JPH093216A - イオン交換膜の製造方法 - Google Patents

イオン交換膜の製造方法

Info

Publication number
JPH093216A
JPH093216A JP7150102A JP15010295A JPH093216A JP H093216 A JPH093216 A JP H093216A JP 7150102 A JP7150102 A JP 7150102A JP 15010295 A JP15010295 A JP 15010295A JP H093216 A JPH093216 A JP H093216A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exchange membrane
ion exchange
monomer
temperature
ion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7150102A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumito Kishimoto
文都 岸本
Hiroki Hirayama
浩喜 平山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP7150102A priority Critical patent/JPH093216A/ja
Publication of JPH093216A publication Critical patent/JPH093216A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ラジカル重合開始剤として10時間半減期温度
が高いものを用いることなく、110℃未満の低い温度
で重合を実施する簡便な方法によっても、優れた耐久性
を有し、過酷な条件下で長期間使用可能なイオン交換膜
が得られる方法を開発すること。 【構成】(a)イオン交換基を導入可能な官能基または
イオン交換基を有する単量体及び架橋性単量体を含む単
量体混合物90.0〜97.0モル% (b)10時間半減期温度が110℃未満のラジカル重
合開始剤10.0〜3.0モル% とからなり、好適にはさらにマトリックス樹脂を含有す
る重合性組成物をポリオレフィン製基材に付着して、1
10℃未満の温度で重合せしめた後、必要に応じてイオ
ン交換基を導入することを特徴とするイオン交換膜の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオン交換膜の製造法に
関し、特に高温、酸、アルカリおよび有機溶剤等に対し
て良好な耐久性を有するイオン交換膜の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、イオン交換膜の製造方法として
は、一般に、イオン交換基を導入可能な官能基またはイ
オン交換基を有する単量体、架橋性単量体及びラジカル
重合開始剤を主たる成分とする混合溶液にマトリックス
樹脂を添加してなるペースト状の重合性組成物を、ポリ
塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の織布、
不織布、多孔性フィルムの基材に付着して重合した後、
必要に応じてイオン交換基を導入する方法(以下単に、
ペースト法ともいう)が広く用いられている。その際、
上記ラジカル重合開始剤の使用量としては、重合を遂行
するのに必要な最低量に抑えて使用するのが一般的であ
り、具体的な使用例でいえば通常、重合性組成物中の全
重合性単量体のモル数に対して、多くてもせいぜい1モ
ル%程度でしか使用されていない。
【0003】一方、今日、イオン交換膜は多種多様な産
業分野で広く利用されるようになり、その使用環境もよ
り高温に、また、酸、アルカリ、有機溶剤等での使用と
過酷になりつつあり、そうした使用環境での耐久性の向
上が大きな課題となっている。そのため、上記ペースト
法によるイオン交換膜の製造方法において基材の材質
は、耐久性等に優れるポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィンが優位に使用されている。ところが、
このポリオレフィン製基材は重合性組成物とのなじみが
悪く、該材質の基材から得られたイオン交換膜は、前記
過酷な条件で長期間使用した場合には、依然耐久性が十
分でなく、イオン交換樹脂部が部分的に基材から欠落す
る等の問題が生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】こうしたことから、特
公昭57−34017号公報等では、重合性組成物のラ
ジカル重合開始剤として10時間半減期温度が110℃
以上のものを用い、ポリオレフィン製基材に付着した該
重合性組成物を110℃以上で基材のポリオレフィンの
融点以下の高温下で重合することが開示されている。こ
のような高温下では、ポリオレフィン製基材の軟化が生
じるため、重合性組成物と基材がよく馴染み、結果とし
て得られるイオン交換膜は良好な耐久性を有するものと
なる。
【0005】しかしながら、かかる方法は、上記ポリオ
レフィンを軟化させるための温度範囲が狭く、重合性組
成物の重合中に蓄熱される重合熱の影響等もあって、該
温度範囲に温度を制御しながら重合を実施することに困
難性を有するものであった。
【0006】そのため、このようにラジカル重合開始剤
として10時間半減期温度が高いものを用いることな
く、110℃未満の低い温度で重合を実施する簡便な方
法によっても、優れた耐久性を有し、前記の様な過酷な
条件下で長期間使用可能なイオン交換膜が得られる方法
を開発することが望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意研究を続けてきた。その結果、ラジカル重合
開始剤を、通常の使用量よりも多めの特定の使用量とす
ることにより、上記課題が解決できることを見いだし本
発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(a)イオン交換基を導
入可能な官能基またはイオン交換基を有する単量体及び
架橋性単量体を含む単量体混合物90.0〜97.0モ
ル% (b)10時間半減期温度が110℃未満のラジカル重
合開始剤10.0〜3.0モル% とからなる重合性組成物をポリオレフィン製基材に付着
して、110℃未満の温度で重合せしめた後、必要に応
じてイオン交換基を導入することを特徴とするイオン交
換膜の製造方法である。
【0009】本発明において、ラジカル重合開始剤は、
10時間半減期温度が110℃未満好適には40℃〜1
00℃のものであれば、公知のものが何等制限なく使用
される。こうしたラジカル重合開始剤の具体例として
は、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカ
ルボネート、t−ブチルパーオキシラウレート、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシ
ルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘ
キシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ベンゾ
イルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチル
ヘキサネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチル
パーオキシ−2−エチルヘキサネート、3,3,5−ト
リメチルヘキサノルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシビバレート、t−ヘキシルパーオキシビバレート、
t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパ
ーオキシネオデカネート、ジ−2−エタオキシエチルパ
ーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルパーオキシネオデカネート等の有機過酸化物が
挙げられる。
【0010】本発明では、イオン交換基を導入可能な官
能基またはイオン交換基を有する単量体及び架橋性単量
体を含む単量体混合物は、単量体の合計モル数として9
0.0〜97.0モル%、好適には91.0〜96.0
モル%の範囲で使用し、上記ラジカル重合開始剤は、
3.0〜10.0モル%、好適には4.0〜9.0モル
%の範囲で使用する。この範囲でラジカル重合開始剤を
使用することにより、得られるイオン交換膜は、過酷な
条件下での使用にも長期間耐える極めて耐久性に優れた
ものになる。なお、上記単量体混合物には、イオン交換
基を導入可能な官能基またはイオン交換基を有する単量
体及び架橋性単量体の他に、必要によりこれらと共重合
可能な他の単量体が配合されるが、こうした場合は、前
記ラジカル重合開始剤の使用量の対象となる単量体混合
物のモル数には、該共重合可能な他の単量体の量も含ま
せるものとする。
【0011】ここで、このラジカル重合開始剤の使用量
が3.0モル%より小さいとき、得られるイオン交換膜
は満足できるだけの耐久性を有さないものとなる。一
方、この使用量が10.0モル%より大きい場合、重合
性組成物の混合性が悪くなり、重合して得られる膜状高
分子体も不均一なものになる。
【0012】次に、本発明において、イオン交換基を導
入可能な官能基を有する単量体またはイオン交換基を有
する単量体としては、従来公知であるイオン交換膜の製
造において用いられる単量体が特に限定されずに使用さ
れる。具体的には、スチレン、ビニルトルエン、ビニル
キシレン、α−メチルスチレン、アセナフチレン、ビニ
ルナフタレン、α−ハロゲン化スチレン等、α,β,
β’−トリハロゲン化スチレン、クロルスチレン類等が
挙げられる。特に、陽イオン交換膜の場合には、α−ハ
ロゲン化ビニルスルホン酸、メタクリル酸、アクリル
酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、無水マレ
イン酸、ビニルリン酸等、それらの塩類、エルテル類な
どが用いられる。また、陰イオン交換膜の場合には、ビ
ニルピリジン、メチルビニルピリジン、エチルビニルピ
リジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、ビニ
ルイミダゾール、アミノスチレン、アルキルアミノスチ
レン、ジアルキルアミノスチレン、トリアルキルアミノ
スチレン、メチルブニルケトン、クロルメチルスチレ
ン、アクリル酸アミド、アクリルアミド、オキシウム、
ビニルピロリドン、スチレン、ビニルトルエン等が用い
られる。
【0013】また、架橋性単量体としては、特に制限さ
れるものではないが、例えば、m,p,o−ジビニルベ
ンゼン、ジビニルスルホン、ブタジエン、クロロプレ
ン、イソプレン、トリビニルベンゼン類、ジビニルナフ
タリン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、ジビニル
ピリジン類等のジビニル化合物が用いられる。
【0014】本発明では、上記したイオン交換基を導入
可能な官能基を有する単量体またはイオン交換基を有す
る単量体及び架橋性単量体とともに、必要に応じてこれ
らの単量体と共重合可能な他の単量体を用いても良い。
こうした他の単量体としては、例えば、スチレン、アク
リロニトリル、メチルスチレン、ビニルクロライド、ア
クロレイン、メチルビニルケトン、無水マレイン酸、マ
レイン酸、その塩またはエステル類、イタコン酸、その
塩またはエステル類等が適宜用いられる。また、オクチ
ルフタレート、ジブチルフタレート、リン酸トリブチ
ル、スチレンオキシド、或いは脂肪族酸、芳香族酸のア
ルコールエステル等の可塑剤、単量体を希釈するための
溶媒などを適宜添加しても良い。
【0015】なお、本発明では、上記した単量体混合物
及びラジカル重合開始剤からなる重合性組成物の粘度を
上げるために、マトリックス樹脂として単量体混合物に
可溶性の線状高分子化合物、例えば、ポリスチレン類、
ポリビチレン類、ポリイソブチレン類、スチレン−ブタ
ジエン共重合物、水素添加スチレン−ブタジエン共重合
物、ポリフェニレンオキサイド類、ポリアクリロニトリ
ル類、ブタジエン−アクリロニトリル共重合物、水素添
加ブタジエン−アクリロニトリル共重合物、スチレン−
エチレン−ブタジエン共重合物、スチレン−イソプレン
共重合物、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリ
エチレン、クロロスルホン化ポリプロピレン、塩素化ポ
リプロピレン等を適宜用いても良い。また、ポリエチレ
ン微粉末、ポリプロピレン微粉末等も上記した単量体混
合物に対して分散性が良いため適宜用いることができ
る。得られる重合性組成物の20℃における粘度は、一
般に0.1〜20ポイズ、好適には0.5〜7ポイズの
範囲とするのが良い。
【0016】本発明において、重合性組成物を構成する
上記単量体混合物の各成分の配合割合は、特に制限され
るものではないが、一般には、イオン交換基を導入可能
な官能基を有する単量体またはイオン交換基を有する単
量体100重量部に対して、架橋性単量体を1〜30重
量部、これらの単量体と共重合可能な他の単量体を0〜
120重量部使用するのが好適である。また、マトリッ
クス樹脂を使用する場合は、イオン交換基を導入可能な
官能基を有する単量体またはイオン交換基を有する単量
体100重量部に対して1〜100重量部使用するのが
好適である。
【0017】本発明では、以上の各成分からなる重合性
組成物を基材に付着して重合させ、必要に応じてイオン
交換基を導入することでイオン交換膜を得る。その際、
基材としては、ポリオレフィン製のものを使用し、重合
を110℃未満、好適には30℃以上110℃未満、さ
らに好適には該ラジカル重合開始剤の10時間半減期の
温度付近の温度で実施する。ポリオレフィン製基材を使
用した場合、前記した如くこのようなポリオレフィンの
軟化が生じない低い温度で重合性組成物の重合を行った
場合、重合性組成物と基材の馴染みが十分でなく、得ら
れるイオン交換膜は耐久性に劣るものとなる。これに対
して本発明では、前記の様に使用するラジカル重合開始
剤の使用量を特定範囲とすることで、このような低い重
合温度で得られるイオン交換膜の耐久性を著しく向上さ
せるものである。
【0018】ここで、基材の材質となるポリオレフィン
としては、公知のものが特に制限なく使用できるが、具
体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン
それらの共重合物或いはそれらのポリマーのブレンド物
等が挙げられる。また、基材の形状は、織布、不織布、
多孔性フィルム等、どのようなものでも良い。更に、基
材をコロナ放電処理、電子線照射処理、クロルスルホン
酸処理等の表面処理をすることは、イオン交換膜の耐久
性をより向上させる上で効果的である。
【0019】重合性組成物を基材に付着する方法は、例
えば塗布または含浸、浸漬等の公知の方法を適宜採用す
れば良い。重合時の種々の条件は、ラジカル重合開始剤
の種類、単量体混合物の組成、基材の種類によっても左
右されるものであり、一概に決めることはできないが所
望するイオン交換膜の電気化学的、機械的性質等を考慮
して適宜最適の条件を選定すれば良い。
【0020】以上により重合されて得られる膜状高分子
体は、必要によりこれを、公知の例えばスルホン化、ク
ロルスルホン化、クロロメチル化、及びアミノ化、第4
級ピリジニウム塩素化、ホスホニウム化、スルホニウム
化、過水分解などの処理により所望のイオン交換基を導
入して、陽イオン交換膜または陰イオン交換膜とするこ
とができる。このイオン交換基の導入量は特に制限され
ないが、通常、イオン交換容量が0.1〜20meq/
g−乾燥膜の範囲となる量とするのが好適である。ま
た、本発明におけるイオン交換膜の厚みは、一般に10
〜500μm、好ましくは40〜300μmの範囲とす
るの良い。
【0021】
【発明の効果】本発明のイオン交換膜は、10時間半減
期温度が110℃未満のラジカル重合開始剤を使用し、
110℃未満の低い重合温度で重合する方法において、
高温化に晒されたり、酸、アルカリ或いは有機溶剤等と
接触するような過酷な条件下で使用されても良好な耐久
性を有するイオン交換膜を得ることができる。こうした
低温でイオン交換膜を製造する方法は、重合時の温度制
御の簡便さ等の面で有利であり、本発明は工業的に極め
て有用である。
【0022】
【実施例】以下、本発明の製造例、実施例及び比較例を
示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】実施例1 スチレン45重量部,クロロメチルスチレン45重量
部,純度57%のジビニルベンゼン10重量部,スチレ
ンオキサイド3重量部,水素添加NBR(Zetpol2010L
日本ゼオン製)10重量部,ジオクチルフタレート20
重量部及びラジカル発生触媒として10時間半減期温度
が74℃であるベンジルパーオキサイドを重合性単量体
の合計モル数に対し7.0モル%加えて重合性組成物を
得た。次いで、この重合性組成物を基材とするポリエチ
レン製の200メッシュ織布(商品名:ニップ強力網,
NBC工業製、軟化点:100℃)に塗布し、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムを剥離材として塗布した
後、重合を70℃,18時間行い、膜状高分子体を得
た。この既膜状高分子体を60℃,6時間で濃硫酸によ
りスルホン化して陽イオン交換膜を得た。
【0024】この得られた陽イオン交換膜の電気抵抗を
25℃の0.5N−塩化ナトリウム水溶液で測定したと
ころ4.0Ω・cm2であった。次いで、得られた陽イ
オン交換膜を2室型の電気透析装置に組み込んで、陰極
側に5N−水酸化ナトリウム水溶液を、陽極側に2N−
芒硝水溶液を供給し、温度80℃、電流密度150A/
cm2で透析実験を行った。透析を開始して6ヶ月後、
透析実験を中止し、電気透析装置を解体し、陽イオン交
換膜の状態を観察したところ、外観上特に変化はなかっ
た。更に、この陽イオン交換膜を別の2室型の電気透析
装置に組み込んで、陰極側と陽極側に3N−水酸化ナト
リウム水溶液を所定量仕込み、温度25℃、電流密度1
00A/cm2で透析して電流効率を測定した。その電
流効率は透析実験開始前のそれと比べて僅か1%の低下
であった。
【0025】実施例2 基材をポリプロピレン製の200メッシュ織布(商品
名:ニップ強力網,NBC工業製、軟化点:140℃)
を用いた以外は、実施例1と同様にして膜状高分子体を
得た。この膜状高分子体を60℃,6時間で濃硫酸によ
りスルホン化して陽イオン交換膜を得た。この得られた
陽イオン交換膜の電気抵抗は4.1Ω・cm2であっ
た。
【0026】次いで、得られた陽イオン交換膜を実施例
1と同様に透析実験を行った。透析を開始して6ヶ月
後、透析実験を中止し、電気透析装置を解体し、陽イオ
ン交換膜の状態を観察したところ、外観上特に変化はな
かった。更に、実施例1と同様にして電流効率を測定し
た。その電流効率は透析実験開始前のそれと比べて僅か
0.6%の低下であった。
【0027】実施例3 ラジカル発生触媒として10時間半減期温度が74℃で
あるベンジルパーオキサイドを重合性単量体の合計量に
対し5.0モル%加えた重合性組成物を用いた以外は、
実施例2と同様にして膜状高分子体を得た。この膜状高
分子体を60℃,6時間で濃硫酸によりスルホン化して
陽イオン交換膜を得た。この得られた陽イオン交換膜の
電気抵抗は4.9Ω・cm2であった。
【0028】次いで、得られた陽イオン交換膜を実施例
1と同様に透析実験を行った。透析を開始して6ヶ月
後、透析実験を中止し、電気透析装置を解体し、陽イオ
ン交換膜の状態を観察したところ、外観上特に変化はな
かった。更に、実施例1と同様にして電流効率を測定し
た。その電流効率は透析実験開始前のそれと比べて僅か
1%の低下であった。
【0029】比較例1 ラジカル発生触媒として10時間半減期温度が74℃で
あるベンジルパーオキサイドを重合性モノマーの合計量
に対し1.0モル%加えた重合性組成物を用いた以外
は、実施例2と同様にして膜状高分子体を得た。この膜
状高分子体を60℃,6時間で濃硫酸によりスルホン化
して陽イオン交換膜を得た。この得られた陽イオン交換
膜の電気抵抗は6.0Ω・cm2であった。
【0030】次いで、得られた陽イオン交換膜を実施例
1と同様に透析実験を行った。透析を開始して6ヶ月
後、透析実験を中止し、電気透析装置を解体し、陽イオ
ン交換膜の状態を観察したところ、部分的にイオン交換
樹脂部の欠落が見られた。更に、実施例1と同様にして
電流効率を測定した。その電流効率は透析実験開始前の
それと比べて25%も低下していた。
【0031】実施例4 ラジカル発生触媒として10時間半減期温度が55℃で
あるクミルパーオキシネオデカネートを重合性単量体の
合計量に対し7.0モル%加えた重合性組成物を用い、
重合温度を60℃,10時間で行った以外は、実施例2
と同様にして膜状高分子体を得た。この膜状高分子体を
60℃,6時間で濃硫酸によりスルホン化して陽イオン
交換膜を得た。この得られた陽イオン交換膜の電気抵抗
は4.1Ω・cm2であった。
【0032】次いで、得られた陽イオン交換膜を実施例
1と同様に透析実験を行った。透析を開始して6ヶ月
後、透析実験を中止し、電気透析装置を解体し、陽イオ
ン交換膜の状態を観察したところ、外観上特に変化はな
かった。更に、実施例1と同様にして電流効率を測定し
た。その電流効率は透析実験開始前のそれと比べて僅か
0.6%の低下であった。
【0033】実施例5 ラジカル発生触媒として10時間半減期温度が97℃で
あるt−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリエチルヘ
キサネートを重合性モノマーの合計量に対し7.0モル
%加えた重合性組成物を用い、重合温度を100℃,1
0時間で行った以外は、実施例2と同様にして膜状高分
子体を得た。この膜状高分子体を60℃,6時間で濃硫
酸によりスルホン化して陽イオン交換膜を得た。この得
られた陽イオン交換膜の電気抵抗は4.6Ω・cm2
あった。
【0034】次いで、得られた陽イオン交換膜を実施例
1と同様に透析実験を行った。透析を開始して6ヶ月
後、透析実験を中止し、電気透析装置を解体し、陽イオ
ン交換膜の状態を観察したところ、外観上特に変化はな
かった。更に、実施例1と同様にして電流効率を測定し
た。その電流効率は透析実験開始前のそれと比べて僅か
1.2%の低下であった。
【0035】実施例6 実施例2で得た膜状高分子体をトリメチルアミン10重
量%及びアセトン20重量%水溶液でアミノ化反応を行
い、陰イオン交換膜を得た。この得られた陰イオン交換
膜の電気抵抗は4.7Ω・cm2であった。
【0036】次いで、得られた陰イオン交換膜を2室型
の電気透析装置に組み込んで、陽極側に5N−硫酸水溶
液を、陰極側に2N−芒硝水溶液を供給し、温度80
℃、電流密度150A/cm2で透析実験を行った。透
析を開始して6ヶ月後、透析実験を中止し、電気透析装
置を解体し、陰イオン交換膜の状態を観察したところ、
外観上特に変化はなかった。更に、別の2室型の電気透
析装置に組み込んで、陰極側と陽極側に3N−硫酸水溶
液を所定量仕込み、温度25℃、電流密度100A/c
2で透析して電流効率を測定した。その電流効率は透
析実験開始前のそれと比べて僅か1%の低下であった。
【0037】実施例7 4−ビニルピリジン90重量部,純度57%のジビニル
ベンゼン10重量部,水素添加NBR(Zetpol 2010L
日本ゼオン製)10重量部及びラジカル発生触媒として
10時間半減期温度が55℃であるクミルパーオキシネ
オデカネートを重合性単量体の合計モル数に対し7.0
モル%加えた重合性組成物を用い、重合温度50℃,1
8時間で行った以外は実施例1と同様にして膜状高分子
体を得た。この膜状高分子体はこのままで陰イオン交換
膜と成り得るものであった。
【0038】この陰イオン交換膜を実施例6と同様に透
析実験を行った。透析を開始して6ヶ月後、透析実験を
中止し、電気透析装置を解体し、陰イオン交換膜の状態
を観察したところ、外観上特に変化はなかった。更に、
実施例6と同様にして電流効率を測定した。その電流効
率は透析実験開始前のそれと比べて僅か0.8%の低下
であった。
【0039】比較例2 比較例1で得た膜状高分子体をトリメチルアミン10重
量%及びアセトン20重量%水溶液でアミノ化反応を行
い、陰イオン交換膜を得た。この得られた陰イオン交換
膜の電気抵抗は6.3Ω・cm2であった。
【0040】次いで、得られた陰イオン交換膜を実施例
6と同様に透析実験を行った。透析を開始して6ヶ月
後、透析実験を中止し、電気透析装置を解体し、陰イオ
ン交換膜の状態を観察したところ、部分的にイオン交換
樹脂部の欠落が見られた。更に、実施例5と同様にして
電流効率を測定した。その電流効率は透析実験開始前の
それと比べて20%も低下した。
【0041】比較例3 ラジカル発生触媒として10時間半減期温度が74℃で
あるベンジルパーオキサイドを重合性単量体の合計量に
対し13.0モル%加えた重合性組成物を用いた以外
は、実施例2と同様にして膜状高分子体を得た。この重
合性組成物は混合性が悪く懸濁しており、得られた膜状
高分子体も不均一なものであった。また、この不均一膜
状高分子体を60℃,6時間で濃硫酸によりスルホン化
して陽イオン交換膜を得た。この得られた陽イオン交換
膜は部分的な膨潤の差により平坦性に欠け、使用に耐え
ないものであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)イオン交換基を導入可能な官能基ま
    たはイオン交換基を有する単量体及び架橋性単量体を含
    む単量体混合物90.0〜97.0モル% (b)10時間半減期温度が110℃未満のラジカル重
    合開始剤10.0〜3.0モル% とからなる重合性組成物をポリオレフィン製基材に付着
    して、110℃未満の温度で重合せしめた後、必要に応
    じてイオン交換基を導入することを特徴とするイオン交
    換膜の製造方法。
JP7150102A 1995-06-16 1995-06-16 イオン交換膜の製造方法 Pending JPH093216A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7150102A JPH093216A (ja) 1995-06-16 1995-06-16 イオン交換膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7150102A JPH093216A (ja) 1995-06-16 1995-06-16 イオン交換膜の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH093216A true JPH093216A (ja) 1997-01-07

Family

ID=15489555

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7150102A Pending JPH093216A (ja) 1995-06-16 1995-06-16 イオン交換膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH093216A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002114854A (ja) * 2000-07-24 2002-04-16 Asahi Glass Co Ltd 陰イオン交換膜、その製造方法、および溶液処理装置
JP2006225459A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 Astom:Kk イオン交換膜用原膜の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002114854A (ja) * 2000-07-24 2002-04-16 Asahi Glass Co Ltd 陰イオン交換膜、その製造方法、および溶液処理装置
JP4724971B2 (ja) * 2000-07-24 2011-07-13 旭硝子株式会社 陰イオン交換膜、その製造方法、および溶液処理装置
JP2006225459A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 Astom:Kk イオン交換膜用原膜の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4979824B1 (ja) イオン交換膜
JP3193522B2 (ja) イオン交換膜の製造方法
JP2017190417A (ja) バイポーラ膜
JP4724971B2 (ja) 陰イオン交換膜、その製造方法、および溶液処理装置
JPWO2018047700A1 (ja) イオン交換膜
JP3729296B2 (ja) バナジウム系レドックスフロー電池用隔膜
JP2009096923A (ja) 陽イオン交換膜およびその製造方法
JP5653079B2 (ja) 陽イオン交換膜の製造方法
JP5196236B2 (ja) 陽イオン交換膜及びその製造方法
JP4862229B2 (ja) 陽イオン交換膜の製造方法
WO2021193161A1 (ja) アニオン交換膜及びその製造方法
JPH093216A (ja) イオン交換膜の製造方法
JP3238238B2 (ja) イオン交換膜
JP3461991B2 (ja) イオン交換膜の製造方法
JP3432337B2 (ja) イオン交換膜の製造方法
JP2001313057A (ja) 固体高分子型燃料電池用イオン交換性フィルタの製造方法
JP3396108B2 (ja) イオン交換膜の製造方法
JP3859024B2 (ja) レドックスフロー電池用隔膜
JP3846843B2 (ja) バナジウム系レドックスフロー電池用隔膜の製造方法
JP3850654B2 (ja) レドックスフロー電池用隔膜の製造方法
JP3542265B2 (ja) 水酸化第4級アンモニウムの製造方法
JP7454423B2 (ja) アニオン交換膜及びその製造方法
JP2004149586A (ja) イオン交換膜の製造方法
JPH11172024A (ja) 陰イオン交換膜及びその製造方法
JP2005344263A (ja) 陰イオン交換膜の製造方法および陰イオン交換膜