JPH09324393A - 紙用樹脂組成物 - Google Patents
紙用樹脂組成物Info
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- JPH09324393A JPH09324393A JP16360596A JP16360596A JPH09324393A JP H09324393 A JPH09324393 A JP H09324393A JP 16360596 A JP16360596 A JP 16360596A JP 16360596 A JP16360596 A JP 16360596A JP H09324393 A JPH09324393 A JP H09324393A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 発塵性に優れ、さらには紙に担持させる際に
問題となる機械安定性にも優れた新規な紙用組成物を提
供すること。 【解決手段】 繰り返し単位としてアクリロニトリル反
応残基を1〜10重量%、分子量が少なくとも100で
ある非イオン性親水性基を側鎖として有するモノエチレ
ン性不飽和モノマーの反応残基を0.1から8重量%含
有し、メタアクリル酸メチル反応残基またはエチレン性
不飽和アミド反応残基のいずれかの量が5重量%以下で
あるポリマーを含む紙用組成物。
問題となる機械安定性にも優れた新規な紙用組成物を提
供すること。 【解決手段】 繰り返し単位としてアクリロニトリル反
応残基を1〜10重量%、分子量が少なくとも100で
ある非イオン性親水性基を側鎖として有するモノエチレ
ン性不飽和モノマーの反応残基を0.1から8重量%含
有し、メタアクリル酸メチル反応残基またはエチレン性
不飽和アミド反応残基のいずれかの量が5重量%以下で
あるポリマーを含む紙用組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙用組成物およびその
製造方法、並びに該組成物を担持した紙およびその製造
方法に関し、より詳細にはクリーンルーム等で使用され
る、防塵性能に優れた無塵紙用組成物およびその製造方
法、並びに該組成物を担持した無塵紙およびその製造方
法に関する。
製造方法、並びに該組成物を担持した紙およびその製造
方法に関し、より詳細にはクリーンルーム等で使用され
る、防塵性能に優れた無塵紙用組成物およびその製造方
法、並びに該組成物を担持した無塵紙およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来技術】従来から半導体工業、医薬品製造業、食品
製造業、および精密機械工業等の先端産業においてはク
リーンルーム内において各種作業が行われているが、微
細な埃や塵等が各種器材や製品の不良の原因となるため
に、極度に清浄化された環境が求められている。クリー
ンルーム内で使用される各種機器の記録用紙や筆記用紙
等は、紙塵、塵埃の発生の原因の一つであるため、ポリ
エチレン系やポリスチレン系の合成樹脂紙が開発された
が、経済性、印刷適性や耐熱性等の点でセルロースパル
プを使用した紙に比較して欠点を有するために充分には
用いられていない。セルロースパルプを使用した紙に高
分子物質を含有させたものは、従来から耐熱性の向上、
耐溶剤性の向上、耐水性向上等のために使用されてお
り、更に発塵防止のためにも広く使用されてきた。
製造業、および精密機械工業等の先端産業においてはク
リーンルーム内において各種作業が行われているが、微
細な埃や塵等が各種器材や製品の不良の原因となるため
に、極度に清浄化された環境が求められている。クリー
ンルーム内で使用される各種機器の記録用紙や筆記用紙
等は、紙塵、塵埃の発生の原因の一つであるため、ポリ
エチレン系やポリスチレン系の合成樹脂紙が開発された
が、経済性、印刷適性や耐熱性等の点でセルロースパル
プを使用した紙に比較して欠点を有するために充分には
用いられていない。セルロースパルプを使用した紙に高
分子物質を含有させたものは、従来から耐熱性の向上、
耐溶剤性の向上、耐水性向上等のために使用されてお
り、更に発塵防止のためにも広く使用されてきた。
【0003】例えば特開昭60−146099号は、最
低造膜温度が10℃以下の高分子物質を紙中に含浸また
はコートした無塵紙に関し、使用できる高分子物質とし
てポリアクリル酸エステル系、ポリ酢酸ビニル系、ポリ
塩化ビニル系等の共重合樹脂エマルジョンやラテックス
等が挙げられ、具体的にはポリ酢酸ビニル系、ポリアク
リル酸エステル系、ポリ酢酸ビニルーエチレンーアクリ
ル酸エステル共重合体等のエマルジョンの使用が開示さ
れている。特開昭63−105199号は、ガラス転移
温度が0℃以下の合成樹脂、例えばポリアクリル酸エス
テル系、ポリ酢酸ビニル系、ポリエチレン系やラテック
ス等と中空顔料を紙中に含浸または塗布させる無塵紙の
製造方法を開示している。特開昭60−167996号
は、ガラス転移温度が0℃以下の高分子物質を紙中に含
有させた無塵紙を開示している。具体的な高分子物質と
してはアクリル三元共重合体、アクリル酸エステル重合
体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体のエマルジョンが
開示され、これらを含浸または浸漬させて紙中に含有さ
せている。ガラス転移温度が低下するにしたがって紙か
ら発生する発塵量の発生が低下すること、特にTgが−
50℃で極めて少ないことが具体例に示されている。し
かしながら、いずれの例においても、発塵量の改善は所
望の程度に達せず、不満足なものであった。また、樹脂
の機械安定性が悪いと樹脂を紙に担持させる際に付着物
が発生してしまうため、機械安定生を保持しつつ発塵性
を低下することが必要とされる。
低造膜温度が10℃以下の高分子物質を紙中に含浸また
はコートした無塵紙に関し、使用できる高分子物質とし
てポリアクリル酸エステル系、ポリ酢酸ビニル系、ポリ
塩化ビニル系等の共重合樹脂エマルジョンやラテックス
等が挙げられ、具体的にはポリ酢酸ビニル系、ポリアク
リル酸エステル系、ポリ酢酸ビニルーエチレンーアクリ
ル酸エステル共重合体等のエマルジョンの使用が開示さ
れている。特開昭63−105199号は、ガラス転移
温度が0℃以下の合成樹脂、例えばポリアクリル酸エス
テル系、ポリ酢酸ビニル系、ポリエチレン系やラテック
ス等と中空顔料を紙中に含浸または塗布させる無塵紙の
製造方法を開示している。特開昭60−167996号
は、ガラス転移温度が0℃以下の高分子物質を紙中に含
有させた無塵紙を開示している。具体的な高分子物質と
してはアクリル三元共重合体、アクリル酸エステル重合
体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体のエマルジョンが
開示され、これらを含浸または浸漬させて紙中に含有さ
せている。ガラス転移温度が低下するにしたがって紙か
ら発生する発塵量の発生が低下すること、特にTgが−
50℃で極めて少ないことが具体例に示されている。し
かしながら、いずれの例においても、発塵量の改善は所
望の程度に達せず、不満足なものであった。また、樹脂
の機械安定性が悪いと樹脂を紙に担持させる際に付着物
が発生してしまうため、機械安定生を保持しつつ発塵性
を低下することが必要とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は発塵性に優
れ、さらには紙に担持させる際に問題となる機械安定性
にも優れた新規な紙用組成物を提供することを目的とす
る。
れ、さらには紙に担持させる際に問題となる機械安定性
にも優れた新規な紙用組成物を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、繰り返し単位
としてアクリロニトリル反応残基を1〜10重量%、分
子量が少なくとも100である非イオン性親水性基を側
鎖として有するモノエチレン性不飽和モノマーの反応残
基を0.1から8重量%含有し、メタアクリル酸メチル
反応残基またはエチレン性不飽和アミド反応残基のいず
れかの量が5重量%以下であるポリマーを含む紙用組成
物に関する。なお、重量%はいずれもポリマーの総重量
に基づく割合である。
としてアクリロニトリル反応残基を1〜10重量%、分
子量が少なくとも100である非イオン性親水性基を側
鎖として有するモノエチレン性不飽和モノマーの反応残
基を0.1から8重量%含有し、メタアクリル酸メチル
反応残基またはエチレン性不飽和アミド反応残基のいず
れかの量が5重量%以下であるポリマーを含む紙用組成
物に関する。なお、重量%はいずれもポリマーの総重量
に基づく割合である。
【0006】本明細書において、「分子量が少なくとも
100である非イオン性親水性基を側鎖として有するモ
ノエチレン性不飽和モノマー」とは、エチレン性の炭素
−炭素不飽和二重結合を1個有するモノマーであって、
側鎖として分子量が少なくとも100である非イオン性
親水性基を有するものをいう。「エチレン性不飽和アミ
ド」とは、エチレン性の炭素−炭素不飽和二重結合とア
ミド基を有する化合物をいう。
100である非イオン性親水性基を側鎖として有するモ
ノエチレン性不飽和モノマー」とは、エチレン性の炭素
−炭素不飽和二重結合を1個有するモノマーであって、
側鎖として分子量が少なくとも100である非イオン性
親水性基を有するものをいう。「エチレン性不飽和アミ
ド」とは、エチレン性の炭素−炭素不飽和二重結合とア
ミド基を有する化合物をいう。
【0007】本明細書において、「アクリロニトリル反
応残基」とはアクリロニトリルの炭素−炭素二重結合が
反応した残基をいい、「分子量が少なくとも100であ
る非イオン性親水性基を側鎖として有するモノエチレン
性不飽和モノマーの反応残基」とは、分子量が少なくと
も100である非イオン性親水性基を側鎖として有する
モノエチレン性不飽和モノマーの炭素−炭素二重結合が
反応した残基をいい、同様に「メタアクリル酸メチル反
応残基」および「エチレン性不飽和アミド反応残基」と
はメタアクリル酸メチルおよびエチレン性不飽和アミド
の炭素−炭素二重結合が反応した残基をいう。
応残基」とはアクリロニトリルの炭素−炭素二重結合が
反応した残基をいい、「分子量が少なくとも100であ
る非イオン性親水性基を側鎖として有するモノエチレン
性不飽和モノマーの反応残基」とは、分子量が少なくと
も100である非イオン性親水性基を側鎖として有する
モノエチレン性不飽和モノマーの炭素−炭素二重結合が
反応した残基をいい、同様に「メタアクリル酸メチル反
応残基」および「エチレン性不飽和アミド反応残基」と
はメタアクリル酸メチルおよびエチレン性不飽和アミド
の炭素−炭素二重結合が反応した残基をいう。
【0008】アクリロニトリル反応残基の好ましい含有
量は、ポリマーの総重量の3から7重量%の範囲であ
る。アクリロニトリル反応残基の量が少すぎる場合には
発塵性が劣り、多すぎる場合には紙に含浸した際に黄変
が起こる場合がある。
量は、ポリマーの総重量の3から7重量%の範囲であ
る。アクリロニトリル反応残基の量が少すぎる場合には
発塵性が劣り、多すぎる場合には紙に含浸した際に黄変
が起こる場合がある。
【0009】分子量が少なくとも100である非イオン
性親水性基を側鎖として有するモノエチレン性不飽和モ
ノマーの反応残基の好ましい含有量は0.1−6.0重
量%であり、最も好ましい含有量は0.5−5.0重量
%である。分子量が少なくとも100である非イオン性
親水性基の例としては、ポリオキシメチレン基、および
ポリオキシプロピレン基が上げられ、ポリオキシメチレ
ン基が最も好ましい。非イオン性親水性基を側鎖として
有するモノエチレン性不飽和モノマーの反応残基の側鎖
の分子量は好ましくは200から2500、最も好まし
くは200から1500である。非イオン性親水性基側
鎖の好ましい分子量は、非イオン性親水性基の種類、お
よびモノエチレン性不飽和モノマーの種類により変化す
る。一般的には、側鎖の親水性が大きくなるほど分子量
が小さくてもよく、またモノエチレン性不飽和モノマー
主鎖の疎水性が大きくなるほど側鎖の分子量を大きくす
る必要がある。本発明において好適に使用される分子量
が少なくとも100である非イオン性親水性基を側鎖と
して有するモノエチレン性不飽和モノマーの例として
は、エチレングリコールの付加モル数が8ないし9モル
であるポリエチレングリコールモノメチルエーテルメタ
アクリレート、エチレングリコールの付加モル数が16
ないし17モルであるポリエチレングリコールモノアル
キルフェニルエーテルアクリレート、並びにエチレング
リコール付加数が20モルのポリオキシエチレンアルキ
ルベータメチルスチレニルエーテルおよびエチレングリ
コール付加数が50モルのポリオキシエチレンアルキル
ベータメチルスチレニルエーテルが上げられる。
性親水性基を側鎖として有するモノエチレン性不飽和モ
ノマーの反応残基の好ましい含有量は0.1−6.0重
量%であり、最も好ましい含有量は0.5−5.0重量
%である。分子量が少なくとも100である非イオン性
親水性基の例としては、ポリオキシメチレン基、および
ポリオキシプロピレン基が上げられ、ポリオキシメチレ
ン基が最も好ましい。非イオン性親水性基を側鎖として
有するモノエチレン性不飽和モノマーの反応残基の側鎖
の分子量は好ましくは200から2500、最も好まし
くは200から1500である。非イオン性親水性基側
鎖の好ましい分子量は、非イオン性親水性基の種類、お
よびモノエチレン性不飽和モノマーの種類により変化す
る。一般的には、側鎖の親水性が大きくなるほど分子量
が小さくてもよく、またモノエチレン性不飽和モノマー
主鎖の疎水性が大きくなるほど側鎖の分子量を大きくす
る必要がある。本発明において好適に使用される分子量
が少なくとも100である非イオン性親水性基を側鎖と
して有するモノエチレン性不飽和モノマーの例として
は、エチレングリコールの付加モル数が8ないし9モル
であるポリエチレングリコールモノメチルエーテルメタ
アクリレート、エチレングリコールの付加モル数が16
ないし17モルであるポリエチレングリコールモノアル
キルフェニルエーテルアクリレート、並びにエチレング
リコール付加数が20モルのポリオキシエチレンアルキ
ルベータメチルスチレニルエーテルおよびエチレングリ
コール付加数が50モルのポリオキシエチレンアルキル
ベータメチルスチレニルエーテルが上げられる。
【0010】本発明において、好ましくは、ポリマー中
のメタアクリル酸メチル反応残基とエチレン性不飽和ア
ミド反応残基の合計量は7重量%以下であり、より好ま
しくはポリマー中のメタアクリル酸メチル反応残基およ
びエチレン性不飽和アミド反応残基の量がいずれも5重
量%以下であり、さらに好ましくはポリマー中のメタア
クリル酸メチル反応残基の量が2重量%以下であり、エ
チレン性不飽和アミド反応残基の量が1重量%以下であ
る。最も好ましくは、本発明の紙用組成物はメクリル酸
メチル反応残基およびエチレン性不飽和アミド反応残基
を実質的に含まない。メタアクリル酸メチルおよびエチ
レン性不飽和アミドの含有量が本発明の範囲よりも多い
と発塵性能が低下するため好ましくない。
のメタアクリル酸メチル反応残基とエチレン性不飽和ア
ミド反応残基の合計量は7重量%以下であり、より好ま
しくはポリマー中のメタアクリル酸メチル反応残基およ
びエチレン性不飽和アミド反応残基の量がいずれも5重
量%以下であり、さらに好ましくはポリマー中のメタア
クリル酸メチル反応残基の量が2重量%以下であり、エ
チレン性不飽和アミド反応残基の量が1重量%以下であ
る。最も好ましくは、本発明の紙用組成物はメクリル酸
メチル反応残基およびエチレン性不飽和アミド反応残基
を実質的に含まない。メタアクリル酸メチルおよびエチ
レン性不飽和アミドの含有量が本発明の範囲よりも多い
と発塵性能が低下するため好ましくない。
【0011】本発明の紙用組成物に含まれるポリマーの
原料としては、付加重合可能なエチレン性不飽和結合を
有する任意の化合物を使用することができ、たとえばメ
タアクリル酸メチルを除く各種のアクリル酸エステルや
メタアクリル酸エステルが使用できる。また、アクリル
酸、メタアクリル酸、およびイタコン酸のような酸モノ
マーも使用できる。さらに、エチレングリコールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、
ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、アリルメタクリレート等の多官能性不飽和モ
ノマーを含有することもできる。
原料としては、付加重合可能なエチレン性不飽和結合を
有する任意の化合物を使用することができ、たとえばメ
タアクリル酸メチルを除く各種のアクリル酸エステルや
メタアクリル酸エステルが使用できる。また、アクリル
酸、メタアクリル酸、およびイタコン酸のような酸モノ
マーも使用できる。さらに、エチレングリコールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、
ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、アリルメタクリレート等の多官能性不飽和モ
ノマーを含有することもできる。
【0012】本発明の紙用組成物に含まれるポリマーは
公知の方法により製造することができ、好ましくはエマ
ルション重合により製造される。
公知の方法により製造することができ、好ましくはエマ
ルション重合により製造される。
【0013】本発明の紙用組成物に含まれるポリマーと
して、コア/シェルポリマー、すなわち内部高分子物質
のコア相と外部高分子物質のシェル相を有するポリマー
も使用することができる。このコア/シェルポリマー
は、公知の製造プロセスにより製造できるが、多段階の
乳化重合法により製造されるエマルジョンとして提供さ
れることが特に好ましい。たとえば上述のモノマーを使
用してまずコア相を形成し、次いで異なるエチレン性不
飽和モノマーを使用して外部相であるシェル相を形成す
ることにより得られる。
して、コア/シェルポリマー、すなわち内部高分子物質
のコア相と外部高分子物質のシェル相を有するポリマー
も使用することができる。このコア/シェルポリマー
は、公知の製造プロセスにより製造できるが、多段階の
乳化重合法により製造されるエマルジョンとして提供さ
れることが特に好ましい。たとえば上述のモノマーを使
用してまずコア相を形成し、次いで異なるエチレン性不
飽和モノマーを使用して外部相であるシェル相を形成す
ることにより得られる。
【0014】軟質ポリマーラテックス粒子に対し硬質の
ポリマーを連続的に重合させた、いわゆる内部可塑化ポ
リマーラテックス粒子も使用することができる。これは
たとえば、通常の乳化重合条件下で、比較的親水性のモ
ノマーを含む第1のエチレン性不飽和モノマーを乳化重
合し、次いでそれら自身によって第1のチャージポリマ
ーよりも硬質かつ疎水性ポリマーの前駆体であるエチレ
ン性不飽和モノマーの第2チャージを重合することによ
り生成することができる。
ポリマーを連続的に重合させた、いわゆる内部可塑化ポ
リマーラテックス粒子も使用することができる。これは
たとえば、通常の乳化重合条件下で、比較的親水性のモ
ノマーを含む第1のエチレン性不飽和モノマーを乳化重
合し、次いでそれら自身によって第1のチャージポリマ
ーよりも硬質かつ疎水性ポリマーの前駆体であるエチレ
ン性不飽和モノマーの第2チャージを重合することによ
り生成することができる。
【0015】本発明の紙用組成物に使用されるポリマー
は、好ましくは−25℃から25℃の範囲のガラス転移
温度を有する。コポリマーのガラス転移温度は、下記の
フォックス(Fox)の式[Bulletin of
American Physical Society
,1,3,第123頁(1956]により計算するこ
とができる。 1/Tg= W1/Tg(1)+ W2/Tg(2) ここで、W1およびW2は、成分1および成分2のポリ
マーの重量分率を意味し、そしてTg(1)およびTg
(2)は、それぞれ成分1および2のホモポリマーのガ
ラス転移温度(単位は絶対温度)を表す。得られたポリ
マーの実際のガラス転移温度を測定する方法としては、
多くの方法が知られているが、示差走査熱量測定(DS
C)によるのが簡便かつ正確で好ましい。平均ガラス転
移温度は、モノマーの定量分析を行い、フォックスの式
により求めることができる。なお、本発明で用いられる
代表的なポリマーのガラス転移温度を表1に示す。
は、好ましくは−25℃から25℃の範囲のガラス転移
温度を有する。コポリマーのガラス転移温度は、下記の
フォックス(Fox)の式[Bulletin of
American Physical Society
,1,3,第123頁(1956]により計算するこ
とができる。 1/Tg= W1/Tg(1)+ W2/Tg(2) ここで、W1およびW2は、成分1および成分2のポリ
マーの重量分率を意味し、そしてTg(1)およびTg
(2)は、それぞれ成分1および2のホモポリマーのガ
ラス転移温度(単位は絶対温度)を表す。得られたポリ
マーの実際のガラス転移温度を測定する方法としては、
多くの方法が知られているが、示差走査熱量測定(DS
C)によるのが簡便かつ正確で好ましい。平均ガラス転
移温度は、モノマーの定量分析を行い、フォックスの式
により求めることができる。なお、本発明で用いられる
代表的なポリマーのガラス転移温度を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】本発明はさらに、本発明の紙用組成物を担
持させた紙を提供する。本発明の紙用組成物の混合量
は、紙の乾燥重量に対する本発明の紙用組成物に含まれ
るポリマーの固形分重量の重量%として、好ましくは3
重量%ないし100重量%、より好ましくは5重量%な
いし50重量%、最も好ましくは10ないし30重量%
である。本発明の紙用組成物を使用することにより、優
れた防塵性能を有する紙を得ることができる。すなわ
ち、本発明はその一態様として、本発明の紙用組成物を
担持させた無塵紙を提供する。
持させた紙を提供する。本発明の紙用組成物の混合量
は、紙の乾燥重量に対する本発明の紙用組成物に含まれ
るポリマーの固形分重量の重量%として、好ましくは3
重量%ないし100重量%、より好ましくは5重量%な
いし50重量%、最も好ましくは10ないし30重量%
である。本発明の紙用組成物を使用することにより、優
れた防塵性能を有する紙を得ることができる。すなわ
ち、本発明はその一態様として、本発明の紙用組成物を
担持させた無塵紙を提供する。
【0018】さらに本発明はその一態様として、モノマ
ー混合物の総重量を基準として、アクリロニトリルを1
〜10重量%、分子量が少なくとも100である非イオ
ン性親水性基を側鎖として有するモノエチレン性不飽和
モノマーを0.1から8重量%の量で含み、メタアクリ
ル酸メチルまたはエチレン性不飽和アミドのいずれかの
量が5重量%以下であるモノマー混合物を重合して得ら
れたポリマーを含む紙用組成物を紙に担持させる、紙の
製造方法を提供する。
ー混合物の総重量を基準として、アクリロニトリルを1
〜10重量%、分子量が少なくとも100である非イオ
ン性親水性基を側鎖として有するモノエチレン性不飽和
モノマーを0.1から8重量%の量で含み、メタアクリ
ル酸メチルまたはエチレン性不飽和アミドのいずれかの
量が5重量%以下であるモノマー混合物を重合して得ら
れたポリマーを含む紙用組成物を紙に担持させる、紙の
製造方法を提供する。
【0019】本発明で用いる紙については何の制限もな
い。たとえば、木材のパルプ紙、または木材パルプを主
体としたもの、レーヨンなどの再生繊維紙、アセテート
などの半合成紙、ポリビニルアルコールタイプ、ポリア
ミドタイプ、ポリアクリロニトリルタイプ、ポリエステ
ルタイプなどの合成紙、ポリエチレン、ポリプロピレン
等の合成パルプ等を含有するものが使用される。これら
の原紙には予めサイズ剤、顔料、乾燥増強剤、湿潤強力
剤等の各種添加剤を含有させておいてもよいし、また本
発明の紙用組成物を担持させる際に、これら添加剤を同
時に担持させてもよい。
い。たとえば、木材のパルプ紙、または木材パルプを主
体としたもの、レーヨンなどの再生繊維紙、アセテート
などの半合成紙、ポリビニルアルコールタイプ、ポリア
ミドタイプ、ポリアクリロニトリルタイプ、ポリエステ
ルタイプなどの合成紙、ポリエチレン、ポリプロピレン
等の合成パルプ等を含有するものが使用される。これら
の原紙には予めサイズ剤、顔料、乾燥増強剤、湿潤強力
剤等の各種添加剤を含有させておいてもよいし、また本
発明の紙用組成物を担持させる際に、これら添加剤を同
時に担持させてもよい。
【0020】本発明の紙用組成物を使用して紙を製造す
る際、紙用組成物の混合量は紙の乾燥重量に対する本発
明の紙用組成物に含まれるポリマーの固形分重量の重量
%として、3重量%ないし100重量%、好ましくは5
重量%ないし50重量%、さらに好ましくは10重量%
ないし30重量%である。また通常使用されている公知
の防塵効力増強剤、例えば導電性塩、ワックス等を併用
することが可能であり、適宜選択して適用できる。
る際、紙用組成物の混合量は紙の乾燥重量に対する本発
明の紙用組成物に含まれるポリマーの固形分重量の重量
%として、3重量%ないし100重量%、好ましくは5
重量%ないし50重量%、さらに好ましくは10重量%
ないし30重量%である。また通常使用されている公知
の防塵効力増強剤、例えば導電性塩、ワックス等を併用
することが可能であり、適宜選択して適用できる。
【0021】本発明の紙用組成物を紙に担持させるには
公知の方法により行うことができる。たとえば、含浸
機、抄紙機上で含浸法、サイズプレス法、スプレイ法、
コート法等により担持させることができ、また抄紙後に
本発明の紙用組成物を担持させることもできる。
公知の方法により行うことができる。たとえば、含浸
機、抄紙機上で含浸法、サイズプレス法、スプレイ法、
コート法等により担持させることができ、また抄紙後に
本発明の紙用組成物を担持させることもできる。
【0022】以下の実施例により本発明を詳細に説明す
るが、これら実施例はあくまでも例示に過ぎず、本発明
をなんら限定するものではない。 実施例 実施例1 単量体混合物の製造 脱イオン水684.5gに、58.0%ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム溶液の
6.3gと70.0%ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル溶液の52.1gを加え攪拌した溶液に、次
の単量体を続いてゆっくり加えることにより、乳化した
単量体混合物を作った。単量体 重量(g) 全単量体の重量(%) イタコン酸 36.5 2.0 アクリル酸エチルエステル 971.9 53.3 アクリル酸ブチルエステル 705.5 38.7 アクリロニトリル 91.2 5.0 メタアクリル酸ポリエチレングリコール 18.2 1.0 モノメチルエーテルエステル (エチレングリコール付加モル数:8−9)
るが、これら実施例はあくまでも例示に過ぎず、本発明
をなんら限定するものではない。 実施例 実施例1 単量体混合物の製造 脱イオン水684.5gに、58.0%ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム溶液の
6.3gと70.0%ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル溶液の52.1gを加え攪拌した溶液に、次
の単量体を続いてゆっくり加えることにより、乳化した
単量体混合物を作った。単量体 重量(g) 全単量体の重量(%) イタコン酸 36.5 2.0 アクリル酸エチルエステル 971.9 53.3 アクリル酸ブチルエステル 705.5 38.7 アクリロニトリル 91.2 5.0 メタアクリル酸ポリエチレングリコール 18.2 1.0 モノメチルエーテルエステル (エチレングリコール付加モル数:8−9)
【0023】重合操作−乳化重合体の調製− 温度計、冷却器、および攪拌機を備えた適当な反応容器
に、脱イオン水836.3gを入れ、50−55℃に加
温した。前述の単量体乳濁液の56.0gの全てを仕込
み、次いで過硫酸アンモニウム(APS)水溶液(脱イ
オン水27.0gにAPS0.9gを溶解させた液)、
メタ重亜硫酸ナトリウム(SMB)水溶液(脱イオン水
27.1gにSMB0.7gを溶解させた液)、0.1
5%硫酸第一鉄水溶液11.7gを順次加えた。約15
分以内に、10−15℃の温度上昇および反応混合物の
外観の変化により重合の開始を確認した。発熱が終わっ
たとき、残りの単量体混合物と過硫酸アンモニウム水溶
液(脱イオン水108.2gにAPS2.7gを溶解さ
せた液)とメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(脱イオン水
108.2gにSMB7.9gを溶解させた液)を反応
容器に徐々に加えた。添加速度は、重合反応の熱を冷却
によって除くことのできる速度(3−4時間)に調整し
た。重合反応温度は、必要に応じ冷却することにより6
0−65℃に維持した。添加が完了したとき、反応混合
物の容器および供給管を脱イオン水52.2gですすぎ
反応容器に加えた。反応容器は45℃に冷却し、中和剤
を加え、pHを8.5に調整し、乳化重合体を得た。
に、脱イオン水836.3gを入れ、50−55℃に加
温した。前述の単量体乳濁液の56.0gの全てを仕込
み、次いで過硫酸アンモニウム(APS)水溶液(脱イ
オン水27.0gにAPS0.9gを溶解させた液)、
メタ重亜硫酸ナトリウム(SMB)水溶液(脱イオン水
27.1gにSMB0.7gを溶解させた液)、0.1
5%硫酸第一鉄水溶液11.7gを順次加えた。約15
分以内に、10−15℃の温度上昇および反応混合物の
外観の変化により重合の開始を確認した。発熱が終わっ
たとき、残りの単量体混合物と過硫酸アンモニウム水溶
液(脱イオン水108.2gにAPS2.7gを溶解さ
せた液)とメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(脱イオン水
108.2gにSMB7.9gを溶解させた液)を反応
容器に徐々に加えた。添加速度は、重合反応の熱を冷却
によって除くことのできる速度(3−4時間)に調整し
た。重合反応温度は、必要に応じ冷却することにより6
0−65℃に維持した。添加が完了したとき、反応混合
物の容器および供給管を脱イオン水52.2gですすぎ
反応容器に加えた。反応容器は45℃に冷却し、中和剤
を加え、pHを8.5に調整し、乳化重合体を得た。
【0024】実施例2 単量体混合物の製造 脱イオン水684.5gに、58.0%ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム溶液の
6.3gと70.0%ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル溶液の52.1gを加え攪拌した溶液に、次
の単量体を続いてゆっくり加えることにより、乳化した
単量体混合物を作った。単量体 重量(g) 全単量体の重量(%) イタコン酸 36.5 2.0 アクリル酸エチルエステル 971.9 53.3 アクリル酸ブチルエステル 705.5 38.7 アクリロニトリル 91.2 5.0 アクリル酸ポリエチレングリコール 18.2 1.0 モノアルキルフェニルエーテルエステル (エチレングリコール付加モル数:16−17) 得られた単量体混合物を用い、実施例1と同様の操作に
より乳化重合体を得た。
レンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム溶液の
6.3gと70.0%ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル溶液の52.1gを加え攪拌した溶液に、次
の単量体を続いてゆっくり加えることにより、乳化した
単量体混合物を作った。単量体 重量(g) 全単量体の重量(%) イタコン酸 36.5 2.0 アクリル酸エチルエステル 971.9 53.3 アクリル酸ブチルエステル 705.5 38.7 アクリロニトリル 91.2 5.0 アクリル酸ポリエチレングリコール 18.2 1.0 モノアルキルフェニルエーテルエステル (エチレングリコール付加モル数:16−17) 得られた単量体混合物を用い、実施例1と同様の操作に
より乳化重合体を得た。
【0025】実施例3 単量体混合物の製造 脱イオン水684.5gに、58.0%ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム溶液の
6.3g、70.0%ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル溶液の52.1g、およびポリオキシエチレ
ンアルキルベータメチルスチレニルエーテル(エチレン
グリコール付加モル数:約50)18.2gを加え攪拌
した溶液に、次の単量体を続いてゆっくり加えることに
より、乳化した単量体混合物を作った。単量体 重量(g) 全単量体の重量(%) イタコン酸 36.5 2.0 アクリル酸エチルエステル 990.1 54.3 アクリル酸ブチルエステル 705.5 38.7 アクリロニトリル 91.2 5.0 得られた単量体混合物を用い、実施例1と同様の操作に
より乳化重合体を得た。
レンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム溶液の
6.3g、70.0%ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル溶液の52.1g、およびポリオキシエチレ
ンアルキルベータメチルスチレニルエーテル(エチレン
グリコール付加モル数:約50)18.2gを加え攪拌
した溶液に、次の単量体を続いてゆっくり加えることに
より、乳化した単量体混合物を作った。単量体 重量(g) 全単量体の重量(%) イタコン酸 36.5 2.0 アクリル酸エチルエステル 990.1 54.3 アクリル酸ブチルエステル 705.5 38.7 アクリロニトリル 91.2 5.0 得られた単量体混合物を用い、実施例1と同様の操作に
より乳化重合体を得た。
【0026】比較例1 単量体混合物の製造 脱イオン水550.0gに、70%ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル溶液の70.0gを加え攪拌し
た溶液に、次の単量体を続いてゆっくり加えることによ
り、乳化した単量体混合物を作った。単量体 重量(g) 全単量体の重量(%) イタコン酸 25.0 2.5 アクリル酸エチルエステル 887.0 87.5 アクリル酸ブチルエステル 106.0 10.0
ノニルフェニルエーテル溶液の70.0gを加え攪拌し
た溶液に、次の単量体を続いてゆっくり加えることによ
り、乳化した単量体混合物を作った。単量体 重量(g) 全単量体の重量(%) イタコン酸 25.0 2.5 アクリル酸エチルエステル 887.0 87.5 アクリル酸ブチルエステル 106.0 10.0
【0027】重合操作−乳化重合体の調製− 温度計、冷却器、および攪拌機を備えた適当な反応容器
に、脱イオン水340.0gを入れ、70%ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル溶液の7.0gを加え
攪拌し20−25℃に加温した。前述の単量体乳濁液の
230.0gの全てを仕込み、次いで過硫酸アンモニウ
ム水溶液(脱イオン水17.0gにAPS0.2gを溶
解させた液)、メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(脱イオ
ン水17.0gにSMB0.2gを溶解させた液)、
0.15%硫酸第一鉄水溶液10.0gを順次加えた。
約15分以内に、30−40℃の温度上昇および反応混
合物の外観の変化により重合の開始を確認した。発熱が
終わったとき、残りの単量体混合物と過硫酸アンモニウ
ム水溶液(脱イオン水40.0gにAPS1.3gを溶
解させた液)とメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(脱イオ
ン水40.0gにSMB2.0gを溶解させた液)を反
応容器に徐々に加えた。添加速度は重合反応の熱を冷却
によって除くことのできる速度(3−4時間)に調整し
た。重合反応温度は、必要に応じ冷却することにより6
0−65℃に維持した。添加が完了したとき、反応混合
物の容器および供給管を脱イオン水40.0gですすぎ
反応容器に加えた。反応容器は45℃に冷却し、中和剤
を加え、pHを5.5に調整し、乳化重合体を得た。
に、脱イオン水340.0gを入れ、70%ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル溶液の7.0gを加え
攪拌し20−25℃に加温した。前述の単量体乳濁液の
230.0gの全てを仕込み、次いで過硫酸アンモニウ
ム水溶液(脱イオン水17.0gにAPS0.2gを溶
解させた液)、メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(脱イオ
ン水17.0gにSMB0.2gを溶解させた液)、
0.15%硫酸第一鉄水溶液10.0gを順次加えた。
約15分以内に、30−40℃の温度上昇および反応混
合物の外観の変化により重合の開始を確認した。発熱が
終わったとき、残りの単量体混合物と過硫酸アンモニウ
ム水溶液(脱イオン水40.0gにAPS1.3gを溶
解させた液)とメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(脱イオ
ン水40.0gにSMB2.0gを溶解させた液)を反
応容器に徐々に加えた。添加速度は重合反応の熱を冷却
によって除くことのできる速度(3−4時間)に調整し
た。重合反応温度は、必要に応じ冷却することにより6
0−65℃に維持した。添加が完了したとき、反応混合
物の容器および供給管を脱イオン水40.0gですすぎ
反応容器に加えた。反応容器は45℃に冷却し、中和剤
を加え、pHを5.5に調整し、乳化重合体を得た。
【0028】比較例2 単量体混合物の製造 脱イオン水550.0gに、70%ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル溶液の70.0gを加え攪拌し
た溶液に、次の単量体を続いてゆっくり加えることによ
り、乳化した単量体混合物を作った。単量体 重量(g) 全単量体の重量(%) イタコン酸 25.0 2.5 アクリル酸エチルエステル 939.6 92.3 メタアクリル酸メチルエステル 12.2 1.2 アクリルアミド 40.7 4.0 得られた単量体混合物を用い比較例1と同様の操作によ
り乳化重合体を得た。
ノニルフェニルエーテル溶液の70.0gを加え攪拌し
た溶液に、次の単量体を続いてゆっくり加えることによ
り、乳化した単量体混合物を作った。単量体 重量(g) 全単量体の重量(%) イタコン酸 25.0 2.5 アクリル酸エチルエステル 939.6 92.3 メタアクリル酸メチルエステル 12.2 1.2 アクリルアミド 40.7 4.0 得られた単量体混合物を用い比較例1と同様の操作によ
り乳化重合体を得た。
【0029】比較例3 単量体混合物の製造 脱イオン水355.0gに、65%ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム溶液の2.1gを加え攪拌した溶液
に、次の単量体を続いてゆっくり加えることにより、乳
化した単量体混合物を作った。単量体 重量(g) 全単量体の重量(%) イタコン酸 5.1 0.5 アクリル酸エチルエステル 958.9 95.0 アクリル酸ブチルエステル 15.1 1.5 25%メチロールアクリルアミド水溶液 121.1 3.0
ルホン酸ナトリウム溶液の2.1gを加え攪拌した溶液
に、次の単量体を続いてゆっくり加えることにより、乳
化した単量体混合物を作った。単量体 重量(g) 全単量体の重量(%) イタコン酸 5.1 0.5 アクリル酸エチルエステル 958.9 95.0 アクリル酸ブチルエステル 15.1 1.5 25%メチロールアクリルアミド水溶液 121.1 3.0
【0030】重合操作−乳化重合体の調製− 温度計、冷却器、および攪拌機を備えた適当な反応容器
に、脱イオン水475.0gを入れ、65%ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム溶液の13.1gを加え攪
拌し50−60℃に加温した。前述の単量体乳濁液の3
1.0gの全てを仕込み、次いで過硫酸アンモニウム水
溶液(脱イオン水15.0gにAPS0.5gを溶解さ
せた液)、メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(脱イオン水
15.0gにSMB0.5gを溶解させた液)、0.1
5%硫酸第一鉄水溶液6.5gを順次加えた。約15分
以内に、5−10℃の温度上昇および反応混合物の外観
の変化により重合の開始を確認した。発熱が終わったと
き、残りの単量体混合物と過硫酸アンモニウム水溶液
(脱イオン水60.0gにAPS1.5gを溶解させた
液)とメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(脱イオン水6
0.0gにSMB4.4gを溶解させた液)を反応容器
に徐々に加えた。添加速度は、重合反応の熱を冷却によ
って除くことのできる速度(2−3時間)に調整した。
重合反応温度は必要に応じ冷却することにより60−6
5℃に維持した。添加が完了したとき、反応混合物の容
器および供給管を脱イオン水20.0gですすぎ反応容
器に加えた。反応容器は45℃に冷却し、中和剤を加
え、pHを8.5に調整し、乳化重合体を得た。
に、脱イオン水475.0gを入れ、65%ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム溶液の13.1gを加え攪
拌し50−60℃に加温した。前述の単量体乳濁液の3
1.0gの全てを仕込み、次いで過硫酸アンモニウム水
溶液(脱イオン水15.0gにAPS0.5gを溶解さ
せた液)、メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(脱イオン水
15.0gにSMB0.5gを溶解させた液)、0.1
5%硫酸第一鉄水溶液6.5gを順次加えた。約15分
以内に、5−10℃の温度上昇および反応混合物の外観
の変化により重合の開始を確認した。発熱が終わったと
き、残りの単量体混合物と過硫酸アンモニウム水溶液
(脱イオン水60.0gにAPS1.5gを溶解させた
液)とメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(脱イオン水6
0.0gにSMB4.4gを溶解させた液)を反応容器
に徐々に加えた。添加速度は、重合反応の熱を冷却によ
って除くことのできる速度(2−3時間)に調整した。
重合反応温度は必要に応じ冷却することにより60−6
5℃に維持した。添加が完了したとき、反応混合物の容
器および供給管を脱イオン水20.0gですすぎ反応容
器に加えた。反応容器は45℃に冷却し、中和剤を加
え、pHを8.5に調整し、乳化重合体を得た。
【0031】含浸紙の作製 A−4サイズに切断した原紙をエマルジョンの濃度13
%浴に浸漬、含浸し、次いで2本のゴムロール間を通し
て余分のエマルジョンを除去し、これによりアクリル樹
脂をそれぞれ15重量%(対原紙)含有するように調節
した。次いで表面温度が90℃のクロム鍍金スチームド
ラム上で3分間乾燥した。
%浴に浸漬、含浸し、次いで2本のゴムロール間を通し
て余分のエマルジョンを除去し、これによりアクリル樹
脂をそれぞれ15重量%(対原紙)含有するように調節
した。次いで表面温度が90℃のクロム鍍金スチームド
ラム上で3分間乾燥した。
【0032】発塵度の試験方法 テスト前に試験片の表面についたゴミを払い落とし、A
−5の大きさの紙片を測定器の中で表と裏を重ね合わせ
て1回/2秒の速度で1分間、手で擦り合わせる。 測定器:光散乱粒子計測器(リオン社製)ダストカウン
ターにより0.3μm以上の粒子の総個数(/立方フィ
ート中)を測定し、クリーン度を評価した。数値が小さ
いほどクリーン度が優れていることを示す。
−5の大きさの紙片を測定器の中で表と裏を重ね合わせ
て1回/2秒の速度で1分間、手で擦り合わせる。 測定器:光散乱粒子計測器(リオン社製)ダストカウン
ターにより0.3μm以上の粒子の総個数(/立方フィ
ート中)を測定し、クリーン度を評価した。数値が小さ
いほどクリーン度が優れていることを示す。
【0033】機械安定性試験方法 使用機器:サイズ液ガムアップ試験機 No.2202
A型(熊谷理機製) 試験方法 1. 乳化重合体にサイズ剤と消泡剤を、乳化重合体と
サイズ剤の重量比率が37:1となるように混合し、固
形分を7%に調整後試験機で試験した。 2. ローラーを連続稼働させて、液を40℃に加温し
た後、一定流量で循環させ、ローラーに付着物が出るま
での時間を目視および指触により観察し、機械安定性を
判定した。ローラーに付着物が出るまでの時間を安定時
間として表2に示す。
A型(熊谷理機製) 試験方法 1. 乳化重合体にサイズ剤と消泡剤を、乳化重合体と
サイズ剤の重量比率が37:1となるように混合し、固
形分を7%に調整後試験機で試験した。 2. ローラーを連続稼働させて、液を40℃に加温し
た後、一定流量で循環させ、ローラーに付着物が出るま
での時間を目視および指触により観察し、機械安定性を
判定した。ローラーに付着物が出るまでの時間を安定時
間として表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】発明の効果 本発明の紙用組成物は、機械安定性に優れ、これから得
られる紙は発塵性が低く無塵紙として有用であり、クリ
ーンルーム内で使用される各種機器の記録用紙、筆記用
紙や印刷物等に広い範囲で使用できる。
られる紙は発塵性が低く無塵紙として有用であり、クリ
ーンルーム内で使用される各種機器の記録用紙、筆記用
紙や印刷物等に広い範囲で使用できる。
Claims (10)
- 【請求項1】 繰り返し単位としてアクリロニトリル反
応残基を1〜10重量%、分子量が少なくとも100で
ある非イオン性親水性基を側鎖として有するモノエチレ
ン性不飽和モノマーの反応残基を0.1から8重量%含
有し、メタアクリル酸メチル反応残基またはエチレン性
不飽和アミド反応残基のいずれかの量が5重量%以下で
あるポリマーを含む紙用組成物。 - 【請求項2】 ポリマー中のメタアクリル酸メチル反応
残基とエチレン性不飽和アミド反応残基の合計量が7重
量%以下である請求項1記載の紙用組成物。 - 【請求項3】 ポリマー中のメタアクリル酸メチル反応
残基およびエチレン性不飽和アミド反応残基の量がいず
れも5重量%以下である請求項1記載の紙用組成物。 - 【請求項4】 ポリマー中のメタアクリル酸メチル反応
残基の量が2重量%以下であり、エチレン性不飽和アミ
ド反応残基の量が1重量%以下である請求項1記載の紙
用組成物。 - 【請求項5】 ポリマーのガラス転移温度が−25℃か
ら25℃の範囲である請求項1から4のいずれか1項記
載の紙用組成物。 - 【請求項6】 分子量が少なくとも100である非イオ
ン性親水性基が、ポリオキシメチレン基である請求項1
から5のいずれか1項記載の紙用組成物。 - 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1項記載の紙
用組成物を担持させた紙。 - 【請求項8】 紙用組成物の混合量が紙の重量の3重量
%ないし100重量%である請求項7記載の紙。 - 【請求項9】 無塵紙である請求項7または8記載の
紙。 - 【請求項10】 アクリロニトリルを1〜10重量%、
分子量が少なくとも100である非イオン性親水性基を
側鎖として有するモノエチレン性不飽和モノマーを0.
1から8重量%の量で含み、メタアクリル酸メチルまた
はエチレン性不飽和アミドのいずれかの量が5重量%以
下であるモノマー混合物を重合して得られたポリマーを
含む紙用組成物を紙に担持させる、紙の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16360596A JPH09324393A (ja) | 1996-06-05 | 1996-06-05 | 紙用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16360596A JPH09324393A (ja) | 1996-06-05 | 1996-06-05 | 紙用樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09324393A true JPH09324393A (ja) | 1997-12-16 |
Family
ID=15777113
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16360596A Withdrawn JPH09324393A (ja) | 1996-06-05 | 1996-06-05 | 紙用樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09324393A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11241293A (ja) * | 1998-02-25 | 1999-09-07 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 紙含浸用エマルション組成物 |
-
1996
- 1996-06-05 JP JP16360596A patent/JPH09324393A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11241293A (ja) * | 1998-02-25 | 1999-09-07 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 紙含浸用エマルション組成物 |
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