JPH09317340A - 耐震ドア - Google Patents

耐震ドア

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JPH09317340A
JPH09317340A JP13604796A JP13604796A JPH09317340A JP H09317340 A JPH09317340 A JP H09317340A JP 13604796 A JP13604796 A JP 13604796A JP 13604796 A JP13604796 A JP 13604796A JP H09317340 A JPH09317340 A JP H09317340A
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JP
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door
frame
peripheral side
taper portion
opening
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JP13604796A
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Takeshi Kawai
威 河合
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KONOMI KK
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KONOMI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地震によってドア周辺部分の壁やドア用枠、
ドア本体等が損壊を受けて変形した場合に、比較的微弱
な人力によって開閉可能であり、且つ低コストにて製造
しうるドア構造体を提供する。 【解決手段】 ドア本体の周側辺及び該周側辺に対向す
るドア用枠の内周側にテーパー部分を形成して、耐震性
能を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐震性能を備えた
ドアに関する。更に詳細には、ビル、マンション等の集
合住宅や倉庫等を含む一般建造物などの鉄骨、鉄筋コン
クリート構造物を始めとする種々の建造物、さらには、
建造物以外に、タンスやロッカー、クローゼット、物入
等の物品収納具等、開き戸を有する容器等においても広
範囲に使用される、耐震性能を備えたドアに関する。
【0002】
【従来の技術】上記建造物に対して強い地震により急激
に甚だしい外力が加えられ、設置されたドア周辺部分の
壁やドア用枠、ドア本体等が損壊を受けて変形すると、
従来の一般的な構造を有するドアでは通常の人力による
開閉が不能となり、避難脱出のための通路が封鎖されて
しまうことが多い。この場合、特に地震後に火災などが
発生すれば、即座に人命が危機に曝されることとなり、
また、被災後の救助活動を円滑に行う上での大きな妨げ
となる。従って、地震による損壊を受けても格段の力を
要さずに開閉可能であり、脱出経路を確保しうるドア構
造体を提供すべく、種々の試みがなされている。
【0003】最も簡便な対策として、ドアとドア用枠と
のクリアランスを大きく取ることにより変形追従性を高
めた構造が提案されている。例えば、層間変位角を120
分の1に規定して、ドア用枠が重力方向に押圧されて平
行四辺形に変形しても、ドア用枠とドアが当接し難いよ
うにクリアランスを確保した耐震ドア構造が挙げられ
る。しかしながら、かかる構造を採用した場合、震度3
〜4程度の地震に対しては耐震性能が発揮されうること
が知られているものの、阪神大震災のごとき震度7以上
の強震に際しては、ドア用枠が平行四辺形に変形するに
留まらず、強い外力を受けるに伴ってドア用枠やドア本
体が湾曲してしまい、全く開閉不能となった。また、前
記クリアランスを広くすると、防音、防水、防塵の各性
能が低下するのみならず、外観を損ねるために好ましく
なく、また耐火基準にかかる問題点が生じるので、この
ような欠点を補う必要が生じる。
【0004】さらには、ドア用枠に緩衝装置等、例えば
サスペンションフレームやスプリング式の緩衝装置を装
着して二重構造とすることで、クリアランスを広く確保
すると同時に変形に伴う接触抵抗の吸収緩和能が付与さ
れ、外観的にも遜色なく、強震に耐えうるものとしたド
ア構造体が提案されている。しかしながら、このように
別途装置を付加し、外観的にも優れた構造とすること
は、製品価格の大幅な上昇を招くので、これらの製品を
一般に普及する上での妨げとなる。また、このような構
造によっても、大地震による強大な力を受けた場合に所
望の効果が達成される保証は必ずしも得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる現状に
鑑みてなされたものであり、地震によってドア周辺部分
の壁やドア用枠、ドア本体等が損壊を受けて変形した場
合に、比較的微弱な人力によって開閉可能であり、且
つ、簡易な工程により特殊な部品材料を加える必要なし
に、従って低コストにて製造しうるドアを提供すること
を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果成し遂げられたも
のであって、(1)耐震性能を備えたドアであって、少
なくとも1つの周側辺が、開扉方向に向けてドアの幅が
拡大する方向にテーパーにされたテーパー部分を有する
ことを特徴とするドア、(2)(1)のドアが装着され
るドア用の枠であって、閉扉時に前記ドア周側辺のテー
パー部分に対向するテーパー部分を有することを特徴と
するドア用枠、ならびに(3)耐震性能を備えたドア構
造体であって、少なくとも1つの周側辺が、開扉方向に
向けてドアの幅が拡大する方向にテーパーにされたテー
パー部分を有するドア、及び閉扉時に前記ドア周側辺に
形成されたテーパー部分に対向するテーパー部分を有す
るドア用枠から構成されることを特徴とするドア構造体
を提供する。
【0007】これら本発明のドア構造により、地震に伴
う大きな外力が加えられた結果、ドア周辺部分の壁やド
ア用枠、ドア本体等が損壊を受けて変形する際に、対向
するテーパー部分が相互に押圧しあうことによってドア
の開扉方向に接触反力が生じ、比較的微弱な力によって
ドアを開扉することができて、避難脱出経路の確保が可
能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のドア本体は、通常のドア
におけると同様、基本的に表裏2枚のドア平板、及び4
つの周側辺から構成され、該ドア平板の間を中空とし
て、薄箱状の本体構造となされうる。
【0009】本発明においてドア本体の周側辺に形成さ
れるテーパー部分とは、ドアの閉扉側平板と周側辺との
接線部から、ドアの開扉方向に向けてドアの縦方向及び
/または横方向の幅が拡大する方向に、テーパーにされ
た部分を称し、ドア周側辺の両端部間にわたって設けら
れるものである。以下に説明する耐震性能を付与するた
めに、外周側辺のテーパー部分(図1、22に示される)
とドア開扉側平板(図1、24に示される)が、55〜70度
の角度をなすようにテーパーにすることが好ましい。こ
の角度が大きすぎると期待する耐震性能が得られず、小
さすぎると端部の強度が低くなるために接触による破損
を受けやすくなる。
【0010】ドア本体の周側辺及びドア用枠の内周側面
に、対向するテーパー部分を設けた構造により、以下の
ような耐震性能が得られる。すなわち、地震に伴う大き
な外力が加えられた結果、ドア周辺部分の壁やドア用
枠、ドア本体等が損壊を受けて変形する際に、対向する
テーパー部分が相互に押圧しあうことによってドアの開
扉方向に接触反力が生じる。この反力により、比較的微
弱な力によって、ドアを開扉することができ、避難脱出
の経路が確保される。また、本発明の構造とすることに
より、ドア周辺部に歪みが生じても、その程度によって
は開扉機能のみならず閉扉機能も損なわれることがな
い。地震により外力を受けて種々の箇所が破壊されてド
アロックが破損した場合には、ドアが変形するに先立っ
てドアが自然に開く。さらにこの構造では、平常時の開
閉操作も円滑であり、また、閉扉時にドアとドア用枠と
がテーパー部分において嵌合するので、その間隙の斜向
面が障壁となって水や風が室内外を連通し難く、防水性
や防風性が向上する。また、テーパー部分を有すること
によって、前記の通り水等が連通し難い構造となるの
で、その周側辺については、防水、防風及び防塵性能を
維持したままで、枠との間隙(クリアランス)をかなり
大きく取る( 2 〜 8 mm、好ましくは 3 〜6 m
m、最も好ましくは 4 mm)ことが可能であり、従って、
開閉機能阻害の防止能を格段に高めうるという、優れた
特徴が付与される。
【0011】例えば図1及び3に示すように、ドアの開
扉側平板24と前記テーパーにされた周側辺22との接線部
を面取りして、面取り部23を形成すると、前記テーパー
により形成される鋭角がドア端部に至らない、換言すれ
ば、ドアの周側辺にいわゆるナイフエッジが存在しなく
なるので、取り扱い上の危険が生じるのを避けることが
できる。また、かかる面取り部を設けると、後述するよ
うにドアが変位または変形する際に対向するドア用枠を
押圧するための平面が確保され、ドアによる押圧に応じ
てドア用枠を変形させることができる。従って、損壊時
に開扉した後のドア用枠にドアが収まるスペースが確保
されるので再度の閉扉及び施錠が可能となり、防犯上の
安全性を維持できる。
【0012】この面取り部は、平面として形成しても
(例えば図1及び3の23)よく、または曲面として形成
することによってさらに安全な構造としてもよい。
【0013】テーパー部分が形成されるドア周側辺のう
ち、特に、ドア取っ手が設置される側(戸先側)の周側
辺は、人が出入りする際に最も接触する頻度が高いの
で、前記面取りを施すことが好ましい。このように接線
部を面取りして平坦部分を形成した部分の断面を、図1
に示す。ドアの厚みDに対する面取り部分の幅Dbの比率
は、Db:D=1:3〜1:4程度にし、テーパー部分の幅Da
とテーパー部分高さhとの比率は、h:Da=1:2〜1:3程
度とすると、前記開扉機能が確保される。Dbが大きすぎ
ると、前記開扉機能が低くなる。従って、例えば厚さD
が36 mmの玄関ドアにおいては、面取り部分の幅Dbを 9
〜12 mm、テーパー部分高さhを9〜12 mmとすることが好
ましい。
【0014】本発明のテーパー部分を含むドアの周側辺
は、4つの周側辺のうち少なくとも1つの周側辺に設け
られるが、ドア底辺を除く3つの周側辺に該テーパー部
分を形成すると、床面より突出するドア用枠を設置する
ことによって段差等が生じることが好ましくない場合、
例えば家屋内部の部屋から廊下への出入口等において好
適に利用される。
【0015】また、蝶番が装着される(つり元側)周側
辺以外の3つの周側辺より選択される、少なくとも1つ
の周側辺に前記テーパー部分を形成すれば、市販の蝶番
を流用できるので、テーパー部分や面取り部分の形状に
対応した特別な形状の蝶番を装着する必要がないという
利点がある。
【0016】テーパー部分を4つの全周側辺に形成する
と、最も耐震効果が大となるので好ましい。
【0017】本発明のドア本体のための材料としては、
鋼板、アルミ、アルミ合金等の金属、さらには木材、合
成樹脂などを用いることが好ましい。例えば、2枚の鋼
板の間に薄い樹脂層を介在させることによって制振性を
持たせた制振鋼板を使用すると、開閉時に生じる衝突音
や、外界からの雑音に対する防音効果が得られる。
【0018】前記ドア材料より、プレスなどによって、
ドア平板及び周側辺を成形し、これらを通常の溶接によ
り接合する。溶接部は、製品の外観を損ねない位置に配
されるべきであり、特にドア板材料として制振鋼板を用
いる場合には溶接部が目立ちやすくなりがちであるか
ら、ドア周側辺に溶接部を配することが好ましい。
【0019】前記中空部分には、補強のため及び制振性
を補助するためにペーパーハニカム等を介挿することが
好ましい。
【0020】ドアの室内側に、工具、例えば小型の懐中
電灯、ペンチ、バール、金槌、スパナ、ドライバー等を
それぞれ収納するためのポケットを設置してこれら工具
を常備しうる構造とし、震災時に直ちに取り出すことが
できるようにすることが好ましい。ポケットは、工具を
内包する適宜の大きさとし、ドア内部の中空部分に収納
箱を配してドア室内側に開口して蓋を設けたり、ドア平
板上より突出したポケット構造やクランプ等にするとよ
い。
【0021】ドアは、取っ手、錠等が必要に応じて配さ
れ、蝶番を介して以下に説明するドア用枠に取り付けら
れる。
【0022】ドア用枠には、例えば、アルミ、アルミ合
金または鋼板等の金属、さらには木材または合成樹脂な
どの材料が用いられ、前記金属から押し型成形、曲げ加
工等板金加工により形成するか、もしくは、木材から木
削加工により、合成樹脂から各種成形加工等により製造
すればよい。
【0023】枠の形状は、閉扉時に前記ドア周側辺のテ
ーパー部分に対向するテーパー部分を含む以外は、通常
のものと同様である。
【0024】枠を中空状とすることにより、地震の際の
ドア周辺部損壊によってドアが変位または変形して枠に
対して押圧された際に、ドア形状に応じて容易に枠が追
随変形し、開扉抵抗をより低減できて開扉が容易になの
で好ましい。
【0025】特に、ドアの開扉側平板と前記テーパーに
された周側辺との接線部に面取り部を設けた場合(図3
参照)、枠を中空構造とすることによって開扉が容易に
なるのみならず、変位または変形時にドアと枠とが一定
の平面において当接し、かかる当接部分でドアが対向す
る枠を押圧して、ドア形状に応じて枠の追随変形を生じ
させる。従って、損壊時に開扉した後のドア用枠にドア
が収まるスペースが確保されるので、従来の耐震ドア構
造では困難であった再度の閉扉及び施錠が可能となり、
防犯上の安全性を維持できる。
【0026】この中空部分にはコンクリートを埋め込ま
ず、好ましくは、適宜、嵩高性を有する断熱材を配し
て、防音、保温効果を得るとよい。断熱材としては、グ
ラスウール、発泡ウレタン、発泡スチロール等が挙げら
れるが、特にグラスウールが好ましい。
【0027】ドア用枠のドア当たり部には取付溝を設
け、そこに弾性部材をはめ込むことにより、緩衝性及び
防音性を高めることができる(図5参照)。かかる弾性
部材は、ドア板に設置してもよい。弾性部材としては合
成ゴムまたは天然ゴム等が挙げられる。
【0028】ドア用枠の底辺は、床に一部埋込み固定
し、上辺、両側辺は壁の開口部に定法により固定する。
図5に示される掛け渡し部材33を枠外周の壁への取付側
に数箇所、好ましくは等間隔で3箇所程度配設(図5a
参照)することにより、ドア構造体の座屈強度を向上さ
せることができる。掛け渡し部材33とは、ドア用枠と同
等の材料から形成された、略長方形の平板であり、例え
ば図5に示すように、ドア用枠へ溶接等により接合され
る。掛け渡し部材33がなければ、押圧により枠3の全長
にわたって一気に変形するので座屈幅が非常に大きくな
るが、掛け渡し部材33を配設すると、配設箇所における
変形への抵抗性のために座屈幅を小さくすることができ
るので、座屈強度が高められ、ドア構造体の安全性の向
上が図られる。
【0029】さらにドア用枠には、適宜化粧枠を据え付
けることもできる。
【0030】本発明のドア構造体は、上述のドア及びド
ア用枠から構成される。ドアとドア用枠との間隙の最小
値は、前記したように、2 〜 8 mm、好ましくは 3
〜6 mm、最も好ましくは 4 mmとすることができる。
但し、閉扉時に室内外に風雨等が直接的に連通する状態
にならないよう、テーパーの角度及び面取り部分の長さ
に対応して、間隙を適切に調整すべきである。但し、玄
関扉等において適用する場合には、耐火基準及び消防法
によって規制を受けるので、前記間隙を広くすることに
は制限がありうる。
【0031】前記ドア周側辺のテーパー部分と、該テー
パー部分に対向するドア用枠のテーパー部分との間隙
が、開扉側に向かうにつれて狭くなるように双方のテー
パー部分が形成されると、より高い耐震性能が得られる
(図3及び4参照)。このような構造とすることによっ
て、外力に応じてドア本体及びドア用枠が変形して双方
が接近していく際に、対向する面が早期に密接して一体
的に変形したり広範な面積で当接するために摩擦抵抗が
大きくなることを避け、相互の反力が開扉方向に追随し
て働き続けるようになる。
【0032】
【実施例】以下、本発明のドアの実施例を、図面を参照
しつつ具体的に説明する。
【0033】図2は、本発明のドア構造体1を、鉄筋コ
ンクリート、鉄筋鉄骨コンクリートの建造物である集合
住宅の玄関ドアとして用いた場合の開扉側正面図を示
す。ドア構造体1は基本的に、ドア本体2及びドア用枠3
から構成され、正面からの外観は従来の玄関ドアと同様
である。図3に、図1の玄関ドアの横断面図(A−A)
を示し、図4に縦断面図(B−B)を示す。
【0034】ドア本体2は、制振鋼板をプレス成形し
て、開扉側平板24、閉扉側平板25及び周側辺21を得、溶
接によって中空箱状に接合したものである。溶接部は、
目立ち難いように、周側辺に位置するようにする。
【0035】ドア用枠3は、鋼板によって中空に形成さ
れた押し型成形品であり、上辺及び両側辺の中空部分に
は、断熱部材としてグラスウールを配している。ドア用
枠3のドア当たり部には、合成ゴム製の弾性部材31が取
付けられている(図5に拡大した断面図を示す)。
【0036】図4に示すように、ドア用枠3の底辺は、
床スラブ上のモルタル層5に埋込固定し、上辺及び両側
辺は、壁6のドア用開口部に固定されている。ドア用枠3
の室内側には、化粧枠7を据え付けている。このような
構造とすることで、耐震性能を備え、且つ、防音、防
水、防風性にも優れる上、外観も好ましいドア構造体が
簡易な工程により安価に製造できる。ドア両側平板24と
25の間には、室内側に開口部を有する工具収納用のポケ
ット26が設けらている。
【0037】(実施例1):面内追随試験 本発明のドア構造体について、JIS A1521に従って片開
きドアセットの面内追随試験を行い、面内方向へ変形を
加えたときの開閉能を調べた。試験に供したドア本体材
料には鋼板を用い、ドア用枠には鋼板を用いて、上側、
床側、取っ手(戸先)側及び蝶番(つり元)側の各断面
がそれぞれ図6(a)〜(d)に示す形状を有するものとし
た。すなわち、蝶番側以外の3周側辺(a)〜(c)に、ドア
周側辺のテーパー部分と、それに対向するドア用枠のテ
ーパー部分との間隙が、開扉側に向かうにつれて細くな
るように双方のテーパー部分を形成した。テーパー部分
の形状は、図6(a)及び(c)に示すように、上側及び戸先
側におけるテーパー間の最少間隙(平坦部分間)D1を4
mmとし、D2を12 mm、D3を7 mmとした。床側においては
間隙をやや大きく取り、D11を6 mmとし、D12は12 mm、D
13を9 mmとした(図6(b)参照)。かかる3つの周側辺
における面取り平坦部分の幅D5は、7 mmとし、図6(d)
に示したように、つり元側の形状は従来のものと同様に
した。
【0038】表1に示す各変位値により段階を追って、
戸先側からつり元側へ向かう正加力、その逆方向の負加
力を、それぞれ3回づつ負荷し、1回目と3回目の各変
位時の開放力、解錠トルク値及びハンドル作動トルク値
を測定した。測定値ならびに変形及び損傷に関する観察
結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】テーパー部分を有しない従来の形状のドア
構造体で追随試験を行った場合、変位角1/120において
開放力は約900から1200 Nにまで上昇し、通常の力では
開閉不能となる。表1に示すように、本発明のドア構造
体では、変位角1/60まで大きく変形させても、開放力は
約600〜700 N(約60〜70 kgf)程度までしか上昇しな
かった。また、解錠やハンドル作動のトルク値は試験終
了まで変動しなかった。従って、本発明のドア構造体は
大地震による強い外力によっても、比較的微弱な力で開
扉することができ、閉扉能も格段に優れることが明らか
になった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
地震によりドア周辺部分の壁やドア用枠、蝶番、ドア本
体等が損壊を受けて変形した場合に、比較的微弱な人力
によって開閉可能であり、且つ、簡易な工程により特殊
な部品材料を加える必要なしに、従って低コストにて製
造しうるドアが提供される。
【0042】また、本発明の構造とすることにより、ド
ア周辺部に歪みが生じても、その程度によっては、開扉
機能のみならず閉扉機能を維持することも可能となる。
【0043】さらに、この構造では、平常時の開閉操作
も円滑であり、従来のドアよりも向上した防水性や防
風、防塵性が得られる。
【0044】ドアの開扉側平板と前記テーパーにされた
周側辺との接線部を面取りすることで安全性の高いドア
構造体が得られ、ドア板材料に制振鋼板を用いることで
開閉時に発生する音が小さく、外界からの雑音の防音効
果にも優れたものとすることができる。また、ドアの室
内側に工具用ポケットを装備して、さらに天災に対する
備えを万全とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドア本体の一実施例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明のドア構造体の一実施例を示す、開扉側
正面図である。
【図3】図2のドア構造体のA−A線横断面図である。
【図4】図2のドア構造体のB−B線縦断面図である。
【図5】本発明のドア本体及びドア用枠の一実施例を示
す、一部断面断面図(a)及びその横断面図(b)であ
る。
【図6】実施例1において使用したドア構造体の各周辺
部分の形状を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ドア構造体 2…ドア本体 3…ドア用枠 4…蝶番 21…周側辺 22…テーパー部分 23…平坦部分 24…開扉側平板 25…閉扉側平板 31…弾性部材 32…断熱材 33…掛け渡し部材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐震性能を備えたドアであって、少なく
    とも1つの周側辺が、開扉方向に向けてドアの幅が拡大
    する方向にテーパーにされたテーパー部分を有すること
    を特徴とするドア。
  2. 【請求項2】 ドア底辺を除く3つの周側辺に前記テー
    パー部分が形成された請求項1記載のドア。
  3. 【請求項3】 蝶番が装着される周側辺以外の3つの周
    側辺より選択される、少なくとも1つの周側辺に、前記
    テーパー部分が形成された請求項1記載のドア。
  4. 【請求項4】 ドアの開扉側平板と前記テーパーにされ
    た周側辺との接線部が面取りされてなる請求項1乃至3
    のいずれかに記載のドア。
  5. 【請求項5】 ドアの室内側に工具用ポケットが装備さ
    れた請求項1乃至4記載のドア。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のドア
    が装着されるドア用の枠であって、閉扉時に前記ドア周
    側辺のテーパー部分に対向するテーパー部分を有するこ
    とを特徴とするドア用枠。
  7. 【請求項7】 前記枠が中空であって、ドアの変形また
    は変位に追随して変形しうる構造となされた請求項6記
    載のドア用枠。
  8. 【請求項8】 前記枠の内部に嵩高性を有する断熱材が
    配された請求項7記載のドア用枠。
  9. 【請求項9】 耐震性能を備えたドア構造体であって、 少なくとも1つの周側辺が、開扉方向に向けてドアの幅
    が拡大する方向にテーパーにされたテーパー部分を有す
    るドア、及び閉扉時に前記ドア周側辺に形成されたテー
    パー部分に対向するテーパー部分を有するドア用枠から
    構成されることを特徴とするドア構造体。
  10. 【請求項10】 前記ドア周側辺のテーパー部分と、該
    テーパー部分に対向するドア用枠のテーパー部分との間
    隙が、開扉側に向かうにつれて細くなるように双方のテ
    ーパー部分が形成された請求項9記載のドア構造体。
  11. 【請求項11】 前記ドア用枠が中空であって、ドアの
    変形または変位に追随して変形しうる構造となされた請
    求項9または10記載のドア構造体。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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