプセル22を
十分収納できる10mmに設定されている。また、可動
棒31はアルミ等の軽量金属材料で形成されており、直
径は5mmである。
【0031】図3は、保持機構28の水平部28bの上
面に固定された付勢機構32の概略構成を示す断面模式
図である。有底円筒形状に形成されたケース34内に同
じく有底円筒形状に形成されたヨーク35が収納されて
いる。このヨーク35内の中央位置に円柱状の永久磁石
36が固定され、この永久磁石35の上側に円柱状の磁
極材37が取付けられている。この永久磁石36と磁極
材37とを微小隙間を介して外挿する円筒状のボビン3
8が設けられている。
【0032】この円筒状のボビン38の上壁の上面に前
述した可動棒31の下端が固定されている。可動棒31
のレバー29の取付位置からの下側の長さは、図3に示
すように、ボビン38と磁極材37との間に所定の距離
Aが存在するように設定されている。また円筒状のボビ
ン38の外周に励磁コイル39が巻装されている。
【0033】このような構成の付勢機構32において、
励磁コイル39に励磁電流を流さない状態においては、
励磁コイル39が巻装されたボビン38と永久磁石36
との間に、磁気的吸引力又は磁気的反発力は働かないの
で、ボビン38の上下方向位置は、磁極材37との間に
距離Aだけ離れた位置である。そして、励磁コイル39
に所定方向の直流電流を流すと、励磁コイル39が巻装
されたボビン38と永久磁石36との間に磁気的反発力
が発生し、可動棒31を上方に付勢する付勢力が働く。
【0034】図4は、フォースバランス秤の制御回路を
示すブロック図である。例えば、マイクロコンピュータ
からなる測定制御部41に対して、距離センサ33、励
磁コイル39に直流電流を供給する励磁電源40、重量
出力部43が接続されている。さらに、測定制御部41
内に、対応テーブル42が設けられている。この対応テ
ーブル42内には、励磁コイル39に流す電流値とこの
時に発生する稼働棒31に対する上方への付勢力との関
係が記憶されている。
【0035】そして、測定制御部41は、図5に示す流
れ図に従ってカプセル22等の被測定物の重量を測定す
る。
【0036】先ず、秤量台23にカプセル22等の被測
定物を載置しない状態における距離センサ33で検出さ
れた距離Lを基準距離LSとして読取る(S1)。カプ
セル22等の被測定物が秤量台23に載置されると(S
2)、この時の距離センサ33で検出された距離Lを読
取る(S3)。読取った距離Lと基準距離LSとの差
(L―LS)が正の場合は(S4)、S5にて、励磁コ
イル39に流す電流Iを微小量ΔIだけ増加する(I=
I+ΔI)。そして、S3へ戻り、再度、距離センサ3
3で検出された距離Lを読取る。
【0037】そして、読取った距離Lが基準距離LS
下になると、対応テーブル42から、この時の電流Iに
対応する稼働棒31に対する上方への付勢力を読取り、
この付勢力を秤量台23に載置されたカプセル22等の
被測定物の重量Wとする(S6)。このようにして求め
た被測定物の重量Wを重量出力部43を介して外部へ出
力する(S7)。
【0038】このように構成されたフォースバランス秤
20においては、秤量台23にカプセル22が載置され
ると、単結晶シリコン材料で形成された板状のレバー2
9は下方に変形する。その結果、距離センサ33までの
距離Lが増加する。距離Lが増加すると、この距離Lが
基準距離LSに戻るように、可動棒31に上向きの付勢
力が印加される。そして、距離Lが基準距離LSに一致
した状態、すなわち、板状のレバー29が変形のない元
の状態に戻った状態における付勢力を被測定物であるカ
プセル22の重量Wとしている。
【0039】このようなフォースバランス秤20におい
て、秤量台23に載置された被測定物のカプセル22の
下向きの重力を支える片持ち梁形式のレバー29の材料
として、通常の鋼鉄やステンレス鋼ではなくて、単結晶
シリコン材料を採用している。この単結晶シリコン材料
のヤング率(縦弾性係数)は170GPa程度であり、
ステンレス鋼のヤング率(縦弾性係数)190GPa程
度と大差ないが、単結晶シリコン材料の剪断応力係数
(横弾性係数)は120GPa程度であり、ステンレス
鋼の剪断応力係数(横弾性係数)80GPaに比較して
大きい。さらに、単結晶シリコン材料のヒステリシスは
ステンレス鋼のヒステリシスに比較して格段に小さい。
【0040】したがって、カプセル22等のように、た
とえ、1g以下という非常に少ない重量Wが印加された
としても十分な変位量を得るために、厚みtを100μ
m程度に薄く設定したとしても、カプセル22が秤量台
23に投入されたり、この秤量台23から排出されたり
する瞬間に発生する横方向の振動でも十分に耐え、破損
することはない。また、ヒステリシスが非常に小さいの
で、歪みゼロ近傍の歪みー応力特性の直線性が、鋼鉄や
ステンレス鋼に比較して優れている。
【0041】したがって、図10に示す従来のフォース
バランス秤のように、複雑な2段レバー構成を採用しな
くとも、1/10000〜1/15000の測定精度(分解能)を十
分確保できる。よって、複雑な2段レバー構成を採用す
る必要がないので、構成を大幅に簡素化でき、秤全体を
小型軽量に形成できる。
【0042】その結果、図2に示すように、製薬工場に
おける製品検査ラインにおける重量検査装置に組込むこ
とができる。
【0043】(第2実施形態)図6は本発明の第2実施
形態に係わるフォースバランス秤の概略構成を示す斜視
図である。図1に示す第1実施形態のフォースバランス
秤と同一部分には同一符号が付してある。したがって、
重複する部分の詳細説明を省略する。
【0044】この第2実施形態のフォースバランス秤2
0aにおいて、保持機構28は、垂直部28aと、水平
部28bと、保持枠44と、一対の支柱45a、45b
とで構成されている。
【0045】垂直部28aの中途位置と一対の支柱45
a、45bとによって保持枠44が水平に保持されてい
る。この保持枠44に、中途位置に形成された梁46
a、26bを介して単結晶シリコン材料で形成されたレ
バー46が固定されている。このレバー46の一端47
a近傍に第1の可動棒48aの下端が取付けられ、この
第1の可動棒48aの上端に秤量台23が取付けられて
いる。
【0046】また、レバー46の他端47b近傍に第2
の可動棒48bの上端が取付けられ、この第2の可動棒
48aの下端は保持機構28の水平部28b上に固定さ
れた台49の上面に取付けられ付勢機構32に接続され
ている。さらに、レバー46の他端47bの上下方向位
置は距離センサ33で計測される。
【0047】前記保持枠44及び両側に梁46a、46
bが形成されたレバー46は、同一の厚さ100μmを
有する板状の単結晶シリコン材料をエッチング加工によ
り作成される。
【0048】支持枠44に固定された梁46a、46b
と第1の可動棒48aとの間の距離をL1とし、梁46
a、46bと第2の可動棒48bとの間の距離をL2
する(L2>L1)。
【0049】このように構成された第2のフォースバラ
ンス秤20aにおいて、秤量台23に被測定物としての
カプセル22が載置されると、単結晶シリコン材料で形
成されたレバー46の両側に突設された梁46a、46
bにねじり歪みが生じて、レバー46が時計方向に傾斜
する。レバー46が傾斜すると、距離センサ33で検出
される距離Lが基準距離LSより減少するが、この減少
量(LS―L)を打ち消す方向に、付勢機構22よっ
て、磁気的吸引力が作用して、第2の可動棒48bが下
方に付勢される。そして、この減少量(LS―L)がゼ
ロになった時点における付勢力Fと梁46a、46b位
置から第1及び第2の可動棒48a、48bの各取付位
置までの距離L1、L2の比とで被測定物の重量Wを算出
する。
【0050】W=F(L2/L1) よって、図1に示した第1の実施形態のフォースバラン
ス秤20とほぼ同様な作用効果を奏する。なお、第2の
実施形態のフォースバランス秤20aにおいては、距離
の比(L2/L1)を調整することによって、第2の可動
棒48bの移動量を増加できるので、測定精度をさらに
向上できる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフォース
バランス秤においては、被測定物の重量が印加されるレ
バーの材料として、一般の鉄鋼やステンレス鋼に比較し
て優れた弾性特性を有する単結晶シリコン材料を採用し
ている。
【0052】したがって、1つのレバーでもって高い測
定精度を維持でき、もって、小型軽量化を図ることがで
き、微量物質の重量を高い精度で測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わるフォースバラン
ス秤の概略構成を示す斜視図
【図2】同第1実施形態のフォースバランス秤が組込ま
れた重量検査装置を示す斜視図
【図3】同第1実施形態のフォースバランス秤に組込ま
れた付勢機構の概略構成を示す断面模式図
【図4】同第1実施形態のフォースバランス秤に組込ま
れた制御回路を示すブロック図
【図5】同第1実施形態のフォースバランス秤の測定動
作を示す流れ図
【図6】本発明の第2実施形態に係わるフォースバラン
ス秤の概略構成を示す斜視図
【図7】一般的なロードセル方式の重量測定原理を説明
するための図
【図8】フォースバランス方式の重量測定原理を説明す
るための図
【図9】2段レバー構成を採用したフォースバランス方
式の重量測定原理を説明するための図
【図10】2段レバー構成を採用した従来のフォースバ
ランス秤の断面構成図
【符号の説明】
20、20a…フォースバランス秤 22…カプセル 23…秤量台 28…保持機構 29、46…レバー 31…可動棒 32…付勢機構 33…距離センサ 35…ヨーク 36…永久磁石 38…ボビン 39…励磁コイル 41…測定制御部 44…保持枠 46a、46b…梁 48a…第1の可動棒 48b…第2の可動棒

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保持機構(28)と、 この保持機構に一端が固定された単結晶シリコン材料で
    形成されたレバー(29)と、 下端がこのレバーの他端近傍に取付けられた可動棒(3
    1)と、 この可動棒の上端に取付けられた秤量台(23)と、 前記保持機構と前記可動棒の下端との間に介挿され、外
    部から指定された付勢力で前記可動棒を上方へ付勢する
    付勢機構(32)と、 前記レバーの変位量を検出する変位量検出手段(33)
    と、 前記秤量台に被測定物(22)が載置された状態におい
    て、前記変位量検出手段にて検出された変位量が前記被
    測定物が載置されない状態の初期変位量に一致するよう
    に前記付勢機構に付勢力を指定する付勢力指定手段(4
    1)と、 この付勢力指定手段で指定された付勢力を前記被測定物
    の重量値として出力する重量値出力手段(43)とを備
    えたフォースバランス秤。
  2. 【請求項2】 保持機構(28)と、 この保持機構に中途位置に形成された梁(46a、46
    b)を介して固定された単結晶シリコン材料で形成され
    たレバー(46)と、 下端が前記レバーの一端近傍に取付けられた第1の可動
    棒(48a)と、 この第1の可動棒の上端に取付けられた秤量台(23)
    と、 一端が前記レバーの他端近傍に取付けられた第2の可動
    棒(48b)と、 前記保持機構と前記第2の可動棒の他端との間に介挿さ
    れ、外部から指定された付勢力で前記可動棒を下方又は
    上方へ付勢する付勢機構(32)と、 前記レバーの変位量を検出する変位量検出手段(33)
    と、 前記秤量台に被測定物(22)が載置された状態におい
    て、前記変位量検出手段にて検出された変位量が前記被
    測定物が載置されない状態の初期変位量に一致するよう
    に前記付勢機構に付勢力を指定する付勢力指定手段(4
    1)と、 この付勢力指定手段で指定された付勢力と前記中途位置
    から前記第1及び第2の可動棒の各取付位置までの距離
    の比とで前記被測定物の重量値を算出して出力する重量
    値出力手段(41.43)とを備えたフォースバランス
    秤。
  3. 【請求項3】 前記付勢機構(32)は、永久磁石(3
    6)と、この永久磁石に近接配設され外部から励磁電流
    が供給されることにより前記永久磁石との間で磁気的反
    発力又は磁気的吸引力が働く励磁コイルと(39)を備
    えたことを特徴とする請求項1又は2記載のフォースバ
    ランス秤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009541762A (ja) * 2006-06-28 2009-11-26 メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト 電子秤の校正用錘装置
JP2010502969A (ja) * 2006-09-06 2010-01-28 メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト 秤量装置
JP2011145100A (ja) * 2010-01-12 2011-07-28 Anritsu Sanki System Co Ltd 秤及び該秤の製造方法

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