JP2003336490A - 小口径管埋設機械の掘進制御方法及び制御装置 - Google Patents

小口径管埋設機械の掘進制御方法及び制御装置

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JP2003336490A
JP2003336490A JP2002145999A JP2002145999A JP2003336490A JP 2003336490 A JP2003336490 A JP 2003336490A JP 2002145999 A JP2002145999 A JP 2002145999A JP 2002145999 A JP2002145999 A JP 2002145999A JP 2003336490 A JP2003336490 A JP 2003336490A
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mud
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cutter
small
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JP2002145999A
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Soji Hirao
聡司 平尾
Minoru Ouchi
実 大内
Takashi Moro
茂呂  隆
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小口径管埋設機械の作動において、その先導
体による掘進速度を低下させることなく、カッタユニッ
トに過大なトルクが作用しないように保護し、効率的な
作業を可能にする。 【解決手段】 掘進時における先導体4に設けたカッタ
11に作用するトルクは、泥土圧送手段17の泥土排出
サイクルの間に変化し、吸い込み工程に入った直後は瞬
間的ではあるが、先導体4に作用する土圧が極端に小さ
くなり、先導体4の推力が極端に大きくなり、カッタ1
1のトルクが急激に増大するが、泥土圧送手段17の方
向切換弁55が切り換わって、吸い込み工程への移行時
に、方向切換弁55の切り換え動作と連動して流量制御
弁66を作動させて、推進ジャッキ5への供給流量を減
少させて、推進ジャッキ5による先導体4の推力が低下
し、この先導体4のカッタ11の土砂へのくい込み量を
減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、先導体の掘進によ
り上下水管や地下ケーブル用配管等の小口径管を埋設す
るための小口径管埋設機械において、先導体の掘進速度
を制御する方法及び制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種の小口径管の埋設工事を行う小口径
管埋設機械は、例えば特開平9−317390号公報等
に開示されている。この公知の機械は、先端に回転式の
カッタと粘性付与液の供給部とを備え、土中掘進を行う
先導体と、この先導体に掘進方向に推力を与える推進ジ
ャッキと、先導体が掘進する際に押し退けられ、粘性付
与液を含んで泥土状態となった土砂を排出するためのピ
ストンポンプからなる泥土圧送手段とを備える構成とし
ている。
【0003】先導体から粘性付与液を流出させて土砂に
流動性を与えると共にカッタを回転させることにより土
砂を掘削して切り崩し、推進ジャッキにより先導体に掘
進方向への推力を生じさせる。先導体が所定距離掘進す
ると、ヒューム管等の小口径管をこの先導体と推進ジャ
ッキとの間に接続し、この推進ジャッキにより小口径管
を介して先導体に推力を作用させる。泥土圧送手段は、
先導体の掘進により押し退けられ、粘性付与液を含んだ
土砂である泥土を排出するためのものである。先導体の
下部側には先導体の推進により押し退けられた泥土が取
り込まれる泥土流入部が設けられ、この泥土流入部に泥
土圧送手段が装着され、かつ排土管が臨んでおり、泥土
流入部に流入した泥土は泥土圧送手段により排土管に圧
送される。
【0004】土砂圧送手段は所定の容積を有する可動な
カップ部材(シリンダ)と、このカップ部材内に設けた
可動隔壁(ピストン)とからなり、可動隔壁をカップ部
材の内奥に位置させて、このカップ部材の内部に泥土を
収容させる。そして、カップ部材の内部に泥土を収容さ
せたままの状態で、その先端を排土管に接合させる。こ
の工程がカップ部材を密閉状態にする密封工程である。
次に、カップ部材内の可動隔壁を前進させることによっ
て、カップ部材内収容した泥土を排土管に向けて圧送す
される圧送工程となる。可動隔壁がストロークエンドに
至ると、つまり圧送工程が終了すると、カップ部材を排
土管から離間させ、その後に可動隔壁をカップ部材の内
奥に移動させる。これによって、カップ部材の内部に泥
土が収容されることになり、これが吸い込み工程であ
る。泥土圧送手段はこの密閉、圧送、吸い込みを1サイ
クルとして、このサイクルを繰り返すことによって、先
導体の掘進により押し退けられた泥土が排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】先導体は推進ジャッキ
により推進されるが、この推進ジャッキによる推力、つ
まり押動力を一定とした時に、先導体の掘進速度は泥土
圧送手段による泥土の排出量に依存する。即ち、泥土圧
送手段を高速で作動させて、泥土排出量を多くすれば、
その分だけ先導体に作用する土圧による推進抵抗が小さ
くなり、先導体の掘進速度が速くなる。一方、泥土圧送
手段の作動速度を低下させて、泥土の排出量を少なくす
れば、推進ジャッキによる推力に抗する推進抵抗が増大
することから、先導体の掘進速度が遅くなる。
【0006】先導体は、カッタでの掘削による切羽を切
り崩す作業を行うに当って、粘性付与液を供給した土砂
を流動化させるために攪拌するものである。従って、先
導体により掘進される切羽によっては、カッタに作用す
るトルクが大きく変動する。カッタはモータにより回転
駆動されて、そのカッタビットを土砂にくい込ませる
が、切羽が硬いと、カッタビットのくい込みに対する抵
抗が大きくなる。従って、カッタビットの破損、モータ
の保護等の観点からは、できるだけカッタトルクを小さ
くするのが望ましい。同じ切羽を掘進する場合におい
て、カッタトルクを抑制しようとすると、掘進速度を遅
くしなければならない。そうすると、作業効率が低下し
てしまう。
【0007】一般に、カッタ及びモータからなるカッタ
ユニットにはそのトルクを検出する手段が設けられ、こ
のカッタユニットが損傷する等のおそれがあるトルクが
作用すると、カッタの作動及び推進ジャッキの作動を停
止させる、所謂インターロック機構を備えている。この
インターロック機構が作動するという事態が発生する可
能性がある。インターロック機構が作動すると、作業の
再開のために解除操作が必要となり、このような事態が
頻繁に発生すると、操作が面倒になり、かつ作業効率も
低下することになる。一方、このインターロック機構が
全く作動しないように条件設定を行うと、先導体の掘進
速度を著しく遅くしなければならず、やはり作業効率の
低下を招くことになるので、望ましいものとは言えな
い。
【0008】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、先導体による掘進速
度を低下させることなく、カッタユニットに過大なトル
クが作用しないように保護し、効率的な作業を可能にす
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明による小口径管埋設機械の掘進制御方法
の特徴としては、先端に回転式のカッタと粘性付与液の
供給部とを設けた先導体と、この先導体に推力を与える
推進ジャッキと、この推進ジャッキにより前記先導体が
掘進する際に押し退けられ、前記カッタにより掘削され
た土砂と粘性付与液が混合した泥土を排出するピストン
ポンプからなる泥土圧送手段とを備え、先導体の掘進に
より小口径管を埋設するものであり、前記泥土圧送手段
は密封、圧送、吸い込みの各工程を1サイクルとして、
このサイクルを繰り返すことにより泥土を排出するよう
になし、この泥土圧送手段の圧送工程から吸い込み工程
への移行時に所定時間だけ前記推進ジャッキの推進速度
を遅くすることにある。
【0010】また、本発明による小口径管埋設機械の掘
進制御装置は、先端に回転式のカッタと粘性付与液の供
給部とを設けた先導体と、この先導体を押動する推進ジ
ャッキと、この推進ジャッキにより前記先導体が掘進す
る際に押し退けられた土砂を排出するために、密封、圧
送、吸い込みの各工程を1サイクルとして、このサイク
ルを繰り返すことにより泥土を排出する土砂圧送用のピ
ストンポンプからなる泥土圧送手段とを備えており、さ
らに前記先導体の掘進速度を可変にする掘進速度可変手
段と、前記泥土圧送手段のピストンポンプの作動状態を
検出するポンプ作動検出手段とを備え、前記ポンプ作動
検出手段により検出される前記ピストンポンプの圧送工
程から吸い込み工程への移行時に、前記掘進速度可変手
段により所定時間だけ前記推進ジャッキの推進速度を遅
くするように制御する構成としたことをその特徴とする
ものである。
【0011】泥土圧送手段の作動サイクルにおいて先導
体の掘進速度が変化し、掘進速度が速くなると、先導体
に設けたカッタに作用するトルクが増大する。一方、掘
進速度が遅くなると、カッタに作用するトルクは低下す
る。従って、カッタに設定値以上のトルクが作用して、
インターロック状態になるのは、掘進速度が増速された
時であり、泥土圧送作業の1サイクルにカッタに最高ト
ルクが作用する時に、先導体の掘進速度を減速させれ
ば、その分だけトルクが低下することになり、インター
ロックを規定する最高トルク値を越えることがなくな
る。
【0012】泥土圧送作業の1サイクル中に先導体の掘
進速度が速くなるのは、その推力に対する抵抗が減少す
る時、つまり先導体に作用する土圧が低下する吸い込み
工程時である。特に、圧送工程が終了して、泥土圧送手
段におけるピストンポンプを構成するカップ部材が排土
管の排出口から離間した直後に先導体の先端に作用する
土圧が急激に下降する。従って、この時、つまり圧送工
程から吸い込み工程に移行した直後に推進ジャッキによ
る推力が急激に推力が増大する。
【0013】そこで、先導体に対する推力の急激な変化
を緩和するように制御する。推力が極端に大きくなるの
は、ほぼ瞬間的なものであり、従って瞬間的に推力を低
下させても、作業効率はさほど低下することはない。先
導体への推力を低下させるには、推進ジャッキの作動を
制御する。推進ジャッキとして、電動式の構成とした場
合には、電動モータの回転数を低下させれば良く、油圧
式の推進ジャッキを用いる場合には、この推進ジャッキ
に対する圧力若しくは流量を低下させるように制御す
る。先導体の推力が大きくなるのは、泥土圧送手段によ
る泥土の吸い込みにより土圧の低下に起因するものであ
る。従って、この泥土の吸い込み体積分を補給すれば、
この先導体による推進抵抗が低下することはない。粘性
付与液の供給量を増やせば、その補給を行える。また、
先導体に対する推進抵抗を増大させることによっても、
推進ジャッキの掘進速度を制御できる。
【0014】以上のように、泥土圧送手段における吸い
込み工程に入った直後に瞬間的に先導体の掘進速度が増
速されるのであるから、推進ジャッキの推力そのものを
低下させるにしろ、また粘性付与液の供給量を増大させ
るにしろ、ほぼそれに見合う時間だけで良い。従って、
作業効率が実質的に低下するようなことはなく、また粘
性付与液も最小限の増量に抑制できる。
【0015】小口径管埋設機械の掘進制御装置の構成に
おいて、掘進速度可変手段の具体的な構成としては、推
進ジャッキが油圧駆動式で構成されている場合には、推
進ジャッキへの供給油量または供給圧力の少なくとも一
方を低下させる制御弁で構成することができる。また、
推進速度可変手段で粘性付与液の供給流量を変化させる
場合には、粘性付与液流量制御弁で構成する。さらに、
ポンプ作動検出手段はピストンポンプへの供給圧力の変
化を検出する圧力検出手段で構成することができる。
【0016】ところで、例えば先導体の掘進条件の良い
切羽、つまり軟弱な地質である場合には、カッタトルク
が異常に大きくなることはない。従って、必ずしも掘進
速度を変化させる必要はない。そこで、掘進速度可変モ
ードと、掘進速度不変モードとを選択するための切換手
段を設けて、配管埋設する場所の切羽の硬軟に応じてモ
ード選択を行えるようにするのがさらに望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について説明する。まず、図1には小口径管埋
設機械全体の概略構成を示す。図中において、1は発進
立坑を示し、この発進立坑1の側面部1aから配管埋設
用横坑2を掘り進めて、この配管埋設用横坑2内に所定
の長さを有するヒューム管等の小口径管3を順次連結す
るようにして押し込むようにして埋設される。このため
に、掘進により坑道を開く先導体4と、小口径管3と共
に先導体4に推力を付与するための推進ジャッキ5とが
用いられる。先導体4は、発進立坑1の側面部1aから
掘進を開始するが、推進ジャッキ5は最初はこの先導体
4の後端部を直接押動するものであり、先導体4が所定
距離進むと、この先導体4に小口径管3が接合されて、
推進ジャッキ5がこの小口径管3の後端部を押動するこ
とにより掘進が行われる。そして、所定距離掘進する毎
に、横坑2内に進行した小口径管3に新たな小口径管3
が順次接合されて、先導体4に導かれて順次小口径管3
を進行させ、もって所定の距離に及ぶ小口径管3の埋設
が行われる。
【0018】推進ジャッキ5は基台6上に設置されてお
り、先導体4及び小口径管3に配管埋設用横坑2に送り
込む推力を与えるものであり、つまり元押し手段を構成
するものであって、油圧駆動されるジャッキ本体5a
と、押動部材5bとから構成される。推進ジャッキ5は
所定の間隔だけ離間させて左右一対設けられており、そ
の間に先導体4及び小口径管3が配置され、押動部材5
bはこれら先導体4及び小口径管3の後端部を図中の矢
印方向に向けて押動することになる。
【0019】先導体4は、先端にカッタヘッド10を有
し、このカッタヘッド10に設けた回転式のカッタ11
で土中掘削が行われる。そして、カッタ11は図示しな
いカッタモータにより回転駆動されて、カッタビットに
より土砂を切り崩すように掘削するものである。従っ
て、以下において、カッタ11とはカッタモータ及びそ
の動力伝達機構等、さらにはカッタビットを含む総称を
意味する。カッタ11の回転半径は小口径管3の直径よ
り大きいものであり、このカッタ11の回転により小口
径管3の外径より大きな横坑2が形成される。先導体4
の本体ハウジング4a内にはカッタモータを含むカッタ
ヘッド10の駆動機構が設けられているが、この駆動機
構については従来から周知であるので、その具体的な図
示及び説明は省略する。
【0020】また、カッタヘッド10には1乃至複数の
粘性付与液供給部12が開口しており、この粘性付与液
供給部12には供給管13が接続されている。従って、
土中に粘性付与液を供給しつつ、カッタヘッド10のカ
ッタ11を回転させることにより、土中掘削が行われ
る。カッタ11による掘削土は粘性付与液を含んだ泥土
であって、推進ジャッキ5から先導体4に与えられる推
力の作用で高圧状態に保たれるので、この配管埋設作業
時に地盤沈下等が生じることがない。
【0021】先導体4により掘進を行うためには、前述
した土圧を一定に保持しながら、先導体4の進行により
押し退けられる余剰の泥土を排出する必要がある。この
ために、先導体4の基端部における小口径管3への接続
部を構成する接続筒体14内に泥土流入部15が形成さ
れており、この泥土流入部15には排土管16が接続さ
れると共に、この排土管16に泥土を圧送するための泥
土圧送手段17が設けられている。そして、接続筒体1
4には流入口15aが開口しており、先導体4が進行す
ることにより高圧状態となった泥土が流入口15aから
泥土流入部15内に流入する。泥土圧送手段17は、こ
のようにして流入した泥土を強制的に排土管16に送り
出すためのものである。
【0022】泥土圧送手段17は、基本的にはピストン
ポンプで構成される。そこで、図2に泥土圧送手段17
の具体的な構成を示し、またその作動順序を図3に示
す。図中において、20は可動カップ部材、21は可動
隔壁部材、22は主作動シリンダ、23は流路切換弁で
ある。可動カップ部材20は、カップ本体24と、副作
動シリンダ25及び第1のピストン26とから構成され
る。また、可動隔壁部材21は、隔壁本体27と、軸部
28及び第2のピストン29とから構成される。可動カ
ップ部材20における第1のピストン26は、主作動シ
リンダ22内を摺動変位するものであり、この第1のピ
ストン26によって主作動シリンダ22内は第1,第2
の油室30,31に区画形成される。そして、主作動シ
リンダ22には、これら各油室30,31に通じる第
1,第2のポート32,33が設けられている。また、
可動隔壁部材21を構成する第2のピストン29は可動
カップ部材20における副作動シリンダ25内を摺動す
るものであり、この第2のピストン29により副作動シ
リンダ25の内部は第3,第4の油室34,35に区画
形成される。
【0023】第1の油室30を高圧に、第2の油室31
を低圧にすると、可動カップ部材20が主作動シリンダ
22から伸長して、カップ本体24が前進する。また、
これとは逆に、第1の油室30を低圧に、第2の油室3
1を高圧にすると、可動カップ部材20は主作動シリン
ダ22内に退入して、カップ本体24が後退する。一
方、第3の油室34を高圧、第4の油室35を低圧にす
ると、可動隔壁部材21が可動カップ部材20における
副作動シリンダ25から伸長する。つまり、可動隔壁部
材21の隔壁本体27は可動カップ部材20におけるカ
ップ本体24内を摺動して前進する。一方、第3の油室
34を低圧、第4の油室35を高圧にすると、可動隔壁
部材21が副作動シリンダ25内に退入して、隔壁本体
27がカップ本体24内で後退することになる。
【0024】可動隔壁部材21における軸部28には、
第4の油室35に開口する導油道36が形成されてお
り、また第1のピストン26には連通パイプ37が連結
して設けられ、この連通パイプ37は軸部28におい
て、油道36が開口する凹部に遊嵌状態にして挿入され
ている。ただし、第2のピストン29への挿通部は密閉
されている。従って、第2の油室31は連通路38,開
口37a及び導油道36を介して第4の油室35と連通
している。そして、この油道36と第2の油室31とは
連通路38及び連通パイプ37に設けた開口37aを介
して接続されている。さらに、第1のピストン26には
油路39設けられ、この油路39は第3の油室34とピ
ストン内室40とを常時連通させている。
【0025】ピストン内室40が設けられている第1の
ピストン26には流路切換弁23により開閉される切換
流路41が設けられており、ピストン内室40が第1の
油室30と連通・遮断されるようになっている。流路切
換弁23は中間部が小径部23sで、この小径部23s
の両端に大径部23a,23bが連設されている。ま
た、切換流路41において、第1の油室30側の開口端
と、ピストン内室40側への開口端とにはそれぞれシー
ル部42,43が形成されている。従って、流路切換弁
23の大径部23aがシール部42に当接するか、また
は大径部23bがシール部43に当接するかのいずれか
の状態では、第1の油室30とピストン内室40との連
通が遮断され、流路切換弁23がその中間位置になる
と、切換流路41を介して第1の油室30とピストン内
室40とが連通するようになっている。
【0026】流路切換弁23の両端面には、それぞれ第
1,第2の油室30,31の圧力が作用するようになっ
ている。従って、流路切換弁23はこれら第1,第2の
油室30,31間の差圧で切換流路41に沿って摺動す
る。そして、第1の油室30側が高圧となっている場合
には、流路切換弁23の大径部23bがシール部43と
当接し、第3の油室31が高圧になると、流路切換弁2
3の大径部23aがシール部42と当接して、切換流路
41が遮断される。そして、第1のピストン26の両ス
トロークエンドでは、流路切換弁23は主作動シリンダ
22の壁面22aまたは第1の油室30の端壁に押動さ
れて、流路切換弁23は両油室30,31内の圧力とは
無関係に切換流路41に沿って摺動変位して、その両大
径部23a,23bがシール部42,43から離間し
て、第1の油室30と、第2の油室31と連通している
ピストン内室40とが連通することになる。
【0027】泥土圧送手段17は以上のように構成され
るものであって、この泥土圧送手段17の作動により泥
土流入部15内に流入した泥土を排土管16に向けて圧
送することができる。そこで、図3に基づいて、この泥
土圧送手段17の作動について説明する。この泥土圧送
手段17は、密封工程と、圧送工程と、吸い込み工程と
を1サイクルとして、順次このサイクルを繰り返すこと
によって、間欠的に泥土の排出機能を発揮する。
【0028】まず、泥土圧送手段17の作動サイクル
は、図3(a)に示した状態から始まる。即ち、可動カ
ップ部材20及び可動隔壁部材21が最後退した位置で
ある。ここで、可動カップ部材20のカップ本体24は
排土管16の流入口16aに対面しており、カップ本体
24の内径は、流入口16aとほぼ同じになっている。
可動カップ部材20を移動させるのは、カップ本体24
を流入口16aに対して接離させるためである。
【0029】図3(a)に示した作動サイクル開始状態
では、可動カップ部材20のカップ本体24の内容積、
つまり可動隔壁部材21の隔壁本体27から先端開口ま
での空間が最も大きくなり、かつ流入口16aから離間
している。従って、このカップ本体24内には泥土が収
容されている。この状態で、第1のポート32に圧力を
立たせ、第2のポート33を低圧側とすると、主作動シ
リンダ22内で第1,第2の油室30,31間の差圧に
よって、第1のピストン26を含めて、可動カップ部材
20の全体が前進する。このときには、流路切換弁23
はこの差圧により大径部23bがシール部43と当接す
るので、第1の油室30とシリンダ内室40とは連通遮
断状態に保持される。その結果、シリンダ内室40に通
じる第3の油室34がロック状態となり、第4の油室3
5は第2の油室31と連通して低圧状態となっているの
で、可動隔壁部材21は可動カップ部材20に対して相
対移動することなく、この可動カップ部材20と一体的
に移動する。
【0030】そして、この可動カップ部材20の前進ス
トロークの終端近傍になると、図3(b)の過渡期を経
て図3(c)の状態になる。即ち、カップ本体24が排
土管16に接合すると共に、流路切換弁23が主作動シ
リンダ22の端面22aと当接して、この流路切換弁2
3が図中の左方向に押動されて、第1の油室30と第3
の油室34との間が連通状態となるように切り換わる。
これが可動カップ部材20の前進ストロークエンドであ
り、この位置でカップ本体24は泥土流入部15とは遮
断され、排土管16と連通する。つまり、カップ本体2
4は泥土流入部15に対して密封される。従って、可動
カップ部材20の前進ストロークが密封工程である。
【0031】図3(b)の状態からの過渡期を経て、図
3(c)の状態になると、可動カップ部材20の前進が
停止する。一方、副作動シリンダ25における第3の油
室34は、常時第2の油室31を介して低圧側の第2の
ポート33と連通しているので、第44の油室35は低
圧状態に保持されているが、流路切換弁23の切り換わ
りによって、第3の油室34がロック状態からシリンダ
内室40及び切換流路41を介して第1の油室30と連
通し、第1のポート32における圧力がこの第3の油室
34に導入されるので、隔壁本体27を含めて可動隔壁
部材21全体の前進が開始する。その結果、カップ本体
24の内部に収容した泥土が排土管16に向けて圧送さ
れる。この状態が図3(d)に示した第2のピストン2
9のストロークエンドまで続く。このストロークエンド
では、隔壁本体27はカップ部材24の開口端とほぼ一
致する位置、つまりカップ部材24の泥土収容部がほぼ
なくなる状態になる。これが圧送工程である。
【0032】可動隔壁部材21が前進ストロークエンド
に至ると、第1のポート32を低圧側に、第2のポート
33を高圧側に切り換える。従って、可動カップ部材2
0における第1のピストン26に作用する圧力によっ
て、可動カップ部材20の後退が開始する。即ち、図3
(e)に示したように、カップ本体24が流入口16a
から離間する。この時に、流路切換弁23にこの圧力が
作用して、その大径部23aがシール部43に当接する
ので、第1,第3の油室30,34の連通が遮断され
る。従って、隔壁本体27はカップ部材24の開口端と
一致する状態に保持されたまま、可動カップ部材20の
全体が主作動シリンダ22内に向けて後進する。
【0033】そして、可動カップ部材20の後進ストロ
ークエンド近傍に至ると、流路切換弁23の大径部23
bが第1の油室30の端壁に当接して、大径部23aを
シール部43から離間させる方向に変位させることによ
って、第3の油室34が低圧状態となっている第1の油
室30と連通することになる。その結果、図3(f)に
示したように、可動カップ部材20の可動隔壁部材21
がカップ本体24の内奥にまで移動し、この間にこのカ
ップ本体24の空間内に泥土流入部15内の泥土が入り
込むようになる。これが泥土の吸い込み工程である。そ
して、可動カップ部材20が後進ストロークエンドにま
で変位した時に、図3(a)の状態に復帰して泥土圧送
手段17の作動サイクルが終了する。
【0034】以上の動作を1サイクルとして、このサイ
クルを繰り返すことによって、先導体4による掘進時に
生じる余剰の泥土が排出される。ここで、この泥土圧送
手段17の泥土排出サイクルタイムは、推進ジャッキ5
による先導体4に作用する推力等との関係で定められ
る。即ち、先導体4が掘進する間において、この掘進箇
所の土圧をほぼ一定に保たなければならない。土圧が低
い場合には、掘削箇所において地盤が沈下するおそれが
ある。一方、土圧を高めるために、先導体4に作用する
推力と比較して、泥土圧送手段17の泥土排出サイクル
タイムを遅くすると、先導体4に対する推進抵抗が増大
して、掘進速度が遅くなり、作業効率が低下する。
【0035】ところで、先導体4に設けたカッタ11に
過大な負荷が作用しないように保護しなければならな
い。先導体4の掘進速度を速くすると、カッタ11の土
砂に対するくい込み量が大きくなって、そのトルクが増
大して、カッタ11を構成する各部が損傷する等の不都
合が生じることになる。従って、掘進速度及び掘進時に
おける土圧は、推進ジャッキ5による先導体4への推力
と、泥土圧送手段17の泥土排出量により変化する先導
体4の推進抵抗とに基づいて決まるが、掘進速度を設定
するに当っては、さらにカッタ11に作用するトルクの
大きさを勘案しなければならない。ここで、カッタ11
のトルクは掘進する切羽に応じて変化し、切羽が硬い場
合には、カッタ11のトルクが大きく、柔らかい土質で
あれば、カッタ11のトルクが小さい。
【0036】以上のことから、先導体4を円滑かつ確実
に、しかも効率よく掘進させるためには、切羽の性質に
合わせて、カッタ11に過大なトルクが作用しない範囲
でできるだけ掘進速度を速くするために、推進ジャッキ
5に供給される流量及び圧力を調整して、先導体4の推
力を所定の値となるように設定すると共に、地盤沈下等
の不都合が生じない土圧が生じる状態に保持可能なよう
に、泥土圧送手段17による泥土排出サイクルタイムを
設定する。ここで、カッタ11には損傷が生じる過大ト
ルクが作用すると、このカッタ11の回転を停止させ、
かつ推進ジャッキ5を緊急停止するインターロック機構
を備えている。従って、具体的にはカッタ11に作用す
るトルクがこのインターロック機構が作動しない範囲に
おいて、できるだけ掘進速度を速くすることが作業効率
の点で最も望ましい。
【0037】カッタ11に作用するトルクは、泥土圧送
手段17の泥土排出サイクルの間において変化する。そ
こで、図4にカッタ11のトルクの変動を示す。即ち、
先導体4に一定の推力が作用している状態で、泥土圧送
手段17が密閉工程に入ると、可動カップ部材20が泥
土流入部15内に進入する分だけこの泥土流入部15の
内部圧力が僅かではあるが上昇する。この泥土流入部1
5内の圧力が高いと、先導体4の推力に抗する方向の土
圧が働き、推進抵抗が増大する。従って、この間はカッ
タ11のトルクは変化しないか、僅かに低下する。圧送
工程では、泥土流入部15内の圧力が変化しないので、
カッタ11のトルクは変化しない。
【0038】然るに、吸い込み工程に入ると、可動カッ
プ部材20が泥土流入部15から退避し、かつ隔壁本体
27がカップ本体24内に退入するので、この泥土流入
部15内の圧力が低下することになり、特に隔壁本体2
7はカップ本体24内に退入させる方向に油圧が作用し
ているから、カップ本体24内の容積が急激に拡大し
て、泥土流入部15内には、流入口15aから急激に泥
土が流入することになる。その結果、瞬間的ではある
が、先導体4に作用する土圧が極端に小さくなり、この
先導体4の推力に対する抵抗がなくなってしまう。そう
なると、先導体4の推力が極端に大きくなって、カッタ
11のトルクが急激に増大する。
【0039】以上のことから、小口径管埋設機械を円滑
に作動させるとすれば、このカッタ11の最大トルク状
態でもインターロックが作動しないようにする必要があ
る。ただし、このカッタ11のトルクが最高値となるの
は泥土圧送手段17の吸い込み工程に入った直後に瞬間
的である。従って、この瞬時値を基準にして、先導体4
の推力を設定し、かつ泥土圧送手段17のサイクルを設
定したのでは、機械の効率的な作動というのには程遠い
ものとなる。一方、この瞬時的に起こるインターロック
を覚悟の上で、できるだけ機械効率を高めるように先導
体4の掘進速度の設定を行うようにすると、インターロ
ックの頻度が高くなり、このインターロックの解除操作
を頻繁に行わなければならず、やはり作業効率が低下す
ると共に、操作が著しく面倒なものとなる。
【0040】そこで、本発明においては、この瞬時的に
生じるカッタ11のトルクピークを緩和するようにして
いる。つまり、カッタ11に作用するトルクは、先導体
4に作用する推力との関係で定まり、推力を低下させれ
ば、カッタ11に作用するトルクも低下する。従って、
先導体4の掘進速度の制御機構の第1の構成としては、
図5に示したように、推進ジャッキ5のジャッキ本体5
aに対する流量制御を行うようにしたものである。
【0041】而して、図5において、50は泥土圧送手
段17用の油圧ポンプ、51は推進ジャッキ5用の油圧
ポンプ、52はタンクである。油圧ポンプ50からの高
圧側配管53及びタンク52に接続した低圧側配管54
は、電磁パイロット方式の方向切換弁55を介して主作
動シリンダ22に設けた第1,第2のポート32,33
に接続されている。方向切換弁55は、中立位置(イ)
と、第1のポート32が油圧ポンプ50に接続され、第
2のポート33がタンク52に接続されて可動カップ部
材20及び可動隔壁部材21が前進方向に作動する第1
の切換位置(ロ)と、第1のポート32がタンク52に
接続され、第2のポート33が油圧ポンプ50と接続さ
れて、可動カップ部材20及び可動隔壁部材21が後退
方向に作動する第2の切換位置(ハ)とに切り換わるよ
うになっている。
【0042】方向切換弁55の切り換えは、方向切換弁
55と、第1のポート32への接続配管56及び第2の
ポート33への接続配管57の圧力を検出する圧力セン
サ58,59の圧力を検出して、これらの検出圧力信号
をコントローラ60に取り込んで、このコントローラ6
0から方向切換弁55の電磁パイロット部を励磁するこ
とにより行われる。即ち、方向切換弁55を切換位置
(ハ)として、油圧ポンプ50からの圧油が接続配管5
6から第1のポート32に供給され、第2のポート33
が接続配管57を介してタンク52に接続させることに
よって、可動カップ部材20を前進させ(密封工程)、
次いで可動隔壁部材21を前進させて(圧送工程)、こ
れらが前進ストロークエンドに至ると、その状態で停止
することから、接続配管56の圧力が上昇する。この圧
力上昇を圧力センサ58で検出して、方向切換弁55を
切換位置(ハ)から切換位置(ロ)に切り換える。そう
すると、第2のポート33側が高圧、第1のポート32
が低圧になるので、可動カップ部材20及び可動隔壁2
1が後退する(吸い込み工程)が、そのストロークエン
ドに至ると、接続配管57の圧力が上昇して、圧力セン
サ59によりその圧力が検出される。従って、この圧力
上昇を検出した時に、方向切換弁55を再び切換位置
(ハ)に切り換える。
【0043】また、推進ジャッキ5を駆動するための油
圧ポンプ51からの高圧配管61と、タンク52に接続
した低圧配管62とは、方向切換弁63に接続されてい
る。そして、方向切換弁63とジャッキ本体5aの両チ
ャンバA,Bとの間にはそれぞれ接続配管64,65が
接続されている。そして、方向切換弁63は、中立位置
(ニ)と、ジャッキ本体5aのチャンバB側が油圧ポン
プ51と接続され、チャンバA側がタンク52と接続さ
れて、推進ジャッキ5による推進力が生じる切換位置
(ホ)と、次の小口径管3を接続するために、押動部材
5bを戻すために、ジャッキ本体5aのチャンバA側が
油圧ポンプ51と、チャンバB側がタンク52と接続さ
れる切換位置(ヘ)とに切り換わるようになっている。
そして、この方向切換弁63の切り換え操作はコントロ
ーラ60を介して行われる。
【0044】以上の構成において、高圧配管61には流
量制御弁66が設けられている。この流量制御弁66
は、コントローラ60からの信号に基づいて、流路全開
状態と絞り状態とに切り換え操作がなされるようになっ
ている。従って、この流量制御弁66が流路全開状態か
ら絞り状態に切り換わると、推進ジャッキ5による推力
が低下することになる。しかも、コントローラ60から
供給される電流値(若しくは電圧値)に応じて絞り量は
可変となっており、高圧配管61からの供給流量は実質
的に無段階で制御できるようになっている。
【0045】次に、図6にコントローラ60の回路構成
を示す。図中において、コントローラ60は、泥土圧送
手段17側の方向切換弁50の駆動制御を行う第1の切
換制御部70と、推進ジャッキ5側の方向切換弁51の
駆動制御を行う第2の切換制御部71と、流量制御弁6
6による推進ジャッキ5への圧油の供給流量を調整する
ための制御信号を生成する流量制御部72とを有し、さ
らに制御パラメータ設定部73及びそのメモリ74とを
備えている。また、圧力センサ58,59からの信号を
取り込んで、方向切換弁55の切換タイミングを制御す
る圧力検出部75も備えている。そして、これら各部の
制御はCPU76により行われる。さらに、コントロー
ラ60には掘進速度可変モードと、掘進速度不変モード
とに切り換える、つまり推進ジャッキ5への流量制御を
行うモードと流量制御をしないモードとに切り換えるた
めのモード切換部77が設けられており、このモード切
換部77にはモード変換用のスイッチ78が接続されて
いる。
【0046】制御パラメータ設定部73では、切羽に応
じて、また掘進距離に応じて、先導体4に必要な推力を
得るために、推進ジャッキ5への供給流量と、供給圧と
が設定されれる。また、泥土圧送手段17の作動サイク
ルタイムの設定も行われる。さらに、カッタ11の回転
速度等、小口径管埋設機械の制御に必要な各種のパラメ
ータの設定が行われる。さらに、この制御パラメータ設
定部73には、泥土圧送手段17の作動時において、そ
の吸い込み工程に入った時に作動する流量制御弁66に
よりどの程度にまで供給流量を絞るか、及び流量制御弁
66の作動時間の設定も行われる。これらのパラメータ
は複数種類の固定値として予め設定されたものから選択
するか、入力により設定するか、のいずれでも良い。ま
た、設定パラメータはメモリ74に格納される。
【0047】以上の構成によって、機械の作動が開始し
て、先導体4を掘進させるために、余剰の泥土を排出す
る泥土圧送手段17の作動時において、圧力検出部75
からの信号に基づいて、方向切換弁55が切り換わっ
て、泥土圧送手段17の圧送工程が終了し、吸い込み工
程に移行する時に、この信号が流量制御部72にも取り
込まれて、方向切換弁55の切り換え動作と連動して流
量制御弁66を作動させて、推進ジャッキ5への供給流
量を減少させる。これによって、推進ジャッキ5による
先導体4の推力が低下することになるので、この先導体
4による掘削速度、即ちカッタ11の土砂へのくい込み
量が減少する。その結果、カッタ11のトルクが異常に
高くなるのを防止でき、図4に点線で示したように、イ
ンターロック作動レベル以下にまでトルクを下げること
ができる。
【0048】ここで、流量制御弁66の作動による推進
ジャッキ5への供給流量の減少は、吸い込み工程に移行
した直後における瞬間的なもので良く、制御パラメータ
設定部73において設定された時間だけ流量制御弁66
による供給流量の低下が行われた後、元の状態に復帰す
る。これによって、カッタ11の保護が図られると共
に、掘進速度を格別低下させることはない。また、カッ
タ11のインターロック機構が作動することもなくな
る。
【0049】なお、配管埋設箇所における切羽が柔らか
く、前述した推力の調整を行わなくても、カッタ11の
トルクが異常に高くなるようなことがない場合には、ス
イッチ78により掘進速度不変モードを選択し、切羽が
硬い場合にのみ掘進速度可変モードを選択することがで
きる。従って、推進ジャッキ5による推力が不必要に変
動するのを防止できる。
【0050】ここで、図6に示した構成では、推進ジャ
ッキ5への供給流量を制御する構成としたが、この供給
流量に代えて、若しくは供給流量と共に供給圧力を制御
することによっても、推進ジャッキ5の推力を抑制でき
る。このためには、図7に示したように、方向切換弁6
3とジャッキ本体5aのチャンバB側と油圧ポンプ51
との間の接続配管64に圧力制御弁67を介在させる。
この圧力調整弁67は、切換位置(ト)と切換位置
(チ)とを有し、切換位置(ト)となっていると、ジャ
ッキ本体5aのチャンバBが方向切換弁63を介して油
圧ポンプ51に接続され、切換位置(チ)に切り換わる
と、チャンバBは戻り配管68を介してタンク52と連
通するようになっている。しかも、この切換位置(チ)
では、戻り油の流路は絞り67aにより絞られることに
なる。そして、この圧力制御弁67の作動制御は、前述
した流量制御弁66と同様、コントローラ60からの信
号に基づいて行われる。
【0051】このように構成することによっても、泥土
圧送手段17の作動ストロークにおいて、圧送工程が終
了して吸い込み工程に入った直後に圧力制御弁67を切
換位置(ト)から切換位置(チ)に切り換えることによ
って、推進ジャッキ5への供給圧力が低下することか
ら、その推力を低下させることができる。なお、タンク
52に戻す際に、絞り67aを介することによって、推
進ジャッキ5の圧力が極端に低下するのを防止できる。
従って、絞り67aにより規制される戻り油の流路断面
積は、吸い込み工程時にカッタ11のトルクがインター
ロック作動状態を越えないようにするのに必要最小限の
圧力低下を生じさせるのに適切な値に設定しておく。
【0052】さらに、推進ジャッキ5による推力を制御
するのではなく、先導体4が掘進する際の推進抵抗を増
大させるようにしても、カッタトルクが極端に高くなる
のを抑制することができる。即ち、図8に示したよう
に、粘性付与液供給部12に粘性付与液を供給する供給
管13は、ポンプ80により粘性付与液タンク81から
圧送されるようになっているが、このポンプ80の下流
側に流量制御弁82を設ける構成とする。常時には、流
量制御弁82による粘性付与液の供給量を絞るように設
定しておき、泥土圧送手段17が吸い込み工程に入った
時に、コントローラ60からの制御信号に基づいて流量
制御弁82の流路を広げるようにする。これによって、
多量の粘性付与液が先導体4の前部に供給されて、推進
抵抗が増大することになる。その結果、この先導体4の
掘進速度が遅くなり、カッタ11の保護が図られる。
【0053】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、小
口径管埋設機械の作動において、その先導体による掘進
速度を低下させることなく、カッタユニットに過大なト
ルクが作用しないように保護し、効率的な作業を可能に
する等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す小口径管埋設機械
全体の概略構成図である。
【図2】図1の小口径管埋設機械に用いられる泥土圧送
手段の断面図である。
【図3】図2の泥土圧送手段の作動説明図である。
【図4】泥土圧送手段の作動1サイクルでのカッタトル
クの変化を示す線図である。
【図5】本発明の小口径管埋設機械における先導体の掘
進速度制御機構の第1の具体的構成を示す回路構成図で
ある。
【図6】図5のコントローラの回路構成図である。
【図7】本発明の小口径管埋設機械における先導体の掘
進速度制御機構の第2の具体的構成を示す回路構成図で
ある。
【図8】本発明の小口径管埋設機械における先導体の掘
進速度制御機構の第3の具体的構成を示す回路構成図で
ある。
【符号の説明】
1 発進立坑 2 配管埋設用横坑 3 小口径管 4 先導体 5 推進ジャッキ 10 カッタヘッド 11 カッタ 12 粘性付与液供給部 13 供給管 15 泥土流入部 16 排土管 16a 排出口 17 泥土圧送手段 20 可動カップ部材 21 可動隔壁部材 24 カップ本体 27 隔壁本体 50,51 油圧ポンプ 52 タンク 55,63 方向切換弁 58,59 圧力センサ 60 コントローラ 66,82 流量制御弁 67 圧力制御弁 68 戻り配管 80 ポンプ 81 粘性付与液タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茂呂 隆 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D054 AC18 DA15 FA03 GA08 GA13 GA25 GA34 GA58 GA63

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に回転式のカッタと粘性付与液の供
    給部とを設けた先導体と、この先導体に推力を与える推
    進ジャッキと、この推進ジャッキにより前記先導体が掘
    進する際に押し退けられ、前記カッタにより掘削された
    土砂と粘性付与液が混合した泥土を排出するピストンポ
    ンプからなる泥土圧送手段とを備え、先導体の掘進によ
    り小口径管を埋設するものであり、 前記泥土圧送手段は密封、圧送、吸い込みの各工程を1
    サイクルとして、このサイクルを繰り返すことにより泥
    土を排出するようになし、 この泥土圧送手段の圧送工程から吸い込み工程への移行
    時に所定時間だけ前記推進ジャッキの推進速度を遅くす
    ることを特徴とする小口径管埋設機械の掘進制御方法。
  2. 【請求項2】 前記推進ジャッキを油圧駆動式としたも
    のであり、前記吸い込み工程開始時に所定の時間だけこ
    の推進ジャッキへの供給油量または供給圧力の少なくと
    も一方を低下させることを特徴とする請求項1記載の小
    口径管埋設機械の掘進制御方法。
  3. 【請求項3】 前記吸い込み工程開始時に前記粘性付与
    液の供給量を増大させることを特徴とする請求項1記載
    の小口径管埋設機械の推進制御方法。
  4. 【請求項4】 先端に回転式のカッタと粘性付与液の供
    給部とを設けた先導体と、この先導体を押動する推進ジ
    ャッキと、この推進ジャッキにより前記先導体が掘進す
    る際に押し退けられた土砂を排出するために、密封、圧
    送、吸い込みの各工程を1サイクルとして、このサイク
    ルを繰り返すことにより泥土を排出する土砂圧送用のピ
    ストンポンプからなる泥土圧送手段とを備えた小口径管
    埋設機械の掘進制御装置において、 前記先導体の掘進速度を可変にする掘進速度可変手段
    と、 前記泥土圧送手段のピストンポンプの作動状態を検出す
    るポンプ作動検出手段とを備え、 前記ポンプ作動検出手段により検出される前記ピストン
    ポンプの圧送工程から吸い込み工程への移行時に、前記
    掘進速度可変手段により所定時間だけ前記推進ジャッキ
    の推進速度を遅くするように制御する構成としたことを
    特徴とする小口径管埋設機械の掘進制御装置。
  5. 【請求項5】 前記推進ジャッキを油圧駆動式としたも
    のであり、前記掘進速度可変手段は、前記吸い込み工程
    開始時に所定の時間だけこの推進ジャッキへの供給油量
    または供給圧力の少なくとも一方を低下させる制御弁で
    構成したことを特徴とする請求項4記載の小口径管埋設
    機械の掘進制御装置。
  6. 【請求項6】 前記掘進速度可変手段は、前記供給部か
    らの粘性付与液の供給流量を変化させる粘性付与液流量
    制御弁で構成したことを特徴とする請求項4記載の小口
    径管埋設機械の掘進制御装置。
  7. 【請求項7】 前記ポンプ作動検出手段は、前記ピスト
    ンポンプへの供給圧力の変化を検出する圧力検出手段で
    構成したことを特徴とする請求項5または請求項6のい
    ずれかに記載の小口径管埋設機械の掘進制御装置。
  8. 【請求項8】 前記掘進速度可変モードと、掘進速度不
    変モードとを選択するための切換手段を備える構成とし
    たことを特徴とする請求項4記載の小口径管埋設機械の
    掘進制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107152286A (zh) * 2017-06-28 2017-09-12 中船重型装备有限公司 一种用于盾构机的刀盘变频控制柜电驱扭矩脱困系统及方法

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CN107152286A (zh) * 2017-06-28 2017-09-12 中船重型装备有限公司 一种用于盾构机的刀盘变频控制柜电驱扭矩脱困系统及方法

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