JPH09316364A - 帯電防止透明塗料組成物 - Google Patents

帯電防止透明塗料組成物

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JPH09316364A
JPH09316364A JP8137000A JP13700096A JPH09316364A JP H09316364 A JPH09316364 A JP H09316364A JP 8137000 A JP8137000 A JP 8137000A JP 13700096 A JP13700096 A JP 13700096A JP H09316364 A JPH09316364 A JP H09316364A
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meth
acrylate
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aniline
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JP8137000A
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Kenji Otsuka
健二 大塚
Koji Maruyama
耕司 丸山
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材の色合いや透視像を実質的に変色するこ
となく、優れた透明度と高度に帯電防止された塗膜を形
成し得る帯電防止透明塗料組成物を提供する。 【解決手段】 アニリン系重合体を含む帯電防止透明塗
料に、460〜570nmに吸収を有する染料又は顔料
を含有してなることを特徴とする帯電防止透明塗料組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は帯電防止透明塗料組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハー保存容器の材料や、電子
部品、半導体等各種の極もしくは超微細加工を要する製
造工場における床材や壁材は、帯電による塵埃の付着、
これら塵埃の落下や再分散による2次汚染等を防止する
目的で、高度に帯電防止されたプラスチックプレートが
使用される。従来、上記目的に使用される帯電防止され
たプラスチックは、アルミニウム、亜鉛等の金属微粉
末、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫等の金属酸化物、導
電性カーボン粉末、導電性ポリアニリン粉末等からなる
導電性物質をプラスチックプレート等の成型品の表面に
薄く均一に塗布したり、プラスチックをシートやプレー
ト等の加工素材や半導体ウェハー保存容器の如き成型品
を成型する際に、プラスチック中に均質に練り込んでお
き、これらの導電性プラスチック組成物を押出成型や射
出成型によって成型して導電性プラスチック成形品を製
造していたのである。
【0003】しかし、上記アルミニウム、亜鉛等の金属
微粉末、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫等の金属酸化
物、導電性カーボン粉末等からなる導電性物質の塗膜を
プラスチックシートやプレート等の加工素材表面に塗布
する方法では、上記導電性物質によって遮光され不透明
となっているので内部を透視したい用途には供すること
ができない。
【0004】上記プラスチックシートやプレート等の加
工素材表面に透明な塗膜を形成し得るものとして、特開
平6−263899号公報に、ポリアニリンを主成分と
する有機導電性高分子塗料が提案されている。上記特開
平6−263899号公報に提案されている有機導電性
高分子塗料から得られる塗膜は透明であり、帯電防止性
能も有するものではあるが、ポリアニリンのような有機
導電性高分子は導電性発現のメカニズムである共役系分
子構造に由来するポリアニリン特有の非常に目立つ黄緑
色に着色しており、上記プラスチックシートやプレート
等の加工素材表面に塗工した場合、基材のプラスチック
シートやプレート等が劣化したような印象を与えるもの
であり、クリア塗料としては使用し難いものであった。
【0005】クリア塗料としては使用し難い他の理由と
しては、半導体製造工場のクリーンルームは、グレーや
アイボリー等の落ち着いた色合いの部材が特に好まれて
用いられており、グレーやアイボリー等に着色されたプ
ラスチックシートやプレート等に上記ポリアニリンを主
成分とする有機導電性高分子塗料をクリア層として塗工
すると、ポリアニリン特有の黄緑色が混色してグレーや
アイボリー等の落ち着いた色合いが失われ、特に、窓材
やアイリッド等として透明なプラスチックシートやプレ
ート等に塗工して用いた場合、その透視像が黄緑色に着
色してしまうので好ましくない。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、叙上の事実
に鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、基材の色合いや透視像を実質的に変色することな
く、優れた透明度と高度に帯電防止された塗膜を形成し
得る帯電防止透明塗料組成物を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アニリン系重
合体を含む帯電防止透明塗料に、460〜570nmに
吸収を有する染料又は顔料を含有してなることを特徴と
する帯電防止透明塗料組成物をその要旨とするものであ
る。
【0007】本発明で用いられるアニリン系重合体は、
アニリン又はアニリン誘導体を重合して得られる導電性
のアニリン系重合体であれば特に限定されるものではな
く使用できる。又、上記アニリン系重合体として市販さ
れている、例えば、アライドシグナル社製、商品名「バ
ーシコン(VERSICON)」等も使用できる。
【0008】上記アニリン系重合体の配合量は、バイン
ダーとして用いられる(メタ)アクリレート化合物10
0重量部に対し好ましくは0.1〜30重量部である。
上記アニリン系重合体の配合量が0.1重量部未満であ
る場合、得られる塗膜の導電性が低下し、必要な帯電防
止効果が得られず、又、上記配合量が30重量部を超え
ると、得られる塗膜の被覆性能が低下し、上記アニリン
系重合体の保護効果が少なくなるので、耐擦傷性、耐薬
品性及び耐溶剤性等が低下する。
【0009】上記バインダーとして用いられる分子内に
少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する
(メタ)アクリレート化合物は、紫外線、可視光線等の
活性光線で重合し、架橋し、硬化してトップコート層を
形成し得るものであれば特に限定されるものではなく、
例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アク
リレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシ
アヌル酸エステルトリ(メタ)アクリレート、2,2−
ビス[4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル]プロ
パン、1,6−ビス(3−アクリロキシ−2−ヒドロキ
シプロピル)−ヘキシルエーテル、テトラメチロールメ
タンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0010】又、上記の他、分子内にウレタン結合を有
する(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種を含
有せしめると、得られる塗膜の耐擦過傷性が更に向上す
るので好適に使用される。上記分子内にウレタン結合を
有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、
共栄社化学(株)製、商品名「UA−306H」、同
「UA−306I」、同「UA−306T」等のウレタ
ンアクリレートが挙げられる。
【0011】更に、上記の他、(メタ)アクリレート化
合物として、エステル結合を主鎖とする分子内に少なく
とも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するポリエ
ステル(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
【0012】これらの上記分子内に少なくとも2個以上
の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレー
ト化合物成分は、本発明の帯電防止透明塗料組成物にあ
って、硬化によって該組成物を高度に架橋した構造と
し、得られる有機導電層を被覆し、高い表面硬度と耐擦
傷性を有する保護層を形成する機能を分担する。
【0013】上記バインダーには、アルキル(メタ)ア
クリレート系樹脂が用いられるが、該アルキル(メタ)
アクリレート系樹脂は特に限定されるものではなく、ア
ルキル(メタ)アクリレートの単独重合体であってもよ
く、共重合体であってもよく又はこれらの混合物であっ
てもよい。上記アルキル(メタ)アクリレート系樹脂を
構成するアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、例
えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。
【0014】上記アルキル(メタ)アクリレート系樹脂
の分子量は、小さくなるとアニリン系重合体の分散性が
低下するため得られる帯電防止透明塗料組成物の塗膜か
らなる有機導電層の透明性及び導電性が低下するだけで
なく、上記帯電防止透明塗料組成物の増粘効果の発現が
低下するため塗工性が悪くなる。又、上記分子量が大き
くなると、本発明の帯電防止透明塗料組成物の粘度が高
くなり過ぎ塗工性が悪くなるので、好ましくは10万〜
100万程度、より好ましくは30万〜800万であ
る。
【0015】上記アルキル(メタ)アクリレート系樹脂
の配合量は、上記分子内に少なくとも2個以上の(メ
タ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合
物100重量部に対し10〜100重量部に限定され
る。上記配合量が10重量部未満であると、アニリン系
重合体の分散性が低下するため得られる有機導電層の透
明性及び導電性が低下するだけでなく、上記帯電防止透
明塗料組成物の増粘効果の発現が低下するため塗工性が
悪くなる。又、上記配合量が100重量部を超えると、
得られる帯電防止透明塗料組成物の塗膜からなる有機導
電層の表面硬度と耐擦傷性が低下する。
【0016】上記バインダーを含む帯電防止透明塗料組
成物は、紫外線、可視光線等の活性光線の照射により光
重合して上記有機導電層の表面硬度と耐擦傷性を付与す
るものであるが、光重合に際して光重合開始剤が用いら
れてもよい。上記光重合開始剤は、紫外線、可視光線等
の活性光線の照射により上記分子内に少なくとも2個以
上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレ
ート化合物の重合を開始させる機能を有するものであれ
ば特に限定されるものではなく、紫外線で活性化される
ものとして、例えば、ソジウムメチルジチオカーバメイ
トサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイ
ド、ジフェニルモノサルファイド、ジベンゾチアゾイル
モノサルファイド及びジベンゾチアゾイルジサルファイ
ド等のサルファイド類、チオキサントン、2−エチルチ
オキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジ
エチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン
等のチオキサントン誘導体、ヒドラゾン、アゾビスイソ
ブチロニトリル等のアゾ化合物、ベンゼンジアゾニウム
塩等のジアゾ化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾフェノン、
ジメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベン
ジルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、2−
メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2
−アミノアントラキノン、2−クロロアントラキノン等
の芳香族カルボニル化合物、p−ジメチルアミノ安息香
酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジ
メチルアミノ安息香酸ブチル、p−ジメチルアミノ安息
香酸イソプロピル等のジアルキル安息香酸エステル、ベ
ンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオ
キサイド等の過酸化物、9−フェニルアクリジン、9−
p−メトキシフェニルアクリジン、9−アセチルアミノ
アクリジン、ベンズアクリジン等のアクリジン誘導体、
9,10−ジメチルベンズフェナジン、9−メチルベンズ
フェナジン、10−メトキシベンズフェナジン等のフェナ
ジン誘導体、6,4’,4”−トリメトキシ−2,3−
ジフェニルキノキサリン等のキノキサリン誘導体、2,
4,5−トリフェニルイミダゾイル二量体、2−ニトロ
フルオレン、2,4,6−トリフェニルピリリウム四弗
化ホウ(硼)素塩、2,4,6−トリス(トリクロロメ
チル)−1,3,5−トリアジン、3,3’−カルボニ
ルビスクマリン、チオミヒラーケトン等が挙げられる。
【0017】上記光重合開始剤の配合量は、上記分子内
に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有す
る(メタ)アクリレート化合物100重量部に対し0.
01〜10重量部に限定される。上記光重合開始剤の配
合量が0.01重量部未満の場合、上記光重合開始剤の
活性光線に対する感度が低下して上記帯電防止透明塗料
組成物の硬化が充分に行われない。又、上記配合量が1
0重量部を超える場合、上記光重合開始剤の機能はそれ
以上に発揮されない。従って、上記配合量10重量部を
超えて配合することに意味がなく、不経済である。
【0018】又、上記帯電防止透明塗料組成物には、そ
の貯蔵安定性を付与するため、熱重合禁止剤が用いられ
てもよい。上記熱重合禁止剤は、遮光状態で上記分子内
に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有す
る(メタ)アクリレート化合物と上記アニリン系重合体
との反応を抑制する機能を有するものであって、発生す
るラジカルをトラップし得るものであれば、特に限定さ
れるものではないが、例えば、ヒドロキノン、p−メト
キシフェノール、トリ−p−ニトロフェニルメタン、ト
リフェニルフェルダジル、1,1−ジフェニル−2−ピ
クリル−ヒドラジル、2,2’−メチレン−ビス(4−
エチル−6−t−ブチルフェノール、トリルトリアゾー
ル、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニ
レンジアミン等が挙げられる。
【0019】上記熱重合禁止剤の配合量は、上記分子内
に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有す
る(メタ)アクリレート化合物100重量部に対し1〜
10重量部に限定され、好ましくは1〜5重量部であ
る。上記熱重合禁止剤の配合量が1重量部未満の場合、
上記帯電防止透明塗料組成物の貯蔵安定性が低下し、逆
に、上記配合量が10重量部をこえると、上記帯電防止
透明塗料組成物を硬化させて得られる有機導電層の表面
硬度と耐擦傷性が低下する。
【0020】又、上記帯電防止透明塗料組成物には、該
組成物の均一な混合分散と、その塗工を容易ならしめる
ために有機溶剤が用いられる。上記有機溶剤は、上記ア
ニリン系重合体を実質的に溶解せず、上記分子内に少な
くとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メ
タ)アクリレート化合物及びアルキル(メタ)アクリレ
ート系樹脂を溶解するものであれば特に限定されるもの
ではないが、好ましくはその沸点が70〜160℃程度
である。上記沸点が70℃未満であるように低くなる
と、塗工中に有機溶剤の蒸発によって上記帯電防止透明
塗料組成物の粘度が変化するという問題点があり、上記
沸点が160℃を超えて高くなると、上記帯電防止透明
塗料組成物の塗工後の乾燥工程に長時間を要し、経済的
でない。
【0021】上記有機溶剤としては、例えば、シクロヘ
キサノン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メ
チルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエー
テル(エチルセロソルブ)、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、ブチルアセテート、イソプロピルアセト
ン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、アニソ
ール等が挙げられる。
【0022】本発明の帯電防止透明塗料組成物は、上記
の他、本発明の精神を逸脱せざる範囲において、紫外線
吸収剤、酸化防止剤等の添加剤が加えられてもよい。
【0023】本発明の帯電防止透明塗料組成物の調製方
法は、特に限定されるものではないが、上記アニリン系
重合体とアルキル(メタ)アクリレート系樹脂を有機溶
剤中にディゾルバー、アトライター、三本ロール等で攪
拌、溶解させ、次いで、上記分子内に少なくとも2個以
上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレ
ート化合物、光重合開始剤、上記熱重合禁止剤等を添加
し、更に攪拌することによって調製される。
【0024】上記の如くして調製された本発明の帯電防
止透明塗料組成物は、被塗装物に応じて選択される塗工
方法によって塗工される。上記被塗装物としては、絶縁
性が高く、帯電し易いポリ塩化ビニル、ポリカーボネー
ト、ポリメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合樹脂等のプラスチックプレートやプ
ラスチックシートがある。
【0025】本発明の帯電防止透明塗料組成物は、叙上
の如く構成されているので、グレーやアイボリーといっ
た網膜にある青錘体、緑錘体、赤錘体からなる錘体細胞
の刺激の差が小さく、彩度の小さい所謂目立たない色、
落ちついた色調の基材に対しても、図1に示すごとく、
アニリン系重合体特有の黄緑色が460〜570nmに
極大吸収を有する赤色及び青色の刺激値が大きい染料又
は顔料を加えることにより上記3種の錘体細胞の刺激値
を平坦化し、目立たない透明有機導電層を形成し得るも
のである。
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて更に本発明
を詳細に説明する。
【0026】(実施例1) (アニリン系重合体の調製)p−トルエンスルホン酸1
60g(0.8mol)を脱イオン化水1000mlに
溶解し、これを2分し、各々500mlの0.8mol
/lのp−トルエンスルホン酸水溶液を準備する。上記
0.8mol/lのp−トルエンスルホン酸水溶液の一
方に、アニリン36.5ml(0.4mol)を加え、
他方に、ペルオキソ二硫酸アンモニウム91gを溶解し
た。次いで、冷却管、攪拌機及び滴下ロートを備えたセ
パラブルフラスコ反応容器に、上記アニリン含有p−ト
ルエンスルホン酸水溶液を仕込み、水浴で昇温を抑えな
がら上記ペルオキソ二硫酸アンモニウム含有p−トルエ
ンスルホン酸水溶液を30分間かけて滴下し、3時間攪
拌下に反応させた。反応後、沈殿物を濾取し、充分量の
メタノールで洗浄して緑色のアニリン系重合体の粉末を
調製した。
【0027】(アニリン系重合体分散液の調製)アニリ
ン系重合体20重量部、ポリメチルメタクリレート(根
上工業社製、商品名:ハイパールHPA、重量平均分子
量:50万)40重量部及びキシレン140重量部を、
8時間アトライターで攪拌し、アニリン系重合体分散液
を調製した。上記アニリン系重合体分散液のアニリン系
重合体粒子を電子顕微鏡で観察したところ、平均粒径は
0.01μm以下であった。
【0028】上記アニリン系重合体分散液100重量
部、アンスラキノン系染料(大日本インキ化学社製、商
品名:Violet SV−0583)5重量部、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社
製、商品名:DPHA)100重量部、2,4−ジエチ
ルチオキサントン(日本化薬社製、商品名:カヤキュア
ーDETX)1重量部、4−ジメチルアミノ安息香酸エ
チル1重量部、ヒドロキノン1重量部及びキシレン15
0重量部を、20分間アトライターで攪拌し、帯電防止
透明塗料組成物を作製した。
【0029】(実施例2)実施例1のアンスラキノン系
染料5重量部に替えて、ジオキサン系顔料(大日本イン
キ化学社製、商品名:Violet B−5747)8
重量部を用いたこと以外、実施例1と同様にして帯電防
止透明塗料組成物を作製した。
【0030】(比較例1)実施例1のアンスラキノン系
染料を除いた配合で、実施例1と同様にして帯電防止透
明塗料組成物を作製した。
【0031】(試料の調製)上記実施例及び比較例で得
られた帯電防止透明塗料組成物の性能を評価するため、
作製された直後の帯電防止透明塗料組成物を、各々厚さ
5mmのポリメチルメタクリレート製樹脂板上にバーコ
ーターにて塗布し、高圧水銀ランプで2000mJ/c
2 の照射量で活性光線を照射して厚さ2μmの有機導
電層を積層して試料を調製した。
【0032】上記試料の有機導電層の鉛筆硬度、全光線
透過率、曇価、表面固有抵抗及び貯蔵安定性を、以下に
示す方法で測定した。測定結果は表1に示す。 (測定方法) 1.鉛筆硬度:JIS K 5400に準拠して、鉛筆
硬度を測定した。 2.全光線透過率:ASTM D1003に準拠して、
曇価(%)を測定した。
【0033】3.曇価:ASTM D1003に準拠し
て、全光線透過率(%)を測定した。
【0034】4.表面固有抵抗:ASTM D257に
準拠して、表面固有抵抗(Ω/□)を測定した。 5.可視光吸収スペクトル:分光光度計により可視光吸
収スペクトルをチャートに記録した。
【0035】
【表1】
【0036】表1の可視光線吸収スペクトルチャートよ
り明らかな如く、可視光線の吸収スペクトルが平坦化さ
れ、網膜にある青錘体、緑錘体、赤錘体からなる錘体細
胞の刺激値が平坦化されたであろうことが推定され、目
立たない透明有機導電層を形成されていることと符合す
る。
【0037】
【発明の効果】本発明の帯電防止透明塗料組成物は、上
述の如く構成されているので、高度の導電性を有すると
共に、色調にも優れ、彩度の小さい所謂目立たない色、
落ちついた色調の基材に対しても、基材の色合いを実質
的に変色することなく、且つ、透明な基材に対して透視
像を実質的に変色することがない優れた透明度を有する
塗膜を形成し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】色調淡色化の説明図であり、上段左図は、本発
明において用いられるアニリン系重合体の可視光線吸収
スペクトルチャートを示し、上段左図は、本発明におい
て用いられる460〜570nmに吸収を有する染料又
は顔料の可視光線吸収スペクトルチャートを示し、下段
の図は、上記両者を含有する本発明の帯電防止透明塗料
組成物の可視光線吸収スペクトルチャートを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニリン系重合体を含む帯電防止透明塗
    料に、460〜570nmに吸収を有する染料又は顔料
    を含有してなることを特徴とする帯電防止透明塗料組成
    物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100426793B1 (ko) * 2001-07-05 2004-04-13 서광석 부직포에 대전방지성을 부여하는 방법과 동 방법에 의한부직포

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