JPH09316955A - 排水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 槽体の下方に配設されるキャビネット内の収
納スペースを大きく確保することができる排水装置を提
供する。 【解決手段】 槽体１の底部に設けられる排水口２より
垂設されて同槽体１の下方に配設されるキャビネット３
内に収容配管される排水装置であって、排水口２の下側
に近接させて配管接続具４を取着し、この配管接続具４
に後方へ略水平に延出した延出排水管５を接続してこの
延出排水管５の後端に椀型トラップ６を設け、この椀型
トラップ６をキャビネット３の背板７に近接配置させて
同椀型トラップ６より排水管本体８を垂設してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗面台、流し台等
におけるキャビネット内に収容配管される排水装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、図11に示す如く、槽体（イ）
の底部に設けられる排水口（ロ）より垂設されて同槽体
（イ）の下方に配設されるキャビネット（ハ）内に収容
配管される排水装置は知られている。この場合、キャビ
ネット（ハ）上に洗面ボウルとなる槽体（イ）が設置さ
れて洗面台が形成されている。又、排水口（ロ）より垂
設される排水管（ニ）の中程には略Ｕ字状に屈曲したト
ラップ管（ホ）が介在接続されており、該トラップ管
（ホ）によって排水管（ニ）から排水口（ロ）へと臭気
が上昇逆流することが防止される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術においては、排水口（ロ）から排水管（ニ）が
直下方向に垂下し、しかも、該排水管（ニ）の中程には
略Ｕ字状に屈曲したトラップ管（ホ）が設けられている
ため、キャビネット（ハ）内の収納スペースＳが手前側
だけの小さな範囲に制限されてしまうものであった。

【０００４】本発明は、上記従来の技術における問題を
解決するために発明されたもので、すなわち、その課題
は、槽体の下方に配設されるキャビネット内の収納スペ
ースを大きく確保することができる排水装置を提供する
ことである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１記載の
排水装置は、槽体の底部に設けられる排水口より垂設さ
れて同槽体の下方に配設されるキャビネット内に収容配
管される排水装置であって、排水口の下側に近接させて
配管接続具を取着し、該配管接続具に後方へ略水平に延
出した延出排水管を接続して該延出排水管の後端に椀型
トラップを設け、該椀型トラップをキャビネットの背板
に近接配置させて同椀型トラップより排水管本体を垂設
してなる。

【０００６】したがって、この場合、排水口の下側に近
接して取着される配管接続具に後方へ略水平に延出した
延出排水管が接続されているので、同排水口の下方には
高さ寸法の大きな収納スペースが確保され、しかも、同
延出排水管の後端に設けられる椀型トラップがキャビネ
ットの背板に近接配置されて該椀型トラップより排水管
本体が垂設されているので、前記収納スペースの奥行き
寸法が大きくなると共に排水管本体の両側方にも同収納
スペースが広がって、槽体の下方に配設されるキャビネ
ット内の収納スペースを大きく確保することができる。

【０００７】本発明の請求項２記載の排水装置は、上記
請求項１記載の排水装置において、椀型トラップを上ト
ラップ部材と下トラップ部材とに分割し両者を結合して
形成し、上トラップ部材に前方へ突出した接続筒部を形
成して該接続筒部に延出排水管の後端を接続し、下トラ
ップ部材に排水管本体の上端を接続したことを特徴とす
る。したがって、この場合は特に、椀型トラップが上ト
ラップ部材と下トラップ部材とで形成され、上トラップ
部材に前方へ突出した接続筒部が形成されているので、
該接続筒部に接続される延出排水管と下トラップ部材に
接続される排水管本体とを、相互に略直角となり椀型ト
ラップが嵩張らないようにして簡単に接続することがで
きる。

【０００８】本発明の請求項３記載の排水装置は、上記
請求項１又は２記載の排水装置において、排水管本体を
フレキシブルパイプにて形成したことを特徴とする。し
たがって、この場合は特に、フレキシブルパイプにて形
成される排水管本体をキャビネットの背板に沿って両側
方へ屈曲移動させてその配管垂下位置を容易に変更調整
することができる。

【０００９】本発明の請求項４記載の排水装置は、上記
請求項１〜３のいずれか一つの請求項記載の排水装置に
おいて、配管接続具に対して延出排水管を水平方向回動
自在に接続したことを特徴とする。したがって、この場
合は特に、配管接続具に対して延出排水管を水平方向に
回動させて、該延出排水管の後端に設けられる椀型トラ
ップの配置及び該椀型トラップより垂設される排水管本
体の配管垂下位置を容易に変更調整することができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１〜図10は、本発明の請求項１
〜４全てに対応する一実施形態を示し、該実施形態の排
水装置は、槽体１の底部に設けられる排水口２より垂設
されて同槽体１の下方に配設されるキャビネット３内に
収容配管される排水装置であって、排水口２の下側に近
接させて配管接続具４を取着し、該配管接続具４に後方
へ略水平に延出した延出排水管５を接続して該延出排水
管５の後端に椀型トラップ６を設け、該椀型トラップ６
をキャビネット３の背板７に近接配置させて同椀型トラ
ップ６より排水管本体８を垂設してなる。

【００１１】該実施形態の排水装置においては、椀型ト
ラップ６が上トラップ部材９と下トラップ部材10とに分
割し両者を結合して形成され、上トラップ部材９に前方
へ突出した接続筒部11が形成されて該接続筒部11に延出
排水管５の後端が接続され、下トラップ部材10に排水管
本体８の上端が接続されている。又、排水管本体８はフ
レキシブルパイプにて形成されており、又、配管接続具
４に対して延出排水管５が水平方向回動自在に接続され
ている。

【００１２】図１〜図３に示す如く、槽体１は横長形状
の洗面ボウルであり、キャビネット３上に設置される洗
面カウンター12に一体に形成されている。該洗面カウン
ター12の後端部上には引き出し自在なシャワーヘッド13
が付設されていて、洗面ボウルとなる槽体１では同シャ
ワーヘッド13を使用して洗面、手洗いだけでなく洗髪も
行われる。同洗面カウンター12の後端部上方の壁面には
ミラーキャビネット14が取り付けられており、該ミラー
キャビネット14と前記洗面カウンター12を有するキャビ
ネット３とで洗面化粧台が構成される。

【００１３】又、キャビネット３は両側板15、背板７、
底板16及び上記洗面カウンター12で囲まれた前方に開口
した箱形状に形成され、該前面開口部分には対の扉パネ
ル17が両開き式開閉自在に付設されている。該キャビネ
ット３は台輪18を介して洗面所、脱衣所等の床面上に設
置されるもので、同キャビネット３内の収納スペースＳ
には、洗剤、石鹸、シャンプー、タオル、清掃道具等の
洗面所用或いは浴室用の小物が収納保管される。

【００１４】槽体１の底部の片側方へ偏った位置には排
水口２が形成されており、該排水口２に配管接続具４が
取着されている。この場合、図８、図９に示す如く、配
管接続具４は略円筒形状に形成され、該略円筒形状の上
端部分に開口拡開した排水口フランジ部19、同中程部分
に雄ネジ部20、同下端部分に接続垂下筒部21を有してい
る。該配管接続具４は排水口２に上方から挿通嵌合さ
れ、下方から前記雄ネジ部20にナット22が螺合され、該
ナット22と前記排水口フランジ部19とが同排水口２の周
縁部分に挟着されて取着されている。その際、槽体１と
その上側の排水口フランジ部19との間にＵパッキン23、
槽体１とその下側のナット22との間に三角パッキン24及
びワッシャ25が各々介在される。

【００１５】このように、排水口２に配管接続具４が取
着された状態で、該配管接続具４の前記接続垂下筒部21
が同排水口２の下側に垂下突出し、該接続垂下筒部21に
延出排水管５の前端部分が水平方向回動自在に接続され
る。この場合、、図８〜図10に示す如く、接続垂下筒部
21には流水開口26が形成され、該接続垂下筒部21の下端
付近の内周には雌ネジ部27が設けられており、同接続垂
下筒部21の外側に延出排水管５の前端部分に形成される
外方へ膨らんだ短円筒形状の結合部28が水平方向回動自
在に嵌装接続され、前記雌ネジ部27に蓋体29に突設され
るボルト部30が螺合されて、該蓋体29によって同接続垂
下筒部21の下端開口が閉塞されると共に延出排水管５が
接続され、その際、蓋体29の外周部分と延出排水管５の
結合部28との間に三角パッキン24が介在される。

【００１６】したがって、槽体１の排水口２から流下す
る排水は配管接続具４内を通り、該配管接続具４の接続
垂下筒部21に形成される流水開口26から延出排水管５の
一端に形成される結合部28内へと流出し、該結合部28を
経て同延出排水管５へと流水される。この場合、配管接
続具４から延出排水管５へと流水経路が略直角に屈曲す
るものとなるが排水はスムーズに流れ、又、同配管接続
具４が下方へ大きく突出せず延出排水管５も高位置に配
管保持されて、同下方に高さ寸法の大きな収納スペース
Ｓが確保される。又、延出排水管５の後端内には椀型ト
ラップ６の上トラップ部材９に突設される接続筒部11の
前端が挿入接続されるが、その際、同延出排水管５の後
端外周には雄ネジ部20が設けられており、該雄ネジ部20
に三角パッキン24を介して袋ナット31が螺合されて締め
付け固定される。

【００１７】図５〜図７に示す如く、椀型トラップ６は
平面視略円形状で上トラップ部材９と下トラップ部材10
とでなり、該上トラップ部材９及び下トラップ部材10は
いずれも合成樹脂にて一体に形成されてものである。上
トラップ部材９は上下短寸の外筒部32と上下長寸の内筒
部33とを有し、該外筒部32の上端部分から前方へ円筒形
状の上記接続筒部11が一体に突設されている。下トラッ
プ部材10は外周壁部34と内周壁部35とを有する器形状に
形成され、該外周壁部34と内周壁部35との間隙部分にそ
の上方開口から前記上トラップ部材９の内筒部33が挿入
されて、同上トラップ部材９と下トラップ部材10が結合
される。この場合、上トラップ部材９の外筒部32の内周
面に形成される雌ネジに下トラップ部材10の外周壁部34
の上端外周面に形成される雄ネジ36が螺合されて結合さ
れ、又、接続筒部11から内筒部33と外周壁部34との間隙
及び同内筒部33と内周壁部35との間隙を順次経て同内周
壁部35の内部スペースへと至る上下方向に屈曲したトラ
ップ流水経路37が、同椀型トラップ６内部に形成され
る。

【００１８】排水管本体８は軟質合成樹脂、合成ゴム等
の柔軟な材質で蛇腹形状に形成されたフレキシブルパイ
プにて形成され屈曲変形自在なものであるが、その上下
両端には硬質材でなる円筒部38が設けられており、該排
水管本体８の上端の円筒部38が上記椀型トラップ６の下
トラップ部材10に接続される。この場合、下トラップ部
材10の上記内周壁部35の内部スペース内に下方から排水
管本体８の上端の円筒部38が挿入嵌合され、同内周壁部
35から下方へ延設された部分の外周に設けられる雄ネジ
部20に三角パッキン24を介して袋ナット31が螺合されて
締め付け固定される。

【００１９】又、排水管本体８の下端の円筒部38は下水
管等の排管に案内接続されるものであるが、その際、封
臭栓具39が介在接続される。該封臭栓具39は排水管本体
８内を臭気が逆流するのを防止するものであり、同封臭
栓具39と上記椀型トラップ６とによって同排水管本体８
から排水口２へと臭気が上昇逆流することが確実に防止
される。しかも、この場合、図１、図３に示す如く、排
水管本体８はキャビネット３の底板16に形成される貫通
孔40を挿通され、該排水管本体８の下端に設けられる封
臭栓具39が同キャビネット３下側の台輪18内のスペース
に収容されているので、該封臭栓具39がキャビネット３
内の収納スペースＳに対して悪影響を及ぼすことはな
い。

【００２０】したがって、該実施形態の排水装置におい
ては、図１に示す如く、排水口２の下側に近接して取着
される配管接続具４に後方へ略水平に延出した延出排水
管５が接続されているので、同排水口２の下方には高さ
寸法の大きな収納スペースＳが確保される。しかも、同
延出排水管５の後端に設けられる椀型トラップ６がキャ
ビネット３の背板７に近接配置されて該椀型トラップ６
より排水管本体８が垂設されているので、前記収納スペ
ースＳの奥行き寸法が大きくなると共に排水管本体８の
両側方にも同収納スペースＳが拡張される。その結果、
槽体１の下方に配設されるキャビネット３内の収納スペ
ースＳを、上方及び奥方へ、且つ、奥方において排水管
本体８の両側方へ大きく確保することができる。

【００２１】又、該実施形態の排水装置においては、椀
型トラップ６が上トラップ部材９と下トラップ部材10と
で形成され、上トラップ部材９に前方へ突出した接続筒
部11が形成されているので、該接続筒部11に接続される
延出排水管５と下トラップ部材10に接続される排水管本
体８とを、相互に略直角となり椀型トラップ６が嵩張ら
ないようにして簡単に接続することができる。しかも、
フレキシブルパイプにて形成される排水管本体８をキャ
ビネット３の背板７に沿って両側方へ屈曲移動させてそ
の配管垂下位置を容易に変更調整することができる。更
には、配管接続具４に対して延出排水管５を水平方向に
回動させて、該延出排水管５の後端に設けられる椀型ト
ラップ６の配置及び該椀型トラップ６より垂設される排
水管本体８の配管垂下位置を容易に変更調整することが
できる。

【００２２】なお、本発明の排水装置は、上記実施形態
のように洗面化粧台のキャビネット３内に収容配管され
るもの以外、例えば、シンクが槽体となる流し台のキャ
ビネット内に収容配管されるものであっても良い。又、
上記実施形態の排水装置を本発明の最善のものとして例
示したが、各構成部材の形状、材質等は上記実施形態の
ものに限定されるものではない。

【００２３】

【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項１記載の排
水装置においては、槽体の下方に配設されるキャビネッ
ト内の収納スペースを高く且つ奥方及び排水管本体の両
側方へ大きく確保することができる。

【００２４】又、本発明の請求項２記載の排水装置にお
いては、特に、上トラップ部材より前方へ突出する接続
筒部に接続される延出排水管と下トラップ部材に接続さ
れる排水管本体とを、相互に略直角となり椀型トラップ
が嵩張らないようにして簡単に接続することができる。

【００２５】又、本発明の請求項３記載の排水装置にお
いては、特に、フレキシブルパイプにて形成される排水
管本体を両側方へ屈曲移動させてその配管垂下位置を容
易に変更調整することができる。

【００２６】又、本発明の請求項４記載の排水装置にお
いては、特に、配管接続具に対して延出排水管を水平方
向に回動させて、椀型トラップの配置及び該椀型トラッ
プより垂設される排水管本体の配管垂下位置を容易に変
更調整することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態である排水装置を示す断面
図。

【図２】同排水装置の正面図。

【図３】図２におけるＸ−Ｘ断面図。

【図４】同排水装置における椀型トラップと排水管本体
とを示す分解斜視図。

【図５】同排水装置における椀型トラップと排水管本体
とを示す平面図。

【図６】図５におけるＹ−Ｙ断面図。

【図７】同排水装置における椀型トラップと排水管本体
とを示す正面図。

【図８】同排水装置における配管接続具と延出排水管と
を示す分解斜視図。

【図９】同排水装置における配管接続具を示す斜視図。

【図10】同排水装置における延出排水管を示す斜視図。

【図11】従来例である排水装置を示す断面図。

【符号の説明】

１ 槽体 ２ 排水口 ３ キャビネット ４ 配管接続具 ５ 延出排水管 ６ 椀型トラップ ７ 背板 ８ 排水管本体 ９ 上トラップ部材 10 下トラップ部材 11 接続筒部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 槽体の底部に設けられる排水口より垂設
   されて同槽体の下方に配設されるキャビネット内に収容
   配管される排水装置であって、排水口の下側に近接させ
   て配管接続具を取着し、該配管接続具に後方へ略水平に
   延出した延出排水管を接続して該延出排水管の後端に椀
   型トラップを設け、該椀型トラップをキャビネットの背
   板に近接配置させて同椀型トラップより排水管本体を垂
   設してなる排水装置。
2. 【請求項２】 椀型トラップを上トラップ部材と下トラ
   ップ部材とに分割し両者を結合して形成し、上トラップ
   部材に前方へ突出した接続筒部を形成して該接続筒部に
   延出排水管の後端を接続し、下トラップ部材に排水管本
   体の上端を接続したことを特徴とする請求項１記載の排
   水装置。
3. 【請求項３】 排水管本体をフレキシブルパイプにて形
   成したことを特徴とする請求項１又は２記載の排水装
   置。
4. 【請求項４】 配管接続具に対して延出排水管を水平方
   向回動自在に接続したことを特徴とする請求項１〜３の
   いずれか一つの請求項記載の排水装置。