JPH093168A - エポキシ樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及びその製造方法

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JPH093168A
JPH093168A JP15755395A JP15755395A JPH093168A JP H093168 A JPH093168 A JP H093168A JP 15755395 A JP15755395 A JP 15755395A JP 15755395 A JP15755395 A JP 15755395A JP H093168 A JPH093168 A JP H093168A
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JP
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epoxy resin
resin composition
butadiene
inorganic filler
styrene copolymer
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JP15755395A
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Masashi Nakamura
正志 中村
Ikuo Nakasuji
郁雄 中筋
Masaaki Otsu
正明 大津
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低応力性、高流動性を維持しながら、硬化物
の強度低下が少なく、耐ヒートショック性、耐半田クラ
ック性に優れた半導体封止用のエポキシ樹脂組成物及び
その製造方法を提供する。 【構成】 エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び無機
充填材を含有するエポキシ樹脂組成物において、メチル
メタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体をフェ
ノール樹脂に分散させた混合樹脂をも含有する。前記メ
チルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体の
含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して、0.01〜
5重量%である。前記無機充填材の含有量がエポキシ樹
脂組成物全量に対して60〜93重量%である。前記メ
チルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体と
フェノール樹脂とを溶融混合した予備混合品を、無機充
填材を含有したエポキシ樹脂組成物の残りの原料ととも
に混合、混練する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気部品、電子部品、
半導体素子等を封止するためのエポキシ樹脂組成物及び
その製造方法に関し、詳しくは、低応力性、高流動、高
密着性に優れ、吸湿後の耐リフロー性に優れた半導体封
止用のエポキシ樹脂組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体等の電子部品を熱硬化性樹
脂を用いて封止する方法が一般に行なわれている。この
場合、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂組成物が最
も一般的に用いられている。
【0003】このエポキシ樹脂組成物は、例えば、オル
ソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等のエ
ポキシ樹脂主剤、フェノールノボラック等の硬化剤、三
級アミンやイミダゾール、ホスフィン類等の硬化促進
剤、シリカ等の無機粉末からなる無機充填材、シランカ
ップリング剤等のカップリング剤、カルナバワックスや
ステアリン酸等の離型剤、カーボンブラック等の着色剤
等から構成されている。
【0004】最近では、電子部品の小型化、薄型化のた
め、半導体の実装方式が、従来のピン挿入方式(DI
P:デュアル・インライン・パッケージ等)から表面実
装方式(SOP:スモール・アウトライン・パッケー
ジ、QFP:クオッド・フラット・パッケージ等)へと
移行しつつある。表面実装方式の場合、半導体パッケー
ジは、実装の際に半田リフロー等高温(例えば210℃
〜260℃)で処理され、その際パッケージ全体に高温
の熱が加わる。前述の従来の封止用樹脂組成物を用いて
封止したパッケージは、この工程で、封止樹脂部分にク
ラックが発生したり、大幅に耐湿性が低下したりする等
の問題が生じ、製品として使用できないことがあった。
【0005】半田付け工程におけるクラックの発生は、
後硬化してから実装工程の間までに吸湿された水分が半
田付け加熱時に爆発的に水蒸気化して膨張することに起
因すると言われている。
【0006】そこで、その対策として、後硬化したパッ
ケージを、密封した容器に収納して出荷する方法が用い
られていた。
【0007】以上の不良を軽減するために、封止用樹脂
組成物自体の改良も種々検討されている。例えば、特開
昭64−87616号公報、特開平1−108256号
公報等には、エポキシ樹脂としてビフェニル型エポキシ
樹脂を用い、硬化剤としては一般の硬化剤を用いた封止
樹脂組成物が提案されている。また、特開昭62−18
4020号公報、特開昭62−104830号公報等に
は、硬化剤としてジシクロペンタジエン・フェノール重
合体を用い、エポキシ樹脂としては一般のエポキシ樹脂
を用いた封止樹脂組成物が提案されている。
【0008】一方、チップの大型化に対応するために、
封止材料の低応力化も鋭意検討されており、大きくは、
シリコーンオイルを樹脂中に微細分散させる方法やシリ
コーン樹脂微粒子を樹脂中に分散させる等の方法が行わ
れている。しかし、これらの方法では、分散が不十分で
強度低下が起こる問題やシリコーン成分のブリードによ
る密着不良、金型汚れ等の問題が今だ完全には解決され
ていない。さらに、これらの欠点に加えて、シリコーン
オイルまたは樹脂で変性した封止材料は、耐半田クラッ
ク性に劣るという欠点を有していた。これらの問題を解
決するために特開昭63−225617、特開平6−9
754に示されているように、メチルメタクリレート・
ブタジエン・スチレン共重合体等の熱可塑ポリマーをエ
ポキシ樹脂中に分散させるという検討がされている。し
かしこの場合も熱可塑ポリマーのエポキシ樹脂への分散
性が悪いという欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の事情に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、低応
力性、高流動性を維持しながら、硬化物の強度低下が少
なく、耐ヒートショック性、耐半田クラック性に優れた
半導体封止用のエポキシ樹脂組成物及びその製造方法を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促
進剤及び無機充填材を含有するエポキシ樹脂組成物にお
いて、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共
重合体をフェノール樹脂に分散させた混合樹脂をも含有
することを特徴とする。
【0011】本発明の請求項2に係るエポキシ樹脂組成
物は、前記メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレ
ン共重合体の含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対し
て、0.01〜5重量%であることを特徴とする。
【0012】本発明の請求項3に係るエポキシ樹脂組成
物は、前記無機充填材の含有量がエポキシ樹脂組成物全
量に対して60〜93重量%であることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項4に係るエポキシ樹脂組成
物の製造方法は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記
載のエポキシ樹脂組成物を製造するエポキシ樹脂組成物
の製造方法において、前記メチルメタクリレート・ブタ
ジエン・スチレン共重合体とフェノール樹脂とを溶融混
合した予備混合品を、無機充填材を含有したエポキシ樹
脂組成物の残りの原料とともに混合、混練することを特
徴とする。
【0014】以下、本発明を詳しく説明する。本発明に
用いるエポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも2個のエ
ポキシ基を有するエポキシ樹脂であり、例えば、オルソ
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環を有するエポ
キシ樹脂、ブロム含有エポキシ樹脂及びグリシジルエス
テル型エポキシ樹脂等のようなエポキシ樹脂を例示でき
る。本発明で用いるエポキシ樹脂については、特に限定
はないが溶融粘度が低粘度のものが好ましく、例えば樹
脂の基本骨格にビフェニル骨格、ナフタレン骨格を有す
る2官能型または3官能型のエポキシ樹脂を使用するこ
とができる。
【0015】本発明に用いる硬化剤としては、特に限定
がなくフェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物
硬化剤等を使用できるが、吸湿率が小さくて信頼性の高
いエポキシ樹脂組成物とするにはフェノール性水酸基を
分子内に2個以上含み、溶融粘度の低いフェノール系硬
化剤を使用することが望ましく、例えば、フェノールノ
ボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、多官能フェ
ノール樹脂、ナフトールノボラック樹脂及びアラルキル
型フェノール樹脂等がある。
【0016】本発明では、硬化促進剤として、例えば、
1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン等
の三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−エチル
−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダ
ゾール類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィン等の有機ホスフィン類(リン系硬化促進剤)等があ
る。
【0017】本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、メチ
ルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体をフ
ェノール樹脂に分散させた混合樹脂をも含有することが
必須である。メチルメタクリレート・ブタジエン・スチ
レン共重合体は、エポキシ樹脂中への分散性が悪く、か
つ均一に分散させるのに長時間を要する。したがって、
メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体
の微粒子をフェノール樹脂に分散させた混合樹脂と無機
充填材とを必須成分として配合することにより分散性を
向上させ、耐半田クラック性に優れたエポキシ樹脂組成
物が得られる。メチルメタクリレート・ブタジエン・ス
チレン共重合体をフェノール樹脂に分散させることの利
点は、一般に、フェノール樹脂の方がエポキシ樹脂より
も軟化温度が高く、溶融混合して冷却した後の耐ブロッ
キング性に優れ、粉砕が容易であることである。特に、
表面実装用の封止材料に多く用いられているビフェニル
型エポキシ樹脂は、その結晶性のために、前記メチルメ
タクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体との溶融
混合物を冷却固化させる場合、非常に長時間を要し、製
造効率が悪いという欠点があり、好ましくない。
【0018】前記メチルメタクリレート・ブタジエン・
スチレン共重合体の含有量がエポキシ樹脂組成物全量に
対して、0.01〜5重量%であることが好ましく、さ
らに好ましくは、0.05〜3重量%である。すなわ
ち、前記メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン
共重合体の含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して、
0.01重量%未満の場合には、低応力化の効果が小さ
く、5重量%を越える場合には、本来の熱硬化性の特徴
が失われ、強度、耐熱性等の重要物性が低下する傾向に
ある。
【0019】本発明で用いる無機充填材の材質について
は特に制限はないが溶融シリカ等の非晶質シリカ、結晶
シリカ、アルミナ及び窒化ケイ素等が例示できる。前記
無機充填材の含有量がエポキシ樹脂組成物全量に対して
60〜93重量%であることが好ましく、低粘度、低吸
湿率を生かすためには84〜93重量%であることがさ
らに好ましい。すなわち、前記無機充填材の含有量がエ
ポキシ樹脂組成物全量に対して60重量%未満の場合に
は、得られる成形体の吸湿率が大きく、クラックが発生
し易くなり、93重量%を越える場合には、成形時の溶
融粘度が高くなってパッケージを成形する際の成形性が
大幅に低下するため、好ましくない。
【0020】このような無機充填剤の表面処理に用いる
カップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられ
る。離型剤としては、例えば、カルナバワックス、ステ
アリン酸、モンタン酸、カルボキシル基含有ポリオレフ
ィン等があり、着色剤としては、例えば、カーボンブラ
ック等がある。低応力化剤としては、例えば、シリコー
ンゲル、シリコーンゴム、シリコーンオイル等がある。
【0021】本発明に係るエポキシ樹脂組成物の製造方
法は、前記メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレ
ン共重合体とフェノール樹脂とを溶融混合した予備混合
品を、無機充填材を含有したエポキシ樹脂組成物の残り
の原料とともに混合、混練することが好ましい。つま
り、エポキシ樹脂組成物の中で、例えば、エポキシ樹脂
組成物の原料の一部である硬化剤及びメチルメタクリレ
ート・ブタジエン・スチレン共重合体のみを、加熱ロー
ル等を用いて、予め、例えば、85℃で10分間程度混
練して溶融し、均一に混合処理した予備混合品を冷却し
て固形化して粉砕した後、無機充填材を含有したエポキ
シ樹脂組成物の残りの原料に添加し、混合、混練してエ
ポキシ樹脂組成物を得ることにより、熱可塑性エラスト
マーであるメチルメタクリレート・ブタジエン・スチレ
ン共重合体がエポキシ樹脂組成物中に均一に分散し、そ
の結果耐半田クラック性の良好な成形体が得られるエポ
キシ樹脂組成物を得ることができる。すなわち、メチル
メタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体がエポ
キシ樹脂組成物中に均一に分散することによって、硬化
物の強度低下が少なく、密着性が良好となり、耐半田ク
ラック性に優れたエポキシ樹脂組成物が得られる。
【0022】
【作用】本発明の請求項1及び請求項2に係るエポキシ
樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び
無機充填材を含有するエポキシ樹脂組成物において、メ
チルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体を
フェノール樹脂に分散させた混合樹脂をも含有するの
で、溶融混合して冷却した後の耐ブロッキング性に優
れ、粉砕が容易であり分散性が向上し、低応力化にな
る。
【0023】本発明の請求項3に係るエポキシ樹脂組成
物は、前記無機充填材の含有量がエポキシ樹脂組成物全
量に対して60〜93重量%であるので、溶融粘度が小
さく、得られる成形体の吸湿率が小さく、クラックが発
生し難い。
【0024】本発明の請求項4に係るエポキシ樹脂組成
物の製造方法は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記
載のエポキシ樹脂組成物を製造するエポキシ樹脂組成物
の製造方法において、前記メチルメタクリレート・ブタ
ジエン・スチレン共重合体とフェノール樹脂とを溶融混
合した予備混合品を、無機充填材を含有したエポキシ樹
脂組成物の残りの原料とともに混合、混練するので、熱
可塑性エラストマーであるメチルメタクリレート・ブタ
ジエン・スチレン共重合体がエポキシ樹脂組成物中に均
一に分散し、硬化物の強度低下が少なく、密着性が良好
となり、耐半田クラック性に優れる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0026】(実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較
例4)以下に示す原料を表1に示す配合量で用いた。エ
ポキシ樹脂として、エポキシ当量190、150℃での
溶融粘度0.2ポイズの、2官能ビフェニル型エポキシ
樹脂(油化シェルエポキシ社製;品番YX−4000
H)又はエポキシ当量172、融点(軟化点)が111
℃のビフェニル型エポキシ樹脂混合物(油化シェルエポ
キシ社製;品番YL6121)を、硬化剤として、水酸
基当量104、融点82℃のフェノールノボラック(荒
川化学工業社製;商品名タマノール752)又は水酸基
当量175、150℃での溶融粘度2ポイズのフェノー
ルアラルキル型硬化剤(三井東圧ファイン社製;商品名
ミレックス225−3L)を、硬化促進剤としては、北
興化学社製のトリフェニルフォスフィン(以下TPPと
称する)を、カップリング剤として、γ- グリシドキシ
プロピルトリメトキシシランを用いた。
【0027】また無機充填材としては、溶融シリカを使
用した。溶融シリカ微粉末は、表1に示した重量部の溶
融シリカに対しγ−グリシドキシプロピルシランを表1
に示した重量部で表面処理して得られたものである。難
燃剤としては、エポキシ当量400のブロム化エポキシ
樹脂及び三酸化二アンチモン(三菱マテリアル社製;品
番Sb2 3 −LS)を、離型剤としては、天然カルナ
バワックスを、顔料としては、カーボンブラック(三菱
マテリアル社製;品番750−B)を用いた。
【0028】メチルメタクリレート・ブタジエン・スチ
レン共重合体(以下MBSと称する)をフェノール樹脂
に分散させた混合樹脂については、MBS(呉羽化学工
業社製;品番EXL−2655)を1重量部に対して、
フェノール樹脂を2重量部の割合で添加して、2本ロー
ルを用いて85℃で10分間混練し、室温に冷却して粉
砕したものを用いた。
【0029】シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社
製;商品名トレフィルE−500)を1重量部に対し
て、フェノールノボラックを2重量部の割合で添加し
て、2本ロールを用いて85℃で10分間混練し、室温
に冷却して粉砕した混合樹脂を用いた。
【0030】前記各原料を表1に示す重量部の割合で配
合し、得られた配合物を混合し、さらに、ミキシングロ
ールを用いて、90℃で6分間混練して、冷却後に粉砕
し、封止用のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0031】また、得られた封止用のエポキシ樹脂組成
物をトランスファー成形機を用いて、170〜175℃
に加熱した金型内にトランスファー注入して90秒成形
して177℃で6時間、後硬化して評価サンプル成形品
を得た。
【0032】以上で得た各封止用のエポキシ樹脂組成物
及び成形品を用いて、溶融粘度、常温曲げ弾性率、高温
強度、耐ヒートショック性、耐半田性クラック性を測定
し、その結果を表1の評価欄に示した。
【0033】
【表1】
【0034】表1において記載した測定値は、次の方法
によった。 (1)溶融粘度 フローテスター(島津製作所社製;商品名CFT500
A型)を用い、温度175℃、荷重10kgf、ノズル
サイズφ1mm×10mmで、最低溶融粘度を求めた。 (2)常温曲げ弾性率、高温強度 10×4×100mmのサンプルをトランスファー成形
し、3点曲げ試験機により測定した。高温強度はサンプ
ル温度が240℃の強度を測定した。 (3)耐ヒートショック性 6.0×15.0×0.4mm厚の半導体素子を銅フレ
ーム上に銀ペーストで実装し、外形寸法8.39×1
7.4×2.7mm厚の26ピンSOPパッケージ型I
C成形機で成形し、−60℃〜150℃(各5分)のヒ
ートショック試験機でパッケージにクラックの発生する
までのサイクル数を求めた。 (4)耐半田クラック性 7.6mm×7.6mm×0.4mm厚の半導体素子を
ダイパッド寸法8.2mm×8.2mmの42アロイリ
ードフレームに銀ペーストで実装し、外形寸法19mm
×15mm×厚み1.8mmの60ピンフラットパッケ
ージ型IC金型で成形し、その後、85℃、85%RH
で72時間吸湿した後、260℃の半田槽に10秒浸漬
する操作を2回繰り返した。このとき、パッケージにク
ラックの発生したサンプル個数を調べた。
【0035】表1の結果、実施例1〜実施例6のように
本発明によると、比較例1〜比較例4に比べて、低応力
性、高流動性を維持しながら、硬化物の高温強度の低下
が少なく、耐ヒートショック性、耐半田クラック性に優
れた半導体封止用のエポキシ樹脂組成物及びその製造方
法であることが確認できた。
【0036】
【発明の効果】本発明の請求項1及び請求項2に係るエ
ポキシ樹脂組成物によると、メチルメタクリレート・ブ
タジエン・スチレン共重合体をフェノール樹脂に分散さ
せた混合樹脂をも含有するので、溶融混合して冷却した
後の耐ブロッキング性に優れ、粉砕が容易であり分散性
が向上し、低応力化になるので、低応力性、高流動性を
維持しながら、硬化物の高温強度の低下が少なく、耐ヒ
ートショック性、耐半田クラック性に優れた成形品が得
られる。
【0037】本発明の請求項3に係るエポキシ樹脂組成
物によると、前記無機充填材の含有量がエポキシ樹脂組
成物全量に対して60〜93重量%であるので、溶融粘
度が小さく、得られる成形体の吸湿率が小さく、クラッ
クが発生し難いので、耐ヒートショック性、耐半田クラ
ック性に優れた成形品が得られる。
【0038】本発明の請求項4に係るエポキシ樹脂組成
物の製造方法は、メチルメタクリレート・ブタジエン・
スチレン共重合体とフェノール樹脂とを溶融混合した予
備混合品を、無機充填材を含有したエポキシ樹脂組成物
の残りの原料とともに混合、混練するので、熱可塑性エ
ラストマーであるメチルメタクリレート・ブタジエン・
スチレン共重合体がエポキシ樹脂組成物中に均一に分散
し、硬化物の強度低下が少なく、密着性が良好となるた
め、耐ヒートショック性、耐半田クラック性に優れたエ
ポキシ樹脂組成物が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及び
    無機充填材を含有するエポキシ樹脂組成物において、メ
    チルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体を
    フェノール樹脂に分散させた混合樹脂をも含有すること
    を特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記メチルメタクリレート・ブタジエン
    ・スチレン共重合体の含有量がエポキシ樹脂組成物全量
    に対して、0.01〜5重量%であることを特徴とする
    請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記無機充填材の含有量がエポキシ樹脂
    組成物全量に対して60〜93重量%であることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載のエポキシ樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    のエポキシ樹脂組成物を製造するエポキシ樹脂組成物の
    製造方法において、前記メチルメタクリレート・ブタジ
    エン・スチレン共重合体とフェノール樹脂とを溶融混合
    した予備混合品を、無機充填材を含有したエポキシ樹脂
    組成物の残りの原料とともに混合、混練することを特徴
    とするエポキシ樹脂組成物の製造方法。
JP15755395A 1995-06-23 1995-06-23 エポキシ樹脂組成物及びその製造方法 Withdrawn JPH093168A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6288169B1 (en) 1998-04-23 2001-09-11 Nitto Denko Corporation Butadiene rubber particles with secondary particle sizes for epoxy resin encapsulant
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