JPH10205284A - トンネル掘削方法とトンネル掘削機 - Google Patents

トンネル掘削方法とトンネル掘削機

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JPH10205284A
JPH10205284A JP891597A JP891597A JPH10205284A JP H10205284 A JPH10205284 A JP H10205284A JP 891597 A JP891597 A JP 891597A JP 891597 A JP891597 A JP 891597A JP H10205284 A JPH10205284 A JP H10205284A
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稔 田山
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清 土屋
Kazunori Ueda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】突発的な大量の湧水が生じた場合においても、
その湧水を外部に流出させることができ、湧水を止める
ために掘削機本体外周に設ける流体圧パッキングの寿命
を延命化しうるトンネル掘削方法とトンネル掘削機を提
供する。 【解決手段】ホッパ内60の水位により送水ポンプ15
による送水量を制御するか、あるいはサクションポンプ
21による排水量を制御することにより、ホッパ内の水
位を所定レベルに制御する。ホッパ60内水位の異常上
昇時にサクションポンプ21による排水量を増大させる
か、あるいは送水ポンプ15による送水量を減少あるい
は無くする。切羽38からの湧水を止める流体圧パッキ
ング33を設ける。チャンバ2内水位の異常上昇時に、
その水位が高い程流体圧パッキング33内に供給する流
体圧を高くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カッタディスクに
より切羽を掘削し、掘削土砂をホッパに集積し、集積し
た土砂を水と共に隔壁の外部に排出しながら掘削を行う
トンネル掘削方法とトンネル掘削機に係り、特に湧水に
対する対処方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トンネル掘削機において、湧水対策を施
したものとして、実公平2−20316号公報に開示さ
れたものがある。このトンネル掘削機は、図6に示すよ
うに、掘削機本体19が、前胴39、伸縮式の中胴4
0、後胴35が屈曲自在に接合されて構成され、前胴3
9および後胴35に流体圧パッキング33、34を設
け、これらの流体圧パッキング33、34の内部に流体
を圧入することによって膨張させ、坑壁7へ流体圧パッ
キング33、34を密着させることにより、掘削機本体
39と坑壁7との間の湧水の通過を阻むように構成した
ものである。
【0003】図6の流体圧パッキング33、34を設け
たトンネル掘削機により掘削を行う場合、切羽38等か
ら湧水が生じた場合には、後胴35に設けた流体圧パッ
キング34を坑壁7に向けて膨出させ、この状態でスラ
ストジャッキ63を伸長させながらモータ59によりカ
ッタディスク54を回転させ、カッタディスク54によ
り掘削した土砂を、隔壁45とカッタディスク54との
間に設けたホッパ60に落し、隔壁54の外部に、流体
式コンベアである排泥管61により、取込口65aから
水と共に搬出する。この場合、湧水は、土砂と共にホッ
パ60から搬出される。
【0004】スラストジャッキ63の1ストローク分の
掘削が終了すると、前胴39に設けた流体圧パッキング
33を坑壁7に向けて膨出させて切羽38側からの湧水
を止水し、、後胴35側の流体圧パッキング34を縮小
させる。そしてスラストジャッキ63を収縮させ、中胴
40を収縮させて後胴35側を切羽38側に引き寄せ
る。そして再度後胴35側の流体圧パッキング34を膨
出させ、前胴39側流体圧パッキング33を収縮させ、
前述の掘削工程に入るという動作を繰り返すことによ
り、湧水のある硬岩層を掘削する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
トンネル掘削機においては、流体圧パッキング33、3
4によって止水することにより、湧水が後方に漏れるこ
とを防止している。しかし、湧水が突発的に起こり、水
圧の高い湧水が生じて隔壁45とカッタディスク54と
の間のチャンバ2に充満し、隔壁45を押した場合、水
圧によっては掘削機本体19が後方に戻されることがあ
り、危険である。
【0006】また、突発的に多量の湧水が生じた場合、
その湧水が掘削機本体19と坑壁7との間を通って後方
に移動し、掘削したトンネル内への湧水が続き、湧水に
対する対応が遅れるという問題点がある。
【0007】また、いかなる水圧の湧水に対しても流体
圧パッキング33、34による流体圧パッキング作用が
有効に機能するためには、流体圧パッキング33、34
に圧入する流体圧を、想定される湧水圧の最高圧に設定
しなければならず、流体圧パッキング33、34を最高
圧で膨張させることとなり、流体圧パッキング33、3
4の寿命を短命化するという問題点がある。
【0008】本発明は、上記した問題点に鑑み、突発的
な大量の湧水が生じた場合においても、その湧水を外部
に流出させることができ、掘削機本体内が大量の湧水が
漏出し滞留することが防止でき、湧水によって掘削機本
体が後方に押される事態の発生を回避できるトンネル掘
削方法とトンネル掘削機を提供することを第1の目的と
する。
【0009】本発明の第2の目的は、湧水を止めるため
に掘削機本体外周に設ける流体圧パッキングの寿命を延
命化しうるトンネル掘削方法とトンネル掘削機を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1〜請求項4は上
記第1の目的を達成するものであり、請求項1の発明
は、 掘削機本体の前部に設けたカッタディスクにより
切羽を掘削し、掘削した土砂を隔壁とカッタディスクと
の間のチャンバ内に設けたホッパに集積させ、該ホッパ
内に隔壁の外部から送水ポンプにより水を供給すると共
に、ホッパ内の泥水を土砂と共にサクションポンプによ
り排水し、ホッパ内の水位により前記送水ポンプによる
送水量を制御することにより、ホッパ内の水位を所定レ
ベルに制御し、ホッパ内水位の異常上昇時にサクション
ポンプによる排水量を増大させることを特徴とするトン
ネル掘削方法である。
【0011】請求項2の発明は、掘削機本体の前面に設
けられたカッタディスクと、カッタディスクと隔壁との
間に形成されるチャンバと、前記チャンバ内に設けら
れ、カッタディスクの回転により掘削された土砂を集積
するホッパと、該ホッパ内に水を供給する送水ポンプ
と、前記ホッパ内の泥水を土砂と共に排水するサクショ
ンポンプと、前記ホッパ内の水位を検出する水位検出手
段と、該水位検出手段により検出される水位により前記
送水ポンプによる送水量を制御して該ホッパ内水位を所
定レベルに保つ水位制御手段と、ホッパ内水位の異常上
昇時に前記サクションポンプによる排水量を増大させる
排水制御装置とを備えたことを特徴とするトンネル掘削
機である。
【0012】請求項3の発明は、掘削機本体の前面に設
けたカッタディスクにより切羽を掘削し、掘削した土砂
を隔壁とカッタディスクとの間のチャンバ内に設けたホ
ッパに集積させ、該ホッパ内に隔壁の外部から送水ポン
プにより水を供給すると共に、ホッパ内の泥水を土砂と
共にサクションポンプにより排水し、ホッパ内の水位に
より前記サクションポンプによる排水量を制御すること
により、ホッパ内の水位を所定レベルに制御し、ホッパ
内水位の異常上昇時に送水ポンプによる送水量を減少ま
たは無くすことを特徴とするトンネル掘削方法である。
【0013】請求項4の発明は、掘削機本体の前面に設
けられたカッタディスクと、カッタディスクと隔壁との
間に形成されるチャンバと、前記チャンバ内に設けら
れ、カッタディスクの回転により掘削された土砂を集積
するホッパと、該ホッパ内に水を供給する送水ポンプ
と、前記ホッパ内の泥水を土砂と共に排水するサクショ
ンポンプと、前記ホッパ内の水位を検出する水位検出手
段と、該水位検出手段により検出される水位により前記
サクションポンプによる排水量を制御して該ホッパ内水
位を所定レベルに保つ水位制御手段と、ホッパ内水位の
異常上昇時に前記送水ポンプによる送水量を減少または
無くす送水制御装置とを備えたことを特徴とするトンネ
ル掘削機である。
【0014】請求項5の発明は、掘削機本体の外周側ス
キンプレートに、全周にわたって凹部を設け、該凹部
に、内部に流体を圧入することにより膨張して坑壁に押
し付けられることにより、切羽からの湧水を止める流体
圧パッキングを設け、チャンバ内水位の異常上昇時に、
その水位が高い程前記流体圧パッキング内に供給する流
体圧を高くすることを特徴とするトンネル掘削方法であ
る。
【0015】請求項6の発明は、掘削機本体の外周側ス
キンプレートに、全周にわたって設けた凹部と、該凹部
に設けられ、内部に流体を圧入することにより膨張して
坑壁に押し付けられることにより、切羽からの湧水を止
める流体圧パッキングと、チャンバ内水位の異常上昇を
検出する水位検出手段と、該水位検出手段により水位以
上が検出された際に、その水位が高い程前記流体圧パッ
キングに供給する流体圧を大とする流体圧制御手段とを
備えたことを特徴とするトンネル掘削機である。
【0016】
【作用】請求項1ないし4においては、通常のホッパ内
の水位制御は送水ポンプまたはサクションポンプの流量
制御により行い、突発的な湧水によりホッパ内(チャン
バ内)水位が通常制御では制御できないレベルにまで達
すると、サクションポンプの排水量を増大させるか、あ
るいは送水ポンプの送水量を減少あるいはゼロとする。
【0017】請求項5、6においては、チャンバ内の水
位の異常上昇時には、その水位に応じて掘削機本体外周
の流体圧パッキングの流体圧を変化させることにより、
流体圧パッキングには湧水の水圧に適した流体圧が供給
され、不必要に高い流体圧が流体圧パッキングに供給さ
れない。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明によるトンネル掘削
方法を実施するトンネル掘削機の一実施例を示す縦断面
図、図2は該トンネル掘削機の構成図、図3は該実施例
の前部の拡大断面図、図4(A)は流体圧パッキングを
示す図3のA部拡大図である。
【0019】図1において、19は鋼材でなる円筒状の
掘削機本体であり、本例においては、前胴39、中胴4
0、後胴35によりそれぞれ中折れ部41、42におい
て屈曲可能に接合させて構成しているが、一体構造とし
ても良い。中胴40は前部筒(内筒)40aと後部筒
(外筒)40bとが摺動自在に嵌合され、掘削機本体1
9の内面に添って複数本配設されたスラストジャッキ6
3により中胴40の伸縮がなされると共に、スラストジ
ャッキ63のストローク差により、中折れ部42におけ
る屈曲角が設定される。前胴39と中胴40との中折れ
角は、両者間に掘削機本体19の内面に添って複数本配
設された中折れジャッキ73のストローク差により設定
される。
【0020】70は前部筒40aに設けられたフロント
グリッパ、71は後胴35に設けられたリヤーグリッパ
であり、それぞれ掘削機本体19から坑壁7に突出させ
て圧接させることにより、地山に掘削機本体19の前
部、後部を固定するものである。なお、本実施例におい
ては、フロントグリッパ70を実公平2−20316号
公報に記載のように前胴39に設けるのではなく、前部
筒40aに設け、また、スラストジャッキ63の前端を
前部筒40aに連結することにより、隔壁45近傍のス
ペースを広くして隔壁45に設ける出入り口を広くし、
これにより、カッタディスク54のカッタ51の摩耗に
よる交換が容易となるように構成している。
【0021】カッタディスク54は、前胴39の隔壁4
5より前方にカッターシール43、44を設けて回転自
在に取付けられ、カッタディスク54と隔壁45との間
にはチャンバ2が形成される。カッタディスク54には
カッタ51とバケット54aが取付けられる。隔壁45
の左右には、カッタディスク54を回転駆動するための
駆動モータ59が取付けられ、駆動力伝達機構(図示せ
ず)によりカッタディスク54が回転されるように構成
される。
【0022】チャンバ2内には、隔壁45に固定して、
カッタディスク54による掘削土砂を集積させるホッパ
60が設けられる。11はホッパ60内に水を供給する
送水装置であり、該送水装置11は、図2に示す地上の
送水タンク12と、送水管14と、送水ポンプ15と、
開閉バルブ17とからなり、送水管14は前記隔壁45
を貫通し、ホッパ60内の前方の底部において、噴出口
13を後向きに配置し、これにより土砂が水により押さ
れて容易に搬出できるようにしている。
【0023】61はホッパ60内の掘削土砂を水と共に
隔壁45の外部に排出する排泥管であり、該排泥管61
の吸込口61aは、ホッパ60内において前記噴出口1
3に対向して設ける。排泥管61には、開閉バルブ28
と、サクションポンプ21が設けられる。サクションポ
ンプ21の吐出側には、上流側から、クラッシャ22、
オープンタンク23および排泥ポンプ24が順次配置さ
れ、各々の間は排泥管61b〜61dにより接続され、
排泥ポンプ24の吐出側排泥管61eは地上の処理装置
29に接続される。
【0024】4はホッパ60内の水位検出手段としてホ
ッパ60の底部に設けた水圧計であり、該水圧計4の検
出信号を送る信号ケーブル26a、26bは、それぞれ
送水ポンプ15の制御装置15aと、サクションポンプ
21の制御装置21aに接続されている。本例において
は、該水圧計4と信号ケーブル26aと送水ポンプ15
の制御装置15aとホッパ60内の水位を所定レベルに
保つ水位制御手段を構成している。また、サクションポ
ンプ21の制御装置21aとにより、湧水による異常増
水時の排水制御手段を構成している。
【0025】掘削機本体19の外周のスキンプレートに
は、全周にわたって図4(A)に示すように凹部19a
が形成され、該凹部19aに、流体圧パッキング33が
全周一体にエンドレスに設けられている。本例において
は、該流体圧パッキング33の両側にプレート33bを
重ね、ボルト33cによってプレート33bと共に流体
圧パッキング33の両側を固定することにより、流体圧
パッキング33の内側に、注水管33dから注水するこ
とにより流体圧パッキング33を膨出させる圧力室33
aを形成している。
【0026】図2に示すように、流体圧パッキング33
に圧送する流体である水を供給する装置8は、オープン
タンク23の水を前記圧力室33aに供給するための前
記注水管33dと、該注水管33dに設けられ、制御装
置9aを有する注水ポンプ9と、開閉バルブ10とから
なる。
【0027】図2、図3、図4(A)において、5は圧
力室33a内の圧力を検出する圧力計であり、該圧力計
5の検出信号を送る信号ケーブル27は、圧力室33a
の流体圧を制御するための流体圧コントローラ80に接
続され、また、前記水圧計4の検出信号を送る信号ケー
ブル25が該流体圧コントローラ80に接続されてい
る。
【0028】前記圧力室33aには、その中の流体
(水)の圧力が高すぎる場合に水抜きを行うため、開閉
バルブ30を有する水抜き管20の一端が接続され、該
水抜き管20の他端はオープンタンク23に接続されて
いる。前記流体圧コントローラ80の制御信号は、注水
ポンプ9の制御装置9aと、開閉バルブ10、30の開
閉装置に加えられる。
【0029】図4(B)は前記流体圧コントローラ80
の構成を示す図であり、該コントローラ80は、水圧計
4の検出信号から図4(C)に示すように、通常の水位
の範囲Eの上限L1(あるいはこの上限L1より所定レ
ベル高い)の水位を超えることを表示する検出信号が発
生した場合に、湧水と判断して圧力室33aの設定信号
P1を発生させる圧力信号発生手段81と、該圧力信号
発生手段81による設定信号P1と圧力計5による圧力
室33aの圧力検出信号P2とを比較する比較制御手段
82と、比較結果の偏差がある場合にP1=P2となる
ように前記注水ポンプ9の制御装置9aに起動、停止信
号を送ると共に、開閉バルブ10、30に開閉信号を送
るドライバ回路83と、通常の水位の範囲Eの上限L1
の水位を超えることを表示する検出信号が発生した場合
に、ドライバ回路83の入力回路を、手動操作装置85
側の出力側から比較制御手段82の出力側に切り換える
スイッチ回路84からなるものである。
【0030】このトンネル掘削機の作動は次のようにな
される。まず、開閉バルブ17を開き、送水ポンプ15
の作動により送水タンク12内の水を送水管14を介し
てホッパ60に送る。そしてある程度ホッパ60内の水
位Lが上がった時点で排泥管61に設けた開閉バルブ2
8を開くと共に、サクションポンプ21を作動させる。
そして所定のレベルに水位Lが保たれるように送水量を
制御する。
【0031】この状態として、駆動モータ59の運転に
よりカッタディスク54を回転させ、カッタ51が切羽
38を掘削する。掘削された土砂3はバケット54aに
載り、カッタディスク54の回転によって周期的にホッ
パ60に落下する。落下した土砂は、送水管14によっ
て予めホッパ60内に供給された水6と共に、回転する
サクションポンプ21の回転力により吸引される。吸引
された土砂は、クラッシャ22に送られ、クラッシャ2
2で処理した後、オープンタンク23に送られる。オー
プンタンク23の送られた土砂は、排泥ポンプ24によ
り処理装置29に排出される。
【0032】このようなサクションポンプ21による土
砂の排出を行う場合、ホッパ60に集積される土砂3と
送水量と、排出される水量とがアンバランスとなり、水
位Lが下がって空気を吸込み、排出ができなくなる事態
の発生を防止する必要がある。このため、水圧計4によ
り検出される信号を信号ケーブル26aによって送水ポ
ンプ15の制御部15aに伝送し、送水ポンプ15の単
位時間t当りの送水量Qの制御を行う。この送水量Qの
制御は、図5(A)に示すように、水位Lが高いほど送
水量を減少させるように行うことによって、水位を所定
のレベルに維持する。
【0033】湧水の発生が作業員によって確認された場
合、図4(B)に示した手動操作装置85を操作して注
水ポンプ9の作動、開閉バルブ10の開閉を行って流体
圧パッキング33を膨張させて止水する。この場合、圧
力計5の表示を監視できるようにしておいて、漏水の程
度に応じた流体圧が設定されるようにする。
【0034】湧水により、図3に示すように、水位Lが
L’のように上昇すると、通常の水位レベルLにおける
水圧計4からの深さHから深さがΔHだけ増えたH’と
なり、このため、水圧計4の検出信号が増大する。ここ
で、水位がL1を超えると、流体圧パッキング33が膨
出しているか否かに拘らず、図4(B)のスイッチ回路
84が比較制御手段82側に自動的に切り換わり、流体
圧コントローラ80により開閉バルブ10を開け、かつ
注水ポンプ9を作動させて流体圧パッキング33の圧力
室33aに水を供給して流体圧パッキング33を地山7
に押し付けることにより、湧水が掘削機本体19の後方
に流れることを防止する。
【0035】また、図5(A)に示すように、水位がL
1以下である場合にはサクションポンプ21による排水
量を一定(制御線cで示す)または水位増大と共に増加
(制御線dで示す)させることとし、この範囲Eを超え
る(すなわち水位がL1を超える)と、排水量をeで示
すように通常範囲Eより排水量を増やすか、あるいは水
位に対する割合を増やす制御を行うことにより、突発的
な湧水による水位の急激な増大を防止することができ
る。
【0036】図5(B)は水位制御の他の例であり、本
例においては、ホッパ60内の水位Lが通常範囲の上限
L1を超えた場合等には、線g、hに示すように、サク
ションポンプ21を最大流量に設定し、送水量をゼロに
したものである。このように設定すれば、より迅速に通
常範囲Eに戻すことが可能となる。この他、送水量や排
水量を段階的に増減させる方法もあり、また、図5
(A)の制御線eと図5(B)の制御線hの組み合わせ
や、図5(A)の制御線fと図5(B)の制御線gの組
み合わせ等、種々の制御態様を採用することができる。
【0037】ここで、図4(C)に示すように、ホッパ
60の水位の増大、すなわち水圧計4の検出信号に呼応
して流体圧パッキング33の圧力室33aへの水圧を増
大させ、図4(B)に示すように、圧力信号発生手段8
1による設定信号P1と圧力計5による圧力室33aの
圧力検出信号P2とを比較してP1=P2となるまで前
記注水ポンプ9の注水を行い、圧力室33aの水圧を制
御することにより、湧水の圧力に応じた流体圧を設定で
きる。また、圧力室33aの水圧が湧水圧に対して高す
ぎる場合には、流体圧コントローラ80は開閉バルブ3
0を開いて圧力室33a内の水の一部をオープンタンク
23に逃がして水圧を低下させる。これにより必要以上
の流体圧が流体圧パッキング33に供給されることによ
り生じる流体圧パッキング33の短命化を防ぐことがで
きる。
【0038】なお圧力室33aに供給する流体としては
水ではなく空気を使用することができる。
【0039】図5(C)、(D)はホッパ60内水位L
の他の制御例であり、これらは、通常の水位レベルの範
囲Eにおいては、主としてサクションポンプ21の排出
量を制御線iで示すように変化させることによって水位
Lを所定レベルに制御し、かつ送水量Qは制御線jで示
すようにほぼ一定とし、湧水発生により、通常範囲Eの
上限レベルL1を超えた場合等においては、図5(C)
の制御線hに示すように、送水量Qをゼロにして排水量
を制御線eで示すように増大させるか、あるいは図5
(D)の制御線gに示すように、サクションポンプ21
の排水量を最大限に増大させ、かつ制御線fに示すよう
に送水量を水位上昇に伴って減少させる等の制御を行う
ものである。このようにポンプ15、21を制御して
も、湧水によりチャンバ2内が充満し、なおかつ湧水が
隔壁45を押して掘削機本体19を後方に押すという危
険の発生を防止できる。
【0040】なお、上記実施例においては、掘削機本体
19の外周の1箇所に流体圧パッキング33を設けた例
について示したが、実公平2−20316号公報に示し
たように、前胴39と後胴35にそれぞれ流体圧パッキ
ングを設け、地山に対して移動していない流体圧パッキ
ングのみを坑壁7に当接させるような制御を行ってもよ
い。
【0041】
【発明の効果】請求項1ないし請求項4によれば、突発
的な湧水によりホッパ内(チャンバ内)水位が通常制御
では制御できないレベルにまで達すると、サクションポ
ンプの排水量を増大させるか、あるいは送水ポンプの送
水量を減少あるいはゼロとするようにしたので、突発的
に大量の湧水が生じた場合においても、その湧水を外部
に流出させることができ、掘削機本体内が大量の湧水が
漏出し滞留することが防止できる。また、湧水がチャン
バ内に充満して掘削機本体が後方に押されるという危険
を回避することができる。
【0042】また、湧水に対して、専用のポンプ等の特
別の設備を必要としないので、経済的に実施できる。
【0043】また、掘進停止時においては、水圧計等の
水位検出手段、流体圧パッキングへの流体供給手段、排
出ライン等が作動できるように電源を入れておくことに
より、湧水量に応じてサクションポンプによる自動排水
が可能であり、安全性が高まる。
【0044】また、請求項3、4のように、湧水による
異常水位上昇時には送水ポンプによる送水量を減少また
は無くすことにより、湧水による土砂の排出が可能とな
り、ホッパ内への供給水の量を減少あるいは無くするこ
とができ、経済的である。
【0045】請求項5、6によれば、チャンバ内の水位
の異常上昇時には、その水位に応じて掘削機本体外周の
流体圧パッキングの流体圧を変化させることにより、流
体圧パッキングには湧水の水圧に適した流体圧が供給さ
れ、不必要に高い流体圧が流体圧パッキングに供給され
ないようにしたので、湧水を止めるために掘削機本体外
周に設ける流体圧パッキングの寿命を延命化しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトンネル掘削方法を実施するトン
ネル掘削機の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の実施例のトンネル掘削機の構成図であ
る。
【図3】図1の実施例のトンネル掘削機の前部の拡大断
面図である。
【図4】(A)は流体圧パッキングを示す図3のA部拡
大図、(B)は流体圧コントローラの構成図、(C)は
流体圧コントローラの制御を説明する水位と圧力室設定
圧力信号との関係図である。
【図5】(A)ないし(D)は図1ないし図3の実施例
におけるホッパ内水位制御態様を説明する水位と送水量
および排水量との関係図である。
【図6】従来のトンネル掘削機を示す縦断面図である。
【符号の説明】
2:チャンバ、4:水圧計、5:圧力計、6:水、7:
坑壁、8:注水装置、9:注水ポンプ、9a:制御装
置、10、30:開閉バルブ、11:送水装置、12:
送水タンク、14:送水管、15:送水ポンプ、15
a:制御装置、19:掘削機本体、20:水抜き管、2
1:サクションポンプ、21a:制御装置、22:クラ
ッシャ、23:オープンタンク、24:排泥ポンプ、2
5、26a、26b、27:信号ケーブル、29:処理
装置、33:流体圧パッキング、33a:圧力室、3
5:後胴、39:前胴、40:中胴、40a:前部筒、
40b:後部筒、41、42:中折れ部、45:隔壁、
54:カッタディスク、59:カッタディスク回転用駆
動モータ、60:ホッパ、61:排泥管、70:フロン
トグリッパ、71:リヤーグリッパ、80:流体圧コン
トローラ、81:圧力信号発生手段、82:比較制御手
段、83:ドライバ回路、84:スイッチ回路、85:
手動操作回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】掘削機本体の前部に設けたカッタディスク
    により切羽を掘削し、 掘削した土砂を隔壁とカッタディスクとの間のチャンバ
    内に設けたホッパに集積させ、 該ホッパ内に隔壁の外部から送水ポンプにより水を供給
    すると共に、ホッパ内の泥水を土砂と共にサクションポ
    ンプにより排水し、 ホッパ内の水位により前記送水ポンプによる送水量を制
    御することにより、ホッパ内の水位を所定レベルに制御
    し、 ホッパ内水位の異常上昇時にサクションポンプによる排
    水量を増大させることを特徴とするトンネル掘削方法。
  2. 【請求項2】掘削機本体の前面に設けられたカッタディ
    スクと、 カッタディスクと隔壁との間に形成されるチャンバと、 前記チャンバ内に設けられ、カッタディスクの回転によ
    り掘削された土砂を集積するホッパと、 該ホッパ内に水を供給する送水ポンプと、 前記ホッパ内の泥水を土砂と共に排水するサクションポ
    ンプと、 前記ホッパ内の水位を検出する水位検出手段と、 該水位検出手段により検出される水位により前記送水ポ
    ンプによる送水量を制御して該ホッパ内水位を所定レベ
    ルに保つ水位制御手段と、 ホッパ内水位の異常上昇時に前記サクションポンプによ
    る排水量を増大させる排水制御装置とを備えたことを特
    徴とするトンネル掘削機。
  3. 【請求項3】掘削機本体の前面に設けたカッタディスク
    により切羽を掘削し、 掘削した土砂を隔壁とカッタディスクとの間のチャンバ
    内に設けたホッパに集積させ、 該ホッパ内に隔壁の外部から送水ポンプにより水を供給
    すると共に、ホッパ内の泥水を土砂と共にサクションポ
    ンプにより排水し、 ホッパ内の水位により前記サクションポンプによる排水
    量を制御することにより、ホッパ内の水位を所定レベル
    に制御し、 ホッパ内水位の異常上昇時に送水ポンプによる送水量を
    減少または無くすことを特徴とするトンネル掘削方法。
  4. 【請求項4】掘削機本体の前面に設けられたカッタディ
    スクと、 カッタディスクと隔壁との間に形成されるチャンバと、 前記チャンバ内に設けられ、カッタディスクの回転によ
    り掘削された土砂を集積するホッパと、 該ホッパ内に水を供給する送水ポンプと、 前記ホッパ内の泥水を土砂と共に排水するサクションポ
    ンプと、 前記ホッパ内の水位を検出する水位検出手段と、 該水位検出手段により検出される水位により前記サクシ
    ョンポンプによる排水量を制御して該ホッパ内水位を所
    定レベルに保つ水位制御手段と、 ホッパ内水位の異常上昇時に前記送水ポンプによる送水
    量を減少または無くす送水制御装置とを備えたことを特
    徴とするトンネル掘削機。
  5. 【請求項5】掘削機本体の外周側スキンプレートに、全
    周にわたって凹部を設け、 該凹部に、内部に流体を圧入することにより膨張して坑
    壁に押し付けられることにより、切羽からの湧水を止め
    る流体圧パッキングを設け、 チャンバ内水位の異常上昇時に、その水位が高い程前記
    流体圧パッキング内に供給する流体圧を高くすることを
    特徴とするトンネル掘削方法。
  6. 【請求項6】掘削機本体の外周側スキンプレートに、全
    周にわたって設けた凹部と、 該凹部に設けられ、内部に流体を圧入することにより膨
    張して坑壁に押し付けられることにより、切羽からの湧
    水を止める流体圧パッキングと、 チャンバ内水位の異常上昇を検出する水位検出手段と、 該水位検出手段により水位以上が検出された際に、その
    水位が高い程前記流体圧パッキングに供給する流体圧を
    大とする流体圧制御手段とを備えたことを特徴とするト
    ンネル掘削機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101437439B1 (ko) * 2013-02-21 2014-09-11 김영민 터널 굴착 장치

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