JPH09320056A - レーザ光を利用する情報記録・再生方法 - Google Patents

レーザ光を利用する情報記録・再生方法

Info

Publication number
JPH09320056A
JPH09320056A JP16243696A JP16243696A JPH09320056A JP H09320056 A JPH09320056 A JP H09320056A JP 16243696 A JP16243696 A JP 16243696A JP 16243696 A JP16243696 A JP 16243696A JP H09320056 A JPH09320056 A JP H09320056A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
layer
information recording
recording layer
area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP16243696A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
Masatoshi Yumoto
眞敏 湯本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP16243696A priority Critical patent/JPH09320056A/ja
Publication of JPH09320056A publication Critical patent/JPH09320056A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 追記型光情報記録媒体を用い、高い記録感度
が達成できると共に、再生時の反射率の低下が抑制さ
れ、再生性能を改善できる新規な情報記録・再生方法を
提供する。 【解決手段】 透明基板上にレーザ光感応性色素からな
る記録層と反射層とが設けられた光情報記録媒体に、記
録対象情報に対応する信号で変調した記録用レーザ光を
透明基板側より照射して、記録層にその信号に対応する
ピットを形成する工程;記録層の少なくともピット形成
部の周囲の領域の色素を消色させる工程;そして記録層
に読み取り用レーザ光を照射することにより、記録層の
ピット形成部分と消色領域との間のレーザ光に対する反
射率の差を利用して記録信号を読み取り、そのデジタル
信号を再生する工程からなる情報記録・再生方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、追記型光情報記録
媒体を用い、レーザ光を利用して情報の書き込み(記
録)と読み取り(再生)とを行う情報記録・再生方法の
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光情報記録媒体としては、従来から音楽
等のオーディオ用として再生専用のコンパクトディスク
(CD)が広く用いられている。この再生専用のコンパ
クトディスクは、ディジタル化された記録信号に対応す
る多数のピット(穴)が表面に形成された透明な樹脂基
板と、そのピットを覆うように形成された金属層(反射
層)とから形成されている。そして、そのような再生専
用のコンパクトディスクは、まず、記録信号がピットの
形で記録された型(モールド)を製造した後、このモー
ルドからスタンパを作成し、このスタンパを用いて樹脂
成形操作を行なって、表面にピットを有する基板を作成
し、次いでその基板のピット側表面にスパッタリングな
どの方法で金属層を形成する方法を利用して製造され
る。
【0003】従って、上記のような樹脂成形を利用して
製造されるコンパクトディスクは、同一の情報が記録さ
れた多数枚の光情報記録媒体の複製の要求がある場合に
有利に利用できるものである。しかし、一方では、同一
の情報が記録された光情報記録媒体が多数枚必要でない
とき、たとえば、同一の情報が記録された光情報記録媒
体が、一枚乃至数十枚程度のみ必要である場合には、そ
のモールドやスタンパの製造のために必要な費用を考え
ると、このような樹脂成形による再生専用のコンパクト
ディスクは有利な記録媒体ということはできない。
【0004】このため、一回限り情報の記録が可能な追
記型光情報記録媒体(Readable Compact Disk ;CD−
R)が開発され、実用化されている。追記型光情報記録
媒体としては、プラスチックなどからなる円盤状の透明
基板、そしてその基板の上に順に設けられたレーザ光に
よる情報の書き込み(記録)が可能な色素を含有する記
録層及び反射層からなる基本構成を有するものが良く知
られている(例えば、特開平2−132654号公
報)。この透明基板の表面(透明基板と記録層との界
面)には通常、照射されるレーザ光の走査を案内し、レ
ーザ光が照射予定位置を正確にたどるように予め凹状の
溝(一般にプレグルーブと言われている)が形成されて
いる。
【0005】このタイプの追記型光情報記録媒体に情報
を記録する場合には、その情報記録媒体に、記録対象情
報に対応する信号(通常はディジタル信号)で変調した
記録用レーザ光を透明基板側より照射して、記録層にそ
の信号に対応する記録領域部(一般には、記録領域部の
状態に関係なくピットと呼ぶ)を形成する方法が利用さ
れる。そして、その記録された情報を読み取る場合に
は、記録層に読み取り用レーザ光を照射し、記録層の記
録領域部とその周囲の未記録領域との間のレーザ光に対
する反射率の差を利用して記録信号を読み取り、次いで
その記録信号を再生する方法が利用される。
【0006】追記型光情報記録媒体は、その製造に際し
てモールドやスタンパの製造が不必要なため、少数枚単
位の同一情報記録再生用の光情報記録媒体としては非常
に有利となる。ただし、現在最も一般的に利用されてい
る光情報記録媒体からの記録情報読み取り手段が、前記
の再生専用コンパクトディスクの再生用として市販され
ているCDプレーヤであるところから、追記型光情報記
録媒体が広く利用されるためには、その追記型光情報記
録媒体の記録情報が、市販のCDプレーヤによって読み
取ることのできるようにされていなければならないとい
う問題がある。なかでも、通常の市販のCDプレーヤ
が、光情報記録媒体に対して、その記録情報読み取りの
ためにレーザ光を照射した際に、そのレーザ光の記録媒
体からの反射率が70%以上必要であるとする規格が問
題となる。すなわち、再生専用コンパクトディスクは、
前記のように、表面にピットが形成された透明基板の上
に直接、金属反射層が設けられているため、その基板に
記録読み取り用のレーザ光を照射した場合に、そのコン
パクトディスクの反射層からは高い反射率(70%以
上)でレーザ光が反射され、この反射光が光学系で読み
取られ、記録情報の再生に利用されている。従って、追
記型光情報記録媒体であっても、その記録情報の読み取
り再生に、市販のCDプレーヤを利用する場合には、当
然、そのような高いレーザ光反射率を示すことが要求さ
れる。しかしながら、追記型光情報記録媒体では、基板
と反射層との間にレーザ光を吸収する色素層(色素含有
記録層)が存在しているため、照射した読み取り用のレ
ーザ光が吸収され易く、必要な70%以上のレーザ光反
射率の達成が容易ではないという問題がある。このた
め、従来の追記型光情報記録媒体では、色素含有記録層
の厚さを薄くしたり、また反射層の材料として光反射率
が非常に高い金(Au)を用いるなどの方法によって、
必要な高いレーザ光反射率を達成している。しかし、色
素含有記録層の薄膜化は情報記録の際の感度の低下につ
ながり、また薄膜の色素含有記録層を高精度の厚さで形
成することは高度の技術が必要となるという問題が発生
し、さらにまた反射層材料に用いる金の価格が高いこと
から、従来の追記型光情報記録媒体は高価格となりやす
いという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、追記
型光情報記録媒体を用いながらも、高い記録感度が達成
できると共に、再生時の反射率の低下が抑制され、再生
性能を改善できる新規な情報記録・再生方法を提供する
ことにある。本発明の目的は特に、入手し易い材料で製
造でき、かつ製造も容易な追記型光情報記録媒体を用い
ながらも、高い記録感度が達成できると共に、再生時の
反射率の低下が抑制され、再生性能を改善できる新規な
情報記録・再生方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究によっ
て、光情報記録媒体の記録層に情報を記録後(即ち、記
録層にその信号に対応する記録領域部を形成した後)、
記録層の記録領域部の周囲の領域の色素を消色させるこ
とにより、その後のレーザ光による記録情報の読みだし
(再生)を行う際にレーザ光の吸収を減少させることが
できることを見出された。
【0009】本発明は、記録用レーザ光と読み取り用レ
ーザ光とを共に透過させることのできる基板の上にレー
ザ光感応性物質を含む記録層と反射層とがこの順で設け
られてなる情報記録媒体に、記録対象情報に対応する信
号で変調した記録用レーザ光を基板側より照射して、記
録層にその信号に対応する記録領域部を形成する工程;
記録層の少なくとも記録領域部の周囲の未記録領域に熱
もしくは光エネルギーを与えることによって、少なくと
も当該未記録領域のレーザ光感応性物質の特性を、読み
取り用レーザ光の透過を容易にするように変化させる工
程;そして記録層に読み取り用レーザ光を照射し、記録
層の記録領域部とその周囲の未記録領域との間のレーザ
光に対する反射率の差を利用して記録信号を読み取り、
次いで、その記録信号を再生する工程を含むレーザ光を
利用する情報記録・再生方法にある。
【0010】本発明は特に、透明基板上にレーザ光感応
性色素を含む記録層と反射層とがこの順で設けられてな
る情報記録媒体に、記録対象情報に対応するディジタル
信号で変調した記録用レーザ光を透明基板側より照射し
て、記録層にその信号に対応する記録領域部を形成する
工程;記録層の少なくとも記録領域部の周囲の未記録領
域に熱もしくは光エネルギーを与えることによって、少
なくとも当該未記録領域のレーザ光感応性色素を消色さ
せる工程;そして記録層に読み取り用レーザ光を照射
し、記録層の記録領域部とその周囲の未記録領域との間
のレーザ光に対する反射率の差を利用して記録信号を読
み取り、次いでその記録信号を再生する工程を含むレー
ザ光を利用する情報記録・再生方法にある。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の代表的な態様であ
る、レーザ光感応性色素をレーザ光感応性物質として用
いた情報記録媒体を利用する態様を例にとって、本発明
を詳しく説明する。
【0012】図1は、本発明の情報記録・再生方法にお
いて用いることができる好ましいレーザ光情報記録媒体
の一例を示すものであって、その一部を切り欠いた状態
を示す模式図である。また図2は、図1の情報記録媒体
の層構成を示す拡大模式図である。情報記録媒体10
は、円盤状の透明基板1の上に、レーザ光感応性色素か
らなる記録層2と反射層3とがこの順で設けられた構成
であり、更に通常は、反射層3の上に保護層4が付設さ
れている。また基板上の記録層との界面にはプレグルー
ブ5が形成されている。本発明で用いる情報記録媒体
は、その形状が上記のような円盤状の他に、例えば、カ
ード型、あるいは磁気テープのような形状であっても良
い。本発明で用いる情報記録媒体は、基本的に、従来か
ら知られている構成から任意に選んだ構成とすることが
できる。従ってそれらを構成する材料から適宜選択して
用いることができる。
【0013】以下に、これらの構成要素について簡単に
説明する。透明基板としては、例えば、ガラス;ポリメ
チルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキ
シ樹脂;ポリカーボネート樹脂;非晶質ポリオレフィン
樹脂;及びポリエステル樹脂などの各種の材料からなる
透明な基板を挙げることができる。ここで、「透明」と
は、記録用レーザ光と再生用レーザ光の双方が透過する
ことができる性質を意味する。これらの中では、ポリカ
ーボネート樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、ガラス、
及びポリメチルメタクリレート樹脂が好ましい。
【0014】なお、記録層が設けられる側の基板表面に
は、平面性の改良、接着力の向上、基板の耐溶剤性の改
善及び記録層の変質の防止を目的で、下塗り層が設けら
れていても良い。下塗り層は、一般に0.005〜20
μm(好ましくは0.01〜10μm)の厚みで設けら
れる。
【0015】上記の基板(又は下塗り層)の表面上に
は、前記のように通常、レーザ光の案内用(トラッキン
グ用)のプレグルーブが設けられることが好ましい。グ
ルーブの形成は、上記の樹脂材料を使用する場合には、
樹脂材料を射出成形、或は押し出し成形などの方法で直
接、基板上に設けることができる。プレグルーブは、そ
の深さが、30〜200nmの範囲にあり、その半値幅
は0.2〜0.9μmの範囲にあることが好ましい。
【0016】本発明で用いる光情報記録媒体の記録層
は、レーザ光感応性色素を代表とするレーザ光感応性物
質を含む層である。本発明で用いることができる色素
は、従来から光情報記録媒体において用いられていた色
素を用いることができる。但し、本発明では、その特徴
とする消色工程においてその色素が光エネルギーまたは
熱エネルギーの付与により、良好に消色(少なくとも再
生用レーザ光の透過性を低減させる程度に変色すればよ
く、必ずしも完全に無色となる必要はない)するものを
選択して用いることが好ましい。そして本発明において
は、レーザ光感応性色素は、ラジカル発生剤などの補助
成分と組み合わせて用いることが好ましい。代表的な色
素とラジカル発生剤との組合せでは、付与される光エネ
ルギーまたは熱エネルギーにより、ラジカル発生剤から
発生したラジカルが、色素を構成するメチン鎖を切断
し、その結果、消色が生じると考えられる。
【0017】本発明で好ましく用いることができるレー
ザ光感応性色素の具体例を以下に示す。これらの色素
は、いずれも680nm付近に吸収波長を有するシアニ
ン系色素である。なお、以下の吸収波長は、メタノール
中で測定した値である。
【0018】
【化1】
【0019】
【化2】
【0020】また上記色素と組み合わせて用いるラジカ
ル発生剤の代表的な化合物の例を以下に示す。なお、以
下の吸収波長は、メタノール中で測定した値である。
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】上記の色素、またはラジカル発生剤は、そ
れぞれ単独で用いても良いし、あるいはそれぞれ二種以
上を組み合わせて用いることができる。
【0025】記録層は、従来と同様な方法を利用して基
板上に設けることができる。即ち、記録層は、上記のよ
うなレーザ感応性色素及びラジカル発生剤、更に所望に
より結合剤などを加え、これを適当な溶剤に溶解して塗
布液を調製した後、次いでこれを公知の塗布方法(例え
ば、スピンコート法など)を用いて基板表面に塗布して
塗膜を形成した後、乾燥することにより、形成すること
ができる。上記の記録層の厚さは、一般に20〜500
0nmの範囲にあり、好ましくは、40〜1000nm
の範囲である。特に本発明では、消色工程を設けたこと
から従来に比較して記録層の層厚を厚くすることができ
るため、その層厚は、50〜400nmの範囲にするこ
とが好ましい。
【0026】またラジカル発生剤を使用する場合には、
上記シアニン系色素1モルに対して0.01モル〜10
0モルの範囲(更に好ましくは、0.1〜5モルの範
囲)の量で添加することが好ましい。
【0027】本発明で用いられる光情報記録媒体の反射
層は、レーザ光に対して高い反射率を有する物質で構成
されていることが好ましい。このような光反射性物質か
らなる層は、金属、あるいは半金属からなる層を挙げる
ことができる。本発明では、反射層は、金属からなる
層、特にスパッタリング、蒸着またはイオンプレーティ
ングなどの方法を利用して形成した金属薄膜層であるこ
とが好ましい。好ましい金属材料の例としては、Cr、
Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al、及びステンレス
鋼を挙げることができる。なかでも、Al(アルミニウ
ム)は安価であって、その薄膜の形成も容易であるとこ
ろから、望ましい反射層材料である。なお、反射層の形
成材料は、金属に限る必要はなく、他の無機物から形成
することもできる。反射層の層厚は、一般には10〜3
00nmの範囲にあることが好ましい。
【0028】反射層の上には通常、記録層を物理的、化
学的に保護する目的で保護層が設けられる。この保護層
の形成も従来から光情報記録媒体で利用されている技術
が利用できる。保護層の層厚は、一般的には0.1〜1
00μmの範囲にある。
【0029】次に、本発明の情報記録・再生方法につい
て詳述する。本発明の情報記録・再生方法は、上記で説
明した光情報記録媒体を用いて、以下の工程により実施
される。 (1)光情報記録媒体に、記録対象情報に対応するデジ
タル信号などの信号で変調した記録用のレーザ光を、透
明基板側より照射して、記録層にその信号に対応するピ
ット(本明細書では記録領域部を総称する意味で用い
る)を形成する工程; (2)記録層の記録領域部の周囲の領域の色素を消色さ
せる工程; (3)そして記録層に読み取り用レーザ光を照射するこ
とにより、記録層の記録領域部と消色領域との間のレー
ザ光に対する反射率の差を利用してデジタル信号を読み
取り、そのデジタル信号を再生する工程。 本発明の情報記録・再生方法は、上記の(2)で示され
る工程を含むことを特徴とするものである。従って情報
記録媒体に情報を記録する工程(1)、及び記録された
情報を再生する工程(3)は、従来から行われている方
法で実施することができる。
【0030】以下に、添付の図3〜5を用いて工程順に
説明する。 (1)光情報記録媒体に情報を記録する工程 光情報記録媒体の記録層への情報の記録は、記録対象情
報に対応するデジタル信号などの信号で変調した記録用
レーザ光を透明基板側より照射して、記録層にその信号
に対応するピット(記録領域部)を形成することによ
り、行われる。図3は、記録用レーザ光6を透明基板1
側より照射して、記録層2にその信号に対応するピット
7を形成した状態を模式的に示した図である。なお、図
3では、記録層2の上に設けられている反射層および保
護層を除去した状態で示してある。記録層へのレーザ光
の照射によりその照射領域が光を吸収して局所的に温度
上昇する結果、ピットが形成される。これによって物理
的変化を生じてその光学的特性が変わることにより情報
が記録される。本発明で用いることができるレーザ光
は、その発振波長が600〜900nmの範囲にあるも
のを使用することが好ましい。特に、本発明では、高い
記録密度が得られるように、レーザ光は比較的短波長の
もの(600〜700nmの範囲のもの)を使用するこ
とが好ましい。
【0031】(2)記録層の記録領域部の周囲の領域の
色素を消色させる工程 上記のようにピット7を形成した後、この記録領域部の
周囲の領域8の色素を消色させる。消色は、本発明で
は、光エネルギーもしくは熱エネルギーを利用する。特
に光エネルギーの付与は、記録・再生時の光学系を利用
できるため、装置を簡単にできる利点がある。なお、前
述のように、消色は完全に消色して透明になることまで
は要求されない。しかし、高い反射率を達成させるため
には、ほぼそれに近い状態であることが好ましい。これ
により、色素のレーザ光吸収量の減少が顕著に起り、記
録領域部の周囲の領域の反射率を向上させることができ
る。本発明では、消色後の記録層は、前述した色素とラ
ジカル発生剤との組み合わせにより、ほぼ完全に近い状
態で消色して透明になる。
【0032】本発明において、消色は、例えば、以下の
態様にて行うことができる。 (A)光情報記録媒体への情報記録が完了した後、記録
媒体の全面に光エネルギーもしくは熱エネルギーを付与
することにより、消色を行う。 (B)ピット形成の直後に、単一もしくは複数の記録領
域部の周囲の領域を対象として光エネルギーもしくは熱
エネルギーを付与することにより消色を行う。 (C)予め予定した複数のピット形成の後に、それらの
複数の記録領域部の周囲の領域をまとめた領域に光エネ
ルギーもしくは熱エネルギーを付与することにより、消
色を行う。
【0033】上記(A)の態様の場合は、記録後、光エ
ネルギーもしくは熱エネルギーの付与による消色の操作
を一括して行う方法である。即ち、記録後の媒体に対し
てその全面に一度の操作で消色を行う方法である。な
お、消色の操作を一括で行なうと、その後の追記は不可
能である。しかしこの態様をとることで、誤って従来の
データを消去してしまうようなミスを回避できる利点が
ある。光エネルギーを付与するための具体的な手段
(光)としては、記録層を構成する色素、及びその他の
成分(例えば、前記のラジカル発生剤)の性質による
が、紫外線、または可視光線を挙げることができる。特
に、本発明では紫外線を用いることが好ましい。
【0034】上記の消色に必要な光エネルギーの量(光
量)は、紫外線を用いる場合には、0.01〜10W/
cm2 の範囲の量で、1〜100時間の範囲で照射する
ことが好ましい。また熱エネルギーを付与するための具
体的な手段としては、熱ローラ、赤外線ランプを挙げる
ことがきる。熱ローラの場合は、媒体と接触することで
熱が付与されるため効率の良い熱エネルギーの付与が可
能である。また赤外線ランプの場合は、非接触の状態で
熱を付与できる利点がある。消色に必要な熱エネルギー
の量(熱量)は、熱ローラを用いる場合のは、50〜1
20℃の温度範囲で、1〜10分間加熱することが好ま
しい。
【0035】上記(B)の態様の場合は、ピット形成の
直後(記録直後)に、該記録領域部の周囲の領域に、上
記のような消色操作を、記録用のレーザ光の照射に追従
させて行う方法である。ここでは、消色操作は、光エネ
ルギーの付与によって行なうことが望ましい。添付の図
4は、円盤状光情報記録媒体10のプレグルーブ5に、
記録用のレーサ光6を用いてピット7を形成直後、それ
に追従させて消色用の光9を照射して記録領域部の周囲
の領域8を消色している状態を模式的に示した図であ
る。図のように、消色光を走査する際の照射スポット9
aの長さは、記録時のレーザ光の照射スポット6aより
長くとることが好ましい。これにより、単一又は複数の
記録領域部の周囲の領域(図の場合は、複数の記録領域
部の周囲の領域)を効率よく、消色することができる。
光エネルギーを付与するための具体的な手段(光)及び
それを消色に用いる際のエネルギー量は、前記(A)の
態様の場合と同様に設定することができる。
【0036】上記(C)の態様の場合は、予め予定した
一定の領域に複数のピットを形成した後(記録後)に、
それらの複数の記録領域部の周囲の領域に上記のような
消色を行う方法である。即ち、この態様では、媒体の記
録領域をある範囲で区切って記録し、その後消色を行う
方法である。ここでは、消色操作は、光エネルギーの付
与によって行われる。添付の図5は、その消去の様子を
示すもので、まず予め予定した領域11(図の、斜線で
示された領域)に記録用のレーザ光で複数のピットを形
成し、その後(記録後)、それらの複数の記録領域部の
周囲の領域に上記のような方法で消色を行う。この操作
により、この領域のみは、その後の再生可能領域とな
る。上記の記録・消色操作を、例えば、プレグルーブの
内周側から順にある範囲で区切って繰り返し行うことに
より、記録層の全領域について再生可能領域とすること
ができる。光エネルギーを付与するための具体的な手段
(光)及びそれを消色に用いる際のエネルギー量は、前
記(A)の態様の場合と同様に設定することができる。
【0037】なお、一般に消色する際の光の照射スポッ
トは、記録する際のレーザ光の照射スポットより径が大
きくなるため、記録領域に対応して正確に消色を行うこ
とは困難である。このため、初めの記録・消色操作を実
施すると、次の領域(未記録領域)の初めの部分も消色
され、消色のみが行われた部分が生じる(図の場合、黒
く塗りつぶした領域の最初の部分)。従って、次の領域
に記録・消色操作を実施する場合には、この領域の最初
の部分(未記録・消色領域)を除く部分に記録するよう
にする。
【0038】(3)記録層への読み取り用レーザ光の照
射により、デジタル信号などの信号を再生する工程 読み取り(再生)用レーザ光は、記録時のレーザ光の発
信波長と同じものでも良いし、あるいは異なった発信波
長のものでも良い。読み取り用レーザ光は、その発信波
長領域が前述した範囲のものであることが好ましい。特
に、本発明のシステムにおいては、消色によって記録層
の記録領域部分と消色領域との間のレーザ光に対する反
射率の差は、比較的大きなものとなるから、デジタル信
号の読み取り操作は、600〜700nmの短波長レー
ザ光を利用しても充分に可能となる。
【0039】以下に、本発明の実施例を記載する。
【実施例】
[実施例1]
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】上記構造式で示されるシアニン色素(FT
−5155)2.0g及びラジカル発生剤(3)(シア
ニン色素の半分のモル数を使用)とを2,2,3,3−
テトラフロロプロパノール100ccに溶解して記録層
形成用塗布液を調製した。トラッキングガイドが設けら
れた円盤状のポリカーボネート基板(外形:120m
m、内径:15mm、厚さ:1.2mm、トラックピッ
チ:1.6μm、グルーブの深さ:90nm)上に、上
記の塗布液をスピンコート法により回転数500rpm
の速度で塗布した後、回転数1500rpmにて1分間
乾燥して、グルーブ内に層厚180nmの記録層を形成
した。
【0043】上記のようにして形成した記録層の上に、
金(Au)を、スパッタガスとしてArを使用し、ター
ゲット−基板距離:95mm、及びスパッタガス圧:2
Paに設定し、スパッタ速度を8A/秒)の一定値に
し、140WでDCスパッタして、膜厚が150nmの
金反射層を形成した。
【0044】上記の反射層の上に、UV硬化性樹脂(商
品名:TB3070、スリーボンド社製)をスピンコー
ト法により回転数1500rpmの速度で塗布した後、
高圧水銀灯にして紫外線を100mW/cm2 の光量で
2分間照射して硬化させ、層厚1μmの保護層を形成し
て、基板、記録層、及び保護層からなる情報記録媒体を
製造した。
【0045】上記で得られた情報記録媒体に、波長78
0nmの半導体レーザ光(DDU1000、パルステッ
ク社製)を、NAが0.5の対物レンズを通して照射
し、媒体の記録層に焦点を結ばせ、溝内でトラッキング
させながら、定線速度1.3m/秒、記録パワー7.0
mWにて、変調周波数720kHz(デューティ−33
%)の信号で記録した。記録後の媒体の記録層に、高圧
水銀灯にて紫外線を100mW/cm2 の光量で70時
間照射して記録層の消色を行った。記録された信号を、
記録時と同じ波長(波長780nm)の半導体レーザ光
を用いて0.5mWの再生パワーにて再生した。
【0046】[比較例1]実施例1で得られた光情報記
録媒体を用いて、これに情報を記録した後、消色を施す
ことなく再生したこと以外は、実施例1と同様にして情
報の記録・再生方法を実施した。
【0047】[実施例2]実施例1で得られた光情報記
録媒体を用いて、これに情報を記録後、消色を施し、更
に再生時の半導体レーザとして波長680nmの発信波
長のものを用いて0.5mWの再生パワーにて再生した
こと以外は、実施例1と同様にして情報の記録・再生方
法を実施した。
【0048】[比較例2]実施例1で得られた光情報記
録媒体を用いて、これに情報を記録後、消色を施すこと
なく再生したこと以外は、実施例2と同様にして情報の
記録・再生方法を実施した。
【0049】[光情報記録媒体としての評価]以上のよ
うにして情報の記録・再生が終了した情報記録媒体に対
して、反射率及び11T変調度を測定し、消色工程を設
けた場合の光情報記録媒体の評価を行った。 (1)反射率(Rf) 同じ光学系(装置)を用いて0.5mWの再生パワーで
未記録の構内にトラッキングした時に、媒体から戻って
くる反射光量(X)をフォトディテクタで測定し、反射
率既知媒体の反射光量と比較することにより、反射率を
測定した。
【0050】(2)11T変調度 11T変調度は、EFMの11T長の信号の記録を行っ
た後、その再生信号のピークに対する振幅の割合を求め
た。以上の結果を表1及び表2に示した。
【0051】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 再生時のレーザ光の波長が780nmの場合 Rf 11T変調度 Rf 11T変調度 ──────────────────────────────────── 実施例1 75% 55% 比較例1 70% 55% (消色後) (消色前) ────────────────────────────────────
【0052】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 再生時のレーザ光の波長が680nmの場合 Rf 11T変調度 Rf 11T変調度 ──────────────────────────────────── 実施例2 30% 40% 比較例2 10% 0% (消色後) (消色前) ────────────────────────────────────
【0053】上記表1及び表2の結果から、本発明に従
って、情報の記録後、消色を行った場合(消色後)(実
施例1、2)には、消色を行わない場合(消色前)(比
較例1、2)に比べて、記録領域部の周囲の領域の記録
層は、色素による再生時のレーザ光の吸収が抑制される
ため、媒体の反射率は向上することが明らかである。ま
た再生時に680nmの短波長レーザ光を用いた場合に
は、記録時と同じ波長(780nm)のレーサ光を用い
た場合と比較すると、その反射率はかなり低下する。し
かし、この程度の反射率が確保されれば、短波長レーザ
光での再生は充分可能である。
【0054】
【発明の効果】レーザ光を利用する追記型光情報記録媒
体を用いる情報記録・再生方法において、本発明の特徴
である消色工程を設けることで、再生時には記録媒体の
高い反射率が達成される。従って、従来の市販のCDプ
レーヤにて再生を行うことができることはもとより、短
波長レーザ光を用いても再生が充分可能になる。このこ
とはまた従来のような同じ波長のレーザを用いて記録・
再生する必要はなく、レーザ光の波長依存性が改良でき
ることを意味する。また消色によって記録層での再生時
のレーザ光の吸収は減少するため、従来に比べて記録層
に多量の色素を使用することが可能になる。従って、記
録時の光吸収量を増大させることができるから、媒体の
高感度化が達成できる。このことから記録時の記録速度
を上げることが可能となり、記録時間の短縮も可能であ
る。更に、一般に、色素は光の照射によって褪色する
が、本発明のように消色してしまえば光の照射による劣
化はなくなるため、従って、耐光性の高い記録層とする
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることができる好ましい情報記録
媒体の一例を模式的に示した図である。
【図2】図1の情報記録媒体の層構成を示す拡大模式図
である。
【図3】記録用レーザ光を情報記録媒体の透明基板側よ
り照射して、記録層にその信号に対応するピット7を形
成した状態を模式的に示した図である。
【図4】情報記録媒体のプレグルーブに、記録用レーサ
光を用いてピットを形成直後、それに追走させて消色用
の光を照射して記録領域部の周囲の領域を消色している
状態を模式的に示した図である。
【図5】媒体の予め予定した一定の領域に複数のピット
形成後、それらの複数の記録領域部の周囲の領域を消色
している状態を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 記録層 3 反射層 4 保護層 5 プレグルーブ 6 レーザ光 7 ピット 8 記録領域部の周囲の領域 9 消色用の光 10 情報記録媒体 11 予め予定した領域

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録用レーザ光と読み取り用レーザ光と
    を共に透過させることのできる基板の上にレーザ光感応
    性物質を含む記録層と反射層とがこの順で設けられてな
    る情報記録媒体に、記録対象情報に対応する信号で変調
    した記録用レーザ光を基板側より照射して、記録層にそ
    の信号に対応する記録領域部を形成する工程;記録層の
    少なくとも記録領域部の周囲の未記録領域に熱もしくは
    光エネルギーを与えることによって、少なくとも当該未
    記録領域のレーザ光感応性物質の特性を、読み取り用レ
    ーザ光の透過を容易にするように変化させる工程;そし
    て記録層に読み取り用レーザ光を照射し、記録層の記録
    領域部とその周囲の未記録領域との間のレーザ光に対す
    る反射率の差を利用して記録信号を読み取り、次いで、
    その記録信号を再生する工程を含むレーザ光を利用する
    情報記録・再生方法。
  2. 【請求項2】 透明基板上にレーザ光感応性色素を含む
    記録層と反射層とがこの順で設けられてなる情報記録媒
    体に、記録対象情報に対応するディジタル信号で変調し
    た記録用レーザ光を透明基板側より照射して、記録層に
    その信号に対応する記録領域部を形成する工程;記録層
    の少なくとも記録領域部の周囲の未記録領域に熱もしく
    は光エネルギーを与えることによって、少なくとも当該
    未記録領域のレーザ光感応性色素を消色させる工程;そ
    して記録層に読み取り用レーザ光を照射し、記録層の記
    録領域部とその周囲の未記録領域との間のレーザ光に対
    する反射率の差を利用して記録信号を読み取り、次いで
    その記録信号を再生する工程を含むレーザ光を利用する
    情報記録・再生方法。
  3. 【請求項3】 記録層の消色を光情報記録媒体への情報
    記録が完了した後、記録媒体の全面に光エネルギーもし
    くは熱エネルギーを付与することにより行う請求項2に
    記載の情報記録・再生方法。
  4. 【請求項4】 記録層の消色を、ピット形成の直後に、
    単一もしくは複数の記録領域部の周囲の領域を対象とし
    て光エネルギーもしくは熱エネルギーを付与することに
    より行う請求項2に記載の情報記録・再生方法。
  5. 【請求項5】 記録層の消色を、予め予定した複数のピ
    ット形成の後に、それらの複数の記録領域部の周囲の領
    域に光エネルギーもしくは熱エネルギーを付与すること
    により行う請求項2に記載の情報記録・再生方法。
  6. 【請求項6】 円盤の形態にある情報記録媒体を用いる
    請求項1もしくは2に記載の情報記録・再生方法。
  7. 【請求項7】 反射層が金属のスパッタリングにより形
    成された層である光情報記録媒体を用いる請求項1もし
    くは2に記載の情報記録・再生方法。
JP16243696A 1996-06-03 1996-06-03 レーザ光を利用する情報記録・再生方法 Withdrawn JPH09320056A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16243696A JPH09320056A (ja) 1996-06-03 1996-06-03 レーザ光を利用する情報記録・再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16243696A JPH09320056A (ja) 1996-06-03 1996-06-03 レーザ光を利用する情報記録・再生方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09320056A true JPH09320056A (ja) 1997-12-12

Family

ID=15754584

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16243696A Withdrawn JPH09320056A (ja) 1996-06-03 1996-06-03 レーザ光を利用する情報記録・再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09320056A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3026358B2 (ja) 光記録媒体
JP2002269821A (ja) 光情報記録媒体
US6754166B2 (en) Optical recording medium and optical recording method
JPH07114028B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2001184649A (ja) 光記録システム及び光記録媒体
JPH04142981A (ja) 光記録媒体
TW501127B (en) Optical recording medium
JPH05120727A (ja) 光記録媒体及び該媒体に情報を記録または再生する方法
JPH09320056A (ja) レーザ光を利用する情報記録・再生方法
JP2512042B2 (ja) 光記録媒体および光記録方法
JP2527476B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2523421B2 (ja) 光記録媒体
JP2834420B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2512043B2 (ja) 光記録媒体及び光記録方法
JP2734005B2 (ja) 書き換え可能な光情報記録媒体
JP2866022B2 (ja) 光情報記録媒体とその再生方法
JPH0354744A (ja) 光情報記録媒体及びそれを用いた光情報記録方法
JP2793516B2 (ja) 光情報記録媒体とその再生方法
JP2001273674A (ja) 光学情報記録媒体、その記録再生方法、その製造法及び光学情報記録再生装置
JP3246690B2 (ja) 光記録方法
JP2001093187A (ja) 光記録媒体
JP2002083425A (ja) 光記録方法
JPH02132657A (ja) 光情報記録媒体とそれを用いた光情報記録方法
JP2512045B2 (ja) 光記録媒体及び光記録方法
JPH07210874A (ja) 光記録媒体及びその再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030805