JPH09321783A - 音声符号化伝送システム - Google Patents

音声符号化伝送システム

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JPH09321783A
JPH09321783A JP32892596A JP32892596A JPH09321783A JP H09321783 A JPH09321783 A JP H09321783A JP 32892596 A JP32892596 A JP 32892596A JP 32892596 A JP32892596 A JP 32892596A JP H09321783 A JPH09321783 A JP H09321783A
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    • G10L19/16Vocoder architecture
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  • Transmission Systems Not Characterized By The Medium Used For Transmission (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 差分符号化による音声符号化伝送システムに
おいて、無音圧縮を行わない伝送網やSTM網といった
既存の伝送網に改良を加えずに、これを無音圧縮技術を
伴う伝送網やATM網に収容すると音声品質の劣化が生
じる。 【解決手段】 中継ノード104は、音声開始直後の過
渡期間において、符号器114で復号器108からの音
声信号を改めて符号化し、送信端100と受信端102
とをタンデム接続する。この符号器114と受信端10
2の復号器122とには、それぞれ音声開始時に、記憶
器118、128が同一の差分処理の基準値を与え、音
声開始時における内部状態の不一致による異音の発生を
防止する。過渡期間の間に、送信端100の符号器10
6と復号器122との内部状態は漸近する。過渡期間経
過後、無音圧縮器112内のスイッチを切り替えてディ
ジタル1リンクにし、量子化誤差による音声品質劣化を
防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声信号を高能率
に圧縮伝送する音声符号化伝送システムに関し、特に音
声品質の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア通信の時代を迎えて、通
信網は、電話に代表される音声の他、画像やコンピュー
タデータの伝送に利用されるようになった。これら大量
の情報の伝送は、ディジタル技術により実現されてい
る。すなわち、伝送される情報はディジタル符号化さ
れ、交換方式も回線交換からパケット交換へと進歩し
た。さらに今後は、このような多種多様な情報伝送を効
率良く実現するために、ATM(Asynchronous Transfe
r Mode)による通信が主流となるであろう。
【0003】伝送情報量の増大に対応して、伝送の高能
率化を図るため、伝送されるデータをパケット、セルと
いった単位に分割して通信路を多重に利用することが行
われている。音声の伝送においては従来は、差分符号化
などにより音声信号の冗長成分を除いて高能率に符号化
する高能率音声符号化技術が用いられてきた。
【0004】差分を用いて符号化を行う高能率音声符号
化方式としては、ADPCM(Adaptive Differential
Pulse Code Modulation:適応差分パルス符号変調)符
号化方式に代表されるような予測差分符号化方式などが
ある。これら差分を利用する符号化方式は、過去の信号
から現在の信号を予測し、その予測値と実際の信号との
差を量子化する。差分は一般にもとのデータより小さな
値を有するので、それを量子化した符号のビット数は、
差分によらないものより少なくて済む。この方式では、
符号化部、復号部は、過去の音声信号のパラメータの集
合を内部状態として有し、これを基準値として差分処理
を行っている。
【0005】さて、ATM網による伝送においては、音
声/画像/コンピュータデータなどの情報源がディジタ
ル符号化され、さらにセルと呼ばれる単位に分割されて
バースト的かつ非同期に伝送されることにより、伝送路
の多重利用が実現され、伝送路の利用効率の向上が図ら
れる。このATM網による通信において、上記高能率音
声符号化技術を併用することもできる。トラフィックの
大半を占める音声情報に対して、この高能率音声符号化
技術を適用すれば、伝送量が削減され、さらに高能率な
伝送が実現されるであろう。
【0006】なお、差分を用いた符号化方式としては、
上記ADPCMの他、例えば、図46にブロック構成図
を示すITU(International Telecommunications Uni
on)勧告G.728符号化方式(LD−CELP方式:
Low-Delay Code-Excited Linear Prediction:低遅延型
符号励振線形予測符号化)がある。この符号化方式につ
いては、Draft CCITT Recommendation G.728"Coding of
Speech at 16 kbit/susing Code Excited Linear Pred
iction(LD-CELP)"に詳細に述べられている。この符号化
方式は、過去の音声信号に基づいて合成フィルタ、励振
利得の適応化を行うバックワード適応に基づいている。
この方式でも、過去の音声信号のパラメータの集合を内
部状態として有し、これを基準として合成フィルタ係
数、適応利得係数などについての差分処理を行う。
【0007】また、最近では、上述のような一層の高能
率化への要求から、音声信号の無音部分を廃棄して伝送
する無音圧縮技術が併用されるようになりつつある。こ
の無音圧縮技術は、小さな音声品質の劣化で伝送路に送
出される音声信号の総量を低減することができ、統計多
重効果により、一層高能率な音声伝送を可能とすること
が知られている。
【0008】さて、この無音圧縮音声伝送システムで
は、無音時に伝送される音声情報が皆無であるため、差
分符号化された音声信号である音声符号を受信して復号
する復号部の動作は無音時に不定となる。すなわち、無
音状態(トークスパートが“無し”の状態と呼ぶことが
ある。)から有音状態(トークスパートが“有り”の状
態と呼ぶことがある。)に遷移するときは、音声符号を
生成する符号化部の内部状態と復号部の内部状態とが一
致しなくなる。そのため、復号部はたとえ伝送路誤りの
ない正しい高能率符号を与えられても、正しい音声信号
を復号できるとは限らない。この現象はしばしば受信端
の再生音における不快な異音、例えばクリック音、発振
音等、として表れる。
【0009】図45は、これを解決するための従来の音
声符号化伝送システムの構成図である。この図は、特開
平2−181552号公報に示された構成図に基づいて
いる。この音声伝送システムは、送信端2、受信端4と
で一対の構成をなす。トークスパート有りの状態、すな
わち有音時においては、送信端2は音声信号を高能率音
声符号器6にて符号化して、切換スイッチ8を経由し
て、伝送路10に送出する。送信端2の切換スイッチ8
はトークスパート無し、すなわち無音時には伝送路10
に対して何も送出しないように切り換えられるので、送
信端2からは無音圧縮された音声符号が送出されること
になる。音声検出器12は音声信号の有音/無音を検出
して、この切換スイッチ8の切り換えを行う。
【0010】一方、受信端4では伝送路10からの音声
符号を復号器14にて音声信号に復号して出力する。無
音圧縮されている間、切換スイッチ16は擬似背景雑音
信号発生器18側に切り換えられており、受信端4から
は人工的な雑音が出力される。有/無音情報抽出器20
は音声符号に基づいて有音/無音を検出して、この切換
スイッチ16の切り換えを行う。
【0011】このシステムでは送信端2に符号器6の所
定の内部状態を記憶した記憶器22を有し、受信端4に
はこれと同一の内容を格納した記憶器24を有してい
る。そして上述のような問題が発生する音声信号の無音
状態から有音状態への遷移時においては、それを音声検
出器12、有/無音情報抽出器20が同期して検出し、
送信端2においては記憶器22から符号器6にその内部
状態として差分処理の基準値が設定され、受信端4にお
いては記憶器24から復号器14にその内部状態として
符号器6と同一の差分処理の基準値が設定される。この
ように、送信端2及び受信端4とでトークスパートが検
出されるタイミングは同期しており、その時点で両者の
内部状態は同一の状態にリセットされる。そのため、符
号器6と復号器14との内部状態は音声の有音期間にお
いては常に一致し、トークスパート先頭における異音の
発生を回避することができる。
【0012】さて、今後は、上述したような無音圧縮技
術やATM技術などが用いられ、無音圧縮伝送網やAT
M網が主に構築されるようになるであろう。しかし、現
在、これまでに構築された無音圧縮を行わない伝送網や
STM(Synchronous Transfer Mode)による伝送網が
既に存在する。これらの伝送網は多くの場合、多額な費
用を投じてインフラストラクチャーとして構築されたも
のであり、それを直ちに無音圧縮伝送網やATM網に置
き換えたり、改良したりすることには経済的な困難が伴
う。よってこれら従来の伝送網がカバーする範囲も包括
した大きな網を構築したい場合には、当面は無音圧縮を
行わない網やSTM網をそのままの状態で、無音圧縮を
行う網やATM網に併存させなければならない。
【0013】とりあえず、この併存はこれら2つの種類
の網を中継ノードで接続することにより実現できる。無
音圧縮網と無音圧縮を行わない網との接続方法について
は、図47、図48に示す2つの方法がある。これらの
図は、無音圧縮を行わない網から無音圧縮を行う網への
伝送を説明するものである。また、ATM網とSTM網
との接続方法については、図49、図50に示す2つの
方法がある。これらの図は、ATM網からSTM網への
伝送を説明するものである。
【0014】まず、図47は、無音圧縮網と無音圧縮を
行わない網とを中継ノードを介してタンデム接続する従
来の伝送システムの構成図である。この図において、図
45と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付
し、説明を省略することがある。このシステムの送信端
30が有する符号器32は無音圧縮しない符号化を行
い、生成した音声符号を伝送路34(伝送路B)に送出
する。中継ノード36は伝送路Bから音声符号を受信
し、これを無音圧縮し、伝送路Aを介して受信端4に伝
送する。中継ノード36では、送信端30からの音声符
号を復号器38で音声信号に復号した後、この音声信号
を改めて無音圧縮音声符号に符号化して受信端4に伝送
する。この復号器38で復号された後の処理は、図45
にて説明した同期リセットを用いた無音圧縮伝送方式で
ある。このように、中継ノード36では一旦、復号し再
度、符号化を行うため、この伝送システムは符号化の観
点からは伝送路A、B相互の独立性が高く、これがタン
デム接続と称する理由である。
【0015】一方、図48は、無音圧縮網と無音圧縮を
行わない網とを中継ノードを介してディジタル1リンク
により接続する従来の伝送システムの構成図である。こ
の図において、図47と同一の機能を有する構成要素に
は同一の符号を付し、説明を省略することがある。送信
端30から伝送路34に送出された無音圧縮されていな
い音声符号は、中継ノード50により無音圧縮され、伝
送路52(伝送路A)を介して受信端54に伝送され
る。
【0016】中継ノード50では、復号器56が伝送路
Bからの音声符号を復号し音声信号を取り出す。音声検
出器58はこの音声信号を基に有音/無音(トークスパ
ートの有無)を検出し、切換スイッチ60を制御する。
切換スイッチ60は、伝送路Bからの無音圧縮されてい
ない音声符号がトークスパート有りの場合のみ伝送路B
を伝送路Aに接続する。トークスパート無しの場合にお
いては音声符号は廃棄され伝送路Aには何も出力されな
い。これにより伝送路Aには無音圧縮された音声符号が
送出される。ちなみに、処理遅延器62は復号器56及
び音声検出器58における処理時間だけ、伝送路Bから
の音声符号を遅延させ、切換スイッチ60の動作と音声
符号との同期を実現するものである。
【0017】受信端54は中継ノード50から伝送路A
を介して受信端54に伝送された無音圧縮された音声符
号を、送信端30の符号器32に対応した復号器64に
より音声信号に復号して出力する。伝送路Aから音声符
号が入力されない場合、すなわち無音圧縮されている
間、有/無音情報抽出器66が切換スイッチ68を擬似
背景雑音信号発生器70側に切り換えて、受信端54か
ら人工的な雑音を出力させる。
【0018】このように、中継ノード50は単にスイッ
チングのみ行い、受信端54に伝送される音声符号は無
音圧縮されてはいるものの、送信端30から送出された
ものである。このため、この伝送システムは符号化の観
点からは伝送路A、B相互の一体性が高く、これがディ
ジタル1リンクと称する理由である。
【0019】次に、図49は、ATM網とSTM網とを
中継ノードを介してタンデム接統する従来の伝送システ
ムの構成図である。このシステムの送信端72が有する
符号器73は、音声信号をディジタル化して高能率に圧
縮符号化する。そしてセル組立器74は符号器73で符
号化されたシーケンシャルな音声符号をセルに詰め合わ
せて、伝送路Aに送出する。伝送路AはATM網であ
る。音声符号はセル単位でこの伝送路Aをバースト的に
伝送される。
【0020】中継ノード75では、バッファ76がセル
の伝送揺らぎを吸収し、その後、セル分解器77が受信
したセルを分解してシーケンシャルな音声符号を生成す
る。消失セル検出器78は、ATM網におけるセルの廃
棄、または遅延による不達セルを検出し、中継ノード7
5内の各部の動作を制御する。復号器79はセルから取
り出された音声符号を、元のディジタルサンプリングさ
れた音声信号、例えばPCM(Pulse Code Modulatio
n)音声信号に復号する。同期引込み器80は符号器7
3と復号器79との動作タイミングを一致させる。消失
セル補償器81は消失したセル分の音声信号を補償す
る。記憶器82は消失セルの補償用に直前の音声信号を
蓄積しておくメモリである。切替スイッチ83は、復号
器79で復号された音声信号と消失セルの補償処理を受
けた音声信号とのいずれかを選択するスイッチである。
符号器84は符号器73と同一の符号器である。また、
伝送路BはSTM網である。受信端85は復号器79と
同一の復号器86を有する。
【0021】さて、音声通信においてはリアルタイム性
が要求されるため、ATM網特有の劣化要因であるセル
廃棄が発生しても、データ通信のような再送手続きを採
ることができない。特に、高能率符号化を併用したAT
M音声通信においては、セルサイズは53バイトと決ま
っているため、符号化方式が高能率になればなるほど、
1セルに収容された情報量は多くなり、セル廃棄による
再生音声のダメージが大きくなる。したがって、ATM
による高品質な音声伝送を実現するためには、消失した
セルに含まれている情報を何らかの方法で補間/推定す
るなどして、自然な音声を再現する処理を行うことが必
要不可欠である。
【0022】そこで、図49に示すシステムでは、セル
消失対策の一例として、以下に述べる方法が用いられて
いる。消失セル検出器78は中継ノード75に到達した
セルを監視し、ATM網内で消失、または定刻までに到
達しなかったセルを検出し、その情報に基づいて、制御
信号を消失セル補償器81および切替スイッチ83に送
出する。消失セルを検出する方法として、例えばセル組
立器74が、セルのペイロード部に送出順を示すインデ
ックスを付与し、消失セル検出器78がこのインデック
スの欠落の有無を監視するという方法が用いられる。
【0023】消失セル検出器78からセルの消失の発生
を通知された消失セル補償器81は、記憶器82に蓄積
された過去の音声信号を基に、欠落した音声信号の補間
/外挿を行なうか、あるいはミュートを行なう。さら
に、切替スイッチ83が、消失セル検出器78からの制
御信号に基づいて、復号器79の出力と消失セル補償器
81の出力信号の選択を行なう。選択された信号は、符
号器84により再度高能率符号化を行なわれ、伝送路B
(STM網)に送出される。これにより中継ノード75
からは、セル消失のダメージが低減された音声符号が送
出される。
【0024】中継ノード75では、音声符号を一旦復号
した後、再度符号化を行うため、この伝送システムは、
符号化の観点からは伝送路A、B相互の独立性の高いシ
ステムとなる。これがタンデム接統と称する理由であ
る。
【0025】なお、符号器73、84、及び復号器7
9、86で用いられる音声の高能率符号化アルゴリズム
としては、ITU−T勧告G.726/727 ADP
CM(Adaptive Differential Pulse Code Modulatio
n:適応差分パルス符号変調)、ITU−T勧告G.7
28 LD−CELP(Low-Delay Code-Excited Linear
Prediction:低遅延型符号励振線形予測)、およびI
TU−T勧告G.729 CS−ACELP(Conjugate
Structure Algebraic Code Excited Linear Predictio
n:共役構造代数的符号励振線形予測)等が良く知られ
ている。
【0026】一方、図50は、ATM網とSTM網とを
中継ノードを介してディジタル1リンクにより接統する
従来の伝送システムの構成図である。この図において、
図49と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を
付し、説明を省略する。送信端72から伝送路A(AT
M網)に送出された、高能率音声符号を含むセルは、中
継ノード90によりセル分解、同期フレームの乗せ替え
を行なった後、伝送路B(STM網)を介して受信端8
5に伝送される 受信端85は、中継ノード90から伝送路Bを介して伝
送された音声符号を、送信端72の符号器73に対応し
た復号器86により、音声信号に復号して出力する。こ
のように、中継ノード90は単にスイッチングのみ行
い、受信端85に伝送される音声符号は送信端72から
送出された信号そのものである。このため、この伝送シ
ステムは符号化の観点からは伝送路A、B相互の一体性
が高いシステムであり、これがディジタル1リンクと称
する理由である。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上述したタンデム接続
とディジタル1リンクによる互いに異なる種類の伝送路
A,Bの接続には、以下に述べる問題点がある。まず、
図47に示すような無音圧縮伝送網と無音圧縮を行わな
い伝送網とのタンデム接続は送信端30からの音声符号
を一旦、音声信号に復号した後、同期リセットを用いた
無音圧縮伝送を行うので、中継ノード36の符号器6の
内部状態と受信端4の内部状態とは一致し、上述した異
音の発生は防止される。しかし、中継ノードで音声符号
に対し復号し符号化するという処理を行うため、送信端
に入力された音声信号は受信端から出力されるまでに2
回の符号化/復号処理を受けることになる。そのため量
子化誤差が蓄積し、受信端4から出力される音声信号の
品質が劣化するという問題点がある。この音声品質の劣
化は、高いビットレート(16kbit/s以上)では、ほと
んど気にならない程度であるが、圧縮率が高くなればな
るほどその劣化傾向は顕著になることが知られている。
音声伝送システムは低ビットレートであるため、この音
声品質の劣化は無視することができない。このことは、
図49に示すような高能率符号化を併用した伝送システ
ムであって、ATM網とSTM網とがタンデム接続され
る伝送システムについても全く同様である。
【0028】一方、図48に示すような無音圧縮伝送網
と無音圧縮を行わない伝送網とのディジタル1リンクに
よる接続では、全く事情は逆である。この場合は、受信
端54に伝送されるトークスパート有りに対応する音声
符号は、送信端30において生成された音声符号と同じ
であるので、量子化誤差の蓄積による音声信号の品質劣
化は防止される。しかし、送信端30の符号器32の内
部状態と受信端4の復号器64の内部状態とは、無音状
態から有音状態への遷移のタイミングにおいて一般に不
一致となる。すなわち、音声符号自体は同じであるの
に、その符号化/復号処理における差分の基準値が異な
るため、上述した異音が発生し得るという問題点があ
る。この異音の発生は、受信者に不快感を与えるのみな
らず、通常、トークスパートの先頭で発生するため、通
話内容の理解度を著しく低下させるという問題を引き起
こしていた。
【0029】次に、図50に示すような高能率符号化技
術が併用され、かつATM網とSTM網とがディジタル
1リンクされる伝送システムの場合は、受信端85に伝
送される音声符号は、送信端72において生成された音
声符号と同じであるので、量子化誤差の蓄積による音声
信号の品質劣化は防止される。しかし、中継ノードでは
スイッチングのみしか行なわず、音声符号から音声情報
を抽出することは行わない。通常、高能率に符号化され
た音声符号を復号せずに、補間/外挿/推定等の単純な
方法により直接、消失した音声符号を補償することは困
難である。そのため、この伝送システムでは、セル消失
の検知はできても、セル消失の影響を中継ノードで除く
ことは極めて難しい。その結果、受信端85に伝送され
る音声情報が不連続となり、受信端85において異音の
発生を引き起こし、聞き手に不快感を与えるという問題
点があった。また、音素の欠落により通話内容の理解度
が著しく低下するという問題も生じる。ちなみに、この
ディジタル1リンクで接続においてセル消失の影響を受
信端85で除去しようとすると、中継ノードで検出され
たセル消失の情報を、例えばSTM網に別途信号線を設
けて伝送し、なおかつ受信端85でセル消失対策のため
の仕組みを設けることになる。しかし、ATM網とST
M網との接続が必要になるのは、上述したようにSTM
網及び受信端85が既存システムである場合であり、よ
って、受信端85でセル消失の影響を除去するという解
決策は、既存システムの改良または変吏が必要になり、
現実的でない。
【0030】以上、述べたように、従来は、無音圧縮を
行わない既存の伝送網側、又は既存のSTM網側の音声
通信システムに改良を加えることなく、これらの伝送網
を無音圧縮伝送網やATM網に収容することには問題点
があった。
【0031】本発明は、差分符号化を用いた高能率音声
符号化技術に無音圧縮技術を併用した高能率な伝送網
に、既存の無音圧縮を行わない伝送網を収容した音声符
号化伝送システム及び、ATM網とSTM網が混在する
音声符号化伝送システムにおいて、上記課題を解決した
高品質な音声伝送を可能とする音声符号化伝送システム
を現実的なコストで提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明に係る音声符号化
伝送システムは、中継ノード内に、原音声符号から音声
信号に含まれる音声情報を取り出す中継復号器と、この
音声情報に基づいて前記音声信号の有音期間・無音期間
を判別しこれに基づき中継ノードの動作を制御する中継
制御信号を出力する中継制御手段と、前記中継制御信号
に基づいて、前記無音期間から前記有音期間に遷移する
タイミングである音声開始時における差分符号化の基準
値を決定する符号化基準値決定手段と、前記音声開始時
においてこの記基準値に基づいて前記音声情報の前記差
分符号化を開始し少なくとも一定の過渡期間、中継音声
符号を生成する中継符号化器と、前記原音声符号と前記
中継音声符号とが入力され前記第2の伝送路に前記中継
制御信号に基づいて、前記過渡期間内では前記中継音声
符号を出力し、前記過渡期間以降の有音期間では前記原
音声符号を出力して無音圧縮音声符号を合成する無音圧
縮手段とを有し、受信ノード内に、前記無音圧縮音声符
号に基づいて前記音声開始を判別しこれに基づき受信ノ
ードの動作を制御する受信制御信号を出力する受信制御
手段と、前記受信制御信号に基づいて差分符号化の前記
基準値に対応した前記復号処理の基準値を前記音声開始
時において決定する復号基準値決定手段と、前記音声開
始時においてこの復号処理の基準値に基づいて前記無音
圧縮音声符号の前記復号処理を開始し前記音声信号を出
力する受信復号器とを有するものである。
【0033】本発明によれば、音声開始時において中継
符号化器、受信復号器は、それぞれ符号化基準値決定手
段、復号基準値決定手段から差分符号化の基準値(音声
開始時基準値と呼ぶ)を得る。差分符号化は過去の符号
化又は復号の処理によって与えられる基準値に対する差
を取り出して符号化する方法である。基準値は1つとは
限らず、例えば音声信号を表す種々のパラメータごとに
設けられてもよい。符号化基準値決定手段と復号基準値
決定手段とがそれぞれ決定する音声開始時基準値は、受
信復号器が中継符号化器に入力される音声情報を再生可
能なように対応づけられており、一般には、互いに等し
い値が与えられる。以降、このように基準値の対応付け
がなされた符号化器と復号器とは、それらの内部状態が
一致しているという。内部状態が不一致であると受信ノ
ードから異音が出力される虞があるが、このように音声
開始時に、中継符号化器と受信復号器との内部状態は同
期して初期化され、それらの内部状態は一致しており、
異音は発生しない。一方、このとき、送信ノードにおけ
る符号化の内部状態と受信復号器の内部状態とは一致し
ている保証はない。そこで、無音圧縮手段は、音声開始
時から所定の過渡期間内においては中継符号化器の出力
である中継音声符号を第2の伝送路を経由して受信復号
器に伝送する。この過渡期間において、送信ノードの符
号化の内部状態と受信復号器の内部状態とは漸近するの
で、無音圧縮手段は、過渡期間以降の有音期間では送信
ノードから伝送された原音声符号をそのまま受信復号器
に伝送する。すなわち、過渡期間以降は、音声信号は送
信ノードで差分符号化された後、中継ノードでは過渡期
間におけるような符号化/復号処理を受けずに、受信ノ
ードでの復号により再生されるので、過渡期間より、符
号化/復号処理の回数が少なく量子化誤差が少ない。こ
のように、送信ノードの内部状態と受信復号器の内部状
態とが乖離している状態ではタンデム接続して異音の発
生による音声品質の劣化を防止し、それら内部状態が近
づいたときには、ディジタル1リンクとしてタンデム接
続での量子化誤差の累積による音声品質の劣化を防止す
る。ここで送信ノードの内部状態と受信復号器の内部状
態との近似度合いは、音声開始からの時間が長い程、向
上し異音発生の抑制効果は高まるが、一方、タンデム接
続での量子化誤差による劣化を受ける期間も長くなる。
過渡期間は、これら異音発生の抑制と量子化誤差による
音声品質劣化が抑制される期間を長くすることとのバラ
ンスに基づいて定められる。
【0034】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記符号化基準値決定手段が上記差分符号化の所定の基
準値を記憶した記憶器を有し、上記音声開始時にはこの
記憶内容を読み出して上記中継符号化器に設定し、上記
復号基準値決定手段が上記復号処理の所定の基準値を記
憶した記憶器を有し、上記音声開始時にはこの記憶内容
を読み出して上記受信復号器に設定するものである。
【0035】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記中継符号化器が上記中継復号器で算出される音声パ
ラメータを流用して上記差分符号化処理を行うものであ
る。本発明によれば、中継符号化器は、中継復号器にお
ける音声信号が復号される過程の途中での音声パラメー
タのうち異音の発生に影響しないパラメータを受け取
り、これを用いて符号化を行う。受け取ったパラメータ
に関する符号化処理が省略され、中継ノードの処理負荷
が低減する。
【0036】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記中継復号器が上記音声信号に含まれる音声パラメー
タのうち一部のみ取り出し、上記中継符号化器がこの中
継復号器の出力に基づいて上記差分符号化を行い、上記
中継制御手段は前記中継復号器の出力に基づいて上記音
声信号の有音期間・無音期間を判別するものである。本
発明によれば、中継符号化器、中継制御手段は音声パラ
メータのうちの一部、すなわち音声信号以外の信号によ
ってそれぞれの動作が可能なように構成され、中継復号
器は復号処理の一部を省略することができる。すなわ
ち、中継復号器は、音声信号を完全に復号する必要はな
く、例えば音声信号を得る過程の途中での音声パラメー
タを得るところまでしか処理を行わないので、中継ノー
ドの処理負荷が低減する。
【0037】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記符号化基準値決定手段が、人工的な雑音を出力する
擬似背景雑音信号発生器と、上記音声信号の無音期間に
おいて上記中継符号化器の入力端を上記中継復号器から
前記擬似背景雑音信号発生器に切り換える符号化入力切
換器とを有し、上記復号基準値決定手段が、擬似背景雑
音信号発生器と、この擬似背景雑音信号発生器の出力を
符号化する雑音符号化器と、上記音声信号の無音期間に
おいて上記受信復号器の入力端を上記第2の伝送路から
前記雑音符号化器に切り換える復号入力切換器とを有す
るものである。
【0038】本発明によれば、音声開始時における中継
符号化器の内部状態は、擬似背景雑音信号発生器からの
無音期間における人工的な雑音により決定される。復号
基準値決定手段は、この中継ノードの擬似背景雑音信号
発生器と中継符号化器とからなる構成と同一である受信
ノードの擬似背景雑音信号発生器と雑音符号化器とから
なる構成を有する。これら構成の同一性から中継符号化
器と雑音符号化器との内部状態は一致する。無音期間に
おいて受信復号器を雑音符号化器に接続しておくことに
より、音声開始時における中継符号化器と受信復号器と
の内部状態の一致も確保され、異音の発生が防止され
る。異音は無音圧縮により受信復号器が、送信ノード又
は中継復号器から分断され、相互の内部状態が不一致と
なることにより生じる。よって従来はタンデム接続にお
いても音声開始時には同期リセットを行って中継符号化
器と受信復号器との内部状態を一致させる動作が必要で
あった。しかし本発明では、無音期間において受信復号
器は仮想的に中継符号化器に接続された状態に保たれ、
上記分断による内部状態の不一致は生じないので、音声
開始時に同期リセットという特別な動作が不要となる。
【0039】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記符号化基準値決定手段が上記中継符号化器を制御対
象とするタスク制御器を有し、上記復号基準値決定手段
が上記受信復号器を制御対象とするタスク制御器を有
し、これら両タスク制御器により、上記音声信号が有音
期間から無音期間に遷移したとき、両タスク制御器のそ
れぞれの制御対象の差分符号化の処理又はこの差分符号
化に対応した復号処理をそれら処理の最新の基準値を保
持させたまま停止させ、上記音声信号が無音期間から有
音期間に遷移したとき、両タスク制御器のそれぞれの制
御対象の処理を再開させるものである。
【0040】本発明によれば、両タスク制御器が、有音
期間から無音期間への遷移時において中継符号化器と受
信復号器との内部状態の一致を保ったままこれら中継符
号化器と受信復号器の動作を停止し、無音期間から有音
期間への遷移時にそれらの動作をそれらの内部状態が一
致した状態から再開させる。これにより、動作再開時に
差分処理の基準値を読み込む等の特別の動作をすること
なく、中継符号化器と受信復号器との内部状態の一致が
確保され、異音の発生が防止される。
【0041】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
中継ノードが、原音声符号から音声信号に含まれる音声
情報を取り出す中継復号器と、この音声情報に基づいて
前記音声信号の有音期間・無音期間を判別しこれに基づ
き中継ノードの動作を制御する中継制御信号を出力する
中継制御手段と、受信ノードから出力される音声信号に
おいて前記音声情報に基づき異音の発生が予測される場
合にはその部分の原音声符号を前記異音の発生を抑圧す
る音声符号で置き換えた修正音声符号を出力する音声符
号修正器と、前記原音声符号と前記修正音声符号とが入
力され前記第2の伝送路に前記中継制御信号に基づい
て、前記無音期間から前記有音期間に遷移するタイミン
グである音声開始から所定の過渡期間内では前記修正音
声符号を出力し、前記過渡期間以降の有音期間では前記
原音声符号を出力して無音圧縮音声符号を合成する無音
圧縮手段とを有するものである。
【0042】本発明によれば、音声信号が発散して異音
が発生するおそれが大きい過渡期間においては、内部状
態に差異がある不安定な符号化/復号システムにおいて
も発散の起こりにくい修正音声符号を中継ノードから出
力する。修正音声符号は、例えば、音声パラメータのう
ち、利得に係わるパラメータ値を抑制したものである。
これにより、受信ノードでの異音の発生が防止される。
【0043】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
音声符号が量子化された利得値と利得符号とを割り付け
るテーブルであるコードブックに基づいて音声情報中の
利得情報に対応づけられる利得符号を含み、中継ノード
が、原音声符号から音声信号に含まれる音声情報を取り
出す中継復号器と、この音声情報に基づいて前記音声信
号の有音期間・無音期間を判別しこれに基づき中継ノー
ドの動作を制御する中継制御信号を出力する中継制御手
段と、前記コードブックの1つである抑圧コードブック
と、この抑圧コードブックから利得符号を得て前記音声
情報の前記差分符号化を行い中継音声符号を生成する中
継符号化器と、前記原音声符号と前記中継音声符号とが
入力され前記第2の伝送路に前記中継制御信号に基づい
て、前記無音期間から前記有音期間に遷移するタイミン
グである音声開始から所定の過渡期間内では前記中継音
声符号を出力し、前記過渡期間以降の有音期間では前記
原音声符号を出力して無音圧縮音声符号を合成する無音
圧縮手段とを有し、受信ノードが、前記無音圧縮音声符
号に基づいて前記音声開始を判別しこれに基づき受信ノ
ードの動作を制御する受信制御信号を出力する受信制御
手段と、前記抑圧コードブックと、他の前記コードブッ
クである標準コードブックと、前記受信制御信号に基づ
いて前記音声開始から所定の過渡期間内では前記抑圧コ
ードブックが接続され前記過渡期間以降では前記標準コ
ードブックが接続され、これらコードブックから前記利
得情報を得て前記無音圧縮音声符号から前記音声信号の
前記復号処理を行い前記音声信号を出力する受信復号器
とを有し、前記抑圧コードブックの量子化された利得値
は前記標準コードブックの量子化された利得値よりも抑
制されているというものである。
【0044】本発明によれば、中継符号化器は抑圧コー
ドブックを用いて、内部状態に差異がある不安定な符号
化/復号システムにおいても発散の起こりにくい中継音
声符号を生成する。異音が発生する虞が大きい過渡期間
においては、この中継音声符号を中継ノードから出力す
ることにより、受信ノードでの異音の発生を防止する。
基本的には、コードブックは音声情報中の利得値に対し
て幾つかの範囲を設け、これら各範囲ごとに1つの利得
値を量子化値として対応させる。利得符号はこの量子化
値に対応づけられる。過渡期間において中継符号化器と
受信復号器とは同じ抑圧コードブックを使用するが、中
継符号化器の入力である音声情報中の実際の利得値に対
して、受信復号器側では量子化された利得値が得られ
る。利得値の範囲や量子化値を調整して、抑圧コードブ
ックの量子化された利得値を標準コードブックのそれよ
り抑制することにより、過渡期間における受信復号器か
らの出力の音声信号の発散が防止され、異音が防止され
る。
【0045】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
受信ノードが、無音圧縮音声符号に基づいて音声開始・
音声終了を判別し、これに基づき受信ノードの動作を制
御する受信制御信号を出力する受信制御手段と、前記無
音圧縮音声符号に基づき前記受信ノードから出力される
音声信号において異音の発生が予測される場合にはその
部分の無音圧縮音声符号を前記異音の発生を抑圧する音
声符号で置き換えた修正音声符号を出力する音声符号修
正器と、前記無音圧縮音声符号と前記修正音声符号とが
入力され前記受信制御信号に基づいて、前記音声開始か
ら所定の過渡期間内では前記修正音声符号を出力し、前
記過渡期間以上前記音声終了までは前記無音圧縮音声符
号を出力する復号入力選択器と、前記復号入力選択器の
出力に対して前記差分符号化に対応した前記復号処理を
行い前記音声信号を出力する受信復号器とを有するもの
である。
【0046】本発明によれば、音声信号が発散して異音
が発生する虞が大きい過渡期間においては、内部状態に
差異がある不安定な符号化/復号システムにおいても発
散の起こりにくい修正音声符号を受信ノード内の音声符
号修正器で生成し、受信ノードが受信した無音圧縮音声
符号をこの修正音声符号で置き換える。修正音声符号
は、例えば、音声パラメータのうち、利得に係わるパラ
メータ値を抑制したものである。これにより、受信ノー
ドでの異音の発生が防止される。
【0047】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
中継ノードが、原音声符号から音声信号に含まれる音声
情報を取り出す中継復号器と、この音声情報に基づいて
前記音声信号の有音期間・無音期間を判別しこれに基づ
き中継ノードの動作を制御する中継制御信号を出力する
中継制御手段と、現時刻の音声情報に基づいてその符号
化を行い中継音声符号を生成する中継符号化器と、前記
原音声符号と前記中継音声符号とが入力され前記第2の
伝送路に前記中継制御信号に基づいて、前記無音期間か
ら前記有音期間に遷移するタイミングである音声開始か
ら所定の過渡期間内では前記中継音声符号を出力し、前
記過渡期間以降の有音期間では前記原音声符号を出力し
て前記無音圧縮音声符号を合成する無音圧縮手段とを有
し、受信ノードが、前記無音圧縮音声符号に基づいて前
記音声開始を判別しこれに基づき受信ノードの動作を制
御する受信制御信号を出力する受信制御手段と、前記原
音声符号の復号処理を行い前記音声信号を出力する第1
の受信復号器と、前記中継音声符号の復号処理を行い前
記音声信号を出力する第2の受信復号器と、前記第2の
受信復号器から出力される音声信号を前記差分符号化し
て前記第1の受信復号器へ出力し前記第1の受信復号器
の前記差分符号化の基準値を更新させる基準値適応部
と、前記受信制御信号に基づき前記第2の伝送路に上記
過渡期間内では前記第2の受信復号器を接続し、前記過
渡期間以上前記音声終了までは前記第1の受信復号器を
接続する復号器切換手段とを有するものである。
【0048】本発明によれば、中継符号化器は、中継復
号器で複合された音声情報を、非差分符号化方式、すな
わち過去の符号化又は復号の処理に依存せずに現時刻の
音声情報に基づいて符号化する方式により符号化する。
過渡期間においては、受信ノードは、中継符号化器から
出力された中継音声符号を、その符号化方式に対応した
第2の受信復号器で音声信号に復号して出力する。過渡
期間においては、これと同時に、基準値適応部が、第2
の受信復号器からの音声信号を送信ノードと同様の差分
符号化方式により符号化して、この符号化方式に対応し
た第1の受信復号器に供給する。これにより、第1の受
信復号器の内部状態は送信ノードにおける符号化処理の
内部状態に漸近するので、過渡期間以降は、中継ノード
においてディジタル1リンクによって送信ノードと受信
ノードとを接続し、受信ノードではそれに同期して第1
の受信復号器による復号処理に切り換える。ここで、過
渡期間における中継符号化器と第2の受信符号器とによ
るタンデム接続は、非差分符号化方式であるので、音声
開始時にこれら中継符号化器と第2の受信符号器との同
期リセット等の動作を行う上記符号化基準値決定手段や
復号基準値決定手段は不要である。このように、送信ノ
ードの内部状態と第1の受信復号器の内部状態とが乖離
している状態では、非差分符号化方式によるタンデム接
続を行い異音の発生による音声品質の劣化を防止する一
方、基準値適応部の働きによりそれら内部状態が近づけ
られたときは、ディジタル1リンクとしてタンデム接続
での量子化誤差の累積による音声品質の劣化を防止す
る。
【0049】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記中継符号化器が上記音声情報を量子化データに変換
する量子化器であり、上記第2の受信復号器が前記量子
化データから音声信号を再生する逆量子化器であるもの
である。本発明によれば、上記非差分化符号化方式とし
て、単純な量子化を採用した。
【0050】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
中継ノードが、原音声符号から音声信号に含まれる音声
情報を取り出す中継復号器と、この音声情報に基づいて
前記音声信号の有音期間・無音期間を判別しこれに基づ
き中継ノードの動作を制御する中継制御信号を出力する
中継制御手段と、前記原音声符号を所定遅延時間だけ遅
延させる遅延手段と、前記中継制御信号に基づき前記有
音期間において前記原音声符号を前記遅延手段から前記
第2の伝送路に出力させ無音圧縮を行う無音圧縮手段と
を有し、受信ノードが、無音圧縮音声符号に基づいて前
記音声開始を判別しこれに基づき受信ノードの動作を制
御する受信制御信号を出力する受信制御手段と、前記無
音圧縮音声符号に対して前記差分符号化に対応した前記
復号処理を行い前記音声信号を出力する受信復号器とを
有するものである。
【0051】本発明によれば、遅延手段が原音声符号の
伝送を遅延させるので、中継制御手段による音声検出動
作に基づく中継制御信号のタイミングが無音圧縮手段に
入力される原音声符号のタイミングより先行する。これ
により、無音圧縮音声符号の先頭には遅延手段の遅延量
に応じた無音期間がハングオーバー期間として設けられ
る。受信ノードでは、受信制御手段が伝送された無音圧
縮音声符号に基づいて、音声開始を判別し、その音声開
始は実際の音声信号の無音状態から有音状態への遷移の
タイミングより先行している。受信復号器にはその音声
開始後、ハングオーバー期間だけ無音に対応する音声符
号が入力される。すなわち、遅延手段により、送信ノー
ドの符号化処理の内部状態と受信復号器の内部状態とが
漸近する過程である状態遷移が無音期間に行われるよう
に音声符号の時間軸がシフトされるので、内部状態の不
一致による動作が不安定となる符号化/復号処理システ
ムであっても発振にまでは到らず、異音が生じにくくな
る。
【0052】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記受信ノードが、人工的な雑音である擬似背景雑音を
出力する擬似背景雑音信号発生器と、受信ノードからの
出力源を選択する切換器であって上記無音圧縮音声符号
の開始から上記遅延時間経過するまでは前記擬似背景雑
音信号発生器からの擬似背景雑音を出力し、その後は上
記受信復号器からの音声信号を出力する受信出力切換器
とを有するものである。本発明によれば、受信ノード
は、擬似背景雑音信号発生器からの人工的な雑音である
擬似背景雑音を、無音圧縮音声符号が伝送されない期間
に引き続いて、上記ハングオーバー期間においても出力
する。これにより、たとえハングオーバー期間に受信復
号器において発振が生じても、受信ノードからは異音が
発生しない。
【0053】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記受信ノードが上記無音圧縮音声符号の開始から上記
遅延時間経過するまでは、上記受信復号手段の出力を消
音するミュート器を有するものである。本発明によれ
ば、上記ハングオーバー期間においては、受信復号器の
出力を消音した音声信号を受信ノードから出力すること
により、異音の発生を抑制する。
【0054】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
中継ノードが、差分符号化に対応した復号処理の基準値
に基づいて原音声符号から音声信号に含まれる音声情報
を取り出す中継復号器と、この音声情報に基づいて前記
音声信号の有音期間・無音期間を判別しこれに基づき中
継ノードの動作を制御する中継制御信号を出力する中継
制御手段と、前記原音声符号を所定遅延時間だけ遅延さ
せる遅延手段と、前記中継復号器の前記基準値を符号化
した基準状態符号を出力する基準状態符号化器と、前記
遅延手段から出力される原音声符号と前記基準状態符号
とが入力され前記中継制御信号に基づき、前記無音期間
から前記有音期間に遷移するタイミングである音声開始
から前記遅延時間の間は前記状態符号を出力し、前記遅
延時間経過後は前記原音声符号を出力して無音圧縮音声
符号を合成する無音圧縮手段とを有し、受信ノードが、
前記無音圧縮音声符号に基づいて前記音声開始を判別し
これに基づき受信ノードの動作を制御する受信制御信号
を出力する受信制御手段と、前記基準状態符号を復号し
て前記基準値を出力する基準状態復号器と、この基準値
に基づいて前記無音圧縮音声符号の前記復号処理を開始
し前記音声信号を出力する受信復号器とを有するもので
ある。
【0055】本発明によれば、上記ハングオーバー期間
において、中継復号器の内部状態、すなわち差分符号化
処理の基準値を符号化した基準状態符号を受信ノードに
伝送する。受信ノードでは、基準状態復号器がこの基準
状態符号を復号し、受信復号器を強制的に初期化する。
これにより設定される基準値は、送信ノードにおけるそ
れと同一であるので、異音の発生は完全に回避される。
【0056】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
中継ノードが、受信されたセルから非同期転送モード伝
送路でのセル消失を検知し、これに基づき当該中継ノー
ドの動作を制御する中継制御信号を出力する中継制御手
段と、前記セル消失により欠落した原音声符号を、受信
した前記原音声符号に基づいて補って中継音声符号を生
成する音声符号修復部と、前記中継制御信号に基づい
て、同期転送モード伝送路に前記原音声符号と前記中継
音声符号とのいずれを出力するかを切り替える切替器で
あって、前記セル消失の検知時には前記中継音声符号を
出力し、前記セル消失を検知しない時には、前記原音声
符号を出力する出力切替器とを有するものである。
【0057】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記音声符号修復部が、上記原音声符号から音声信号に
含まれる音声情報を取り出す中継復号器と、消失セルに
含まれる音声情報を、上記中継復号器から出力される前
記音声情報に基づいて補い補償音声情報を生成する消失
セル補償器と、前記補償音声情報に上記高能率符号化を
行い中継音声符号を生成する中継符号化器とを有するも
のである。
【0058】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記中継復号器が、上記音声信号に含まれる音声パラメ
ータのうち一部のみ取り出し、上記消失セル補償器が、
この中継復号器の出力に基づいて上記消失セルの音声情
報の補償を行うというものである。
【0059】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記中継ノードが、上記中継音声符号を復号する検査復
号器と、前記検査復号器の出力音声信号に含まれる異音
成分を検知する異音検知器と、前記異音成分の検知時に
は、入力された上記中継音声符号を修正して出力する音
声符号修正器とを有し、上記出力切替器が、上記原音声
符号と、前記音声符号修正器から出力される中継音声符
号とを切り替えて出力するというものである。
【0060】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記音声符号修復部が、上記原音声符号から音声信号に
含まれる音声情報を取り出し、消失セルに含まれる音声
情報を、受信された前記音声情報に基づいて適応的に補
償し、補償音声情報を生成する中継復号器と、前記補償
音声情報に上記高能率符号化を行い中継音声符号を生成
する中継符号化器とを有するものである。
【0061】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記中継復号器が、補償音声情報として音声信号を出力
し、上記音声符号修復部が、さらに、上記中継復号器の
出力音声信号に含まれる異音成分を検知する異音検知器
と、前記異音成分の検知時には、前記出力音声信号を修
正して出力する音声信号修正器とを有し、上記中継符号
化器が、前記音声信号修正器から出力される音声信号を
上記中継音声符号に変換するというものである。
【0062】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記中継ノードが、上記出力切替器の出力を上記中継音
声符号から上記原音声符号へ切り替える上記中継制御信
号のタイミングを、消失セルに対応する期間の終了から
所定時間遅延させる制御信号遅延器を有するものであ
る。
【0063】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記中継符号化器が、上記中継復号器で算出される音声
パラメータを流用して上記高能率符号化を行うというも
のである。
【0064】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記中継復号器が、上記原音声符号から、音声信号に含
まれる音声パラメータのうち一部のみ取り出し、上記中
継符号化器が、この中継復号器の出力に基づいて上記高
能率符号化を行うというものである。
【0065】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記音声符号修復部が、上記原音声符号から音声信号に
含まれる音声情報を取り出し、かつ消失セルに含まれる
音声情報を、受信された前記音声情報に基づいて適応的
に補償して補償音声情報を生成する中継復号及び修復処
理と、前記補償音声情報に上記高能率符号化を行い中継
音声符号を生成する中継符号化処理とのこれら両処理に
おける共通部分を行う共通処理器と、前記中継復号及び
修復処理に固有の処理を行う中継復号器と、前記中継符
号化処理に固有の処理を行う中継符号化器と、前記共通
処理器を前記中継復号器と前記中継符号化器のいずれに
接続するかを切り替える共通処理切替器と、前記共通処
理切替器を制御する共通処理制御器とを有し、前記中継
復号器が、前記共通処理器を用いて前記中継復号及び修
復処理を行い前記補償音声情報を出力し、前記中継符号
化器が、前記共通処理器を用いて前記中継符号化処理を
行い前記中継音声符号を出力するというものである。
【0066】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記音声符号修復部が、上記中継復号器から出力される
音声情報を所定時間遅延させる音声情報遅延器を有し、
上記消失セル補償器が、前記音声情報遅延器から出力さ
れ上記消失セルに対して先行する先行音声情報と、上記
消失セルに対して後続する後続音声情報とに基づいて、
上記消失セルに含まれる音声情報を補間処理により求め
るというものである。
【0067】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記中継復号器が、上記原音声符号から、音声信号に含
まれる音声パラメータのうち一部のみ取り出し、上記音
声情報遅延器が、この中継復号器の出力を遅延させ、上
記消失セル補償器が、前記音声パラメータに基づいて前
記補間処理を行い、上記中継符号化器が、この消失セル
補償器の出力に基づいて上記高能率符号化を行うという
ものである。
【0068】本発明に係る音声符号化伝送システムは、
上記中継復号器が、上記消失セルに対して先行する先行
音声情報と、上記消失セルに対して後続する後続音声情
報とに基づいて、上記消失セルに含まれる音声情報を補
間処理により求めるというものである。
【0069】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]以下に、本発明に係る第1の実施の形
態について、図を参照しながら説明する。図1は、本実
施の形態の音声符号化伝送システムのブロック構成図で
ある。この音声伝送システムは、送信端100は音声信
号を符号化した原音声符号を出力する。この原音声符号
は、差分符号化を行われた高能率音声符号であるが無音
圧縮はされていない。原音声符号は伝送路Bに送出され
る。すなわち、伝送路Bは、無音圧縮が行われない伝送
網を表している。一方、受信端102が接続される伝送
路Aは無音圧縮が行われる伝送網を表しており、中継ノ
ード104はこれら2つの伝送網を接続し、送信端10
0からの原音声符号を伝送路Bから受け取り、無音圧縮
音声符号にして伝送路Aに出力する。受信端102はこ
の無音圧縮音声符号を復号して音声信号を出力する。
【0070】送信端100は、入力された音声信号を差
分符号化する符号器(符号化器)106を有する。この
符号器106が高能率音声符号である原音声符号を生成
する。伝送路Bを介して送信端100から中継ノード1
04に伝送された高能率音声符号は、復号器(中継復号
器)108によって音声信号に復号される。音声検出器
110は、この音声信号を基にトークスパートの有無を
検出、すなわち有音期間・無音期間の判別を行い、その
結果に基づいて当該中継ノードの動作モードを制御する
信号(中継制御信号)を出力する。
【0071】この音声検出器110により切り換えられ
る中継ノードの動作モードは3つある。この動作モード
について、図2に基づいて説明する。図2は復号器10
8から出力される音声信号の波形図である。縦軸は信号
レベル、横軸は時間を表している。音声検出器110は
この音声信号を動作モードに対応した3つの期間(区
間)に区分し、中継ノード104の動作を制御する。第
1に、中継ノード104に入力された高能率音声符号か
ら、トークスパートが検出されない期間をモード1とす
る。第2に、中継ノードに入力された高能率音声符号か
ら、トークスパートが検出され始めてから数l0mse
c〜数l00msecの間(遷移期間、又は過渡期間と
称する)をモード2とする。第3に、モード2以降、引
続きトークスパートが検出される間をモード3とする。
音声検出器110は、以上述べた動作モード判定結果を
反映した制御信号を無音圧縮器112に供給する。
【0072】中継ノード104は、伝送路Bと伝送路A
とを接続する2つの経路を有している。第1の経路は復
号器108と符号器(中継符号化器)114とからなる
経路であり、第2の経路は処理遅延器116を通る経路
である。無音圧縮器112は、この2つのいずれかから
音声符号を伝送路Aに出力するか、又は伝送路Aをいず
れにも接続せず音声符号を出力しないかの3つの状態を
切り替える切替スイッチを内蔵する。なお、処理遅延器
116は復号器108と符号器114とからなる経路で
生じる信号遅延と同じ遅延時間を有し、先の第1、第2
の経路間での信号のタイミングを揃えるためのものであ
る。後述するように、無音圧縮器112は、トークスパ
ート“無し”であるモード1において、伝送路Aに何も
出力しないことにより、音声符号の無音圧縮を行う。ま
た、無音圧縮器112は音声符号に、受信端102での
モード判定に必要な情報(モード情報)を付加する。こ
のモード情報は例えば、有音期間の開始、終了を表す情
報である。このように無音圧縮器12は無音圧縮音声符
号を合成し、伝送路Aに送出する。記憶器118につい
ては後述する。
【0073】受信端102では、有音/無音情報抽出器
120が無音圧縮音声符号からモード情報を取り出し、
受信ノードの動作モードを制御する信号(受信制御信
号)を出力する。受信端102は伝送された音声符号か
ら音声信号を復号する復号器(受信復号器)122と、
人工的な雑音を発生する擬似背景雑音発生器(擬似背景
雑音信号発生器)124を有する。切替スイッチ126
は、受信制御信号に基づいて、この2つのいずれかから
の信号を出力するかを切り替える。記憶器128につい
ては後述する。
【0074】次に各動作モードにおける動作を、中継ノ
ード、及び受信端を中心に説明する。まず、モード1で
は、中継ノード104においては音声検出器110が出
力する制御信号に応じて、無音圧縮器112内の切替ス
イッチを端子112bに接続する。この端子は先の第
1、第2の経路のいずれにも接続されていない端子であ
るので、この時、伝送路Aには高能率音声符号は出力さ
れない。音声検出器110は、モードの変化を絶えず監
視している必要があるため、常時動作している。この音
声検出器110は復号器108の出力する音声信号を入
力としてモード判定を行なっているため、この音声信号
は常時供給される必要がある。従って、復号器108も
常に動作している。一方、符号器114については、出
力する高能率音声符号は本モードでは他のブロックに供
給する必要も、受信端に送信する必要もないので、動作
させておく必要はない。
【0075】また、受信端102では伝送路Aから送信
されてきた信号から、有音/無音情報抽出器120が、
無音圧縮音声符号からモード1であると判断する。これ
は、例えば、1かたまりの無音圧縮音声符号の最後(無
音圧縮音声符号が例えば複数のパケットやセルに分割さ
れて伝送される場合には、最後のパケット又はセル)に
付加された有音期間の終了の情報を得たら、それ以降は
モード1であると判断するといった方法により行われ
る。このモード1であるという情報を反映した制御信号
を受けて、切替スイッチ126は端子126a側に切り
替わり、擬似背景雑音発生器124の擬似背景雑音が受
信端102から出力され、受信者に自然な無音状態が伝
えられる。
【0076】中継ノード104において、音声検出器1
10はモード1からモード2に遷移したことを検知する
と、無音状態から有音状態に遷移したことを知らせる制
御信号を符号器114に送信する。符号器114はこの
制御信号に応答して、記憶器118に格納されたデータ
を、符号器114内部のメモリに各種音声パラメータの
差分符号化処理における基準値としてロードし、この基
準値に基づいて復号器108から出力された音声信号に
対する符号化動作を開始する。すなわち記憶器118は
符号器114の基準値を決定する。また、同じ制御信号
を受け、無音圧縮器112の切替スイッチは端子112
c側に切り替わる。
【0077】また、受信端102では伝送路Aから送信
されてきた無音圧縮音声符号から、有音/無音情報抽出
器120がモード情報を抽出し、動作モードがモード1
からモード2へ遷移したことを検出する。有音/無音情
報抽出器120は、無音状態から有音状態に遷移したこ
とを知らせる制御信号を復号器122に送信する。復号
器122はこの制御信号に応答して、記憶器128に格
納されたデータを、復号器122内部のメモリに各種音
声パラメータの差分符号化処理における基準値としてロ
ードする。一方、有音/無音情報抽出器120は切替ス
イッチ126にも同じ制御信号を送信する。切替スイッ
チ126はこの制御信号により、端子126b側に切り
替わる。すなわち記憶器128は復号器122の基準値
を決定する。
【0078】音声検出器110の判定がモード3のとき
は、無音圧縮器112内の切替スイッチが端子112a
側に切り替えられ、送信端100の符号器106から送
られてきた高能率音声符号が伝送路Aに直接出力され
る。この場合においても音声検出器110は、モードの
変化を絶えず監視している必要があるため、常時、動作
されている。この音声検出器110は復号器108の出
力する音声信号を入力としてモード判定を行なっている
ため、この音声信号は常時、音声検出器110に供給さ
れる必要がある。従って、復号器108も常に動作して
いる。一方、符号器114は、本モードではそれが生成
する高能率音声符号を他のブロックに供給する必要も、
受信端に送信する必要もないので、動作される必要はな
い。一方、受信端102の動作はモード2の場合と同一
である。
【0079】ここで、もしモード2という状態を設けな
いと、次に説明する障害が発生する。即ち、送信端10
0の符号器106と中継ノード104の復号器108の
内部状態、及び中継ノード104の符号器114の内部
状態と受信端102の復号器122の内部状態とは一致
している事が保障される。ところが、符号器106と復
号器122の内部状態については、その一致については
全く保証されない。従って動作モードをモード1からモ
ード3に一足飛びに遷移させると、従来例の方式と同
様、内部状態の不一致に起因する異音が発生する。モー
ド2で定義される遷移期間を設けることにより、符号器
106の内部状態と復号器122の内部状態とが漸近し
て十分一致した段階で、動作モードがモード3に遷移さ
れるので異音の発生が回避される。
【0080】なお、ここで示した符号器114、復号器
122の内部メモリの設定に関しては、異音の発生を防
止する事を最終目的とするならば、記憶器118、12
8に格納されるデータを両者同一とし、符号器114と
復号器122との両者に同一の差分符号化の基準値を設
定することにより、過去の不定動作の処理結果を反映す
るメモリ内容を消去する事が、本発明における必要最低
条件である。ただし、記憶器118、128に格納され
たデータが使用されるのはモードが1から2に遷移する
時に限られているので、そのモード遷移の状況に即応し
た値を使用すれば、より高品質な復号音声を得ることも
可能である。例えば、高能率符号化方式にITU勧告
G.728を用いた場合、格納するデータには背景ノイ
ズを符号化/復号したときの、予測フィルタ係数や予測
フィルタ適応手段に属するメモリ(自己相関関数な
ど)、適応利得や利得適応手段に属するメモリなどを予
め算出したものを使用すると、さらに良い品質の復号音
声を得ることができる。
【0081】また、高能率符号化方式にITU勧告G.
728を適用した場合、上述したように、背景ノイズを
符号化/復号したときのデータを算出、格納したものが
聴感的品質上最適であったが、この値は用いられる符号
化方式によって異なる事は容易に想像できる。更に、そ
の他の値を用いても上記実施例とほぼ同等の効果があ
る。即ち、音声検出器110及び有音/無音情報抽出器
120で発生する制御信号のタイミングが一致している
事、またそれにより符号器114、復号器122それぞ
れに同じ内部状態が設定され、過去のデータによる不定
成分が除かれる事が本発明の本質である。
【0082】この実施の形態における音声符号化伝送シ
ステムでは、音声の品質劣化を引き起こす事が知られて
いるタンデム接続を行う期間を無音状態から有音状態に
遷移する過渡期のわずかな時間に制限し、大部分のトー
クスパートはディジタル1リンクで接続することによっ
て品質劣化を回避する事ができ、高能率音声符号化方式
の性能をフルに引出すことが可能となる。また、中継ノ
ード104でのプロセッサの処理負荷、及びハードウエ
ア規模の低減が可能となる。
【0083】ここで、モード2の継続時間(遷移期間)
として数10msec〜l00msecという値を提示
したが、この値の根拠は以下の経験則によっている。ま
ず前提条件として、高能率符号化方式としてG.728
を用い、符号器106の内部状態と復号器122の内部
状態とが全く異なっているものとする。この前提条件の
下で符号器106と復号器122とで伝送路を介して符
号化/復号を行なう。G.728で使用するフィルタは
すべて安定性が保証されているので、送受の内部状態は
送受で同一となる方向に次第に収束していく。そのまま
符号化/復号を継続する内、異音の発生する虞がなくな
る程度にまで内部状態が十分一致する。モード遷移から
内部状態の十分一致するまでに要する時間が、数l0m
sec〜l00msecである。もちろん、使用する高
能率符号化方式によって、この値は変化することが予想
されることはいうまでもなく、それぞれの符号化方式に
応じた遷移期間の設定を行なうことは重要である。
【0084】図3は、以上説明した各モードのモード間
の遷移を表す状態遷移図である。3つのモード間の遷移
は、矢印で示した方向のみ許されており、それ以外の遷
移は禁止された遷移であるか、または物理的にあり得な
い遷移である。
【0085】なお、ここで示した実施例では、高能率符
号化方式にITU勧告G.728を適用したシステムに
ついて述べたが、本発明はこの符号化方式に限らず、こ
こで差分符号化方式と呼んでいる過去の符号化/復号結
果を利用する全ての音声符号化方式に適用できる。
【0086】[実施の形態2]図4は、本発明に係る第
2の実施の形態を説明する中継ノードのブロック構成図
である。本実施の形態は実施の形態1の音声符号化伝送
システムにおいて、その中継ノードに改良を加えたもの
である。この改良によって、中継ノードでの処理負荷、
及びハードウエア規模の低減が図られる。なお、図4に
おいて、送信端100、受信端102は実施の形態1と
同じであるので省略し、中継ノードのみ示した。また図
4において上記実施の形態1で説明したものと同一の機
能を担う構成要素には図1と同一符号を付し説明の重複
を省き、変更が加えられている構成要素には図1の符号
にBを付加し、実施の形態1との対応関係の把握の便宜
を図った。
【0087】復号器108Bは、音声信号を復号すると
ともに、適応パラメータの一部を出力する。適応パラメ
ータは、ADPCMなどの高能率符号化において生成さ
れ、音声信号を構成する音声パラメータである。符号器
114Bは、この音声信号と適応パラメータとを入力さ
れる。符号器114Bは、入力された適応パラメータに
ついてはその生成処理を省略することができる。本音声
符号化伝送システムの動作は、実施の形態1の動作と相
当部分が同一である。異なる点は、復号器108Bから
適応パラメータの一部を符号器114Bに供給している
点にある。これにより、符号器114Bにおいて、適応
差分処理を一部省略することが可能となる。ただし、復
号器108Bから符号器114Bにパラメータを一部供
給することによって、符号器114Bと受信端の復号器
122との間の内部状態の不一致を一部容認するという
結果になるため、供給するパラメータとして異音を引き
起こす要因とならないものを高能率符号化方式に応じて
選択するという配慮が必要である。
【0088】例えば、高能率符号化方式にG.728を
使用する場合には、復号器108Bから符号器114B
に供給可能なバックワード型パラメータとして、合成フ
ィルタ係数などがある。合成フィルタは、人間の発声機
構に例えるならば、喉や口蓋に相当する調音機構を司っ
ており、母音の生成には重要な役割を果たす。ところ
が、モード2の期間は子音部または背景ノイズ部である
ことが多く、この調音機構が音声合成に寄与する比率は
さほど大きくない。さらに、「ギヤッ」「ブッ」といっ
た異音発生は、利得値の適応が最適になされていないこ
とに起因する場合が殆どである。以上の観点から、合成
フィルタ係数の適応に多少不具合が生じても、この期間
においては異音発生には到らないと考えられる。
【0089】上ではバックワード型パラメータの供給に
ついて述べ、その選択に十分な配慮が必要であることを
指摘したが、フォワード型パラメータについては、過去
の影響を全く受けていないことから、復号器108Bか
ら符号器114Bへの供給について何ら問題がないこと
はいうまでもない。
【0090】[実施の形態3]図5は、本発明に係る第
3の実施の形態を説明する中継ノードのブロック構成図
である。本実施の形態は実施の形態1又は実施の形態2
の音声符号化伝送システムにおいて、その中継ノードに
改良を加えたものである。この改良によって、中継ノー
ドでの処理負荷、及びハードウエア規模の低減が図られ
る。なお、図5において、送信端100、受信端102
は実施の形態1と同じであるので省略し、中継ノードの
み示した。また図5において上記実施の形態1で説明し
たものと同一の機能を担う構成要素には図1と同一符号
を付し説明の重複を省き、変更が加えられている構成要
素には図1の符号にCを付加し、実施の形態1及び実施
の形態2との対応関係の把握の便宜を図った。
【0091】パラメータ分離器108Cは、図4におけ
る復号器108Bから一部処理を省略して構成したもの
である。パラメータ分離器108Cは、音声信号を完全
な形で復号する機能を喪失し、パラメータ抽出機能だけ
残している。パラメータ分離器108Cは、符号器11
4Cへは励振信号、符号化パラメータを出力し、音声検
出器110Cへはピッチ情報(または励振信号情報)を
出力する。音声検出器110Cは、ピッチ情報(または
励振信号情報)に基づいて音声検出処理を行う。本音声
符号化伝送システムのその他の動作は、実施の形態2の
動作と同様である。
【0092】不一致による異音発生の要因となるパラメ
ータについて、ある程度特定できることを実施の形態2
の説明の中で指摘した。本音声符号化伝送システムは、
中継ノードにおいては一部のパラメータについての適応
処理そのものを符号器/復号器両方で省略した。
【0093】パラメータ分離部108Cは復号器108
Bでは行っていた適応処理を一部でも省略してしまう
と、音声復号機能を全て喪失し、音声信号の出力が不可
能になる。中継ノード104Cにおいては、出力信号と
しての音声信号を必要としないので、マクロ的に見れば
問題はない。しかし図4における音声検出器110B及
び符号器114Bは、音声信号入力を必要とするもので
あったので、本中継ノード104Cでは、これらを音声
信号を必要としない構成を有した音声検出器110C及
び符号器114Cに変更している。
【0094】まず符号器114Cの構成について述べ
る。例として、高能率符号化方式にITU勧告G.72
8を使用した場合について述べる(図46参照)。G.
728においては、合成フィルタ係数に多少の不一致が
生じても異音の発生にさしたる影響を及ぼさないこと
を、実施の形態2で述べた。この合成フィルタ処理を省
略すると、パラメータ分離部108Cは励振ベクトルま
でしか復号できない。図6は、音声信号の入力を必要と
せず励振ベクトルに基づいて符号化を行う符号器114
Cのブロック構成図である。このように構成することに
よって、音声信号の入力を必要としない符号器が実現で
きる。これは、参照するベクトルを音声信号から励振信
号にシフトしただけのものであり、合成フィルタ、及び
その適応処理が省略されている以外はもとの符号器の構
成と変わらない。従って、もとのITU勧告G.728
符号化方式と相互互換性は保証されている。また、音声
検出器110Cについても、音声パワーは励振利得に強
く反映されているため、励振信号に基づく構成に変更す
ることは容易である。また、励振信号からピッチ情報を
抽出することにより、その精度を向上させることも可能
である。
【0095】[実施の形態4]図7は、本発明に係る第
4の実施の形態の音声符号化伝送システムのブロック構
成図である。本実施の形態は実施の形態1の音声符号化
伝送システムにおいて、その中継ノード及び受信端に改
良を加えたものである。図7において上記実施の形態1
で説明したものと同一の機能を担う構成要素には図1と
同一符号を付し説明の重複を避け、変更が加えられてい
る構成要素には図1の符号にDを付加し、実施の形態1
との対応関係の把握の便宜を図った。中継ノード104
Dは、擬似背景雑音発生器140を有し、符号器114
の入力は、この擬似背景雑音発生器140又は復号器1
08のいずれかに、切替スイッチ142によって切り替
えられて接続される。受信端102Dでは、擬似背景雑
音発生器144からの出力は符号器(雑音符号器)14
6で符号化される。復号器122の入力は、符号器14
6又は伝送路Aのいずれかに、切替スイッチ148によ
って切り替えられて接続される。
【0096】次に、動作について図7に基づいて説明す
る。伝送路Bからの音声符号は中継ノード104Dにお
いて、復号器108で一旦、音声信号に復号される。音
声検出器110はこの音声信号を基にトークスパートの
有無を検出し、この検出結果を基に中継ノード104D
の動作モードを判定する。
【0097】ここで、本発明に係る符号化/復号方式は
3つの動作モードを持っている。この動作モードについ
ては、実施の形態1の項で説明したものと同一であるた
め、説明を省略する。
【0098】まず、モード3(有音状態)における動作
は、実施の形態1に示したモード3の動作と全く同一で
ある。この時、受信端の符号器146は停止していて構
わない。
【0099】中継ノード104Dにおいて、音声検出器
110がモード3からモード1に遷移したことを検知し
たら、切替スイッチ142を端子142aに接続すると
ともに、切替スイッチ112を112bに接続する。こ
のため、符号器114には擬似背景雑音発生器140か
ら出力された擬似背景雑音が入力される。符号器114
は擬似背景雑音の入力を受けて符号化動作を行なう。そ
の結果、符号器114からは擬似背景雑音を高能率符号
化した信号が出力されると同時に、フィルタ係数等の内
部変数が適応的に更新される。この動作については、I
TU勧告G.728を一例として先に示した通りであ
る。ここで、符号器114から出力された高能率符号化
信号は、切替スイッチが112cに接続されていないた
め、伝送路Aには出力されない。なお、音声検出器11
0は、モードの変化を絶えず監視している必要があるた
め、常時、動作させておく。
【0100】また、受信端102Dでは伝送路Aを伝送
されてきた無音圧縮音声符号から、有音/無音情報抽出
器120がモード情報を取り出し、音声検出器110の
判定結果がモード3からモード1に切り替わったことを
示す情報を抽出し、それに基づく制御信号を切替スイッ
チ148及び符号器146に出力する。切替スイッチ1
48はこの制御信号により、端子148a側に切り替わ
る。また符号器146はこの制御信号に応答して、復号
器122の内部変数(合成フィルタメモリ、適応利得な
ど)を符号器146内の予め定められた領域にロード
し、その内部状態を復号器122のそれと一致させる。
しかる後、符号器146は擬似背景雑音発生器144の
出力する擬似背景雑音を入力として符号化動作を開始す
る。
【0101】復号器122は、符号器146の出力する
高能率背景雑音符号を入力として動作する。ここで、符
号器114の内部状態と復号器122の内部状態とを常
に同一に保つためには、符号器114が出力する(実際
に伝送路に出力されない)高能率背景雑音符号と、符号
器122が出力するそれとが全く同一でなくてはならな
い。符号器146の内部状態と復号器122の内部状態
は同一となるように保たれているので、擬似背景雑音発
生器144の出力する擬似背景雑音と、中継ノード10
4Dにおける擬似背景雑音発生器140の出力する擬似
背景雑音は同一でなくてはならない。
【0102】以上説明したように、受信端102Dに擬
似背景雑音発生器144と符号器146を備えたことに
より、擬似的な送信端を受信端102Dに設けたことと
同値となるため、従来例で説明した無音時の不定状態を
回避することができる。このように擬似背景雑音発生器
140はモード1からモード2に遷移する時(すなわち
音声開始時)の符号器114に差分符号化の基準値を与
え、擬似背景雑音発生器144及び符号器146は音声
開始時の復号器122に差分符号化の基準値を与える。
従って、中継ノード104Dの符号器114と受信端1
02Dの復号器122の内部状態の不一致が起きること
がなくなり、モード1からモード2に遷移する時の異音
発生を避けることができる。ただし、依然として符号器
106と復号器122の内部状態は一致していないこと
に留意する。
【0103】中継ノード104Dのモード2における動
作を説明する。音声検出器110はトークスパートの先
頭を検知すると、切替スイッチ142及び無音圧縮器1
12に制御信号を送る。この制御信号に応答して、切替
スイッチ142は端子142b側に切り替わり、無音圧
縮器112内の切替スイッチは端子112c側に切り替
わる。これにより中継ノード104Dでは、復号器10
8で復号された音声信号が符号器114により再度、高
能率音声符号に符号化され、その高能率音声符号が中継
ノード104Dから伝送路Aに出力される。一方、受信
側102Dでは、有音/無音情報抽出器120が、動作
モードのモード2への遷移を検出すると、制御信号を切
替スイッチ148に出力する。切替スイッチ148はこ
の制御信号により端子148b側に切り替わる。復号器
122は伝送路Aから入力された符号器114の出力を
復号する。モード2の期間が継続すると、実施の形態1
で説明した通り送信端100の符号器106と復号器1
22との内部状態は十分に近づくので、この後、動作モ
ードがモード2からモード3に遷移されても異音の発生
する恐れはない。
【0104】以上説明したように、音声の品質劣化を引
き起こす事が知られているタンデム接続を行う期間を無
音状態から有音状態に遷移する過渡期のわずかな時間に
制限し、大部分のトークスパートはディジタル1リンク
で接続することによって、品質劣化を回避する事がで
き、高能率音声符号化方式の性能をフルに引出すことが
可能となる。また、中継ノード104Dでのプロセッサ
の処理負荷、及びハードウエア規模の低減が可能とな
る。
【0105】[実施の形態5]図8は、本発明に係る第
5の実施の形態を説明する中継ノードのブロック構成図
である。本実施の形態は実施の形態4の中継ノードに実
施の形態2で示したのと同様の改良を加えたものであ
る。つまり中継復号器、中継符号化器に、それぞれ実施
の形態2と同様の機能を有した復号器108B、符号器
114Bが用いられている。復号器108Bは、音声信
号を復号するとともに、適応パラメータの一部を出力す
る。符号器114Bでは、この適応パラメータについて
の生成処理を省略することができる。この改良によっ
て、中継ノードでの処理負荷、及びハードウエア規模の
低減が図られる。
【0106】復号器108Bは、音声信号を復号すると
ともに、適応パラメータの一部を出力する。適応パラメ
ータは、ADPCMなどの高能率符号化において生成さ
れ、音声信号を構成する音声パラメータである。符号器
114Bは、この音声信号と適応パラメータとを入力さ
れる。符号器114Bは、入力された適応パラメータに
ついてはその生成処理を省略することができる。本音声
符号化伝送システムの動作は、実施の形態4の動作と相
当部分が同一である。異なる点は、上述したように、実
施の形態2同様、復号器108Bが適応パラメータの一
部を取り出し、符号器114Bがこれを流用する点にあ
る。
【0107】[実施の形態6]図9は、本発明に係る第
6の実施の形態の音声符号化伝送システムのブロック構
成図である。本実施の形態は実施の形態5の中継ノード
に更に実施の形態3で示したのと同様の改良を加えたも
のである。つまり中継復号器、中継符号化器、音声検出
器に、それぞれ実施の形態3と同様の機能を有したパラ
メータ分離器108C、符号器114C、音声検出器1
10Cが用いられている。
【0108】パラメータ分離器108Cは、音声信号に
含まれる適応パラメータのうち一部のみ取り出し、符号
器114Cは完全な音声信号ではなくこの一部の適応パ
ラメータに基づいて音声符号を生成する。この改良によ
って、中継ノードでの処理負荷、及びハードウエア規模
の一層の低減が図られる。
【0109】[実施の形態7]図10は、本発明に係る
第7の実施の形態の音声符号化伝送システムのブロック
構成図である。本実施の形態は実施の形態1の音声符号
化伝送システムにおいて、その中継ノード及び受信端に
改良を加えたものである。図10において上記実施の形
態1で説明したものと同一の機能を担う構成要素には図
1と同一符号を付し説明の重複を避け、変更が加えられ
ている構成要素には図1の符号にGを付加し、実施の形
態1との対応関係の把握の便宜を図った。中継ノード1
04Gと受信端102Gとは、それぞれタスク制御器1
60、162を有している。タスク制御器160は音声
検出器110からの制御信号に基づいて符号器114の
動作を制御する。タスク制御器162は有音/無音情報
抽出器120からの制御信号に基づいて復号器122を
制御する。
【0110】次に、動作を図10に基づいて説明する。
中継ノード104Gでは、復号器108が送信端100
からの音声符号を一旦、音声信号に復号する。音声検出
器110はこの音声信号を基に、トークスパートの有無
を検出し、この検出結果を基に、当該中継ノードの動作
モードを判定する。
【0111】ここで、本発明に係る符号化/復号方式は
3つの動作モードを持っている。この動作モードについ
ては、実施の形態1で説明したものと同一であるため、
説明を省略する。
【0112】まず、モード3(有音状態)における動作
は、実施の形態1に示したモード3の動作と全く同一で
ある。なお、この時、中継ノード104Gの符号器11
4は、復号器108から出力された音声信号を符号化し
ている。
【0113】中継ノード104Gにおいて、音声検出器
110が動作モードのモード3からモード1への遷移を
検知すると、無音圧縮器112に制御信号を送る。無音
圧縮器112内の切替スイッチはこの制御信号に応答し
て端子112bに接続し、中継ノード104Gからの音
声符号の出力を停止する。また、この制御信号をタスク
制御部160にも送る。タスク制御部160はこの制御
信号に応答して、符号器114にその符号化動作を停止
させる制御信号を送る。符号器114はこの制御信号に
応答して、その内部メモリ(合成フィルタ係数、適応利
得など)の内容を保持したまま符号化動作を停止する。
符号器114はモードチェンジ以降、モード1の状態が
継続する間、内部メモリの内容を保持したまま、符号化
動作を一切行なわない。
【0114】また、受信端102Gでは伝送路Aから送
信されてきた無音圧縮音声符号から、有音/無音情報抽
出器120がモード情報を取り出し、動作モードのモー
ド3からモード1への遷移に応じた制御信号を切替スイ
ッチ126及びタスク制御部162に送る。切替スイッ
チ126はこの制御信号により、端子126a側に切り
替わる。一方、タスク制御部162はこの制御信号に応
答して、内部メモリの内容を保持したまま復号器122
の復号動作を停止する。復号器122はモードチェンジ
以降、モード1の状態が継続する間、内部メモリの内容
を保持したまま、復号器122における復号動作を一切
行なわない。
【0115】中継ノード104Gにおいて、音声検出器
110が動作モードのモード1からモード2への遷移を
検知したら、無音圧縮器112内の切替スイッチを端子
112cに切り替えるとともに、動作モードのモード1
からモード2への遷移を知らせる制御信号をタスク制御
部160に送る。タスク制御部160はこの制御信号に
応答して、符号器114に符号化動作を再開させる制御
信号を出力する。符号器114は、この制御信号に応答
して、モード3からモード1への遷移時以降、保持して
内部メモリ(合成フィルタ係数、適応利得など)の内容
を初期化することなく、これを差分符号化/復号処理の
基準値として用いて符号化動作を再開する。符号器11
4から出力された高能率音声符号は、中継ノードから伝
送路Aに出力され、受信端102Gに伝送される。
【0116】また、受信端102Gでは伝送路Aから伝
送されてきた無音圧縮音声符号から、有音/無音情報抽
出器120がモード情報を取り出し、動作モードのモー
ド1からモード2への遷移に応じた制御信号を切替スイ
ッチ126及びタスク制御部162に伝送する。切替ス
イッチ126はこの制御信号により、端子126b側に
切り替わる。一方、タスク制御部162はこの制御信号
に応答して、復号器122に復号動作を再開させる制御
信号を出力する。復号器122は、この制御信号に応答
して、モード3からモード1への遷移時以降、保持して
いた内部メモリの内容を初期化することなく、これを差
分符号化/復号処理の基準値として用いて復号動作を再
開する。復号器122は中継ノード104Gの符号器1
14の出力を復号して音声信号を出力する。
【0117】以上説明したように、中継ノード104G
と受信端102Gにそれぞれタスク制御部160、16
2を備え、符号器114と復号器122の処理スケジュ
ールを同期させることにより、従来例で説明した復号器
の不定状態を回避することができる。このようにタスク
制御器160は符号器114のモード2への遷移時(す
なわち音声開始時)における差分符号化の基準値を決定
し、タスク制御器162は復号器122に音声開始時に
おける差分符号化の基準値を決定する。従って、中継ノ
ード104Gの符号器114と受信端102Gの復号器
122の内部状態の不一致が起きることがなくなり、モ
ード1からモード2に遷移する時の異音発生を避けるこ
とができる。ただし、依然として符号器106と復号器
122の内部状態は一致していないことに留意する。
【0118】モード2における動作は実施の形態1と基
本的には同一である。中継ノード104Gでは音声検出
器110がトークスパートの先頭を検知すると、無音圧
縮器112に制御信号を送る。この制御信号に応答し
て、無音圧縮器112内の切替スイッチは端子112c
側に切り替わる。これにより中継ノード104Gでは、
復号器108で復号された音声信号が符号器114によ
り再度、高能率音声符号に符号化され、その高能率音声
符号が中継ノード104Gから伝送路Aに出力される。
一方、受信側102Gでは、有音/無音情報抽出器12
0が、動作モードのモード2への遷移を検出すると、制
御信号を切替スイッチ126に出力する。切替スイッチ
126はこの制御信号により端子126b側に切り替わ
る。復号器122は伝送路Aから入力された符号器11
4の出力を復号する。モード2の期間が継続すると、実
施の形態1で説明した通り送信端100の符号器106
と復号器122との内部状態は十分に近づくので、この
後、動作モードがモード2からモード3に遷移されても
異音の発生する虞はない。
【0119】以上説明したように、音声の品質劣化を引
き起こす事が知られているタンデム接続を行う期間を無
音状態から有音状態に遷移する過渡期のわずかな時間に
制限し、大部分のトークスパートはディジタル1リンク
で接続することによって、品質劣化を回避する事がで
き、高能率音声符号化方式の性能をフルに引出すことが
可能となる。また、中継ノード104Gでのプロセッサ
の処理負荷、及びハードウエア規模の低減が可能とな
る。
【0120】[実施の形態8]図11は、本発明に係る
第8の実施の形態を説明する中継ノードのブロック構成
図である。本実施の形態は実施の形態7の中継ノードに
実施の形態2で示したのと同様の改良を加えたものであ
る。つまり中継復号器、中継符号化器に、それぞれ実施
の形態2と同様の機能を有した復号器108B、符号器
114Bが用いられている。復号器108Bは、音声信
号を復号するとともに、適応パラメータの一部を出力す
る。符号器114Bでは、この適応パラメータについて
の生成処理を省略することができる。この改良によっ
て、中継ノードでの処理負荷、及びハードウエア規模の
低減が図られる。
【0121】[実施の形態9]図12は、本発明に係る
第9の実施の形態の音声符号化伝送システムのブロック
構成図である。本実施の形態は実施の形態7の中継ノー
ドに更に実施の形態3で示したのと同様の改良を加えた
ものである。つまり中継復号器、中継符号化器、音声検
出器に、それぞれ実施の形態3と同様の機能を有したパ
ラメータ分離器108C、符号器114C、音声検出器
110Cが用いられている。
【0122】パラメータ分離器108Cは、音声信号に
含まれる適応パラメータのうち一部のみ取り出し、符号
器114Cは完全な音声信号ではなくこの一部の適応パ
ラメータに基づいて音声符号を生成する。この改良によ
って、中継ノードでの処理負荷、及びハードウエア規模
の一層の低減が図られる。
【0123】以上実施の形態1〜9は基本的に音声開始
時において中継ノードの中継符号化器と受信端の受信復
号器との同期リセットを行うものである。
【0124】[実施の形態10]図13は、本発明に係
る第10の実施の形態の音声符号化伝送システムのブロ
ック構成図である。本実施の形態は上記のような音声開
始時における中継符号化器と受信復号器との同期リセッ
トを行うものではないが、構成要素は共通する点が多
い。そこで説明の煩雑さを避けるため、図13において
も上記実施の形態1で説明したものと同一の機能を担う
構成要素には図1と同一符号を付している。
【0125】中継ノード204は、符号器114などの
中継符号化器に代えて異音抑圧コード生成器206を有
している。異音抑圧コード生成器206も一種の符号化
器であるが、異音の発生が予測される場合には異音の発
生を抑圧する音声符号を生成する点で、符号器114な
どとは異なっている。本実施の形態では既に述べたよう
に同期リセットを行わないので、中継ノード204、受
信端202は、音声開始時における差分符号化/復号処
理の基準値を決定する手段、すなわち、実施の形態1に
おける記憶器118、128や実施の形態4における擬
似背景雑音発生器140、144や、実施の形態7にお
けるタスク制御器160、162などを必要としない。
【0126】次に、動作について図13に基づいて説明
する。中継ノード204では、復号器108が送信端1
00からの音声符号を一旦、音声信号に復号する。音声
検出器110はこの音声信号を基に、トークスパートの
有無を検出し、この検出結果を基に、当該中継ノードの
動作モードを判定する。
【0127】ここで、本発明に係る符号化/復号方式は
3つの動作モードを持っている。この動作モードについ
ては、実施の形態1で説明したものと同一であるため、
説明を省略する。
【0128】まず、モード3(有音状態)における動作
は、実施の形態1に示したモード3の動作と全く同一で
ある。
【0129】中継ノード204において、音声検出器1
10が動作モードのモード3からモード1への遷移を検
知すると、無音圧縮器112に制御信号を送る。無音圧
縮器112内の切替スイッチはこの制御信号に応答して
端子112b側に切り替わり、中継ノード204からの
音声符号の出力は停止する。音声検出器110は、動作
モードの変化を絶えず監視している必要があるため、常
時、動作されている。一方、異音抑圧コード生成器20
6は動作されている必要はない。
【0130】また、受信端202では伝送路Aを伝送さ
れてきた無音圧縮音声符号から、有音/無音情報抽出器
120がモード情報を取り出し、動作モードのモード3
からモード1への遷移に基づく制御信号を切替スイッチ
126に出力する。切替スイッチ126はこの制御信号
により、端子126a側に切り替わり、擬似背景雑音発
生器124の擬似背景雑音が受信端202から出力さ
れ、受信者に自然な無音状態が伝えられる。
【0131】音声検出器110は動作モードのモード1
からモード2への遷移を検知すると、無音状態から有音
状態に遷移したことを知らせる制御信号を無音圧縮器1
12に送る。無音圧縮器112内の切替スイッチはこの
制御信号に応答して、端子112c側に切り替わる。ま
た、異音抑圧コード生成器206はこの制御信号により
動作を開始する。
【0132】動作モードがモード1からモード2に遷移
した時は、従来例で説明したように、送信端100の符
号器106と受信端202の復号器122との内部状態
は異なっている。従って符号器106の出力をそのまま
中継して復号器122に入力すると異音の発生する虞が
あることは、やはり従来例で説明した通りである。ここ
で、異音抑圧コード生成器206は、符号器106から
出力された高能率音声符号に修正を施した修正音声符号
を出力するユニットである。修正音声符号は、内部状態
の異なっている復号器122に入力されても異音が発生
しにくい最適化された音声符号である。
【0133】もし符号器106と復号器122との内部
状態が一致していれば、この符号化/復号システムは安
定性が保証されていることから、どのような音声信号を
符号器に入力しても異音は発生しない。しかしモード2
の条件下ではこれら内部状態が異なっているため、この
符号化/復号システムは不安定なシステムとなっている
確率が極めて高い。この不安定なシステムは符号器10
6に大きな利得値をもつ音声信号を入力されると、利得
値の急激な発散を起こし、「ギャッ」「ブッ」といった
異音を発生してしまう。これを防止する一つの方法は、
この不安定な符号化/復号システムに入力される音声信
号の利得値を減衰させて、発散速度を緩やかにすること
である。符号器106と復号器122との間の内部状態
の不一致は、モード2の条件下では収束する傾向を有す
る。よって、発散速度がこの収束速度よりも十分緩やか
になるように、減衰された利得値を設定することによ
り、システムの発散による異音発生を抑止することが可
能である。
【0134】異音抑圧コード生成器206の具体的な構
成の一例として、ITU勧告G.728に基づく高能率
符号化方式が用いられた場合について述べる(図46参
照)。音声信号の利得値を減衰させる方法の一例は、利
得コードブックの値に着目した方法である。異音抑圧コ
ード生成器206は、符号器106に入力される音声信
号のパワーを、中継ノード204の復号器108で復号
される音声信号を用いて常に監視し、高利得の音声信号
の入力を検知したら、利得コードの値にリミッタを掛け
る。即ち、異音抑圧コード生成器206は閾値以上の利
得コードを選択すると、モード2の期間においてはその
利得コードを閾値以下の利得コードに強制的に差し替え
る処理を行う。この差し替えられた利得コードは符号器
106にフィードバックされ、ローカルデコーダの適応
動作に供される。
【0135】一方、受信端202では伝送路Aを伝送さ
れてきた無音圧縮音声符号から、有音/無音情報抽出器
120がモード情報を取り出し、動作モードのモード1
からモード2への遷移に基づく制御信号を切替スイッチ
126に出力する。切替スイッチ126はこの制御信号
により、端子126b側に切り替わる。復号器122に
入力されている高能率符号化データはすでに異音抑圧処
理がなされているので、受信端202は特別な処理を行
う必要がない。
【0136】音声検出器110がモード3という判定を
したときは、無音圧縮器112内の切替スイッチを端子
112a側に切り替え、伝送路Aに送信端100の符号
器106から送られてきた高能率音声符号を直接出力す
る。受信端202の動作はモード2と同一である。
【0137】以上説明したように、この音声符号化伝送
システムは、音声の品質劣化の最大要因である異音発生
を起こす虞のある、音声開始直後の過渡期間において、
利得を抑圧することによって異音発生を回避しようとい
うものである。このシステムはパワー監視装置及びリミ
ッタという簡単な回路を追加するだけで実現されるた
め、上記他の実施の形態よりもプロセッサの処理負荷、
及びハードウエア規模の低減が可能となる。また、この
操作が行なわれるのは音声開始直後の過渡的なわずかな
期間のみであり、過渡期間以降の有音期間(モード3)
では符号器106の出力がそのまま伝送されるため、品
質劣化を回避する事ができ、高能率音声符号化方式の性
能をフルに引出すことが可能となる。
【0138】[実施の形態11]図14は、本発明に係
る第11の実施の形態を説明する中継ノードのブロック
構成図である。本実施の形態は実施の形態10の中継ノ
ードに実施の形態3で示したのと類似の改良を加えたも
のである。なお、図14において、送信端100、受信
端202は実施の形態10と同じであるので省略し、中
継ノードのみ示した。また図14において上記実施の形
態10で説明したものと同一の機能を担う構成要素には
図10と同一符号を付し説明の重複を省き、変更が加え
られている構成要素には図10の符号にBを付加し、実
施の形態10との対応関係の把握の便宜を図った。
【0139】本実施の形態が実施の形態10と異なる点
は、中継復号器、音声検出器に、それぞれ実施の形態3
と同様の機能を有したパラメータ分離器108C、音声
検出器110Cが用いられている点、及びこれらに対応
した異音抑圧コード生成器206Bが用いられている点
である。パラメータ分離器108Cは、音声信号に含ま
れる適応パラメータのうち一部のみを取り出し、異音抑
圧コード生成器206Bに出力する。この中には、利得
コードが含まれている。異音抑圧コード生成器206B
は完全な音声信号ではなくこの一部の音声パラメータに
基づいて音声符号を生成する。パラメータ分離器108
Cは音声検出器110Cへは例えばピッチ情報(または
励振信号情報)を出力する。音声検出器110Cは、ピ
ッチ情報(または励振信号情報)に基づいて音声検出処
理を行う。この改良によって、中継ノードでの処理負
荷、及びハードウエア規模の一層の低減が図られる。
【0140】[実施の形態12]図15は、本発明に係
る第12の実施の形態の音声符号化伝送システムのブロ
ック構成図である。構成要素は実施の形態1と共通する
点が多いので、図15において上記実施の形態1で説明
したものと同一の機能を担う構成要素には図1と同一符
号を付している。
【0141】本実施の形態は実施の形態10と同様、異
音抑圧コード生成器を用いるシステムであるが、本実施
の形態では実施の形態10の異音抑圧コード生成器20
6と同様の機能を有した異音抑圧コード生成器306が
受信端302側に設けられている。中継ノード304
は、モード2とモード3を区別せずに動作する。つま
り、中継ノード304の音声検出器308は、復号器1
08により復号された音声信号に基づいて有音期間か無
音期間かに応じた制御信号を発生する。無音圧縮器31
0はこの有音期間か無音期間かに対応した2つの切替端
子を有した切替スイッチを内蔵している。受信端302
の有音/無音情報抽出器312は3つの動作モードに応
じた制御信号を出力する。切替スイッチ314はこの制
御信号により異音抑制コード生成器306か伝送路Aの
いずれかを復号器122に接続する。
【0142】次に動作を説明する。モード1では、無音
圧縮器310内の切替スイッチは端子310b側に接続
され、伝送路Aには何も出力されない。すなわち、無音
圧縮される。このとき受信端302では、切替スイッチ
126は端子126a側に接続され、受信者には擬似背
景雑音が出力される。
【0143】モード2、3、すなわち全有音期間におい
ては、無音圧縮器310内の切替スイッチは音声検出器
308からの制御信号に基づいて端子310a側に接続
され、伝送路Aには送信端100からの高能率音声符号
がそのまま送出される。
【0144】このように中継ノード304ではモード2
とモード3が区別されないが、受信端302では区別さ
れる。この点、実施の形態10と逆である。受信端30
2では、動作モードがモード1からモード2へ遷移する
と、有音/無音情報抽出器312からの制御信号に基づ
いて、切替スイッチ314が端子314a側に切り替わ
り、また、切替スイッチ126が端子126b側に切り
替わる。これにより、モード2では、異音抑制コード生
成器306が伝送路Aからの無音圧縮音声符号を、実施
の形態10同様に音声符号の利得適応の行われた修正音
声符号に変換し、復号器122はこれを復号して音声信
号を生成し、受信者に出力する。音声符号の利得適応が
行なわれているため、異音の発生が抑圧されると共に、
送信端の符号器106と復号器122との内部状態の擦
り合わせが徐々に行なわれるため、この後、モード3に
遷移しても異音の発生を防ぐことができる。
【0145】音声検出器308がモード3という判定を
したときは、受信端302では、切替スイッチ314が
有音/無音情報抽出器312からの制御信号に基づいて
端子314b側に切り替わり、復号器122は伝送路A
から、送信端100で生成された高能率音声符号を受け
取る。
【0146】この方法を用いれば、実施の形態10の効
果に加えて、既存の中継ノードに改良を加えることなく
収容することができるため、実用上好ましい効果が得ら
れる。
【0147】[実施の形態13]図16は、本発明に係
る第13の実施の形態の音声符号化伝送システムのブロ
ック構成図である。図15において上記実施の形態1で
説明したものと同一の機能を担う構成要素には図1と同
一符号を付している。なお、本実施の形態においては、
ITU勧告G.728に基づく高能率音声符号化方式を
用いているが、本発明に適用可能な高能率符号化方式は
これに限定されない。
【0148】以下、図16を用いて実施の形態を説明す
る。受信端402、中継ノード404における利得に関
する符号化/復号処理は、利得コードブックを用いて行
われる。利得コードブックは、音声信号の利得値に対し
て設けられた幾つかの範囲ごとに、1つの利得値を量子
化値として対応させる。利得符号はこの量子化値に対応
づけられる。
【0149】図において、標準利得コードブック40
8、410は普通に使用されるコードブックであり、こ
れらは同一のものである。一方、抑圧利得コードブック
412、414は、本実施の形態に特徴的なコードブッ
クであり、これらは同一のものである。具体的には標準
利得コードブック408、410は、ITU勧告G.7
28で規定された利得コードブックを蓄積したメモリで
ある。また、抑圧利得コードブック412、414は、
標準利得コードブック408、410の量子化値を減衰
させて、不安定な符号化/復号システムでも発散の起き
ない量子化利得値のみを持つ利得コードブックを蓄積し
たメモリである。すなわち、抑圧利得コードブックと標
準利得コードブックは、利得値についての同一の範囲区
分(利得値範囲)を有しているが、例えば、同一の範囲
に対して、抑圧利得コードブックの量子化利得値は標準
利得コードブックのそれより減衰した値、つまりより小
さい値を与えられている。この減衰の度合いは、例えば
高い位置の利得値範囲ほど大きく定める。抑圧利得コー
ドブックは、この他、標準利得コードブックと異なる利
得値範囲を有するものも可能である。例えば、抑圧利得
コードブックにおける最上位の利得値範囲の下限が、標
準利得値コードブックのそれより小さいものでもよい。
このとき、抑圧利得コードブックの最上位の利得値範囲
に対応する量子化利得値は、上記の同一の利得値範囲を
有する場合より、量子化利得値の減衰の度合いを大きく
することができ、後述する異音抑制効果の高い抑圧利得
コードブックが得られる。復号器416は標準利得コー
ドブック408を使用して復号処理を行い、符号器41
8は抑圧利得コードブック412を使用して符号化処理
を行い、復号器420は標準利得コードブック410と
抑圧利得コードブック414とを切り替えて使用し復号
処理を行う。この復号器420に接続される利得コード
ブックは、切替スイッチ422によって切り替えられ
る。切替スイッチ422は有音/無音情報抽出器424
からの制御信号により切り替わる。本システムに係る符
号化/復号方式は上記実施の形態1で説明した3つの動
作モードを持っている。有音/無音情報抽出器424
は、実施の形態12の有音/無音情報抽出器312と同
様にこの3つの動作モードに応じた制御信号を出力す
る。
【0150】次に、動作について図16に基づいて説明
する。中継ノード404において、復号器416は送信
端100からの高能率音声符号を一旦、音声信号に復号
し、音声検出器110はこの音声信号を基にトークスパ
ートの有無を検出し、この検出結果を基に中継ノード4
04の動作モードを判定する。
【0151】まず、モード3(有音状態)における動作
は、実施の形態1に示したモード3の動作と全く同一で
ある。
【0152】中継ノード404における音声検出器11
0は、モード3からモード1に遷移したことを検知する
と、無音圧縮器112に制御信号を送る。無音圧縮器1
12内の切替スイッチはこの制御信号に応答して端子1
12b側に切り替わり、伝送路Aには何も出力されな
い。すなわち、無音圧縮される。なお、符号器11は不
定状態で構わない。
【0153】また、受信端402では伝送路Aから伝送
されてきた無音圧縮音声符号から、有音/無音情報抽出
器424がモード情報を取り出し、動作モードのモード
3からモード1への遷移を知らせる情報を抽出し、この
情報を反映した制御信号を切替スイッチ126に送る。
切替スイッチ126はこの制御信号により、端子126
a側に切り替わり、受信者には擬似背景雑音が出力され
る。なお、このとき復号器420は不定状態で構わな
い。
【0154】中継ノード404において、音声検出器1
10は動作モードのモード1からモード2への遷移を検
知すると制御信号を発生し、この制御信号に基づいて無
音圧縮器112内の切替スイッチが端子112c側に切
り替わる。符号器418から出力された高能率音声符号
は、中継ノード404から伝送路Aに出力され、受信端
402に伝送される。
【0155】受信端402では、有音/無音情報抽出器
424が動作モードのモード1からモード2への遷移を
検出し制御信号を発生する。この制御信号に基づいて、
切替スイッチ126は端子126b側に切り替わる。ま
た切替スイッチ422は端子422bに切り替わり、復
号器420と抑圧利得コードブック414とを接続す
る。復号器420はこの抑圧利得コードブック414を
用いて、伝送路Aからの無音圧縮音声符号を復号し、受
信者に音声信号を出力する。このとき、受信端402の
復号器420の内部状態は中継ノード404の符号器4
18の内部状態と異なるが、選択された抑圧利得コード
ブック414は不安定な符号化/復号系においても発散
が起きないよう最適化されているので、異音の発生は回
避される。
【0156】モード2の期間においては、符号器418
と復号器420とでは内部状態が異なっているので、復
号器420から出力される音声信号は、符号器106に
入力される元の音声信号にあまり忠実ではない、すなわ
ちS/N比は通常時より低くなる傾向がある。しかしな
がら、モード2で符号化/復号される音声信号は通常ト
ークスパートの先頭の子音部であることが多い。子音部
の音声波形は雑音性が強いため、S/N比が悪くても元
の音声信号の聴感的な性質までは損なうことはない。従
って、図16のような簡単な構成においても、異音が発
生することなく比較的少ない音声品質の劣化で音声を再
生することができる。
【0157】符号器106と復号器420との間の内部
状態の不一致は、実施の形態1で述べたようにモード2
の条件下では収束する傾向を有する。よって、この後、
切替スイッチ112を端子112aに切り替え、また切
替スイッチ422を端子422aに切り替えることによ
り、動作モードをモード2からモード3に遷移させても
異音の発生する虞はなくなる。このように本音声符号化
伝送システムでは、異音を抑圧する方法として符号器1
06から出力された音声符号を再適応化する方法の代わ
りに、過渡期間に使用する符号化テーブルを変更して、
システムの発散を招く音声符号が出力される可能性をな
くすという方法を採る。本実施の形態は上記実施の形態
に比べ制御信号の追加が少なく、複雑な処理を行なうユ
ニットも殆どないため、実施が容易であるという実用上
好ましい効果がある。
【0158】[実施の形態14]図17は、本発明に係
る第14の実施の形態の音声符号化伝送システムのブロ
ック構成図である。本実施の形態は実施の形態13の中
継ノードに実施の形態2で示したのと同様の改良を加え
たものである。図17において上記実施の形態13で説
明したものと同一の機能を担う構成要素には図16と同
一符号を付している。
【0159】本システムと実施の形態13とでは、中継
復号器と中継符号化器がやや異なる。復号器416B
は、音声信号を復号するとともに、適応パラメータの一
部を出力する。適応パラメータは、ADPCMなどの高
能率符号化において生成され、音声信号を構成する音声
パラメータである。符号器418Bは、この音声信号と
適応パラメータとを入力される。符号器418Bは、入
力された適応パラメータについてはその生成処理を省略
することができる。ここで実施の形態2において述べた
ところと同様に、復号器416Bから符号器418Bに
パラメータを一部供給することによって、符号器418
Bと受信端の復号器420との間の内部状態の不一致を
一部容認するという結果になるため、供給するパラメー
タとして異音を引き起こす要因とならないものを高能率
符号化方式に応じて選択するという配慮が必要である。
この改良によって、中継ノードでの処理負荷、及びハー
ドウエア規模の低減が図られる。
【0160】[実施の形態15]図18は、本発明に係
る第15の実施の形態の音声符号化伝送システムのブロ
ック構成図である。本実施の形態は実施の形態13の中
継ノードに実施の形態3で示したのと同様の改良を加え
たものである。図18において上記実施の形態13で説
明したものと同一の機能を担う構成要素には図16と同
一符号を付している。
【0161】本システムと実施の形態13とでは、中継
復号器、中継符号化器及び音声検出器がやや異なる。パ
ラメータ分離器416Cは、図17における復号器41
6Bから一部処理を省略して構成したものである。パラ
メータ分離器416Cは、音声信号を完全な形で復号す
る機能を喪失し、パラメータ抽出機能だけ残している。
パラメータ分離器416Cは、符号器418Cへは励振
信号、符号化パラメータを出力し、音声検出器440へ
は励振信号情報を出力する。音声検出器440は、励振
信号情報に基づいて音声検出処理を行う。本音声符号化
伝送システムのその他の動作は、実施の形態13の動作
と同様である。この改良によって、中継ノードでの処理
負荷、及びハードウエア規模の一層の低減が図られる。
【0162】[実施の形態16]図19は、本発明に係
る第16の実施の形態の音声符号化伝送システムのブロ
ック構成図である。図19において上記実施の形態1で
説明したものと同一の機能を担う構成要素には図1と同
一符号を付している。
【0163】以下、図19を用いて実施の形態を説明す
る。本実施の形態では中継符号化器として量子化器50
6を使用し、これに対応して受信端502には逆量子化
器508が設けられている。内部状態適応部510は逆
量子化器508からの音声信号を符号器106で用いた
差分符号化方式により符号化し、復号器122に出力す
る。内部状態適応部510は逆量子化器508における
処理を復号器122の内部状態に反映させ、復号器12
2における差分符号化処理の基準値を送信端100の符
号器106のそれに適応させる働きを有する。本システ
ムに係る符号化/復号方式は上記実施の形態1で説明し
た3つの動作モードを持っている。この動作モードは中
継ノード504において音声検出器110が判別する。
また受信端502においては、有音/無音情報抽出器5
12が、中継ノード504からの無音圧縮音声符号に基
づいてこの3つの動作モードを判別し、それぞれに応じ
た制御信号を出力する。切替スイッチ514、516は
有音/無音情報抽出器512からの制御信号により切り
替わる。
【0164】次に、動作について図19に基づいて説明
する。中継ノード504では、復号器108が送信端1
00からの音声符号を一旦、音声信号に復号する。音声
検出器110はこの音声信号を基に、トークスパートの
有無を検出し、この検出結果を基に、当該中継ノードの
動作モードを判定する。
【0165】ここで、本発明に係る符号化/復号方式は
3つの動作モードを持っている。この動作モードについ
ては、実施の形態1で説明したものと同一であるため、
説明を省略する。
【0166】モード3(有音状態)、モード1では切替
スイッチ514を端子514a側に接続しておくことを
除いて、実施の形態1に示したモード3及び1の動作
と、それぞれ同一である。ちなみに、切替スイッチ51
6は、モード1では端子516aに切り替わり、擬似背
景雑音発生器124からの出力を受信端502の出力と
し、またモード3では端子516bに切り替わり、復号
器122からの音声信号を受信端502の出力とする。
【0167】中継ノード504で、音声検出器110が
動作モードのモード1からモード2への遷移を検知し、
制御信号を無音圧縮器112に送る。この制御信号を受
けて、無音圧縮器112内の切替スイッチは端子112
c側に切り替わる。量子化器506は、復号器108で
復号された音声信号をサンプル毎に再量子化し、出力す
る。この再量子化された音声信号を音声符号として代用
する。この量子化された音声信号は中継ノード504か
ら伝送路Aに出力される。
【0168】また受信端502では伝送路Aを伝送され
てきた音声符号(量子化された音声信号)から、有音/
無音情報抽出器512がモード情報を取り出し、動作モ
ードのモード1からモード2への遷移に基づく制御信号
を切替スイッチ516に出力する。この制御信号によ
り、切替スイッチ516は端子516cに接続され、切
替スイッチ514は端子514bに接続される。逆量子
化器508は伝送路Aから伝送されてきた音声符号の逆
量子化を行なって音声信号を生成し、この音声信号を切
替スイッチ516経由で受信者に出力する。このとき、
量子化器506、逆量子化器508が行う処理は差分に
基づくものではないので、モード2では同期リセットと
いった動作は不要である。しかし、モード2に引き続い
てモード3の動作を行うためには、送信端100の符号
器106と受信端502の復号器122との内部状態を
一致させる必要がある。内部状態適応部510はこのた
めの手段である。逆量子化された音声信号は内部状態適
応部510にも供給され、内部状態適応部510は算出
した適応パラメータを復号器122に供給し、復号器1
22の内部状態の適応動作を行う。
【0169】ここで、量子化器506は、伝送路Aとシ
ステムで用いられている高能率符号化方式とに適応した
量子化ステップ数で量子化を行なう必要がある。例え
ば、用いられている符号化方式がITU勧告G.728
(伝送速度l6kbit/s)による方式であり、かつ
伝送路Aのチャネルあたりの伝送速度が一定であるなら
ば、量子化ビット数はサンプルあたり2ビットを割り当
てる。
【0170】モード2における入力信号は子音部が主で
あることは実施の形態13で述べたが、子音部の音声波
形は雑音性の強い信号であるため、量子化ノイズの聴感
特性とあまり変わらないこと、モード2の期間が長くと
も数100msecとごく短期間であることから、聴感
的な劣化は比較的小さくて済む。また、この期間に入力
される音声信号のダイナミックレンジは比較的小さいた
め、量子化ステップ数が小さくても信号の値を十分表現
することができる。
【0171】また、伝送路Aが可変速度の伝送信号を扱
えるものならば、この期間における伝送速度の割当を必
要分多くして、量子化器506の量子化ステップ数を多
くしてやれば、その分このモードでの音声品質が向上し
好ましい結果が得られる。
【0172】なお、図20は内部状態適応部510の構
成の一例を示すブロック構成図である。これは高能率音
声符号化方式にITU勧告G.728を用いた時の内部
状態適応部510の一例である。これは、音声信号を入
力として適応化を行なう目的で、図20で示したフォワ
ード構成をとる。形としてはちょうど図46に示した復
号器とは逆の構成となる。
【0173】モード1からモード2に遷移した直後は、
送信端100の符号器106と受信端502の復号器1
22との内部状態は依然一致していないが、モード2に
おいて、音声信号による復号器122の適応動作を継続
するうちに、送信端100の符号器106と受信端50
2の復号器122との内部状態は、実施の形態1で説明
した通り近づくので、この後、動作モードがモード2か
らモード3に遷移しても異音の発生する虞はなくなる。
【0174】[実施の形態17]図21は、本発明に係
る第17の実施の形態の音声符号化伝送システムのブロ
ック構成図である。本実施の形態は実施の形態16に改
良を施したものであるので、構成要素がかなり共通して
いる。そこで図21において上記実施の形態16で説明
したものと同一の機能を担う構成要素には図16と同一
符号を付している。本実施の形態は実施の形態16にお
ける量子化器/逆量子化器に代えて、比較的簡便な第2
の高能率符号化/復号方式を導入した。つまり、符号器
520、復号器522は差分処理に基づかない符号化/
復号方式を使用し、モード2における同期リセットとい
った動作を不要とする一方、内部状態適応部510を用
いて復号器122の適応動作を行い、モード3の動作を
可能としている。この改良によって、処理負荷が若干増
加するものの、実施の形態17に比べて良好な音声品質
を得ることができる。
【0175】[実施の形態18]図22は、本発明に係
る第18の実施の形態の音声符号化伝送システムのブロ
ック構成図である。本実施の形態は実施の形態1と構成
要素がかなり共通している。そこで図22において実施
の形態1で説明したものと同一の機能を担う構成要素に
は図1と同一符号を付し、説明を省略する。本実施の形
態は、伝送路Bから伝送路Aへの音声符号を中継する経
路に、バッファ606が設けられている。本実施の形態
の動作は後で述べるが、実施の形態1におけるようなタ
ンデム接続やそれに用いる符号器と受信端の復号器との
同期リセットは行われない。そのため、本音声符号化伝
送システムは中継符号化器や符号化基準値決定のための
手段、復号基準値決定の手段を備えていない。中継ノー
ド604の音声検出器608は、復号器108により復
号された音声信号に基づいて有音期間か無音期間かに応
じた制御信号を発生する。無音圧縮器610はこの有音
期間か無音期間かに対応した2つの切替端子を有した切
替スイッチを内蔵している。
【0176】ここで、本発明に係る符号化/復号方式は
3つの動作モードを持っている。この動作モードについ
て、図23に基づいて説明する。図23は復号器108
から出力される音声信号の波形図である。縦軸は信号レ
ベル、横軸は時間を表している。音声検出器608はこ
の音声信号を3つの期間(区間)に区分し、それぞれに
応じ中継ノード604を異なる動作モードで動作させ
る。モード1’は、中継ノード604に入力された高能
率音声符号から、トークスパートが検出されない期間の
うち、末尾の数l0msecを除く期間に対応する。そ
して、モード2’は、モード1’の期間の末尾から除外
したこの数l0msecの期間(ハングオーバー期間と
称する)に対応する。最後に、モード3’はトークスパ
ートが検出された期間に対応する。また、本実施例にお
いてはモード1’に対応する期間を無音期間、モード
2’、3’に対応する期間を有音期間と呼ぶこととす
る。
【0177】次に、動作について図22に基づいて説明
する。まずモード1’からモード2’、すなわち無音期
間から有音期間への遷移点を見つけることが必要であ
る。しかし音声符号系列から直接にトークスパートの有
無を予知することは極めて難しい。そこで本システム
は、中継ノード604に入力された高能率音声符号をF
IFOバッファであるバッファ606に蓄積し、遅延さ
せる。これにより伝送路Bと伝送路Aとの間にバッファ
長分の時差が生じる。すなわち、音声検出器608によ
るトークスパートの検出が音声符号よりバッファ長に相
当する時間だけ先行し、これによりモード1’からモー
ド2’への遷移点を得ることができる。
【0178】本システムの動作は図48で示した従来例
とほぼ同一である。唯一かつ本質的に異なる点は、中継
ノード604にバッファ606を設け、処理遅延器11
6による遅延とは別に遅延を発生させ、無音期間から有
音期間への遷移を前倒しで検知できるようにしたことで
ある。音声検出器608はトークスパート“有り”を検
出すると、無音圧縮器610内の切替スイッチを端子6
10a側に切り替えて、送信端100からの音声符号を
伝送路Aに送出する。このとき、音声符号はバッファ6
06で遅延されており、伝送路Aへ送出される無音圧縮
音声符号の先頭には無音のオーバーハング期間が含まれ
る。音声検出器608はトークスパート“無し”を検出
すると、無音圧縮器610内の切替スイッチを端子61
0b側に切り替えて、伝送路Aには何も送出しない。な
お、この音声終了時の音声検出器608からの制御信号
は、ハングオーバー期間より長く遅延させる。これによ
りバッファ606により遅延している音声符号の末尾が
途切れることを防止できる。受信端602では、有音/
無音情報抽出器120が音声検出器608と同様に、ト
ークスパートの有無に応じた制御信号を切替スイッチ1
26に対して出力する。切替スイッチ126は、有音期
間では復号器122側に切り替わり、無音期間では擬似
背景雑音発生器124側に切り替わる。
【0179】上記の実施例の項で述べたように、 (1)高能率符号化/復号システムが不安定 (2)レベルの大きな信号が同システムに入力 の2つの条件が重なった時に、システムが発散すること
によって異音が発生する。無音期間から有音期間への遷
移を前倒しで実施すると、その遷移点は実際は無音であ
るため、レベルの大きな信号が入力されることはまずあ
り得ない。従ってたとえ音声符号化/復号システムが内
部状態の不一致により不安定であっても、入力される信
号レベルは低いため、異音発生に至る確率は従来例より
もかなり低減される。
【0180】モード2’の継続時間は、符号器106の
内部状態と復号器122の内部状態との差が十分に収束
する数l0msec〜l00msec程度が望ましい
が、無制限に長くすると遅延による劣化のファクターも
発生するので、両者の兼ね合いを十分に考慮したうえ
で、適用するシステムに最適な継続時間を設定する必要
がある。
【0181】以上説明したように、中継ノード604に
バッファ606を設けて音声伝送を遅延させ、無音期間
から有音期間への遷移を前倒しで行ない、ハングオーバ
ー期間を設けることにより、異音の発生を抑圧すること
ができる。伝送遅延が発生し、また無音圧縮効率はわず
かに上記実施の形態に比べて低下するが、バッファ60
6の追加のみで極めて簡単に実現できるといった好まし
い効果が得られる。
【0182】[実施の形態19]図24は、本発明に係
る第19の実施の形態の音声符号化伝送システムのブロ
ック構成図である。本実施の形態は実施の形態18の受
信端に改良を加えたものである。そこで図24において
実施の形態18で説明したものと同一の機能を担う構成
要素には図22と同一符号を付し、説明を省略する。
【0183】本システムは、バッファ606の遅延時間
分カウントするタイマ620を受信端602Bに設け、
モード2’(ハングオーバー期間)においては切替スイ
ッチ126を端子126a側に接続し、モード1’に引
き続いて擬似背景雑音を出力するように構成したもので
ある。
【0184】実施の形態18で述べたように、モード
2’での異音発生の可能性は低いが、本システムの構成
を採れば、モード2’でのその可能性が完全になくな
る。
【0185】[実施の形態20]図25は、本発明に係
る第20の実施の形態の音声符号化伝送システムのブロ
ック構成図である。本実施の形態は実施の形態18の受
信端に改良を加えたもう一つの実施の形態である。そこ
で図25において実施の形態18で説明したものと同一
の機能を担う構成要素には図22と同一符号を付し、説
明を省略する。
【0186】本システムの受信端602Cは、実施の形
態19同様のバッファ606の遅延時間分カウントする
タイマ620と音声ミュート回路640とを有し、タイ
マ620がモード2’(ハングオーバー期間)において
は音声ミュート回路640を駆動させて、ミューティン
グされた音声信号が出力されるように構成したものであ
る。
【0187】実施の形態18で述べたように、モード
2’での異音発生の可能性は低いが、本システムの構成
を採れば、モード2’でのその可能性が完全になくな
る。
【0188】[実施の形態21]図26は、本発明に係
る第21の実施の形態の音声符号化伝送システムのブロ
ック構成図である。本実施の形態は実施の形態19に改
良を加えたものである。そこで図26において実施の形
態19で説明したものと同一の機能を担う構成要素には
図24と同一符号を付し、説明を省略する。
【0189】中継ノード604Dには、復号器108の
内部パラメータを参照してこれを符号化する機能を持つ
内部状態符号器(基準状態符号化器)660を、受信端
602Dには、内部状態符号器660で符号化された内
部パラメータを復号して復号器122の然るべきメモリ
領域にその値をセットする機能を持つ内部状態復号器
(基準状態復号器)662を、それぞれ備えることを特
徴としている。
【0190】モード1’、3’においては動作は実施の
形態19と同一である。モード2’(ハングオーバー期
間)において中継ノード604Dは、無音圧縮器664
内の切替スイッチを端子664cに接続し、内部状態符
号器660の出力を伝送路Aに送出する。受信端602
Dでは、この符号化された信号を直ちに復号して、符号
器106の内部状態を反映したパラメータを復号器12
2にセットする。
【0191】本システムは内部パラメータ情報を直接送
信し、強制的に符号器106と復号器122の内部状態
の一致を図ってしまう。そのため、実施の形態18から
20におけるような、符号器106と復号器122の内
部状態を、高能率音声符号の入力を継続しながら徐々に
収束していくのを待つ方法よりも、モード2’の継続時
間を短縮することが可能となる。実施の形態18に比べ
処理は複雑になるものの、伝送遅延量が少なくなるとい
った好ましい効果が得られる。
【0192】[実施の形態22]以下に、本発明に係る
第22の実施の形態について、図を参照しながら説明す
る。図27は、本実施の形態の音声符号化伝送システム
のブロック構成図である。この音声伝送システムは、送
信端700は音声信号を符号化した原音声符号をセルに
分割し伝送路Aへ出力する。伝送路AはATM伝送路で
ある。一方、受信端702が接続される伝送路Bは、S
TM伝送路である。中継ノード704はこれら2つの伝
送網を接続するATM-STM中継ノードであり、送信
端700から非同期転送モードで転送されてきたセルを
受け取り、原音声符号を取り出して、同期モードで伝送
路Bに出力する。受信端702はこの同期モードで転送
されてきた音声符号を復号して音声信号を出力する。
【0193】送信端700は、入力された音声信号をデ
ィジタル化して高能率に圧縮符号化する符号器(符号化
器)706を有する。この符号化の方法は、本実施の形
態では何でもよい。例えば、送信端700から出力され
る音声符号は、上記実施の形態で述べた単に差分符号化
を行われた高能率音声符号であっても、それが無音圧縮
された音声符号であってもよい。セル組立器708は、
符号器706で生成されたシーケンシャルな原音声符号
を分割して、セルに詰め合わせる。つまり各セルは、原
音声符号のフラグメントを含んている。ATM網である
伝送路Aにおいては、音声信号はセル単位でバースト的
に伝送される。
【0194】セルは伝送路Aを介して送信端700から
中継ノード704に伝送される。各セルが通る伝送経路
の違いによって生じる到達タイミングの揺らぎは、FI
FO型のバッファ710で吸収される。セル分解部71
2は受信したセルを分解してシーケンシャルな原音声符
号を生成する。消失セル検出器714はATM網におけ
るセルの廃棄や遅延による不達セル(消失セル)を検出
し、中継ノード704内の各部の動作を制御する制御信
号(中継制御信号)を生成する中継制御手段である。
【0195】原音声符号は、2つに分岐され、一方は復
号器(中継復号器)716へ入力される。この復号器7
16はセルから取り出された音声符号を、元のディジタ
ルサンプリングされた音声信号に復号する。同期引込み
器718は符号器706と復号器716との動作タイミ
ングを一致させる機能を有する。消失セル補償器720
は復号器716の出力を基にして、消失したセル分の音
声信号を補償する。記憶器722はメモリなどで構成さ
れ、消失セルの補償に用いる直前の音声信号を一時的に
記憶する。符号器(中継符号器)724は符号器706
と同じ符号化処理を行い、音声符号(中継音声符号)を
生成する。
【0196】分岐されたもう一方の原音声符号は、遅延
器726へ入力される。遅延器726の有する遅延時間
は、復号器716、消失セル補償器720、符号器72
4により行われる消失セルの補償処理での遅延時間に等
しい。切替スイッチ728は、中継制御信号により制御
され、遅延器726から出力される原音声符号と、符号
器724から出力される中継音声符号とのいずれかを出
力する。切替スイッチ728から出力される音声符号
は、同期引込み器730を経由して、STM網である伝
送路Bへ送出される。なお、受信端702において、復
号器732は復号器716と同様のものである。
【0197】次に、本実施の形態の動作について図27
を参照しながら説明する。送信端700では、符号器7
06が、高能率符号化アルゴリズムに基づいて符号化を
行い音声符号(原音声符号)を生成する。そして原音声
符号は、セル組立器708でセル化され、伝送路Aに非
同期的に、バースト的に送出される。
【0198】中継ノード704は伝送路Aからセルを受
信する。バッファ710により到達タイミングの揺らぎ
を吸収されたセルは、セル分解器712で分解され、原
音声符号が取り出される。この原音声符号は、同期引込
み器718で、送信端の符号器706と符号化タイミン
グを一致させられる。ここまでは従来例で示した、タン
デム方式を用いた音声中継伝送システムと同一である。
【0199】リタイミング、すなわちタイミングを取り
直された音声符号は、上述したように2つに分岐され
る。その一方は復号器716に入力され、符号器706
に対応したアルゴリズムに基づいて、ディジタル化され
た音声信号、例えばPCM音声信号に復号される。この
復号された音声信号は、記憶器722に所定時間、蓄積
される。セルの消失が検知された時、消失セル補償器7
20は、消失セル検出器714からの中継制御信号を受
けて、この記憶器722に蓄積された音声信号情報を基
に消失セル補償処理を行う。ここで、中継ノードにおい
て消失セルが検出された場合にはいつでも、消失セル補
償処理を行えるように、復号器716は常時動作され、
記憶器722には常に直前の音声信号情報が入力されて
いる必要がある。
【0200】消失セル検出器714においてセルの消失
が検知された場合(以下、これを異常状態と称す
る。)、記憶器722の情報を基に消失セル分の音声信
号の補償が行なわれる。なお、補償方法については線形
補間/ピッチ周期に基づく繰り返し補間/線形予測によ
る外挿/ミュートなどの方法が考案されているが、本発
明では補償方法の内容について限定しない。消失セル分
の情報を補償された音声信号は、符号器724に入力さ
れ、送信端の符号器706と同じ符号化アルゴリズムに
基づいて符号化され、切替スイッチ728に渡される。
【0201】一方、消失セル検出器714においてセル
の消失が検知されなかった場合(以下、これを正常状態
と称する。)、同期引込み器718から出力されたもう
一方の原音声符号は、遅延器726を経由して切替スイ
ッチ728に入力される。この正常状態の経路を経由す
る原音声符号と、上記異常状態の経路、つまり復号器7
16、消失セル補償器720及び符号器724を含む経
路を経由する音声符号(中継音声符号)とのタイミング
は、遅延器726によって揃えられる。
【0202】切替スイッチ728は、消失セル検出器7
14の判定に基づく中継制御信号に基づいて、上記二つ
の入力の一方を選択して出力する。すなわち、正常状態
においてはスイッチは端子728aに切り替えられ、A
TM網から受信した音声符号がそのままSTM網側に渡
される。一方、異常状態においては、スイッチは端子7
28bに切り替えられ、消失セル補償器720によって
消失セルの補償処理を施された音声符号がSTM網側に
渡される。切替スイッチ728から出力された音声符号
は、同期引込み部730で伝送路B(STM網)固有の
タイミングに合わせられた後、伝送路Bに出力される。
【0203】以上のように、本実施の形態の大きな特徴
は、正常状態においては、量子化誤差の累積を生じない
ディジタル1リンク接続に基づく中継を行ない、異常状
態においては、中継方式をタンデム接続として消失セル
の補償を行なう点にある。
【0204】伝送路Bを伝送された高能率音声符号は、
受信端702の復号器732にて音声信号に復号され
る。この時、伝送路Aにおいて発生したセル廃棄の影響
は、中継ノード704において除去されているため、受
信端702において特別な処理を施さなくても、劣化を
抑制された良好な音声信号を復元することができる。
【0205】[実施の形態23]以下に、本発明に係る
第23の実施の形態について、図を参照しながら説明す
る。図28は、本実施の形態の音声符号化伝送システム
のブロック構成図である。本実施の形態は実施の形態2
2に改良を加えたものである。この改良によって、中継
ノードでの符号化処理、復号処理、消失セル補償処理と
いった処理を行うプロセッサの負荷、及びハードウェア
規模の低減を図ることができる。なお、図28において
実施の形態22で説明したものと同一の機能を担う構成
要素には図27と同一符号を付して説明の重複を省き、
変更が加えられている構成要素には、同一数字にBを付
加した符号を用い、実施の形態27との対応関係の把握
の便宜を図った。
【0206】図28において、復号器716Bは復号器
716の復号処理の一部を行う。つまり、復号器716
Bは、完全な音声信号を生成するのではなく、音声符号
を分析して音声信号に含まれる音声情報の一部である音
声パラメータを抽出する。これに対応して、符号器72
4Bは、復号器716Bにおいて分離された音声パラメ
ータを再度、高能率音声符号に変換する機能を備えてい
る。また、消失セル補償器720Bは、中継制御信号を
受けて動作し、消失セルに含まれていた音声信号の音声
パラメータを補償する処理を行う。
【0207】次に、本実施の形態の動作を、図28を参
照しながら説明する。本実施の形態の動作は、図27と
図28とにおける構成の共通性から明らかなように実施
の形態22の動作とほぼ同様であり、以下、両者におけ
る動作の異なる点を中心に説明する。
【0208】リタイミングされた音声符号情報を含むビ
ット列は、復号器716Bに入力される。復号器716
Bでは、入力されたビット列を解析し、符号化されてい
る音声パラメータの抽出のみを行なう。
【0209】このパラメータ抽出動作について、既存の
音声符号化アルゴリズムを用いて説明する。例えば、高
能率符号化方式にITU勧告G.729符号化方式(C
S−ACELP方式)を使用する場合について、図29
及び図30に基づいて説明する。図29は、ITU勧告
G.729方式に基づく符号器のブロック図であり、ま
た図30は、この方式に対応した復号器のブロック図で
ある。なお、CS−ACELP方式の詳細なアルゴリズ
ムについては、ITU‐T Recommendation G.729,"Cod
ing of Speech at 8 kbit/s Using Conjugate-Structur
e Algebraic-Code-Excited Linear-Prediction(CS-ACEL
P)"に詳細に述べられている。
【0210】送信端700の符号器706の内部構造は
図29に示された構造をとっている。符号器706で
は、入力された音声信号を分析して、この音声信号を特
徴づけるパラメータを抽出する。すなわち、ITU勧告
G.729においては、合成フィルタ係数に相当するL
SP(線スペクトル対)情報と、励振音源の波形に相当
する適応コードブックインデックス及び固定コードブッ
クインデックスと、同じく励振音源のパワーに相当する
適応コードブック利得情報及び固定コードブック利得情
報とを抽出する。これらのパラメータは、人間の発声機
構にたとえるならば、励振音源は声帯振動の情報を、L
SP情報は喉や口蓋に相当する調音機構の情報を表現し
ている。これらのパラメータは、それぞれ特定のアルゴ
リズムに基づいて量子化され、ビット列に変換されたの
ち多重化されて符号器706から出力される。
【0211】復号器716Bに入力された多重化された
ビット列は、図30の多重分離/パラメータ復号器74
0の有する機能により、音声情報に関する各パラメータ
に変換される。復号器716Bで抽出されたパラメータ
は、それぞれ、記憶器722に蓄積される。消失セル補
償器720Bは、セル消失が検知されたとき、つまり異
常状態であるときに消失セル検出器714が出力する中
継制御信号を受けて動作し、この記憶器722に蓄積さ
れた音声パラメータを基に消失セル補償処理を行なう。
ここで、中継ノードにおいてセル消失が検出された場合
にはいつでも、消失されたセルに含まれていた音声信号
情報の補償が可能であるように、この復号器716Bは
常に動作されている。つまり、記憶器722に記憶され
た音声パラメータは常時更新されている。ちなみに記憶
された過去のパラメータは古くなるほど補償処理には有
効性でなくなるので、記憶器722内の記憶内容は通
常、FIFO処理で更新される。
【0212】なお、補償方法については線形補間や繰り
返し補間や、線形予測による外挿や利得の減衰などの方
法が考案されており、本発明における補償処理はこれら
の補償方法及びその他の補償方法を用いて実現される。
消失セル分の情報を補償された、音声信号の特徴量を表
現するパラメータは、符号器724Bに入力される。符
号器724Bは、送信端の符号器706のパラメータ符
号化/多重化器742と同様の処理を行なうことによ
り、補償されたパラメータを符号化し、この音声符号
(中継音声符号)を切替スイッチ728に渡す。
【0213】一方、消失セル検出器714においてセル
の消失が検知されなかった場合(正常状態)は、同期引
込み器718から出力された音声符号は、遅延器726
を経由する経路で切替スイッチ728に入力される。こ
の正常状態の経路を経由する音声符号(原音声符号)
と、上記異常状態の経路、つまり復号器716B、消失
セル補償器720B及び符号器724Bを含む経路を経
由する音声符号(中継音声符号)とのタイミングは、遅
延器726によって揃えられる。
【0214】切替スイッチ728は、消失セル検出器7
14から出力される中継制御信号に基づいて、上記二つ
の入力の一方を選択して出力する。すなわち、正常状態
においてはスイッチは端子728aに切り替えられ、A
TM網から受信された音声符号がそのままSTM網側に
渡される。一方、異常状態においては、スイッチは端子
728bに切り替えられ、消失セル補償器720Bによ
って消失セルの補償処理を施された音声符号がSTM網
側に渡される。切替スイッチ728から出力された音声
符号は、同期引込み部730で伝送路B(STM網)固
有のタイミングに合わせられた後、伝送路Bに出力され
る。これ以降の処理は、実施の形態22と全く同様であ
る。
【0215】音声符号化アルゴリズムにITU勧告G.
729を用いた場合、実施の形態22に示す中継ノード
の復号器716は図30に示した復号器の復号処理の全
体を、そして中継ノードの符号器724は図29に示し
た符号器の符号化処理の全体を、それぞれ実施する必要
があった。しかし、本実施の形態の中継ノードの構成を
用いれば、復号器716Bは、図30に示される復号処
理のうち多重分離/パラメータ復号器740の果たす処
理のみを実行できるものでよく、また符号器724B
は、図29に示される符号化処理のうちパラメータ符号
化/多重化器742の果たす処理のみを実行できるもの
でよい。すなわち、例えば、これら処理を汎用プロセッ
サ、もしくはDSP(ディジタル信号処理プロセッサ)
などを用いて実現するならば、その演算量を大幅に減ら
すことができるため、消費電力の低減、装置の小型化が
可能となるメリットがある。また、これら処理をワイヤ
ードロジックに基づきハードウエア的に実現するなら
ば、処理が簡潔になるため、回路規模の低減、消費電力
の削減を図ることができる。なお、消失セル補償によ
り、受信端702で再生音声の品質劣化が抑制されるこ
とは、実施の形態22と同様である。
【0216】[実施の形態24]以下に、本発明に係る
第24の実施の形態について、図を参照しながら説明す
る。図31は、本実施の形態の音声符号化伝送システム
のブロック構成図である。本実施の形態は実施の形態2
3にさらに改良を加えたものである。
【0217】上記実施の形態で述べた、音声信号情報の
一部の音声パラメータのみを用いて行う消失セル補償処
理は、音声を完全に復元しないので処理負荷の軽減等の
効果を得られることが特徴であった。その長所の反面、
この音声パラメータによる消失セル補償では、中継ノー
ド704と受信端702との符号化処理又は復号処理で
の内部状態の不一致に起因する異音が発生する可能性が
ある。
【0218】本実施の形態の中継ノードは、図28に示
す中継ノードにさらに機能を追加して、受信端での再生
音声に異音が生じることを防止し、受話者の不快感を低
減することを目的としたものである。
【0219】なお、図31において上記実施の形態で説
明したものと同一の機能を担う構成要素には図27、図
28と同一符号を付して説明の重複を省き、機能が一部
変更されている構成要素には識別の便宜のため、同一数
字にCを付加した符号を用いている。
【0220】図31において、異音発生検出器(異音検
知器)750は、復号器(検査復号器)752から出力
される音声信号をモニタして、異音を検知する。高能率
符号補正器(音声符号修正器)754は、異音発生検出
器750からの異音検知の通知を受けて、符号器724
Bで生成された音声符号を補正する。
【0221】次に、本実施の形態の動作を、図31を参
照しながら説明する。本実施の形態の動作は、図28と
図31とにおける構成の共通性から明らかなように、実
施の形態23の動作と共通する部分が多い。これら共通
点については説明を省略し、以下、両者における動作の
異なる点を中心に説明する。
【0222】本実施の形態では、符号器724Bの再符
号化処理により得られた音声符号が、実施の形態23に
無かった次の追加処理を施される。符号器724Bから
の消失セル補償後の音声符号は、復号器752に入力さ
れる。この復号器752は、実施の形態22の中継ノー
ド704で中継復号器として用いた復号器716と機能
を有するものであるが、この中継ノード704Cでは、
消失セル補償後の音声符号の検査する処理に用いられる
ものであり、復号器716とは用途が異なる。復号器7
52では、所定の復号アルゴリズムに基づき音声信号が
復号される。復号された音声信号は異音発生検出器75
0に入力される。異音発生検出器750は、この音声信
号に基づいて異音や不快音の検出を行なう。
【0223】ここで述べる異音、不快音の一例は、音声
信号の利得の急激かつ一時的な立ち上がり、立ち下がり
が再生音に生じる「ブッ」、「ギャッ」といったクリッ
ク音である。また、他の例は、音声信号波形の周期性や
連続性が突然乱れて復号音が歪んだり、受話者に耳障り
な再生音になる現象である。また、復号器に内蔵されて
いる合成フィルタ、利得適応フィルタなどの発振によ
り、突然大音量の音声が復号される現象も生じ得る。異
音発生検出器750は、例えば、通常音声に見られない
これら音声信号中の特異な変化を検出して、警告信号を
発するものであるが、他の異音、不快音の検出方法を採
用するものでもよい。
【0224】高能率符号補正器754は、異音発生検出
器750から警告信号を受けとると、消失セルの補償処
理された音声符号に対して補正処理を施す。この補正処
理の例は、例えば、高能率符号化方式として、前述のI
TU勧告G.729 CS−ACELP方式を用いた場
合における、利得パラメータを下方修正して音声信号に
ミュートを掛けるという処理である。このような補正処
理は、音声再生の忠実さを少々犠牲にする代わりに、異
音の発生する頻度を大幅に減少させることができ、受話
者に不快感を与えることがなくなるという、実用上好ま
しい結果をもたらす。
【0225】[実施の形態25]以下に、本発明に係る
第25の実施の形態について、図を参照しながら説明す
る。図32は、本実施の形態の音声符号化伝送システム
のブロック構成図である。本実施の形態は実施の形態2
2にさらに改良を加えたものである。なお、図32にお
いて上記実施の形態で説明したものと同一の機能を担う
構成要素には同一符号を付して説明の重複を省き、また
機能が一部変更されている構成要素には識別の便宜のた
め、同一数字にDを付加した符号を用いている。
【0226】図32の中継ノード704Dにおいて、復
号器760は、送信端700の符号器706で採用する
符号化アルゴリズムに対応する復号処理の機能と、セル
消失に代表されるバースト的な符号化データの消失に対
する補償処理の機能とを一体的に構成されたものであ
り、それにより処理の最適化を図ったものである。
【0227】次に、本実施の形態の動作を、図32を参
照しながら説明する。本実施の形態の動作は、図27と
図32とにおける構成の共通性から明らかなように、実
施の形態22の動作と共通する部分が多い。これら共通
点については説明を省略し、以下、両者における動作の
異なる点を中心に説明する。
【0228】実施の形態22における復号器716及び
消失セル補償器720の機能は、復号器(中継復号器)
760によって果たされる。つまり復号器760は消失
セル補償機能を有する復号器である。消失セル検出器7
14の出力であるセル消失の検知結果を示す中継制御信
号が復号器760に入力されると、復号器760は通常
の復号処理に加えて消失セル補償処理も行う。この復号
器760に内蔵されている消失セル補償機能を動作させ
ることにより、セル消失が発生しても劣化の抑えられた
音声信号を復号することができる。
【0229】消失セル補償機能を含んだ符号化/復号方
式としては、例えば、ITU勧告G.727 Embedded
ADPCM方式や、ITU勧告G.728 AnnexI方式
などがある。これらの詳細なアルゴリズムについては、
それぞれITU‐T Recommendation G.727,"5-,4-,3-a
nd 2-bits sample Embedded Adaptive DifferentialPul
se Code Modulation"、及びITU‐T Recommendation
G.728 AnnexI,"G.728 Decoder Modifications for Fr
ame Erasure Concealment"に詳しく記載されている。こ
こでは、後者を例にとって説明する。
【0230】図33はITU勧告 G.728 AnnexI
アルゴリズムに基づいた復号器760内の処理構成を示
すブロック図である。本方式は、正常時においては通常
のITU勧告G.728 LD‐CELPアルゴリズム
に基づく復号を行なう。すなわち、ベクトル抽出処理器
770は、復号器760に入力された音声符号から波形
ベクトル、利得値のインデックスをそれぞれ抽出し、こ
れらインデックスを基に、ベクトルコードブック772
から励振信号ベクトルを検索し取り出す。利得乗算器7
74は、利得適応器776において適応的に予測された
利得値を、取り出された励振信号ベクトルに乗ずる。こ
の後、励振信号ベクトルは、合成フィルタ778に供給
される。合成フィルタ778は、線形予測分析器780
において適応的に決定された係数に基づいて、合成音声
ベクトルを合成する。なお、利得適応器776、及び線
形予測分析器780は、符号器と同様の手順によりバッ
クワード型の適応処理を行って、それぞれ予測利得、合
成フィルタ係数を決定する。また、セル消失時に消失セ
ル補償器782が外挿を行なって消失セルの情報を補償
する処理に備えて、利得乗算器774から出力された励
振信号の直近の144サンプル分が記憶器784に保持
される。
【0231】セル消失が検出され、復号器760に正常
な高能率音声符号が入力されないときには、消失セル補
償器782が、記憶器784に蓄積された過去の励振信
号に基づき外挿処理を行なう。この外挿処理はピッチ分
析部786での分析結果を用いて適応的に行なわれる。
すなわち、音声信号の有音部分においては、励振信号波
形が周期的なパルス音源になるため、ピッチ分析部78
6において算出される長周期予測利得が比較的大きな値
をとることが知られている。本方式はこの性質に着目し
たものであり、消失セル補償器782は、長周期予測利
得パラメータの値がある閾値を越えたら「有音」と判定
し、やはりピッチ分析部786での分析により得られた
ピッチ周期を用いて、記憶器784に保持された励振信
号を繰り返すことにより外挿し、セル消失による空白期
間を補償する。一方、音声信号の無音部分においては、
励振信号は有音部分のような周期性を示さず、ランダム
性の強い波形となることが知られている。本方式では、
この励振信号の雑音性に着目して、記憶器407に蓄積
された励振信号をランダムに並べ替えたものを外挿信号
として用いる。
【0232】消失セル検出器714から供給される中継
制御信号は、合成フィルタ778に入力される信号を、
利得乗算器774から出力された励振信号とするか、消
失セル補償器782により補償された励振信号とするか
を切り替える切替スイッチ788の制御に用いられる。
正常状態では、利得乗算器774からの出力がそのまま
合成フィルタ778に供給されるように、切替スイッチ
788は切り替えられる。一方、セル消失が発生した異
常状態では、消失セル補償器782の出力を合成フィル
タ778に供給するように、切替スイッチ788は切り
替えられる。
【0233】復号器760の出力は直ちに符号器724
に渡され、符号化処理を行なわれる。その後の動作は実
施の形態22と全く同様である。なお、本実施の形態で
はITU勧告G.728 AnnexIを適用したシステムを
例に説明したが、これは、本発明の適用がこの符号化方
式を用いた場合に限定されるということを示している訳
ではない。本発明は、セル消失のようなバースト的な伝
送信号の喪失に対して補償及び復号を可能な任意の音声
符号化方式を用いたシステムに適用することができる。
【0234】また、ちなみに、上述した本システムの方
法は、消失セル補償に用いているパラメータが音声符号
でもなく、音声信号でもなく、音声符号化処理又は復号
処理の途中で生成される内部パラメータである方法であ
る。内部パラメータを用いるこのような方法は、音声の
状態(有音か無音か)に応じて適応的に補間方法又は外
挿方法を変更でき、これにより、より高品質な消失セル
補償を行なうことができる特徴を有する。
【0235】[実施の形態26]以下に、本発明に係る
第26の実施の形態について、図を参照しながら説明す
る。図34は、本実施の形態の音声符号化伝送システム
のブロック構成図である。本実施の形態は実施の形態2
5に示した中継ノードに異音抑圧のための補正機能を付
加したものである。なお、図34において上記実施の形
態で説明したものと同一の機能を担う構成要素には同一
符号を付して説明の重複を省き、また機能が一部変更さ
れている構成要素には識別の便宜のため、同一数字にE
を付加した符号を用いている。
【0236】図34の中継ノード704Eにおいて、異
音発生検出器750は、復号器760からの音声信号を
入力され、その音声信号中の異音を検出する。音声信号
補正器(音声信号修正器)800は、異音発生検出器7
50からの異音検知の通知を受けて、復号器760から
の音声信号を補正する。
【0237】次に、本実施の形態の動作を、図34を参
照しながら説明する。本実施の形態の動作は、図32と
図34とにおける構成の共通性から明らかなように、実
施の形態25の動作と共通する部分が多い。これら共通
点については説明を省略し、以下、両者における動作の
異なる点のみを説明する。
【0238】本実施の形態においては、消失セル補償の
機能を有する復号器760と、符号器724との間で、
異音発生検出器750と音声信号補正器800とを用い
て音声信号の補正を行う点が、実施の形態25と異な
る。異音発生検出器750は、復号器760から入力さ
れた音声信号中に異音や不快音の検出を行なうと警告信
号を発する。音声信号補正器800はこの警告信号を受
けると、音声信号に対して、例えば、音声信号の利得を
抑制するといった補正処理を施す。このような補正処理
は、音声再生の忠実さを少々犠牲にする代わりに、異音
の発生する頻度を大幅に減少させることができ、受話者
に不快感を与えることがなくなるという、実用上好まし
い結果をもたらす。
【0239】[実施の形態27]以下に、本発明に係る
第27の実施の形態について、図を参照しながら説明す
る。図35は、本実施の形態の音声符号化伝送システム
のブロック構成図である。本実施の形態は実施の形態2
5にさらに改良を加えたものである。なお、図35にお
いて上記実施の形態で説明したものと同一の機能を担う
構成要素には同一符号を付して説明の重複を省き、ま
た、機能が一部変更されている構成要素には識別の便宜
のため、同一数字にFを付加した符号を用いている。
【0240】図35の中継ノード704Fにおいて、ハ
ングオーバー付加器(制御信号遅延器)810は、消失
セル検出器714から出力された中継制御信号を遅延さ
せる遅延器であり、特に切替スイッチ728を端子72
8a側、すなわちディジタル1リンク接続に切り替える
動作を制御する信号を遅延させるために設けられてい
る。
【0241】次に、本実施の形態の動作を、図35を参
照しながら説明する。本実施の形態の動作は、図32と
図35とにおける構成の共通性から明らかなように、実
施の形態25の動作と共通する部分が多い。これら共通
点については説明を省略し、以下、両者における動作の
異なる点のみを説明する。
【0242】本実施の形態においては、ハングオーバー
付加器810によって、切替スイッチ728を端子72
8bから端子728aへ切り替えるタイミング、すなわ
ちタンデム接続からディジタル1リンク接続へ切り替え
るタイミングが、消失セル検出器714の判定の「異常
状態(セル消失)」から「正常状態(セル受信)」への
復帰タイミングに対して遅延される。ちなみに、実施の
形態25では消失セル検出器714の判定が「異常状
態」から「正常状態」に戻った直後に、切替スイッチ7
28を端子728bから端子728aに切替えていた。
【0243】上述のように切替スイッチ728のディジ
タル1リンク接続側への復帰を遅延させる理由を以下に
述べる。消失セル検出器714がセルの消失を検知する
と、復号器760と符号器724とは、消失セルに含ま
れた符号化された音声情報を補償する。しかし、失われ
た音声符号を外挿などの方法で完全に復元することは不
可能であるので、送信端700の符号器706と受信端
702の復号器732とのそれぞれの内部状態の間に不
整合が生じる。つまり、消失セルに相当する期間が経過
して正常状態となった直後には、送信端700と受信端
702との間の内部状態は不一致である可能性がある。
よって、この正常状態への復帰直後に切替スイッチ72
8が切り替えられ、ディジタル1リンクへの復帰が行わ
れると、異音が生じる可能性がある。例えば、ITU勧
告G.728に基づく符号化方式に代表される、過去に
復号された音声信号に基づいて内部のフィルタ係数、利
得などのパラメータを適応させる、いわゆるバックワー
ド適応を用いる音声符号化方式では、過去に生じた送受
の内部状態の不一致が、現時点で復号された音声信号に
直接影響を及ぽすことが知られている。このように、切
替スイッチ728を正常状態への復帰直後に切り替える
と、そのとき異音が生じ、音声品質の劣化となる。
【0244】そこで、本システムでは、正常状態に復帰
した後、しばらくの間、切替スイッチ728を端子72
8b側に保持して、タンデム接続を継続させることとし
ている。このようにタンデム接続を継続させることで、
送信端700の符号器706と受信端702の復号器7
32とのそれぞれの内部状態が互いに漸近する。言い換
えれば、消失セル補償処理された中継音声符号が、送信
端から受信される原音声符号に漸近する。そして、これ
ら両内部状態が十分に近づいた時点で切替スイッチ72
8を切り替えることにより、切替スイッチ728の切り
替え時の異音の発生が防止される。
【0245】なお、ここでは、ディジタル1リンク接続
への切り替えタイミングの遅延という特徴を、消失セル
を補償する機能を有した復号器760を用いた実施の形
態25の中継ノード704Dに適用した例を述べたが、
この特徴は、他のATM-STM中継ノードに関する他
の実施の形態、例えば実施の形態22の中継ノード70
4や実施の形態23の中継ノード704Bなどにも採用
され得て、同様の異音抑圧効果を発揮することができ
る。
【0246】[実施の形態28]以下に、本発明に係る
第28の実施の形態について、図を参照しながら説明す
る。図36は、本実施の形態の音声符号化伝送システム
のブロック構成図である。本実施の形態は実施の形態2
5にさらに改良を加えたものである。なお、図35にお
いて上記実施の形態で説明したものと同一の機能を担う
構成要素には同一符号を付して説明の重複を省き、ま
た、機能が一部変更されている構成要素には、識別の便
宜のため、同一数字にGを付加した符号を用いている。
【0247】図36の中継ノード704Gにおいて、復
号器760Gは、復号器760同様消失セルを補償する
機能を有した復号器である。復号器760Gが復号器7
60と異なる点は、音声信号762を出力するだけでな
く、符号化されている音声パラメータ764も出力する
点にある。符号器724Gは、この復号器760Gから
の音声パラメータを流用しつつ、音声信号を符号化す
る。
【0248】図37は、図36に示された中継ノード7
04Gが備える復号器760Gと、符号器724Gの内
部構成の一例を示すブロック図である。
【0249】次に、本実施の形態の動作を説明する。本
実施の形態の動作は、図32と図36とにおける構成の
共通性から明らかなように、実施の形態25の動作と共
通する部分が多い。これら共通点については説明を省略
し、以下、本システムに特有な点のみを説明する。
【0250】上述したように復号器760Gは、その内
部パラメータである音声パラメータも符号器724Gに
渡している。図37は、これら復号器760G及び符号
器724Gのブロック構成の一例を示すもので、符号化
方式に前述のITU勧告G.728を用いた音声中継シ
ステムの場合を例として示している。以下、図37を用
いて説明する。
【0251】復号器760Gと符号器724Gとは同一
方式のアルゴリズムに基づいてそれぞれ復号処理、符号
化処理を行なっているので、これら両者の内部で用いら
れているパラメータは基本的に両者に共通である。しか
も、これらのパラメータの値は、共通の音声信号につい
て分析して得られるものであることから、量子化誤差分
を無視すれば、この両者のパラメータの値は同一となる
ことが期待される。図37に示すITU勧告G.728
符号化方式の場合、復号器760G内の利得乗算器77
4に供給される励振利得の値と符号器724G内の利得
乗算器820に供給される励振利得の値は、互いに厳密
には量子化誤差の影響で微妙に異なるであろう。しか
し、これらはそれぞれ同じ励振信号で適応化されたもの
であるから、極めて良い精度で両者は近似している。同
様に、復号器760G内の合成フィルタ778の係数値
と符号器724内の合成フィルタ822での係数値も、
それぞれ同じ音声信号で適応化されたものであるから、
これらの間にも近似が成り立つ。
【0252】本システムは、この特性を利用したもので
ある。つまり、パラメータの適応動作を、復号器760
と符号器724のいずれか一方で実行し、もう一方はそ
の値を流用して処理を行う。これによって適応処理が削
減され、符号化処理、復号処理を、例えばDSPなどの
汎用プロセッサで実現する場合には、その処理負荷の低
減、消費電力の低減を実現することができる。
【0253】具体的には、図37の例では、復号器76
0Gに、利得適応器776、ベクトルコードブック77
2、線形予測分析器780を備えている。ベクトルコー
ドブック772に格納されている励振信号ベクトルは復
号器760Gと符号器724Gの各ベクトル抽出器77
0で共用される。また利得適応器776が適応的に予測
した利得値は、復号器760Gの利得乗算器774で用
いられるだけでなく、符号器724Gの利得乗算器82
0へも供給される。同様に、線形予測分析器780で決
定された係数は、復号器760Gの合成フィルタ778
で用いられるだけでなく、符号器724Gの合成フィル
タ822へも供給される。符号器724Gは、このよう
に復号器760Gから供給されるパラメータを用いて、
高能率音声符号を生成する。
【0254】[実施の形態29]以下に、本発明に係る
第29の実施の形態について、図を参照しながら説明す
る。図38は、本実施の形態の音声符号化伝送システム
のブロック構成図である。本実施の形態は実施の形態2
8にさらに改良を加えて、中継ノードでの処理負荷、及
びハードウエア規模の一層の低減を目的としたものであ
る。なお、図38において上記実施の形態で説明したも
のと同一の機能を担う構成要素には同一符号を付して説
明の重複を省き、また、機能が一部変更されている構成
要素には、識別の便宜のため、同一数字にHを付加した
符号を用いている。
【0255】図38の中継ノード704Hにおいて、復
号器760Hは、復号器760、760G同様消失セル
を補償する機能を有した復号器である。復号器760H
が復号器760、760Gと異なる点は、音声信号を出
力せず、符号化されている音声パラメータのみを出力す
る点にある。符号器724Hは、この復号器760Hか
らの音声パラメータに基づいて音声符号を生成する。
【0256】図39は、図38に示された中継ノード7
04Hが備える復号器760Hと、符号器724Hの内
部構成の一例を示すブロック図である。
【0257】次に、本実施の形態の動作を説明する。本
実施の形態の動作は、図32、図36と図38とにおけ
る構成の共通性から明らかなように実施の形態25及び
実施の形態28の動作と共通する部分が多い。これら共
通点については説明を省略し、以下、本実施の形態に特
有な点のみを説明する。
【0258】上述したように復号器760Hは、その内
部パラメータである音声パラメータも符号器724Hに
渡している。図39は、これら復号器760H及び符号
器724Hのブロック構成の一例を示すもので、符号化
方式に前述のITU勧告G.728を用いた音声中継シ
ステムの場合を例として示している。以下、図39を用
いて説明する。
【0259】G.728方式は、人間の声帯音源に相当
する励振信号成分をベクトル量子化して伝送する方式で
ある。したがって、理論的には、実施の形態28のよう
に音声信号を完全に復号しないと音声の符号化ができな
いというわけではない。本システムはこの性質を利用す
る。復号器760Hは、音声符号から抽出した励振信号
成分を出力し、符号器724Hはこの励振信号成分を符
号化し、中継ノード704Hはこれをセル消失時の出力
として用いる。なお、図39において、合成フィルタ7
78、線形予測分析器780、ピッチ分析器786は、
励振信号の抽出動作に直接関係するものではないが、消
失セルの高品質な補償動作を保証するためには、該当ブ
ロックで得られるパラメータ(長周期予測利得/ピッチ
周期など)が必要となることから、その存在は極めて重
要である。
【0260】なおこの方法は、分析による合成の手法を
用いずに、音声パラメータに相当する成分を直に量子化
するため、その量子化誤差によって実施の形態28に示
すシステムよりも音声品質は劣化する可能性があるが、
その一方、実施の形態28のシステムに比べて、さらに
構成が簡略化され、実現が容易となるというメリットが
ある。つまり、この符号化復号システムをプロセッサで
実現したときの処理量がより一層低減される。また、実
施の形態24のシステムと比較すると、消失セルを補償
する機能を復号器760Hに内蔵する構成によって、伝
送されている音声の状態に応じて消失セルの補償方法を
替えることができる点で、音声品質の向上を図ることが
できる。
【0261】[実施の形態30]以下に、本発明に係る
第30の実施の形態について、図を参照しながら説明す
る。図40は、本実施の形態の音声符号化伝送システム
のブロック構成図である。本実施の形態は実施の形態2
8に関する他の改良例である。なお、図40において上
記実施の形態で説明したものと同一の機能を担う構成要
素には同一符号を付して説明の重複を省き、また、機能
が一部変更されている構成要素には、識別の便宜のた
め、同一数字にJを付加した符号を用いている。
【0262】図40の中継ノード704Jにおいて、共
通処理器840は、復号器760Jと符号器724Jと
の内部処理のうち共通している処理を担う。よって復号
器760J、符号器724Jはそれぞれ、復号器76
0、符号器724の処理から共通処理器840の受け持
つ処理を除いた残りの処理を行う。共通処理器840
は、復号器760J、符号器724Jのいずれかに接続
されてその機能を提供する。この接続の切り替えのた
め、共通処理切替器(図40には図示せず。)を有す
る。タスク制御器(共通処理制御器)842は共通処理
切替器を制御する制御器である。
【0263】図41は、図40に示された中継ノード7
04Jが備える復号器760J、符号器724J及び共
通処理器840の詳細な構成の一例を示すブロック図で
ある。図41に示す例は、前述のITU勧告G.728
方式を符号化方式として用いたものである。タスク制御
器842は共通処理切替器844、846の切り替えを
制御する。この共通処理切替器844、846を切り替
えて、共通処理器840を復号器760Jに接続する
と、復号器760Jは、復号器760と同様の機能を果
たすことができるようになり、原音声符号に対する復号
処理及び消失セル補償処理を行って、音声信号を出力す
る。この音声信号は符号器724Jへ入力される。この
入力タイミングに合わせて、タスク制御器842は共通
処理切替器844、846を切り替え、共通処理器84
0を符号器724Jに接続する。これにより、符号器7
24Jは、符号器724と同様の機能を果たすことがで
きるようになり、入力された音声信号を符号化して音声
符号を生成し、これを出力する。
【0264】図41に示すITU勧告G.728方式の
例では、共通処理器840は、例えば、利得乗算器77
4、励振利得適応器776、合成フィルタ778、線形
予測分析器780を含んで構成される。
【0265】本システムの構成では、符号化処理と復号
処理とで共通する部分が1モジュールに集約され、これ
により、処理部の二重構成を回避することができ、ハー
ドウエア規模の低減が図られる。
【0266】[実施の形態31]以下に、本発明に係る
第31の実施の形態について、図を参照しながら説明す
る。図42は、本実施の形態の音声符号化伝送システム
のブロック構成図である。なお、図42において上記実
施の形態で説明したものと同一の機能を担う構成要素に
は同一符号を付して説明の重複を省き、また、機能が一
部変更されている構成要素には、識別の便宜のため、同
一数字にKを付加した符号を用いている。
【0267】図42の中継ノード704Kにおいて、バ
ッファ(音声情報遅延器)860は、、復号器716か
らの音声情報を蓄積する。その容量は、例えばセル1個
分のディジタル音声情報を蓄積できる大きさである。消
失セル補償器720Kは、消失セルが検出されてから次
のセルが到着するまで補償処理を遅延させる。つまり、
次のセルが正常に受信されたら、消失セルに後続するこ
のセルに含まれている音声情報とバッファ860に蓄積
されている消失セルの検出前の音声情報との2つを用い
て補間処理を行って、消失セルに含まれていた音声情報
を補償する。よって、本システムでは、中継ノード70
4Kで1セル分の伝送遅延が発生する。したがって、こ
れに応じて、遅延器726の遅延時間も1セル分大きな
値としなければならない。
【0268】本システムでは、消失セルの持つ音声符号
を、外挿ではなく補間で補償できるため、より精度の高
い補償処理を実現することができる。
【0269】[実施の形態32]以下に、本発明に係る
第32の実施の形態について、図を参照しながら説明す
る。図43は、本実施の形態の音声符号化伝送システム
のブロック構成図である。なお、図43において上記実
施の形態で説明したものと同一の機能を担う構成要素に
は同一符号を付して説明の重複を省き、また、機能が一
部変更されている構成要素には、識別の便宜のため、同
一数字にLを付加した符号を用いている。
【0270】本システムは、実施の形態23に示す中継
ノード704Bにさらに実施の形態31で示した改良を
加えたものであり、消失セル補償器720Lは、消失セ
ルに含まれていた音声符号に対応する音声パラメータを
補間により補償するものである。補間により補償するこ
とにより、より精度の高い消失セル補償が実現される。
【0271】[実施の形態33]以下に、本発明に係る
第33の実施の形態について、図を参照しながら説明す
る。図44は、本実施の形態の音声符号化伝送システム
における中継ノードの主要部のブロック構成図である。
なお、図44において上記実施の形態で説明したものと
同一の機能を担う構成要素には同一符号を付して説明の
重複を省き、また、機能が一部変更されている構成要素
には、識別の便宜のため、同一数字にMを付加した符号
を用いている。
【0272】本システムは、実施の形態25に示す中継
ノード704Dにさらに実施の形態31で示した改良を
加えたものであり、消失セルを補間により補償するもの
である。本システムでは、バッファ860は、消失セル
の補償処理機能を有した復号器760Mの内部に設けら
れている。消失セル補償器782Mは、バッファ860
により遅延された先行するセルに含まれる情報と、遅延
されない後続のセルに含まれる情報とを同時に入力され
これら2つ音声情報を用いて補間処理を行い、消失セル
に含まれていた音声情報を補償する。このように補間に
より補償することにより、より精度の高い消失セル補償
が実現される。
【0273】
【発明の効果】本発明請求項1から請求項18までに記
載の音声符号化伝送システムによれば、トークスパート
が検出された直後から、送信ノードの符号化処理の内部
状態と受信ノードの復号器の内部状態との差が収束する
までのわずかな過渡期間においてのみタンデム接続する
ことによりトークスパートの先頭での異音の発生による
音声品質の劣化が防止され、それら内部状態の差が十分
に収束した後の大半の有音期間ではディジタル1リンク
を行いタンデム接続での量子化誤差の累積による音声品
質の劣化が防止される。すなわち、トークスパート先頭
での異音の発生が抑圧、緩和され、異音の発生による耳
障り感が解消され、音声の了解度が向上し、さらに常時
タンデム接続をすることによる音声品質の劣化を回避す
ることができるという効果がある。
【0274】また請求項5記載の音声符号化伝送システ
ムによれば、無音期間においても中継復号器と受信復号
器とに同一の信号が入力され続けるので、トークスパー
ト検出時に特別な動作をすることなく、それらの内部状
態の一致が確保されるという効果もある。
【0275】また請求項8記載の音声符号化伝送システ
ムによれば、中継符号化器及び受信復号器がタスク制御
器により、無音期間においてはそれらの内部状態を保持
したまま停止され、トークスパート検出時にはその保持
された状態から符号化/復号処理を開始するように制御
されるので、トークスパート検出時に差分符号化の基準
値を読み込むといった特別な動作をすることなく、それ
ら中継符号化器及び受信復号器の内部状態の一致が確保
されるという効果もある。
【0276】また請求項11は記載の音声符号化伝送シ
ステムによれば、過渡期間でのタンデム接続時に中継ノ
ードが異音の発生を抑圧する修正音声符号を出力し、受
信ノードはこれを復号することとしたので、異音抑圧の
ために中継ノード及び受信ノードの内部状態に特別な配
慮・操作をする必要がないという効果もある。
【0277】また請求項16記載の音声符号化伝送シス
テムによれば、受信ノードにおいて修正音声符号を発生
することとし、過渡期間でのタンデム接続を受信ノード
内で擬似的に実現したので、中継ノードにタンデム接続
の機能が不要となった。これにより異音抑圧のために中
継ノード及び受信ノードの内部状態に特別な配慮・操作
をする必要がないという効果もある。しかも中継ノード
の構成が単純になる、及び既存の構成に改良を加える必
要がないう効果もある。
【0278】また請求項13記載の音声符号化伝送シス
テムによれば、過渡期間に、中継ノード及び受信ノード
で使用する利得コードブックを変更することによりシス
テムの発散を抑制する音声符号を受け渡すタンデム接続
を行うこととしたので、異音抑圧のために中継ノード及
び受信ノードの内部状態に特別な配慮・操作をする必要
がないという効果もある。しかも本システムでは、動作
制御に必要な制御信号が少ないためシステム構成が簡単
であり、また演算等の処理負荷が軽減されるという効果
もある。
【0279】また請求項3、6、9及び14記載の音声
符号化伝送システムによれば、中継符号化器が、中継復
号器で算出される音声パラメータの一部を流用するの
で、中継ノードの処理負荷が低減するという効果もあ
る。
【0280】また請求項4、7、10、12及び15記
載の音声符号化伝送システムによれば、中継復号器が復
号処理の一部を省略することができるので、中継ノード
での処理負荷が低減するという効果もある。
【0281】本発明請求項19から請求項21までに記
載の音声符号化伝送システムによれば、中継ノードに遅
延手段を設けて音声符号の伝送を遅延させることにより
受信ノードに伝送される無音圧縮音声符号の先頭に無音
期間(ハングオーバー期間)が含まれ、この異音発生の
可能性が低い無音期間にて中継符号化器と受信復号器と
の内部状態の差の収束が前倒しで行なわれるので、中継
ノードに遅延手段を設けるという極めて簡単な構成で異
音の発生を抑圧することができ、しかもディジタル1リ
ンクで常時、接続でき量子化誤差の蓄積による音声品質
劣化のおそれのないという効果がある。
【0282】また請求項20及び21記載の音声符号化
伝送システムによれば、ハングオーバー期間では中継ノ
ードから伝送された音声符号に基づいて再生された音声
信号は出力されないので、たとえハングオーバー期間に
システムに発振が生じても、受信ノードから異音として
出力されないという効果もある。
【0283】本発明請求項22記載の音声符号化伝送シ
ステムによれば、中継ノードに遅延手段を備えることに
より上記ハングオーバー期間を設けるとともに、ハング
オーバー期間に中継復号器の内部状態を符号化した基準
状態符号を受信復号器に伝送して、それら送信ノードと
受信ノードとの内部状態を強制的な一致を図る。これに
より異音の発生を抑圧することができ、しかも受信ノー
ドから出力される音声信号は常時、ディジタル1リンク
で送信ノードから伝送された音声符号に基づくものであ
るので量子化誤差の蓄積による音声品質劣化のおそれの
ないという効果がある。加えて、内部状態の強制的一致
によりハングオーバー期間が短縮されるという効果があ
る。
【0284】本発明請求項23から請求項35までに記
載の音声符号化伝送システムによれば、ATM網とST
M網とが、セルの消失が生じた期間においてのみタンデ
ム接続され、セルの消失が生じない正常な期間ディジタ
ル1リンク接続される。これにより、大半を占める正常
な期間では、タンデム接続による量子化誤差の累積によ
る音声品質の劣化が防止され、セル消失が生じた場合に
は、タンデム接続として消失セルの補償処理を容易に実
現して、セル消失による音声品質の劣化が防止されると
いう効果が得られる。すなわち、セル消失による異音の
発生が抑圧、緩和され、異音の発生による耳障り感が解
消され、音声の了解度が向上し、さらに常時タンデム接
続をすることによる音声品質の劣化を回避することがで
きるという効果がある。また、この効果は、中継ノード
の構成だけによって達成される。つまり受信端、送信端
及び伝送網については、従来のままの構成でよく、これ
らについては何ら改修等は不要であり、上記音声品質の
向上の効果を現実的なコストで得ることができるという
効果もある。
【0285】また請求項25、26及び31記載の音声
符号化伝送システムによれば、中継復号器が復号処理の
一部を省略することができるので、この処理をコンピュ
ータで実現する場合には、その処理負荷が低減し、また
この処理をハードウェアにより実現する場合には、その
構成が簡単になるという効果もある。
【0286】また請求項27から請求項31までに記載
の音声符号化伝送システムによれば、消失セルの補償処
理が、中継復号器の内部で、音声パラメータに基づき音
声の状態に応じて適応的に行われるので、補償処理の高
品質化が図られ、受信端に伝送される音声の品質が向上
するという効果もある。
【0287】また請求項29記載の音声符号化伝送シス
テムによれば、出力切替器の動作タイミングが調整さ
れ、原音声符号を受信端へ伝達するディジタル1リンク
への復帰が、消失セルに相当する期間の経過時点から遅
延される。これにより、中継音声符号が原音声符号に収
束してから、ディジタル1リンクへの復帰が行われるの
で、復帰時の異音の発生が抑制されるという効果があ
る。
【0288】また請求項30記載の音声符号化伝送シス
テムによれば、中継符号化器が、中継復号器で算出され
る音声パラメータの一部を流用するので、中継ノードの
処理をコンピュータで実現する場合には、その処理負荷
が低減し、またこの処理をハードウェアにより実現する
場合には、その構成が簡単になるという効果もある。
【0289】また請求項32記載の音声符号化伝送シス
テムによれば、中継符号化器と中継復号器とで共用され
る機能を、共通処理器に集約したことにより、中継ノー
ドの処理をコンピュータで実現する場合には、その処理
負荷が低減し、またこの処理をハードウェアにより実現
する場合には、その構成が簡単になるという効果もあ
る。の処理負荷が低減するという効果もある。
【0290】また請求項33、34及び35記載の音声
符号化伝送システムによれば、消失セルの補償処理を、
消失セル以前の遅延された音声情報と、消失セル後の音
声情報とを用いた補間処理で行う。そのため、より精度
の高い消失セル補償処理が実現され、受信端への伝送音
声の品質が向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態である音声符号化伝送シス
テムのブロック構成図である。
【図2】 第1から第17の実施の形態に係る動作モー
ドを説明するための音声信号の波形図である。
【図3】 動作モード間の遷移を表す状態遷移図であ
る。
【図4】 第2の実施の形態に係る中継ノードのブロッ
ク構成図である。
【図5】 第3の実施の形態に係る中継ノードのブロッ
ク構成図である。
【図6】 第3の実施の形態に係る中継ノードの符号器
のブロック構成図である。
【図7】 第4の実施の形態である音声符号化伝送シス
テムのブロック構成図である。
【図8】 第5の実施の形態に係る中継ノードのブロッ
ク構成図である。
【図9】 第6の実施の形態である音声符号化伝送シス
テムのブロック構成図である。
【図10】 第7の実施の形態である音声符号化伝送シ
ステムのブロック構成図である。
【図11】 第8の実施の形態に係る中継ノードのブロ
ック構成図である。
【図12】 第9の実施の形態である音声符号化伝送シ
ステムのブロック構成図である。
【図13】 第10の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図14】 第11の実施の形態に係る中継ノードのブ
ロック構成図である。
【図15】 第12の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図16】 第13の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図17】 第14の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図18】 第15の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図19】 第16の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図20】 第16の実施の形態に係る内部状態適応部
の構成の一例を示すブロック構成図である。
【図21】 第17の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図22】 第18の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図23】 第18から第21の実施の形態に係る動作
モードを説明するための音声信号の波形図である。
【図24】 第19の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図25】 第20の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図26】 第21の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図27】 第22の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図28】 第23の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図29】 ITU勧告G.729方式に基づく符号器
のブロック図である。
【図30】 ITU勧告G.729方式に基づく復号器
のブロック図である。
【図31】 第24の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図32】 第25の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図33】 ITU勧告G.728 AnnexIアルゴリズ
ムに基づいた復号器における処理構成を示すブロック図
である。
【図34】 第26の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図35】 第27の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図36】 第28の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図37】 第28の実施の形態の中継ノードが備える
復号器と符号器の内部構成の一例を示すブロック図であ
る。
【図38】 第29の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図39】 第29の実施の形態の中継ノードが備える
復号器と符号器の内部構成の一例を示すブロック図であ
る。
【図40】 第30の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図41】 第30の実施の形態の中継ノードが備える
復号器、符号器及び共通処理器の詳細な構成の一例を示
すブロック図である。
【図42】 第31の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図43】 第32の実施の形態である音声符号化伝送
システムのブロック構成図である。
【図44】 第33の実施の形態の中継ノードの主要部
のブロック構成図である。
【図45】 従来の音声符号化伝送システムのブロック
構成図である。
【図46】 差分符号化方式の一例であるITU勧告
G.728符号化方式のブロック構成図である。
【図47】 無音圧縮伝送網と無音圧縮を行わない伝送
網とがタンデム接続された従来の音声符号化伝送システ
ムのブロック構成図である。
【図48】 無音圧縮伝送網と無音圧縮を行わない伝送
網とがディジタル1リンク接続された従来の音声符号化
伝送システムのブロック構成図である。
【図49】 ATM網とSTM網とがタンデム接続され
た従来の音声符号化伝送システムのブロック構成図であ
る。
【図50】 ATM網とSTM網とがディジタル1リン
ク接続された従来の音声符号化伝送システムのブロック
構成図である。
【符号の説明】
6,106,114,146,520,724 符号
器、14,108,122,522,716,732,
752,760 復号器、12,110,308,44
0,608 音声検出器、112,310,610,6
64 無音圧縮器、20,120,312,424、5
12 有音/無音情報抽出器、22,24,118,1
28,722 記憶器、100,700 送信端,10
2,702受信端、104,704 中継ノード、、1
40,144 擬似背景雑音発生器、160,162,
842 タスク制御器、206,306 異音抑圧コー
ド生成器、408,410 標準利得コードブック、4
12,414 抑圧利得コードブック、506 量子化
器、508 逆量子化器、510 内部状態適応部、6
06,860 バッファ、620 タイマー、640
ミュート器、660,662 内部状態符号器、708
セル組立器、712 セル分解器、714消失セル検
出器、720 消失セル補償器、728 切替スイッ
チ、750異音発生検出器、754 高能率符号補正
器、800 音声信号補正器、810ハングオーバー付
加器、840 共通処理器、844,846 共通処理
切替器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04Q 3/00 H04Q 3/00 (72)発明者 鈴木 茂明 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声信号を差分符号化し音声符号である
    原音声符号を第1の伝送路に出力する送信ノードと、前
    記第1の伝送路から受信した原音声符号に基づいて音声
    信号の有音期間に対応する音声符号のみを選択して第2
    の伝送路に出力することにより無音圧縮を行う中継ノー
    ドと、前記第2の伝送路から受信した無音圧縮音声符号
    を復号処理して音声信号を出力する受信ノードとを含ん
    だ音声符号化伝送システムにおいて、 前記中継ノードは、 前記原音声符号から音声信号に含まれる音声情報を取り
    出す中継復号器と、 この音声情報に基づいて前記音声信号の有音期間・無音
    期間を判別し、これに基づき中継ノードの動作を制御す
    る中継制御信号を出力する中継制御手段と、 前記中継制御信号に基づいて、前記無音期間から前記有
    音期間に遷移するタイミングである音声開始時における
    前記差分符号化の基準値を決定する符号化基準値決定手
    段と、 前記音声開始時において、この記基準値に基づいて前記
    音声情報の前記差分符号化を開始し、少なくとも一定の
    過渡期間、中継音声符号を生成する中継符号化器と、 前記原音声符号と前記中継音声符号とが入力され、前記
    第2の伝送路に、前記中継制御信号に基づいて、前記過
    渡期間内では前記中継音声符号を出力し、前記過渡期間
    以降の有音期間では前記原音声符号を出力して、前記無
    音圧縮音声符号を合成する無音圧縮手段と、を有し、 前記受信ノードは、 前記無音圧縮音声符号に基づいて前記音声開始を判別
    し、これに基づき受信ノードの動作を制御する受信制御
    信号を出力する受信制御手段と、 前記受信制御信号に基づいて、差分符号化の前記基準値
    に対応した前記復号処理の基準値を前記音声開始時にお
    いて決定する復号基準値決定手段と、 前記音声開始時において、この復号処理の基準値に基づ
    いて前記無音圧縮音声符号の前記復号処理を開始し、前
    記音声信号を出力する受信復号器と、 を有することを特徴とする音声符号化伝送システム。
  2. 【請求項2】 上記符号化基準値決定手段は、 上記差分符号化の所定の基準値を記憶した記憶器を有
    し、 上記音声開始時にはこの記憶内容を読み出して上記中継
    符号化器に設定し、 上記復号基準値決定手段は、 上記復号処理の所定の基準値を記憶した記憶器を有し、 上記音声開始時にはこの記憶内容を読み出して上記受信
    復号器に設定すること、 を特徴とする請求項1記載の音声符号化伝送システム。
  3. 【請求項3】 上記中継符号化器は、上記中継復号器で
    算出される音声パラメータを流用して上記差分符号化処
    理を行うことを特徴とする請求項1記載の音声符号化伝
    送システム。
  4. 【請求項4】 上記中継復号器は、上記音声信号に含ま
    れる音声パラメータのうち一部のみ取り出し、 上記中継符号化器は、この中継復号器の出力に基づいて
    上記差分符号化を行い、 上記中継制御手段は、前記中継復号器の出力に基づいて
    上記音声信号の有音期間・無音期間を判別すること、 を特徴とする請求項1記載の音声符号化伝送システム。
  5. 【請求項5】 上記符号化基準値決定手段は、 人工的な雑音を出力する擬似背景雑音信号発生器と、 上記音声信号の無音期間において、上記中継符号化器の
    入力端を上記中継復号器から前記擬似背景雑音信号発生
    器に切り換える符号化入力切換器と、 を有し、 上記復号基準値決定手段は、 擬似背景雑音信号発生器と、 この擬似背景雑音信号発生器の出力を符号化する雑音符
    号化器と、 上記音声信号の無音期間において、上記受信復号器の入
    力端を上記第2の伝送路から前記雑音符号化器に切り換
    える復号入力切換器と、 を有することを特徴とする請求項1記載の音声符号化伝
    送システム。
  6. 【請求項6】 上記中継符号化器は、上記中継復号器で
    算出される音声パラメータを流用して上記差分符号化処
    理を行うことを特徴とする請求項5記載の音声符号化伝
    送システム。
  7. 【請求項7】 上記中継復号器は、上記音声信号に含ま
    れる音声パラメータのうち一部のみ取り出し、 上記中継符号化器は、この中継復号器の出力に基づいて
    上記差分符号化を行い、 上記中継制御手段は、前記中継復号器の出力に基づいて
    上記音声信号の有音期間・無音期間を判別すること、 を特徴とする請求項5記載の音声符号化伝送システム。
  8. 【請求項8】 上記符号化基準値決定手段は、上記中継
    符号化器を制御対象とするタスク制御器を有し、 上記復号基準値決定手段は、上記受信復号器を制御対象
    とするタスク制御器を有し、 これら両タスク制御器はそれぞれ、上記音声信号が有音
    期間から無音期間に遷移したとき、前記各制御対象の差
    分符号化の処理又はこの差分符号化に対応した復号処理
    をそれら処理の最新の基準値を保持させたまま停止さ
    せ、上記音声信号が無音期間から有音期間に遷移したと
    き、各制御対象の処理を再開させること、 を特徴とする請求項1記載の音声符号化伝送システム。
  9. 【請求項9】 上記中継符号化器は、上記中継復号器で
    算出される音声パラメータを流用して上記差分符号化処
    理を行うことを特徴とする請求項8記載の音声符号化伝
    送システム。
  10. 【請求項10】 上記中継復号器は、上記音声信号に含
    まれる音声パラメータのうち一部のみ取り出し、 上記中継符号化器は、この中継復号器の出力に基づいて
    上記差分符号化を行い、 上記中継制御手段は、前記中継復号器の出力に基づいて
    上記音声信号の有音期間・無音期間を判別すること、 を特徴とする請求項8記載の音声符号化伝送システム。
  11. 【請求項11】 音声信号を差分符号化し音声符号であ
    る原音声符号を第1の伝送路に出力する送信ノードと、
    前記第1の伝送路から受信した原音声符号に基づいて音
    声信号の有音期間に対応する音声符号のみを選択して第
    2の伝送路に出力することにより無音圧縮を行う中継ノ
    ードと、前記第2の伝送路から受信した無音圧縮音声符
    号を復号処理して音声信号を出力する受信ノードとを含
    んだ音声符号化伝送システムにおいて、 前記中継ノードは、 前記原音声符号から音声信号に含まれる音声情報を取り
    出す中継復号器と、 この音声情報に基づいて前記音声信号の有音期間・無音
    期間を判別し、これに基づき中継ノードの動作を制御す
    る中継制御信号を出力する中継制御手段と、 前記受信ノードから出力される音声信号において前記音
    声情報に基づき異音の発生が予測される場合には、その
    部分の原音声符号を前記異音の発生を抑圧する音声符号
    で置き換えた修正音声符号を出力する音声符号修正器
    と、 前記原音声符号と前記修正音声符号とが入力され、前記
    第2の伝送路に、前記中継制御信号に基づいて、前記無
    音期間から前記有音期間に遷移するタイミングである音
    声開始から所定の過渡期間内では前記修正音声符号を出
    力し、前記過渡期間以降の有音期間では前記原音声符号
    を出力して、前記無音圧縮音声符号を合成する無音圧縮
    手段と、 を有することを特徴とする音声符号化伝送システム。
  12. 【請求項12】 上記中継復号器は、上記音声信号に含
    まれる音声パラメータのうち一部のみ取り出し、 上記中継符号化器は、この中継復号器の出力に基づいて
    上記差分符号化を行い、 上記中継制御手段は、前記中継復号器の出力に基づいて
    上記音声信号の有音期間・無音期間を判別すること、 を特徴とする請求項11記載の音声符号化伝送システ
    ム。
  13. 【請求項13】 音声信号を差分符号化し音声符号であ
    る原音声符号を第1の伝送路に出力する送信ノードと、
    前記第1の伝送路から受信した原音声符号に基づいて音
    声信号の有音期間に対応する音声符号のみを選択して第
    2の伝送路に出力することにより無音圧縮を行う中継ノ
    ードと、前記第2の伝送路から受信した無音圧縮音声符
    号を復号処理して音声信号を出力する受信ノードとを含
    んだ音声符号化伝送システムにおいて、 上記音声符号は、量子化された利得値と利得符号とを割
    り付けるテーブルであるコードブックに基づいて音声情
    報中の利得情報に対応づけられる利得符号を含み、 前記中継ノードは、 前記原音声符号から音声信号に含まれる音声情報を取り
    出す中継復号器と、 この音声情報に基づいて前記音声信号の有音期間・無音
    期間を判別し、これに基づき中継ノードの動作を制御す
    る中継制御信号を出力する中継制御手段と、 前記コードブックの1つである抑圧コードブックと、 この抑圧コードブックから利得符号を得て、前記音声情
    報の前記差分符号化を行い、中継音声符号を生成する中
    継符号化器と、 前記原音声符号と前記中継音声符号とが入力され、前記
    第2の伝送路に、前記中継制御信号に基づいて、前記無
    音期間から前記有音期間に遷移するタイミングである音
    声開始から所定の過渡期間内では前記中継音声符号を出
    力し、前記過渡期間以降の有音期間では前記原音声符号
    を出力して、前記無音圧縮音声符号を合成する無音圧縮
    手段と、を有し、 前記受信ノードは、 前記無音圧縮音声符号に基づいて前記音声開始を判別
    し、これに基づき受信ノードの動作を制御する受信制御
    信号を出力する受信制御手段と、 前記抑圧コードブックと、 他の前記コードブックである標準コードブックと、 前記受信制御信号に基づいて前記音声開始から所定の過
    渡期間内では前記抑圧コードブックが接続され、前記過
    渡期間以降では前記標準コードブックが接続され、これ
    らコードブックから前記利得情報を得て、前記無音圧縮
    音声符号から前記音声信号の前記復号処理を行い、前記
    音声信号を出力する受信復号器と、を有し、 前記抑圧コードブックの量子化された利得値は、前記標
    準コードブックの量子化された利得値よりも抑制されて
    いること、 を特徴とする音声符号化伝送システム。
  14. 【請求項14】 上記中継符号化器は、上記中継復号器
    で算出される音声パラメータを流用して上記差分符号化
    処理を行うことを特徴とする請求項13記載の音声符号
    化伝送システム。
  15. 【請求項15】 上記中継復号器は、上記音声信号に含
    まれる音声パラメータのうち一部のみ取り出し、 上記中継符号化器は、この中継復号器の出力に基づいて
    上記差分符号化を行い、 上記中継制御手段は、前記中継復号器の出力に基づいて
    上記音声信号の有音期間・無音期間を判別すること、 を特徴とする請求項13記載の音声符号化伝送システ
    ム。
  16. 【請求項16】 音声信号を差分符号化し音声符号であ
    る原音声符号を第1の伝送路に出力する送信ノードと、
    前記第1の伝送路から受信した原音声符号に基づいて音
    声信号の有音期間に対応する音声符号のみを選択して第
    2の伝送路に出力することにより無音圧縮を行う中継ノ
    ードと、前記第2の伝送路から受信した無音圧縮音声符
    号を復号処理して音声信号を出力する受信ノードとを含
    んだ音声符号化伝送システムにおいて、 前記受信ノードは、 前記無音圧縮音声符号に基づいて音声開始・音声終了を
    判別し、これに基づき受信ノードの動作を制御する受信
    制御信号を出力する受信制御手段と、 前記無音圧縮音声符号に基づき前記受信ノードから出力
    される音声信号において異音の発生が予測される場合に
    は、その部分の無音圧縮音声符号を前記異音の発生を抑
    圧する音声符号で置き換えた修正音声符号を出力する音
    声符号修正器と、 前記無音圧縮音声符号と前記修正音声符号とが入力さ
    れ、前記受信制御信号に基づいて、前記音声開始から所
    定の過渡期間内では前記修正音声符号を出力し、前記過
    渡期間以上前記音声終了までは前記無音圧縮音声符号を
    出力する復号入力選択器と、 前記復号入力選択器の出力に対して、前記差分符号化に
    対応した前記復号処理を行い、前記音声信号を出力する
    受信復号器と、 を有することを特徴とする音声符号化伝送システム。
  17. 【請求項17】 音声信号を差分符号化し音声符号であ
    る原音声符号を第1の伝送路に出力する送信ノードと、
    前記第1の伝送路から受信した原音声符号に基づいて音
    声信号の有音期間に対応する音声符号のみを選択して第
    2の伝送路に出力することにより無音圧縮を行う中継ノ
    ードと、前記第2の伝送路から受信した無音圧縮音声符
    号を復号処理して音声信号を出力する受信ノードとを含
    んだ音声符号化伝送システムにおいて、 前記中継ノードは、 前記原音声符号から音声信号に含まれる音声情報を取り
    出す中継復号器と、 この音声情報に基づいて前記音声信号の有音期間・無音
    期間を判別し、これに基づき中継ノードの動作を制御す
    る中継制御信号を出力する中継制御手段と、 現時刻の音声情報に基づいてその符号化を行い、中継音
    声符号を生成する中継符号化器と、 前記原音声符号と前記中継音声符号とが入力され、前記
    第2の伝送路に、前記中継制御信号に基づいて、前記無
    音期間から前記有音期間に遷移するタイミングである音
    声開始から所定の過渡期間内では前記中継音声符号を出
    力し、前記過渡期間以降の有音期間では前記原音声符号
    を出力して、前記無音圧縮音声符号を合成する無音圧縮
    手段と、を有し、 前記受信ノードは、 前記無音圧縮音声符号に基づいて前記音声開始を判別
    し、これに基づき受信ノードの動作を制御する受信制御
    信号を出力する受信制御手段と、 前記原音声符号の復号処理を行い、前記音声信号を出力
    する第1の受信復号器と、 前記中継音声符号の復号処理を行い、前記音声信号を出
    力する第2の受信復号器と、 前記第2の受信復号器から出力される音声信号を前記差
    分符号化して前記第1の受信復号器へ出力し、前記第1
    の受信復号器の前記差分符号化の基準値を更新させる基
    準値適応部と、 前記受信制御信号に基づき、前記第2の伝送路に、上記
    過渡期間内では前記第2の受信復号器を接続し、前記過
    渡期間以上前記音声終了までは前記第1の受信復号器を
    接続する復号器切換手段と、 を有することを特徴とする音声符号化伝送システム。
  18. 【請求項18】 上記中継符号化器は、上記音声情報を
    量子化データに変換する量子化器であり、 上記第2の受信復号器は、前記量子化データから音声信
    号を再生する逆量子化器であること、 を特徴とする請求項17記載の音声符号化伝送システ
    ム。
  19. 【請求項19】 音声信号を差分符号化し音声符号であ
    る原音声符号を第1の伝送路に出力する送信ノードと、
    前記第1の伝送路から受信した原音声符号に基づいて音
    声信号の有音期間に対応する音声符号のみを選択して第
    2の伝送路に出力することにより無音圧縮を行う中継ノ
    ードと、前記第2の伝送路から受信した無音圧縮音声符
    号を復号処理して音声信号を出力する受信ノードとを含
    んだ音声符号化伝送システムにおいて、 前記中継ノードは、 前記原音声符号から音声信号に含まれる音声情報を取り
    出す中継復号器と、 この音声情報に基づいて前記音声信号の有音期間・無音
    期間を判別し、これに基づき中継ノードの動作を制御す
    る中継制御信号を出力する中継制御手段と、 前記原音声符号を所定遅延時間だけ遅延させる遅延手段
    と、 前記中継制御信号に基づき前記有音期間において、前記
    原音声符号を前記遅延手段から前記第2の伝送路に出力
    させ前記無音圧縮を行う無音圧縮手段と、を有し、 前記受信ノードは、 前記無音圧縮音声符号に基づいて前記音声開始を判別
    し、これに基づき受信ノードの動作を制御する受信制御
    信号を出力する受信制御手段と、 前記無音圧縮音声符号に対して、前記差分符号化に対応
    した前記復号処理を行い、前記音声信号を出力する受信
    復号器と、 を有することを特徴とする音声符号化伝送システム。
  20. 【請求項20】 上記受信ノードは、 人工的な雑音である擬似背景雑音を出力する擬似背景雑
    音信号発生器と、 受信ノードからの出力源を選択する切換器であって、上
    記無音圧縮音声符号の開始から上記遅延時間経過するま
    では、前記擬似背景雑音信号発生器からの擬似背景雑音
    を出力し、その後は上記受信復号器からの音声信号を出
    力する受信出力切換器と、 を有することを特徴とする請求項19記載の音声符号化
    伝送システム。
  21. 【請求項21】 上記受信ノードは、上記無音圧縮音声
    符号の開始から上記遅延時間経過するまでは、上記受信
    復号手段の出力を消音するミュート器を有することを特
    徴とする請求項19記載の音声符号化伝送システム。
  22. 【請求項22】 音声信号を差分符号化し音声符号であ
    る原音声符号を第1の伝送路に出力する送信ノードと、
    前記第1の伝送路から受信した原音声符号に基づいて音
    声信号の有音期間に対応する音声符号のみを選択して第
    2の伝送路に出力することにより無音圧縮を行う中継ノ
    ードと、前記第2の伝送路から受信した無音圧縮音声符
    号を復号処理して音声信号を出力する受信ノードとを含
    んだ音声符号化伝送システムにおいて、 前記中継ノードは、 前記差分符号化に対応した復号処理の基準値に基づい
    て、前記原音声符号から音声信号に含まれる音声情報を
    取り出す中継復号器と、 この音声情報に基づいて前記音声信号の有音期間・無音
    期間を判別し、これに基づき中継ノードの動作を制御す
    る中継制御信号を出力する中継制御手段と、 前記原音声符号を所定遅延時間だけ遅延させる遅延手段
    と、 前記中継復号器の前記基準値を符号化した基準状態符号
    を出力する基準状態符号化器と、 前記遅延手段から出力される原音声符号と前記基準状態
    符号とが入力され、前記中継制御信号に基づき、前記無
    音期間から前記有音期間に遷移するタイミングである音
    声開始から前記遅延時間の間は前記状態符号を出力し、
    前記遅延時間経過後は前記原音声符号を出力して、前記
    無音圧縮音声符号を合成する無音圧縮手段と、を有し、 前記受信ノードは、 前記無音圧縮音声符号に基づいて前記音声開始を判別
    し、これに基づき受信ノードの動作を制御する受信制御
    信号を出力する受信制御手段と、 前記基準状態符号を復号して前記基準値を出力する基準
    状態復号器と、 この基準値に基づいて前記無音圧縮音声符号の前記復号
    処理を開始し、前記音声信号を出力する受信復号器と、 を有することを特徴とする音声符号化伝送システム。
  23. 【請求項23】 音声信号を高能率符号化し、得られた
    原音声符号を分割してセルを構成し、このセルを非同期
    転送モード伝送路に出力する送信ノードと、前記非同期
    転送モード伝送路から受信した前記セルを分解して原音
    声符号を取り出し、この原音声符号を同期をとって同期
    転送モード伝送路に出力する中継ノードと、前記同期転
    送モード伝送路から受信した音声符号を復号処理して音
    声信号を出力する受信ノードとを含んだ音声符号化伝送
    システムにおいて、 前記中継ノードは、 受信されたセルから前記非同期転送モード伝送路でのセ
    ル消失を検知し、これに基づき当該中継ノードの動作を
    制御する中継制御信号を出力する中継制御手段と、 前記セル消失により欠落した前記原音声符号を、受信し
    た前記原音声符号に基づいて補って中継音声符号を生成
    する音声符号修復部と、 前記中継制御信号に基づいて、前記同期転送モード伝送
    路に前記原音声符号と前記中継音声符号とのいずれを出
    力するかを切り替える切替器であって、前記セル消失の
    検知時には前記中継音声符号を出力し、前記セル消失を
    検知しない時には、前記原音声符号を出力する出力切替
    器と、 を有することを特徴とする音声符号化伝送システム。
  24. 【請求項24】 上記音声符号修復部は、 上記原音声符号から音声信号に含まれる音声情報を取り
    出す中継復号器と、 消失セルに含まれる音声情報を、上記中継復号器から出
    力される前記音声情報に基づいて補い補償音声情報を生
    成する消失セル補償器と、 前記補償音声情報に上記高能率符号化を行い中継音声符
    号を生成する中継符号化器と、 を有することを特徴とする請求項23記載の音声符号化
    伝送システム。
  25. 【請求項25】 上記中継復号器は、上記音声信号に含
    まれる音声パラメータのうち一部のみ取り出し、 上記消失セル補償器は、この中継復号器の出力に基づい
    て上記消失セルの音声情報の補償を行うこと、 を特徴とする請求項24記載の音声符号化伝送システ
    ム。
  26. 【請求項26】 上記中継ノードは、 上記中継音声符号を復号する検査復号器と、 前記検査復号器の出力音声信号に含まれる異音成分を検
    知する異音検知器と、 前記異音成分の検知時には、入力された上記中継音声符
    号を修正して出力する音声符号修正器と、を有し、 上記出力切替器は、上記原音声符号と、前記音声符号修
    正器から出力される中継音声符号とを切り替えて出力す
    ること、 を特徴とする請求項25記載の音声符号化伝送システ
    ム。
  27. 【請求項27】 上記音声符号修復部は、 上記原音声符号から音声信号に含まれる音声情報を取り
    出し、消失セルに含まれる音声情報を、受信された前記
    音声情報に基づいて適応的に補償し、補償音声情報を生
    成する中継復号器と、 前記補償音声情報に上記高能率符号化を行い中継音声符
    号を生成する中継符号化器と、 を有することを特徴とする請求項23記載の音声符号化
    伝送システム。
  28. 【請求項28】 上記中継復号器は、補償音声情報とし
    て音声信号を出力し、 上記音声符号修復部は、 さらに、上記中継復号器の出力音声信号に含まれる異音
    成分を検知する異音検知器と、 前記異音成分の検知時には、前記出力音声信号を修正し
    て出力する音声信号修正器と、を有し、 上記中継符号化器は、前記音声信号修正器から出力され
    る音声信号を上記中継音声符号に変換すること、 を特徴とする請求項27記載の音声符号化伝送システ
    ム。
  29. 【請求項29】 上記中継ノードは、上記出力切替器の
    出力を上記中継音声符号から上記原音声符号へ切り替え
    る上記中継制御信号のタイミングを、消失セルに対応す
    る期間の終了から所定時間遅延させる制御信号遅延器を
    有することを特徴とする請求項27記載の音声符号化伝
    送システム。
  30. 【請求項30】 上記中継符号化器は、上記中継復号器
    で算出される音声パラメータを流用して上記高能率符号
    化を行うことを特徴とする請求項27記載の音声符号化
    伝送システム。
  31. 【請求項31】 上記中継復号器は、上記原音声符号か
    ら、音声信号に含まれる音声パラメータのうち一部のみ
    取り出し、 上記中継符号化器は、この中継復号器の出力に基づいて
    上記高能率符号化を行うこと、 を特徴とする請求項27記載の音声符号化伝送システ
    ム。
  32. 【請求項32】 上記音声符号修復部は、 上記原音声符号から音声信号に含まれる音声情報を取り
    出し、かつ消失セルに含まれる音声情報を、受信された
    前記音声情報に基づいて適応的に補償して補償音声情報
    を生成する中継復号及び修復処理と、前記補償音声情報
    に上記高能率符号化を行い中継音声符号を生成する中継
    符号化処理との両処理における共通部分を行う共通処理
    器と、 前記中継復号及び修復処理に固有の処理を行う中継復号
    器と、 前記中継符号化処理に固有の処理を行う中継符号化器
    と、 前記共通処理器を前記中継復号器と前記中継符号化器の
    いずれに接続するかを切り替える共通処理切替器と、 前記共通処理切替器を制御する共通処理制御器と、を有
    し、 前記中継復号器は、前記共通処理器を用いて前記中継復
    号及び修復処理を行い前記補償音声情報を出力し、 前記中継符号化器は、前記共通処理器を用いて前記中継
    符号化処理を行い前記中継音声符号を出力すること、 を特徴とする請求項23記載の音声符号化伝送システ
    ム。
  33. 【請求項33】 上記音声符号修復部は、上記中継復号
    器から出力される音声情報を所定時間遅延させる音声情
    報遅延器を有し、 上記消失セル補償器は、前記音声情報遅延器から出力さ
    れ上記消失セルに対して先行する先行音声情報と、上記
    消失セルに対して後続する後続音声情報とに基づいて、
    上記消失セルに含まれる音声情報を補間処理により求め
    ること、 を特徴とする請求項24記載の音声符号化伝送システ
    ム。
  34. 【請求項34】 上記中継復号器は、上記原音声符号か
    ら、音声信号に含まれる音声パラメータのうち一部のみ
    取り出し、 上記音声情報遅延器は、この中継復号器の出力を遅延さ
    せ、 上記消失セル補償器は、前記音声パラメータに基づいて
    前記補間処理を行い、 上記中継符号化器は、この消失セル補償器の出力に基づ
    いて上記高能率符号化を行うこと、 を特徴とする請求項33記載の音声符号化伝送システ
    ム。
  35. 【請求項35】 上記中継復号器は、上記消失セルに対
    して先行する先行音声情報と、上記消失セルに対して後
    続する後続音声情報とに基づいて、上記消失セルに含ま
    れる音声情報を補間処理により求めること、 を特徴とする請求項27記載の音声符号化伝送システ
    ム。
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