JP3565675B2 - トンネル掘削方法とトンネル掘削機 - Google Patents

トンネル掘削方法とトンネル掘削機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カッタディスクにより切羽を掘削し、掘削土砂をホッパに集積し、集積した土砂を水と共に隔壁の外部に排出しながら掘削を行うトンネル掘削方法とトンネル掘削機に係り、特に湧水に対する対処方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネル掘削機において、湧水対策を施したものとして、実公平2−20316号公報に開示されたものがある。このトンネル掘削機は、図6に示すように、掘削機本体19が、前胴39、伸縮式の中胴40、後胴35が屈曲自在に接合されて構成され、前胴39および後胴35に流体圧パッキング33、34を設け、これらの流体圧パッキング33、34の内部に流体を圧入することによって膨張させ、坑壁7へ流体圧パッキング33、34を密着させることにより、掘削機本体39と坑壁7との間の湧水の通過を阻むように構成したものである。
【0003】
図6の流体圧パッキング33、34を設けたトンネル掘削機により掘削を行う場合、切羽38等から湧水が生じた場合には、後胴35に設けた流体圧パッキング34を坑壁7に向けて膨出させ、この状態でスラストジャッキ63を伸長させながらモータ59によりカッタディスク54を回転させ、カッタディスク54により掘削した土砂を、隔壁45とカッタディスク54との間に設けたホッパ60に落し、隔壁54の外部に、流体式コンベアである排泥管61により、取込口65aから水と共に搬出する。この場合、湧水は、土砂と共にホッパ60から搬出される。
【0004】
スラストジャッキ63の1ストローク分の掘削が終了すると、前胴39に設けた流体圧パッキング33を坑壁7に向けて膨出させて切羽38側からの湧水を止水し、後胴35側の流体圧パッキング34を縮小させる。そしてスラストジャッキ63を収縮させ、中胴40を収縮させて後胴35側を切羽38側に引き寄せる。そして再度後胴35側の流体圧パッキング34を膨出させ、前胴39側流体圧パッキング33を収縮させ、前述の掘削工程に入るという動作を繰り返すことにより、湧水のある硬岩層を掘削する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来のトンネル掘削機においては、流体圧パッキング33、34によって止水することにより、湧水が後方に漏れることを防止している。しかし、湧水が突発的に起こり、水圧の高い湧水が生じて隔壁45とカッタディスク54との間のチャンバ2に充満し、隔壁45を押した場合、水圧によっては掘削機本体19が後方に戻されることがあり、危険である。
【0006】
また、突発的に多量の湧水が生じた場合、その湧水が掘削機本体19と坑壁7との間を通って後方に移動し、掘削したトンネル内への湧水が続き、湧水に対する対応が遅れるという問題点がある。
【0007】
また、いかなる水圧の湧水に対しても流体圧パッキング33、34による流体圧パッキング作用が有効に機能するためには、流体圧パッキング33、34に圧入する流体圧を、想定される湧水圧の最高圧に設定しなければならず、流体圧パッキング33、34を最高圧で膨張させることとなり、流体圧パッキング33、34の寿命を短命化するという問題点がある。
【0008】
本発明は、上記した問題点に鑑み、突発的な大量の湧水が生じた場合においても、その湧水を外部に流出させることができ、掘削機本体内が大量の湧水が漏出し滞留することが防止でき、湧水によって掘削機本体が後方に押される事態の発生を回避できるトンネル掘削方法とトンネル掘削機を提供することを第1の目的とする。
【0009】
本発明の第2の目的は、湧水を止めるために掘削機本体外周に設ける流体圧パッキングの寿命を延命化しうるトンネル掘削方法とトンネル掘削機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1〜請求項4は上記第1の目的を達成するものであり、請求項1の発明は、掘削機本体の前部に設けたカッタディスクにより切羽を掘削し、
掘削した土砂を隔壁とカッタディスクとの間のチャンバ内に設けたホッパに集積させ、
該ホッパ内に隔壁の外部から送水ポンプにより水を供給すると共に、ホッパ内の泥水を土砂と共にサクションポンプにより排出し、
ホッパ内の水位により前記送水ポンプによる送水量を制御することにより、ホッパ内の水位を所定レベルに制御し、
ホッパ内水位の異常上昇時にサクションポンプによる排出量を増大させる
ことを特徴とするトンネル掘削方法である。
【0011】
請求項2の発明は、掘削機本体の前面に設けられたカッタディスクと、
カッタディスクと隔壁との間に形成されるチャンバと、
前記チャンバ内に設けられ、カッタディスクの回転により掘削された土砂を集積するホッパと、
該ホッパ内に水を供給する送水ポンプと、
前記ホッパ内の泥水を土砂と共に排出するサクションポンプと、
前記ホッパ内の水位を検出する水位検出手段と、
該水位検出手段により検出される水位により前記送水ポンプによる送水量を制御して該ホッパ内水位を所定レベルに保つ水位制御手段と、
ホッパ内水位の異常上昇時に前記サクションポンプによる排出量を増大させる排出制御装置とを備えた
ことを特徴とするトンネル掘削機である。
【0012】
請求項3の発明は、掘削機本体の前面に設けたカッタディスクにより切羽を掘削し、
掘削した土砂を隔壁とカッタディスクとの間のチャンバ内に設けたホッパに集積させ、
該ホッパ内に隔壁の外部から送水ポンプにより水を供給すると共に、ホッパ内の泥水を土砂と共にサクションポンプにより排出し、
ホッパ内の水位により前記サクションポンプによる排出量を制御することにより、ホッパ内の水位を所定レベルに制御し、
ホッパ内水位の異常上昇時に送水ポンプによる送水量を減少または無くす
ことを特徴とするトンネル掘削方法である。
【0013】
請求項4の発明は、掘削機本体の前面に設けられたカッタディスクと、
カッタディスクと隔壁との間に形成されるチャンバと、
前記チャンバ内に設けられ、カッタディスクの回転により掘削された土砂を集積するホッパと、
該ホッパ内に水を供給する送水ポンプと、
前記ホッパ内の泥水を土砂と共に排出するサクションポンプと、
前記ホッパ内の水位を検出する水位検出手段と、
該水位検出手段により検出される水位により前記サクションポンプによる排出量を制御して該ホッパ内水位を所定レベルに保つ水位制御手段と、
ホッパ内水位の異常上昇時に前記送水ポンプによる送水量を減少または無くす送水制御装置とを備えた
ことを特徴とするトンネル掘削機である。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1または3に記載のトンネル掘削方法において、
前記掘削機本体の外周側スキンプレートに、全周にわたって凹部を設け、
該凹部に、内部に流体を圧入することにより膨張して坑壁に押し付けられることにより、切羽からの湧水を止める流体圧パッキングを設け、
チャンバ内水位の異常上昇時に、その水位が高い程前記流体圧パッキング内に供給する流体圧を高くする
ことを特徴とするトンネル掘削方法である。
【0015】
請求項6の発明は、請求項2または4に記載のトンネル掘削機において、
前記掘削機本体の外周側スキンプレートに、全周にわたって設けた凹部と、
該凹部に設けられ、内部に流体を圧入することにより膨張して坑壁に押し付けられることにより、切羽からの湧水を止める流体圧パッキングと、
チャンバ内水位の異常上昇を検出する水位検出手段と、
該水位検出手段により水位以上が検出された際に、その水位が高い程前記流体圧パッキングに供給する流体圧を大とする流体圧制御手段とを備えた
ことを特徴とするトンネル掘削機である。
【0016】
【作用】
請求項1ないし4においては、通常のホッパ内の水位制御は送水ポンプまたはサクションポンプの流量制御により行い、突発的な湧水によりホッパ内(チャンバ内)水位が通常制御では制御できないレベルにまで達すると、サクションポンプの排出量を増大させるか、あるいは送水ポンプの送水量を減少あるいはゼロとする。
【0017】
請求項5、6においては、チャンバ内の水位の異常上昇時には、その水位に応じて掘削機本体外周の流体圧パッキングの流体圧を変化させることにより、流体圧パッキングには湧水の水圧に適した流体圧が供給され、不必要に高い流体圧が流体圧パッキングに供給されない。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるトンネル掘削方法を実施するトンネル掘削機の一実施例を示す縦断面図、図2は該トンネル掘削機の構成図、図3は該実施例の前部の拡大断面図、図4(A)は流体圧パッキングを示す図3のA部拡大図である。
【0019】
図1において、19は鋼材でなる円筒状の掘削機本体であり、本例においては、前胴39、中胴40、後胴35によりそれぞれ中折れ部41、42において屈曲可能に接合させて構成しているが、一体構造としても良い。中胴40は前部筒(内筒)40aと後部筒(外筒)40bとが摺動自在に嵌合され、掘削機本体19の内面に添って複数本配設されたスラストジャッキ63により中胴40の伸縮がなされると共に、スラストジャッキ63のストローク差により、中折れ部42における屈曲角が設定される。前胴39と中胴40との中折れ角は、両者間に掘削機本体19の内面に添って複数本配設された中折れジャッキ73のストローク差により設定される。
【0020】
70は前部筒40aに設けられたフロントグリッパ、71は後胴35に設けられたリヤーグリッパであり、それぞれ掘削機本体19から坑壁7に突出させて圧接させることにより、地山に掘削機本体19の前部、後部を固定するものである。なお、本実施例においては、フロントグリッパ70を実公平2−20316号公報に記載のように前胴39に設けるのではなく、前部筒40aに設け、また、スラストジャッキ63の前端を前部筒40aに連結することにより、隔壁45近傍のスペースを広くして隔壁45に設ける出入り口を広くし、これにより、カッタディスク54のカッタ51の摩耗による交換が容易となるように構成している。
【0021】
カッタディスク54は、前胴39の隔壁45より前方にカッターシール43、44を設けて回転自在に取付けられ、カッタディスク54と隔壁45との間にはチャンバ2が形成される。カッタディスク54にはカッタ51とバケット54aが取付けられる。隔壁45の左右には、カッタディスク54を回転駆動するための駆動モータ59が取付けられ、駆動力伝達機構(図示せず)によりカッタディスク54が回転されるように構成される。
【0022】
チャンバ2内には、隔壁45に固定して、カッタディスク54による掘削土砂を集積させるホッパ60が設けられる。11はホッパ60内に水を供給する送水装置であり、該送水装置11は、図2に示す地上の送水タンク12と、送水管14と、送水ポンプ15と、開閉バルブ17とからなり、送水管14は前記隔壁45を貫通し、ホッパ60内の前方の底部において、噴出口13を後向きに配置し、これにより土砂が水により押されて容易に搬出できるようにしている。
【0023】
61はホッパ60内の掘削土砂を水と共に隔壁45の外部に排出する排泥管であり、該排泥管61の吸込口61aは、ホッパ60内において前記噴出口13に対向して設ける。排泥管61には、開閉バルブ28と、サクションポンプ21が設けられる。サクションポンプ21の吐出側には、上流側から、クラッシャ22、オープンタンク23および排泥ポンプ24が順次配置され、各々の間は排泥管61b〜61dにより接続され、排泥ポンプ24の吐出側排泥管61eは地上の処理装置29に接続される。
【0024】
4はホッパ60内の水位検出手段としてホッパ60の底部に設けた水圧計であり、該水圧計4の検出信号を送る信号ケーブル26a、26bは、それぞれ送水ポンプ15の制御装置15aと、サクションポンプ21の制御装置21aに接続されている。本例においては、該水圧計4と信号ケーブル26aと送水ポンプ15の制御装置15aとホッパ60内の水位を所定レベルに保つ水位制御手段を構成している。また、サクションポンプ21の制御装置21aとにより、湧水による異常増水時の排出制御手段を構成している。
【0025】
掘削機本体19の外周のスキンプレートには、全周にわたって図4(A)に示すように凹部19aが形成され、該凹部19aに、流体圧パッキング33が全周一体にエンドレスに設けられている。本例においては、該流体圧パッキング33の両側にプレート33bを重ね、ボルト33cによってプレート33bと共に流体圧パッキング33の両側を固定することにより、流体圧パッキング33の内側に、注水管33dから注水することにより流体圧パッキング33を膨出させる圧力室33aを形成している。
【0026】
図2に示すように、流体圧パッキング33に圧送する流体である水を供給する装置8は、オープンタンク23の水を前記圧力室33aに供給するための前記注水管33dと、該注水管33dに設けられ、制御装置9aを有する注水ポンプ9と、開閉バルブ10とからなる。
【0027】
図2、図3、図4(A)において、5は圧力室33a内の圧力を検出する圧力計であり、該圧力計5の検出信号を送る信号ケーブル27は、圧力室33aの流体圧を制御するための流体圧コントローラ80に接続され、また、前記水圧計4の検出信号を送る信号ケーブル25が該流体圧コントローラ80に接続されている。
【0028】
前記圧力室33aには、その中の流体(水)の圧力が高すぎる場合に水抜きを行うため、開閉バルブ30を有する水抜き管20の一端が接続され、該水抜き管20の他端はオープンタンク23に接続されている。前記流体圧コントローラ80の制御信号は、注水ポンプ9の制御装置9aと、開閉バルブ10、30の開閉装置に加えられる。
【0029】
図4(B)は前記流体圧コントローラ80の構成を示す図であり、該コントローラ80は、水圧計4の検出信号から図4(C)に示すように、通常の水位の範囲Eの上限L1(あるいはこの上限L1より所定レベル高い)の水位を超えることを表示する検出信号が発生した場合に、湧水と判断して圧力室33aの設定信号P1を発生させる圧力信号発生手段81と、該圧力信号発生手段81による設定信号P1と圧力計5による圧力室33aの圧力検出信号P2とを比較する比較制御手段82と、比較結果の偏差がある場合にP1=P2となるように前記注水ポンプ9の制御装置9aに起動、停止信号を送ると共に、開閉バルブ10、30に開閉信号を送るドライバ回路83と、通常の水位の範囲Eの上限L1の水位を超えることを表示する検出信号が発生した場合に、ドライバ回路83の入力回路を、手動操作装置85側の出力側から比較制御手段82の出力側に切り換えるスイッチ回路84からなるものである。
【0030】
このトンネル掘削機の作動は次のようになされる。まず、開閉バルブ17を開き、送水ポンプ15の作動により送水タンク12内の水を送水管14を介してホッパ60に送る。そしてある程度ホッパ60内の水位Lが上がった時点で排泥管61に設けた開閉バルブ28を開くと共に、サクションポンプ21を作動させる。そして所定のレベルに水位Lが保たれるように送水量を制御する。
【0031】
この状態として、駆動モータ59の運転によりカッタディスク54を回転させ、カッタ51が切羽38を掘削する。掘削された土砂3はバケット54aに載り、カッタディスク54の回転によって周期的にホッパ60に落下する。落下した土砂は、送水管14によって予めホッパ60内に供給された水6と共に、回転するサクションポンプ21の回転力により吸引される。吸引された土砂は、クラッシャ22に送られ、クラッシャ22で処理した後、オープンタンク23に送られる。オープンタンク23の送られた土砂は、排泥ポンプ24により処理装置29に排出される。
【0032】
このようなサクションポンプ21による土砂の排出を行う場合、ホッパ60に集積される土砂3と送水量と、排出される水量とがアンバランスとなり、水位Lが下がって空気を吸込み、排出ができなくなる事態の発生を防止する必要がある。このため、水圧計4により検出される信号を信号ケーブル26aによって送水ポンプ15の制御部15aに伝送し、送水ポンプ15の単位時間t当りの送水量Qの制御を行う。この送水量Qの制御は、図5(A)に示すように、水位Lが高いほど送水量を減少させるように行うことによって、水位を所定のレベルに維持する。
【0033】
湧水の発生が作業員によって確認された場合、図4(B)に示した手動操作装置85を操作して注水ポンプ9の作動、開閉バルブ10の開閉を行って流体圧パッキング33を膨張させて止水する。この場合、圧力計5の表示を監視できるようにしておいて、漏水の程度に応じた流体圧が設定されるようにする。
【0034】
湧水により、図3に示すように、水位LがL’のように上昇すると、通常の水位レベルLにおける水圧計4からの深さHから深さがΔHだけ増えたH’となり、このため、水圧計4の検出信号が増大する。ここで、水位がL1を超えると、流体圧パッキング33が膨出しているか否かに拘らず、図4(B)のスイッチ回路84が比較制御手段82側に自動的に切り換わり、流体圧コントローラ80により開閉バルブ10を開け、かつ注水ポンプ9を作動させて流体圧パッキング33の圧力室33aに水を供給して流体圧パッキング33を地山7に押し付けることにより、湧水が掘削機本体19の後方に流れることを防止する。
【0035】
また、図5(A)に示すように、水位がL1以下である場合にはサクションポンプ21による排出量を一定(制御線cで示す)または水位増大と共に増加(制御線dで示す)させることとし、この範囲Eを超える(すなわち水位がL1を超える)と、排出量をeで示すように通常範囲Eより排出量を増やすか、あるいは水位に対する割合を増やす制御を行うことにより、突発的な湧水による水位の急激な増大を防止することができる。
【0036】
図5(B)は水位制御の他の例であり、本例においては、ホッパ60内の水位Lが通常範囲の上限L1を超えた場合等には、線g、hに示すように、サクションポンプ21を最大流量に設定し、送水量をゼロにしたものである。このように設定すれば、より迅速に通常範囲Eに戻すことが可能となる。この他、送水量や排出量を段階的に増減させる方法もあり、また、図5(A)の制御線eと図5(B)の制御線hの組み合わせや、図5(A)の制御線fと図5(B)の制御線gの組み合わせ等、種々の制御態様を採用することができる。
【0037】
ここで、図4(C)に示すように、ホッパ60の水位の増大、すなわち水圧計4の検出信号に呼応して流体圧パッキング33の圧力室33aへの水圧を増大させ、図4(B)に示すように、圧力信号発生手段81による設定信号P1と圧力計5による圧力室33aの圧力検出信号P2とを比較してP1=P2となるまで前記注水ポンプ9の注水を行い、圧力室33aの水圧を制御することにより、湧水の圧力に応じた流体圧を設定できる。また、圧力室33aの水圧が湧水圧に対して高すぎる場合には、流体圧コントローラ80は開閉バルブ30を開いて圧力室33a内の水の一部をオープンタンク23に逃がして水圧を低下させる。これにより必要以上の流体圧が流体圧パッキング33に供給されることにより生じる流体圧パッキング33の短命化を防ぐことができる。
【0038】
なお圧力室33aに供給する流体としては水ではなく空気を使用することができる。
【0039】
図5(C)、(D)はホッパ60内水位Lの他の制御例であり、これらは、通常の水位レベルの範囲Eにおいては、主としてサクションポンプ21の排出量を制御線iで示すように変化させることによって水位Lを所定レベルに制御し、かつ送水量Qは制御線jで示すようにほぼ一定とし、湧水発生により、通常範囲Eの上限レベルL1を超えた場合等においては、図5(C)の制御線hに示すように、送水量Qをゼロにして排出量を制御線eで示すように増大させるか、あるいは図5(D)の制御線gに示すように、サクションポンプ21の排出量を最大限に増大させ、かつ制御線fに示すように送水量を水位上昇に伴って減少させる等の制御を行うものである。このようにポンプ15、21を制御しても、湧水によりチャンバ2内が充満し、なおかつ湧水が隔壁45を押して掘削機本体19を後方に押すという危険の発生を防止できる。
【0040】
なお、上記実施例においては、掘削機本体19の外周の1箇所に流体圧パッキング33を設けた例について示したが、実公平2−20316号公報に示したように、前胴39と後胴35にそれぞれ流体圧パッキングを設け、地山に対して移動していない流体圧パッキングのみを坑壁7に当接させるような制御を行ってもよい。
【0041】
【発明の効果】
請求項1ないし請求項4によれば、突発的な湧水によりホッパ内(チャンバ内)水位が通常制御では制御できないレベルにまで達すると、サクションポンプの排出量を増大させるか、あるいは送水ポンプの送水量を減少あるいはゼロとするようにしたので、突発的に大量の湧水が生じた場合においても、その湧水を外部に流出させることができ、掘削機本体内が大量の湧水が漏出し滞留することが防止できる。また、湧水がチャンバ内に充満して掘削機本体が後方に押されるという危険を回避することができる。
【0042】
また、湧水に対して、専用のポンプ等の特別の設備を必要としないので、経済的に実施できる。
【0043】
また、掘進停止時においては、水圧計等の水位検出手段、流体圧パッキングへの流体供給手段、排出ライン等が作動できるように電源を入れておくことにより、湧水量に応じてサクションポンプによる自動排出が可能であり、安全性が高まる。
【0044】
また、請求項3、4のように、湧水による異常水位上昇時には送水ポンプによる送水量を減少または無くすことにより、湧水による土砂の排出が可能となり、ホッパ内への供給水の量を減少あるいは無くすることができ、経済的である。
【0045】
請求項5、6によれば、チャンバ内の水位の異常上昇時には、その水位に応じて掘削機本体外周の流体圧パッキングの流体圧を変化させることにより、流体圧パッキングには湧水の水圧に適した流体圧が供給され、不必要に高い流体圧が流体圧パッキングに供給されないようにしたので、湧水を止めるために掘削機本体外周に設ける流体圧パッキングの寿命を延命化しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトンネル掘削方法を実施するトンネル掘削機の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の実施例のトンネル掘削機の構成図である。
【図3】図1の実施例のトンネル掘削機の前部の拡大断面図である。
【図4】(A)は流体圧パッキングを示す図3のA部拡大図、(B)は流体圧コントローラの構成図、(C)は流体圧コントローラの制御を説明する水位と圧力室設定圧力信号との関係図である。
【図5】(A)ないし(D)は図1ないし図3の実施例におけるホッパ内水位制御態様を説明する水位と送水量および排出量との関係図である。
【図6】従来のトンネル掘削機を示す縦断面図である。
【符号の説明】
2:チャンバ、4:水圧計、5:圧力計、6:水、7:坑壁、8:注水装置、9:注水ポンプ、9a:制御装置、10、30:開閉バルブ、11:送水装置、12:送水タンク、14:送水管、15:送水ポンプ、15a:制御装置、19:掘削機本体、20:水抜き管、21:サクションポンプ、21a:制御装置、22:クラッシャ、23:オープンタンク、24:排泥ポンプ、25、26a、26b、27:信号ケーブル、29:処理装置、33:流体圧パッキング、33a:圧力室、35:後胴、39:前胴、40:中胴、40a:前部筒、40b:後部筒、41、42:中折れ部、45:隔壁、54:カッタディスク、59:カッタディスク回転用駆動モータ、60:ホッパ、61:排泥管、70:フロントグリッパ、71:リヤーグリッパ、80:流体圧コントローラ、81:圧力信号発生手段、82:比較制御手段、83:ドライバ回路、84:スイッチ回路、85:手動操作回路

Claims (6)

  1. 掘削機本体の前部に設けたカッタディスクにより切羽を掘削し、
    掘削した土砂を隔壁とカッタディスクとの間のチャンバ内に設けたホッパに集積させ、
    該ホッパ内に隔壁の外部から送水ポンプにより水を供給すると共に、ホッパ内の泥水を土砂と共にサクションポンプにより排出し、
    ホッパ内の水位により前記送水ポンプによる送水量を制御することにより、ホッパ内の水位を所定レベルに制御し、
    ホッパ内水位の異常上昇時にサクションポンプによる排出量を増大させる
    ことを特徴とするトンネル掘削方法。
  2. 掘削機本体の前面に設けられたカッタディスクと、
    カッタディスクと隔壁との間に形成されるチャンバと、
    前記チャンバ内に設けられ、カッタディスクの回転により掘削された土砂を集積するホッパと、
    該ホッパ内に水を供給する送水ポンプと、
    前記ホッパ内の泥水を土砂と共に排出するサクションポンプと、
    前記ホッパ内の水位を検出する水位検出手段と、
    該水位検出手段により検出される水位により前記送水ポンプによる送水量を制御して該ホッパ内水位を所定レベルに保つ水位制御手段と、
    ホッパ内水位の異常上昇時に前記サクションポンプによる排出量を増大させる排出制御装置とを備えた
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  3. 掘削機本体の前面に設けたカッタディスクにより切羽を掘削し、
    掘削した土砂を隔壁とカッタディスクとの間のチャンバ内に設けたホッパに集積させ、
    該ホッパ内に隔壁の外部から送水ポンプにより水を供給すると共に、ホッパ内の泥水を土砂と共にサクションポンプにより排出し、
    ホッパ内の水位により前記サクションポンプによる排出量を制御することにより、ホッパ内の水位を所定レベルに制御し、
    ホッパ内水位の異常上昇時に送水ポンプによる送水量を減少または無くす
    ことを特徴とするトンネル掘削方法。
  4. 掘削機本体の前面に設けられたカッタディスクと、
    カッタディスクと隔壁との間に形成されるチャンバと、
    前記チャンバ内に設けられ、カッタディスクの回転により掘削された土砂を集積するホッパと、
    該ホッパ内に水を供給する送水ポンプと、
    前記ホッパ内の泥水を土砂と共に排出するサクションポンプと、
    前記ホッパ内の水位を検出する水位検出手段と、
    該水位検出手段により検出される水位により前記サクションポンプによる排出量を制御して該ホッパ内水位を所定レベルに保つ水位制御手段と、
    ホッパ内水位の異常上昇時に前記送水ポンプによる送水量を減少または無くす送水制御装置とを備えた
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  5. 請求項1または3に記載のトンネル掘削方法において、
    前記掘削機本体の外周側スキンプレートに、全周にわたって凹部を設け、
    該凹部に、内部に流体を圧入することにより膨張して坑壁に押し付けられることにより、切羽からの湧水を止める流体圧パッキングを設け、
    チャンバ内水位の異常上昇時に、その水位が高い程前記流体圧パッキング内に供給する流体圧を高くする
    ことを特徴とするトンネル掘削方法。
  6. 請求項2または4に記載のトンネル掘削機において、
    前記掘削機本体の外周側スキンプレートに、全周にわたって設けた凹部と、
    該凹部に設けられ、内部に流体を圧入することにより膨張して坑壁に押し付けられることにより、切羽からの湧水を止める流体圧パッキングと、
    チャンバ内水位の異常上昇を検出する水位検出手段と、
    該水位検出手段により水位以上が検出された際に、その水位が高い程前記流体圧パッキングに供給する流体圧を大とする流体圧制御手段とを備えた
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
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