JPH09316365A - 滑り止め性を有する塗膜を被覆した物品 - Google Patents

滑り止め性を有する塗膜を被覆した物品

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JPH09316365A
JPH09316365A JP21602596A JP21602596A JPH09316365A JP H09316365 A JPH09316365 A JP H09316365A JP 21602596 A JP21602596 A JP 21602596A JP 21602596 A JP21602596 A JP 21602596A JP H09316365 A JPH09316365 A JP H09316365A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光沢を有し、且つ、滑り難い塗膜が形成され
た物品を提供すること。 【構成】 塗膜表面の光沢度が80%以上で、且つ、塗
膜表面の静摩擦係数が0.35〜3.0である滑り止め
性を有する塗膜を被覆した物品。 【効果】 塗膜表面の光沢度と静摩擦係数特定した塗膜
を物品上に被覆することにより、塗料の持つ光沢を損な
わず、滑り止め機能を有する物品が得られ、広範囲の分
野に利用できるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筆記具や、化粧具
などの塗布具や、電子入力ペンや、釣り具や、ゴルフク
ラブや、階段の手摺り等のように手で把持したり接触し
たりする物品や、階段や、床材などのように歩行時に接
触する物品、即ち、光沢性を有し、且つ、滑り止め性を
有する塗膜を被覆した物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光沢性を有した塗膜は、表面が平
滑であり、例えば、筆記具や釣り具或いは化粧具の口紅
などの手で把持して使用する製品では、汗などが付着す
ると、滑りやすくなることから、把持部にロ−レット加
工などによる溝を形成したり、エラストマ−で成形され
た別部材を装着する等の対策がなされている。又、滑り
止め性を有した塗装仕様の製品では、一般には、シリカ
やアルミナ、ナイロンビ−ズ等の粉体を分散した塗料で
軸体表面に塗膜を形成させることで、塗膜表面に微小な
凹凸を形成させ、滑り止め性を付与することが行われて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ロ−レット加工は、筆
記具などによく用いれられている方法であるが、該方法
は、軸体に機械的に溝を形成することから、溝のパタ−
ンが制約されたり、軸体の肉厚を厚くする必要性から、
金属の場合では、軸体重量が重くなる等の問題がある。
更に、デザインの自由度が低下することから、化粧具な
どの容器では、殆ど利用されていない。又、別部材を把
持部に装着する方法では、部品数が増すことから、製品
のコストアップにつながったり、デザイン自由度が低下
する等の問題があった。又、シリカやアルミナ、ナイロ
ンビ−ズ等の粉体を分散した塗料で軸体表面に塗膜を形
成した場合には、塗膜表面は艶消し調となり、光沢を有
する外観は得られないことから、デザイン自由度が低く
なり、更に、筆記具や化粧具では、表面が微小な凹凸が
形成されていることから、使用により汗や化粧料による
汚れが付着し易い等の問題があった。又、艶消し調の塗
膜は、塗膜表面にキズが付きやすくなり、塗膜の耐久性
での問題もあった。更に、一般の粘着剤は、その特性上
ベタツキがあり、筆記具の軸上に粘着剤を塗布すること
で滑り止め性は高まるが、粘着剤のベタツキも大きくな
り、それにによりゴミの付着や、把持した場合不快感が
発生する等の問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、これらの問題
に鑑みなされたものであって、光沢を有し、且つ、滑り
難い塗膜が形成された物品を提供することを目的とする
ものであって、塗膜表面の光沢度が80%以上で、且
つ、塗膜表面の静摩擦係数が0.35〜3.0である滑
り止め性を有する塗膜を被覆した物品を第1の要旨と
し、第1の要旨において、塗膜が熱硬化型または紫外線
硬化型である滑り止め性を有する塗膜を被覆した物品を
第2の要旨とし、第1又は第2の要旨において、塗膜中
に粘着剤が分散された滑り止め性を有する塗膜を被覆し
た物品を第3の要旨とし、更に、第1又は第2の要旨に
おいて、塗膜中に粘着剤とコロイド粒子が分散された滑
り止め性を有する塗膜を被覆した物品を第4の要旨とす
る。
【0005】以下、添付図面に基づき本発明を詳述す
る。図1は、本発明の滑り止め性を有する塗膜が被覆さ
れた物品の部分断面図である。図中参照符号1は物品の
基材、2は下地処理層、3は滑り止め性を有する塗膜
層、4は粘着剤を示している。物品の基材1の材質とし
ては、アルミニウム又はその合金、銅又はその合金、鉄
又はその合金、亜鉛又はその合金、マグネシウム又はそ
の合金などの金属材料、ABS、AS、アクリル、ポリ
カ−ボネ−ト、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエ
ステル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、アルミナ、ジ
ルコニア、陶磁器などのセラミックス材料、木材、紙な
どの天然材料など、塗装できる材料であれば特に限定は
しない。これらの材料で形成された物品には、予め電気
めっきや無電解めっき法、塗装、印刷によりニッケルや
クロム、或いは金めっき、塗膜、印刷パタ−ン等による
下地処理層2が形成されてあってもよい。
【0006】本発明で光沢を有し、且つ、滑り難い塗膜
が被覆された物品を形成するための塗料としては、従来
一般に使用されている塗料に粘着剤を分散することで得
られた塗料を物品表面に被覆することで得られる。尚、
一般に粘着剤として用いられている樹脂を、それ単体で
物品上に粘着剤の膜を形成した場合には、ベタツキが大
きく、又、膜強度も低く、更に、基材表面に対する密着
強度は粘着剤の特性のみの強度であることから、筆記具
や化粧具或いは釣り具など手で把持する物品の場合に
は、把持することで経時的に剥離や膜の引き裂きが発生
し、使用できないのが現状である。そこで、本発明は、
従来一般に使用されている塗料に粘着剤を分散すること
で得られた塗料を用いて、塗料の基材に対する密着性や
高い膜強度と、光沢性を有し、且つ、粘着剤の添加量を
滑り止め特性が優れた塗膜を被覆した物品を得んとした
ものである。
【0007】具体的に滑り止め性を有する塗膜層3に用
いることのできる塗料としては、熱硬化型塗料、紫外線
硬化型塗料が用いられる。熱硬化型塗料としては、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリルメラミン樹脂、アク
リル−シリコン樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、アルギット樹脂、シリコン樹脂など
が用いられる。紫外線硬化型樹脂としては、官能基とし
て末端にアクリロイル基を有するアクリル酸エステル、
メタアクリル酸エステルの単官能性モノマ−や多官能性
モノマ−、光重合性プレポリマ−として、ポリエステル
アクリレ−ト、エポキシアクリレ−ト、ポリウレタンア
クリレ−ト、ポリエ−テルアクリレ−ト、メラミンアク
リレ−ト、アルギッドアクリレ−トが用いられる。モノ
マ−は単独では用いられず、光重合性プレポリマ−と併
用して用いられ、光重合性プレポリマ−は1種類または
複数混合して用いられる。又、これらの塗料には、着色
顔料や有機染料が含まれてあってもよく、特に限定はし
ない。
【0008】更に、滑り止め機能を付与させるための粘
着剤4としては、塗膜の耐摩耗性や表面硬度或いは、耐
汗性を損なわないもので、反応硬化する樹脂が好まし
く、ポリエ−テル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系
ポリウレタン樹脂、ポリカ−ボネ−ト系ポリウレタン樹
脂が用いられるが、その中で特にポリエステル系ポリウ
レタン樹脂が好ましい。これらの粘着剤は、塗料に樹脂
固型分として、5〜60重量%配合し、ボ−ルミルやイ
ンペラ−ミル等で分散すればよく、又、熱硬化型塗料を
用いる場合では、粘着剤を反応硬化させるために、イソ
シアネ−ト化合物を必要量加えればよく、紫外線硬化型
塗料を用いる場合では、ラジカル重合開始剤を加える
か、又はイソシアネ−ト化合物を必要量加え、紫外線を
照射後、加熱して反応硬化させればよい。
【0009】この様にして得られた塗料を物品上に被覆
する方法としては、静電塗装、スプレ−による吹き付け
法、塗料を増粘させてインキ化し、スクリ−ン印刷法な
どで被覆し、加熱乾燥又は紫外線照射すればよい。
【0010】尚、本発明において、粘着剤の使用量は、
塗料中の樹脂固型分に対して、前記したように5〜60
重量%が好ましいが、その理由は、60重量%を超えた
場合には塗膜にベタツキが発生しやすくなるので、これ
を防止するためである。そこで、粘着剤の使用量を多く
してもベタツキの発生を極力防止するために、図2に示
すように、粘着剤4と共にコロイド粒子5を塗料中に配
合してもよい。即ち、コロイド粒子の添加によって、粘
着剤の添加量を多くすることができ、その結果、塗膜強
度及び密着強度を向上させつつ、ベタツキを防止できる
という利点がある。このようなコロイド粒子としては、
塗膜の光沢性や色調に影響を与えず、且つ、塗料中に分
散するものであれば種々使用可能であるが、具体例を挙
げれば、シリカ、アルミナ、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化
チタン、酸化ジルコニウム、酸化インジウム等の酸化物
コロイドが好ましく、その粒子径は10nmから200
nm程度であればよい。これらのコロイドは、メタノ−
ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、アセトン、エチレ
ングリコ−ル、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケ
トン等の有機溶剤中に分散させればよい。このコロイド
粒子の使用によって、粘着剤の使用量を、塗料中の樹脂
固型分に対して、5〜95重量%というように広げるこ
とができる。尚、コロイド粒子は、塗料の樹脂固形分に
対して1〜10重量%が好ましい。コロイド粒子が塗料
の樹脂固形分に対して10重量%を超えた場合には、塗
膜表面の光沢度が低下することがあり、又、1重量%未
満では粘着剤の添加量を多くしたときのベタツキ防止効
果があまり期待できないからである。
【0011】本発明においては、塗膜表面の光沢度を8
0%以上に、又、塗膜表面の静摩擦係数が0.35〜
3.0になす必要があるが、その理由は、塗膜表面の光
沢度が80%に満たない場合には、塗膜表面が艶消し調
となり、光沢を有する外観が得られなくなり、又、塗膜
表面の静摩擦係数が0.35に満たない場合には、滑り
やすくなり、塗膜表面の静摩擦係数が3.0を超えた場
合には、塗膜強度及び密着強度が低下するからである。
上記範囲に塗膜表面の光沢度と静摩擦係数を調整するに
は、粘着剤を、塗料の樹脂固型分に対して5〜60重量
%配合するか、粘着剤を、塗料の樹脂固型分に対して5
〜95重量%、且つ、コロイド粒子を、塗料の樹脂固形
分に対して1〜10重量%配合し、ボ−ルミルやインペ
ラ−ミル等で分散すればよい。
【0012】
【作用】本発明は、塗膜表面の光沢度と静摩擦係数を特
定することにより、塗膜強度及び密着強度を低下させる
ことなく、光沢及び滑り止め性を有する塗膜が被覆され
た物品が得られるものである。又、塗料に粘着剤を均一
に分散した際には、塗膜表面は平滑となり、塗料の持つ
光沢を損なわず、滑り止め性を有する塗膜が被覆された
物品が得られるものである。更に、塗料に粘着剤と共に
コロイド粒子を分散した際には、粘着剤の使用量の自由
度をより高め、塗膜強度及び密着強度を向上させつつ、
塗膜のベタツキを防止した滑り止め性を有する塗膜が被
覆された物品が得られるものである。
【0013】
【実施例】次に実施例に基づき本発明を説明する。 〈実施例1〉真鍮からなる物品(外径10mm、内径
9.8mm、長さ100mmの筆記具の軸体)に黒のア
クリル系塗料(関西ペイント(株)製)をスプレ−法に
て塗布し、130℃、20分間乾燥することで、黒の塗
膜を被覆した軸体を得た。次にアクリル系のクリヤ−塗
料(関西ペイント(株)製)に粘着剤として、ポリエス
テル系ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業(株)
製XN−230)をアクリル系樹脂塗料の樹脂固型分に
対して25重量%添加し、ボ−ルミルで分散後、イソシ
アネ−ト系硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製コロ
ネ−トHL)を10%加え、溶剤(MEK:シクロヘキ
サノン=1:1で混合)を加えて、塗料の樹脂固型分を
8%に調整し、スプレ−法で黒のアクリル塗膜が形成さ
れた軸体に塗布し、180℃、20分間乾燥すること
で、光沢を有する黒の軸体を得た。
【0014】〈実施例2〉黒に着色したABS樹脂を用
い、射出成形で形成した物品(外径10mm、内径9.
5mm、長さ100mmの筆記具の軸体)に赤のウレタ
ン系インキ((株)セイコ−アドバンス製VIC)を用
い、スクリ−ン印刷法で花柄のパタ−ンを形成した。紫
外線硬化型塗料(藤倉化成(株)製HO9257U)に
実施例1で用いたポリエステル系ポリウレタン樹脂(日
本ポリウレタン工業(株)製XN−230)を紫外線硬
化型塗料の樹脂固型分に対して10重量%添加し、イン
ペラ−ミルで分散した。得られた塗料にイソシアネ−ト
系硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製コロネ−トH
L)を10%加え、スプレ−法で花柄を形成したABS
軸体に塗布し、50℃、3分間乾燥後、紫外線を1分間
照射し、硬化させ、更に、80℃、30分間乾燥するこ
とで、光沢を有し黒地に赤の花柄を形成した軸体を得
た。
【0015】〈実施例3〉透明なAS樹脂を用い、射出
成形で形成された物品(外径10mm、内径9.5m
m、長さ100mmの筆記具の軸体)にホットスタンピ
ングにより、金色の格子パタ−ンを形成した。紫外線硬
化型塗料(三菱レイヨン(株)製UL−1192)に紫
外線硬化型粘着剤(日本ポリウレタン工業(株)製XN
−238)を紫外線硬化型塗料の樹脂固型分に対して3
0重量%添加し、インペラ−ミルで分散した。得られた
紫外線硬化型塗料をスプレ−法で金色の格子パタ−ンを
形成した透明な軸体に塗布し、50℃、3分間乾燥後、
紫外線を1分間照射することで、光沢を有し、金色の格
子パタ−ンを有した透明な軸体を得た。
【0016】〈実施例4〉実施例1で用いた粘着剤をポ
リエステル系ポリウレタン樹脂(武田薬品工業(株)製
E−350A)に代えた以外は実施例1と同様の条件で
処理することにより、光沢を有する黒の軸体を得た。
【0017】〈実施例5〉真鍮からなる物品(外径10
mm、内径9.8mm、長さ100mmの筆記具の軸
体)に黒のアクリル系塗料(関西ペイント(株)製)を
スプレ−法にて塗布し、130℃、20分間乾燥するこ
とで、黒の塗膜を被覆した軸体を得た。次にアクリル系
のクリヤ−塗料(関西ペイント(株)製)に粘着剤とし
て、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタ
ン工業(株)製XN−249)をアクリル系樹脂塗料の
樹脂固型分に対して75重量%、シリカコロイド(日産
化学工業(株)製MEK)を3重量%添加し、ボ−ルミ
ルで分散後、イソシアネ−ト系硬化剤(日本ポリウレタ
ン工業(株)製コロネ−トHL)を10%加え、溶剤
(MEK:シクロヘキサノン=1:1で混合)を加え
て、塗料の樹脂固型分を8%に調整し、スプレ−法で黒
のアクリル塗膜が形成された軸体に塗布し、180℃、
20分間乾燥することで、光沢を有する黒の軸体を得
た。
【0018】〈実施例6〉黒に着色したABS樹脂を用
い、射出成形で形成した物品(外径10mm、内径9.
5mm、長さ100mmの筆記具の軸体)に赤のウレタ
ン系インキ((株)セイコ−アドバンス製VIC)を用
い、スクリ−ン印刷法で花柄のパタ−ンを形成した。紫
外線硬化型塗料(藤倉化成(株)製HO9257U)に
ポリエステル系ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工
業(株)製XN−238)を紫外線硬化型塗料の樹脂固
型分に対して90重量%、シリカコロイド(触媒化成工
業(株)OSCAL1432)を5重量%添加し、イン
ペラ−ミルで分散した。得られた塗料にイソシアネ−ト
系硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製コロネ−トH
L)を10%加え、スプレ−法で花柄を形成したABS
軸体に塗布し、50℃、3分間乾燥後、紫外線を1分間
照射し、硬化させ、更に、80℃、30分間乾燥するこ
とで、光沢を有し黒地に赤の花柄を形成した軸体を得
た。
【0019】〈実施例7〉透明なAS樹脂を用い、射出
成形で形成された物品(外径10mm、内径9.5m
m、長さ100mmの筆記具の軸体)にホットスタンピ
ングにより、金色の格子パタ−ンを形成した。紫外線硬
化型塗料(三菱レイヨン(株)製UL−1192)に紫
外線硬化型粘着剤(日本ポリウレタン工業(株)製XN
−238)を紫外線硬化型塗料の樹脂固型分に対して8
0重量%、シリカコロイド(触媒化成工業(株)OSC
AL1434)を1重量%添加し、インペラ−ミルで分
散した。得られた紫外線硬化型塗料をスプレ−法で金色
の格子パタ−ンを形成した透明な軸体に塗布し、50
℃、3分間乾燥後、紫外線を1分間照射することで、光
沢を有し、金色の格子パタ−ンを有した透明な軸体を得
た。
【0020】〈実施例8〉実施例5で用いた粘着剤をポ
リエステル系ポリウレタン樹脂(武田薬品工業(株)製
E−350A)に代えた以外は実施例5と同様の条件で
処理することにより、光沢を有する黒の軸体を得た。
【0021】〈実施例9〉真鍮からなる物品(外径10
mm、内径9.8mm、長さ100mmの筆記具の軸
体)に黒のアクリル系塗料(関西ペイント(株)製)を
スプレ−法にて塗布し、130℃、20分間乾燥するこ
とで、黒の塗膜を被覆した軸体を得た。次にアクリル系
のクリヤ−塗料(関西ペイント(株)製)に粘着剤とし
て、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタ
ン工業(株)製XN−249)をアクリル系樹脂塗料の
樹脂固型分に対して75重量%添加し、ボ−ルミルで分
散後、イソシアネ−ト系硬化剤(日本ポリウレタン工業
(株)製コロネ−トHL)を10%加え、溶剤(ME
K:シクロヘキサノン=1:1で混合)を加えて、塗料
の樹脂固型分を8%に調整し、スプレ−法で黒のアクリ
ル塗膜を形成した軸体に塗布し、180℃、20分間乾
燥することで、光沢を有する黒の軸体を得た。
【0022】〈実施例10〉黒に着色したABS樹脂を
用い、射出成形で形成した物品(外径10mm、内径
9.5mm、長さ100mmの筆記具の軸体)に赤のウ
レタン系インキ((株)セイコ−アドバンス製VIC)
を用い、スクリ−ン印刷法で花柄のパタ−ンを形成し
た。次に紫外線硬化型塗料(藤倉化成(株)製HO92
57U)にポリエステル系ポリウレタン樹脂(日本ポリ
ウレタン工業(株)製XN−238)を紫外線硬化型塗
料の樹脂固型分に対して90重量%添加し、インペラ−
ミルで分散した。得られた塗料にイソシアネ−ト系硬化
剤(日本ポリウレタン工業(株)製コロネ−トHL)を
10%加え、スプレ−法で花柄を形成したABS軸体に
塗布し、50℃、3分間乾燥後、紫外線を1分間照射し
硬化させ、光沢を有し黒地に赤の花柄を形成した軸体を
得た。
【0023】〈比較例1〉真鍮からなる物品(外径10
mm、内径9.8mm、長さ100mmの筆記具の軸
体)に黒のアクリル系塗料(関西ペイント(株)製)を
スプレ−法にて塗布し、130℃、20分間乾燥するこ
とで、黒の塗膜を被覆した軸体を得た。次にアクリル系
のクリヤ−塗料(関西ペイント(株)製)をスプレ−法
で黒のアクリル塗膜を形成した軸体に塗布し、180
℃、20分間乾燥することで、光沢を有する黒の軸体を
得た。
【0024】〈比較例2〉黒に着色したABS樹脂を用
い、射出成形で形成した物品(外径10mm、内径9.
5mm、長さ100mmの筆記具の軸体)に赤のウレタ
ン系インキ((株)セイコ−アドバンス製VIC)を用
い、スクリ−ン印刷法で花柄のパタ−ンを形成した。次
に紫外線硬化型塗料(藤倉化成(株)製HO9257
U)をスプレ−法で花柄を形成したABS軸体に塗布
し、50℃、3分間乾燥後、紫外線を1分間照射し硬化
させ、光沢を有し黒地に赤の花柄を形成した軸体を得
た。
【0025】実施例1〜10、比較例1、2で得られた
塗膜の静摩擦係数、光沢度、表面硬度、密着性、ベタツ
キを評価した。その結果を表1に示す。尚、静摩擦係
数、光沢度、表面硬度、密着性は以下の方法による。 ・静摩擦係数:ASTM D 1894に準じた。尚、
相手基材はJIS G4305に定められているSUS
304を使用した。 ・光沢度:JIS K 5400 鏡面光沢度に準じ、
入射角60゜、受光角60゜の条件で測定した。 ・表面硬度:JIS K 5400 鉛筆引っかき値試
験機法に準じ測定した。 ・密着性:JIS K 5400 付着性碁盤目テ−プ
法に準じ測定した。尚、評価は碁盤目100個中の剥離
した個数とした。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明は、実施例、比較例の結果が示す
ように、塗膜表面の光沢度と静摩擦係数を特定した塗膜
を物品上に被覆することにより、塗料の持つ光沢を損な
わず、滑り止め機能を有する物品が得られ、広範囲の分
野に利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の滑り止め性を有する塗膜が被覆された
物品の実施例を示す部分断面図。
【図2】本発明の滑り止め性を有する塗膜が被覆された
物品の他の実施例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 物品の基材 2 下地処理層 3 滑り止め性を有する塗膜層 4 粘着剤 5 コロイド粒子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗膜表面の光沢度が80%以上で、且
    つ、塗膜表面の静摩擦係数が0.35〜3.0である滑
    り止め性を有する塗膜を被覆した物品。
  2. 【請求項2】 塗膜が熱硬化型または紫外線硬化型であ
    る請求項1記載の滑り止め性を有する塗膜を被覆した物
    品。
  3. 【請求項3】 塗膜中に粘着剤が分散された請求項1又
    は2記載の滑り止め性を有する塗膜を被覆した物品。
  4. 【請求項4】 塗膜中に粘着剤とコロイド粒子が分散さ
    れた請求項1又は2記載の滑り止め性を有する塗膜を被
    覆した物品。
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