JP2006191824A - 皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持溶液、鮮度保持方法及び鮮度保持包装体 - Google Patents

皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持溶液、鮮度保持方法及び鮮度保持包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】 皮剥き芯抜きカットりんごの食感・風味・色彩を新鮮な状態に長期間維持できるようにするための、皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持溶液、鮮度保持方法及び包装体を提供すること。
【解決手段】 りんごを洗浄又は消毒し、りんごの皮を剥き芯を抜き、0.02〜0.05%アスコルビン酸の酸化防止剤溶液を付着させ、次いで所定の大きさにカットしたカットりんごを、質量%で、カテキン類:0.0015〜0.3%、プロシアニジン類:0.002〜0.5%、L−アスコルビン酸:0.025〜3.0%、有機酸類:0.005〜0.5%及び塩類:0.015〜2.0%を含有する純水又は蒸留水の鮮度保持溶液を付着させた後、カットりんごと脱酸素剤とをガス不透過性の袋又は容器に一緒に収納し、該袋又は容器内に1〜99vol%の炭酸ガスを含む窒素ガスを充填し密封し、密封した該袋又は容器を1〜10℃で冷蔵保存することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、皮剥き芯抜きカットりんごの長期間鮮度保持に関するもので、特に、カットりんごの鮮度保持溶液、鮮度保持方法及び鮮度保持包装体に関するものである。
りんごは、日常生活において頻繁に食されているが、りんごの皮を除去する手間を省きすぐに食したり、調理できるように、既に皮剥き芯抜きカットりんごの状態で販売されるようになってきている。
例えば、スーパーマーケットやファーストフード等の販売店においては、カットりんごの袋詰品や、カットりんごと野菜類とを袋詰品としてサラダ用に供されていたり、ケーキ類の製菓メーカでは皮剥き芯抜きカットりんごの袋詰品を製菓に用いている。
ところが、殆どのりんごは皮を剥いてカットすると、りんごに含まれているポリフェノールが空気中の酸素と触れることによって酸化現象を起こし、短時間で皮を剥いた部分やカットした部分が褐色に変化する(褐変と称されている)。
このため、皮剥き芯抜きカットりんごは、輸送中或いは販売される前に褐変してしまい、食感、食味(風味)、色彩を劣化させて商品として販売することができなくなる。
このようなカットりんごの褐変が生じるのを防止することに関しては、これまで種々の技術が提案されている。
例えば、殺菌剤によってりんご全体の表面を消毒し、りんごの芯を取り、切断して切片とし、りんご片を約5〜約15質量/体積%のL−アスコルビン酸を含有し、pHが約2.2〜2.7の間にある酸性溶液に、りんご片中のL−アスコルビン酸含有量をりんご片100g当たり約200〜約600mgの間とするのに十分な時間浸漬し、りんご片の表面から過剰の溶液を除去して、損傷性微生物の生育を遅延させ、りんご片を容器に入れ、容器中のりんご片を約0℃〜約4℃の間に24時間急冷し、りんご片入りの容器を約0℃〜約10℃の間の温度で貯蔵することを包含する新鮮なりんご片の貯蔵方法や(例えば、特許文献1参照)、カットりんごを、L−アスコルビン酸水溶液で処理した後、食塩を含有した酸性水中油型乳化液と和えるカットりんごの製造方法等がある(例えば、特許文献2参照)。これらに開示される技術は、酸化防止作用のあるL−アスコルビン酸によってりんご片の鮮度を維持しようとするものであるが、L−アスコルビン酸を用いるだけでは、皮剥き芯抜きカットりんご(りんご片)の褐変を長期間防止することは困難であり、風味(食味)の劣化が避けられないという問題がある。
また、保存しようとする果物または野菜の酸化を抑制するビタミンCもしくはL−アスコルビン酸塩を含む果物ジュース成分と、糖のような保存成分と、グレープシードオイル、および/または、エンゾジノールもしくはプロアンソシアニジン粉末のような、パイナス・ラジアタ(Pinu Radiata)もしくはパイナス・ピナスタ(Pinu Pinasta)の樹皮抽出物のような天然オイルコーティン材料から選択される1種のフラボノイドを含む少なくとも1種の抗酸化剤、またはフラボノイド含有抗酸化剤のいずれか1種である抗酸化剤成分とを含む、皮を剥いた果物および野菜、木の実、新芽、果物及び野菜ジュース、ならびに切花のための保存溶液が知られている(例えば、特許文献3参照)。この保存溶液は、フラボノイド含有抗酸化剤を含有していて、鮮度保持に有効であると考えられるが、溶液中に糖類を含有しているため、風味に問題がある。
特表平11−504523号公報 特開2001−309749号公報 特表2003−524427号公報
本発明は、上記実情に鑑み、皮剥き芯抜きカットりんごを食品添加物の使用によって、食感・風味・色彩を新鮮な状態に長期間維持できるようにするための、皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持溶液、鮮度保持方法及び包装体を提供することを課題とするものである。
りんごは、皮を剥くと、空気中の酸素と触れることによって酸化現象を起こし、皮を剥いた部分が褐色に変化する。その褐変予防策として酸化防止剤(L−アスコルビン酸、ビタミンC)が用いられるが、一種類の酸化防止剤では、一時的な褐変現象は抑制できるが、持続させることは不可能である。
本発明は、鮮度保持溶液を用いることにより冷蔵保存状態で、カットりんごの酸化を長期間(2週間以上)抑制し、許容できる範囲内で食感・風味・色彩が新鮮な状態を維持できるようにした。
鮮度保持溶液の詳細は、食品添加物として許可を得ている抗酸化性作用のあるカテキン類及びプロシアニジン類を酸化防止補助剤として酸化防止剤(L−アスコルビン酸)に加え、さらに有機酸類及び塩類(食塩)によって溶液の濃度(pH)を調整し、りんごの劣化を抑制するようにしたものである。これらの食品添加物を組み合わせることによって、鮮度保持に各物質の相乗効果を発揮させることができた。
包装形態は、ガス(食品用ガス)置換方法を用いて、カットりんごと脱酸素剤を容器に入れて密封をして包装体とする。この包装体を冷蔵状態(1〜10℃)で保管することによって、長期間(2週間以上)許容できる範囲内で食感・風味・色彩が新鮮な状態を維持できることを見出して本発明を完成した。
本発明の要旨は、次のとおりである。
(1) 質量%で、
カテキン類 0.0015〜0.3%、
プロシアニジン類 0.002〜0.5%、
L−アスコルビン酸 0.025〜3.0%、
有機酸類 0.005〜0.5%、
塩類 0.015〜2.0%
を含有する純水又は蒸留水の水溶液であることを特徴とする皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持溶液。
(2) 溶液のpHが2〜3であることを特徴とする上記(1)記載の皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持溶液。
(3) りんごを洗浄又は消毒し、りんごの皮を剥き芯を抜き、0.02〜0.05%L−アスコルビン酸の酸化防止剤溶液に浸漬するか、または、該酸化防止剤溶液を吹き付け、次いで所定の大きさにカットしてカットりんごとし、引き続き、上記(1)または(2)に記載の鮮度保持溶液に浸漬するか、または、該鮮度保持溶液を吹き付け、りんごの果肉表面に付着した過剰の該鮮度保持溶液を除去した後、カットりんごと脱酸素剤とをガス不透過性の袋又は容器に一緒に収納し、該袋又は容器内に1〜99vol%の炭酸ガスを含む窒素ガスを充填し、該袋又は容器を密封し、密封した該袋又は容器を1〜10℃で冷蔵保存することを特徴とする皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持方法。
(4) 前記酸化防止剤溶液に浸漬するか、または前記酸化防止剤を吹き付けた後に、りんごに残っている皮及び芯を取り除き、再度、前記酸化防止剤溶液に浸漬するか、または前記酸化防止剤を吹き付け、次いで所定の大きさにカットしてカットりんごとすることを特徴とする上記(3)記載の皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持方法。
(5) 前記鮮度保持溶液に浸漬する時間が5〜30秒であることを特徴とする上記(3)又は(4)記載の皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持方法。
(6) りんごの果肉表面に付着した過剰の前記鮮度保持溶液を振動、遠心分離又はガスを吹き付けて除去することを特徴とする上記(3)〜(5)の何れかに記載の皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持方法。
(7)上記(1)または(2)に記載の鮮度保持溶液に浸漬又は該鮮度保持溶液を吹き付けたカットりんごと、脱酸素剤とをガス不透過性の袋又は容器に一緒に収納し、該袋又は容器内に1〜99vol%の炭酸ガスを含む窒素ガスを充填し、該袋又は容器を密封したことを特徴とするカットりんごの鮮度保持包装体。
本発明の鮮度保持溶液で鮮度保持処理されたカットりんごは、密封袋又は容器で長期間冷蔵保存された後、開封しても、短時間での褐変現象は発生しなく、食感、風味(食味)、色彩も新鮮な状態を保持できる。
食品において、果物もしくはカット果物の老化を防ぐことは、不可能と思われている中で、本発明は、人工香味料や糖類を使用することなく、食品添加物と脱酸素剤(非鉄系)及び食品用ガスを使用することで長期間(2週間以上)カットりんごの食感・風味・色彩を新鮮な状態で維持できる。
りんごは、本来の白さ又は黄色を保ち、サクサクした歯ごたえの食感があり、酸味のある風味を有している。
りんごは、皮を剥いたりカットすると、りんご中に含まれているポリフェノールが空気中の酸素と触れることで酸化現象を起こし、皮を剥いた部分やカットした部分が褐色に変化(褐変現象)すると共に、時間が経過するにしたがって食感、風味が劣化する。
家庭等で皮を剥いてカットしたりんごを直に食する場合には、カットりんごの褐変等は殆ど問題とならない。
しかし、りんごの皮を剥き芯を抜いてカットしたカットりんご、例えば、小さく切り分けたり、スライスしたり、或いはさいの目状に切ったりんごは、そのままの状態で調理することなく使用することができるので便利であって、カットりんごをそのまま食する消費者や、りんごを使用してサラダやケーキ類を製造する調理者に要望されている。
このような要望に答えるべく、カットりんごを包装して小売店や市場に出荷するが、褐変、食感、風味等の劣化が生ずるので、このための劣化防止策を行っている。
カットりんご片が空気に接触すると数時間以内に表面の褐変が生じ、その褐変は日数と共に増加し、一両日中でも食品として適さない状態となる。この褐変は、りんご中に含有されているポリフェノール類が酸化して褐色メラニンポリマーに変化することによって生ずるものとされている。
カットりんごの褐変の防止は、りんごに含まれているポリフェノール類の酸化を防ぐことで達成できるので、カットりんごの表面に酸化防止剤を存在させることが行われる。
しかし、食品添加物として認められている酸化防止剤であるL−アスコルビン酸(ビタミンC)の濃度にもよるが、通常の使用濃度では褐変防止の持続効果はせいぜい2〜3日である。
そこで、本発明者は、カットりんごの褐変防止の持続効果が出荷、販売等に必要とされる期間である少なくとも2週間以上存在し、カットりんごの食感、風味、鮮度を劣化させない鮮度保持溶液について鋭意研究を行った。
その結果、食品添加物として認可を得ているカテキン類、プロシアニジン類、有機酸類及び塩類(食塩)と酸化防止剤(L−アスコルビン酸)とを組み合わせた溶液は、各成分の相乗効果により褐変防止の持続効果が長くなり、りんごの食感、風味、鮮度を劣化させないことが分かった。
カテキン類及びプロシアニジン類は、ポリフェノール類に属し、酸化防止剤であるL−アスコルビン酸と共存することで、抗酸化作用の相乗効果が得られる。
したがって、本発明の鮮度保持溶液では、抗酸化性作用のあるカテキン類を含んだ食品添加物とプロシアニジン類を含んだ食品添加物とを酸化防止補助剤として、酸化防止剤であるL−アスコルビン酸と混合することにより抗酸化作用を相乗的に発揮させることとした。
また、これら食品添加物を溶解させる水としては、純水又は蒸留水を用いることが大切である。例えば、井戸水には酸化鉄等の鉄分が含まれていることが多く、この鉄分が食品添加物成分と反応して着色するので好ましくない。そして、純水とは、逆浸透膜等を用いて水中に含まれている不純物を除去した水を意味する。
さらに、食品添加物を溶解した水溶液は、りんごに微生物が発生し、腐敗が進行するのを防止するため、pH2〜3、好ましくはpH2.2〜2.7に調整する。pH調整剤及び腐敗防止剤としては、有機酸類及び塩類を用いる。
本発明におけるカットりんごの鮮度保持溶液の具体的組成及び濃度は、質量%で、次の通りである。
カテキン類 0.0015〜0.3%、
プロシアニジン類 0.002〜0.5%、
L−アスコルビン酸 0.025〜3.0%、
有機酸類 0.005〜0.5%、
塩類 0.015〜2.0%
を含有する純水又は蒸留水の水溶液である。
本発明のカットりんごの鮮度保持溶液において、各成分及びその濃度を規定した理由について説明する。
カテキン類には、カテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン及びエピカテキンがあり、エピカテキンの単量体はお茶に多く含まれていて、多量体はりんごの果皮に600〜700mg、果肉に150〜180mg含まれている成分であって、特に、エピカテキンの多量体は抗酸化作用に優れ、水に強く、熱にも強い性質を有していることが知られている。このため、カテキン類としては、エピカテキンの多量体を含むカテキン類を用いることが好ましい。
また、プロシアニジン類は、カテキン又はエピカテキンを構成ユニットとする重合体で構成され、2量体から15量体まで存在し、抗酸化作用があることが知られている。
本発明では、酸化防止剤として用いられているL−アスコルビン酸(ビタミンCと呼ばれている)に、カテキン類及びプロシアニジン類を添加して、抗酸化作用を相乗的に発揮させることとした。そして、抗酸化作用を相乗的に発揮させるためには、カテキン類は0.0015%以上、プロシアニジン類は0.002%以上含有させることが必要である。しかし、これらカテキン類及びプロシアニジン類は、それぞれ0.3%、0.5%でその効果は飽和し、これらの成分を含有する食品添加物は高価であって、それを超えて含有させても経済的にデメリットが生ずることとなる。したがって、カテキン類は0.0015〜0.3%、プロシアニジン類は0.002〜0.5%の範囲で含有させることとした。
酸化防止剤であるL−アスコルビン酸は、りんご中に含まれているポリフェノールの酸化を防止し、りんごの褐変(褐色化現象)を抑制する作用を有しているが、りんごの褐変を抑制するに必要なL−アスコルビン酸の含有量は、0.025%以上である。一方、その含有量が3.0%を超えると酸味が強くなりすぎてりんごの食味がなくなるので、L−アスコルビン酸の含有量を0.025〜3.0%の範囲とした。
有機酸類と塩類は鮮度保持溶液のpH(濃度)を調整し、りんごの劣化を抑制するために添加する。りんごの褐変はpH3超で生じ易く、また、りんごの切断面で成長する微生物は、酵母、かび、乳酸菌等であるが、これらの菌はpH3以下になると成長が抑制され、りんごの腐敗を抑制する。このため、鮮度保持溶液のpHを3以下、好ましくは2.7以下にする必要がある。しかし、pH2未満にすると酸味が強くなって食味を劣化させるので好ましくない。したがって、鮮度保持溶液のpHは2〜3、できればpH2.2〜2.7に調整することが好ましい。このための有機酸類としては、クエン酸、りんご酸等の有機カルボン酸を0.005〜0.5%用いることができる。また、腐敗抑制効果のある塩類としては、食塩を0.015〜2.0%用いることが好ましい。食塩が0.015%未満であるとその効果を十分に発揮させることができず、2.0%を超えると食塩の味が強くなりすぎるので好ましくない。
次に、本発明の皮剥ぎ芯抜きカットりんごの鮮度保持方法の例について説明する。
まず、りんご表面を洗浄或は消毒した後に、皮を剥ぎ芯を抜き、0.02〜0.05%L−アスコルビン酸の酸化防止溶液中に浸漬するか、または、この溶液を吹き付けて、りんごの表面にL−アスコルビン酸を付着させる。必要に応じて、りんごに残っている皮や芯を取り除いて、再度、0.02〜0.05%L−アスコルビン酸の酸化防止溶液中に浸漬するか、または、この溶液を吹き付けて、りんごの表面にL−アスコルビン酸を付着させる。この様に本発明の鮮度保持溶液で処理する前に、酸化防止剤であるL−アスコルビン酸をりんご表面に付着させておくことで、りんごの褐変が効果的に防止できる。この際、酸化防止溶液中のL−アスコルビン酸の濃度が、0.02%未満であると褐変防止効果が不十分であり、0.05%を超えるとりんごの酸味が増加して食味を阻害させることとなる。このため、酸化防止溶液中のL−アスコルビン酸濃度は0.02〜0.05%とした。
次いで、所要の大きさにカットしてカットりんごとする。このカットりんごを前記した鮮度保持溶液に5〜30秒間浸漬する。浸漬時間が5秒未満であると鮮度保持溶液の効果が十分に得られない。しかし、浸漬時間が30秒を超えると鮮度保持溶液がりんごの果肉表面部に過剰に付着、浸透することになり、りんごの果肉表面の食味が著しく減退する。浸漬後のカットりんごは、必要に応じて、表面に付着している過剰の溶液を、例えば振動、遠心分離やガスを噴射することで除去する。
次いで、このカットりんごをガス不透過性合成樹脂製の袋または容器に収納し、脱酸素剤(非鉄系)を一緒に挿入すると共に、1〜99vol%炭酸ガスを含有する窒素ガスを封入して、熱シール等で袋または容器の密封処理を行う。りんごの成熟を抑制してサクサクした食感を保持するためには、炭酸ガスを存在させることが有効であり、食品ガスである1〜99vol%炭酸ガスを含有する窒素ガス雰囲気中にカットりんごを保持することでりんごの新鮮さを保つことができる。
ガス不透過性(ガスバリヤー性)樹脂としては、二軸延伸ポリプロピレン樹脂フイルムの片面又は両面にポリ塩化ビニリデン樹脂をコートした積層体やアクリロニトリル共重合体樹脂等が知られていて、これら市販のガス不透過性樹脂製の袋や容器を用いればよい。
また、袋や容器中に混合ガスを入れてりんごを密封しただけでは、りんごに含まれている残留酸素の影響によって褐変が生ずるので、袋や容器中にりんごと一緒に脱酸素剤を入れてりんごから発生した酸素を除去する。なお、脱酸素剤として、酸素と反応して発色する性質のある脱酸素剤を用いれば袋や容器中の酸素の存在状態を判断することができるので便利である。
カットりんごを密封した袋や容器は、1〜10℃で冷蔵保存する。この温度範囲で保存することで、りんごの追熟を抑制することができ、りんごの鮮度を維持できる。保存温度が、1℃未満であるとりんごの繊維が壊れて食感を劣化させる。一方10℃を越えるとりんごの追熟を効果的に抑制できず、褐変が生じやすくなり、食感をも劣化させることとなる。
以下実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
本発明のカットりんごの鮮度保持方法は、以下の工程で行った。
a)りんごを食品用界面活性剤で洗浄後きれいに濯ぎ洗いをする。
b)洗浄されたりんごを皮むき芯抜き器で皮と芯を取り除く。
c)皮と芯を取り除かれたりんごを0.04%L−アスコルビン酸の酸化防止剤溶液に浸漬する。
e)浸漬したりんごの皮むき芯抜き器で取り除くことができなかった皮及び芯をきれいに取り除く。
f)再度、0.04%L−アスコルビン酸の酸化防止剤溶液に浸漬する。
g)りんごを8等分にカットする(用途に合わせたカットサイズとする)。
h)カットりんごを鮮度保持溶液に約20秒間浸漬する。
鮮度保持溶液は、カテキン類を含んだ食品添加物として三共ライフテック社製の商品名サンフード末30(カテキン30%含有)を用い、プロシアニジン類を含んだ食品添加物としてアサヒビール社製の商品名アップルフェノン50(プロシアニジン50%含有)を用い、そして、有機酸類を含んだ食品添加物として青葉化成社製の商品名リンゴスターL(L−アスコルビン酸55%、クエン酸10%、食塩35%含有)を用いて、質量%で、次の組成の水溶液である鮮度保持溶液を準備した。
カテキン類 0.0015%、
プロシアニジン類 0.025%、
L−アスコルビン酸 1.1%、
有機酸(クエン酸) 0.2%、
食塩 0.7%
を含有する純水の水溶液。
i)りんごの果肉表面についた過剰な鮮度保持溶液を窒素ガスで吹き落とす。
j)溶液処理されたカットりんごと脱酸素剤とをガス不透過性容器に入れ、20%CO−N混合ガスを容器に充填し、密封する。
k)密封された容器は、1〜10℃で冷蔵保存する。
2週間冷蔵保存した密封容器を開封し、カットりんごの食感、風味及び色彩について調査した。その結果、カットりんごは、サクサクした歯ごたえの食感があり、適度な酸味で良好な風味(食味)を有し、さらに、褐変もしておらず新鮮なりんごに限りなく近い状態であった。また、密封開封して1時間経過しても褐変現象は発生しなかった。
これに対して、鮮度保持溶液に浸漬を行う上記工程h)を施さなかった比較例では、5日間経過した後に密封容器を開封して、カットりんごの食感、風味及び色彩について調査した結果、カットりんごは追熟していてサクサクした歯ごたえの食感が無くなり、風味が劣っていた。そして、カットりんごに褐変が生じていて、りんごの新鮮さが無くなっていた。また、開封後に短時間で更に褐変が進んだ。
以上の本発明例及び比較例から、本発明で処理されたカットりんごは、長期間新鮮なままで保存できることが確認できた。

Claims (7)

  1. 質量%で、
    カテキン類 0.0015〜0.3%、
    プロシアニジン類 0.002〜0.5%、
    L−アスコルビン酸 0.025〜3.0%、
    有機酸類 0.005〜0.5%、
    塩類 0.015〜2.0%
    を含有する純水又は蒸留水の水溶液であることを特徴とする皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持溶液。
  2. 溶液のpHが2〜3であることを特徴とする請求項1記載の皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持溶液。
  3. りんごを洗浄又は消毒し、りんごの皮を剥き芯を抜き、0.02〜0.05%L−アスコルビン酸の酸化防止剤溶液に浸漬するか、または、該酸化防止剤溶液を吹き付け、次いで所定の大きさにカットしてカットりんごとし、引き続き、請求項1または2に記載の鮮度保持溶液に浸漬するか、または、該鮮度保持溶液を吹き付け、りんごの果肉表面に付着した過剰の該鮮度保持溶液を除去した後、カットりんごと脱酸素剤とをガス不透過性の袋又は容器に一緒に収納し、該袋又は容器内に1〜99vol%の炭酸ガスを含む窒素ガスを充填し、該袋又は容器を密封し、密封した該袋又は容器を1〜10℃で冷蔵保存することを特徴とする皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持方法。
  4. 前記酸化防止剤溶液に浸漬するか、または前記酸化防止剤を吹き付けた後に、りんごに残っている皮及び芯を取り除き、再度、前記酸化防止剤溶液に浸漬するか、または前記酸化防止剤を吹き付け、次いで所定の大きさにカットしてカットりんごとすることを特徴とする請求項3記載の皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持方法。
  5. 前記鮮度保持溶液に浸漬する時間が5〜30秒であることを特徴とする請求項3又は4記載の皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持方法。
  6. りんごの果肉表面に付着した過剰の前記鮮度保持溶液を振動、遠心分離又はガスを吹き付けて除去することを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の皮剥き芯抜きカットりんごの鮮度保持方法。
  7. 請求項1または2に記載の鮮度保持溶液に浸漬又は該鮮度保持溶液を吹き付けたカットりんごと、脱酸素剤とをガス不透過性の袋又は容器に一緒に収納し、該袋又は容器内に1〜99vol%の炭酸ガスを含む窒素ガスを充填し、該袋又は容器を密封したことを特徴とするカットりんごの鮮度保持包装体。
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