JPH09317249A - 墓石用の花立容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】花立容器の墓石の縦穴内における移動や振動を
防止して、異音の発生や花立容器からの草花の抜け落ち
を防止し得ると共に、長期に亘り使用し得る墓石用の花
立容器を提供する。 【解決手段】少なくとも上面が開口して内部に孔が形成
され、墓石の上面に開口した所定の深さの縦穴内に嵌挿
される墓石用の花立容器において、墓石の縦穴内に嵌挿
される本体部と、この本体部の外側面に設けられて墓石
の開口上面に当接する顎部を具備し、本体部の縦穴内に
嵌挿される外側面に弾性部材を固着して、本体部の縦穴
内における移動を規制することを特徴とする。弾性部材
は、例えばその中央部分が略三角形状に屈曲された板バ
ネで形成され、板バネの上端がフリーな状態でその下端
が本体部の外側面に固着されて、本体部の長手方向の上
下部にそれぞれ設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、墓前に生花等の草
花を供えるための墓石用の花立容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、一般的な墓は、建てられた墓碑
と、墓碑の直前下方の納骨棺上に配置された水鉢と、こ
の水鉢の左右に配置された一対の花立等からなる複数の
墓石で構成されている。そして、花立の墓石（以下、単
に墓石という）には、上面に開口する縦穴が形成され、
この墓石の縦穴内に種々の生花等からなる草花を直接供
えたり、あるいは適宜材質のパイプ等からなる花立容器
を縦穴内に挿入し、この花立容器内に草花を供えたりし
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この花
立容器は清掃等のために墓石から取り外す必要があるた
め、花立容器が墓石の縦穴に対して挿脱がし易いよう
に、縦穴の内面と花立容器の外側面間は所定の間隙を有
している。その結果、風により花立容器に活けてある草
花が揺れると花立容器も揺れて、墓石の縦穴内面に接触
して、例えばカタカタ音等の異音が発生したり、花立容
器の揺れによる振動で、花立容器内に活けてある草花が
浮き上がって花立容器から抜け落ちる場合があるという
問題点があった。

【０００４】そこで、このような花立容器の振動を防止
するために、例えば花立容器の外周面に布製や紙製のテ
ープを巻回して、墓石の縦穴との間隙を少なくする方法
も考えられるが、花立容器の水洗い等の清掃時にテープ
が矧がれる等、耐久性が劣るという問題点があった。

【０００５】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、花立容器の墓石の縦穴内における移動や振動を
防止して、異音の発生や草花の抜け落ちを防止し得ると
共に、長期に亘り使用し得る、墓石用の花立容器を提供
することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、請求項１記載の墓石用の花立容器は、少なくとも上
面が開口して内部に孔が形成され、墓石の上面に開口し
た所定の深さの縦穴内に嵌挿される墓石用の花立容器に
おいて、墓石の縦穴内に嵌挿される本体部と、本体部の
外側面に設けられて墓石の開口上面に当接する顎部とを
具備し、本体部の縦穴内に嵌挿される外側面に弾性部材
を固着して、本体部の縦穴内における移動を規制するこ
とを特徴とする。

【０００７】この墓石用の花立容器によれば、花立容器
の本体部を墓石の縦穴内に嵌挿すると、本体部の外側面
に固着された弾性部材が変形しつつ挿入され、この弾性
部材により、本体部が縦穴内に弾性的に支持されて縦穴
内における直径方向への移動が規制される。したがっ
て、花立容器に活けた草花が風で揺れても、花立容器が
動いたり振動したりすることがなくなり、異音の発生や
墓石からの草花の抜け落ち等が防止される。

【０００８】また、請求項２記載の墓石用の花立容器
は、弾性部材をその略中央部分が三角形状に屈曲された
板バネで形成し、この板バネの上端がフリーな状態でそ
の下端が本体部の外側面に固着されていることを特徴と
する。

【０００９】この花立容器によれば、墓石の縦穴内に本
体部が嵌挿されると、本体部の外側面に固着された板バ
ネの三角形状の頂点部が縦穴内面に当接しつつ変形し、
花立容器が縦穴内面に弾性的に支持されて縦穴内におけ
る移動が規制される。板バネは、上端がフリーで略中央
部分に三角形状の屈曲部を有するため、本体部の縦穴内
への挿脱が容易になる。

【００１０】また、請求項３記載の墓石用の花立容器
は、弾性部材が、本体部の長手方向の上下部にそれぞれ
配設されていることを特徴とする。この花立容器によれ
ば、縦穴内に嵌挿された本体部は、その長手方向の上下
部に設けられた弾性部材により、本体部の上下部が縦穴
内面にそれぞれ弾性支持され、本体部の縦穴の深さ方向
における傾きの発生が防止される。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図１〜図４は、本発明に係
わる墓石用の花立容器の一実施例を示し、図１がその正
面図、図２が図１のＡ−Ａ線矢視断面図、図３が図１の
Ｂ部の拡大図、図４が墓石への設置状態を示す断面図で
ある。

【００１２】図１〜図３において、花立容器１は、例え
ばステンレススチール材の絞り加工によって成形され
た、上面に開口３を有する本体部２と、この本体部２の
上部外側面に固着された鍔部４を有している。本体部２
は、略有底円筒形状に形成され、その上端の開口３部が
上方に末広がり状に形成されると共に、その下端が底面
５で閉塞されて内部に孔２ｂを有している。

【００１３】また、この本体部２の外周面２ａの、下部
と鍔部４下方で本体部２の直径方向の略対角線位置に
は、弾性部材としての板バネ６が合計４個それぞれ固着
されている。この板バネ６は、図３に拡大して示すよう
に、三角形状の屈曲部６ａを有し、この屈曲部６ａ下部
の平坦な固着部６ｂが、本体部２の外周面２ａに溶接等
により固着されている。

【００１４】一方、板バネ６の先端部６ｃは、屈曲部６
ａから上方に延びて外周面２ａと所定の間隙ｔ１（図３
参照）を有している。なお、この間隙ｔ１は必ずしも必
要ではなく、外周面２ａに単に当接させた状態としても
良い。この先端部６ｃが屈曲部６ａの変形によって本体
部２の外周面２ａに沿って上下動することになる。

【００１５】鍔部４は、中央に孔４ａが設けられた傘状
に形成され、孔４ａを本体部２に底面５側から挿通させ
た後、その裏面と本体部２の外周面２ａとの当接部７
（図２参照）を、例えば３カ所スポット溶接することに
より、本体部２に固着されて一体化されている。この鍔
部４の下縁４ｂが後述する如く、墓石１０の上面１０ａ
に当接することになる。

【００１６】次に、この花立容器１の墓石１０への設置
方法を図４等に基づいて説明する。先ず、墓石１０の上
面１０ａに形成されている縦穴１１の内径ｒ１より若干
小さい外径ｒ２を有し、本体部２の高さｈ２（鍔部４の
下縁４ｂと底面５間の寸法）が縦穴１１の深さｈ１より
小さい花立容器１を用意する。また、花立容器１の本体
部２に固着されている４個の板バネ６の屈曲部６ａの先
端位置における外径ｒ３を、縦穴１１の内径ｒ１より若
干大きく設定する。

【００１７】そして、本体部２の底面５側を、図４の二
点鎖線の位置から縦穴１１の開口１１ａに挿入し、本体
部２が縦穴１１内に所定距離挿入されると、下部に設け
た両板バネ６の屈曲部６ａが開口１１ａ端縁に当接し
て、図３の矢印イに示す如く、両板バネ６の屈曲部６ａ
が本体部２の外周面２ａ方向に押されてそれぞれ変形す
る。

【００１８】これにより、本体部２が板バネ６の弾性力
を受けつつ縦穴１１内に挿入され、その後、本体部２を
さらに下方に押し込むと、鍔部４下方の両板バネ６も同
様に変形して、鍔部４の下縁４ｂが墓石１０の上面１０
ａに当接した位置で停止する。この停止位置において、
４個の板バネ６の屈曲部６ａの頂点が縦穴１１の内面１
１ｂに４箇所で当接し、本体部２の外周面２ａと縦穴１
１の内面１１ｂ間に形成されている間隙ｔ２が吸収され
た状態となり、板バネ６の弾性力を受けて本体部２が縦
穴１１内に支持される。

【００１９】この時、花立容器１は、本体部２の中心線
Ｌ１と縦穴１１の中心線Ｌ２とが略一致した位置で、縦
穴１１の中心位置に垂直状態で嵌挿支持され、この状態
で、例えば花立容器１の開口３から孔２ｂ内に適量の水
が注入されると共に草花（いずれも図示せず）が活けら
れて使用される。そして、花立容器１に活けられている
草花が風で揺れても、花立容器１の本体部２が４個の板
バネ６で縦穴１１内に弾性的に支持されていることか
ら、その外周面２ａが縦穴１１内で動いたり振動するこ
とがなくなる。

【００２０】このように、上記実施例の花立容器１によ
れば、墓石１０の縦穴１１内に位置する本体部２が、外
周面２ａの上下部で対角線位置にそれぞれ設けられた４
個の板バネ６によって、墓石１０の縦穴１１内に弾性的
に支持されるため、本体部２が縦穴１１内で直径方向に
移動したり、あるいは振動することがなくなり、本体部
２の縦穴１１の内面１１ｂへの当接によるカタカタ音等
の異音の発生が防止されると共に、本体部２の振動によ
る花立容器２の孔２ｂからの草花の抜け落ちが防止さ
れ、墓の周囲を汚すこと等がなくなる。

【００２１】また、板バネ６が三角形状の屈曲部６ａを
有し、これを上下方向にしてその下端の固着部６ｂを固
定しているため、本体部２の縦穴１１への出し入れ時
に、板バネ６の縦穴１１等への引っ掛かりが防止され、
本体部２の縦穴１１からの着脱をスムーズに行うことが
できる。

【００２２】さらに、花立容器１をステンレススチール
材で形成しているため、錆等の発生を防止することがで
き、耐久性が向上して長期に亘り安定して使用すること
ができると共に、金属製の板バネ６を溶接等により強固
に固定しているため、花立容器１をそのまま水洗いする
ことができる等、花立容器１の清掃を容易に行うことが
可能になる。

【００２３】またさらに、屈曲させた板バネ６を本体部
２の外周面２ａに固着するだけで良く、花立容器１を構
成簡易にして安価に形成することができると共に、既に
使用している金属製の花立容器にも容易に適用すること
ができる。

【００２４】図５は、本発明に係わる墓石用の花立容器
の他の実施例を示す、墓石への設置状態の断面図であ
る。なお、上記実施例と同一箇所には同一符号を付し、
その詳細な説明は省略する。この実施例の特徴は、板バ
ネ６を本体部２の外周面２ａの上下に２個設けたもので
あり、この実施例においては、板バネ６によって本体部
２が墓石１０の縦穴１１の一方の内面１１ｂ側に押し付
けられて、花立容器１が縦穴１１内に弾性的に支持され
る。

【００２５】この場合、本体部２の中心線Ｌ１と縦穴１
１の中心線Ｌ２が若干ずれた状態で、花立容器１が縦穴
１１に支持されることになる。このように構成しても、
本体部２が縦穴１１の内面１１ａに弾性的に支持され、
花立容器１が縦穴１１内で移動したり振動することがな
くなり、上記実施例と同様の作用効果が得られる他に、
板バネ６の個数が減るため、より安価な花立容器１が得
られることになる。

【００２６】なお、本体部２に固着される板バネ６の個
数は、上記各実施例に限定されるものでもなく、例えば
図１及び図２の二点鎖線で示すように８個設ける等、本
体部２と墓石１０の縦穴１１との間隙ｔ２の大きさ等に
応じて設定することができ、また、板バネ６の固着位置
も、本体部２の上下部に限らず中央部分に設ける等、縦
穴１１の深さｈ１等に応じて設定することができる。

【００２７】また、上記各実施例においては、本体部２
を有底円筒形状に形成したが、例えば底面５側が開口し
た円筒形状に形成しても良い。さらに、上記実施例にお
いては、弾性部材として板バネ６を使用したが、例えば
屈曲部を有する棒状のバネでも良く、種々の形態の弾性
部材を使用することができ、これらのバネの固着も下端
に限らず、例えば上端を固着して下端をフリーに構成す
ることもできる。

【００２８】またさらに、上記実施例における花立容器
及び墓石の形状等も一例であって、本発明の要旨を逸脱
しない範囲において、種々変更可能であることはいうま
でもない。

【００２９】

【発明の効果】以上詳述したように、請求項１記載の墓
石用の花立容器によれば、本体部の外側面に弾性部材を
固着して設けることにより、花立容器が墓石の縦穴内に
弾性的に支持されるため、縦穴内で花立容器が径方向に
移動したり振動することがなくなり、異音の発生や草花
の抜け落ち等を防止できると共に、耐久性が向上し長期
に亘る使用が可能になる。

【００３０】また、請求項２記載の墓石用の花立容器に
よれば、弾性部材が略三角形状に屈曲形成された板バネ
で形成されているため、本体部の墓石の縦穴に対する挿
脱が容易になり、花立容器の清掃等を容易に行うことが
可能になる。

【００３１】また、請求項３記載の墓石用の花立容器に
よれば、本体部の長手方向の上下部に設けられた弾性部
材により、本体部の墓石の縦穴の深さ方向における傾き
が防止され、花立容器を垂直状態で設置することができ
て、草花を安定して活けることが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる墓石用の花立容器の一実施例を
示す正面図

【図２】同図１のＡ−Ａ線矢視断面図

【図３】同図１のＢ部の拡大図

【図４】同その墓石への設置状態の一例を示す断面図

【図５】本発明に係わる他の墓石用の花立容器の設置状
態を示す断面図

【符号の説明】

１・・・・・花立容器 ２・・・・・本体部 ２ａ・・・・外周面 ２ｂ・・・・孔 ３・・・・・開口 ４・・・・・鍔部 ４ａ・・・・孔 ４ｂ・・・・下縁 ５・・・・・底面 ６・・・・・板バネ ６ａ・・・・屈曲部 ６ｂ・・・・固着部 １０・・・・墓石 １０ａ・・・上面 １１・・・・縦穴 １１ａ・・・開口 １１ｂ・・・内面

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも上面が開口して内部に孔が形成
   され、墓石の上面に開口した所定の深さの縦穴内に嵌挿
   される墓石用の花立容器において、 墓石の縦穴内に嵌挿される本体部と、該本体部の外側面
   に設けられて墓石の開口上面に当接する顎部とを具備
   し、前記本体部の縦穴内に嵌挿される外側面に弾性部材
   を固着して、本体部の縦穴内における移動を規制するこ
   とを特徴とする墓石用の花立容器。
2. 【請求項２】前記弾性部材を、その略中央部分が三角形
   状に屈曲された板バネで形成し、該板バネの上端がフリ
   ーな状態でその下端が本体部の外側面に固着されている
   ことを特徴とする、請求項１記載の墓石用の花立容器。
3. 【請求項３】前記弾性部材が、前記本体部の長手方向の
   上下部にそれぞれ固着されていることを特徴とする、請
   求項１もしくは請求項２記載の墓石用の花立容器。