JPH09224565A - カット野菜の鮮度保持方法 - Google Patents

カット野菜の鮮度保持方法

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JPH09224565A
JPH09224565A JP3763696A JP3763696A JPH09224565A JP H09224565 A JPH09224565 A JP H09224565A JP 3763696 A JP3763696 A JP 3763696A JP 3763696 A JP3763696 A JP 3763696A JP H09224565 A JPH09224565 A JP H09224565A
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JP
Japan
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vegetables
cut
cut vegetables
trehalose
vitamin
Prior art date
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Pending
Application number
JP3763696A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Kajiwara
伸二 梶原
Kunihiko Ketsuen
邦彦 結縁
Harumi Naruse
治己 成瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Kyokuto International Corp
Original Assignee
Kyokuto International Corp
Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kyokuto International Corp, Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd filed Critical Kyokuto International Corp
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Publication of JPH09224565A publication Critical patent/JPH09224565A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便であって且つ低コストで実施することが
でき、カット野菜を5日以上の長期間にわたり新鮮な状
態に保持することができ、安全性にも問題のないカット
野菜の鮮度保持方法を提供する。 【解決手段】 0.8〜1.5重量%のエチルアルコー
ル、0.1〜5重量%のトレハロース、及び0.005〜
0.3重量%のビタミンC類を含有する水溶液に、適当
な大きさに切断した野菜を接触せしめるカット野菜の鮮
度保持方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、販売用に適当な大
きさに切断されたカット野菜の鮮度保持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では、社会生活及び食生活の変化に
より、単一種又は複数種の野菜を刻んで袋詰めにしたカ
ット野菜と呼ばれるものがスーパーマーケット等の店頭
に並び、広く普及するようになってきた。
【0003】しかし、これらカット野菜は、まるごとの
野菜類と異なり傷みが早いので、その保存方法が種々検
討されている。従来から一般的に用いられている野菜類
又はカット野菜の品質保持技術としては、温度及び湿度
の制御による方法、包装手段や包装内の封入ガスの制御
による方法、並びに化学物質を用いる方法が知られてい
る。
【0004】化学物質による野菜の鮮度保持方法として
は、例えば特開平2−227027号公報に記載される
ようにエチルアルコール含有液を利用する方法があり、
また特開平6−227904号公報にはトレハロースの
みを有効成分とする野菜のや切花の鮮度保持剤が提案さ
れている。又、ビタミンC類を野菜の鮮度保持に用いる
ことも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した野菜の保存方
法において、温度及び湿度の制御による方法は一般的に
有効ではあるが、設備等に多大の費用がかかるため容易
に実施可能な方法とは言い難い。又、包装手段や封入ガ
スを制御する方法も、満足すべき保存状態を得るには厳
重な包装と封入ガスの制御が必要なため、設備や使用材
料が高価になり、やはり容易に実施できるとは言い難い
方法である。
【0006】化学物質による方法のうち、エチルアルコ
ールにカット野菜を接触させる方法はある程度の効果が
認められるものの、カット野菜を満足すべき新鮮な状態
で5日以上保存することはできなかった。又、トレハロ
ースを用いる方法の場合、トレハロースそれ自体には抗
菌力がないので、カット野菜の変色、褐変、異臭等の発
生を充分に抑制することができないという問題があっ
た。尚、ビタミンC類にもそれなりの効果はあるが、そ
れのみでは野菜の満足すべき鮮度保持は不可能であっ
た。
【0007】本発明は、このような従来の事情に鑑み、
簡便であって且つ低コストで実施することができ、カッ
ト野菜を5日以上の長期間にわたり新鮮な状態に保持す
ることができ、安全性にも問題のないカット野菜の鮮度
保持方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らはカット野菜の鮮度保持について鋭意研
究した結果、エチルアルコール、トレハロース及びビタ
ミンC類を含有する水溶液にカット野菜を接触させるこ
とにより、カット野菜の鮮度を長期間にわたり満足すべ
き状態に保持し得ることを見いだし、本発明に至ったも
のである。
【0009】即ち、本発明は、0.8〜1.5重量%のエ
チルアルコール、0.1〜5重量%のトレハロース、及
び0.005〜0.3重量%のビタミンC類を含有する水
溶液に、適当な大きさに切断した野菜を接触せしめるカ
ット野菜の鮮度保持方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明方法においては、通常のご
とく切断し又は刻んだカット野菜を保存する際に、エチ
ルアルコール、トレハロース及びビタミンC類を含む水
溶液に浸漬あるいは噴霧等の手段により接触させる。
尚、野菜を上記水溶液に浸漬させる時間は、1分以上3
0分以下が好ましい。
【0011】エチルアルコールは食品及び食品加工に供
されるものであって、その安全性は確認されたものであ
る。本発明で用いるエチルアルコールは、日本アルコー
ル専売で販売される食品用変性アルコールを含有するも
のが好ましいが、消毒用として市販されているものでも
差し支えない。エチルアルコールは、本発明方法で使用
する濃度では殺菌力が得られる程ではないが、水洗時に
カット野菜に吸収される水分を除去し、保存中における
カット野菜からの離水及び軟化を抑制する作用がある。
【0012】本発明で用いる水溶液中のエチルアルコー
ルの濃度は、0.8〜1.5重量%の範囲が好ましい。エ
チルアルコールの濃度が0.8重量%未満では水洗時に
吸収される水分の除去効果が十分に得られず、満足すべ
き鮮度保持が認められない傾向があり、1.5重量%よ
り高濃度であると水分除去効果が過剰となり、逆に組織
の軟化が促進されるため好ましくない。
【0013】トレハロースは2分子のD−グルコースが
1.1結合した形の非還元性二糖類の一種であり、カ
ビ、酵母、紅藻、地衣類、多くの昆虫などに分布し、白
色粉末で少し甘味があり、水に可溶な安定物質であっ
て、食品への使用が認められている。トレハロースには
3種類の異性体(α、α体;α、β体;β、β体)があ
り、結晶形態は二水和物結晶や無水和物結晶が知られて
いる。又、トレハロースの製法は問わない。例えば、特
開平7−213283号公報に開示されている澱粉から
酵素糖化方法により生産され、株式会社林原商事から販
売されている商品名「トレハオース」が有利に使用でき
る。
【0014】本発明で用いるトレハロースは、前記いず
れの方法又は結晶形態で取得されたものでもよく、それ
らは精製品であっても純度の低い粗製品であってもよい
し、もちろん市販品を購入して使用に供することもでき
る。トレハロースは、カット野菜に吸収されることによ
り、カット野菜の膜や膜タンパクを保護することによ
り、カット野菜の組織の劣化を抑制する作用がある。
【0015】本発明で用いる水溶液中のトレハロースの
濃度は0.1〜5重量%の範囲が好ましく、0.2〜2重
量%の範囲がより好ましい。トレハロースの濃度が0.
1重量%未満ではカット野菜の切断面の傷みが抑制され
ず、5重量%より高濃度に添加してもそれ以上の効果は
発揮されない。
【0016】本発明に用いるビタミンC類としては、L
−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L
−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、及びL−アス
コルビン酸パルミチン酸エステル等がある。本発明では
このいずれのビタミンC類を用いてもよいが、水溶性の
高いものの方が使い易いので、中でもL−アスコルビン
酸ナトリウムがより好適である。また、上記のようなビ
タミンC類は一般に栄養強化を目的として日常的に使用
されており、その安全性は既に確認されたものである。
【0017】ビタミンC類には酸化防止効果があるの
で、カット野菜の変色や褐変を抑制する作用を果す。本
発明で用いる水溶液中のビタミンC類の濃度は、0.0
05〜0.3重量%の範囲が好ましく、0.01〜0.1
重量%の範囲がより好ましい。ビタミンC類の濃度が
0.005重量%未満ではカット野菜の変色や褐変を十
分に抑制することができず、0.5重量%を越えるとカ
ット野菜にビタミンC類の味が認められ、不快感を与え
るという傾向がある。
【0018】尚、本発明方法を適用し得る野菜の種類に
は何ら制限はないが、カット野菜として一般的に使用さ
れ且つ痛みやすいために鮮度保持が必要とされる野菜、
例えばレタス、胡瓜、大根、かいわれ大根、キャベツ、
葱類等に特に有効である。
【0019】又、本発明を利用したカット野菜の処理工
程は、以下のごとく行うのが好ましい。まず、通常のご
とく野菜を洗浄し、この野菜を次亜塩素酸ナトリウムで
殺菌した後、この野菜を切断し又は刻んでカット野菜と
し、更に次亜塩素酸ナトリウムで殺菌し、水洗して水切
りする。次に、このカット野菜を、本発明のエチルアル
コール、トレハロース及びビタミンC類を含有する水溶
液液に接触させ、接触後のカット野菜を洗浄することな
く、そのまま袋詰めして市場に出荷する。
【0020】
【実施例】カット野菜の材料として、市販の胡瓜を購入
し試験に供した。試料の胡瓜はできるだけ成長状態及び
鮮度状態が同程度のものを選んだ。まず、水洗いした胡
瓜を200ppmの次亜塩素酸ナトリウムに15分間浸
漬した後、充分に水洗して次亜塩素酸ナトリウムを除去
した。次に、胡瓜をカット野菜に適する大きさの短冊状
に切りに刻み、これを更に200ppmの次亜塩素酸ナ
トリウムに15分間浸漬し、充分に水洗した。
【0021】下記表1に示す配合の水溶液をそれぞれ作
成し、これらの各水溶液に上記のごとく処理したカット
胡瓜を5分間浸漬した。その後、カット胡瓜を水溶液か
ら取り出して水切りし、それぞれ90グラムずつプラス
チックの袋に入れて密封し、冷蔵庫に入れて10℃にて
冷蔵保管した。尚、ビタミンC類としてL−アスコルビ
ン酸ナトリウムを使用した。
【0022】
【表1】 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0023】各カット胡瓜の試料を、保存開始から1日
経過後(D+1)、3日経過後(D+3)、及び6日経
過後(D+6)において、カット胡瓜の変色、褐変、細
胞組織の変化などの外観を観察して鮮度保持状態を評価
し、その結果を下記表2に示した。又、上記の1〜6日
の各期間経過後に、カット胡瓜の各試料より分離した水
を分取し、保存中にカット胡瓜から分離した水の量(離
水量)を求めて表2に併せて示した
【0024】
【表2】 (注)表中の*を付した試料は比較例である。 外観評価は、○:変化なし、△:若干変化あり、×:変
化あり、とした。
【0025】以上の結果から、エチルアルコール、トレ
ハロース及びL−アスコルビン酸ナトリウムを適量配合
した水溶液にカット野菜を接触させることにより、カッ
ト野菜の外観、色調、変色、軟化、臭気等がなく、水分
の分離量も極めて少なくすることができ、殆どの試料が
6日程度の鮮度保持が可能であることが確認された。た
だし、野菜の種類により、その効果には若干の差が認め
られた。尚、比較例の試料14は外観評価及び離水量に
おいてはほぼ良好であったが、過剰なビタミンC類によ
る味が認められ好ましくなかった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、カット野菜の離水、変
色、軟化、臭気の発生などを抑制し、新鮮な状態を5日
間以上の長期にわたって維持することができる。しか
も、本発明によるカット野菜の処理では、食品または飲
料として通常用いられている成分のみを用いるので、極
めて安全性が高いものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.8〜1.5重量%のエチルアルコー
    ル、0.1〜5重量%のトレハロース、及び0.005〜
    0.3重量%のビタミンC類を含有する水溶液に、適当
    な大きさに切断した野菜を接触せしめることを特徴とす
    るカット野菜の鮮度保持方法。
JP3763696A 1996-02-26 1996-02-26 カット野菜の鮮度保持方法 Pending JPH09224565A (ja)

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JP3763696A JPH09224565A (ja) 1996-02-26 1996-02-26 カット野菜の鮮度保持方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008237208A (ja) * 2007-03-01 2008-10-09 Q P Corp 殺菌葉野菜の製造方法
JP2009077650A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Q P Corp 容器詰め殺菌野菜の製造方法
JP2012196204A (ja) * 2011-03-10 2012-10-18 National Agriculture & Food Research Organization 植物の長期維持方法

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