JPH09321652A - 無線通信装置 - Google Patents

無線通信装置

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JPH09321652A
JPH09321652A JP8132159A JP13215996A JPH09321652A JP H09321652 A JPH09321652 A JP H09321652A JP 8132159 A JP8132159 A JP 8132159A JP 13215996 A JP13215996 A JP 13215996A JP H09321652 A JPH09321652 A JP H09321652A
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JP
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data
transmission
power
switching element
circuit
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JP8132159A
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Masahiro Takiguchi
昌宏 滝口
Kiyoshi Takahashi
清志 高橋
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない消費電力で通信距離を長くすることが
でき、小型・軽量化を容易に図ることのできる無線通信
装置を提供する。 【解決手段】 データ読取装置から送信された搬送波を
受信・整流して動作電力及び基準クロックを生成し、基
準クロックに同期してIDデータを送信するメモリカー
ドにおいて、データ送信用のアンテナB2をコンデンサ
C4とコイルL4とからなるLC共振回路から構成す
る。データ送信時には、変調回路38から、送信データ
が1である場合にのみ所定パルス幅Tonの駆動信号Sb
を出力し、この駆動信号によりスイッチング素子SWを
オンする。この結果、スイッチング素子SWのオン時に
LC共振回路にエネルギが蓄積され、スイッチング素子
SWのオフ後に、そのエネルギによりLC共振回路が共
振し、コイルL4から共振周波数の電波が発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データを外部装置
に送信可能な無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、駐車場,遊技場等の各種施設
への入・退場者や、生産工場,配送センタ等で搬送ライ
ンを流れる物品等の所定の個体に、固体識別用のデータ
を記憶し且つこのデータを送信可能な応答器を付与する
と共に、個体の通過経路(入・退場ゲート,搬送ライン
近傍等)に、応答器と通信可能な通信装置を設け、この
通信装置を介して応答器からデータを読出すことによ
り、通過経路を通過する個体を識別して、入・退場制
限,物品の搬送先の切り換え等の所定の管理動作を自動
で行なうようにした、個体識別・管理用の通信システム
が知られている。
【0003】そして、この種の通信システムにおいて使
用される応答器としては、従来より、例えば特開昭62
−212589号公報に開示されているように、通信用
アンテナとして共振回路を備え、通信相手から送信され
てきた搬送波を共振回路で受信しながら、共振回路に設
けたスイッチをオン・オフさせて共振回路の共振状態を
変化させることにより、搬送波を送信データにて変調
(振幅変調,周波数変調等)した電波を共振回路から送
信するようにした搬送波反射型の無線通信装置、或い
は、例えば特開昭55−114974号公報に従来技術
として開示されているように、搬送波を発生する発振器
を備え、この発振器からの搬送波を送信データにて変調
することにより、通信用アンテナから電波を放射するよ
うにした、発振器内蔵型の無線通信装置が知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、搬送波反射
型の無線通信装置では、通信相手からの搬送波により共
振回路に誘導された信号を変調することによりデータを
送信するため、通信相手との間の距離(通信距離)が長
くなると、共振回路に誘導される信号が急激に小さくな
って、データ送信のための変調を行なうことができなく
なるといった問題があった。つまり、搬送波反射型の無
線通信装置では、通信距離が長くなると、通信相手から
の送信データは受信できても、その受信データに対応し
たデータを返送することができないことがあり、通信距
離を長くすることができないという問題があった。
【0005】一方、発振器内蔵型の無線通信装置では、
データの送信に、発振器にて生成した搬送波を利用する
ので、通信距離を長くすることはできるものの、発振器
を駆動するので消費電力が大きくなるとか、発振器によ
り回路構成が複雑になり、無線通信装置の小型・軽量化
が難しいという問題があった。
【0006】即ち、応答器は、人が携帯したり物品に貼
り付けるためのものであるため、小型・軽量化,省電力
化が要求され、しかも、例えば使用者がポケットに入れ
たままデータの読取りができるように、通信距離を長く
することが要求されるが、従来の無線通信装置では、こ
うした要求に充分応えることができる応答器を実現する
ことができなかった。
【0007】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、少ない消費電力で通信距離を長くすることがで
き、しかも小型・軽量化を容易に図ることのできる無線
通信装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の無線通信装置は、コイル
を含む共振回路と、共振回路に送信用電力を供給するた
めの電源と、電源から共振回路に送信用電力を供給する
スイッチング素子とを備える。そして、データ送信時に
は、送信制御手段が、送信データに応じてスイッチング
素子を所定時間オンすることにより、共振回路へエネル
ギを蓄え、その後スイッチング素子をオフした際に、こ
の蓄積したエネルギにより共振回路を共振させて、共振
回路のコイルから共振周波数の送信電波を発生させる。
【0009】このため、本発明の無線通信装置におい
て、通信相手側へデータを送信可能な通信距離は、送信
制御手段がスイッチング素子をオンするオン時間により
決定されることになり、前述の搬送波反射型の無線通信
装置のように、通信距離が、通信相手側から送信されて
くる搬送波の電力に影響されることはない。従って、本
発明によれば、従来の搬送波反射型の無線通信装置に比
べて、通信距離を長くすることができる。
【0010】また、本発明の無線通信装置においては、
データの送信に、共振回路の共振を利用することから、
送信用の搬送波を生成する発振器を設ける必要はない。
このため、本発明によれば、前述の発振器内蔵型の無線
通信装置に比べて、装置構成を簡素化して、装置の小型
・軽量化を図ることができる。また発振器を駆動する必
要もないので、消費電力を抑えることもできる。
【0011】従って、本発明によれば、無線通信装置の
小型・軽量化,省電力化を図りつつ、通信距離を長くす
ることができるので、従来より応答器に要求されていた
機能を容易に実現できる。ところで、本発明の無線通信
装置によれば、通信距離を確保しつつ消費電力を抑える
ことができるので、電源を電池にて構成した場合には、
電池の寿命を長くすることができる。しかし、本発明の
無線通信装置を応答器として構成する場合、装置内に電
池を設けると、応答器の重量が増加し、使い勝手が悪く
なる。
【0012】従って、本発明の無線通信装置を応答器と
して構成する場合には、通信相手側より電力供給を受け
て動作するように構成することが望ましく、このために
は、請求項2に記載のように、電源を、通信相手側より
送信された電力供給用の搬送波を受信する受信手段と、
この受信手段にて受信された搬送波を整流して送信用電
力を含む動作用電力を生成する整流手段とにより構成す
ればよい。
【0013】そして、このように構成すれば、装置内に
電池を設ける必要はないため、装置をより小型・軽量化
することができる。またこの場合、電力供給用の搬送波
と通信用の搬送波を同じにすることで、受信手段を共用
することも可能となる。また更に、電力供給用の搬送波
にて内部クロックを生成するようにすれば、内部回路動
作用の発振器も必要なくなり、無線通信装置の小型・軽
量化,及び省電力化をより促進することができる。
【0014】一方、本発明の無線通信装置において、通
信距離を長くするには、電源から共振回路に送信用電力
を供給するスイッチング素子のオン時間を長くすればよ
いが、スイッチング素子のオン時間を長くすれば、無線
通信装置全体の消費電力が増加するので、このオン時間
は、消費電力を考慮して適宜設定する必要がある。
【0015】そして特に、請求項2に記載のように、無
線通信装置を、通信相手側より電力供給を受けて動作す
るように構成した場合には、通信距離を長くするため
に、送信制御手段がスイッチング素子をオンするオン時
間を長くし過ぎると、そのオン時に共振回路に供給され
る送信用電力が増加し、無線通信装置が正常動作可能な
限界電力も増加するので、通信相手側より電力供給を受
けて正常に動作し得る距離が短くなってしまい、通信距
離が却って短くなることがある。
【0016】従って、無線通信装置を、通信相手側より
電力供給を受けて動作するように構成した場合には、ス
イッチング素子のオン時間を、請求項3に記載のように
設定することが望ましい。即ち、送信制御手段がスイッ
チング素子をオンするオン時間としては、スイッチング
素子のオン時に共振回路に供給される送信用電力が、装
置が通信相手側より受ける受信電力から装置内で消費さ
れる送信用電力以外の消費電力を減じた電力以下とな
り、しかも、スイッチング素子のオン時に共振回路に供
給した送信用電力(換言すれば共振回路に蓄積されたエ
ネルギ)により通信相手側にデータを送信可能な距離
が、当該装置が通信相手側から電力供給を受けて正常動
作可能な距離以上となるように設定すればよい。
【0017】そしてこのようにオン時間を設定すれば、
無線通信装置が通信相手から電力供給を受けて正常動作
する際には、スイッチング素子のオン・オフにより共振
回路から送信した電波が通信相手側で必ず受信されるこ
とになり、しかも、無線通信装置の消費電力が必要以上
に大きくならないことから、データ送信を極めて効率良
く行なうことができる。
【0018】また次に、本発明の無線通信装置は、請求
項4に記載のように、コイルをカードの基板面に形成す
ることにより、コイルを含む機能部品を偏平なカード内
に内蔵し、送信データとして予め記憶素子に記憶された
データをコイルから送信するメモリカードとして構成す
ることもできる。
【0019】そしてこのようにメモリカードを構成した
場合、本発明によれば、消費電力を抑えつつ、通信距離
を長くすることができるので、その利用範囲を拡大でき
る。即ち、近年では、定期券や身分証明書等を通信機能
を有するメモリカード(所謂IDカード)にて構成する
ことにより、駅の改札口や所定施設への出入り口等を通
過する人のチャックを、利用者がメモリカードをポケッ
ト等に入れたままの状態で、自動で行なえるようにする
ことが考えられているが、請求項4に記載のように、本
発明の無線通信装置をメモリカードとして構成すれば、
こうした無線通信システムを容易に実現できるようにな
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。図1は、駅の改札口や所定施設への出入り
口等で通過する人を自動で監視して改札口やドアの開閉
等を制御するのに使用される通信システムの概略構成図
である。
【0021】図1に示す如く、本実施例の通信システム
は、図示しない監視装置に接続されたデータ読取装置1
0と、利用者を特定するIDデータ及び改札口を通過可
能な駅名等の付加データが予め記憶され、利用者が保持
する定期券や身分証明書となるメモリカード30とから
構成される。そして、データ読取装置10及びメモリカ
ード30は、夫々、非接触にてデータ授受を行なう通信
機能を有し、しかも、データ読取装置10は、メモリカ
ード30に対して非接触にて動作電力を供給する電力供
給機能を有する。
【0022】データ読取装置10は、メモリカード30
への電力供給用の搬送波を発生する発振器12と、発振
器12とは周波数が異なる通信用の搬送波を発生する発
振器14と、発振器12からの出力を送信アンテナA1
から送信する電力供給用の送信器16と、図示しない監
視装置からの送信データを受け、この送信データを発振
器12からの出力に同期させる同期回路18と、同期回
路18にて発振器12からの出力と同期させた送信デー
タにより、発振器14からの出力を振幅変調する変調回
路20と、変調回路20にて振幅変調された信号を送受
信アンテナA2を介してメモリカード30に送信する送
信器22と、メモリカード30からの送信信号を送受信
アンテナA2を介して受信する受信器24と、この受信
器24からの受信信号を発振器12の出力と同期した基
準クロックを用いて復調する復調回路26と、を備え、
復調回路26にて復調したメモリカード30からの送信
データを監視装置に出力する。なお、送信アンテナA1
及び送受信アンテナA2は、夫々、コンデンサC1,C
2とコイルL1,L2とからなる共振回路にて構成され
ている。
【0023】一方、メモリカード30は、データ読取装
置10の送信アンテナA1から送信された搬送波を受信
する受信アンテナB1と、この受信アンテナB1にて受
信された搬送波を整流して動作用の電力(電源電圧Vc
c)を生成する整流回路32と、同じく受信アンテナB
1にて受信された搬送波を受け、例えばこの搬送波のゼ
ロクロス点を検出することにより、搬送波と同期した基
準クロックCKを生成するクロック生成回路34と、デ
ータ読取装置10の送受信アンテナA2からの送信信号
を送受信アンテナB2を介して受信し、その受信信号を
クロック生成回路34にて生成された基準クロックCK
を用いて復調する復調回路36と、を備える。
【0024】なお、受信アンテナB1及び送受信アンテ
ナB2は、夫々、データ読取装置10側のアンテナと同
様に、コンデンサC3,C4とコイルL3,L4とから
なる共振回路にて構成されている。また、これら各アン
テナB1,B2を構成するコイルL3,L4は、コイル
パターンを印刷するか、或いは平面状のコイルを貼り付
けることにより、平面コイルとしてメモリカード30の
基板面に形成されている。そして、本実施例では、メモ
リカード30の電源は、受信アンテナB1と整流回路3
2とから構成されることになり、受信アンテナB1は本
発明の受信手段に、整流回路32は本発明の整流手段に
相当する。
【0025】また次に、メモリカード30には、クロッ
ク生成回路34にて生成された基準クロックCKにて動
作し、復調回路36にて復調されたデータ読取装置10
からの送信データに従い所定の処理動作を行なう、マイ
クロコンピュータからなる制御回路40が備えられてい
る。そして、制御回路40は、起動直後、或いは復調回
路36からの送信データに応じて、メモリ42からID
データ等を読み出し、これを送信データとして変調回路
38に順次出力する。また変調回路38は、制御回路4
0から出力される送信データに応じて、送受信アンテナ
B2と整流回路32からの電源出力ライン(電源電圧V
cc)との間に設けられたスイッチング素子SWをオン・
オフし、送受信アンテナB2から送信データに応じた電
波を発生させる。
【0026】このように構成された本実施例の通信シス
テムでは、データ読取装置10が、送信アンテナA1か
らメモリカード30に電力供給を行なうための搬送波を
常時送信する。一方、メモリカード30側では、データ
読取装置10への接近により、受信アンテナB1が電力
供給用の搬送波を受信すると、整流回路32がその受信
した搬送波を整流することにより自らの動作電力(電源
電圧Vcc)を生成し、クロック生成回路34が、受信し
た搬送波に同期した基準クロックCKを生成する。この
結果、メモリカード30の内部回路が起動し、制御回路
40がIDデータ等の所定の送信データをメモリ42か
ら読み出して変調回路38に出力する。すると変調回路
38がこの送信データに従いスイッチング素子SWをオ
ン・オフして、送信データに対応した送信電波を送受信
アンテナB2のコイルL4から発生させる。そして、こ
の送信電波は、データ読取装置10の送受信アンテナA
2にて受信され、復調回路26にて復調された後、監視
回路に転送される。
【0027】すると監視回路は、その受信データに従い
メモリカード30の所有者等を確認して、改札口やドア
の開閉制御を行なうと共に、必要に応じてデータ読取装
置10に送信データを出力することにより、データ読取
装置10内の同期回路18,変調回路20,送信器22
を介して送受信アンテナA2からメモリカード30に、
データ書込用或いはデータ読出用のデータを送信させ
る。またデータ読取装置10からメモリカード30に対
してデータが送信されると、メモリカード30側では、
その信号が送受信アンテナB2にて受信され、復調回路
36にて復調されて、制御回路40に入力される。する
と制御回路40は、この受信データに従いメモリ42へ
のデータの書き込み、或いはメモリ42からのデータの
読み出しを行ない、必要に応じて変調回路38及び送受
信アンテナB2を介してデータ読取装置10にデータを
送信させる。
【0028】このように、本実施例の通信システムで
は、データ読取装置10から送信される電力供給用の搬
送波にてメモリカード30が起動し、IDデータ等をデ
ータ読取装置10に送信するのであるが、次に、メモリ
カード30がIDデータ等を送信する際の動作について
図2を用いて説明する。
【0029】なお図2において、(a)は変調回路38
から送受信アンテナB2に至るメモリカード30のデー
タ送信系の構成を表わし、(b)は変調回路38の動作
を表わし、(c)はメモリカード30側送受信アンテナ
B2及びデータ読取装置10側送受信アンテナA2の動
作を表わす。
【0030】図2(a)に示すように、送受信アンテナ
B2は、コンデンサC4とコイルL4とを並列接続した
LC共振回路から構成されており、一端が接地され、他
端がスイッチング素子SWを介して電源ライン(電源電
圧Vcc)に接続されている。そして、変調回路38は、
図2(b)に示すように、制御回路40から基準クロッ
クCKに同期して順次出力される送信データSaを、基
準クロックCKに同期して順次取り込み、送信データS
aが値1(Highレベル)である場合にだけ、所定パルス
幅Tonの駆動信号Sbをスイッチング素子SWに出力し
て、スイッチング素子SWをオンさせる。
【0031】一方、図2(c)に示すように、スイッチ
ング素子SWがオン状態にある時、送受信アンテナB2
のコイルL4の両端電圧VL4は電源電圧Vccとなり、コ
イルL4には、Vcc×t/L(但し、t:スイッチング
素子SWのオン時間、L:コイルL4のインダクタン
ス)の電流IL4が流れ、L×IL42 /2のエネルギが蓄
積される。そして所定のオン時間Tonが経過して、スイ
ッチング素子SWがオフすると、コイルL4に蓄積され
たエネルギにより、コンデンサC4とコイルL4とから
なるLC共振回路が共振し、コイルL4には、次式(1)
で示される共振周波数f0 の共振電流が流れ、コイルL
4から周波数f0 の電波が発生する。そして、この共振
電流は、コイルL4の抵抗成分により消費され、次第に
減衰する。なお次式(1) においてCはコンデンサC4の
キャパシタンスである。
【0032】
【数1】
【0033】この結果、データ読取装置10側では、送
受信アンテナA2のコイルL2に、コイルL4からの発
生電波に対応した電圧VL2が誘起され、この電圧VL2に
より、復調回路26にてメモリカード30からの送信デ
ータが復調される。なお、本実施例では、メモリカード
30内の基準クロックCKは、データ読取装置10側か
ら送信される電力供給用の搬送波から生成され、メモリ
カード30からのデータの送信周期も、この搬送波に同
期していることから、データ読取装置10側にて、復調
回路26がメモリカード30からの送信データを復調す
る際には、この搬送波(つまり発振器12の出力)に同
期してコイルL2の電圧VL2を取り込み、電圧VL2が周
波数f0 にて変化していればデータ値が1、電圧VL2が
一定であればデータ値が0、であるとして受信データを
順次復調する。
【0034】このように、本実施例の通信システムで
は、メモリカード30からデータ読取装置10にデータ
を送信する際には、送信データに応じてスイッチング素
子SWを一定時間Tonだけオンすることにより、送受信
アンテナB2を構成するLC共振回路のコイルL4にエ
ネルギを蓄え、その後スイッチング素子SWがオフした
際に、この蓄積したエネルギによりLC共振回路を共振
させて、コイルL4から共振周波数f0 の送信電波を発
生させるようにしている。
【0035】従って、本実施例において、メモリカード
30からデータ読取装置10にデータを送信可能な送信
可能距離は、送信制御手段としての変調回路38がスイ
ッチング素子SWをオンするオン時間Tonにより決定さ
れることになり、メモリカード30を、データ読取装置
10からの送信電波を反射することによりデータを送信
する搬送波反射型の無線通信装置として構成したときの
ように、送信可能距離が、データ読取装置10からの送
信電波の受信電力に影響されることはない。このため、
本実施例によれば、メモリカード30を搬送波反射型の
無線通信装置として構成した場合に比べて、送信可能距
離を長くすることができる。
【0036】また本実施例では、メモリカード30から
のデータ送信に、LC共振回路の共振を利用することか
ら、メモリカード30にデータ送信用の搬送波を生成す
る発振器を設ける必要はない。このため、本実施例によ
れば、メモリカード30の送信可能距離を長くするため
に発振器を設けた場合に比べて、装置構成を簡素化し
て、装置の小型・軽量化を図ることができ、また、発振
器を駆動する必要もないので、消費電力を抑えることも
できる。
【0037】また更に、本実施例では、データ読取装置
10からメモリカード30に電力供給用の搬送波を送信
し、メモリカード30側では、この搬送波を整流して動
作電力を生成するため、メモリカード30に動作電力発
生用の電池を設ける必要はなく、これによってもメモリ
カード30の小型・軽量化を図ることができる。そし
て、特に、本実施例では、メモリカード30側でデータ
の送受信等に使用する基準クロックCKを、データ読取
装置10から受けた電力供給用の搬送波から生成するよ
うにされており、しかも、データ読取装置10側では、
データの送信時及び復調時には、電力供給用の搬送波を
発生する発振器12からの出力を利用することから、デ
ータ読取装置10側とメモリカード30側とでデータ送
受信のタイミングを一致させることができ、高精度なデ
ータ通信を実現できる。
【0038】ところで、本実施例のメモリカード30に
よれば、データ読取装置10へデータを送信可能な送信
可能距離を、スイッチング素子SWのオン時間により任
意に設定することができるが、この送信可能距離を長く
するために、変調回路38がスイッチング素子SWをオ
ンするオン時間Tonを長くすると、そのオン時に送受信
アンテナB2に供給される送信用電力Prが増加し(図
3(a)参照)、メモリカード30が正常動作可能な通
信限界電力も増加するので、データ読取装置10側より
電力供給を受けて正常に動作し得る動作可能距離自体が
短くなってしまい、送信可能距離が却って短くなること
がある。
【0039】つまり、本実施例では、メモリカード30
がデータ読取装置10からの搬送波を受信して動作する
ことから、メモリカード30が消費し得る電力は、その
搬送波の受信電力に制限される。そして、この受信電力
は、図3(b)に示す如く、データ読取装置10とメモ
リカード30との間の距離(離隔距離)に応じて変化
し、受信電力はその離隔距離が長くなる程少なくなる。
一方、メモリカード30内に受信電力を蓄積可能な容量
素子(例えば図1に点線で示すコンデンサCo)がない
ものとすると、メモリカード30が正常動作し得る通信
限界電力は、スイッチング素子SWのオン時に送受信ア
ンテナB2に供給される送信用電力Prと、これ以外の
内部回路にて消費される内部消費電力Piとを加算した
ものとなる。そして、通信限界電力が受信電力を越える
と、メモリカード30は正常動作できなくなるので、メ
モリカード30が正常動作可能な動作可能距離は、受信
電力が通信限界電力と一致する距離(図に示すX点)と
なる。
【0040】一方、図3(c)に示すように、メモリカ
ード30からデータ読取装置10にデータを送信可能な
送信可能距離は、スイッチング素子SWのオン時に送受
信アンテナB2に供給される送信用電力Prに比例する
ことから、スイッチング素子SWのオン時間Tonを長く
して送信用電力Prを増加すればするほど、送信可能距
離を長くすることはできるが、送信用電力Prを増加す
れば通信限界電力も増加するので、この通信限界電力を
受信電力にて賄うことのできる動作可能距離は短くな
る。従って、送信用電力Prを増加して送信可能距離を
長くするのにも限界があり、送信可能距離を長くするた
めに送信用電力Prを増加し過ぎると、メモリカード3
0が正常動作可能な動作可能距離が短くなってしまい、
結局、送信可能距離を長くすることができなくなるので
ある。
【0041】そこで本実施例では、変調回路38がスイ
ッチング素子SWをオンするオン時間Tonを、メモリカ
ード30において、データ読取装置10からの受信電力
を効率良く消費しつつ、最大の送信可能距離を実現でき
るように設定している。つまり、スイッチング素子SW
のオン時間Tonは、メモリカード30からの送信可能距
離が動作可能距離以上となり、しかも、送受信アンテナ
B2に供給される送信用電力Pr=(Vcc×Ton)2
(2×L)が、スイッチング素子SWのオン状態である
ときの受信電力Eonからそのときの内部消費電力Ponを
減じた残りの電力(Eon−Pon)以下となるように設定
されている。この結果、本実施例によれば、メモリカー
ド30が正常動作可能な範囲内で、送信可能距離を最大
にすることができる。
【0042】なお、上記条件は、メモリカード30内に
受信電力を蓄積可能な容量素子がなく、メモリカード3
0が受信電力をそのまま消費してしまう場合の条件であ
り、例えば図1に点線で示したように、整流回路32の
出力ライン(電源ラインと接地ラインとの間)に、受信
電力蓄積用のコンデンサCoが設けられているような場
合には、スイッチング素子SWのオフ時にコンデンサC
oに蓄積した電力を利用して送受信アンテナB2に送信
用電力を供給することができることから、この場合に
は、スイッチング素子SWのオン時間Tonを、メモリカ
ード30からの送信可能距離が動作可能距離以上とな
り、且つ、次式(2) を満足するように設定すればよい。
【0043】 (Eon+Eoff)−(Pon+Poff)≧(Vcc×Ton)2 /(2×L) …(2) なお、(2)式において、Eoff は、夫々、データ送信時
に送信周期(基準クロックCKの周期)内にスイッチン
グ素子SWがオフ状態となるオフ時間Toff (図2
(b)参照)内での受信電力を表わし、Poff は、同じ
くオフ時間Toff 内での内部消費電力を表わす。
【0044】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は、上記実施例に限定されることはなく、種
々の態様をとることができる。例えば、上記実施例で
は、スイッチング素子SWを送受信アンテナB2を構成
するLC共振回路と電源ライン(電源電圧Vcc)との間
に設けるものとして説明したが、スイッチング素子SW
を、電源の接地ラインとLC共振回路との間に設けるよ
うにしても、メモリカード30を上記実施例と同様に動
作させることができる。
【0045】また、上記実施例では、送受信アンテナB
2を構成するLC共振回路と電源ラインとの間に設けた
スイッチング素子SWを送信データに応じてオンするこ
とにより、そのオン時に、LC共振回路のコイルL4に
エネルギを蓄積するものとして説明したが、例えば図4
(a)に示すように、LC共振回路と電源ライン(電源
電圧Vcc)との間にスイッチング素子SW1を、LC共
振回路のコイルL4とコンデンサC4との間にスイッチ
ング素子SW2を、夫々設け、スイッチング素子SW1
には、上記実施例と同様に、変調回路38からの出力を
そのまま入力し、スイッチング素子SW2には、変調回
路38からの出力をインバータINVにて反転して入力
するように構成してもよい。
【0046】そしてこのように構成すれば、図4(b)
に示す如く、変調回路38から駆動信号Sb(Highレベ
ル)が出力されているときに、スイッチング素子SW1
がオン,スイッチング素子SW2がオフ状態となって、
変調回路38からの駆動信号Sb(Highレベル)によ
り、スイッチング素子SW1を介してコンデンサC4に
電源電圧Vccが印加され、コンデンサC4に、C×V2
/2のエネルギが蓄積されることになる。そして、この
場合、変調回路38からの駆動信号SbがLow レベルに
なり、スイッチング素子SW1がオフすると、同時にス
イッチング素子SW2がターンオンして、LC共振回路
の閉ループが形成されることから、LC共振回路が共振
して、コイルL4に共振電流が流れ、コイルL4から周
波数f0 の送信電波が発生することになる。従って、こ
のようにしても上記実施例と同様に送受信アンテナB2
から送信データに応じた電波を発生して、データ読取装
置10側にデータを送信することができる。
【0047】また次に、上記実施例では、送信データが
値1(Highレベル)であるときに変調回路38から基準
クロックCKに同期した所定パルス幅の駆動信号Sbを
出力して、スイッチング素子SWをオン・オフさせるこ
とにより、コイルL4から送信データが値1である場合
にだけ共振周波数f0 の送信電波を発生させる、振幅変
調方式の通信装置について説明したが、本発明によれ
ば、送信データが値1の場合と値0の場合とで送信電波
の周波数が異なる周波数変調方式の通信装置であっても
容易に実現できる。
【0048】即ち、図5(a)に示すように、送受信ア
ンテナB2を構成するLC共振回路と電源ライン(電源
電圧Vcc)との間にスイッチング素子SWaを設け、L
C共振回路のコンデンサC4に、コンデンサC5とスイ
ッチング素子SWbとの直列回路を並列接続する。ま
た、変調回路38には、基準クロックCKを入力するこ
とにより、変調回路38から、基準クロックCKに同期
して一定時間だけHighレベルとなる駆動信号を出力さ
せ、この駆動信号にてスイッチング素子SWaをオンさ
せる。また、スイッチング素子SWbには、制御回路4
0から基準クロックCKに同期して出力される送信デー
タをそのまま入力する。
【0049】そして、このように構成すれば、図5
(b)に示すように、スイッチング素子SWaが、基準
クロックCKに同期して繰返しオン・オフされることか
ら、LC共振回路も、基準クロックCKに同期して繰返
し共振することになる。またスイッチング素子SWb
は、送信データが値1であるときにだけオン状態となる
ことから、LC共振回路のコンデンサC4には、送信デ
ータが値1であるときにだけコンデンサC5が並列接続
されることになる。従って、送受信アンテナB2のコイ
ルL4には、基準クロックCKに同期して共振電流IL4
が流れるものの、その共振電流IL4の周波数は送信デー
タに応じて変化し、コイルL4からは、送信データに応
じて周波数がf0 又はf1 (周期:△T0 又は△T1 )
となる周波数変調された電波が発生することになる。従
って、データ読取装置10側では、送受信アンテナA2
に誘起された電圧の周波数f0 ,f1 又は周期△T1 ,
△T2 から、データを正確に復調できるようになる。
【0050】なお、この場合、送信データが値0の場合
は、スイッチング素子SWbがオフ状態であり、基準ク
ロックCKに従いスイッチング素子SW1だけがオンす
ることから、共振周波数f0 は、上記実施例と同様、前
述の(1) 式のようになり、送信データが値1の場合は、
基準クロックCKに従い、スイッチング素子SWa及び
SWbが共にオンすることから、共振周波数f1 は、次
式(3) のようになる。なお次式(3) において、Cxはコ
ンデンサC5のキャパシタンスである。
【0051】
【数2】
【0052】また更に上記実施例では、データ読取装置
10から電力供給を受けてIDデータ等を送信するメモ
リカード30に本発明を適用した場合について説明した
が、本発明は、データ送信を行なう無線通信装置であれ
ば、電池内蔵型のものであっても、またデータを単に送
信するだけのものであっても適用できる。つまり本発明
は、データを送信する無線通信装置であればどのような
ものであっても適用でき、その装置構成を簡素化して消
費電力を低減しつつ、データの送信可能距離を伸ばすこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の通信システムにおいて使用されるデ
ータ読取装置及びメモリカードの構成を表わす概略構成
図である。
【図2】 メモリカードのデータ送信系の構成及びその
動作を説明する説明図である。
【図3】 メモリカードの通信特性を説明する説明図で
ある。
【図4】 メモリカードのデータ送信系の第2の構成例
及びその動作を説明する説明図である。
【図5】 メモリカードのデータ送信系の第3の構成例
及びその動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
10…データ読取装置 12…発振器 14…発振
器 16…送信器 18…同期回路 20…変調回路 22…送信器
24…受信器 26…復調回路 30…メモリカード 32…整流
回路(整流手段) 34…クロック生成回路 36…復調回路 38…変調回路(送信制御手段) 40…制御回路
42…メモリ B1…受信アンテナ(受信手段) B2…送受信アン
テナ(LC共振回路) C4…コンデンサ L4…コイル SW,SW1,SW2,SWa,SWb…スイッチング
素子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信電波発生用のコイルを含む共振回路
    と、 該共振回路に送信用電力を供給するための電源と、 該電源から前記共振回路に送信用電力を供給するスイッ
    チング素子と、 送信データに応じて前記スイッチング素子を所定時間オ
    ンして前記共振回路へエネルギを蓄え、該スイッチング
    素子のオフ後に、該エネルギにより共振回路を共振させ
    て、前記コイルから共振周波数の送信電波を発生させる
    送信制御手段と、 を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  2. 【請求項2】 前記電源は、通信相手側より送信された
    電力供給用の搬送波を受信する受信手段と、該受信手段
    にて受信された搬送波を整流して前記送信用電力を含む
    動作用電力を生成する整流手段とからなることを特徴と
    する請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 【請求項3】 前記送信制御手段がスイッチング素子を
    オンするオン時間を、 前記スイッチング素子のオン時に前記共振回路に供給さ
    れる送信用電力が、当該装置が通信相手側より受ける受
    信電力から当該装置内で消費される送信用電力以外の消
    費電力を減じた電力以下となり、 しかも前記スイッチング素子のオン時に共振回路に供給
    した送信用電力によって前記コイルから通信相手側にデ
    ータを送信可能な距離が、当該装置が前記搬送波により
    通信相手側から電力供給を受けて正常動作可能な距離以
    上となるように設定してなることを特徴とする請求項2
    に記載の無線通信装置。
  4. 【請求項4】 無線通信装置は、前記コイルをカードの
    基板面に形成することにより、該コイルを含む機能部品
    を偏平なカード内に内蔵し、前記送信データとして予め
    記憶素子に記憶されたデータを前記コイルから送信する
    メモリカードであることを特徴とする、請求項1〜請求
    項3いずれか記載の無線通信装置。
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