JP7449638B2 - 泥水式シールド掘進機の管理画面 - Google Patents

泥水式シールド掘進機の管理画面 Download PDF

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Description

本発明は、カッタチャンバ内の泥水に所定の圧力を加えることで切羽を安定させながら地山を掘削してトンネルを形成する泥水式シールド掘進機の管理画面に関するものである。
地盤中にトンネルを構築するシールド工法では、発進立坑内でシールド掘進機を組み立てて発進させ、地中を掘進させる。そして、到達立坑に到達したならば、到達立坑内でシールド掘進機を分解して地上に搬出する。
また、シールド工法に用いられるシールド掘進機には、掘削土を泥土化して所定の圧力を与えることにより切羽を安定させながら地山を掘削する泥土圧シールド掘進機や、カッタチャンバ内の泥水に所定の圧力を加えることで切羽を安定させながら地山を掘削する泥水式シールド掘進機などがある。
ここで、泥水式シールド掘進機では、泥水が送泥管からカッタチャンバ内に常時供給されており、切羽前方の圧力(土圧および水圧)にカッタチャンバ内の泥水圧で対抗することで切羽を安定させている。そして、掘削時には、カッタチャンバ内に溜められた泥水がカッタチャンバに取り込まれた掘削土とともに排泥管から外部に排出される(掘削モード)。また、セグメント組立時など掘削を休止する際には、送泥管と排泥管とを連通するバイパス配管に設けられたバルブ(バイパス用バルブ)を開放するとともに、送泥管および排泥管のバイパス配管よりもカッタヘッド側に設けられたバルブ(送泥用バルブ・排泥用バルブ)を閉鎖して、カッタチャンバを切り離した状態で泥水を循環させる(バイパスモード)。さらに、セグメントの組み立てが完了して掘削を再開する際には、バイパス用バルブを閉鎖するとともに、送泥用バルブおよび排泥用バルブを開放する。
カッタヘッドには、掘削した土砂をカッタチャンバ内に取り込むための隙間があり、カッタチャンバ内の泥水は切羽の地山を押さえる。カッタチャンバ内に供給される泥水には、泥分にベントナイトや高分子添加剤などが混入されており、これによって切羽面に膜(泥膜)を形成して、切羽前方の圧力に対抗している。そして、砂質土で水が抜けやすい地盤などの場合は泥水の流入量が大きくなる(逸泥状態)ので、泥水中の泥分や高分子添加剤を多くするとともに泥水の供給量を増やし、泥水の排出量を増やしてカッタチャンバ内の圧力を安定させる操作を行っている。また、粘質土で水が抜けにくい地盤などの場合は、これとは逆の操作を行っている。
ここで、泥水式シールド掘進機での掘削においては、地盤の土質によるカッタチャンバ内の泥水圧の変化に応じて当該カッタチャンバ内に供給する泥水の濃度を調整するとともに、送泥管および排泥管の流量を調節する必要がある。しかしながら、複雑な地盤や高水圧下ではカッタチャンバ内の泥水圧が急激に変化することがあり、このような濃度調整や流量調整が間に合わない場合には、地山への悪影響が生じて崩落の可能性もある。
また、バイパスモードから掘削モードに移行する際には、各バルブの閉鎖や開放が瞬時に行なわれるためにカッタチャンバ内の泥水圧が大きく変動し、これに伴って、切羽地山やカッタヘッド、送泥管、排泥管などに悪影響が出る可能性がある。
そこで、特許文献1(特開2013-083110号公報)や特許文献2(特開2002-180781号公報)には、カッタチャンバとは別に、圧縮空気の弾力性を利用したチャンバを設け、カッタチャンバ内の泥水の水面の変化に対応することで泥水圧の急激な変化を緩和する技術が提案されている。
具体的には、特許文献1に記載の技術は、第1のチャンバであるカッタチャンバの後方に第2のチャンバであるエアチャンバを設けてチャンバ全体を縦割りの2槽にした構造である。後方のエアチャンバは、下方でカッタチャンバと接続されて泥水が供給され、上方はコンプレッサに接続されて圧縮空気が供給されるようになっている。そして、カッタチャンバにかかる圧力が変化した場合、エアチャンバ内の水面が上下するが、それに伴って圧縮空気が供給もしくは排出されてカッタチャンバ内の泥水の圧力変動が緩和される。
また、特許文献2に記載の技術は、第1のチャンバであるカッタチャンバとは離れたトンネル内に第2のチャンバである圧力調整タンクを設けた構造である。圧力調整タンクは下方がカッタチャンバと接続されて泥水が供給され、上方が圧縮空気を封入したダンパタンクと接続されて圧縮空気が供給される。そして、カッタチャンバにかかる圧力が変化した場合に圧力調整タンク内の水面が上下するが、それに伴って圧縮空気が供給もしくは排出されてカッタチャンバ内の泥水の圧力変動が緩和される。
特開2013-083110号公報 特開2002-180781号公報
特許文献1や特許文献2に記載の技術では、泥水や圧縮空気などの流体が様々な管路を流れて第1のチャンバ(カッタチャンバ)や第2のチャンバ(エアチャンバ・圧力調整タンク)などの様々な機能装置に流入あるいは流出しているが、流体は管路を流れるもので視覚的には認識できない。しかも、管路は機内の全域にわたっていることから、仮に管路の構成材を透明にして内部を可視化したとしても、機内体の管路を流れる流体の全体の状況を把握するのは困難である。
そのため、泥水圧シールド掘進機における流体に異常な状況が発生した場合、その発生場所や原因を迅速に把握して適正な対策を講じることが難しくなる。
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、泥水式シールド掘進機内の管路を流れる流体の全体の状況を容易に把握することが可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の泥水式シールド掘進機の管理画面は、地山を掘削するカッタヘッドによる掘削土砂が取り込まれる第1のチャンバと、前記第1のチャンバ内に泥水を送り込む送泥管と、前記第1のチャンバ内に溜められた泥水を前記第1のチャンバに取り込まれた掘削土とともに外部に排出する排泥管と、圧縮空気および泥水が収容される第2のチャンバと、前記第2のチャンバの水量を長短となる棒状形式で表示する水量表示手段と、前記第2のチャンバの水位のレベルを複数の段階で表示するレベル表示部と、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを連通し、前記第1のチャンバ内の泥水圧の変化を緩和するように前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間を泥水が往来する調圧配管と、前記送泥管と前記排泥管とを連通するバイパス配管と、前記送泥管から分岐して前記第2のチャンバに接続された供給配管と、前記第2のチャンバから延びて前記排泥管に接続された排出配管と、前記第2のチャンバに圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、前記圧縮空気供給手段の圧縮空気を前記第2のチャンバへ送る空圧配管と、前記送泥管における前記バイパス配管との分岐接続点よりも前記第1のチャンバ側の管路を開閉する第1のバルブ、および前記排泥管における前記バイパス配管との分岐接続点よりも前記第1のチャンバ側の管路を開閉する第2のバルブと、前記バイパス配管の管路を開閉する第3のバルブと、前記供給配管の管路を開閉する第4のバルブ、および前記排出配管の管路を開閉する第5のバルブと、前記調圧配管の管路を開閉する第6のバルブとを表示し、前記送泥管および前記第3のバルブよりも上流側の前記バイパス配管、前記排泥管および前記第3のバルブよりも下流側の前記バイパス配管、前記供給配管、前記排出配管を流れている泥水、および前記空圧配管を流れている圧縮空気は、色の種類を相互に異ならせて表示し、前記調圧配管では、当該調圧配管を流れる泥水の方向で色の種類を相互に異ならせて表示するとともに、泥水が一方向へ所定時間以上流れ続けた場合に流れる方向の表示を変更し、泥水の移動が無い状態の場合は直前の流向の色で表示する、ことを特徴とする。
請求項2に記載の本発明の泥水式シールド掘進機の管理画面は、上記請求項1記載の発明において、前記送泥管および前記第3のバルブよりも上流側の前記バイパス配管、前記排泥管および前記第3のバルブよりも下流側の前記バイパス配管、前記供給配管、前記排出配管を流れている泥水の流れの方向を表示する、ことを特徴とする。
請求項3に記載の本発明の泥水式シールド掘進機の管理画面は、上記請求項1または2記載の発明において、泥水の流れの方向は、連鎖式点灯表示形式によって表示する、ことを特徴とする。
請求項4に記載の本発明の泥水式シールド掘進機の管理画面は、上記請求項1~3の何れか一項に記載の発明において、前記第1のバルブ~前記第6のバルブの開閉状態を表示する、ことを特徴とする。
請求項5に記載の本発明の泥水式シールド掘進機の管理画面は、上記請求項1~4の何れか一項に記載の発明において、切羽水圧、前記第2のチャンバ内の気圧、およびシールド掘進機の掘進状態の履歴を経過時間に沿って表示するグラフを有する、ことを特徴とする。
請求項6に記載の本発明の泥水式シールド掘進機の管理画面は、上記請求項1~5の何れか一項に記載の発明において、前記第2のチャンバの水位が所定量以上変化した時点から一定期間の管理画面の表示内容を保存する記憶手段を有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、泥水式シールド掘進機の動作に対応した泥水および圧縮空気の流れが管理画面に逐次表示されるので、当該管理画面に表示される泥水式シールド掘進機の泥水や圧縮空気の全体の状況を容易に把握することが可能になる。
これにより、現在の運転状況を正確に且つ分かりやすく知ることができ、異常な状況が発生した場合には、具体的な発生場所を迅速に把握して適切な対策を講じることが可能になる。
本発明の一実施の形態における泥水式のシールド掘進機の管理画面を示す概略図である。 本実施の形態のシールド掘進機に設けられた補助チャンバにおける水位レベルとそれに対応した第1~第6のバルブの開閉状態および動作内容を示す図である。 本実施の形態のシールド掘進機における地山掘削時の補助チャンバ内の泥水の量に対応した制御を示すフローチャートである。 本実施の形態のシールド掘進機のステップSt02の動作時に表示される管理画面を示す図である。 本実施の形態のシールド掘進機のステップSt04の動作時に表示される管理画面を示す図である。 本実施の形態のシールド掘進機のステップSt09(補助チャンバの水位がレベルL3~レベルL4のとき)の動作時に表示される管理画面を示す図である。 本実施の形態のシールド掘進機のステップSt09補助チャンバの水位がレベルL4~レベルL5のとき)の動作時に表示される管理画面を示す図である。 本実施の形態のシールド掘進機のステップSt17の動作時に表示される管理画面を示す図である。 本実施の形態のシールド掘進機のステップSt26の動作時に表示される管理画面を示す図である。 本実施の形態のシールド掘進機のステップSt33の動作時に表示される管理画面を示す図である。 本実施の形態のシールド掘進機のステップSt34,35の動作時に表示される管理画面を示す図である。 本実施の形態のシールド掘進機のステップSt39の動作時に表示される管理画面を示す図である。 本実施の形態のシールド掘進機のステップSt40,41の動作時に表示される管理画面を示す図である。 本発明の一実施の形態における泥水式のシールド掘進機の管理画面の変形例を示す概略図である。
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は本発明の一実施の形態である泥水式シールド掘進機(以下、単に「シールド掘進機」ということもある。)の管路を流れる流体(泥水・圧縮空気)の状態を表示する管理画面を示す説明図である。
先ず、図1の管理画面Mで示される本実施の形態のシールド掘進機について説明する。ここで、本図は、シールド掘進機の各種管路や管路を流れる流体の流入先あるいは流出先である各種機能装置を表示した画面であって、実際の管路や機能装置ではない。但し、図1により本実施の形態のシールド掘進機の概要を説明することは可能であることから、当該図1を用いて説明する。
さて、本実施の形態の泥水式シールド掘進機は、カッタヘッドを切羽(掘削面)に押し当てて回転させることにより地山を掘削する際に、カッタヘッドの背面のスキンプレート内に設けられたカッタチャンバ(第1のチャンバ)C1に送泥管1を通じて泥水を供給し、カッタチャンバC1内の泥水圧力を切羽の土圧および地下水圧に見合う圧力にして切羽の安定を図るとともに、カッタチャンバC1内に溜められた泥水をカッタチャンバC1内に取り込まれた掘削土とともに排泥管2によってトンネルの外部に排出しながら地山にトンネルを形成する。なお、カッタチャンバC1に送り込まれる泥水は坑外に設置された泥水プラントに貯留されており、送泥ポンプにより圧送される。また、泥水には、泥分にベントナイトや高分子添加剤などが混入されており、これにより切羽に膜(泥膜)を形成して前方の地山の隙間に泥水が流れ込むことを防いでいる。
泥水式のシールド掘進機は泥水の浸透による切羽の安定効果があるため、水圧の高い地盤での施工に適している。一方、透水性の高い地盤、巨石地盤では、地盤からの泥水の流入量が大きくなる逸泥が発生するおそれがあることから、泥水中の泥分や高分子添加剤を多くするとともに泥水の供給量を増やし、泥膜を補強してカッタチャンバ内の圧力を安定させるようにする。カッタヘッドには、掘削された土砂等をカッタチャンバC1内に取り込むための土砂取込口が形成されている。
カッタチャンバC1は、カッタヘッドの回転により掘削された土砂等を取り込み、送泥管1を通じて供給された泥水と混合する空間(チャンバ)であり、前述のように、カッタチャンバC1内の泥水圧力を切羽の土圧および地下水圧に見合う圧力にして切羽を押さえて安定化させる。
一方、スキンプレートの機内には、カッタヘッドを正逆方向に回転させるカッタ駆動部、前後に分割されて屈曲可能となったスキンプレート(前胴プレート・後胴プレート)を相互に連結するとともにシールド掘進機の推進方向を修正する中折れジャッキ、スキンプレートの後方に敷設されたセグメントに反力をとってシールド掘進機を前進させるシールドジャッキ、スキンプレートの後端付近において複数のピースを環状に組み立ててトンネルの内周にセグメントを構築するエレクタなどが設置されている。
さらに、スキンプレートの機内から坑外に延びるようにして、前述の送泥管1と排泥管2とが設置されている。
送泥管1は、カッタチャンバC1内に泥水を供給する配管であり、その先端部(放泥口)はカッタチャンバC1の上部に達している。これにより、送泥管1を通じて圧送された泥水は、シールド掘進機の正面内上部からカッタチャンバC1内に供給される。この送泥管1はトンネルの抗口に向かって延び、途中に配置された前述の送泥ポンプを介してトンネルの外部の泥水プラントに接続されている。なお、泥水プラントは、トンネルの外部の泥水処理装置(図示せず)に接続されている。
排泥管2は、カッタチャンバC1内の排泥水(掘削土と泥水との混合泥水)をトンネルの外部に排出する配管であり、その先端部(吸泥口)はカッタチャンバC1の下部に達している。これにより、カッタチャンバC1内の排泥水は、シールド掘進機の正面内下部から排出される。排泥管2はトンネルの抗口に向かって延び、途中に配置された排泥ポンプ3を介してトンネルの外部の泥水処理装置に接続されている。
すなわち、カッタチャンバC1内の排泥水は、排泥管2を通じてトンネルの外部の泥水処理装置に送られ、そこで土砂と泥水とに分離され比重や粘性等が調整された後、泥水プラントに送られて再び送泥管1を通じてカッタチャンバC1へ送られる。
図1に示すように、本実施の形態のシールド掘進機には、カッタチャンバC1の後方に補助チャンバ(第2のチャンバ)C2が設置されている。補助チャンバC2は調圧配管4によりカッタチャンバC1と連通しており、カッタチャンバC1との間を泥水が往来するようになった小型の圧力容器である。
補助チャンバC2は調圧配管4でカッタチャンバC1と連結されているために、補助チャンバC2内の下層は泥水層(貯留泥水)となっている。本実施の形態において、調圧配管4のカッタチャンバC1の接続位置は、カッタチャンバC1の中央よりも上部の位置となっている。これは、補助チャンバC2の役目は圧力の調整であるから、泥水の濃度は機能に影響しないため、補助チャンバC2内への土砂の堆積を防ぐためには泥水の濃度が薄いことが望ましいからである。
また、図示するように、コンプレッサ5から圧縮空気の供給を受けるレシーバタンク6が設置され、このレシーバタンク6は空圧配管7を介して補助チャンバC2と常時接続されている。よって、補助チャンバC2内の上部は圧縮空気層となっている。さらに、補助チャンバC2の上面には、チャンバ内の空圧を設定値に保持するリリーフ弁8が取り付けられている。本実施の形態では、コンプレッサ5で生成される圧縮空気は0.75MPa(MAX)であり、コンプレッサ5とレシーバタンク6との間に設置された図示しない調圧バルブにより0.31~0.35MPa程度に減圧されてレシーバタンク6内に送り込まれる。減圧された圧縮空気はレシーバタンク6から補助チャンバC2内に送り込まれ、補助チャンバC2の内部が0.3MPaになるようにリリーフ弁8で制御されるようになっている。なお、リリーフ弁8の開度は、制御のし易さの見地から10%程度にするのが望ましい。
また、レシーバタンク6内の圧力が0.31MPaより低くなるとコンプレッサ5が稼働し、0.35MPaより高くなると停止する。そして、レシーバタンク6からは常に補助チャンバC2に圧縮空気が供給されている。その上で、補助チャンバC2のリリーフ弁8から常に空気を排出し続けることで、安定した気圧を保つことができる。
なお、本実施の形態では、リリーフ弁8は2個設けられており、一方が動作不良を起こした場合でも確実に補助チャンバC2内を一定の設定圧力に維持できるようにされている。なお、図示しないが、同じ理由から、空圧配管7も2本設けることが望ましい。
そして、このようにして補助チャンバC2の内部圧力が一定に保たれているため、カッタチャンバC1の圧力の変化に応じて調圧配管4から泥水が流入して泥水層の水面高さが変化しても、上層の圧縮空気が空気圧ダンパとして切羽圧の変化を吸収することで、カッタヘッドの切羽に対する圧力を一定に保つことができることになる。
なお、レシーバタンク6はコンプレッサ5と常時接続されているが、レシーバタンク6内の圧縮空気の圧力が一定値を超えるとコンプレッサ5が停止し、レシーバタンク6内の圧力が所定以上に上昇することが防止されている。
なお、レシーバタンク6とコンプレッサ5とで構成される圧縮空気供給手段は、シールド掘進機の前進に追随して前進する後続台車に搭載されている。
さらに、補助チャンバC2には送泥管1から分岐した供給配管9が接続されており、送泥管1を流れる泥水は、補助チャンバC2にも流入可能になっている。また、補助チャンバC2の底面には排出配管10が接続され、その先端は排泥管2に接続されている。そして、補助チャンバC2内の泥水が土砂を多く含んだ場合には、排出配管10に設けられた第5のバルブV5を開いて補助チャンバC2内の土砂を排泥管2に排出するようになっている。さらに、送泥管1と排泥管2とは、バイパス配管13により直接(つまり、カッタチャンバC1を介することなく)接続されている。
図示するように、送泥管1におけるバイパス配管13との分岐接続点Pb1よりもカッタチャンバC1側には第1のバルブV1が、排泥管2におけるバイパス配管13との分岐接続点Pb2よりもカッタチャンバC1側には第2のバルブV2が取り付けられている。また、バイパス配管13には第3のバルブV3が、供給配管9には第4のバルブV4が、前述のように排出配管10には第5のバルブV5が、調圧配管4には第6のバルブV6が取り付けられている。
さらに、排出配管10に取り付けられた第5のバルブV5の排泥管2側には、逆止弁(第7のバルブ)V7が設置されている。これは、排泥管2内の水圧の方が排出配管10内の水圧よりも高くなっている場合に、泥水が排泥管2から排出配管10を通って補助チャンバC2内に逆流する事態を阻止するためである。
第1のバルブV1~第6のバルブV6は何れもそれぞれの管路を開閉するためのものであり、本実施の形態においては、シールド掘進機の作業状態(地山掘削作業中・地山掘削作業停止中)を示すデータ、カッタチャンバC1内の泥水の圧力計および濃度計による計測値、補助チャンバC2内のレベルチェッカ14および電極センサSおよび圧力計による計測値などが収集され、これらに基づいて図示しない制御部(制御手段)に制御されるモータなどのアクチュエータによって自動的に開閉操作されるようになっている。
但し、制御部を設けることなく、オペレータがアクチュエータを介して第1のバルブV1~第6のバルブV6を開閉操作するようにしてもよい。また、これら第1のバルブV1~第6のバルブV6に開度調整バルブを用いて、より緻密な操作ができるようにしてもよい。
補助チャンバC2内には、電極センサ(水位検知手段)Sが補助チャンバC2の側壁において上下方向の7箇所(電極センサS1~S7)に設置されている。なお、ここでは、最上部の電極センサを符号S1とし、そこから下方に向かって符号S2,S3,S4,S5,S6,S7の電極センサとする。
この電極センサSは、絶縁体を介して離間されて先端が補助チャンバC2の内部に面している2本の電極を備えており、これらの電極間の通電の有無を検知することで、当該センサSにまで泥水が存在しているか否か(通電すれば泥水が存在している)が検知される。そして、前述のように、電極センサSは補助チャンバC2の側壁において上下方向の7箇所に設置されているので、どの電極センサSまでが通電しているかによって補助チャンバC2内の水位(H)を検知することができる。
図示するように、水位(H)を測定するためのそれぞれの電極センサS1~S7の位置が補助チャンバC2内のレベルL1~レベルL7に対応している。たとえば、電極センサS3~S7が通電していれば、補助チャンバC2内の水位は電極センサS3の位置に対応したレベルL3となる。
ここで、図2に示すように、補助チャンバC2内の水位に対応したレベルL1~レベルL7は、次のような内容になっている。
すなわち、レベルL1は、掘進停止水位(異常高位)のレベルであり、泥水が送泥管1からバイパス配管13を通って(つまり、カッタチャンバC1を通らずに)排泥管2に流れ込んで環流するバイパス環流モードにしてレベルL2まで泥水を排出して掘進を開始する動作内容である。なお、レベルL1はバイパス環流モードであるために、レベルL1を脱出するまで掘進は停止(緊急停止)される。レベルL2は、上限水位のレベルであり、ここまで水位が低下したら泥水が送泥管1からカッタチャンバC1を通って(つまり、バイパス配管13を通らずに)排泥管2に流れ込んで環流するカッタチャンバ環流モードにしてレベルL3まで泥水の排出を継続しながら掘進を実行する動作内容である。レベルL3は、基準水位(上端)のレベルであり、カッタチャンバ環流モードにしておいて、補助チャンバC2への給排泥(供給配管9からの給泥、排出配管10からの排泥)は行わずに掘進を実行する動作内容である。レベルL4は基準水位のレベル、レベルL5は基準水位(下端)のレベルであり、動作内容はレベルL3と同じである。レベルL6は、下限水位のレベルであり、カッタチャンバ環流モードにしてレベルL5まで泥水を供給して掘進を実行する動作内容である。そして、レベルL7は、掘進停止水位(異常高位)のレベルであり、バイパス環流モードにするとともに第6のバルブV6を閉鎖して、レベルL6まで泥水を供給する動作内容である。なお、レベルL7もバイパス環流モードであるために、レベルL7を脱出するまで掘進は停止(緊急停止)される。なお、レベルL6は、下限水位のレベルであり、ここまで水位が上昇したらカッタチャンバ環流モードにしてレベルL5まで泥水の供給を継続しながら掘進を実行する動作内容である。
なお、カッタチャンバ環流モードでは、送泥管1を通じて泥水プラントに貯留されている泥水を送泥ポンプによりカッタチャンバC1内に供給し、カッタチャンバC1内の泥水圧力を切羽の土圧および地下水圧に見合う圧力にして切羽の安定を図るとともに、カッタチャンバC1内に溜められた泥水をカッタチャンバC1内に取り込まれた掘削土とともに排泥管2によってトンネルの外部の泥水プラントを介して環流させながら地山にトンネルを形成する。また、カッタチャンバC1内の泥水圧力の変動に応じて、調圧配管4を介してカッタチャンバC1と補助チャンバC2との間で泥水が往来して、カッタチャンバC1内の圧力変動が緩和される。
ここで、図2において、第1のバルブV1~第6のバルブV6の開閉は図示するようになっているが、詳細については後述するフローチャートと併せて説明する。
なお、本実施の形態では、電極センサS1~S7により水位をレベルLl~レベルL7の7段階で検知することとしているが、これ以上あるいはこれ以下としてもよい。すなわち、少なくとも電極センサSを3台設けて、上限水位、基準水位および下限水位の3種類の水位を検知できるようにしてもよい。本実施の形態に示すように、基準水位には、レベルL3:基準水位(上端)、レベルL4:基準水位およびレベルL5:基準水位(下端)を設けて基準水位となる水位幅を広くしているように、単一の基準水位とする場合には、同様に水位幅を広くするのが望ましい。
また、例えば、逸泥が極端に大きい地層を掘削する場合には、9段階として補助チャンバC2内の水位がレベルL8まで下がったら緊急停止のための作業を開始するようにしてもよい
補助チャンバC2内には、レベルチェッカ14が設置されている。本実施の形態において、送信されてから水面で反射して受信されるまでのガイドプロープ上を伝達するパルス信号の時間から水面高さを測定するガイドパルス式のレベルチェッカ14が用いられている。このレベルチェッカ14は、補助チャンバC2内の水位の増減を計測することにより補助チャンバC2内の泥水量を検知するとともに、補助チャンバC2とカッタチャンバC1との間を往来する泥水の流向(泥水がどちらの方向に流れているか)を検知するためのものである。なお、本実施の形態の管理画面Mでは、レベルチェッカ14は水量を検知してこれを表示する水量表示手段として表されている。
さて、図1に示した管理画面Mは、例えば地上の集中管理室や坑内の運転室などに設置されており、以上に説明した送泥管1、排泥管2、排泥ポンプ3、調圧配管4、コンプレッサ5(圧縮空気供給手段の構成要素)、レシーバタンク6(圧縮空気供給手段の構成要素)、空圧配管7、リリーフ弁8、供給配管9、排出配管10、バイパス配管13、レベルチェッカ(水量表示手段)14、カッタチャンバC1、補助チャンバC2、電極センサS(S1~S7)、補助チャンバC2内の水位についてのレベルL1~L7を表示するレベル表示部、第1のバルブV1~第6のバルブV6、および逆止弁V7が、泥水式シールド掘進機の動作状態を把握するための構成要素として表示されている。ここで、レベルチェッカ14は棒状形式になっており、上下方向に対する長短で水量を表している。また、図示は省略されているが、カッタチャンバC1の水圧や、補助チャンバC2、コンプレッサ5、レシーバタンク6の気圧などは数値で表示されるようになっている。なお、補助チャンバC2の水位(H)に応じて第1のバルブV1~第6のバルブV6を開閉することから、各配管には泥水が流れたり流れなかったり、あるいは流れる方向が変わったりする。
但し、図1に示す管理画面Mは一例に過ぎず、管理画面Mにおいて表示される管路の種類や管路を流れる流体の流入先あるいは流出先である機能装置は本実施の形態に限定されるものではなく、自由に選定することができる。
そして、本実施の形態においては、後述の図3に示したフローチャートの各ステップに対応した泥水および圧縮空気の流れが管理画面M上に逐次表示されるようにしている。
具体的には、図4~図13において、送泥管1やバイパス配管13の第3のバルブV3よりも送泥管1側を流れる泥水(つまり、供給される泥水)は太い実線で、排泥管2やバイパス配管13の第3のバルブV3よりも排泥管2側を流れる泥水(つまり、排出される泥水)は太い破線で、圧縮空気は太い点線で、供給配管9を流れる補助チャンバC2への供給泥水は太い一点鎖線で、排出配管10を流れる補助チャンバC2からの排出泥水は太い二点鎖線で、調圧配管4を往来する泥水は太い波線と流向を示す矢印で、泥水が流れていない配管は細い実線で、それぞれ表示されるようになっている。レベルチェッカ14で検知される補助チャンバC2内の水量は網掛けで表示されるようになっている。
ここで、泥水および圧縮空気の流れは、本実施の形態のように線の種類(識別態様)を相互に異ならせて表示するのではなく、色の種類(識別態様)を相互に異ならせて表示することができる。例えば、太い実線は青色で、太い破線はオレンジ色で、太い点線は黄色で、太い一点鎖線は緑色で、太い二点鎖線は茶色で、太い波線については、泥水がカッタチャンバC1から補助チャンバC2へ流れる場合には青色と同系色の薄い青色で、泥水が補助チャンバC2からカッタチャンバC1へ流れる場合にはオレンジ色と同系色の薄いオレンジ色で、細い実線は無色で、それぞれ表示することができる。また、レベルチェッカ14で検知される補助チャンバC2内の水量はレベルL1~L7で色を違え、レベルL1およびレベルL7(掘進停止水位)は赤色で、レベルL2およびレベルL6(上下限水位)は黄色で、レベルL3~レベルL5(基準水位)は水色で、それぞれ表示することができる。
なお、カッタチャンバC1と補助チャンバC2とを連通する調圧配管4において、泥水の流向を矢印や色で表示する場合には、泥水が一方向へたとえば5秒(所定時間)以上流れ続けた場合に矢印の方向や色などの表示を反対方向に切り替えるようにするのがよい。これは、常時監視するための管理画面Mであるから、泥水の流向が変わったならばなるべく早く表示を変更する必要がある一方で、ほんの一瞬(例えば1秒)流向が変わっただけで表示が変更されることになると、正確な流向を把握しにくくなるからである。但し、表示を変更する条件となる時間は前述の5秒ではなくてもよい。なお、泥水の移動が無い状態の場合は、直前の流向の矢印や色を維持する。
また、線の種類を相互に異ならせたり色の種類を相互に異ならせて表示する場合、送泥管1や排泥管2などの配管に流向計を適宜設置しておき、泥水等の流れ(調圧配管4だけの流れではなく、全体の流れ)の方向を矢印で示す(矢印表示形式)ようにして、方向に誤りが発生していないかを知ることができるようにしてもよい。さらに、泥水等の流れの方向の表示については、連鎖式点灯表示形式(いわゆるシーケンシャル表示形式)にして、実際の泥水等の流れる方向に合わせて線や色が流れるように表示してもよい。この場合、泥水等の流速を測定しておき、その流速を線や色が流れる速さで表示するようにしてもよい。
なお、以上に示した線の種類や色の種類は一例であり、本発明がこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
以上のような構成を有するシールド掘進機において、補助チャンバC2の水位に応じた第1のバルブV1~第6のバルブV6の開閉による泥水の流れについて、図3を用いて説明する。また、図3に示す幾つかのステップにおいて表示される管理画面Mを、図4~図13を用いて図3における該当ステップの説明の際に説明する。
なお、図3のフローチャートにおいて、図中にも記載したように、V1~V6は第1のバルブ~第6のバルブを、OP(Open)はバルブVが開放位置であることを、CL(Close)はバルブVが閉鎖位置であることを、バイパス環流モードとは、第1のバルブV1がCL、第2のバルブV2がCL、第3のバルブV3がOPとなるモード(つまり、泥水がバイパス配管13を通って環流するモード)を、カッタチャンバ環流モードとは、第1のバルブV1がOP、第2のバルブV2がOP、第3のバルブV3がCLとなるモード(つまり、泥水がカッタチャンバC1を通って環流するモード)を、Hは電極センサS1~S7による補助チャンバC2内の水位を、L1~L7は補助チャンバC2内の水位Hについてのレベルを、それぞれ意味している。
また、図4~図13において、第1のバルブV1~第6のバルブV6に添えられた文字について、「OP」は当該バルブVが開放位置であることを、「CL」は当該バルブVが閉鎖位置であることを示している。但し、バルブVの開閉位置については、必ずしも表示しなくてもよい。これは、泥水の流れから該当するバルブVの開閉位置を推定することができるからである。さらに、開閉位置の表示については、本実施の形態のような文字(OP・CL)ではなく、記号などであってもよい。
なお、圧縮空気は、コンプレッサ5からレシーバタンク6を通って補助チャンバC2に常時供給され、リリーフ弁8で適量が排出され、補助チャンバC2の内部は0.3MPaに保持されている。したがって、以下において、圧縮空気の流れについては言及しない。但し、何らかのトラブルが発生して圧縮空気が流れなくなったときには、図示する場合に点線で表示される流れが細い実線になる。
なお、管路を開閉して泥水の流れを制御する第1のバルブV1~第6のバルブV6は、前述のように制御部によって制御されている。
さて、図3において、先ず、泥水式シールド掘進機をバイパス環流モードにして第3のバルブV3のみを開放し(ステップSt01)、次に、第3のバルブV3を開放したままで第6のバルブV6を開放する(ステップSt02)。ここで、ステップSt02での管理画面Mにおける泥水の流れの表示を図4に示す。図示するように、ここではバイパス環流モードとなっていることから、泥水は送泥管1からバイパス配管13を経由して排泥管2から排出される流れで示されている。また、第6のバルブV6は開放されていることから、調圧配管4を介してカッタチャンバC1と補助チャンバC2とは連通されている。なお、レベル表示部Dに示すように、シールド掘進機の動作開始時において、補助チャンバC2内には、既にある程度(ここでは、レベルL2~レベルL3)の泥水が入れられている。
ステップSt02の後、カッタチャンバ環流モードに移行して第1のバルブV1および第2のバルブV2のみを開放し(ステップSt03)、掘進を開始する(ステップSt04)。ここで、ステップSt04での管理画面Mにおける泥水の流れの表示を図5に示す。図示するように、ここでは第1のバルブV1が開放されて送泥管1からカッタチャンバC1内に泥水が供給され、また第2のバルブV2が開放されてカッタチャンバC1内の掘削土と泥水とが排泥管2から排出される流れが示されている。また、調圧配管4を介して、泥水がカッタチャンバC1と補助チャンバC2とを往来する状態が示され、これによりカッタチャンバC1内の水圧の急激な変動が緩和されているのが示されている。なお、第6のバルブV6が開放されているので、ステップSt03において、送泥管1からカッタチャンバC1内に一気に泥水が流入したとき、泥水が調圧配管4を介して補助チャンバC2に流入し、圧縮空気が供給されている補助チャンバC2内の水面上昇によりカッタチャンバC1内の水圧の上昇が緩和されてカッタヘッドに対する急激な負荷が低減される。
ステップSt04において掘進を開始したならば、次に、水位計測を行う(ステップSt05)を行う。
また、本実施の形態においては、1日の作業の開始時を想定してステップSt01~ステップSt04を経てステップSt05を実行しているが、セグメントの組立などでバイパス環流モードに移行した後の場合は、補助チャンバC2内に既にある程度の泥水が入っているので、ステップSt01~ステップSt04を省略してもよい。但し、シールド掘進機のスムーズなオペレーションのためには、ステップSt01~ステップSt04を実行するのが望ましい。
さて、図3に戻り、ステップSt05での水位計測の結果、補助チャンバC2の水位HがレベルL7より少ないか否かが判断される(ステップSt06)。そして、ステップSt06において補助チャンバC2の水位HがレベルL7より少なくない(多い)と判断された場合には、次に、補助チャンバC2の水位HがレベルL1より多いか否かが判断される(ステップSt07)。
このように、ステップSt06とステップSt07とにおいては、補助チャンバC2の水位Hが掘進停止水位(レベルL7:異常低位、レベルL1:異常高位)を超えた状態であるか否かが判断される。そして、ステップSt06およびステップSt07において、何れも「NO(否)」と判断されたということは、補助チャンバC2の水位Hが掘進停止水位を超えていないことを意味する。
さて、ステップSt07において補助チャンバC2の水位HがレベルL1より多くない(少ない)と判断された場合には、次に、補助チャンバC2の水位HがレベルL6より少ないか否かが判断される(ステップSt08)。そして、ステップSt08において補助チャンバC2の水位HがレベルL6より少なくない(多い)と判断された場合には、次に、補助チャンバC2の水位HがレベルL1より多いか否かが判断される(ステップSt09)。
このように、ステップSt08とステップSt09とにおいては、補助チャンバC2の水位Hが上下限水位(レベルL2:上限水位、レベルL6:下限水位)を超えた状態であるか否かが判断される。そして、ステップSt08およびステップSt09において、何れも「NO(否)」と判断されたということは、補助チャンバC2の水位Hが上下限水位をも超えていないことを意味する。
したがって、これらのステップSt06~ステップSt09で「NO(否)」と判断されたことから、補助チャンバC2の水位Hは標準水位内となっている、つまりレベルL3(標準水位(上限))~レベルL4(標準水位))、あるいはレベルL4(標準水位)~レベルL5(標準水位(下限)))となっていることになる。これにより、カッタチャンバ環流モード(ステップSt03)の下で開始されたシールド掘進機による掘進(ステップSt04)が実行され続ける。すなわち、カッタチャンバC1内の泥水圧力の変動に応じて、調圧配管4を介してカッタチャンバC1と補助チャンバC2との間で泥水が往来して、カッタチャンバC1内の圧力変動が緩和されながら地山が掘削されていく。
ここで、ステップSt09での管理画面Mにおける泥水の流れの表示を図6および図7に示す。図6は補助チャンバC2の水位HがレベルL3~レベルL4のときの管理画面Mを、図7は補助チャンバC2の水位HがレベルL4~レベルL5のときの管理画面Mを、それぞれ示している。図示するように、ここではカッタチャンバ環流モードとなっていることから、泥水は送泥管1からカッタチャンバC1を経由して排泥管2から排出される流れが示されている。また、第6のバルブV6は開放されていることから、調圧配管4を介して泥水がカッタチャンバC1と補助チャンバC2とを往来する状態が示されている。
ステップSt09の後、次のステップSt10において、推進ジャッキが伸びきったかどうかが判断され、伸びきったと判断された場合には、バイパス環流モードにし(ステップSt11)、シールド掘進機の掘進を停止させる(ステップSt12)。そして、トンネルを構築するために、図示しないセグメントをリング状に組み立てる(ステップSt13)。
なお、ステップSt10において、推進ジャッキが伸びきっていないと判断された場合には、シールド掘進機をさらに前進させる必要があることから、前述したステップSt05に戻る。
そして、ステップSt13においてセグメントの組み立てが完了すると、ステップSt44において、1日の作業が終了したかどうかが判断され、終了したと判断された場合には、第4のバルブV4、第5のバルブV5および第6のバルブV6を閉鎖する(ステップSt45)。また、ステップSt44において、1日の作業が終了していないと判断された場合には、前述したステップSt03に戻る。
さて、補助チャンバC2の水位Hが常に標準水位内であれば、カッタチャンバC1内の圧力変動を補助チャンバC2で緩和しながらスムーズな掘進が行われる。しかしながら、地盤の状態によってはカッタチャンバC1への掘削泥水の流入量が変動することから、補助チャンバC2内の泥水をカッタチャンバC1との間で多量に往来させてカッタチャンバC1内の泥水圧の急激な変化を緩和している。そのため、補助チャンバC2内の水位Hが標準水位を逸脱する事態が発生する。
そのようなことから、本フローチャートに示すように、補助チャンバC2の水位Hがどのレベル(レベルL1~レベルL7)にあるかが適宜チェックされて、チェック結果に応じた処理が実行される。
さて、このような補助チャンバC2の水位Hのチェックとして、前述のステップSt06において、補助チャンバC2の水位HがレベルL7(掘進停止水位(異常低位))より少ないと判断された場合には、図2のレベルL7に従って、シールド掘進機の掘進を停止し(ステップSt14)、第1のバルブV1~第6のバルブV6をレベルL7に対応した状態にする。すなわち、第4のバルブV4を開放するとともに第5のバルブV5および第6のバルブV6を閉鎖してから(ステップSt15)、バイパス環流モードにする(ステップSt16)。これにより、送泥管1から供給配管9を通って泥水が補助チャンバC2へと供給が開始される(ステップSt17)。
ここで、ステップSt17での管理画面Mにおける泥水の流れの表示を図8に示す。図示するように、掘進が停止したバイパス環流モード(泥水が送泥管1からバイパス配管13を経由して排泥管2から排出されるモード)下において、送泥管1から供給配管9を通って泥水が補助チャンバC2へと供給される状態が示されている。また、補助チャンバC2の水位HがレベルL7より少なくなっている状態がレベル表示部Dに示されている。
ステップSt17の後、ステップSt05と同様の水位計測を行い(ステップSt18)、補助チャンバC2の水位HがレベルL6(下限水位)より多いか否かが判断される(ステップSt19)。そして、レベルL6より多いと判断された場合には、第1のバルブV1~第6のバルブV6を図2のレベルL6に従った状態にする。すなわち、第4のバルブV4および第6のバルブV6を開放するとともに第5のバルブV5を閉鎖してから(ステップSt20)、カッタチャンバ環流モードにする(ステップSt21)。これにより、送泥管1から供給配管9を通って泥水が補助チャンバC2に供給されるとともに調圧配管4が開放され、シールド掘進機の掘進が開始する(ステップSt22)。なお、掘進開始後は、後述するステップSt34に移行する。
なお、ステップSt19において、補助チャンバC2の水位HがレベルL6より多くなっていない(少ない)と判断された場合には、多くなるまで給泥が実行される。
次に、前述のステップSt07において補助チャンバC2の水位HがレベルL1(掘進停止水位(異常高位))より多いと判断された場合には、図2のレベルL1に従って、シールド掘進機の掘進を停止し(ステップSt23)、第1のバルブV1~第6のバルブV6をレベルL1に対応した状態にする。すなわち、第4のバルブV4および第6のバルブV6を閉鎖するとともに第5のバルブV5を開放してから(ステップSt24)、バイパス環流モードにする(ステップSt25)。これにより、補助チャンバC2への給泥が停止されるとともに、補助チャンバC2内の泥水が排出配管10から排出される(ステップSt26)。
ここで、ステップSt26での管理画面Mにおける泥水の流れの表示を図9に示す。図示するように、掘進が停止したバイパス環流モード(泥水が送泥管1からバイパス配管13を経由して排泥管2から排出されるモード)下において、補助チャンバC2内の泥水がレベルL1より多くなって排出配管10から排出される状態が示されている。
ステップSt26の後、ステップSt05と同様の水位計測を行い(ステップSt27)、補助チャンバC2の水位HがレベルL2(上限水位)より低くなったか否かが判断される(ステップSt28)。そして、レベルL2より低くなったと判断された場合には、第1のバルブV1~第6のバルブV6を図2のレベルL2に従った状態にする。すなわち、第4のバルブV4を閉鎖するとともに第5のバルブV5および第6のバルブV6を開放してから(ステップSt29)、カッタチャンバ環流モードにする(ステップSt30)。これにより、泥水が補助チャンバC2から排出配管10を通してと排出されるとともに調圧配管4が開放され、シールド掘進機の掘進が開始する(ステップSt31)。なお、掘進開始後は、後述するステップSt40に移行する。
なお、ステップSt28において、補助チャンバC2の水位HがレベルL2より少なくなっていない(多い)と判断された場合には、少なくなるまで排泥が実行される。
次に、ステップSt08において、水位HがレベルL6(下限水位)より少ないと判断された場合には、図2のレベルL6に従って、第1のバルブV1~第6のバルブV6をレベルL6に対応した状態にする。すなわち、第4のバルブV4および第6のバルブV6を開放するとともに第5のバルブV5を閉鎖し(ステップSt32)、補助チャンバC2内に給泥を開始する(ステップSt33)。
ここで、ステップSt33での管理画面Mにおける泥水の流れの表示を図10に示す。図示するように、掘進が実行されるカッタチャンバ環流モード(泥水が送泥管1からカッタチャンバC1を経由して排泥管2から排出されるモード)下において、送泥管1から供給配管9を通って泥水が補助チャンバC2へと供給される状態が示されている。また、調圧配管4を介して、泥水がカッタチャンバC1と補助チャンバC2とを往来し、カッタチャンバC1内の水圧の急激な変動が緩和されている状態が示されている。さらに、補助チャンバC2の水位HがレベルL6~レベルL7となっている状態がレベル表示部Dに示されている。
ステップSt33の後、ステップSt05と同様の水位計測を行い(ステップSt34)、補助チャンバC2の水位HがレベルL5(基準水位(下端))より高くなったか否かが判断される(ステップSt35)。そして、レベルL5より高くなったと判断された場合には、第1のバルブV1~第6のバルブV6を図2のレベルL5に従った状態にする。すなわち、第4のバルブV4および第5のバルブV5を閉鎖するとともに第6のバルブV6を開放してから(ステップSt36)、補助チャンバC2への給泥を停止する(ステップSt37)。なお、補助チャンバC2への給泥を停止するのは、補助チャンバC2内が基準水位となっているからである。また、ステップSt37で給泥を停止したならば、前述したステップSt05に戻る。
なお、ステップSt35において、補助チャンバC2の水位HがレベルL5より多くなっていない(少ない)と判断された場合には、多くなるまで給泥が実行される。
ここで、ステップSt34およびステップSt35での管理画面Mにおける泥水の流れの表示を図11に示す。図示するように、掘進が実行されるカッタチャンバ環流モード(泥水が送泥管1からカッタチャンバC1を経由して排泥管2から排出されるモード)下において、送泥管1から供給配管9を通って泥水が補助チャンバC2へと供給される状態が示されている。また、調圧配管4を介して、泥水がカッタチャンバC1と補助チャンバC2とを往来し、カッタチャンバC1内の水圧の急激な変動が緩和されている状態が示されている。さらに、補助チャンバC2の水位HがレベルL5~レベルL6となっている状態(つまり、レベルL5(基準水位(下端))以上まで泥水を供給している途中の状態)がレベル表示部Dに示されている。
次に、ステップSt09において、水位HがレベルL2(上限水位)より多いと判断された場合には、図2のレベルL2に従って、第1のバルブV1~第6のバルブV6をレベルL2に対応した状態にする。すなわち、第4のバルブV4のバルブを閉鎖するとともに第5のバルブV5および第6のバルブV6を開放し(ステップSt38)、補助チャンバC2から排泥を開始する(ステップSt39)。
ここで、ステップSt39での管理画面Mにおける泥水の流れの表示を図12に示す。図示するように、掘進が実行されるカッタチャンバ環流モード(泥水が送泥管1からカッタチャンバC1を経由して排泥管2から排出されるモード)下において、補助チャンバC2内の泥水がレベルL2より多くなって排出配管10から排出される状態がレベル表示部Dに示されている。
ステップSt26の後、ステップSt05と同様の水位計測を行い(ステップSt40)、補助チャンバC2の水位HがレベルL3(基準水位(上端))より低くなったか否かが判断される(ステップSt41)。そして、レベルL3より低くなったと判断された場合には、第1のバルブV1~第6のバルブV6を図2のレベルL3に従った状態にする。すなわち、第4のバルブV4および第5のバルブV5を閉鎖するとともに第6のバルブV6を開放してから(ステップSt42)、補助チャンバC2の排泥を停止する(ステップSt43)。なお、補助チャンバC2の排泥を停止するのは、補助チャンバC2内が基準水位なっているからである。また、ステップSt43で排泥を停止したならば、前述したステップSt05に戻る。
なお、ステップSt41において、補助チャンバC2の水位HがレベルL3より多いと判断された場合には、少なくなるまで排泥が実行される。
ここで、ステップSt40およびステップSt41での管理画面Mにおける泥水の流れの表示を図13に示す。図示するように、掘進が実行されるカッタチャンバ環流モード(泥水が送泥管1からカッタチャンバC1を経由して排泥管2から排出されるモード)下において、補助チャンバC2内の泥水がレベルL2より多くなって排出配管10から排出される状態が示されている。また、調圧配管4を介して、泥水がカッタチャンバC1と補助チャンバC2とを往来し、カッタチャンバC1内の水圧の急激な変動が緩和されている状態が示されている。さらに、補助チャンバC2の水位HがレベルL2~レベルL3となっている状態(つまり、レベルL3(基準水位(上端))以下まで泥水を排出している途中の状態)がレベル表示部Dに示されている。
さて、図2に示すように、レベルL3(基準水位(上端))、レベルL4(基準水位)およびレベルL5(基準水位(下端))における第1のバルブV1~第6のバルブV6の開閉位置は全て同一になっている。そして、以上の図3における説明では、「第1のバルブV1~第6のバルブV6を図2のレベルL4(基準水位)に従った状態にする」との処理は存在しない。これは、補助チャンバC2内の水位が、ステップSt08においてレベルL6(下限水位)よりも多く、ステップSt09においてレベルL2(上限水位)よりも少ないと判断されれば、つまり、補助チャンバC2内の水位がレベルL3~レベルL5(基準水位(上端)~基準水位(下端))の間にあれば第1のバルブV1~第6のバルブV6の開閉位置を変更する必要がないため、あえて「水位HがレベルL4(基準水位)より多い(あるいは少ない)」との判断、および「第1のバルブV1~第6のバルブV6を図2のレベルL4(基準水位)に従った状態にする」との処理を実行する必要がないからである。但し、水位HがレベルL4より多いか少ないかに係わる処理を実行するようにしても差し支えない。
以上説明したように、本実施の形態によれば、泥水式シールド掘進機の動作状態を把握するための管理画面Mには、装置の構成要素として、送泥管1、排泥管2、排泥ポンプ3、調圧配管4、コンプレッサ5、レシーバタンク6、空圧配管7、リリーフ弁8、供給配管9、排出配管10、バイパス配管13、レベルチェッカ14、カッタチャンバC1、補助チャンバC2、電極センサS(S1~S7)、補助チャンバC2内の水位についてのレベルL1~L7、第1のバルブV1~第6のバルブV6、および逆止弁V7が表示されている。
また、送泥管1やバイパス配管13の第3のバルブV3よりも送泥管1側を流れる泥水(つまり、供給される泥水)は太い実線で、排泥管2やバイパス配管13の第3のバルブV3よりも排泥管2側を流れる泥水(つまり、排出される泥水)は太い破線で、圧縮空気は太い点線で、供給配管9を流れる補助チャンバC2への供給泥水は太い一点鎖線で、排出配管10を流れる補助チャンバC2からの排出泥水は太い二点鎖線で、調圧配管4を往来する泥水は太い波線と流向を示す矢印で、泥水が流れていない配管は細い実線で、それぞれ表示されるようになっている。また、レベルチェッカ14で検知される補助チャンバC2内の水量は網掛けで表示されるようになっている。また、前述のように、泥水および圧縮空気の流れは、本実施の形態のように線の種類を相互に異ならせて表示するのではなく、色の種類を相互に異ならせて表示することができる。
そして、泥水式シールド掘進機の図1に示すような管理画面Mには、図3に示した泥水式シールド掘進機のフローチャートに対応した泥水および圧縮空気の流れが逐次表示されるようになっている。したがって、管理者は、当該管理画面Mに表示される泥水式シールド掘進機の泥水や圧縮空気の全体の状況を容易に把握することが可能になる。
これにより、現在の運転状況を正確に且つ分かりやすく知ることができ、異常な状況が発生した場合には、具体的な発生場所を迅速に把握して適切な対策を講じることが可能になる。
なお、図14に示すように、管理画面Mには、このような泥水および圧縮空気の流れの表示に加えて、切羽水圧、補助チャンバC2内の気圧およびシールド掘進機の掘進状態(掘進中・掘進停止中)の履歴を経過時間(図示する場合には、10時間前まで)に沿ったグラフGで表示することもできる。
なお、本実施の形態においては、前述のように、カッタチャンバC1が逸泥状態かどうかは逸泥量の算定結果から判断される。
具体的に、カッタチャンバC1内の逸泥状態での泥水の濃度の調整については次にようにしている。すなわち、1日の逸泥量(=(送泥量+掘削土量)-排泥量)が全体量の10%以上のときを逸泥状態としている。泥水濃度は比重で管理しており、標準が1.2として、逸泥状態の場合は1.25まで上げるようにしている。また、泥水の比重は最大で1.3程度とし、逸泥量が大きくない場合は標準を1.22としている。
また、1日の逸泥量が全体量の1%以下になったら逸泥が収まったと判断し、泥水の濃度を1.2まで戻す可能性を検討する。ここで、泥水の濃度を1.2まで戻さない余地を残したのは、泥水の濃度を変更する場合には、地上の振動ふるいやシックナーバックフィルタなどについて変更するなど大掛かりな調整が必要なためであり、泥水の濃度を上げた状態で掘削することに問題がない場合は、そのまま続けることが望ましいからである。
また、逸泥とは逆に、切羽の水圧が高くなり、地下水がカッタチャンバC1に流入して水位が上昇する場合がある。本実施の形態において、このときの許容値はプラスマイナス3%としており、水位の上昇が3%以上の状態が丸1日続いた場合には、カッタチャンバC1の泥土圧を漸増させて切羽とのバランスを取る。カッタチャンバC1内の泥土圧は図示しない土圧計により管理値(地盤の主働土圧と受働土圧の間)の範囲内で調整し、許容値内に戻ったら泥土圧を戻す。なお、この間は、補助チャンバC2内の空気圧も泥土圧に合わせて標準値よりも高くなるように調整する。
なお、補助チャンバ11内の泥水が例えばレベルL6まで下がった場合、泥水濃度を濃くしたうえで補助チャンバ11に泥水を供給するが、それでも補助チャンバ11の水位がレベルL6とレベルL5を往復する状態が数日(たとえば、2、3日)続く場合には、管理者が基準水位(下端)をレベルL4、下限水位をレベルL5、掘進停止水位(異常低位)をレベルL6に変更し、補助チャンバ11内の水位を高くして逸水傾向に備えるといった措置を取ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
たとえば、補助チャンバC2の水位が所定量以上変化した場合、その時点から一定期間の管理画面Mにおける表示内容を図示しないメモリ(記憶手段)に保存するようにしてもよい。これを資料として保存しておけば、補助チャンバC2の水位変動の傾向などを解析することができる。
また、矢印については、様々なデザインがあるが、方向(泥水の流れる方向)が認識できる限り、どのようなデザインであってもよい。
また、本実施の形態において説明のために用いた圧力や時間、濃度などの様々な数値は一例に過ぎず、本発明がこれらに限定されるものではない。
以上の説明では、本発明を泥水式のシールド掘進機に適用した場合について説明したが、カッタヘッドの形状や構造等、本発明にかかわらない点については、特に限定されるものではない。
1 送泥管
2 排泥管
3 排泥ポンプ
4 調圧配管
5 コンプレッサ(圧縮空気供給手段の構成要素)
6 レシーバタンク(圧縮空気供給手段の構成要素)
7 空圧配管
8 リリーフ弁
9 供給配管
10 排出配管
13 バイパス配管
14 レベルチェッカ(水量表示手段)
C1 カッタチャンバ(第1のチャンバ)
C2 補助チャンバ(第2のチャンバ)
D レベル表示部
G グラフ
H 補助チャンバ内の水位
M 管理画面
Pb1,Pb2 分岐接続点
S、S1~S7 電極センサ(水位検知手段)
L1~L7 補助チャンバ内の水位についてのレベル
V1~V6 第1のバルブ~第6のバルブ
V7 逆止弁(第7のバルブ)

Claims (6)

  1. 地山を掘削するカッタヘッドによる掘削土砂が取り込まれる第1のチャンバと、
    前記第1のチャンバ内に泥水を送り込む送泥管と、
    前記第1のチャンバ内に溜められた泥水を前記第1のチャンバに取り込まれた掘削土とともに外部に排出する排泥管と、
    圧縮空気および泥水が収容される第2のチャンバと、
    前記第2のチャンバの水量を長短となる棒状形式で表示する水量表示手段と、
    前記第2のチャンバの水位のレベルを複数の段階で表示するレベル表示部と、
    前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを連通し、前記第1のチャンバ内の泥水圧の変化を緩和するように前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間を泥水が往来する調圧配管と、
    前記送泥管と前記排泥管とを連通するバイパス配管と、
    前記送泥管から分岐して前記第2のチャンバに接続された供給配管と、
    前記第2のチャンバから延びて前記排泥管に接続された排出配管と、
    前記第2のチャンバに圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、
    前記圧縮空気供給手段の圧縮空気を前記第2のチャンバへ送る空圧配管と、
    前記送泥管における前記バイパス配管との分岐接続点よりも前記第1のチャンバ側の管路を開閉する第1のバルブ、および前記排泥管における前記バイパス配管との分岐接続点よりも前記第1のチャンバ側の管路を開閉する第2のバルブと、
    前記バイパス配管の管路を開閉する第3のバルブと、
    前記供給配管の管路を開閉する第4のバルブ、および前記排出配管の管路を開閉する第5のバルブと、
    前記調圧配管の管路を開閉する第6のバルブとを表示し、
    前記送泥管および前記第3のバルブよりも上流側の前記バイパス配管、前記排泥管および前記第3のバルブよりも下流側の前記バイパス配管、前記供給配管、前記排出配管を流れている泥水、および前記空圧配管を流れている圧縮空気は、色の種類を相互に異ならせて表示し、
    前記調圧配管では、当該調圧配管を流れる泥水の方向で色の種類を相互に異ならせて表示するとともに、泥水が一方向へ所定時間以上流れ続けた場合に流れる方向の表示を変更し、泥水の移動が無い状態の場合は直前の流向の色で表示する、
    ことを特徴とする泥水式シールド掘進機の管理画面。
  2. 前記送泥管および前記第3のバルブよりも上流側の前記バイパス配管、前記排泥管および前記第3のバルブよりも下流側の前記バイパス配管、前記供給配管、前記排出配管を流れている泥水の流れの方向を表示する、
    ことを特徴とする請求項1記載の泥水式シールド掘進機の管理画面。
  3. 泥水の流れの方向は、連鎖式点灯表示形式によって表示する、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の泥水式シールド掘進機の管理画面。
  4. 前記第1のバルブ~前記第6のバルブの開閉状態を表示する、
    ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の泥水式シールド掘進機の管理画面。
  5. 切羽水圧、前記第2のチャンバ内の気圧、およびシールド掘進機の掘進状態の履歴を経過時間に沿って表示するグラフを有する、
    ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の泥水式シールド掘進機の管理画面。
  6. 前記第2のチャンバの水位が所定量以上変化した時点から一定期間の管理画面の表示内容を保存する記憶手段を有する、
    ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の泥水式シールド掘進機の管理画面。
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