JP2017101377A - 複層パネル - Google Patents

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Yoshihito Fujimoto
祥仁 藤本
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Abstract

【課題】スペーサの形状に依存せずにこじ破りに対する防犯性能を高めることのできる技術を提供する。【解決手段】本発明の一側面に係る複層パネルは、第1ガラス板と、第1ガラス板と所定間隔をおいて対向するように配置される樹脂板と、第1ガラス板及び樹脂板の周縁部間に配置され、第1ガラス板及び樹脂板の間に密閉された第1中空層を形成する第1スペーサと、樹脂板と所定間隔をおいて対向するように配置される第2ガラス板と、第2ガラス板及び樹脂板の周縁部間に配置され、第2ガラス板及び樹脂板の間に密閉された第2中空層を形成する第2スペーサと、両スペーサの間において樹脂板の周縁部を覆う金属枠体であって、内周壁に樹脂板の周縁部が嵌まる溝部を有する金属枠体と、第1及び第2中空層を密閉するように両ガラス板の周縁部に配置され、金属枠に当接する外部側シール材と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、複数のガラス板を備える複層パネルに関する。
従来より、防犯性を高めたガラスとして、ポリカーボネート板などの耐衝撃性の高い樹脂板を2枚のガラス板の間に貼り合わせた合わせガラスが広く知られている。このような合わせガラスは、一般的に、厚さ2〜3mmのガラス板2枚と厚さ1mm以上の樹脂板1枚とを貼り合わせて形成されるため、6mm程度の厚さを有している。
一方、省エネルギー化の社会的要請が高まってきたことによって、窓などに利用されるガラスの断熱性能を高めることが求められている。これに対応したガラスとして、3枚のガラス板で形成され、2層の空気層を有する3層複層ガラス(トリプルガラス)が知られている。
ところで、ガラスには、種々の性能を付加することが従来より検討されており、例えば、このトリプルガラスに防犯性能を持たせることが考えられる。その場合、3枚のガラス板のうちの1枚を上記の合わせガラスに置き換えることが考えられる。しかしながら、そのようにすると、この複層ガラスの備えるガラス板の枚数が4枚になってしまうため、複層ガラスの重量は重くなってしまう。また、複層ガラスの総厚が厚くなり過ぎてしまい、既存のサッシが利用できなくなってしまう。
一方、既存のサッシを適用するために、複層ガラスの総厚が小さくなるよう、複層ガラスの有する空気層の厚みを小さくすることが考えられる。しかしながら、そうすると、空気層の厚みを小さくした分だけ、その複層ガラスの断熱性能が低下してしまう。そこで、このような点を考慮しつつ断熱性能と防犯性能とを持たせたガラスとして、トリプルガラスの中間に配置されるガラス板を樹脂板に置き換えた複層パネルが提案されている(特許文献1及び2)。
特開2006−132082号公報 特開2005−180096号公報
しかしながら、特許文献1に記載の複層パネルには、次のような問題があった。特許文献1で例示される複層パネルは、互いに対向する一対のガラス板を備えており、その一対のガラス板の間にポリカーボネートパネルが配置されている。ポリカーボネートパネルは、間隔をあけて配置される位置決めブロックによって位置決めされているものの、一対のガラス板の周縁部間に固定されたスペーサに当接しているに過ぎず、固定されていない。また、このポリカーボネートパネルの端部は露出している。
そのため、ドライバーを使ったこじ破りにおいて、一方のガラス板を破壊した後に、ポリカーボネートパネルの端部とスペーサとの間にドライバーの先端を差し込んで、容易にポリカーボネートパネルをずらし、他方のガラス板を破壊することができる。すなわち、このような複層パネルではこじ破りに弱いという問題点があった。
一方、特許文献2で例示される複層パネルでは、スペーサに設けられた凹溝部に樹脂板の周縁部が入り込んでいる。そのため、樹脂板の端部は露出していない。しかしながら、一般的なスペーサの高さは6mm程度しかない。そのため、一般的なスペーサでは、防犯性能を持たせるのに十分な深さの凹溝部を設けることができないという問題点があった。
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、スペーサの形状に依存せずにこじ破りに対する防犯性能を高めることのできる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係る複層パネルは、第1ガラス板と、前記第1ガラス板と所定間隔をおいて対向するように配置される樹脂板と、前記第1ガラス板及び前記樹脂板の周縁部間に配置され、前記第1ガラス板及び前記樹脂板の間に密閉された第1中空層を形成する第1スペーサと、前記樹脂板と所定間隔をおいて対向するように配置される第2ガラス板と、前記第2ガラス板及び前記樹脂板の周縁部間に配置され、前記第2ガラス板及び前記樹脂板の間に密閉された第2中空層を形成する第2スペーサと、前記両スペーサの間において前記樹脂板の周縁部を覆う金属枠体であって、内周壁に前記樹脂板の周縁部が嵌まる溝部を有する金属枠体と、前記第1及び第2中空層を密閉するように前記両ガラス板の周縁部に配置され、前記金属枠に当接する外部側シール材と、を備える。
当該構成によれば、両ガラス板の間に配置される樹脂板は、スペーサではなく、両スペーサの間に配置される金属枠体によって支持される。この金属枠体の内周壁には、樹脂板の周縁部に対応するように、溝部が形成されている。そして、この金属枠体は、その溝部を利用して、樹脂板の周縁部を覆って、樹脂板の端部を保護する。すなわち、樹脂板の端部は、スペーサではなく、金属枠体によって保護される。そのため、スペーサの形状に依存せずに樹脂板の端部を保護することができる。
また、次の理由により、金属枠体により樹脂板の端部を保護することで、こじ破りに対する防犯性能を高めることができる。こじ破りの際にこの樹脂板を突破するためには、樹脂板に穴を開けるか、又は固定されていない樹脂板をずらすことで隙間をあけることが考えられる。しかしながら、樹脂板は比較的に物理的な衝撃に強いため、手首を挿入できるほどの穴を樹脂板に開けるのは困難である。また、当該構成によれば、樹脂板の周縁部は金属枠体に覆われているため、樹脂板の端部は露出していない。そのため、例えば、金属枠体の一部を破壊する等しなければ、ドライバー等の棒状工具の先端を樹脂板の端縁に当接させて樹脂板をずらすことができない。ここで、金属枠体は金属製であるため、たとえその一部であっても金属枠体を破壊するのは困難である。よって、金属枠体により樹脂板の端部を保護することで、こじ破りに対する防犯性能を高めることができる。
したがって、当該構成によれば、スペーサの形状に依存せずにこじ破りに対する防犯性能を高めることができる。
また、上記一側面に係る複層パネルの別の形態として、上記複層パネルは、前記各ガラス板及び前記各スペーサの間を塞ぐ内部側シール材を更に備えてもよい。そして、前記各スペーサ及び前記金属枠体の間を前記内部側シール材が塞ぐように、前記金属枠体の溝部の開口側の端縁が、前記スペーサよりも、前記樹脂板の面方向の中央側に位置していてもよい。当該構成によれば、熱膨張率の比較的に高い樹脂板をシール材(内部側シール材)に密着させないため、樹脂板が膨張と収縮とを繰り返しても、これによってシール材の一部が変形してしまうことがない。そして、これにより、シール材の一部が変形してしまうことにより結露の原因となる湿気が中空層内部に入り込むことを防止することができる。すなわち、当該構成によれば、経年劣化に伴い中空層内部で結露が生じやすくなることを防止することができる。
また、上記一側面に係る複層パネルの別の形態として、前記樹脂板を前記溝部に嵌め込む方向において、前記金属枠体の長さは前記両スペーサよりも長くなっていてもよい。当該構成によれば、樹脂板を嵌め込む方向において金属枠体は比較的長く形成されるため、樹脂板の端縁を金属枠体の溝部に比較的に深く嵌め込むことができるように、金属枠体の溝部を深めに形成することができる。そして、樹脂板の端縁を金属枠体の溝部に比較的に深く嵌め込むことで、金属枠体と樹脂板との隙間からドライバー等の棒状工具を挿入した場合に、この棒状工具の先端が樹脂板の端縁に届きにくくすることができる。したがって、棒状工具によって樹脂板をずらしにくくすることができるため、こじ破りに対する十分な防犯性能を有する複層パネルを提供することができる。
また、上記一側面に係る複層パネルの別の形態として、上記複層パネルは、前記金属枠体の溝部に配置される緩衝材を更に備えてもよい。そして、前記樹脂板は矩形状に形成されてもよく、前記金属枠体の溝部は、前記樹脂板を変位自在に支持していてもよい。更に、前記緩衝材は、前記樹脂板の四辺のうちの少なくともいずれか隣接する二辺において、前記樹脂板の端縁を受けるように構成されてもよい。
金属枠体が樹脂板を変位自在に支持する場合には、複層ガラスの移動に伴って樹脂板ががたつくことで、騒音を発生させる可能性がある。当該構成によれば、緩衝材によって金属枠体と樹脂板との間の隙間を埋めることで、樹脂板のがたつきを抑えることができる。また、これにより、樹脂板のがたつきに起因する騒音の発生を防止することができる。
また、上記一側面に係る複層パネルの別の形態として、前記複層パネルは窓に用いられてもよい。そして、前記緩衝材は、前記窓を締めるための錠の設けられる辺とは反対側の辺に配置されてもよい。
樹脂板の端縁を受けるように金属枠体の溝部に緩衝材を配置すると、金属枠体の溝部の開口付近から樹脂板の端縁までの距離が緩衝材の高さの分だけ短くなってしまう。そのため、ドライバー等の棒状工具の先端が樹脂板の端縁に届きやすくなり、こじ破りに対する防犯性能が低くなってしまう危険性がある。
一方、当該構成によれば、緩衝材は、窓を締めるための錠を設ける辺には配置されず、その辺とは反対側の辺に配置される。そのため、錠を設ける辺において、上記のような危険性を避けることができる。
そして、更に、当該構成では、錠を設ける辺とは反対側の辺に配置した緩衝材によって、錠を設ける辺側に樹脂板が押し込まれる。そのため、錠を設ける辺において、樹脂板の端縁を金属枠体の溝部に十分に深く嵌め込むことができ、こじ破りに対する防犯性能を高めることができる。なお、窓を締めるための錠とは、例えば、クレセント錠、補助錠等である。
本発明によれば、スペーサの形状に依存せずにこじ破りに対する防犯性能を高めることができる。
図1は、実施の形態に係る窓ガラスを例示する。 図2は、実施の形態に係る複層パネルを模式的に例示する断面図である。 図3は、変形例に係る複層パネルを模式的に例示する断面図である。 図4は、変形例に係る複層パネルを模式的に例示する断面図である。 図5は、変形例に係る複層パネルを模式的に例示する断面図である。 図6は、こじ破りの状態を例示する。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
§1 複層パネル
[利用形態]
まず、図1を用いて、本実施形態に係る複層パネル10の利用形態を説明する。図1は、本実施形態に係る複層パネル10を利用した窓ガラスを例示する。本実施形態では、図1で例示されるように引違い窓100の窓ガラスとして後述する複層パネル10を利用した例を説明する。ただし、本実施形態に係る複層パネル10は、引違い窓とは異なるタイプの窓に利用されてもよいし、窓以外に利用されてもよい。複層パネル10の利用形態は、実施の形態に応じて適宜選択されてもよい。
図1で例示される引違い窓100は、上枠12a、一対の縦枠(12b・12d)、及び下枠12cで構成される矩形状の窓枠と、その窓枠に収まる左右2枚の矩形状の窓と、を備えている。図1は、室内側から見た引違い窓100の状態を例示している。すなわち、図中、右側の窓が内障子側の窓であり、左側の窓が外障子側の窓である。各窓は矩形状の複層パネル10を備えており、この複層パネル10の周囲は、上框11a、戸先框11b、下框11c、及び召合せ框11dにより支持されている。利用者は、これらの左右2枚の窓を交差させながら開け閉めすることができる。
また、本実施形態に係る引違い窓100には、この引違い窓100を締めるための錠として、クレセント錠13及び補助錠(サブロック)14がそれぞれ設けられている。クレセント錠13は、内障子側の窓の召合せ框11dに設けられており、図1のように両窓の召合せ框11dを重ね合わせた状態で両窓を固定する。このクレセント錠13には、防犯性を高めるために、クレセントを施錠するための補助ロックが設けられてもよい。
また、補助錠14は、外障子側の窓の下框11cに設けられており、この下框11cに収納されている解錠状態と図の紙面手前側にストッパの飛び出した施錠状態とに切替可能に構成されている。補助錠14が解錠状態にある間は、クレセント錠13で固定されていなければ、両窓は、図の左右方向に自在に移動することができる。一方、補助錠14が施錠状態にある間は、たとえクレセント錠13で両窓を固定していなくても、飛び出したストッパが、内障子側の召合せ框11dと当接して、両窓の相対的な移動を阻む。これにより、補助錠14は引違い窓100を施錠することができる。この補助錠14は、クレセント錠13と併用して利用されることを想定されており、引違い窓100の防犯性能を高めるために設けられている。
なお、各錠(13、14)の設ける位置は、このような例に限定されず、実施の形態に応じて適宜選択されてもよい。例えば、クレセント錠13は、戸先框11b側に設けられてもよい。また、例えば、補助錠14は、上框11a側に設けられてもよい。
[構成例]
次に、図2を用いて、本実施形態に係る複層パネル10の構成例を説明する。図2は、本実施形態に係る複層パネル10の一辺を模式的に例示する断面図である。同図に示すように、本実施形態に係る複層パネル10は、外側ガラス板1、樹脂板3、及び内側ガラス板2が、この順で、所定間隔をおいて対向配置されている。そして、外側ガラス板1と樹脂板3との間には、スペーサ5aが配置されており、これによって外側ガラス板1と樹脂板3との間には、中空層4aが形成されている。同様に、内側ガラス板2と樹脂板3との間にも、スペーサ5bが配置されており、これによって内側ガラス板2と樹脂板3との間には、中空層4bが形成されている。これらスペーサ5a、5bは1次シール材7(内部側シール材)によって固定されている。また、樹脂板3の周縁には、金属枠体8が取り付けられており、両ガラス板1、2の周縁部は、2次シール材9(外部側シール材)によって封止されている。以下、各部材について、詳細に説明する。
(外側ガラス板及び内側ガラス板)
外側ガラス板1は、外乱を受けやすい側に配置されるガラス板であり、内側ガラス板2はその反対側に配置されるガラス板である。外側ガラス板1及び内側ガラス板2はそれぞれ、本発明の第1ガラス板及び第2ガラス板に相当する。なお、外側ガラス板1及び内側ガラス板2のいずれが第1ガラス板であってもよい。この場合、第1ガラス板として選択されなかったガラス板が第2ガラス板として取り扱われる。
したがって、例えば、図1で例示されるように複層パネル10を窓ガラスとして用いる場合には、室外側のガラス板が外側ガラス板1になり、室内側のガラス板が内側ガラス板2になる。なお、受け得る外乱によっては、これとは反対の配置になることもある。
両ガラス板(1、2)には、公知のガラス板を用いることができる。例えば、両ガラス板(1、2)に、一般的なフロートガラスを利用してもよいし、強化ガラスを利用してもよい。また、両ガラス板(1、2)の各中空層(4a、4b)側の面には、低反射機能を有する金属膜等の機能性膜が塗布されていてもよい。
本実施形態では、両ガラス板(1、2)は、図1及び図2で例示されるように、矩形状に形成される。なお、両ガラス板(1、2)の厚さ(図2の左右方向の長さ)は、実施の形態に応じて適宜決定されてもよい。例えば、両ガラス板(1、2)の厚さは、複層ガラスに利用される一般的なフロートガラスと同様に、3〜6mmの間で選択されてもよい。
(樹脂板)
また、両ガラス板(1、2)の間に配置される樹脂板3は、両ガラス板(1、2)の形状に対応するように形成される。本実施形態では、樹脂板3は、両ガラス板(1、2)と同様に矩形状に形成される。樹脂板3を構成する材料は、実施の形態に応じて適宜選択されてもよい。ただし、防犯性能及び重量を考慮すると、樹脂板3の材料として、ポリカーボネート等の比較的軽くて耐衝撃性の有する材料が望ましい。
本実施形態では、樹脂板3の周囲は、後述するように、両ガラス板(1、2)の周縁部を塞ぐ2次シール材9の内側に配置される金属枠体8に覆われる。そのため、本実施形態では、このように構成可能なように、樹脂板3の面方向の大きさは両ガラス板(1、2)よりも若干小さく形成される。ただし、このように構成しない場合には、樹脂板3の面方向の大きさは、両ガラス板(1、2)と同じか又は若干大きいサイズに形成してもよい。また、樹脂板3の厚さ(図2の左右方向の長さ)については、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてもよい。樹脂板3の厚さは、例えば、1〜3mmの間で選択されてもよい。
(金属枠体)
上述したように、各ガラス板(1、2)及び樹脂板3の周縁部間には各スペーサ(5a、5b)が配置されており、これら両スペーサ(5a、5b)の間には、樹脂板3の周囲を支持する、チャンネル状(断面コの字形)の金属枠体8が配置されている。この金属枠体8は、金属で構成されればよく、例えば、アルミニウム、ステンレス等で構成されてもよい。
図2で例示されるように、本実施形態に係る金属枠体8は、樹脂板3の端面と対向する端面側壁部81と、この端面側壁部81の両端から樹脂板3の面に沿って延びる一対の側面側壁部82と、を備えている。この端面側壁部81及び一対の側面側壁部82は金属枠体8の内周壁側に断面矩形状の溝部83を形成し、この溝部83には樹脂板3の周縁部31が嵌り込んでいる。これにより、金属枠体8は、樹脂板3の四辺を全周にわたって囲っており、樹脂板3の周縁部31を覆っている。
金属枠体8の形状及び大きさは、実施の形態に応じて適宜選択されてもよい。ただし、金属枠体8の厚み、換言すると、各壁部(81、82)の厚みを大きくすることで、物理的な衝撃に対する金属枠体8の耐久性を高め、金属枠体8を変形しにくくすることができる。すなわち、金属枠体8の厚みを大きくすることで、こじ破りに対する耐久性能を高めることができる。そこで、例えば、ドライバーによるこじ破りの際に金属枠体8が変形しにくいようにするため、金属枠体8の厚みを1mm以上に設定してもよい。
また、金属枠体8の溝部83の深さ(図2の上下方向の長さ)を大きくすることで、樹脂板3が溝部83に嵌り込む長さを長くして、金属枠体8の各端縁84側から差し込んだドライバーの先端を樹脂板3の端縁32に届き難くすることができる。すなわち、金属枠体8の溝部83の深さを大きくすることで、こじ破りに対する耐久性能を高めることができる。そこで、例えば、ドライバーによるこじ破りの際に樹脂板3をずらすことが困難になるように、溝部83の深さを7mm以上に設定してもよい。
なお、本実施形態では、金属枠体8の溝部83の開口側の両端縁84はそれぞれ、後述する両スペーサ(5a、5b)よりも、樹脂板3の面方向の中央側(図2の上側)に位置している。そして、樹脂板3を溝部83に嵌め込む方向(図2の上下方向)において、金属枠体8の長さ、換言すると、側面側壁部82の幅は、両スペーサ(5a、5b)よりも長くなっている。例えば、側面側壁部82の幅を8mmに設定し、両スペーサ(5a、5b)の高さ(図2の上下方向の長さ)を6mmに設定してもよい。
また、金属枠体8は、樹脂板3の周囲を囲うものの、両ガラス板(1、2)の周縁部間を塞ぐ後述の2次シール材9の内側に配置される。そのため、樹脂板3の面方向における金属枠体8の外形は、樹脂板3よりもやや大きく、両ガラス板(1、2)よりやや小さく形成される。ただし、このように構成しない場合には、金属枠体8は、両ガラス板(1、2)と同じか又は若干大きいサイズに形成してもよい。
ここで、樹脂板3は、金属枠体8に固定されておらず、変位自在に金属枠体8に支持されている。そのため、樹脂板3と金属枠体8との間には隙間が生じ、樹脂板3にがたつきが発生してしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、この隙間を埋めて樹脂板3のがたつきを抑えるため、金属枠体8の溝部83に緩衝材85が配置されている。
緩衝材85は、樹脂板3の端縁32を受けるように構成されている。緩衝材85は、金属枠体8の各辺の全域にわたって設けられていなくてもよく、それぞれの辺において部分的に設けられていてもよい。緩衝材85には、例えば、ポリエチレン発泡体等の一般的なバックアップ材が利用可能である。また、緩衝材85の大きさは、例えば、樹脂板3のがたつきを抑えつつ、樹脂板3の膨張・収縮に対応可能なように調節される。
なお、緩衝材85は、樹脂板3のがたつきを更に抑えるため、樹脂板3の側面(図2の左右方向を向いた面)の少なくとも一方と側面側壁部82との間に更に配置されてもよい。特に、樹脂板3の両側面に緩衝材85を配置することで、樹脂板3のがたつきを十分に防止することができる。
(スペーサ)
上述したように、このような金属枠体8に周囲を支持された樹脂板3と各ガラス板(1、2)との間には、各中空層(4a、4b)を形成するように、各スペーサ(5a、5b)が配置される。具体的には、第1スペーサ5aは、外側(図2の右側)の側面側壁部82と外側ガラス板1の周縁部との間に配置され、これらの間に第1中空層4aを形成する。また、第2スペーサ5bは、内側(図2の左側)の側面側壁部82と内側ガラス板2の周縁部との間に配置され、これらの間に第2中空層4bを形成する。
各スペーサ(5a、5b)には、例えば、アルミニウム合金等の金属製のスペーサが用いられてもよいし、ブチルゴム等の樹脂製のスペーサが用いられてもよい。また、各スペーサ(5a、5b)には、一般的な市販のスペーサが利用されてもよい。図2では、それぞれ中空部(51a、51b)を有する金属製のスペーサが例示されている。なお、各スペーサ(5a、5b)の中空部(51a、51b)には、各中空層(4a、4b)内部を乾燥させるための乾燥剤6が封入されている。そのため、各スペーサ(5a、5b)の各中空層(4a、4b)側の面には、この乾燥剤6を各中空層(4a、4b)に露出させるための開口部が設けられてもよい。これにより、各中空層(4a、4b)内部で結露が生じにくいようにすることができる。
また、各スペーサ(5a、5b)の形状は、実施の形態に応じて適宜決定されてもよい。図2で例示される各スペーサ(5a、5b)は、略矩形状に形成されている。各スペーサ(5a、5b)の高さ(図2の上下方向の長さ)は、複層パネル10を適用する各框(11a〜11d)の深さ、後述する2次シール材9の深さ等を考慮して、決定されてもよい。例えば、各スペーサ(5a、5b)の高さは、一般的に市販されているスペーサと同様に、6mm程度であってもよい。また、各スペーサ(5a、5b)の幅(図2の左右方向の長さ)は、各中空層(4a、4b)の幅(図2の左右方向の長さ)に応じて定められてもよい。例えば、各スペーサ(5a、5b)の幅は、各中空層(4a、4b)の幅に応じて、6〜16mm程度であってもよい。
(シール材)
このように、各スペーサ(5a、5b)によって各ガラス板(1、2)と樹脂板3との間に各中空層(4a、4b)が形成される。この各中空層(4a、4b)の形成された複層パネル10の構造は、2種類のシール材(7、9)によって保たれる。すなわち、2種類のシール材(7、9)によって、両ガラス板(1、2)、両スペーサ(5a、5b)、及び金属枠体8の位置が固定され、両中空層(4a、4b)が密閉される。本実施形態では、両中空層(4a、4b)側に1次シール材7が用いられる。そして、2次シール材9は、1次シール材7の周縁を外側から覆っている。
1次シール材7は、両中空層(4a、4b)に接する位置に配置され、各ガラス板(1、2)と各スペーサ(5a、5b)との間及び金属枠体8と各スペーサ(5a、5b)との間を塞ぐ。1次シール材7は、本発明の内部側シール材に相当する。1次シール材7の材料は、実施の形態に応じて適宜選択されてもよい。ただし、1次シール材7は、両中空層(4a、4b)に接する位置に配置される。そのため、両中空層(4a、4b)内部に湿気が入り込まないように、ブチルゴム等の透水しにくいものが望ましい。
また、2次シール材9は、金属枠体8及び両スペーサ(5a、5b)に当接するように両ガラス板(1、2)の周縁部間に配置され、図2で例示されるように、両ガラス板(1、2)の周縁部間を塞ぐ。2次シール材9は、本発明の外部側シール材に相当する。2次シール材9の材料は、実施の形態に応じて適宜選択されてもよい。ただし、2次シール材9の外側の面は、複層パネル10の外周縁における端面に相当する。そのため、2次シール材9の材料として、例えば、シリコン、ポリサルファイド系樹脂等の物理的な耐久性に優れた材料が望ましい。2次シール材9は、1次シール材7を保護する役割を果たす。
(中空層)
これら2種類のシール材(7、9)によって、密閉された各中空層(4a、4b)が形成される。形成された各中空層(4a、4b)には、乾燥空気のほか、アルゴン、クリプトン等の希ガスが封入されてもよい。各中空層(4a、4b)に封入する気体の種類は実施の形態に応じて適宜選択されてよい。加えて、第1中空層4a及び第2中空層4bに封入する気体は互いに異なっていてもよい。
また、各中空層(4a、4b)の幅(図2の左右方向の長さ)は実施の形態に応じて適宜選択されてもよい。各中空層(4a、4b)の幅は、例えば、6〜16mmの間で選択されてもよい。各中空層(4a、4b)の幅を広くするほど、複層パネル10の断熱効果を高めることができる。なお、既存のサッシに複層パネル10を適用する場合には、既存のサッシの幅を考慮して、各中空層(4a、4b)の幅が適宜調節されてもよい。
[作製方法]
次に、本実施形態に係る複層パネル10を作製する方法を説明する。ただし、本実施形態に係る複層パネル10を作製する方法は以下で例示する方法に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて、適宜、工程の省略、置換、及び追加が行われてもよい。
まず、外側ガラス板1及び内側ガラス板2を準備する。両ガラス板(1、2)は公知の製造方法で適宜製造されてもよい。また、両ガラス板(1、2)の間に配置する樹脂板3とこの樹脂板3の周囲を支持する金属枠体8とを準備する。樹脂板3は公知の製造方法で適宜製造されてもよい。また、金属枠体8は、板状の金属板を公知の成形加工方法で図2で例示される形状に成形することで、製造することができる。
次に、金属枠体8の溝部83に所定間隔をおいて緩衝材85を配置し、準備した樹脂板3の周縁部31を金属枠体8の溝部83で覆うように、樹脂板3に金属枠体8を取り付ける。樹脂板3に金属枠体8を取り付ける方法は、実施の形態に応じて適宜決定されてもよい。例えば、金属枠体8を各辺に分割して形成しておき、分割された金属枠体8の各辺を樹脂板3の対応する辺に配置した後に接合面をそれぞれブチルゴムなどで覆うようにすることで、樹脂板3に金属枠体8を取り付けてもよい。また、レーザー等を用いて、金属枠体8と樹脂板3との接合面を溶接してもよい。更に、1つの長尺の金属板を折り曲げていき、その金属板の両端部を接合することで、金属枠体8を形成しつつ、樹脂板3に金属枠体8を取り付けてもよい。
次に、両中空部(51a、51b)に乾燥剤を封入した両スペーサ(5a、5b)を準備する。各スペーサ(5a、5b)として、一般的に市販されているスペーサを用意してもよい。そして、外側ガラス板1と金属枠体8との間に第1スペーサ5aを配置し、内側ガラス板2と金属枠体8との間に第2スペーサ5bを配置する。両スペーサ(5a、5b)とも、両側面に予め1次シール材7が塗布されており、これらの1次シール材7がそれぞれ、各ガラス板(1、2)及び各スペーサ(5a、5b)の間と金属枠体8及び各スペーサ(5a、5b)の間とを塞ぐ。更に、1次シール材7でシールした後に、複層パネル10の外周縁全周にわたって更に2次シール材9を入り込ませて、両ガラス板(1、2)の間を塞ぐ。これら1次シール材7及び2次シール材9は、各ガラス板(1、2)、各スペーサ(5a、5b)及び金属枠体8に接着する。これにより、図2で例示される複層パネル10の配置で、各ガラス板(1、2)、各スペーサ(5a、5b)及び金属枠体8が固定される。このようにして、実施形態に係る複層パネル10を作製することができる。
[作用・効果]
本実施形態によれば、両ガラス板(1、2)の間に配置される樹脂板3の周縁部31を金属枠体8の溝部83により保護することで、次の理由により、こじ破りに対する防犯性能を高めることができる。すなわち、こじ破りの際にこの樹脂板3を突破するためには、樹脂板3に穴を開けるか、又は固定されていない樹脂板3をずらすことで金属枠体8と樹脂板3との間に隙間をあけることが考えられる。しかしながら、樹脂板3は比較的に物理的な衝撃に強い素材で構成されるため、手首を挿入できるほどの穴を樹脂板3に開けるのは困難である。また、樹脂板3の周縁部31は金属枠体8に覆われているため、樹脂板3の端部は露出していない。そのため、例えば、金属枠体8の一部を破壊するなどしなければ、ドライバーの先端を樹脂板3の端縁32に当接させて樹脂板3をずらすことができない。ここで、金属枠体8は、金属製であり、物理的な衝撃に強い素材で構成される。更に、本実施形態では、金属枠体8は、物理的な変形のしにくい厚みで構成される。そのため、たとえその一部であっても金属枠体8を変形及び破壊するのは困難である。したがって、金属枠体8の溝部で樹脂板3の周縁部31を保護することで、こじ破りに対する防犯性能を高めることができる。
加えて、両スペーサ(5a、5b)は、各ガラス板(1、2)と金属枠体との間に配置されるに過ぎず、樹脂板3を支持する等の形状に関する制約を有しない。そのため、本実施形態によれば、両スペーサ(5a、5b)には市販のスペーサを利用することができ、スペーサの形状に依存せずにこじ破りに対する防犯性能を高めることができる。
また、本実施形態によれば、金属枠体8の溝部83の開口側の両端縁84はそれぞれ、両スペーサ(5a、5b)よりも、樹脂板3の面方向の中央側(図2の上側)に位置する。そのため、1次シール材7は、金属枠体8の溝部83に嵌まり込んでいる樹脂板3に当接することなく、各スペーサ(5a、5b)と金属枠体8との間をシールすることができる。
すなわち、熱膨張率の比較的に高い樹脂板3に1次シール材7を密着させないようにすることができる。これにより、樹脂板3が膨張と収縮とを繰り返しても、1次シール材7の一部が変形することを防止することができる。そして、これにより、1次シール材7の一部が変形することで結露の原因となる湿気が各中空層(4a、4b)に入り込むことが防止できるため、経年劣化に伴い各中空層(4a、4b)内部で結露が生じやすくなることを防止することができる。
更に、本実施形態によれば、樹脂板3を溝部83に嵌め込む方向(図2の上下方向)において、金属枠体8の長さ、換言すると、側面側壁部82の幅は、両スペーサ(5a、5b)よりも長くなっている。そのため、樹脂板3の端縁32を金属枠体8の溝部83に比較的に深く嵌め込むことができるように、溝部83を深めに形成することが可能である。これにより、ドライバー等の棒状工具の先端が樹脂板3の端縁32に届きにくくすることができるため、こじ破りに対する十分な防犯性能を有する複層パネル10を提供することができる。
§2 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。上記複層パネル10の各構成要素に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換、及び追加が行われてもよい。また、上記複層パネル10の各構成要素の形状及び大きさも、実施の形態に応じて適宜決定されてもよい。
(緩衝材の配置箇所)
例えば、上記実施形態では、緩衝材85は、樹脂板3の各四辺に設けられる。しかしながら、図3で例示されるように、樹脂板3の四辺のうちの少なくとも一辺において、緩衝材85が設けられていなくてもよい。
図3は、緩衝材85の設けられていない辺における複層パネル10の状態を例示する。図3に示されるように、緩衝材85が設けられていない場合、樹脂板3は、金属枠体8の端面側壁部81と当接するように配置される。
ここで、緩衝材85は、その緩衝材85の設けられた辺から対向する辺に向けて樹脂板3を押し込む。そのため、緩衝材85を設けることにより樹脂板3のがたつきを抑えるためには、対向する二辺のうち少なくとも一方に緩衝材85が配置されればよい。すなわち、緩衝材85は、樹脂板3の四辺のうちの少なくともいずれか隣接する二辺において、樹脂板3の端縁32を受けることができるように配置されればよい。
また、図2及び図3で例示されるように、緩衝材85の設けられている辺では、緩衝材85の設けられていない辺に比べて、金属枠体8の溝部83の開口側の端縁84から樹脂板3の端縁32までの距離が緩衝材85の高さの分だけ短くなってしまう。そのため、緩衝材85の設けられている辺では、ドライバー等によるこじ破りに対する防犯性能が低下してしまう可能性がある。
そのため、緩衝材85は、錠を設ける辺ではなく、その辺とは反対側の辺に設けられるのが好ましい。例えば、図1で例示される引違い窓100では、クレセント錠13の設けられる召合せ框11d及び補助錠14の設けられる下框11cそれぞれに対応する辺では緩衝材85の設置を避けた方がよい。この場合、上框11a及び戸先框11bそれぞれに対応する辺に緩衝材85を配置すればよい。
これにより、クレセント錠13及び補助錠14の設けられる辺においてこじ破りに対する防犯性能が低下してしまうことを防ぐことができる。また、上框11a及び戸先框11bそれぞれに対応する辺に設けられた緩衝材85によって、樹脂板3は、クレセント錠13の設けられる召合せ框11d及び補助錠14の設けられる下框11c側に押し込まれる。そのため、クレセント錠13及び補助錠14の設けられる辺において樹脂板3の端縁32を金属枠体8の溝部83に十分に深く嵌め込むことができ、こじ破りに対する防犯性能を高めることができる。
(金属枠体の固定位置)
また、例えば、上記実施形態では、金属枠体8は、複層パネル10の外周縁から端面側壁部81がはみ出さないように配置されている。しかしながら、金属枠体8の配置は、実施の形態に応じて適宜決定されてもよい。例えば、図4で例示されるように、金属枠体8は、複層パネル10の外周縁から端面側壁部81がはみ出すように配置されてもよい。
図4は、複層パネル10の外周縁から端面側壁部81がはみ出すように金属枠体8が配置された複層パネル10の状態を例示する。この例では、2次シール材9は、外側ガラス板1及び金属枠体8の間と内側ガラス板2及び金属枠体8の間とを塞ぐように、2箇所に分かれて配置される。このように、2次シール材9から金属枠体8の端縁が突出するように、金属枠体8を配置してもよい。この場合、樹脂板3は、両ガラス板(1、2)と同じ大きさに形成してもよい。
(金属枠体の形状)
また、例えば、上記実施形態では、金属枠体8は断面コの字型に形成されている。しかしながら、金属枠体8の形状は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてもよい。例えば、金属枠体8の溝部83の開口側の2つの端縁84のうち一方の端縁84が他方の端縁84よりも、樹脂板3の面方向の中央側(図2の上側)に位置してもよい。また、両端縁84は、両スペーサ(5a、5b)よりも、樹脂板3の面方向の中央側に位置していなくてもよい。更に、樹脂板3を溝部83に嵌め込む方向(図2の上下方向)において、金属枠体8の長さ(側面側壁部82の幅)は両スペーサ(5a、5b)よりも短くてもよい。また、例えば、金属枠体8には複数の溝部83が形成されてもよい。この場合、本発明の「溝部の開口側の端縁」は、樹脂板3と1次シール材7とが接触しないように、樹脂板3の面方向の中央側に位置する金属枠体8の端縁のうち、樹脂板3よりも1次シール材7側に位置する少なくともいずれかの端縁を指せばよい。
(スペーサ)
また、上記実施形態では、中空部(51a、51b)をそれぞれ有する金属製のスペーサ(5a、5b)が利用されている。しかしながら、複層パネル10に利用可能なスペーサは、このようなスペーサ(5a、5b)に限定されず、実施の形態に応じて適宜選択されてもよい。例えば、図5で例示されるスペーサ(5c、5d)が複層パネル10に利用されてもよい。
図5は、断面矩形状のスペーサ(5c、5d)を利用した複層パネル10の状態を例示する。第1及び第2スペーサ(5c、5d)は、例えば、ブチルゴム等の樹脂により構成される。この場合、両スペーサ(5c、5d)によって、両中空層(4a、4b)を密封できるときがある。そのため、樹脂製のスペーサを利用する場合には、図5で例示されるように、1次シール材7は省略されてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例及び比較例の構成)
ここで、以下の示すとおりに実施例及び比較例に係る試験体を準備した。まず、実施例に係る試験体として、図2で例示される複層パネル10と同様の構成を有する複層パネルを用意した。両ガラス板(1、2)には、高さ1500mm、幅900mm、及び厚さ3mmのフロートガラスを利用した。また、樹脂板3には、高さ1490mm、幅890mm、及び厚さ2.5mmのポリカーボネート板を利用した。そして、両中空層(4a、4b)の幅を12mmとして、これら両中空層(4a、4b)には乾燥空気を封入した。
更に、金属枠体8の図2で例示される断面の外形は、高さ(図中の上下方向の長さ)は8mmとし、幅(図中の左右方向の長さ)は5.5mmとした。また、金属枠体8の溝部83の深さを7mmとし、幅を3.5mmとした。すなわち、金属枠体8の各壁部(81、82)の厚みは1mmである。そして、二重ロック機構の設けられたクレセント錠及び下框に補助錠を備えるアルミニウム合金製のJIS−A4706に規定される引違い窓に上記複層パネルを適用することで、実施例に係る試験体を構成した。なお、サッシには、グレージングガスケットを利用した。
一方、比較例では、金属枠体8を省略し、ポリカーボネート板の代わりに、両ガラス板(1、2)と同様の厚さ3mmのフロートガラスを用いた。すなわち、比較例では、トリプルガラスを窓ガラスに利用した試験体を構成した。
(試験内容)
上記実施例及び比較例に係る試験体についての防犯性能を確認するために、「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」で制定された「ガラスの防犯性能の試験に関する細則」に規定された「こじ破り試験」に準じた試験を行った。具体的には、各試験体のクレセント錠及び補助錠付近にドライバーを差し込んでこじ破りを行った。
ここで、図6を用いて、こじ破りについて説明する。図6は、図1の引違い窓100のクレセント錠13及び補助錠14付近をこじ破った後の状態を例示する。こじ破りとは、図6で例示されるように、クレセント錠13及び補助錠14付近にドライバー等の棒状工具でこじるようにして穴を開け、その穴から指などを入れてクレセント錠13及び補助錠14を直接解錠することをいう。
図6の貫通穴15はクレセント錠13を解錠するために開けた穴の例示であり、貫通穴16は補助錠14を解錠するために開けた穴の例示である。こじ破りでは、各貫通穴(15、16)のように、手首程度まで挿入可能な穴を開け、その穴に手首を差し込んで、クレセント錠及び補助錠を解錠する。手首程度まで挿入可能な穴とは、例えば、直径75mmの球が挿入可能な穴である。
本実施例及び比較例に係る試験体では、外側ガラス板1に貫通穴を開けることで、中間に配置された樹脂板3又はガラス板に到達することができる。そして、その樹脂板3又はガラス板をずらすか貫通穴を開けるかして隙間を開けることで、内側ガラス板2に到達することができる。更に、内側ガラス板2に貫通穴を開けることで、室内側に設けられたクレセント錠13及び補助錠14に到達することができる。本試験では、各試験体について、こじ破りを開始してから、クレセント錠及び補助錠を共に解錠し、外障子側の窓を開けるまでの時間を測定した。
なお、上記「ガラスの防犯性能の試験に関する細則」では、こじ破りの間に、試験体より1m離れた位置で音を測定し、90dBを超える音が発生したときには、こじ破りの作業を20秒間休止するように定められている。しかしながら、本試験では、この定めを省略し、90dB以上の音が発生しても作業を中止せずに、継続してこじ破りを行った。
(試験結果)
実施例に係る複層パネルを窓ガラスに利用した試験体では、こじ破りを開始してから15分経過した段階であっても、ポリカーボネート板(樹脂板3)に凡そ3cm×2cmの貫通穴しか開けることができず、クレセント錠すら開錠することはできなかった。一方、比較例に係るトリプルガラスを窓ガラスに利用した試験体では、こじ破りを開始してから約80秒で手首を挿入可能な貫通穴を開け、クレセント錠及び補助錠を開錠することができた。
この結果によれば、トリプルガラスを利用した窓では容易にこじ破りができる一方、金属枠体で樹脂板の周縁部を覆った複層パネルを利用した窓ではこじ破りが困難であることが分かった。したがって、金属枠体8で樹脂板3の周縁部31を覆った上記複層パネル10によれば、こじ破りに対する防犯性能を十分に確保可能である。
また、各壁部(81、82)の厚みを1mmにし、溝部83の深さを7mmにすれば、樹脂板3の面と金属枠体8の溝部83における内壁との間に1mm程度の隙間が生じる場合であっても、ドライバーから十分に樹脂板3の端部を保護できることが分かった。すなわち、金属枠体8の各壁部(81、82)の厚みを1mm以上にすれば、ドライバーによるこじ破りの際に、溝部83の変形を防ぐことができることが分かった。また、樹脂板3の周縁部31を嵌め込む溝部83の深さを7mm以上にすれば、1mmの隙間からドライバーを差し込んでも、ドライバーの先端が樹脂板3の端縁32に到達しないことが分かった。したがって、各壁部(81、82)の厚みを1mm以上にし、溝部83の深さを7mm以上にすれば、こじ破りに対する防犯性能を十分に確保可能である。
1…外側ガラス板、2…内側ガラス板、
3…樹脂板、31…周縁部、32…端縁、
4a…第1中空層、4b…第2中空層、
5a…第1スペーサ、51a…中空部、
5b…第2スペーサ、51b…中空部、
5c…第1スペーサ、5d…第2スペーサ、
6…乾燥剤、7…1次シール材、
8…金属枠体、81…端面側壁部、82…側面側壁部、83…溝部、84…端縁、
85…緩衝材、
9…2次シール材、
10…複層パネル、
11a…上框、11b…戸先框、11c…下框、11d…召合せ框、
12a…上枠、12b…(右側の)縦枠、12c…下枠、12d…(左側の)縦枠、
13…クレセント錠、14…補助錠(サブロック)、15・16…貫通穴、
100…引違い窓

Claims (5)

  1. 第1ガラス板と、
    前記第1ガラス板と所定間隔をおいて対向するように配置される樹脂板と、
    前記第1ガラス板及び前記樹脂板の周縁部間に配置され、前記第1ガラス板及び前記樹脂板の間に密閉された第1中空層を形成する第1スペーサと、
    前記樹脂板と所定間隔をおいて対向するように配置される第2ガラス板と、
    前記第2ガラス板及び前記樹脂板の周縁部間に配置され、前記第2ガラス板及び前記樹脂板の間に密閉された第2中空層を形成する第2スペーサと、
    前記両スペーサの間において前記樹脂板の周縁部を覆う金属枠体であって、内周壁に前記樹脂板の周縁部が嵌まる溝部を有する金属枠体と、
    前記第1及び第2中空層を密閉するように前記両ガラス板の周縁部に配置され、前記金属枠に当接する外部側シール材と、
    を備える、
    複層パネル。
  2. 前記各ガラス板及び前記各スペーサの間を塞ぐ内部側シール材を更に備え、
    前記各スペーサ及び前記金属枠体の間を前記内部側シール材が塞ぐように、前記金属枠体の前記溝部の開口側の端縁が、前記スペーサよりも、前記樹脂板の面方向の中央側に位置している、
    請求項1に記載の積層パネル。
  3. 前記樹脂板を前記溝部に嵌め込む方向において、前記金属枠体の長さは前記両スペーサよりも長くなっている、
    請求項1又は2に記載の積層パネル。
  4. 前記金属枠体の溝部に配置される緩衝材を更に備え、
    前記樹脂板は矩形状に形成され、
    前記金属枠体の溝部は、前記樹脂板を変位自在に支持しており、
    前記緩衝材は、前記樹脂板の四辺のうちの少なくともいずれか隣接する二辺において、前記樹脂板の端縁を受けるように構成されている、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の複層パネル。
  5. 前記複層パネルは窓に用いられ、
    前記緩衝材は、前記窓を締めるための錠の設けられる辺とは反対側の辺に配置される、
    請求項4に記載の複層パネル。
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