JPH09316659A - 金属表面処理用組成物及び表面処理金属板 - Google Patents

金属表面処理用組成物及び表面処理金属板

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JPH09316659A
JPH09316659A JP13935396A JP13935396A JPH09316659A JP H09316659 A JPH09316659 A JP H09316659A JP 13935396 A JP13935396 A JP 13935396A JP 13935396 A JP13935396 A JP 13935396A JP H09316659 A JPH09316659 A JP H09316659A
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ethylenically unsaturated
organic polymer
chromium
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unsaturated compound
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JP13935396A
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Yuji Fujioka
裕二 藤岡
Makoto Yamazaki
真 山崎
Kenichiro Tadokoro
健一郎 田所
Masato Nakazawa
真人 仲澤
Kengo Yoshida
健吾 吉田
Toshio Odajima
壽男 小田島
Tomozo Takahashi
智三 高橋
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Nippon Steel Corp
Toyobo Co Ltd
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Nippon Steel Corp
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロメート処理浴の長期安定性を保ったま
ま、加工部耐食性と低クロム溶出性を同時に満足し、か
つ塗料密着性,耐アルカリ性,平板耐食性にも優れる樹
脂クロメート組成物および樹脂クロメート処理金属板を
提供する。 【解決手段】 金属板上に、(a)エチレン系不飽和カ
ルボン酸成分と、水酸基を含有しないその他のエチレン
系不飽和化合物成分から成る有機重合体が水性溶媒中に
分散した有機重合体エマルジョンと、(b)水酸基含有
エチレン系不飽和化合物成分とカルボン酸を含有しない
その他のエチレン系不飽和化合物成分から成る有機重合
体が水性溶媒中に分散した有機重合体エマルジョンと、
(c)水溶性クロム化合物と、(d)鉱酸とを主成分と
する樹脂クロメート組成物による皮膜を、金属クロム換
算で5〜300mg/m2 形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴安定性に優れた
樹脂クロメート組成物、ならびにクロム難溶解性、加工
部耐食性、塗料密着性、耐アルカリ性、平板耐食性及び
外観品位に優れた樹脂クロメート処理金属板に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】クロメート処理は金属表面の簡易防錆処
理として古くから使用されており、大別すると3価クロ
ムを主成分とする電解クロメートや反応クロメートと、
6価クロムを含有し、塗布後水洗することなく乾燥され
る塗布クロメートがある。近年、クロメート処理が家
電、建材、自動車などの用途に広く使用されるに至っ
て、需要家からさまざまな性能を要求されるようになっ
てきた。例えば、外観の均一性、耐指紋性といった外観
品位、塗料密着性、裸使用時の平板材の耐食性と加工部
耐食性、アルカリ脱脂等に対するクロム難溶解性などが
その例である。これらの性能の中には、例えば加工部耐
食性とクロム難溶解性のように、原理的に矛盾するもの
も含まれており、全ての性能をバランスよく発現させる
ことは技術的に容易ではない。
【0003】クロメートを難溶化する技術としては、例
えば特開平3−215683号公報に一部記載があるよ
うに、クロメート皮膜の加熱を板温300℃という高い
温度で行う方法が知られているが、乾燥設備のコストを
考えると経済的でない。また特開平4−358082号
公報や、特開平5−287548号公報に見られるよう
に、クロメート処理浴中にポリアクリル酸等の樹脂やア
ルコール等の還元剤を添加し、6価クロムは還元固定、
3価クロムは樹脂中で架橋させる方法も知られている。
この方法によれば、樹脂のバリア効果も手伝ってクロメ
ート皮膜の耐食性は向上するが、加工部で皮膜が破れる
と、6価クロムによる自己修復作用が機能しないために
加工部耐食性の問題が残る。また処理浴中に還元性成分
が多量に存在するために浴の安定性に劣る。
【0004】特開平5−230666号公報には、クロ
ム難溶性と高耐食性を両立する金属表面処理組成物とし
て、特定組成のカルボン酸、水酸基を含有する有機重合
体と水溶性クロム化合物等から成る樹脂クロメート組成
物が開示されている。しかしながら、この組成物は25
℃、65%RHでの保管条件下で数日でゲル化・沈澱生
成・分離などの異常を発生し、金属表面処理ラインにお
ける長期連続操業には耐え難い。また得られたクロメー
ト処理金属板は塗料との二次密着性(長期耐久性)に劣
る。
【0005】特開昭61−23767号公報には水酸基
を含有しない水分散性有機重合体と、クロム酸塩との混
合物が浴安定性に優れることが開示されている。しかし
ながら得られたクロメート処理板はクロム溶出量が著し
く多い。特開昭63−145785号公報には、ポリオ
キシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー
系乳化剤を用いて乳化重合して得られたアクリル系重合
体エマルジョンと6価クロム化合物からなる組成物が開
示されている。この組成物は乳化剤の効果で40℃でも
3週間以上安定であるが、乾燥後の皮膜中に乳化剤が残
存するため、耐水性、裸耐食性が十分でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、処理
浴の長期安定性を保ったまま、加工部耐食性と低クロム
溶出性という原理的に相矛盾する性能を同時に満足し、
かつ塗料密着性、耐アルカリ性、平板耐食性にも優れた
外観品位の良好な樹脂クロメート処理金属板を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(a)
エチレン系不飽和カルボン酸成分と水酸基を含有しない
その他のエチレン系不飽和化合物成分から成る有機重合
体Aが水性媒体中に分散した有機重合体エマルジョン
と、(b)水酸基含有エチレン系不飽和化合物成分とカ
ルボン酸を含有しないその他のエチレン系不飽和化合物
成分から成る有機重合体Bが水性媒体中に分散した有機
重合体エマルジョンと、(c)水溶性クロム化合物と、
(d)鉱酸とを主成分とする金属表面処理用組成物であ
る。エチレン系不飽和カルボン酸成分は、有機重合体
A,Bの固形分の総量中10重量%以上30重量%未
満、水酸基含有エチレン系不飽和化合物成分は、同じく
0.1重量%以上5重量%未満が好ましい。有機重合体
A,Bのガラス転移温度は、−30℃以上+20℃以下
とすることが好ましい。また有機重合体は乳化剤を用い
ずに重合されたソープフリーエマルジョンであることが
好ましい。また、上記金属表面処理用組成物を塗布乾燥
した表面処理金属板であり、皮膜中のクロム化合物量は
5〜300mg/m2 であることが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。 (1)金属表面処理ラインにおける連続操業に耐えう
る、処理浴の安定性を得るために検討を行った。水酸基
含有成分はクロム化合物と鉱酸の作用によって部分的に
酸化されやすい。従って、有機重合体Bの水酸基含有成
分の量を5重量%未満とすることで浴中の酸化を受けた
成分の量を低減することができ、一方クロム化合物の還
元量も減少するために処理浴の安定性が改善されること
を見いだした。また有機重合体Bを水系媒体中に安定に
分散させるためには、水酸基含有成分が0.1重量%以
上が必要である。 (2)樹脂クロメート処理金属板のクロム溶出特性を調
査した結果、水酸基含有成分量とエチレン系不飽和カル
ボン酸成分量の合計が10重量%以上でクロム溶出が抑
制されることを見いだした。
【0009】(3)樹脂クロメート処理金属板の塗料と
の密着性、特に二次密着性(長期耐久性)について検討
した結果、エチレン系不飽和カルボン酸成分の量が10
重量%以上であれば良好な密着性が得られ、30重量%
を越えると皮膜の耐アルカリ性が劣化することがわかっ
た。 (4)有機重合体Bの水酸基含有成分は、処理浴中でク
ロム酸による酸化を受けやすいが、建浴時にまず有機重
合体Aと水溶性クロム化合物を混合し、次いで有機重合
体Bを混合すると、浴中での水酸基含有成分の酸化は抑
制され、一方皮膜形成後は還元性官能基として機能する
ため、クロム溶出性、浴安定性を両立できることを見い
だした。
【0010】(5)クロメート処理ラインの乾燥工程に
おいて、板温100℃前後で数秒で皮膜が形成されるた
めには、(1)式に基づいた式有機重合体のガラス転移
温度が+20℃以下であることが必要であることを見い
だした。この条件では加工部において十分な皮膜の伸び
が得られるため、低クロム溶出性であるにもかかわらず
加工部耐食性が良好となる。一方、ガラス転移温度が−
30℃以下では樹脂クロメート皮膜が乾燥後にも粘着性
を帯びて好ましくない。また処理浴の安定性にも影響が
現れる。
【0011】
【数1】
【0012】ここでTgは有機重合体全体のガラス転移
温度(絶対温度),Tgiは有機重合体中のi成分のガ
ラス転移温度(絶対温度),φiは有機重合体中のi成
分の容積分率(重量分率とほぼ同一),nは有機重合体
中の成分の総数を示す。 (6)金属表面への樹脂クロメート組成物の付着量は、
金属クロム換算で5〜300mg/m2 であることが好
ましい。5mg/m2 以下では耐食性が十分でなく、3
00mg/m2 以上では経済的でない。
【0013】本発明の有機重合体Aのエチレン系不飽和
カルボン酸成分としては、例えばアクリル酸,メタアク
リル酸,クロトン酸等のエチレン系不飽和モノカルボン
酸,イタコン酸,マレイン酸,フマル酸等のエチレン系
不飽和ジカルボン酸、及びこれらのカルボン酸アルカリ
金属塩,アンモニウム塩,有機アミン塩の中から選ばれ
た1種または2種以上が使用できるが、好ましくはアク
リル酸、または/およびメタクリル酸(以下(メタ)ア
クリル酸と示す)である。
【0014】有機重合体Bの水酸基含有単量体成分とし
ては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル,(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピル,(メタ)アクリル
酸3−ヒドロキシブチル,アクリル酸2,2−ビス(ヒ
ドロキシメチル)エチル,(メタ)アクリル酸2,3−
ジヒドロキシプロピル,(メタ)アクリル酸−3−クロ
ル−2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシエステル類,アリルアルコール類,およびN−
メチロールアクリルアミド,N−ブトキシメチロール
(メタ)アクリルアミド等のアルコールアミド類の還元
性水酸基を含有するモノマー、及び酸性溶液中で水酸基
と同様な反応性を期待できるグリシジル(メタ)アクリ
レート,アリルグリシジルエーテル,β−メチルグリシ
ジル(メタ)アクリレート,3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を
有するモノマー,アクロレイン等のアルデヒド基を有す
るモノマー等から選ばれた1種または2種以上が使用可
能であるが、好ましくは(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル,または/およびグリシジル(メタ)アクリ
レートである。
【0015】その他のエチレン系不飽和化合物成分と
は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよびその他
のビニル化合物である。(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)
アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル
酸オクチル,(メタ)アクリル酸ラウリル,(メタ)ア
クリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸セチル,(メ
タ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸フェニル
等の中から選ばれた1種または2種以上が使用できる
が、好ましくは(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)ア
クリル酸エチル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸フ
ェニルより好ましくは(メタ)アクリル酸メチル,(メ
タ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸フェニルで
ある。
【0016】その他のビニル化合物としては、スチレ
ン,α−メチルスチレン,ジメチルアミノスチレン,ジ
メチルアミノスチレン(メタ)アクリルアミド,ビニル
トルエンおよびクロロスチレン等から選ばれた1種また
は2種以上の芳香族ビニル化合物が推奨される。これら
のうち1種または2種以上を併用したり、あるいは、本
発明の目的を損なわない範囲で上述した以外の化合物等
を含有させておくことも差し支えない。
【0017】有機重合体のガラス転移温度を(1)式で
−30℃以上、+20℃以下に調整するためには、各成
分のガラス転移温度と重量分率を適切に選ぶ必要があ
る。前述した(メタ)アクリル酸アルキルエステルがメ
タクリル酸メチル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸
フェニル等であるときはガラス転移温度を上昇せしめ、
アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチ
ル,アクリル酸2−エチルヘキシル等であるときは下降
させるという知見があり、この知見を応用して各モノマ
ーのモル分率を適宜組み合わせればよい。
【0018】有機重合体は水系媒体中に安定に分散した
エマルジョンである必要があり、その製造方法は特に限
定しないが、低分子界面活性剤等を利用しないソープフ
リーエマルジョンであることが望ましい。また有機重合
体A,Bにおいて、親水性基であるカルボキシル基や水
酸基を含有する成分の量が0.1重量%以上含まれない
とエマルジョンの安定性に欠ける。
【0019】次に本発明における水溶性クロム化合物と
しては、無水クロム酸、これをでんぷん等で部分還元し
た還元クロム酸,(重)クロム酸カリウム,(重)クロ
ム酸ナトリウム,(重)クロム酸アンモニウム等の重ク
ロム酸塩やクロム酸塩、及びこれら2種以上の混合物を
用いることができるが、好ましくは無水クロム酸または
部分還元クロム酸の何れか1種,または両者の混合物で
ある。
【0020】樹脂クロメート組成物中の水溶性クロム化
合物と有機重合体A,Bエマルジョンとの量比は適宜選
定できるが、通常は水溶性クロム化合物のCrO3 換算
での重量と有機重合体エマルジョンの固形分との重量比
で1:1〜1:10程度でよい。樹脂クロメート皮膜の
厚みも適宜選択できるが、通常は0.1〜5μm程度で
よい。樹脂クロメート組成物中に添加する鉱酸として
は、りん酸,硫酸,塩酸,硝酸等が使用可能であるが、
耐食性、浴安定性の観点からはりん酸が最も好ましい。
その添加量は特に制限するものではないが、浴安定性を
好適にするためには、浴中クロム酸濃度(CrO3
算)の1.2倍以上添加するのが有利である。
【0021】これら以外に、シリカ,アルミナ,チタニ
ア,ジルコニア等の無機系ゾル,ふっ化物等を必要に応
じて樹脂クロメート組成物および皮膜中に含有させるこ
とができる。特にコロイダルシリカ等の添加は耐食性向
上などに有利である。金属板へのクロメート処理方法と
しては、ロールコーターによる塗布,リンガーロールに
よる塗布,浸漬およびエアナイフ絞りによる塗布,バー
コーターによる塗布,スプレーによる塗布が適用可能で
ある。
【0022】本発明が適用可能な金属板には、亜鉛めっ
き板,亜鉛−ニッケルめっき板,亜鉛−鉄めっき板,亜
鉛−クロムめっき板,亜鉛−アルミニウムめっき板,亜
鉛−チタンめっき板,亜鉛−マグネシウムめっき板,亜
鉛−マンガンめっき板等の亜鉛系の電気めっきまたは/
および溶融めっき板,アルミニウムめっき板,さらには
これらのめっき層に少量の異種金属元素,あるいは不純
物としてコバルト,タングステン,ニッケル,チタン.
クロム,カドミウム,マンガン,鉄,マグネシウム,
鉛,アンチモン,錫,銅,砒素等の金属を含有させたも
の,または/およびシリカ,アルミナ,チタニア等の無
機物を分散させたものが含まれる。さらに亜鉛板,亜鉛
合金板,アルミニウム板アルミニウム合金板,冷延鋼板
等も処理が可能である。
【0023】
【実施例】
(1)有機重合体A,Bの合成 脱イオン水400重量部を反応槽に入れて液温60℃に
加熱し、これに表1に示す各有機重合体の共重合割合の
モノマー混合物400重量部と、過硫酸アンモニウム4
重量部を脱イオン水96重量部に溶解した液と、酸性亜
硫酸ソーダ4重量部を脱イオン水96重量部に溶解した
液とを同時並行に2時間で終了するよう攪拌しながら滴
下した後、引き続き60℃にて3時間攪拌しながら重合
反応を行って、比較試料も含め、有機重合体Aを5種
類,Bを3種類合成した。 (2)樹脂クロメート組成物 でんぷんによる部分還元クロム酸をCrO3 換算で30
g/l、りん酸をH3PO4 換算で60g/l、有機重
合体エマルジョンA,B併せて固形分で100g/l含
有する樹脂クロメート組成物を建浴した。建浴方法は、
まず部分還元クロム酸とりん酸を十分混合した後、有機
重合体(a)を加えて十分攪拌し、最後に有機重合体
(b)を加えて攪拌して処理浴とした。また比較のため
に有機重合体を含まない浴も調製して試験した。
【0024】
【表1】
【0025】(3)金属板の種類 クロメート処理を行う金属板として以下を用いた。 GI:溶融亜鉛めっき鋼板(めっき付着量90g/m
2 ) EG:電気亜鉛めっき鋼板(めっき付着量20g/m
2 ) SZ:溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板(めっき
付着量120g/m2,Al/Zn=55/45) AL:溶融アルミニウムめっき鋼板(めっき付着量12
0g/m2 ) CR:冷延鋼板
【0026】(4)クロメート処理方法 ロールコーターを使用して処理し、板温100℃で5秒
間乾燥した。 (5)エージング 樹脂クロメート処理皮膜は、常温でも時間と共に徐々に
成膜性が向上して行くため、これを考慮して40℃で3
日間エージングを行い、成膜度を定常状態に到達させ
た。
【0027】(6)性能評価方法 以下の項目について性能評価を行った。 浴安定性:樹脂クロメート組成物を50℃の恒温槽に
入れてゲルの生成,固化,沈澱の生成,相分離の発生等
が生ずるまでの日数を記録した。 平板耐食性:サンプルに5%,35℃の塩水を噴霧し
た後の錆発生面積率を調べた。なお噴霧期間はGI,E
G,SZが10日、ALが15日で何れも白錆発生率、
CRが5日で赤錆発生率を測定した。
【0028】加工部耐食性:サンプルをエリクセン加
工により高さ7mmとし、と同様塩水噴霧試験を行っ
た後、加工部の錆発生面積率を調べた。試験期間はG
I,EG,SZが6日、ALが9日で、何れも白錆発生
面積率を、CRが3日で赤錆発生面積率を測定した。
【0029】クロム溶出性:サンプルを沸騰水に30
分間浸漬し、浸漬前後でのクロム付着量の変化率(ΔC
r)を調べた。
【0030】塗料密着性:メラミン−アルキド塗料を
20μm塗布・乾燥したサンプルを沸騰水に30分間浸
漬し、ただちに碁盤目試験(1mm碁盤10×10,テ
ープ剥離)により塗膜の剥離面積率を調べた。
【0031】耐アルカリ性試験:サンプルにpH12
の強アルカリ性脱脂液を3分間噴霧した前後でのクロム
付着量の変化率(ΔCr)を調べた。
【0032】外観品位:サンプルの黄色度YIを色差
計で測定した。YIが小さいほど白色均一外観を呈す
る。
【0033】耐指紋性試験:サンプルにワセリンを塗
布し、塗布前後での色差(ΔE)で評価した。色差が小
さいほど耐指紋性に優れる。 性能評価結果を表2に示す。表2より明らかなように、
本発明は浴安定性,平板耐食性,加工部耐食性,クロム
溶出性,塗料密着性,耐アルカリ性,外観品位,耐指紋
性何れにおいても優れている。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明により、従来両立が困難であった
クロメート処理組成物の浴安定性、当該技術を施さ
れた処理金属板のクロム溶出性、加工部耐食性が何れ
も高いレベルで満足され、かつ塗料密着性,耐アルカリ
性,平板耐食性にも優れた外観品位の良好なクロメート
処理金属板を提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 田所 健一郎 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社技術開発本部内 (72)発明者 仲澤 真人 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 吉田 健吾 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 小田島 壽男 岡山県岡山市金岡東町3丁目1−11 (72)発明者 高橋 智三 岡山県岡山市金岡東町3丁目1−10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)エチレン系不飽和カルボン酸成分
    と水酸基を含有しないその他のエチレン系不飽和化合物
    成分から成る有機重合体Aが水性媒体中に分散した有機
    重合体エマルジョンと、(b)水酸基含有エチレン系不
    飽和化合物成分とカルボン酸を含有しないその他のエチ
    レン系不飽和化合物成分から成る有機重合体Bが水性媒
    体中に分散した有機重合体エマルジョンと、(c)水溶
    性クロム化合物と、(d)鉱酸とを主成分とする金属表
    面処理用組成物。
  2. 【請求項2】 有機重合体AとBを合わせた総量の内、
    エチレン系不飽和カルボン酸成分が10重量%以上、3
    0重量%未満、水酸基含有エチレン系不飽和化合物成分
    が0.1重量%以上、5重量%未満、残部がその他のエ
    チレン系不飽和化合物成分であることを特徴とする請求
    項1記載の金属表面処理用組成物。
  3. 【請求項3】 有機重合体A及びBのガラス転移温度
    が、−30℃以上+20℃以下であることを特徴とす
    る、請求項1又は請求項2記載の金属表面処理用組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の金属表面処理用組成
    物を塗布・乾燥したことを特徴とする表面処理金属板。
  5. 【請求項5】 皮膜中のクロム化合物量が、金属クロム
    換算で5mg/m2以上300mg/m2 以下であるこ
    とを特徴とする請求項4記載の表面処理金属板。
JP13935396A 1995-08-11 1996-06-03 金属表面処理用組成物及び表面処理金属板 Withdrawn JPH09316659A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4617575B2 (ja) * 2001-01-22 2011-01-26 Jfeスチール株式会社 防食被覆鋼材の製造方法

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JP4617575B2 (ja) * 2001-01-22 2011-01-26 Jfeスチール株式会社 防食被覆鋼材の製造方法

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