JPH09317390A - 小口径管推進機の土砂圧送ポンプの制御方法及び制御装置 - Google Patents

小口径管推進機の土砂圧送ポンプの制御方法及び制御装置

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JPH09317390A
JPH09317390A JP13454896A JP13454896A JPH09317390A JP H09317390 A JPH09317390 A JP H09317390A JP 13454896 A JP13454896 A JP 13454896A JP 13454896 A JP13454896 A JP 13454896A JP H09317390 A JPH09317390 A JP H09317390A
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JP
Japan
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pressure
sand
earth
piston
feeding
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Application number
JP13454896A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Endo
信昭 遠藤
Hideki Moriya
秀樹 森谷
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作動負荷の大小に関係なく油温の上昇を最小に
抑えることができる、小口径管推進機の土砂圧送ポンプ
の制御方法及び制御装置を提供する。 【解決手段】操作スイッチ52からON信号が入力され
ると油圧検出器45,46から検出された記憶部50c
内の数値データにより1周期時間Tを算出する。その後
記憶部50c内の1周期に必要な全圧油流量及び各工程
別圧油流量を用い、演算部50bでTに占める各工程の
時間配分を算出する。そして処理部50a及び演算部5
0bで圧送・吸込工程でのシリンダ・ピストン動作時期
を識別し、このときの油圧検出器45,46からのデー
タを圧送・吸込動作負荷とし、これを用いて(切り換え
圧力)=(動作負荷)+50kg/cm2となるように
切り換え圧力を設定し、方向切換弁42の駆動を行う。
その後、5周期(5T)ごとに、圧送・吸込動作負荷を
更新し、切り換え圧力の値も修正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば地下ケーブ
ル等の埋設に使用される小口径管を埋設する、小口径管
推進機の土砂圧送ポンプの制御方法及び制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の小口径管推進機に備えられた圧送
ポンプに係わる公知技術として、例えば、特開平4−3
60920号公報記載のものがある。この公知技術にお
いては、油圧操作によって筒状の隔離部材である密封シ
リンダと土砂圧送ピストンを先端部に設けた圧送シリン
ダとを前進・後退させて土砂の吸い込み・圧送を繰り返
し行う。すなわち、まず密封工程において、油圧回路か
ら供給される圧油により、圧送ピストン(内部ピスト
ン)と密封シリンダ(外筒)とが一緒に前進方向に押進
され、土砂を取り込みつつ伸びる。そして、密封シリン
ダの先端部がシール部材に当接する伸限において、圧送
ポンプ内に設けられたスプールが壁面に当たることで油
路が機械的に切り換えられて圧送工程に移り、圧送ピス
トンのみが前進方向に押進されて伸び、これによって圧
送ピストンが密封シリンダ内を前進し、密封シリンダ内
の土砂が土砂圧送パイプに押し込まれて圧送される。圧
送ピストンが密封シリンダの先端部に達すると、作動油
圧の昇圧により圧送工程が終了したと判断され、油圧回
路から供給される圧油の向きが逆向きに切り換えられて
吸込工程に移り、圧送ピストンと密封シリンダとが一緒
になって後退方向に押進されて縮む。そして、密封シリ
ンダが後端部がケーシング後壁に当接する引限になった
ら、再びスプールで油路が機械的に切り換えられて圧送
ピストンのみが後退方向に押進されて縮み、密封シリン
ダ内の土砂タンク側が開放される。そして圧送用ピスト
ンの後退が停止すると、作動油圧の昇圧により吸い込み
工程が終了したと判断され、油圧回路から供給される圧
油の向きが逆向きに切り換えられて、再び密封工程へと
移り、同様の手順を繰り返す。上記のような一連の工程
の繰り返しにおいて、圧送工程から吸込工程への移行
時、及び吸込工程から密封工程への移行時には、前述し
たように、作動油圧の昇圧により圧油の供給方向の切り
換えを行う。すなわち、作動油圧の検出値とある設定油
圧とを比較し、検出値の方が大きくなった場合に、工程
の移行時であると判断して圧油の切り換えを行うように
している。そして、上記公報には特に明示されていない
が、一般に、従来、この設定油圧はオペレータの手動で
設定された固定値を用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術においては、以下の課題が存在する。すなわち、
設定圧に対し作動負荷が比較的小さい場合には、圧送用
ピストンの動作停止後に高い設定圧まで油圧が大きく上
昇することとなるので、油温の上昇を招き、油温低下の
ためのクーラー設置が必要となったり、作動油タンクを
大型化する必要がある。さらに油温が過度に上昇した場
合には、圧送ポンプの運転休止が必要となる場合もあ
る。
【0004】本発明の目的は、作動負荷の大小に関係な
く油温の上昇を最小に抑えることができる、小口径管推
進機の土砂圧送ポンプの制御方法及び制御装置を提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、可動シリンダと、この可動シリン
ダ内に摺動可能に配置された土砂圧送用ピストンと、固
定シリンダと、この固定シリンダ内に設けられるととも
に前記可動シリンダに接続され、前記固定シリンダ内に
供給される圧油で油圧駆動されて前記可動シリンダを押
進するシリンダ押進用ピストンと、前記固定シリンダ内
に設けられるとともに前記土砂圧送用ピストンのロッド
側に接続され、前記固定シリンダ内に供給される圧油で
油圧駆動されて前記圧送用ピストンを押進するロッド押
進用ピストンとを有する土砂圧送ポンプの該固定シリン
ダ内に供給する圧油の圧力を検出し、その検出圧力が所
定の切り換え圧力より大きくなったときに前記供給する
圧油の流れの向きを切り換えることにより、前記可動シ
リンダ及び土砂圧送用ピストンが後退した後に前記土砂
圧送用ピストンがさらに後退して前記可動シリンダ内に
土砂を吸い込む吸い込み工程から、前記可動シリンダ及
び土砂圧送用ピストンが前進して該可動シリンダ内に土
砂を密封する密封工程への移行と、この密封工程の次に
設けられ前記土砂圧送用ピストンが前進して該土砂圧送
用ピストンのボトム側にある土砂を圧送する圧送工程か
ら、前記吸い込み工程への移行とを行い、前記密封工
程、前記圧送工程、前記吸い込み工程の3工程を1周期
として反復させる小口径管推進機の土砂圧送ポンプの制
御方法において、前記3工程のうち少なくとも1つの工
程における該土砂圧送ポンプの動作負荷を検出し、この
検出した動作負荷の大きさに応じて、前記所定の切り換
え圧力の大きさを可変に設定することを特徴とする小口
径管推進機の土砂圧送ポンプの制御方法が提供される。
すなわち、一般に、土砂圧送ポンプにおいては、可動シ
リンダ及び土砂圧送用ピストンが前進して可動シリンダ
内に土砂を密封する密封工程→土砂圧送用ピストンが前
進して土砂圧送用ピストンのボトム側にある土砂を圧送
する圧送工程→可動シリンダ及び土砂圧送用ピストンが
後退した後に土砂圧送用ピストンがさらに後退して可動
シリンダ内に土砂を吸い込む吸い込み工程の3工程をを
1周期として反復する。そしてこれら3工程間の移行
は、密封工程から圧送工程への移行については、例え
ば、圧送ポンプ内に設けられたスプールが壁面に当たる
ことで油路が機械的に切り換えられて行われ、圧送工程
から吸い込み工程への移行及び吸い込み工程から密封工
程への移行については、固定シリンダ内に供給する圧油
の圧力を検出し、その検出圧力が所定の切り換え圧力よ
り大きくなったときに、供給する圧油の流れの向きを切
り換えることにより行われる。ここで、この切り換え圧
力の大きさは、従来固定値として設定されていたが、本
発明においては、少なくとも1つの工程における動作負
荷を検出し、この検出した動作負荷の大きさに応じてこ
の切り換え圧力の大きさを可変に設定する。例えば、圧
送工程における動作負荷を検出し、これに応じて圧送工
程から前記吸い込み工程へ移行するときの切り換え圧力
の大きさを設定するとともに、吸い込み工程における動
作負荷を検出し、これに応じて吸い込み工程から密封工
程へ移行するときの切り換え圧力の大きさを設定する。
そしてこのとき、動作負荷が比較的小さいときには切り
換え圧力を比較的小さく設定し、動作負荷が比較的大き
いときには切り換え圧力を比較的大きく設定することと
すれば、従来と異なり、作動負荷の大小に関係なく切り
換え圧力と動作負荷との差を常に比較的小さくすること
ができる。したがって、圧送用ピストンの動作停止後に
おける切り換え圧力までの油圧の上昇を比較的小さく
し、油温の上昇を最小限に抑えることができる。 好ま
しくは、前記小口径管推進機の土砂圧送ポンプの制御方
法において、前記圧送工程における前記動作負荷を検出
し、この動作負荷の大きさに応じて、前記圧送工程から
前記吸い込み工程へ移行するときの切り換え圧力の大き
さを設定し、かつ、前記吸い込み工程における前記動作
負荷を検出し、この動作負荷の大きさに応じて、前記吸
い込み工程から前記密封工程へ移行するときの切り換え
圧力の大きさを設定することを特徴とする小口径管推進
機の土砂圧送ポンプの制御方法が提供される。
【0006】また好ましくは、前記土砂圧送ポンプの制
御方法及び制御装置において、前記動作負荷の検出は、
前記検出される圧油の圧力挙動に応じて前記1周期に要
する時間を予め算出し、該1周期に必要な圧油流量と、
前記3工程のそれぞれに必要な圧油流量とに基づき、前
記1周期に要する時間中に占める前記3工程のそれぞれ
の時間配分を予め算出した後、該時間配分に応じて、前
記少なくとも1つの工程における前記可動シリンダ・土
砂圧送用ピストンの動作時期を識別し、この動作時期に
おける前記圧油の圧力を検出することにより行うことを
特徴とする小口径管推進機の土砂圧送ポンプの制御方法
が提供される。すなわち、例えば圧送工程の動作負荷を
検出する場合、検出される圧油の圧力挙動により、密封
工程→圧送工程→吸い込み工程の1周期に要する時間を
予め算出する。そしてさらに、土砂圧送ポンプの寸法形
状によってきまる、この1周期に必要な圧油流量と圧送
工程に必要な圧油流量とに基づいて、1周期に要する時
間中に占める圧送工程の時間配分、すなわち圧送工程が
1周期の何分の一であるか等を予め算出する。この時間
配分は、圧送ポンプの動作速度に関係なくほぼ一定とな
る。その後、圧送工程のうちの可動シリンダ・土砂圧送
用ピストンの動作時期がいつであるかが、既に算出した
時間配分に応じて識別される。そして、この識別された
動作時期における検出圧力を圧送工程の動作負荷として
出力する。これにより、動作負荷でない油圧(例えば工
程切り換え昇圧時の油圧)の検出を回避し、目的とする
工程の動作負荷のみを検出することができる。
【0007】また上記目的を達成するために、本発明に
よれば、可動シリンダと、この可動シリンダ内に摺動可
能に配置された土砂圧送用ピストンと、固定シリンダ
と、この固定シリンダ内に設けられるとともに前記可動
シリンダに接続され、前記固定シリンダ内に供給される
圧油で油圧駆動されて前記可動シリンダを押進するシリ
ンダ押進用ピストンと、前記固定シリンダ内に設けられ
るとともに前記土砂圧送用ピストンのロッド側に接続さ
れ、前記固定シリンダ内に供給される圧油で油圧駆動さ
れて前記圧送用ピストンを押進するロッド押進用ピスト
ンとを有する土砂圧送ポンプの、前記固定シリンダ内に
供給される圧油の圧力を検出する検出手段と、この検出
手段での検出結果に応じ、前記固定シリンダ内に供給さ
れる圧油の向きを切り換える方向切換弁の駆動を制御す
る駆動制御手段とを有し、かつこの駆動制御手段は、前
記検出手段による検出圧力が所定の切り換え圧力より大
きくなったときに前記方向切換弁を切り換えることによ
り、前記可動シリンダ及び土砂圧送用ピストンが後退し
た後に前記土砂圧送用ピストンがさらに後退して前記可
動シリンダ内に土砂を吸い込む吸い込み工程から、前記
可動シリンダ及び土砂圧送用ピストンが前進して該可動
シリンダ内に土砂を密封する密封工程への移行と、この
密封工程の次に設けられ前記土砂圧送用ピストンが前進
して該土砂圧送用ピストンのボトム側にある土砂を圧送
する圧送工程から、前記吸い込み工程への移行とを行
い、前記密封工程、前記圧送工程、前記吸い込み工程の
3工程を1周期として反復させる小口径管推進機の土砂
圧送ポンプの制御装置において、前記検出手段の検出結
果に基づき、前記3工程のうち少なくとも1つの工程に
おける該土砂圧送ポンプの動作負荷を検出する動作負荷
検出手段と、前記駆動制御手段は、該動作負荷検出手段
で検出した動作負荷の大きさに応じて、前記所定の圧力
の大きさを可変に設定することを特徴とする小口径管推
進機の土砂圧送ポンプの制御装置が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照しつつ説明する。 (1)小口径管掘進機の構成及び動作 本実施形態による制御装置が適用される圧送ポンプが搭
載された小口径管推進機の、掘進状態を表す縦断面図を
図2に、図2中III方向からみた矢視図を図3に、図2
中IV−IV横断面図を図4に示す。図2〜図4において、
掘進機4は、掘進機本体を構成する掘進機前部4−1及
び掘進機後部4−2と、掘進機後部4−1と掘進機後部
4−2との中間に設けられるリブ状突起部4−3を備え
ている。
【0009】掘進機前部4−1には、掘削外径が掘進機
4本体よりも大きい回転カッター2が装着されている。
また、掘削機後部4−2には、外径が掘進機4本体より
大きく回転カッター2の外径より小さいヒューム管(埋
設管)5が接続されている。このヒューム管5及び掘進
機4は、図示しない発進立坑内に設置した推進装置(図
示せず)により推進される。
【0010】また、掘進機4は、方向修正ジャッキ10
で掘進機前部4−1の掘削姿勢を調整することで掘進方
向を変えられるようになっており、これにより、近年要
請されているヒューム管5の曲線状敷設にも対応できる
ようになっている。そしてこのとき、リブ状突起部4−
3が、方向修正ジャッキ10で方向を修正する時の反力
を地山1に伝達するようになっている。
【0011】回転カッター2は、粘性付与液供給通路1
3から導かれた粘性付与液を注入するための注入口2−
1と、回転カッター2の円錐部表面に設けられた最外周
掘削刃2−2と、この最外周掘削刃2−2の後方に設け
られ掘進機4本体とほぼ同径の外筒部2−3と、この外
筒部2−3の表面に周方向・軸方向に順次ずらして複数
個設けられ、先端部回転半径が回転カッター2の掘削半
径とほぼ等しい撹拌用の突起物2−4とを備えている。
【0012】上記構成において、回転カッター2を油圧
モータ6で駆動して回転させ掘削刃で地山1を掘削し、
この掘削土砂を切羽近傍から直接掘進機4本体内に取り
込まず、掘削土砂中に注入口2−1から粘性付与液を注
入して回転カッター2の回転により撹拌混合し、塑性流
動性を有する泥土12に変換する。そしてこの泥土12
を、掘削された地山1と掘進機4本体との間に形成され
る隙間である泥土通路9を介して後方の土砂取り込み口
8まで移送し、この土砂取り込み口8から土砂溜めタン
ク39内に取り込んだ泥土12を油圧駆動の圧送ポンプ
7で圧送管11を介し後方の発進立坑内に圧送する。そ
して、このようして泥土の掘削圧送後にできた穴に、小
口径のヒューム管5を敷設していく。
【0013】(2)圧送ポンプの構成 圧送ポンプ7の詳細構造を図5に示す。なお図示の都合
上、この図5と後述する図7においては、図2と左右方
向を反転して図示している。図5において、圧送ポンプ
7は、概略的にいうと、筒状の土砂隔離用部材である可
動シリンダ、例えば密封用シリンダ7aと、この密封用
シリンダ7a内に摺動可能に配置された圧送用ピストン
7bと、密封用シリンダ7aに接続され密封用シリンダ
7aを押進するシリンダ押進用ピストン19と、圧送用
ピストン7bのロッド側(図5中右側)に接続され圧送
用ピストン7bのロッド部7bAを押進するロッド部押
進用ピストン31と、シリンダ押進用ピストン19及び
ロッド部押進用ピストン31を摺動可能に内設する固定
シリンダ、例えばケーシング30とを有する。そして、
圧送ポンプ7は、ケーシング30内でシリンダ押進用ピ
ストン19とロッド部押進用ピストン31とが油圧駆動
されることにより、密封用シリンダ7a及び圧送用ピス
トン7bが前進して密封用シリンダ7a内に土砂を密封
する密封工程、圧送用ピストン7bが前進して圧送用ピ
ストン7bのボトム側(図5中左側)にある土砂を圧送
する圧送工程、密封用シリンダ7a及び圧送用ピストン
7bが後退した後に圧送用ピストン7bがさらに後退し
て密封用シリンダ7a内に土砂を吸い込む吸い込み工程
の3工程を1周期として反復するようになっている。
【0014】すなわち詳細には、圧送ポンプ7は、ケー
シング30に設けられた第1のポート14及び第2のポ
ート15と、このシリンダ押進用ピストン19後端面と
ケーシング30後壁内面との間に形成された油室20
と、密封用シリンダ7aの外周とケーシング30の内周
との間に形成された油室21と、シリンダ押進用ピスト
ン19内に形成された油路22,23と、これら油路2
2,23間を開閉するスプール24と、シリンダ押進用
ピストン19内に形成された別の油路26と、シリンダ
押進用ピストン19内中心に軸方向に取り付けられ、圧
送用ピストン7bのロッド部7bAに形成された内室2
9と油路26とを連通するパイプ27と、このロッド部
押進用ピストン31の後端面とシリンダ押進用ピストン
19の前端面との間に形成された油室32と、ロッド部
7bAの外周と密封用シリンダ7aの内周との間に形成
された油室33と、ロッド部7bAの後端寄りに設けら
れ、内室29と油室33とを連通する油路34と、ケー
シング30の前端部内側に設けられ、シリンダ押進用ピ
ストン19の前進方向への移動を規制するストッパ28
と、密封用シリンダ7aの軸方向ほぼ中間部に設けら
れ、ロッド部押進用ピストン31の前進方向への移動を
規制するストッパ35とを有している。
【0015】(3)油圧駆動回路の構成及び制御装置の
制御機能(従来制御部分) このような圧送ポンプ7を駆動する油圧駆動回路の回路
図を図1に示す。なお図1には、構成及び説明の便宜の
ために圧送ポンプ7の概念的構成図と、本実施形態の要
部である制御装置100とを併せて示す。図1に示す油
圧駆動回路においては、油タンク36と、図示しない電
動機で駆動される油圧ポンプ38と、この油圧ポンプ3
8の吐出側と圧送ポンプ7の第1のポート14とを接続
する油路44と、油タンク36と第2のポート15とを
接続する油路43と、これら油路43,44に設けられ
油圧ポンプ38から第1のポート14及び第2のポート
15に供給される圧油の流量を制御する方向切換弁42
とが設けられている。本実施形態の制御装置100は、
油圧駆動回路の油路43,44の油圧をそれぞれ検出す
る検出手段、例えば油圧検出器46,45と、コントロ
ーラ50と、操作スイッチ52(詳細は後述)とから構
成されている。ここで、方向切換弁42は電磁切換弁で
あり、スプール両端に設けられたソレノイド42a,4
2bにコントローラ50から入力される駆動信号に応じ
て、切り換わるようになっている。すなわち、コントロ
ーラ50は、機能ブロック図を図6に示すように、油圧
検出器45,46(後述)からの検出信号が、A/D変
換器で構成される入力部50d及び処理部50aを介し
演算部50bに入力され、演算部50bでこの検出信号
に基づき方向切換弁42を切り換えるための駆動信号を
演算し、この演算結果に基づき処理部50a及びD/A
変換器で構成される出力部50eを介し方向切換弁42
のソレノイド42a,bに駆動信号を出力する。すなわ
ち、コントローラ50のうち、処理部50a、演算部5
0b、入力部50d、及び出力部50eが、油圧検出器
45,46における検出結果に応じ、方向切換弁42の
駆動を制御する駆動制御手段を構成する。なお、コント
ローラ50のうち以上までに説明した機能については従
来の構成と同様である。本実施形態のコントローラ50
は、独自の構成としてさらに記憶部50cを備え、本実
施形態の要部である動作負荷に基づく切り換え圧力の自
動可変設定を行うが、この機能については後述する。ま
た、上記構成のうち、油タンク36、油圧ポンプ38、
方向切換弁42、コントローラ50は、掘進機4の反掘
進側に設けられた発進立坑(図示せず)内に設けられて
おり、油路43,44は、この発進立坑と掘進機4内の
圧送ポンプ7との長い距離(例えば100m〜最長約2
00m)を接続している。
【0016】(4)圧送ポンプの一般的動作 このような構成の油圧回路による圧送ポンプ7の一般的
動作を、図1、図5及び図7(a)〜(g)を用いて説
明する。まず、密封工程開始時には、圧送ポンプ7は図
7(a)に示す状態にある。この状態から、コントロー
ラ50からソレノイド42aに駆動信号が出力され(通
電され)、方向切換弁42が図1中下側位置に切り換え
られる。この結果、油圧ポンプ38からの圧油が油路4
3を介し、圧送ポンプ7内の第1のポート14→油室2
0と供給され、この油圧によってシリンダ押進用ピスト
ン19が前進方向に押進され、圧送用ピストン7bとと
もに密封用シリンダ7aが前進していく(図7
(b))。この前進時に、密封用シリンダ7aは、土砂
溜めタンク39(図2参照)内の泥土を取り込んでい
き、先端部が圧送管11に密着した時点でシリンダ押進
用ピストン19がストッパ28に当接する。これによ
り、土砂溜めタンク39と圧送管11とが密封用シリン
ダ7aによって隔離され、密封工程が終了する。なお、
以上の間、油室21内の油は、第2のポート15、油路
44、及び方向切換弁42を介してタンク36へと排出
される。
【0017】ところで、上記の密封用シリンダ7aが前
進してシリンダ押進用ピストン19がストッパ28に当
接するときに、スプール24もストッパ28に当接して
後方に押し込まれ、油路22,23が連通している。こ
れにより、油室20→油路22→油路23→油室32と
圧油が供給されて圧送工程が開始され、ロッド部押進用
ピストン31が押進されて、圧送用ピストン7bが密封
用シリンダ7aの内面に沿って前進する。これによっ
て、圧送用ピストン7bにより密封用シリンダ7a内の
泥土が圧送管11に押し込まれ、圧送される(図7
(c))。
【0018】上記のような圧送工程終了時には、圧送ポ
ンプ7は図7(d)に示すように、ロッド部押進用ピス
トン31がストッパ35に当接し、圧送用ピストン7b
の前進が停止する。これにともない、油室20、第1の
ポート14、及び油路43(図1参照)内の油圧が上昇
する。ここでこの油圧は、前述したように油圧検出器4
6で検出された後にコントローラ50に入力されている
が、この値が所定の演算の結果定められる切り換え圧力
(後述)以上になると、コントローラ50が所定の遅れ
時間(あらかじめ設定されて記憶されている)をもって
方向切換弁42の反対側のソレノイド42bに駆動信号
を出力し、方向切換弁42は、一旦中立位置に戻った後
に、図1中上側位置に切り換えられる。この結果、油圧
ポンプ38からの圧油が油路44を介し、圧送ポンプ7
内の第2のポート15→油室21と供給されて吸い込み
工程が開始される。すなわち、この供給された圧油の油
圧によってスプール24が後方に移動し、油路22,2
3間がスプール24によって閉じられる。そして、油室
21に供給された圧油によりシリンダ押進用ピストン1
9が後退方向に押進され、密封用シリンダ7aが圧送用
ピストン7bとともに後退する(図7(e))。なおこ
のとき、油室20内の油は、第1のポート14、油路4
3、及び方向切換弁42を介してタンク36へと排出さ
れる。
【0019】そして、後退方向に押進されたシリンダ押
進用ピストン19がケーシング30の後壁に当接する
と、密封シリンダ7aの後退が停止し、またスプール2
4もケーシング30の後壁に当接して前方へ押し込ま
れ、油路22,23が再び連通する(図7(f))。こ
れにより、油室21→油路26→パイプ27の内部通路
→ロッド部7bAの内室29→油路34を介して油室3
3に圧油が供給され、その油圧によりロッド押進用ピス
トン31が後退方向に押進され、ロッド部7bAととも
に圧送用ピストン7bが後退する。そして、図7(g)
に示すように、ロッド部押進用ピストン31がシリンダ
押進用ピストン19に当接し、圧送用ピストン7bの後
退も停止して、吸い込み工程が終了する(図7
(g))。なお、これら図7(e)〜(g)の工程の
間、密封用シリンダ7aが後退して土砂溜めタンク39
内の土砂取り込み口8が開放されるので、再び泥土通路
9から泥土12が土砂溜めタンク39内へと取り込まれ
ている。
【0020】そしてこのとき、上記のように圧送用ピス
トン7bの後退が停止していることから、これにともな
って、油室21、第2のポート15、油路44(図2参
照)内の油圧が上昇する。この油圧は、前述したように
油圧検出器45で検出された後にコントローラ50に入
力されているが、この値が所定の演算の結果定められる
切り換え圧力(後述)以上になると、コントローラ50
が所定の遅れ時間(あらかじめ設定されて記憶されてい
る)をもって方向切換弁42の反対側のソレノイド42
aに駆動信号を出力し、方向切換弁42は、一旦中立位
置に戻った後に、図1中下側位置に切り換えられ、既述
した密封工程が再び開始される。
【0021】(5)油圧検出値の概略的挙動 上記密封工程→圧送工程→吸い込み工程の1周期におけ
る油圧検出器45,46における検出値の概略的な挙動
を図8に示す。この図8に示されるように、まず、密封
工程開始時においては、前述したように、方向切換弁4
2のソレノイド42aに駆動信号が出力されて図1中下
側位置に切り換えられ、油圧ポンプ38の圧油が油路4
3に供給される。そしてこのとき、図8に示されるよう
に、圧力検出器46で検出される油路43での圧油の圧
力変動の挙動は、密封工程開始時の密封用シリンダ7a
及び圧送用ピストン7bの前進の始まりとともに鋭く立
ち上がり(図中A→B)、密封用シリンダ7a及び圧送
用ピストン7bが前進している間はほぼ平坦となり(図
中B→C)、スプール24がストッパ28に当接して圧
送工程が開始されるときにやや落ちて(図中C→D)、
圧送用ピストン7bが前進している間に再びほぼ平坦と
なり(図中D→E)、圧送工程終了間際に圧送用ピスト
ン7bが停止して再び鋭く立ち上がり(E→F)、圧送
工程から吸込工程へ移行するときの切り換え圧力値であ
る点Fに達する。そしてこの点Fが圧力検出器46を介
し検出されると、前述したようなコントローラ50によ
るソレノイド42bへの駆動信号の出力により方向切換
弁42が中立位置に戻り、油路43内の油圧は急激に減
少し、点Gに至る。
【0022】点Gに至った後は、さらに方向切換弁42
のソレノイド42bに駆動信号が出力され、方向切換弁
42が図1中上側位置に切り換えられ、油圧ポンプ38
の圧油が油路44に供給される。このとき、圧力検出器
45で検出される油路44での圧油の圧力変動の挙動
は、吸い込み工程開始時における密封用シリンダ7a及
び圧送用ピストン7bの後退の始まりとともに鋭く立ち
上がり(図中G→H)、密封用シリンダ7a及び圧送用
ピストン7bが後退している間と圧送用ピストン7bの
みが後退している間はほぼ平坦となり(図中H→I)、
吸い込み工程終了間際に圧送用ピストン7bが停止して
再び鋭く立ち上がり(I→J)、吸込工程から密封工程
へ移行するときの切り換え圧力値である点Jに達する。
そしてこの点Jが圧力検出器45を介し検出されると、
前述したようなコントローラ50によるソレノイド42
aへの駆動信号により方向切換弁42が中立位置に戻
り、油路43内の油圧は急激に減少し、点Aに至る。な
お、各工程に要する時間は、例えば、吸込動作時間eが
約1秒、密封動作時間aが約1.5秒、圧送動作時間b
が約1秒、切り換え時間d+gの合計が約1秒となる。
油圧の昇圧時間c,fについては、本実施形態固有の制
御方法により従来の時間(例えば約0.5秒)よりも短
縮される(詳細は後述)。
【0023】以上のような密封工程→圧送工程→吸い込
み工程を1周期として、同じ順序で同様の工程が繰り返
され、掘進機4から土砂溜めタンク39内に取り込まれ
た泥土12を、自動的に、圧送管11を介して反掘進側
にある発進立坑(図示せず)へと送り出すことができ
る。
【0024】(6)制御装置の制御機能(特徴部分) ここで、本実施形態の制御装置100の要部である、動
作負荷に応じた切り換え圧力の自動可変設定機能につい
て以下説明する。 (6−1)自動可変設定に係わる機能的構成 まず、図6に示すコントローラ50の機能的構成のう
ち、この機能に係わるコントローラ50内の機能的構成
は以下の通りである。すなわち、既に説明した処理部5
0a、演算部50b、入力部50d、出力部50eのほ
かに、密封工程→圧送工程→吸い込み工程の1周期に必
要な全圧油流量と3工程のそれぞれに必要な工程別圧油
流量(これらはともに圧送ポンプ7の構造によって一意
的に定まる)とが予め記憶された記憶部50cが設けら
れている。なおこの記憶部50cは、そのほかにも、油
圧検出器46,45から取り込まれた検出信号を所定期
間記憶しておく機能を果たす。また演算部50bは、前
述した方向切換弁42の切り換えに関する機能のほか
に、処理部50aを介して油圧検出器45,46からの
検出信号が入力され密封工程→圧送工程→吸い込み工程
の1周期に要する時間を算出するとともに、記憶部50
aに記憶された全圧油流量及び工程別圧油流量に基づ
き、1周期に要する時間中に占める3工程のそれぞれの
時間配分を算出する機能を果たす。さらに処理部50a
も、前述した方向切換弁42の切り換えに関する機能の
ほかに、演算部50bで算出された時間配分とに応じ
て、動作負荷を求めようとする工程における密封用シリ
ンダ7a及び圧送用ピストン7bの動作時期(以下適宜
シリンダ・ピストン動作時期という)を識別してその動
作時期の油圧検出器45,46の検出指示のみを入力部
50dを介して取り込む機能を果たす。なお、コントロ
ーラ50の処理部50a、演算部50b、記憶部50
c、入力部50d、出力部50eが、油圧検出器45,
46の検出結果に基づき、密封・圧送・吸い込みの3工
程のうち少なくとも1つの工程における土砂圧送ポンプ
7の動作負荷を検出する動作負荷検出手段を構成する。
【0025】また操作スイッチ52は、制御装置100
の特徴部分として本発明独自に設けられているものであ
り、コントローラ50による切り換え圧力自動可変設定
(後述)を行うかどうかをON・OFF選択入力するよ
うになっている。
【0026】(6−2)自動可変設定に係わる制御手順 つぎに、本実施形態の制御装置100の動作及び作用効
果を、コントローラ50における制御内容を表すフロー
チャートである図9を参照しつつ説明する。すなわち、
まず手順S1において、油圧検出器45,46から時間
を追って次々と検出されてくる検出信号を入力部50d
を介してサンプリングし数値データとして処理部50a
に取り込み、記憶部50cに順番に記憶させる。このと
きの取り込み間隔は、油圧挙動をより正確に把握するた
めに、好ましくは100msec以下となっている。
【0027】つぎに、手順S2に移り、操作スイッチ5
2から、切り換え圧力自動可変設定を行うON信号が入
力されたかどうかを判定する。操作スイッチ52からの
ON信号が入力されない場合には、この判定が満たされ
ず、手順S12に移る。そして手順S12で、記憶部5
0cにおいて所定数を超える分のデータを古いものから
順に消去し、手順S1に戻って再び検出データの取り込
み・記憶を行う。すなわち、操作スイッチ52からON
信号が入力されない限り、手順S1→S2→S12のル
ーチンが繰り返し行われ、古いデータの更新が行われ続
けることになる。
【0028】ここで操作スイッチ52からON信号が入
力されると、手順S2の判定が満たされて手順S3へ移
り、記憶部50cの新規データ記憶を停止させ、手順S
4へ移る。
【0029】そして手順S4においては、記憶部50c
に記憶されている数値データのうち、直前の1周期(密
封工程→圧送工程→吸い込み工程)分の数値データを使
用して1周期に要する時間T(図8参照)を算出する。
【0030】その後、手順S5において、あらかじめ記
憶部50cに記憶されていた、密封工程→圧送工程→吸
い込み工程の1周期に必要な全圧油流量、及び3工程の
それぞれに必要な工程別圧油流量とを用い、演算部50
bで、1周期に要する時間T中に占める3工程のそれぞ
れの時間配分を算出する。例えば、密封動作時間a=
(3/10)T、圧送動作時間b=(1/5)T、吸込
動作時間e=(1/5)Tとなる。
【0031】そして、手順S6において、処理部50a
及び演算部50bで、圧送工程及び吸い込み工程におけ
るシリンダ・ピストン動作時期を識別する。例えば圧送
工程であれば図8中D→e付近が相当するので、密封動
作開始時期(図8中点A)を時間ゼロとして、シリンダ
・ピストン動作時期を例えばa+(1/2)b=(3/
10)T+(1/2)((1/5)T)=(2/5)Tと
する。また例えば吸い込み工程であれば図8中H→I付
近が相当するので、シリンダ・ピストン動作時期を例え
ば、a(=(3/10)T)+b(=(1/5)T)+c
(例えば0.25秒)+d(例えば0.5秒)+(1/
2)e=(3/5)T+0.75秒となる。
【0032】その後、手順S7に移り、手順S6で算出
したシリンダ・ピストン動作時期、すなわち圧送工程の
シリンダ・ピストン動作時期及び吸い込み工程のシリン
ダ・ピストン動作時期において、油圧検出器45,46
から処理部50aが取り込んだ2つの検出データを、そ
れぞれ圧送動作負荷及び吸い込み動作負荷として記憶部
50cに記憶させる。
【0033】そして、手順S8に移り、手順S7で記憶
された圧送動作負荷及び吸い込み動作負荷を用いて、例
えば図10に示すテーブルに基づき、それぞれ圧送工程
→吸い込み工程移行時の圧送・吸い込み切り換え圧力及
び吸い込み工程→密封工程移行時の吸い込み・密封切り
換え圧力を設定する。図10に示されるように、このテ
ーブルは、(切り換え圧力)=(動作負荷)+50kg
/cm2となるようになっている。
【0034】その後、手順S9に移り、手順S8で設定
された切り換え圧力を用いて方向切換弁42の駆動を行
う。すなわち、上記(4)圧送ポンプの一般的動作の項
で説明したように、圧送工程から吸い込み工程への移行
時には、油圧検出器46での検出値が圧送・吸い込み切
り換え圧力以上になると、ソレノイド42bに駆動信号
が出力されて方向切換弁42が図1中上側位置に切り換
えられる。また吸い込み工程から密封工程への移行時に
は、油圧検出器45での検出値が吸い込み・密封切り換
え圧力以上になると、ソレノイド42aに駆動信号が出
力されて方向切換弁42が図1中下側位置に切り換えら
れる。
【0035】そして、手順S10に移って、油圧検出器
45,46から入力部50dを介して処理部50aに取
り込まれている検出データの、記憶部50cへの新規記
憶を再開する。
【0036】その後、手順S11に移り、5周期が経過
したか、つまり前述の密封動作開始時期を時間ゼロとし
て5Tの時間が経過したかどうかを判定する。
【0037】まだ経過していなければ、手順S11の判
定は満たされず、満たされるまでこの手順S11を繰り
返す。
【0038】5周期が経過した場合は、手順S3に戻っ
て再び手順S3〜S10を繰り返す。すなわち、5周期
(5T)ごとに、圧送工程・吸込工程の検出データ(動
作負荷)が更新され、これに応じて圧送吸い込み切り換
え圧力・吸い込み密封切り換え圧力の値も修正されてい
くことになる。
【0039】以上のように構成した本実施形態によれ
ば、圧送工程・吸い込み工程における動作負荷を検出
し、これら検出した動作負荷の大きさに応じ、圧送・吸
い込み切り換え圧力及び吸い込み・密封切り換え圧力の
大きさを可変に設定する。このとき、(切り換え圧力)
=(動作負荷)+50kg/cm2の関係に基づき、動
作負荷が比較的小さいときには切り換え圧力を比較的小
さく設定し、動作負荷が比較的大きいときには切り換え
圧力を比較的大きく設定するので、従来と異なり、作動
負荷の大小に関係なく切り換え圧力と動作負荷との差が
50kg/cm2と比較的小さくすることができる。し
たがって、圧送用ピストン7bの動作停止後における切
り換え圧力までの油圧の上昇を比較的小さくし、油温の
上昇を最小限に抑えることができる。また、油圧上昇時
間c,g(図8参照)が短くなることから、1周期に要
する時間Tを短縮できる。このことを図11(a)
(b)に示す。図11(a)は、従来構造の制御装置に
よる、圧送・吸い込み切り換え圧力及び吸い込み・密封
切り換え圧力を固定値(150kg/cm2及び190
kg/cm2)に設定するときの検出油圧の挙動を示し
ており、図11(b)は、本実施形態の制御装置100
による、圧送・吸い込み切り換え圧力及び吸い込み・密
封切り換え圧力をそれぞれ圧送動作負荷及び吸い込み動
作負荷+50kg/cm2に自動設定するときの検出油
圧の挙動を示している。本実施形態の図11(b)を、
従来の図11(a)と比較すると、圧送工程→吸い込み
工程の移行時には、圧送・吸い込み切り換え圧力が15
0kg/cm2から95kg/cm2に抑えられている
分、この間の油圧上昇・下降時間に相当するΔta,Δ
tbだけ所要時間が短く、また吸い込み工程→密封工程
の移行時には、吸い込み・密封切り換え圧力が190k
g/cm2に抑えられている分、この間の油圧上昇・下
降時間に相当するΔtc,Δtdだけ所要時間が短くなっ
ている。これらにより、1周期に要する時間Tが、従来
よりもΔta+Δtb+Δtc+Δtd短くなることがわか
る。よって、同じ作動油の吐出量でも時間当たりの動作
回数を増すことができ、すなわち土砂圧送量を増加させ
ることができる。また、切り換え圧力が過度に上がるこ
とがないので、油圧ポンプ38と圧送ポンプ7とを接続
するホース(図1では油路43,44として示す、例え
ば最長約200m)のあばれが少なくてすみ、摩擦等に
よる事故を妨ぐとともに、ホースの寿命を長くすること
ができる。さらに、作動油を吐出する油圧ポンプ38に
余分な負荷がかからなので長寿命化を図ることができ、
また余計な動力を使わないので経済性を向上させること
ができる。また、動作負荷が高くなった時でも切り換え
圧力が自動的に上がるので、固定値であった従来のよう
に切り換え圧力の設定換えをしなくても済み、操作性を
向上するとともに、設定ミスによる誤運転・故障発生等
を防止できる。
【0040】なお、上記実施形態においては、図10に
示されるように(切り換え圧力)=(動作負荷)+50
kg/cm2となるように設定したが、これに限られな
い。すなわち例えば、50kg/cm2以外の値を適宜
用いても良い。また、図12に示されるように、(切り
換え圧力)=2×(動作負荷)と設定するなどの方法も
考えられ、この場合も、同様の効果を得る。また、上記
実施形態においては、5周期ごとに、圧送工程・吸込工
程の検出データ(動作負荷)を更新し圧送吸い込み切り
換え圧力・吸い込み密封切り換え圧力の値も修正した
が、これに限られず1周期〜4周期ごとのいずれかか、
あるいはもっと大きく、6周期以上ごとでもよい。この
場合も、同様の効果を得る。さらに、上記実施形態にお
いては、圧送工程及び吸込工程の動作負荷を検出した
後、その値を、同一周期の圧送・吸い込み切り換え圧力
及び吸い込み・密封切り換え圧力の設定に適用したが、
これに限られない。すなわち例えば、1周期あとの圧送
・吸い込み切り換え圧力及び吸い込み・密封切り換え圧
力の設定に適用してもよい。この場合も同様の効果を得
る。また、上記実施形態においては、圧送動作負荷に応
じて圧送・吸い込み切り換え圧力を設定し、吸い込み動
作負荷に応じて吸い込み・密封切り換え圧力を設定した
が、これに限られない。例えば、密封動作負荷に応じて
圧送・吸い込み切り換え圧力を設定するなどの変形も考
えられ、要は、3工程のうち少なくとも1つの工程にお
ける動作負荷に応じて適宜設定すればよい。これらによ
っても、同様の効果を得る。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも1つの工程
における動作負荷を検出し、この検出した動作負荷の大
きさに応じてこの切り換え圧力の大きさを可変に設定す
るので、動作負荷が比較的小さいときには切り換え圧力
を比較的小さく設定し、動作負荷が比較的大きいときに
は切り換え圧力を比較的大きく設定することとすれば、
従来と異なり、作動負荷の大小に関係なく切り換え圧力
と動作負荷との差を常に比較的小さくすることができ
る。したがって、圧送用ピストンの動作停止後における
切り換え圧力までの油圧の上昇を比較的小さくし、油温
の上昇を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による制御装置の概念構成
を、圧送ポンプの概念的構成図及び油圧駆動回路図と併
せて示した図である。
【図2】図1に示された制御装置が適用される圧送ポン
プが搭載された小口径坑掘進機の、掘進状態を表す縦断
面図である。
【図3】図2中III方向からみた矢視図である。
【図4】図2中IV−IV横断面図である。
【図5】図2に示された圧送ポンプの詳細構造を表す縦
断面図である。
【図6】図1に示されたコントローラの詳細機能を表す
ブロック図である。
【図7】図2に示された圧送ポンプの各工程における動
作を表す概念図である。
【図8】図1に示された油圧検出器による、密封工程→
圧送工程→吸い込み工程の1周期における検出値の挙動
を表す図である。
【図9】図1に示されたコントローラの制御内容を表す
フローチャートである。
【図10】動作負荷に応じた切り換え圧力の設定例を表
した図である。
【図11】従来構造の制御装置による検出油圧の挙動
と、本発明の実施形態の制御装置による検出油圧の挙動
とを示した図である。
【図12】動作負荷に応じた切り換え圧力の他の設定例
を表した図である。
【符号の説明】
1 地山 2 回転カッター 4 掘進機 7 圧送ポンプ 7a 密封用シリンダ 7b 圧送用ピストン 7bA ロッド部 8 土砂取り込み口 11 圧送管 19 シリンダ押進用ピストン 20 油室 21 油室 22 油路 23 油路 24 スプール 26 油路 27 パイプ 28 ストッパ 31 ロッド部押進用ピストン 32 油室 33 油室 34 油路 35 ストッパ 38 油圧ポンプ 42 方向切換弁 43 油路 44 油路 45 油圧検出器 46 油圧検出器 50 コントローラ 50a 処理部 50b 演算部 50c 記憶部 50d 入力部 50e 出力部 52 操作スイッチ 100 制御装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動シリンダと、この可動シリンダ内に
    摺動可能に配置された土砂圧送用ピストンと、固定シリ
    ンダと、この固定シリンダ内に設けられるとともに前記
    可動シリンダに接続され、前記固定シリンダ内に供給さ
    れる圧油で油圧駆動されて前記可動シリンダを押進する
    シリンダ押進用ピストンと、前記固定シリンダ内に設け
    られるとともに前記土砂圧送用ピストンのロッド側に接
    続され、前記固定シリンダ内に供給される圧油で油圧駆
    動されて前記圧送用ピストンを押進するロッド押進用ピ
    ストンとを有する土砂圧送ポンプの該固定シリンダ内に
    供給する圧油の圧力を検出し、その検出圧力が所定の切
    り換え圧力より大きくなったときに前記供給する圧油の
    流れの向きを切り換えることにより、前記可動シリンダ
    及び土砂圧送用ピストンが後退した後に前記土砂圧送用
    ピストンがさらに後退して前記可動シリンダ内に土砂を
    吸い込む吸い込み工程から、前記可動シリンダ及び土砂
    圧送用ピストンが前進して該可動シリンダ内に土砂を密
    封する密封工程への移行と、この密封工程の次に設けら
    れ前記土砂圧送用ピストンが前進して該土砂圧送用ピス
    トンのボトム側にある土砂を圧送する圧送工程から、前
    記吸い込み工程への移行とを行い、前記密封工程、前記
    圧送工程、前記吸い込み工程の3工程を1周期として反
    復させる小口径管推進機の土砂圧送ポンプの制御方法に
    おいて、 前記3工程のうち少なくとも1つの工程における該土砂
    圧送ポンプの動作負荷を検出し、 この検出した動作負荷の大きさに応じて、前記所定の切
    り換え圧力の大きさを可変に設定することを特徴とする
    小口径管推進機の土砂圧送ポンプの制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の小口径管推進機の土砂圧
    送ポンプの制御方法において、前記圧送工程における前
    記動作負荷を検出し、この動作負荷の大きさに応じて、
    前記圧送工程から前記吸い込み工程へ移行するときの切
    り換え圧力の大きさを設定し、かつ、前記吸い込み工程
    における前記動作負荷を検出し、この動作負荷の大きさ
    に応じて、前記吸い込み工程から前記密封工程へ移行す
    るときの切り換え圧力の大きさを設定することを特徴と
    する小口径管推進機の土砂圧送ポンプの制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の土砂圧送ポンプの制御方
    法及び制御装置において、前記動作負荷の検出は、前記
    検出される圧油の圧力挙動に応じて前記1周期に要する
    時間を予め算出し、該1周期に必要な圧油流量と、前記
    3工程のそれぞれに必要な圧油流量とに基づき、前記1
    周期に要する時間中に占める前記3工程のそれぞれの時
    間配分を予め算出した後、該時間配分に応じて、前記少
    なくとも1つの工程における前記可動シリンダ・土砂圧
    送用ピストンの動作時期を識別し、この動作時期におけ
    る前記圧油の圧力を検出することにより行うことを特徴
    とする小口径管推進機の土砂圧送ポンプの制御方法。
  4. 【請求項4】 可動シリンダと、この可動シリンダ内に
    摺動可能に配置された土砂圧送用ピストンと、固定シリ
    ンダと、この固定シリンダ内に設けられるとともに前記
    可動シリンダに接続され、前記固定シリンダ内に供給さ
    れる圧油で油圧駆動されて前記可動シリンダを押進する
    シリンダ押進用ピストンと、前記固定シリンダ内に設け
    られるとともに前記土砂圧送用ピストンのロッド側に接
    続され、前記固定シリンダ内に供給される圧油で油圧駆
    動されて前記圧送用ピストンを押進するロッド押進用ピ
    ストンとを有する土砂圧送ポンプの、前記固定シリンダ
    内に供給される圧油の圧力を検出する検出手段と、この
    検出手段での検出結果に応じ、前記固定シリンダ内に供
    給される圧油の向きを切り換える方向切換弁の駆動を制
    御する駆動制御手段とを有し、かつこの駆動制御手段
    は、前記検出手段による検出圧力が所定の切り換え圧力
    より大きくなったときに前記方向切換弁を切り換えるこ
    とにより、前記可動シリンダ及び土砂圧送用ピストンが
    後退した後に前記土砂圧送用ピストンがさらに後退して
    前記可動シリンダ内に土砂を吸い込む吸い込み工程か
    ら、前記可動シリンダ及び土砂圧送用ピストンが前進し
    て該可動シリンダ内に土砂を密封する密封工程への移行
    と、この密封工程の次に設けられ前記土砂圧送用ピスト
    ンが前進して該土砂圧送用ピストンのボトム側にある土
    砂を圧送する圧送工程から、前記吸い込み工程への移行
    とを行い、前記密封工程、前記圧送工程、前記吸い込み
    工程の3工程を1周期として反復させる小口径管推進機
    の土砂圧送ポンプの制御装置において、 前記検出手段の検出結果に基づき、前記3工程のうち少
    なくとも1つの工程における該土砂圧送ポンプの動作負
    荷を検出する動作負荷検出手段と、 前記駆動制御手段は、該動作負荷検出手段で検出した動
    作負荷の大きさに応じて、前記所定の圧力の大きさを可
    変に設定することを特徴とする小口径管推進機の土砂圧
    送ポンプの制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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