JPH0931758A - 炭素繊維 - Google Patents

炭素繊維

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JPH0931758A
JPH0931758A JP16314696A JP16314696A JPH0931758A JP H0931758 A JPH0931758 A JP H0931758A JP 16314696 A JP16314696 A JP 16314696A JP 16314696 A JP16314696 A JP 16314696A JP H0931758 A JPH0931758 A JP H0931758A
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ester
acrylic
acid
fiber
unsaturated carboxylic
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JP16314696A
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Makoto Kobayashi
真 木林
Haruo Ohara
春夫 尾原
Atsushi Tsunoda
角田  敦
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Toray Industries Inc
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高品質、高性能な炭素繊維を効率よく製造し提
供する。 【解決手段】特定の重合性不飽和カルボン酸アルキルエ
ステルを1〜10%、および、特定の重合性不飽和カル
ボン酸を0.25〜5%共重合してなる共重合体より構
成され、かつ、260℃で5分間、さらに280℃で5
分間、空気中、常圧にて耐炎化した後の、二次イオン質
量分析(SIMS)により求めた単糸内外層酸素濃度比
率が6以下であるか、内層のH/Cが0.03以下であ
るアクリル系繊維を焼成してなる、ストランド強度が3
89kgf/mm2 以上である炭素繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高品質、高性能を
有する炭素繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系繊維から炭素繊維を製造する
方法は広く知られており、まず、空気または他の酸化性
ガス雰囲気中にて、200〜300℃で耐炎化して耐炎
化繊維となし、次いでこれを窒素、アルゴン等の不活性
ガス雰囲気中にて800〜2000℃で炭化して製造さ
れる。また、さらに2000℃以上の不活性ガス雰囲気
中で黒鉛化を行ない、弾性率が一段と高い黒鉛繊維を製
造することも行なわれる。
【0003】上記耐炎化工程は酸化と環化による発熱を
ともない、その反応を十分コントロールしながら処理す
る必要がある。また、物性の高い炭素繊維を得るために
は、耐炎化反応に必要な酸素を充分に単糸内部へ拡散さ
せる必要があるが、それには長時間を要するため、この
耐炎化工程が炭素繊維の製造費に占める割合は高い。そ
こで、耐炎化時間短縮を図るために、前駆体繊維に熱風
を吹き付けたり、また、たとえば特公昭53−2139
6号公報には加熱固体表面に間欠的に接触させる方法
が、さらに、特願昭62−190301号には、流動化
した加熱媒体中で耐炎化する方法が示されている。これ
らの方法は、いずれも耐炎化反応熱を効率的に除去し、
暴走反応を抑制しつつ高温処理する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法によれば単に耐炎化時間は短縮されるものの、得ら
れる炭素繊維の物性は大幅に低下する。たとえば、一定
の弾性率を得るためには炭化温度を上げるなどして対処
しなければならなかった。そこで、本発明者らは耐炎化
糸単糸断面方向の酸素濃度分布について検討した結果、
酸素濃度分布がより均一な耐炎化糸を焼成すると、極め
て高い物性の炭素繊維とすることができ、さらに、耐炎
化時間を短縮したり、単繊維繊度を大きくした時にもこ
の均一性を保てば極めて物性低下を小さくできることを
見出し、本発明に至ったものである。
【0005】また、本発明者らは耐炎化糸単糸断面方向
の水素濃度分布について検討した結果、単糸内部の水素
濃度が低い耐炎化糸は内外構造差が小さく、また、その
耐炎化糸を焼成すると、極めて高い物性の炭素繊維とす
ることができ、さらに、耐炎化時間を短縮したり、単繊
維繊度を大きくした時にもこの条件を満足すれば極めて
物性低下を小さくできることを見出し、本発明に至った
ものである。
【0006】すなわち、本発明の課題は、高品質、高性
能な炭素繊維を効率よく製造し提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、ア
クリロニトリル85%以上、アクリル酸またはメタクリ
ル酸のノルマルプロピルエステル、ノルマルブチルエス
テル、イソブチルエステル、セカンダリーブチルエステ
ル、炭素数が5以上であるアルキルのエステルよりなる
群より選ばれる少なくとも1種の重合性不飽和カルボン
酸アルキルエステル1〜10%、および、アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸より選ばれる少なくとも1種
の重合性不飽和カルボン酸0.25〜5%からなる共重
合体より構成され、かつ、260℃で5分間、さらに2
80℃で5分間、空気中、常圧にて耐炎化した後の、二
次イオン質量分析(SIMS)により求めた単糸内外層
酸素濃度比率が6以下であるアクリル系繊維を焼成して
なる、ストランド強度が389kgf/mm2 以上である炭素
繊維、または、アクリロニトリル85%以上、アクリル
酸またはメタクリル酸のノルマルプロピルエステル、ノ
ルマルブチルエステル、イソブチルエステル、セカンダ
リーブチルエステル、炭素数が5以上であるアルキルの
エステルよりなる群より選ばれる少なくとも1種の重合
性不飽和カルボン酸アルキルエステル1〜10%、およ
び、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸より選ばれ
る少なくとも1種の重合性不飽和カルボン酸0.25〜
5%からなる共重合体より構成され、かつ、前記アクリ
ル系繊維が、260℃で5分間、さらに280℃で5分
間、空気中、常圧にて耐炎化した後の、二次イオン質量
分析(SIMS)により求めた内層のH/Cが0.03
以下であるアクリル系繊維を焼成してなる、ストランド
強度が389kgf/mm2 以上である炭素繊維によって解決
することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】ここで、空気中とは、耐炎化反応
に用いる雰囲気が空気であることを意味し、流動化した
加熱熱媒中で加熱する等の方法も含まれる。
【0009】本発明において、炭素繊維のプリカーサー
として用いるアクリル系繊維は、260℃で5分間、さ
らに280℃で5分間、空気中、常圧にて耐炎化した後
の、二次イオン質量分析(SIMS)により求めた単糸
内外層酸素濃度比率が6以下であるか、260℃で5分
間、さらに280℃で5分間、空気中、常圧にて耐炎化
した後の、二次イオン質量分析(SIMS)により求め
た内層のH/Cが0.03以下であることが必要であ
る。
【0010】アクリル系繊維を、260℃で5分間、さ
らに280℃で5分間、空気中、常圧にて耐炎化した後
の、SIMSにより求めた単糸内外層酸素濃度比率と
は、得られた耐炎糸の単糸を並べて測定したSIMSに
よるO/Cによって次式で求められる。
【0011】単糸内外層酸素濃度比率 = (O/C)
o /(O/C)i (O/C)o :表面より単糸直径の2.5%深部におけ
16- 12- (強度比) (O/C)i :表面より単糸直径の40%深部における
16- 12- (強度比) ここに言う単糸直径とは、単糸断面の最大内接円直径を
意味する。
【0012】本発明の目的を達成するためには、260
℃で5分間、さらに280℃で5分間、空気中、常圧に
て耐炎化した後の、SIMSにより求めた単糸内外層酸
素濃度比率は6以下、好ましくは5.5以下、さらに好
ましくは5以下である。6を超えると、強度ならびに弾
性率が低い炭素繊維しか得られなくなる。
【0013】また、アクリル系繊維を、260℃で5分
間、さらに280℃で5分間、空気中、常圧にて耐炎化
した後のSIMSにより求めた内層のH/Cとは、表面
から単糸直径の40%深部における内層の1 - 12
- (強度比)を言う。ここに言う単糸直径とは、単糸断
面の最大内接円直径を意味する。
【0014】本発明の目的を達成するためには、260
℃で5分間、さらに280℃で5分間、空気中、常圧に
て耐炎化した後の、SIMSにより求めた内層のH/C
は0.03以下、好ましくは0.025以下、さらに好
ましくは0.020以下とする。0.03を超えると、
強度ならびに弾性率が低い炭素繊維しか得られなくな
る。
【0015】なお、後述する実施例で使用したSIMS
の装置名、測定条件は次のとおりである。
【0016】 ・ATOMIKA社製 A−DIDA3000 ・一次イオン種 :Cs+ ・一次イオン加速電圧:12kV ・一次イオン電流 :200nA ・ラスター領域 :300μm×300μm ・分析領域 :ゲート20% ・測定真空度 :7×10-9Torr ・E−GUN :0.3kV−3.0A(Foc
us:0) ・H−Q−H :#12 また、ごく簡便に耐炎化糸の単糸内外層構造差を検出す
る方法として、室温硬化型エポキシ樹脂に包埋硬化し、
研磨した断面を反射顕微鏡で観察する方法があるが、本
発明に用いるプリカーサーによる、260℃で5分間、
さらに280℃で5分間、空気中、常圧にて耐炎化した
耐炎化糸は、上記反射顕微鏡像に実質的な二層構造を示
さない。
【0017】本発明において用いるアクリル系繊維は、
260℃で5分間、さらに280℃で5分間、空気中、
常圧にて耐炎化した後の、SIMSにより求めた単糸内
外層酸素濃度比率、および、内層のH/Cをともに前記
範囲とするのがより好ましい。
【0018】また、本発明で用いるアクリル系繊維は、
アクリロニトリルを85%以上、重合性不飽和カルボン
酸のノルマルプロピルエステル、ノルマルブチルエステ
ル、イソブチルエステル、セカンダリーブチルエステ
ル、炭素数が5以上であるアルキルのエステルからなる
群より選ばれる少なくとも1種の重合性不飽和カルボン
酸アルキルエステルを1〜10%、および、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸から選ばれる少なくとも
1種の重合性不飽和カルボン酸を0.25〜5%からな
る共重合体よりなるものである。これにより、前記単糸
内外層酸素濃度比率、や内層のH/Cを前記範囲とする
ことができる。なお、共重合組成は、特にことわらない
限り重量%とする。
【0019】前記重合性不飽和カルボン酸アルキルエス
テルの共重合量が少ないと、得られる効果が小さく、一
方、多すぎると得られる炭素繊維の物性や炭化収率が低
下するようになる。従って、2〜9%がより好ましく、
3〜8%がさらに好ましい。本発明において、重合性不
飽和カルボン酸アルキルエステルには、汎用性、効果の
点からアクリル酸、メタクリル酸のエステルを用いるも
のであり、その具体例としては、アクリル酸ノルマルプ
ロピル、メタクリル酸ノルマルブチル、メタクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ス
テアリル等を挙げることができる。その中でも、アクリ
ル酸、メタクリル酸のノルマルプロピルエステル、ノル
マルブチルエステルまたはイソブチルエステルがさらに
好ましい。
【0020】これらの共重合成分は、それ自身耐炎化反
応を促進することはないが、酸素透過性を改善する。本
発明者らは、耐炎化糸単糸断面方向の酸素濃度分布につ
いて検討した結果、酸素濃度分布がより均一な耐炎化糸
を焼成すると、極めて高い物性の炭素繊維を得ることが
でき、さらに、耐炎化時間を短縮したり、単繊維繊度を
大きくした時にもこの均一性を保てば極めて物性低下を
小さくできることが判明した。
【0021】また、酸素透過性が改善された結果、主鎖
の不飽和化がより進行した、単糸内部の水素濃度が低い
耐炎化糸を焼成すると、極めて高い物性の炭素繊維を得
ることができ、さらに、耐炎化時間を短縮したり、単繊
維繊度を大きくした時にもこの均一性を保てば極めて物
性低下を小さくできることが判明した。
【0022】また、前記重合性不飽和カルボン酸アルキ
ルエステルは耐炎化反応を促進しないため、一層耐炎化
時間を短縮するために、本発明で用いるアクリル系繊維
では、耐炎化反応を促進する重合性不飽和カルボン酸を
0.25〜5%共重合するものである。その共重合量が
少ないと耐炎化反応を促進する効果が小さい上に得られ
る炭素繊維の物性が低く、また、多すぎても得られる炭
素繊維の物性が低下するため、共重合量としては0.5
〜4.5%がより好ましく、0.75〜4%がさらに好
ましい。重合性不飽和カルボン酸としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸を用いる。
【0023】また、その他のアクリロニトリルと共重合
可能な重合性不飽和単量体と共重合することも可能であ
る。
【0024】本発明に用いるアクリル系繊維は次のよう
にして得ることができる。重合方法は、溶液重合、懸濁
重合、乳化重合等、公知の方法いずれによってもよい。
【0025】紡糸に用いる溶媒は、有機、無機の公知の
溶媒を使用することができる。本発明においてはこのア
クリル系重合体溶液を公知の方法に従って、紡糸、浴中
延伸、乾燥緻密化する。紡糸は直接凝固浴中に紡出して
もよいし、一度、空気中に紡出した後浴中凝固させても
よい。浴中延伸は紡出糸を直接行なってもよいし、ま
た、一度水洗して溶媒を除去したのちに行なってもよ
い。浴中延伸は通常50〜98℃の延伸浴中で約2〜6
倍に延伸されるが本発明はこれに限定されない。乾燥緻
密化は、浴中延伸後の糸条をホットドラムなどで乾燥す
ることによって行なわれるが、乾燥温度、時間等は適宜
選択することができる。また、必要に応じて乾燥緻密化
後の糸条を加圧スチーム延伸することも行なわれる。さ
らに、前駆体繊維には、高温で処理して耐炎化時間を短
縮しうる耐熱性を持たせるため、シリコン油剤で処理す
ることもできる。付与の方法としては、ディップ付与等
通常の方法をとることができる。
【0026】本発明の炭素繊維は、前記アクリル系繊維
を焼成してなるものであって、そのストランド強度を3
89kgf/mm2 以上としたものである。アクリル系繊維を
焼成するには、通常、空気または他の酸化性ガス雰囲気
中にて、200〜300℃で耐炎化して耐炎化繊維とな
し、次いでこれを窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気
中にて800〜2000℃で炭化する。また、さらに2
000℃以上の不活性ガス雰囲気中で黒鉛化を行ない、
弾性率が一段と高い黒鉛繊維とすることもできる。耐炎
化糸となすに際しては、公知のいずれの耐炎化方法によ
っても耐炎化糸とすることができるが、その特徴を発揮
させるには、流動化した加熱熱媒中で耐炎化する方法、
また、加熱固体表面に間欠的に接触させる方法等、耐炎
化時間を短縮しうる場において耐炎化することが好まし
い。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0028】(実施例1)ジメチルスルホキシドを溶媒
とする溶液重合法により、重合体濃度20%の紡糸原液
を得て、それを3000ホールの口金を用いてジメチル
スルホキシド水溶液中に紡出した後、沸水中で延伸しな
がら水洗し、乾燥緻密化した後に、加圧スチーム中でさ
らに延伸することにより、単糸デニール1.0d、30
00フィラメント、表1に示した共重合組成の繊維A〜
Eを得た。この繊維を加熱空気で流動化した黒鉛粉末熱
媒中260〜280℃において10分間で耐炎化し、窒
素気流中1300℃まで加熱処理して炭素繊維を得た。
結果を表2に示す。また、耐炎化糸の単糸断面方向の16
- 12- 1 - 12- の分布をSIMSによっ
て測定した結果を、繊維Cの場合につきそれぞれ図1、
図2に示す。
【0029】(比較例1)実施例1と同様の方法にて表
1に示した共重合組成の繊維F〜Hを得た。この繊維を
実施例1と同様の方法で焼成して炭素繊維を得た。結果
を表2に示す。
【0030】(実施例2)実施例1と同様の方法にて、
表3に示した共重合組成の、単糸デニール1.0d、3
000フィラメントの繊維I〜Mを得た。この繊維を実
施例1と同様の方法で焼成して炭素繊維を得た。結果を
表4に示す。
【0031】(比較例2)実施例1と同様の方法にて表
3に示した共重合組成の繊維N〜Pを得た。この繊維を
実施例1と同様の方法で焼成して炭素繊維を得た。結果
を表4に示す。
【0032】(実施例3)水を溶媒とする懸濁重合法に
より、アクリロニトリル92.5%、イタコン酸1.5
%、メタクリル酸ノルマルブチル6%よりなる共重合体
を得て、それを重合体濃度25%のジメチルホルムアミ
ド溶液とし、ジメチルホルムアミド水溶液中に紡出する
以外は、実施例1と同様に紡糸し、3000フィラメン
ト、表5に示した単繊維繊度の繊維QおよびRを得た。
この繊維を空気中で240〜260℃において30分間
で耐炎化し、窒素気流中1300℃まで加熱処理して炭
素繊維を得た。結果を表6に示す。
【0033】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0034】
【発明の効果】本発明では、上記特定の共重合組成を有
する共重合体より構成され、かつ、260℃で5分間、
さらに280℃で5分間、空気中、常圧にて耐炎化した
後の、SIMSにより求めた単糸内外層酸素濃度比率を
6以下に保持するか、または、SIMSにより求めた内
層のH/Cを0.03以下に保持したアクリル系繊維を
用いることにより、 ・引張強度、弾性率向上 ・物性を低下させずに耐炎化時間短縮 ・物性を低下させずに単糸太繊度化 が可能となり、それを焼成して炭素繊維としたことによ
り、ストランド強度を特定範囲とした高強度で、高品位
の炭素繊維とすることができ、それによって、高強度、
高品位の炭素繊維を安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるアクリル系繊維(実施例1、繊
維C)を、260℃で5分間、さらに280℃で5分
間、空気中、常圧にて耐炎化した後の、SIMSによっ
て求めた単糸断面方向の16- 12- 分布図である。
この耐炎化糸の単糸直径は10μmであるため、表面よ
り250nm、4000nmにおける16-12-
り単糸内外層酸素濃度比率を計算する。
【図2】本発明で用いるアクリル系繊維(実施例1、繊
維C)を、260℃で5分間、さらに280℃で5分
間、空気中、常圧にて耐炎化した後の、SIMSによっ
て求めた単糸断面方向の1 - 12- 分布図である。
表面より単糸直径の40%、4000nmにおける1
- 12- を内層のH/Cとする。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロニトリル85%以上、アクリル酸
    またはメタクリル酸のノルマルプロピルエステル、ノル
    マルブチルエステル、イソブチルエステル、セカンダリ
    ーブチルエステル、炭素数が5以上であるアルキルのエ
    ステルよりなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性
    不飽和カルボン酸アルキルエステル1〜10%、およ
    び、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸より選ばれ
    る少なくとも1種の重合性不飽和カルボン酸0.25〜
    5%からなる共重合体より構成され、かつ、260℃で
    5分間、さらに280℃で5分間、空気中、常圧にて耐
    炎化した後の、二次イオン質量分析(SIMS)により
    求めた単糸内外層酸素濃度比率が6以下であるアクリル
    系繊維を焼成してなる、ストランド強度が389kgf/mm
    2 以上である炭素繊維。
  2. 【請求項2】アクリロニトリル85%以上、アクリル酸
    またはメタクリル酸のノルマルプロピルエステル、ノル
    マルブチルエステル、イソブチルエステル、セカンダリ
    ーブチルエステル、炭素数が5以上であるアルキルのエ
    ステルよりなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性
    不飽和カルボン酸アルキルエステル1〜10%、およ
    び、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸より選ばれ
    る少なくとも1種の重合性不飽和カルボン酸0.25〜
    5%からなる共重合体より構成され、かつ、前記アクリ
    ル系繊維が、260℃で5分間、さらに280℃で5分
    間、空気中、常圧にて耐炎化した後の、二次イオン質量
    分析(SIMS)により求めた内層のH/Cが0.03
    以下であるアクリル系繊維を焼成してなる、ストランド
    強度が389kgf/mm2 以上である炭素繊維。
  3. 【請求項3】アクリロニトリル85%以上、アクリル酸
    またはメタクリル酸のノルマルプロピルエステル、ノル
    マルブチルエステル、イソブチルエステル、セカンダリ
    ーブチルエステル、炭素数が5以上であるアルキルのエ
    ステルよりなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性
    不飽和カルボン酸エステル1〜10%、および、アクリ
    ル酸、メタクリル酸、イタコン酸より選ばれる少なくと
    も1種の重合性不飽和カルボン酸0.25〜5%からな
    る共重合体より構成され、かつ、前記アクリル系繊維
    が、260℃で5分間、さらに280℃で5分間、空気
    中、常圧にて耐炎化した後の、二次イオン質量分析(S
    IMS)により求めた単糸内外層酸素濃度比率が6以下
    であり、かつ、内層のH/Cが0.03以下であるアク
    リル系繊維を焼成してなる、ストランド強度が389kg
    f/mm2 以上である炭素繊維。
  4. 【請求項4】前記重合性不飽和カルボン酸エステルが、
    アクリル酸またはメタクリル酸のノルマルプロピルエス
    テル、ノルマルブチルエステル、イソブチルエステルか
    らなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013157613A1 (ja) 2012-04-18 2013-10-24 三菱レイヨン株式会社 炭素繊維束および炭素繊維束の製造方法
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