JPH09323751A - 園芸農作物の鮮度保持用包装材料およびその製造方法並びにそれに用いる園芸農作物の鮮度保持用エアゾール組成物 - Google Patents

園芸農作物の鮮度保持用包装材料およびその製造方法並びにそれに用いる園芸農作物の鮮度保持用エアゾール組成物

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JPH09323751A
JPH09323751A JP14171396A JP14171396A JPH09323751A JP H09323751 A JPH09323751 A JP H09323751A JP 14171396 A JP14171396 A JP 14171396A JP 14171396 A JP14171396 A JP 14171396A JP H09323751 A JPH09323751 A JP H09323751A
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Katsu Matsui
克 松居
Naoki Kobayashi
小林  直樹
Soichi Natsukawa
宗一 夏川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊な装置および設備を必要とせず、簡便か
つ低コストで充分な園芸農作物の鮮度保持効果を奏する
園芸農作物の鮮度保持用包装材料を提供する。 【解決手段】 液化噴射剤および光により励起されてエ
チレンを分解する光触媒を含有するエアゾール組成物
を、光透過性包装材料基材のエチレン雰囲気接触面に噴
射して前記光触媒を付着させて園芸農作物の鮮度保持用
包装材料を製造する。前記液化噴射剤としては、液化石
油ガス等が使用でき、前記光触媒としては、二酸化チタ
ンあるいは白金を担持した二酸化チタンが使用できる。
前記包装基材としては、光透過性フィルム状樹脂が使用
できる。この包装材料を用いて園芸農作物を包装する
と、包装空間が密閉空間となって、前記光触媒の作用に
より、園芸農作物から発生するエチレンガスを効果的に
分解除去できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、園芸農作物の鮮度
保持用包装材料およびその製造方法並びにそれに用いる
園芸農作物の鮮度保持用エアゾール組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】野菜、果実、花および観葉植物等の園芸
農作物は、収穫後の貯蔵時に、それ自身から発生するエ
チレンガスにより生理障害が起こり、追熟、老化、変色
等の品質低下が早まることが知られている。これは、エ
チレンが植物の成長ホルモンだからであり、これにより
熟成が促進されるからである。
【0003】また、最近の傾向として、園芸農作物の商
品価値を向上する目的で、栽培、輸送、陳列、保存等の
過程で園芸農作物の包装を行う場合が多いが、この包装
により、エチレンガスの揮散が防止されて、逆に消費価
値を低下させている場合もある。
【0004】このようにエチレンガスの問題は、園芸農
作物において早急に解決すべき重要な問題となってい
る。そして、このような要請に基づき、従来から園芸農
作物から発生するエチレンガスを除去、分解する技術が
種々提案されている。
【0005】例えば、活性炭によってエチレンガスを物
理的に吸着する方法または過マンガン酸カリウムによっ
て酸化分解する方法等が提案されている。しかし、これ
らの方法では、エチレンガスの除去効率や除去速度に一
定の限界がある。
【0006】また、園芸農作物の包装に伴うエチレンガ
スの問題を解決するために、エチレンガス除去機能を付
与した包装材料が種々提案されている(例えば、特公昭
55−50451号公報、特開昭62−184035号
公報、特開平6−343874号公報等)。しかし、こ
れらの包装材料は、エチレンガスの除去能力が充分でな
く、かつ値段が高いというコストの問題がある。
【0007】他方、酸化チタン等の光触媒は、光をうけ
て励起状態になるとエチレンガスを分解することが知ら
れている。そして、この光触媒のエチレンガス分解能を
応用した園芸農作物の鮮度保持技術が種々提案されてい
る。
【0008】例えば、前記光触媒を園芸農作物を収容し
たほぼ密閉された容器に配置する方法(特開平1−25
2244号公報)または貴金属を含有する光触媒を紫外
線照射により励起状態としてエチレンガスを除去する方
法(特開平3ー228639号公報)がある。
【0009】しかしながら、これらの方法は、園芸農作
物の保持容器、光触媒装置または紫外線照射装置が必要
となり、またこれらを設置するための設置場所の確保や
取り付けのための手間がかかり、コスト高になるという
問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、園芸農作
物の鮮度を保持する従来の技術は、その効果が充分でな
く、また効果が充分であっても特殊な設備や装置を必要
とする。そして、従来の技術に共通する問題として、コ
ストが高く、簡便性に欠けるという問題がある。
【0011】そこで、本発明は、特殊な装置および設備
を必要とせず、簡便かつ低コストで充分な園芸農作物の
鮮度保持効果を奏する園芸農作物の鮮度保持用包装材料
およびその製造方法並びにそれに用いる園芸農作物の鮮
度保持用エアゾール組成物の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の園芸農作物の鮮度保持用包装材料は、光に
より励起されてエチレンを分解する光触媒を備え、かつ
光透過性である。
【0013】すなわち、本発明者らは、園芸農作物が、
栽培、貯蔵、流通等の過程で包装されることに着目し
た。そして、この包装材料に酸化チタン等の光触媒を備
えるようにし、かつ前記包装材料を光透過性とすれば、
包装材料の包装空間が密閉空間となり、前記光触媒のエ
チレンガス分解能が充分に発揮されることとなる。ま
た、包装材料内においてエチレンガスの除去を行うこと
から、特別な工程、装置および設備も必要なく、簡便に
かつ低コストで園芸農作物の鮮度保持を実現することが
可能である。さらに、酸化チタン等の光触媒は、園芸農
作物に悪影響を与えず、かつ毒性等の衛生的な問題もな
く安全性に優れる。
【0014】そして、前記光触媒は、通常、包装材料の
エチレン雰囲気接触面に0.0001〜10g/m2
割合で付着させる。本発明において、エチレン雰囲気接
触面とは、エチレンガスが接触する面をいい、例えば、
袋状の包装材料基材であれば袋の内面となる。
【0015】そして、より低コストでエチレンガスを効
率よく除去できるという理由から、前記光触媒が、酸化
チタンおよび白金を担持する酸化チタンの少なくとも一
方の酸化チタンであることが好ましい。
【0016】つぎに、本発明の園芸農作物の鮮度保持用
包装材料の製造方法は、液化噴射剤および光により励起
されてエチレンを分解する光触媒を含有するエアゾール
組成物を、光透過性包装材料基材のエチレン雰囲気接触
面に噴射して前記光触媒を付着させるという方法であ
る。
【0017】このように、前記光触媒と液化噴射剤を含
有するエアゾール組成物を光透過性包装材料基材のエチ
レン雰囲気接触面に噴射して前記光触媒を付着させる
と、包装材料基材に簡単にエチレンガス分解除去能を付
与することが可能となる。
【0018】なお、前記光触媒は、貴金属を担持した光
触媒でもよく、好ましくは白金を担持した酸化チタンで
ある。また、コスト等の理由から、前記包装材料基材
は、光透過性のフィルム状樹脂であることが好ましい。
【0019】つぎに、本発明の園芸農作物の鮮度保持用
エアゾール組成物は、液化噴射剤および光により励起さ
れてエチレンを分解する光触媒を含有するものである。
前記光触媒は、貴金属を担持した光触媒でもよく、好ま
しくは白金を担持した酸化チタンである。
【0020】前記光触媒の含有割合は、通常、液化噴射
剤に対し、0.1〜50重量%である。
【0021】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を具体的に説明す
る。本発明に用いる光触媒は、光照射により励起状態と
なってエチレンガスを分解除去するものである。この光
触媒の作用は、つぎのように考えられる。紫外線もしく
は可視光中の紫外線を受けた光触媒は、非常に強力な酸
化作用を有するヒドロキシラジカルをはじめとする活性
酸素(例えば、・OH、・OOH、・O2 -等)を効率よ
く生成し、この活性酸素によりエチレンガスを分解する
ものと推察される。さらに、この活性酸素は、エチレン
ガスの他、品質低下の原因となる各種有機ガス、悪臭の
原因となる有機化合物、腐敗の原因となる各種菌類を分
解する作用も奏する。
【0022】前記光触媒としては、紫外線もしくは可視
光中の紫外線のような光照射で励起され、活性酸素を効
果的に生成させるもので、通常0.5〜5eVのバンド
ギャップを持つ光触媒が好ましい。例えば、酸化亜鉛、
三酸化タングステン、二酸化チタン、チタン酸ストロン
チウム、酸化第二鉄等の金属酸化物、硫化亜鉛、硫化カ
ドミウム、硫化鉛、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム
等の金属カルコゲナイド、シリコン、ゲルマニウム等の
第IV族元素、ガリウム−リン、ガリウム−砒素、イン
ジウム−リン等の III−V族化合物、ポリアセチレン、
ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリビ
ニルカルバゾール等の有機半導体があげられる。このな
かで、効果と実用性の理由から、二酸化チタンが好まし
い。なお、前記光触媒は、二種類以上併用してもよい。
【0023】また、前記光触媒は、通常、粉体状のもの
が用いられ、その粒子径は、通常0.001〜10μm
であり、好ましくは0.005〜1μmである。また、
前記光触媒は、貴金属を担持した光触媒であってもよ
い。前記貴金属としては、例えば、金、銀、銅、白金族
の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウ
ム、イリジウム、白金)があげられ、効果と経済性の理
由から白金が好ましい。
【0024】前記貴金属を担持した光触媒において、光
触媒と貴金属の比率は特に限定されないが、通常、重量
比で、光触媒/貴金属=1/1〜10000/1の範囲
が好ましい。
【0025】前記光触媒に貴金属を担持させる方法は、
特に限定はされないが、例えば、光触媒粒子と貴金属を
機械的に混合する方法、光触媒粒子の懸濁液と貴金属粒
子懸濁液とを混合したのち焼成する方法、光触媒金属の
金属アルコキシドを含む溶液に貴金属粒子を懸濁させ、
これを乾燥焼成する方法、光触媒の粒子と貴金属の酸化
物、塩化物、錯体等の水溶液を混合したのち乾燥焼成す
る方法、光触媒金属の酸化物、塩化物、錯体等の水溶液
と貴金属の酸化物、塩化物、錯体等の水溶液を混合した
のち乾燥焼成する方法、光触媒金属の酸化物、塩化物、
錯体等の水溶液と貴金属の粒子を混合したのち乾燥焼成
する方法がある。
【0026】本発明において光触媒の励起は、園芸農作
物が栽培、輸送、陳列、保存等で鮮度保持を要求される
時点で効果を発現し、エチレンガスを分解するのが好ま
しく、本発明の包装材料を使用する前においては、光触
媒の励起を開始させる光源からは遮断しておくことが望
ましい。
【0027】また、本発明において、光触媒の励起に必
要な光源は、通常の太陽光(自然光)で差し支えない
が、波長が200nm〜400nmの近紫外線を含む紫
外線光源、例えば超高圧水銀灯、キセノン灯、低圧水銀
灯の単独または併用使用等でもよい。
【0028】つぎに、本発明の包装材料の形態は、特に
制限するものではない。例えば、フィルム状のラップ
材、樹脂成形容器、ガラス容器、蓋状カバー等があげら
れ、光透過性および製造工程における作業性がよいとい
う理由から、フィルム状の樹脂ラップ材が好ましい。
【0029】また本発明の包装材料において、光触媒ま
たは貴金属を担持させた光触媒の使用量は特に限定され
ず、対象とするエチレンガスの濃度、園芸農作物からの
発生量、光源の種類および量・強度等の条件によって選
定される。一般的に、包装基材への付着量は、包装基材
のエチレン雰囲気に接触する面積に対して、0.000
1g/m2 〜10g/m2 であり、好ましくは0.00
1g/m2 〜1g/m 2 である。
【0030】また本発明の包装材料に使用される包装基
材は、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、
アクリル樹脂、セロハン等の食品包装材料に通常使用さ
れる樹脂、またはガラス製容器等が挙げられ、光触媒を
励起させるだけの光量を透過する透明度(光透過性)が
あり、密閉できる構造のものが好ましい。
【0031】つぎに、本発明の園芸農作物の鮮度保持用
包装材料は、例えば、液化噴射剤と前記光触媒を含有す
るエアゾール組成物を、光透過性包装材料基材のエチレ
ン雰囲気接触面に噴射して前記光触媒を付着させること
により製造することができる。なお、前記光触媒の付着
は、均一に付着させること(展着)が好ましい。
【0032】前記エアゾール組成物は、液化噴射剤およ
び光触媒を含有するが、この光触媒の含有割合は、前記
液化噴射剤に対し0.1〜50重量%であり、好ましく
は1〜20重量%である。
【0033】前記液化噴射剤としては、トリクロルモノ
フルオルメタン、ジクロルテトラフルオルメタン、トリ
クロルトリフルオルエタン、液化石油ガス等が用いられ
るが、これらは単独又は2種以上の混合物として用いる
ことができ、その配合量は、エアゾール組成物の全重量
に対し80〜98重量%の割合が好ましい。
【0034】また、前記エアゾール組成物において、前
記液化噴射剤および光触媒とともに、光触媒を包装材料
基材の表面に付着保持するための展着剤、殺菌剤、消臭
剤等を併用することができる。前記展着剤としては、油
成分、界面活性剤、シリコン類があげられる。
【0035】前記油性分としては、流動パラフィン、ミ
リスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチル、ミリ
スチン酸ドデシル、パルミチン酸イソプロピル、アジピ
ン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、デカメ
チルシクロペンタシロキサン、シリコン油、アボガド
油、ホホバ油、ラノリン、2−エチルヘキサン酸セチ
ル、ステアリン酸ブチル、ヘキサデシルアルコール、イ
ソステアリン酸、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチ
ルトリブチル、フタル酸ブチル、オクタン酸セチル、ア
ジピン酸ジイソアジペート等があげられる。このなか
で、ミリスチン酸イソプロピル、デカメチルシクロペン
タシロキサンを使用することが好ましい。
【0036】前記界面活性剤としては、アニオン界面活
性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性
界面活性剤があげられる。このなかで、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビ
タントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノオレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタン
モノオレート、ポリオキシエチレンアルキルグリセリド
等の脂肪酸エステル系のノニオン界面活性剤を使用する
ことが好ましい。
【0037】そして、前記各成分からなるエアゾール組
成物は、包装材料基材のエチレンガス雰囲気に接触する
面に対して、噴射することにより、前記光触媒が付着す
る。前記噴射は、例えば、スプレーガンまたはスプレー
缶を用いることにより実施できる。
【0038】なお、この製造方法では、包装材料のエチ
レン雰囲気接触面に光触媒が付着することとなるが、こ
の他に、包装材料製造時に、常法により原料樹脂に光触
媒を添加して練り込み、ついで所定の形態、例えばフィ
ルム状に成形すればよい。しかし、エチレンガス除去効
率および製造効率の観点から、前述の噴射方式によるこ
とが好ましい。また、エチレン雰囲気接触面に光触媒を
付着する方法は、前述の噴射方式に限定されず、例え
ば、接着剤等を用いて光触媒を付着することもできる。
【0039】また、本発明の園芸農作物用エアゾール組
成物は、前記液化噴射剤および光触媒を含有し、噴射す
るだけで対象物に簡単に前記光触媒を付着させることが
できる。したがって、このエアゾール組成物は、本発明
の包装材料の製造に使用する他、園芸農作物の表面に噴
射して、直接的にエチレンガスの除去を行うこともでき
る。また、前記エアゾール組成物を紙、樹脂またはガラ
ス等の基材に噴射し、これを園芸農作物のエチレンガス
雰囲気の包装空間内に設置することによっても、鮮度保
持を実施できる。また、この場合の光触媒の付着量は、
前記包装材料基材への付着割合と同様である。
【0040】
【実施例】つぎに、実施例について比較例と併せて説明
する。 (実施例1〜5)まず、エアゾール組成物を調製した。
すなわち、二酸化チタン(ST−01、石原産業社製)
と、ミリスチン酸イソプロピル、デカメチルシクロペン
タシロキサン、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドを
液化天然ガスとともにスプレー缶に充填しエアゾール組
成物とした。この重量割合は、二酸化チタン/ミリスチ
ン酸イソプロピル/デカメチルシクロペンタシロキサン
/ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド/液化石油ガス
=3/1.5/0.7/0.8/94である。なお、前
記二酸化チタンの有無および白金担持の有無は、下記表
1に示すとおりである。
【0041】次に、前記エアゾール組成物を、以下に示
すフィルム状ラップ材、樹脂容器、ガラス容器に噴射し
た。 (実施例6)実施例1〜5と同様に、エアゾール組成物
を調製した。すなわち、三酸化タングステン(和光純薬
工業社製)とミリスチン酸イソプロピル、デカメチルシ
クロペンタシロキサン、ポリオキシエチレン脂肪酸グリ
セリドを液化天然ガスとともにスプレー缶に充填しエア
ゾール組成物とした。この重量割合は、三酸化タングス
テン/ミリスチン酸イソプロピル/デカメチルシクロペ
ンタシロキサン/ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド
/液化石油ガス=3/1.5/0.7/0.8/94で
ある。
【0042】次に、前記エアゾール組成物を、以下に示
すフィルム状ラップ材に噴射した。 (比較例1〜3)比較例として、光触媒で処理していな
い以下に示すフィルム状ラップ材、樹脂容器を使用し
た。袋状包装材料(鮮度保持袋)として、以下に示す市
販のものを使用した。
【0043】また、後記の評価において使用した光源の
種類も下記の表1に示す。 (フィルム状ラップ材)フィルム状ラップ材として、旭
化成社製の商品名「サランラップ」を用い、前記エアゾ
ール組成物を用いて、前記ラップ材片側表面に噴射し、
包装材料を作製した。
【0044】(樹脂容器)樹脂容器として、家庭用密閉
式容器(製品名「ハイパック」;ポリプロピレン製)を
用い、前記エアゾール組成物を、容器内壁全面に噴射し
て包装材料を作製した。
【0045】(ガラス容器)ガラス容器として、デシケ
ーター(シバタ社製)を用い、前記エアゾール組成物
を、容器内壁全面に噴射して包装材料を作製した。
【0046】(袋状包装材料)鮮度保持袋として市販さ
れているニッショー社製商品名「愛菜果」を使用し、包
装材料とした。
【0047】
【表1】
【0048】このようにして得られた実施例1〜6、比
較例1〜3の包装材料について、以下に示す方法により
3つの評価を行い鮮度保持効果を調べた。この結果を下
記の表2に示す。
【0049】(評価1)バナナを上記包装材料で包装ま
たは収納し、120時間保存した後バナナ表面積に対す
る表面の黒変劣化部分の面積を測定し、下記の式(数
1)により表面黒変度を算出し、鮮度保持効果を評価し
た。
【0050】
【数1】
【0051】 表面黒変度(%)=(S1/S0)×100 S1:120時間後の表面の黒変劣化面積(cm2 ) S0:バナナの全表面積(cm2 ) また、同時にバナナの実部分の劣化状態を目視にて観察
した。判定は以下の指標で示した。
【0052】 変化なし:○ 若干劣化:△ 腐敗 :× (評価2)キャベツの葉部分を20g採取し、上記包装
材料で包装または収納し、120時間保存した後、全体
の劣化度(縮み、軟化、黄変)を目視および触手で判定
した。判定は以下の指標で示した。
【0053】 変化なし : ◎ 縮み・軟化・黄変 小 : ○ 縮み・軟化・黄変 中 : △ 腐敗 : × (評価3)バラの花1輪を上記包装材料で包装または収
納し、120時間保存した後、全体の劣化度(しおれ)
を目視にて判定した。判定は以下の指標で表現した。
【0054】 変化なし : ○ しおれ 小 : △ しおれ 大 : ×
【0055】
【表2】
【0056】上記表2から、二酸化チタンあるいは白金
担持二酸化チタンを付着した実施例の包装材料は、バナ
ナ、キャベツおよびバラの鮮度をいずれも有効に保持し
たことがわかる。これに対し、光触媒を備えない比較例
1,2の包装材料は、鮮度保持効果がほとんど確認でき
なかった。また、市販の鮮度保持袋を使用した比較例3
は、ある程度の鮮度保持効果が確認できたものの、不充
分であり、本発明の実施例と比較すると、明らかに劣っ
ていた。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明の園芸農作物の鮮
度保持用包装材料は、光により励起されてエチレンを分
解する光触媒を備え、かつ光透過性のものである。すな
わち、光透過性の包装材料が、優れたエチレン分解能を
有する光触媒を備えることから、これを用いて、園芸農
作物の包装を行えば、包装空間が密閉空間となり、前記
光触媒のエチレンガス分解能が充分に発揮されて、園芸
農作物の鮮度が効果的に保持される。また、包装材料内
においてエチレンガスの除去を行うことから、特別な工
程、装置および設備も必要なく、簡便にかつ低コストで
園芸農作物の鮮度保持を実現することが可能となる。さ
らに、酸化チタン等の光触媒は、園芸農作物に悪影響を
与えず、かつ毒性等の衛生的な問題もなく安全性に優れ
る。
【0058】また、本発明の園芸農作物の鮮度保持用包
装材料は、液化噴射剤および前記光触媒を含有するエア
ゾール組成物を、包装基材のエチレン雰囲気接触面に噴
射して前記光触媒を付着するだけで製造することできる
極めて簡便な方法である。したがって、前記本発明のエ
アゾール組成物を用いれば、家庭的あるいは工業的を問
わず、特別な装置および設備を必要とすることなく、高
性能の園芸農作物の鮮度保持用包装材料を製造すること
ができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光により励起されてエチレンを分解する
    光触媒を備え、かつ光透過性である園芸農作物の鮮度保
    持用包装材料。
  2. 【請求項2】 光触媒が、包装材料のエチレン雰囲気接
    触面に0.0001〜10g/m2 の割合で付着してい
    る請求項1記載の園芸農作物の鮮度保持用包装材料。
  3. 【請求項3】 光触媒が、酸化チタンおよび白金を担持
    する酸化チタンの少なくとも一方の酸化チタンである請
    求項1または2記載の園芸農作物の鮮度保持用包装材
    料。
  4. 【請求項4】 液化噴射剤および光により励起されてエ
    チレンを分解する光触媒を含有するエアゾール組成物
    を、光透過性包装材料基材のエチレン雰囲気接触面に噴
    射して前記光触媒を付着させる園芸農作物の鮮度保持用
    包装材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 光透過性包装材料基材が、光透過性フィ
    ルム状樹脂である請求項4記載の園芸農作物の鮮度保持
    用包装材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 液化噴射剤および光により励起されてエ
    チレンを分解する光触媒を含有する園芸農作物の鮮度保
    持用エアゾール組成物。
  7. 【請求項7】 光触媒の含有割合が、液化噴射剤に対
    し、0.1〜50重量%である請求項6記載の園芸農作
    物の鮮度保持用エアゾール組成物。
JP14171396A 1996-06-04 1996-06-04 園芸農作物の鮮度保持用包装材料およびその製造方法並びにそれに用いる園芸農作物の鮮度保持用エアゾール組成物 Pending JPH09323751A (ja)

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