JPH09316961A - 水洗便器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本水洗用の場合も簡易水洗用の場合もそれに
応じて給水して効果的な洗浄をする。 【解決手段】 本水洗用便器と簡易水洗用便器とに兼用
することができる水洗便器である。便器本体１に便器ボ
ウル２の上端に沿って周方向に内部がリム通水路３とな
った中空のリム部４を設けると共にリム部４の底部にリ
ム通水路３と連通する噴射孔を穿孔する。リム部４の下
方で便器ボウル２の内面に周方向に通水段部６を設け
る。便器ボウル２の後部でリム部４に設けた給水部７と
給水タンク８の排水口９とを便器本体１の便器通水路１
０で連通させる。リム部４の給水部７に通水段部６の上
方に開口せる下開口部１１と、リム通水路３に連通する
側部開口部１２とを設ける。基部側が給水タンク８の排
水口９に連通して先端に通水段部６に向いた噴水口を有
するノズル１４を便器通水路１０から給水部７に亙って
着脱自在に装着し得るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、本水洗用便器と簡
易水洗用便器とに兼用することができる水洗便器に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、本水洗用便器と簡易水洗用便器と
に兼用することができる水洗便器としては実開平２−１
０９８７５号公報等に開示されるものがある。これは便
器本体の便器ボウルの底部の排出口に連結する部材を変
えることにより本水洗用と簡易水洗用とに切り替えるこ
とができるようになっている。つまり、排出口に排水ト
ラップを連結することで本水洗用として用いることがで
き、排出口に弁ユニットを連結することにより簡易水洗
用として用いることができるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、簡易水洗用
便器では少ない洗浄水量で効果的な洗浄をしなければな
らなく、また本水洗用便器では多量の洗浄水量で奇麗に
洗浄しなければならない。ところが、上記従来例の水洗
便器では本水洗時と簡易水洗時とで給水構造を変えて効
果的な洗浄ができるものでなかった。

【０００４】本発明は叙述の点に鑑みてなされたもので
あって、本水洗用の場合も簡易水洗用の場合もそれに応
じて給水して効果的な洗浄をすることを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の水洗便器は、本水洗用便器と簡易水洗用便器と
に兼用することができる水洗便器において、便器本体１
に便器ボウル２の上端に沿って周方向に内部がリム通水
路３となった中空のリム部４を設けると共にリム部４の
底部にリム通水路３と連通する噴射孔５を穿孔し、リム
部４の下方で便器ボウル２の内面に周方向に通水段部６
を設け、便器ボウル２の後部でリム部４に設けた給水部
７と給水タンク８の排水口９とを便器本体１の便器通水
路１０で連通させ、リム部４の給水部７に通水段部６の
上方に開口せる下開口部１１と、リム通水路３に連通す
る側部開口部１２とを設け、基部側が給水タンク８の排
水口９に連通して先端に通水段部６に向いた噴水口１３
を有するノズル１４を便器通水路１０から給水部７に亙
って着脱自在に装着し得るようにして成ることを特徴と
する。

【０００６】本水洗用便器として用いる場合、ノズル１
４を外した状態で排水口９と便器通水路１０とが直接連
通するようにする。すると、洗浄するとき洗浄タンク８
の排水口９から多量の洗浄水が便器通水路１０に供給さ
れ、便器通水路１０から給水部７に洗浄水が供給され、
給水部７の下開口部１１から便器ボウル２内に水が吐出
されると共に給水部７の側部開口部１２からリム部４の
リム通水路３に洗浄水が供給されてリム部４に設けた噴
射孔５から便器ボウル２内に洗浄水が噴射され、多量の
洗浄水にて便器ボウル２内が奇麗に洗浄される。

【０００７】簡易水洗用便器として用いる場合、ノズル
１４を装着してノズル１４の先端の噴水口１３を下開口
部１１に臨ませる。すると、洗浄するとき洗浄タンク８
の排水口９からノズル１４に洗浄水が供給され、ノズル
１４の噴水口１３から下開口部１１を介して通水段部６
に向けて洗浄水が噴出され、この洗浄水が通水段部６に
沿って流れて通水段部６の略全周から便器ボウル２内に
流れ落ち、便器ボウル２内が少ない洗浄水で効果的に洗
浄される。

【０００８】また給水部７の便器通水路１０と反対の前
壁１５の下端に後方に向けて突出する返し部１６を設け
て成ることを特徴とすることも好ましい。この場合、本
水洗用としたときに便器通水路１０から給水部７に供給
された洗浄水が下開口部１１から直接落ちるのを規制
し、洗浄水が側部開口部１２からリム通水路３に供給さ
れる水量を多くして便器ボウル２の洗浄効果を向上でき
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１乃至図４は本発明の水洗便器
を簡易水洗用便器として用いた場合を示す。便器本体１
には便器ボウル２が設けられており、便器ボウル２の底
部の中央には排出口１８が設けられている。便器ボウル
２の上端には便器ボウル２の上端の周方向の全周に亙る
ようにリム部４が一体に設けられている。このリム部４
の内部は中空になっており、内部の中空部がリム通水路
３となっており、リム部４の底部にはリム通水路３と連
通する噴射孔５を周方向に適当な間隔で複数個設けてあ
る。リム部４の下方の位置で便器ボウル２の上部の内周
に全周に亙るように通水段部６を設けてある。便器ボウ
ル２の後部でリム部４内には給水部７を設けてあり、便
器本体１の後部の内部に設けた便器通水路１０と給水部
７とが連通開口１９にて連通している。給水部７の下部
には通水段部６の臨むように下開口部１１が設けてあ
り、給水部７の側部にはリム通水路３に臨む側部開口部
１２を設けてある。また給水部７の前方には前壁１５を
設けてあり、前壁１５の下端から後方に向けて突出する
ように返し部１６を突設してある。便器本体１の後部の
上面にはロータンクのような給水タンク８を載設してあ
り、給水タンク８の底部には洗浄水の排水口９を設けて
あり、この排水口９に対応するように便器本体４の上面
には便器用通水路１０と連通する連通開口２０を設けて
ある。

【００１０】本例は簡易水洗便器用のために便器本体１
の後部にノズル１４を装着してある。ノズル１４は便器
通水路１０に挿通してあり、ノズル１４の基部が連通開
口２０を介して排水口９に連結してある。ノズル１４の
先端部は連通開口１９を介して給水部７内に臨ませてあ
り、ノズル１４の先端には下方に向けて開口する噴水口
１３を設けてある。また便器ボウル２の排出口１８の下
方には弁２１を有する弁ユニット２２が装着してある。
弁ユニット２２の弁２１はワイヤー２８を介して給水タ
ンク８に取り付けられたレバー２３に接続されており、
レバー２３を回転させることにより、弁２１を軸２４を
中心に回転し、レバー２３の操作で排出口１８を閉じた
り開いたりすることができるようになっている。一方給
水タンク８内の底部にはダグラスバルブ２５が取り付け
られており、鎖２６を介してレバー２３に取り付けられ
たフロート弁２７の開閉により排水口９から排水できる
ようになっている。なお、フロート弁２７には重りが設
けられており、簡易水洗用のときと本水洗用のときとで
重りを変えるようになっている。つまり、簡易水洗用の
ときはフロート弁２７の開く時間を短くして洗浄水の供
給量を少なくし、本水洗のときはフロート弁２７が開く
時間を長くして洗浄水の供給量を多くしている。

【００１１】しかして洗浄時にはレバー２３を回転させ
ることにより、フロート弁２７が開き、給水タンク８の
洗浄水が排水口９を介してノズル１４に送り込まれ、給
水部７の下開口部１１から洗浄水として便器ボウル２に
吐出される。これと同時に弁２１も開き排出口１８から
便器ボウル２内の汚物及び洗浄水等が便器外に排出され
る。簡易水洗用のときにはノズル１４の噴水口１３から
下開口部１１を介して通水段部６に吐出され、図４に示
すように洗浄水が通水段部６に沿って流れて全周の通水
段部６から便器ボウル２の内面に沿って洗浄水が流下さ
せられて便器ボウル２内が洗浄される。これにより少な
い洗浄水量で便器ボウル２内が効果的に洗浄される。

【００１２】図５乃至図８は本発明の水洗便器を本水洗
用便器として用いた場合を示す。この場合、図１や図２
の簡易水洗用の使用状態から弁ユニット２２、ワイヤー
２８及びノズル１４を取り除き、排水トラップ２９を排
出口１８に連結する。排出トラップ２９は内部が空洞
で、便器ボウル２と相俟って便器ボウル２の底部に水を
ためてトラップの機能を果たす。また給水タンク８の排
水口９と連通開口２０とがパッキン３０を介して水密的
に接続される。

【００１３】しかして洗浄時にはレバー２３を回転させ
ることにより、フロート弁２７が開き、給水タンク８の
洗浄水が排水口９、連通開口２０を介して便器通水路１
０に送られ、便器通水路１０から連通開口１９を介して
給水部７に給水され、給水部７の下開口部１１から洗浄
水の一部が便器ボウル２内に吐出され、一方給水部７の
側部開口部１２から洗浄水の残りがリム部４のリム通水
路３に送り込まれ、リム部４に設けた噴射孔５から便器
ボウル２内に洗浄水が噴射され、多量の洗浄水にて便器
ボウル２内が奇麗に洗浄される。便器ボウル２内の汚物
及び洗浄水は排水トラップ２９を通り、便器外に排出さ
れる。

【００１４】また連通開口１９から給水部７に吐出され
た洗浄水は前壁１５に当たり、返し部１６に邪魔されて
下開口部１１から直接落ちるのが規制されると共に返し
部１６に邪魔されて左右に分かれ、洗浄水が側部開口部
１２からリム通水路３に供給される水量が多くなり、便
器ボウル２の洗浄効果を高めることができる。つまり、
返し部１６がないと、前壁１５に当たった洗浄水は下開
口部１１から殆ど下方に落ち、リム通水路３に洗浄水が
殆ど導かれず、便器ボウル２の全面に洗浄水が行き亙ら
ず洗浄性能が劣化する。逆に下開口部１１の大きさと返
し部１６の大きさを調整することで最適の洗浄状態を実
現することができる。

【００１５】

【発明の効果】本発明は叙述のように本水洗用便器と簡
易水洗用便器とに兼用することができる水洗便器におい
て、便器本体に便器ボウルの上端に沿って周方向に内部
がリム通水路となった中空のリム部を設けると共にリム
部の底部にリム通水路と連通する噴射孔を穿孔し、リム
部の下方で便器ボウルの内面に周方向に通水段部を設
け、便器ボウルの後部でリム部に設けた給水部と給水タ
ンクの排水口とを便器本体の便器通水路で連通させ、リ
ム部の給水部に通水段部の上方に開口せる下開口部と、
リム通水路に連通する側部開口部とを設け、基部側が給
水タンクの排水口に連通して先端に通水段部に向いた噴
水口を有するノズルを便器通水路から給水部に亙って着
脱自在に装着し得るようにしているので、本水洗用便器
として用いる場合、ノズルを外した状態で排水口と便器
通水路とが直接連通するようにすると、洗浄するとき洗
浄タンクの排水口から洗浄水が便器通水路に供給され、
便器通水路から給水部に洗浄水が供給され、給水部の下
開口部から便器ボウル内に水が吐出されると共に給水部
の側部開口部からリム部のリム通水路に洗浄水が供給さ
れてリム部に設けた噴射孔から便器ボウル内に洗浄水が
噴射されるものであって、多量の洗浄水にて便器ボウル
内が奇麗に洗浄されるものであり、また簡易水洗用便器
として用いる場合、ノズルを装着してノズルの先端の噴
水口を下開口部に臨ませると、洗浄するとき洗浄タンク
の排水口からノズルに洗浄水が供給され、ノズルの噴水
口から下開口部を介して通水段部に向けて洗浄水が噴出
され、この洗浄水が通水段部に沿って流れて通水段部の
略全周から便器ボウル内に流れ落ちるものであって、便
器ボウル内が少ない洗浄水で効果的に洗浄されるもので
ある。

【００１６】また本発明の請求項２の発明にあっては、
給水部の便器通水路と反対の前壁の下端に後方に向けて
突出する返し部を設けているので、本水洗用としたとき
に便器通水路から給水部に供給された洗浄水が下開口部
から直接落ちるのを規制し、洗浄水が側部開口部からリ
ム通水路に供給される水量を多くして便器ボウルの洗浄
効果を向上できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の一例の簡易水洗用にしたも
ので、（ａ）は一部切欠平面図、（ｂ）は断面図であ
る。

【図２】同上の一部切欠斜視図である。

【図３】同上の要部の拡大断面図である。

【図４】同上の洗浄状態を説明する一部切欠斜視図であ
る。

【図５】同上の本水洗用にしたものの断面図である。

【図６】同上の一部切欠斜視図である。

【図７】同上の要部の拡大断面図である。

【図８】同上の要部の平面図である。

【符号の説明】

１ 便器本体 ２ 便器ボウル ３ リム通水路 ４ リム部 ５ 噴射孔 ６ 通水段部 ７ 給水部 ８ 給水タンク ９ 排水口 １０ 便器通水路 １１ 下開口部 １２ 側部開口部 １３ 噴水口 １４ ノズル １５ 前壁 １６ 返し部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本水洗用便器と簡易水洗用便器とに兼用
   することができる水洗便器において、便器本体に便器ボ
   ウルの上端に沿って周方向に内部がリム通水路となった
   中空のリム部を設けると共にリム部の底部にリム通水路
   と連通する噴射孔を穿孔し、リム部の下方で便器ボウル
   の内面に周方向に通水段部を設け、便器ボウルの後部で
   リム部に設けた給水部と給水タンクの排水口とを便器本
   体の便器通水路で連通させ、リム部の給水部に通水段部
   の上方に開口せる下開口部と、リム通水路に連通する側
   部開口部とを設け、基部側が給水タンクの排水口に連通
   して先端に通水段部に向いた噴水口を有するノズルを便
   器通水路から給水部に亙って着脱自在に装着し得るよう
   にして成ることを特徴とする水洗便器。
2. 【請求項２】 給水部の便器通水路と反対の前壁の下端
   に後方に向けて突出する返し部を設けて成ることを特徴
   とする請求項１記載の水洗便器。