JP5258155B2 - 組成物、表示装置用着色膜形成用インク、表示装置用遮光膜、遮光材料、遮光膜付き基板、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び液晶表示装置 - Google Patents

組成物、表示装置用着色膜形成用インク、表示装置用遮光膜、遮光材料、遮光膜付き基板、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5258155B2
JP5258155B2 JP2005305027A JP2005305027A JP5258155B2 JP 5258155 B2 JP5258155 B2 JP 5258155B2 JP 2005305027 A JP2005305027 A JP 2005305027A JP 2005305027 A JP2005305027 A JP 2005305027A JP 5258155 B2 JP5258155 B2 JP 5258155B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
display device
polymer
fine particles
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005305027A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007112884A (ja
Inventor
耕作 吉村
勝之 高田
美里 佐々田
一仁 宮宅
秀之 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2005305027A priority Critical patent/JP5258155B2/ja
Publication of JP2007112884A publication Critical patent/JP2007112884A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5258155B2 publication Critical patent/JP5258155B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

本発明は、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置など表示装置の内部に設けられる遮光用の膜(遮光膜)を作製するのに好適な組成物並びに、該組成物を用いた表示装置用着色膜形成用インク、表示装置用遮光膜、遮光材料、遮光膜付き基板、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び液晶表示装置に関する。
表示装置用途の遮光膜は、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの装置内部に、黒色の縁や画素周囲の格子状、ストライプ状の黒色の縁部(いわゆるブラックマトリックス)、薄膜トランジスター(TFT)遮光のためのドット状、線状の黒色パターンなどとして設けられている。
例えばブラックマトリックスは、液晶表示装置等を構成する遮光膜の例であり、液晶表示装置の内部に備えられたカラーフィルタの各着色画素(赤、緑、青)を取り囲むように設けられており、各画素間の光漏れによるコントラストの低下を防止するものである。また、他の例として、TFTを用いたアクティブマトリックス駆動方式の液晶表示素子において、光によるTFTの電流リークに伴なう画質低下を防ぐためにTFT上に設ける遮光膜がある。
これらの遮光膜には一般に、光学濃度2以上の遮光性が要求されており、遮光膜の色調は表示装置の表示品位の点から黒色が好ましい。
上記に関連して、金属微粒子の分散物を利用して遮光膜を作製する方法に関する開示がある(例えば、特許文献1参照)。この方法では、金属微粒子の分散には一般に広く知られている分散剤が用いられている。
特開2004−334182号公報
しかしながら、上記した遮光膜の作製方法では、金属微粒子の分散に用いる分散剤は通常広く用いられるものであり、表示装置用遮光膜の用途としては、金属微粒子の分散が不充分で満足できる遮光性能は得られない。
また、表示装置用途で遮光膜を作製する場合、製造工程上、高温に曝されること(例えば現像後のポストベーク)があるが、従来から広く知られた分散剤を用いた金属微粒子の分散系では、高温下で膜の色味が変化しやすく、所期の遮光性能や表示コントラストが得られないとの課題もある。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、薄膜で優れた遮光性能が得られ、高温環境に曝された場合の色味変化が抑えられた組成物、表示装置用着色膜形成用インク、表示装置用遮光膜、遮光材料、及び遮光膜付き基板、並びに、高コントラストで鮮やかな画像表示が可能なカラーフィルタ、液晶表示素子、及び液晶表示装置を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 少なくとも金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子である着色剤と、少なくとも1つのメルカプト基を有し、重量平均分子量が1000〜200000の高分子化合物である分散剤(以下、「本発明に係る高分子分散剤」ということがある。)とを含有する組着色成物であって、前記高分子化合物が下記一般式(2)で表されることを特徴とする着色組成物である。
前記一般式(2)において、Rは、単結合又は、非金属原子からなる2〜10価の有機連結基を表し、Rは、単結合又は、非金属原子からなる2価の有機連結基を表す。m及びnは各々独立に1〜9(ただし、m+n≦10)を表し、Polyは高分子骨格を表す。
<2> 前記高分子化合物は、一分子中に2〜10個のメルカプト基を有する化合物の、末端に炭素−炭素二重結合を有するポリマーへの付加反応生成物である前記<1>に記載の着色組成物である。
<3> 前記高分子化合物は、一分子中に2〜10個のメルカプト基を有する化合物の、末端に炭素−炭素二重結合を有するポリマーへのラジカル付加反応生成物である前記<1>に記載の組成物である。
<4> 前記Polyで表される高分子骨格が、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物もしくは共重合体より選ばれる少なくとも一種である前記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の着色組成物である。
<5> 前記Polyで表される高分子骨格が、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、及びこれらの変性物もしくは共重合体より選ばれる少なくとも一種である前記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の組成物である。
<6> 前記nが、2以上である前記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の着色組成物である。
<7> バインダーを更に含有する前記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の着色組成物である。
<8> 前記バインダーが、カルボン酸基を有する前記<7>に記載の組成物である。
<9> 前記金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子は、アスペクト比が2〜100である前記<1>〜<8>のいずれか1つに記載の着色組成物。
<10> 多官能モノマーを更に含有する前記<1>〜<9>のいずれか1つに記載の着色組成物である。
<11> 光重合開始剤を更に含有する前記<1>〜<10>のいずれか1つに記載の着色組成物である。
<12> 黒色である前記<1>〜<11>のいずれか1つに記載の組成物である。
<13> 前記<1>〜<12>のいずれか1つに記載の着色組成物を用いてなることを特徴とする表示装置用着色膜形成用インクである。
<14> 前記<1>〜<12>のいずれか1つに記載の着色組成物、又は前記<13>に記載の表示装置用着色膜形成用インクを用いてなることを特徴とする表示装置用遮光膜である。
<15> 表示装置用遮光膜の形成に用いられる遮光材料であって、支持体上に、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子である着色剤と、少なくとも1つのメルカプト基を有し、重量平均分子量が1000〜200000の高分子化合物である分散剤とを少なくとも含有する微粒子含有層を少なくとも1層有し、前記高分子化合物が下記一般式(2)で表されることを特徴とする遮光材料である。
前記一般式(2)において、前記同様に、Rは、単結合又は、非金属原子からなる2〜10価の有機連結基を表し、Rは、単結合又は、非金属原子からなる2価の有機連結基を表す。m及びnは各々独立に1〜9(ただし、m+n≦10)を表し、Polyは高分子骨格を表す。
<16> 前記金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子は、アスペクト比が2〜100である前記<15>に記載の遮光材料である。
<17> 多官能モノマーを更に含有する前記<15>又は<16>に記載の遮光材料である。
<18> 光重合開始剤を更に含有する前記<15>〜<17>のいずれか1つに記載の遮光材料である。
<19> 前記微粒子含有層が、被転写体への転写が可能な層である前記<15>〜<18>のいずれか1つに記載の遮光材料である。
<20> 前記<1>〜<12>のいずれか1つに記載の着色組成物、前記<13>に記載の表示装置用着色膜形成用インク、又は前記<15>〜<19>のいずれか1つに記載の遮光材料を用いてなる遮光膜を有することを特徴とする遮光膜付き基板である。
<21> 光透過性の基板上に、互いに異なる色相を呈する複数の画素を含む画素群と、前記画素群を構成する各画素を離隔する遮光画像とを有するカラーフィルタにおいて、前記遮光画像が、前記<14>に記載の表示装置用遮光膜であることを特徴とするカラーフィルタである。
<22> 前記<20>に記載の遮光膜付き基板を備えたことを特徴とするカラーフィルタである。
<23> 前記<20>に記載の遮光膜付き基板を備えたことを特徴とする液晶表示素子である。
<24> 前記<23>に記載の液晶表示素子を備えたことを特徴とする液晶表示装置である。
本発明によれば、薄膜で優れた遮光性能が得られ、高温環境に曝された場合の色味変化が抑えられた組成物、表示装置用着色膜形成用インク、表示装置用遮光膜、遮光材料、及び遮光膜付き基板、並びに、高コントラストで鮮やかな画像表示が可能なカラーフィルタ、液晶表示素子、及び液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明の組成物について詳細に説明すると共に、該説明を通じて本発明の表示装置用着色膜形成用インク、表示装置用遮光膜、遮光材料、遮光膜付き基板、カラーフィルタ、液晶表示素子、液晶表示装置の詳細についても詳述することとする。
<組成物>
本発明の組成物は、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子である着色剤と、少なくとも1つのメルカプト基を持つ特定構造の高分子化合物とを少なくとも含有してなり、好ましくは多官能モノマー、光重合開始剤を含有して光感光性に構成されてなり、また、必要に応じて他の成分を用いて構成することができる。
本発明においては、着色剤(特に黒色系の着色剤)として、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子を分散して用いると共に、該金属微粒子等の分散に分散剤として、本発明に係る高分子分散剤(メルカプト基を有する特定構造の高分子化合物)を用いることで、金属系の微粒子の凝集防止等の粒子挙動に寄与し、製造工程上高温に曝されるような場合など、高温環境での樹脂成分、微粒子の変質に伴なう色味変化が抑制されるので、分散時の分散性及び分散後の分散安定性が向上し、色相が良好で高い光学濃度を確保することができる。
本発明の組成物は、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子が、後述するメルカプト基を有する高分子化合物(本発明に係る高分子分散剤)中に分散されていることが好ましい。
−金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子−
本発明の組成物は、(特に黒色の)着色剤として、金属微粒子及び金属化合物微粒子の少なくとも1種を含有する。金属系の微粒子を着色剤として用いることで、薄膜で高濃度の像形性が可能であり、特に遮光画像(ブラックマトリクスを含む。)などの黒色像の形成に有効である。
本発明において、金属微粒子における「金属」とは、「岩波理化学辞典(第5版)」(1998年、岩波書店発行)に記載の「金属」(352頁)による。また、「金属化合物」とは、金属と金属以外の元素との化合物であり、ここでの金属も前記金属微粒子における金属と同義である。
金属微粒子としては、特に限定はなく適宜選択することができ、例えば、長周期型周期表(IUPAC 1991)の第4周期、第5周期、及び第6周期に含まれる金属群より選択される金属を主成分として含むことが好ましく、また、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族に含まれる金属群から選ばれる金属を主成分として含むことが好ましい。
これら金属のうち、金属微粒子として、第4周期、第5周期、又は第6周期の金属であって、第2族、第10族、第11族、第12族、又は第14族の金属がさらに好ましい。
金属微粒子の形状には、特に制限はなく、アンパン状、ジャガイモ状、棒状(針状、円柱状、直方体等の角柱形、ラグビーボール形等)、平板状(鱗片状、楕円板状、板状)、繊維状、金平糖状、コイル状等であってもよい。好ましくは、板状粒子、棒状(ロッド状)である。
前記金属微粒子の好ましい例としては、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、カルシウム、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、又はこれらの合金より選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。さらに、好ましい金属微粒子の例として、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、又はこれらの合金が挙げられ、特に好ましい金属微粒子の例として、銅、銀、金、白金、錫、又はこれらの合金より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
中でも、容易に微粒子が得られやすいという点で、金、銀、銅、錫が好ましく、とりわけ銀が好ましい。本発明における金属微粒子は、前記金属の合金であってもよく、好ましい合金として銀とスズの合金が挙げられる。
金属微粒子の数平均粒径は、膜厚を超えない限り特に制限はないが、10〜1000nmの範囲が好ましく、10〜500nmの範囲がより好ましく、10〜200nmの範囲が更に好ましい。該数平均粒径が前記範囲内であると、生成が容易で、かかる範囲内の金属微粒子を用いてカラーフィルタを作製した場合に、特性上目視により良好な黒色(茶褐色がかった色相にならない)に見えるブラックマトリクス等の黒色像部が得られ、粒子径が大きすぎて金属微粒子分散後の分散物の安定性が低下して、遮光性が悪化することもない。
ここで、「粒径」とは、粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径をいい、「数平均粒径」とは、多数の粒子について前記粒径を求め、求められた粒径の100個の平均値をいう。なお、粒径分布については特に制約はない。
また、金属微粒子は、均一な組成でも不均一な組成でもよい。不均一な組成の例として、表面に内部と異なる組成のコーティング層を設けたもの等が挙げられる。
前記金属化合物微粒子は、金属と金属以外の他の元素との化合物であり、例えば、金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などが挙げられる。このうち、色調や微粒子形成のしやすさの点で、硫化物が特に好ましい。具体的には、金属化合物の例として、酸化銅(II)、硫化鉄、硫化銀、硫化銅(II)、チタンブラックなどが挙げられ、色調、微粒子形成のしやすさ、安定性の点で、硫化銀が特に好ましい。
また、前記金属化合物微粒子は、均一な組成でも不均一な組成でもよい。不均一な組成の例としては、表面に内部と異なる組成のコーティング層を設けたものを挙げることができる。
本発明における金属微粒子及び金属化合物微粒子は、特に制限はなく、気相法、液相法などの公知の方法で作製することができる。金属化合物微粒子の作製方法については、例えば、「超微粒子の技術と応用における最新動向II」(住ベテクノリサーチ(株)、2002年発行)に記載されている。
金属微粒子は、市販のものを用いることができるほか、金属イオンの化学的還元法、無電解メッキ法、金属の蒸発法等により調製することが可能である。
特にロッド状の銀微粒子については、例えばAdv.Mater.2002,14,80−82の記載を参照することができ、すなわち、球形の銀微粒子を種粒子としてその後、更に銀塩を添加し、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)等の界面活性剤の存在下で、アスコルビン酸などの比較的還元力の弱い還元剤を用いることにより、銀ロッドやワイヤーを得ることができる。また、同様の記載が、Mater.Chem.Phys.2004,84,197−204、Adv.Funct.Mater.2004,14,183−189にある。
また、Mater.Lett.2001,49,91−95には、電気分解を用いた方法が、J.Mater.Res.2004,19,469−473には、マイクロ波を照射することにより銀ロッドを生成する方法が、それぞれ記載されている。また、逆ミセルと超音波を併用した例について、J.Phys.Chem.B,2003,107,3679−3683に記載がある。
金に関しても、同様に、J.Phys.Chem.B 1999,103、3073−3077及びLangmuir 1999,15,701−709、J.Am.Chem.Soc.2002,124,14316−14317に記載されている。
ロッド状の粒子は、界面活性剤の存在下で還元法により作製することができる。基本的には、界面活性剤の種類や還元剤の種類、添加量調整、pH制御により、種々のロッド状粒子の調製が可能である。具体的には、金属との相互作用の少ない界面活性剤をはじめに用い、還元して粒子成長させた段階で、金属と大きく相互作用する界面活性剤を添加し、それ以上の粒子の成長を抑える。つまり、還元剤の種類と時間で形状制御することができる。
金属化合物微粒子については、ロッド状の粒子を酸化や硫化することによって調製することができる。
本発明において、前記金属微粒子には、金属と金属との複合微粒子が含まれ、前記金属化合物微粒子には、金属と金属化合物との複合微粒子、金属化合物と金属化合物との複合微粒子が含まれる。
複合微粒子の形状には、特に制限はなく、例えば、粒子の内部と表面で組成の異なるもの、2種類の粒子が合一したもの等を挙げることができる。また、複合微粒子を構成する金属化合物、金属はそれぞれ、1種でも2種以上であってもよい。
前記「金属と金属化合物との複合微粒子」の具体例としては、銀と硫化銀との複合微粒子、銀と酸化銅(II)との複合微粒子などが挙げられる。
上記以外に、本発明における金属微粒子及び金属化合物微粒子は、コア・シェル構造を有する複合粒子であってもよい。コア・シェル構造を有する複合粒子とは、コア材料の表面がシェル材料でコートされたものである。コア・シェル構造を有する複合粒子を用いる場合、シェル材料としては、例えば、Si、Ge、AlSb、InP 、Ga、As、GaP 、ZnS 、ZnSe、ZnTe、CdS 、CdSe、CdTe、PbS 、PbSe、PbTe、Se、Te、CuCl、CuBr、CuI 、TlCl、TlBr、TlI、及びこれらの固溶体もしくはこれらを90mol%以上含む固溶体より選択される少なくとも一種の半導体、又は銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、又はこれらの合金より選択される少なくとも一種の金属を挙げることができる。これらシェル材料は、利用される波長域である300〜800nmにおいて、量子閉じ込め効果により離散化した量子レベル間に共鳴する光吸収ピークを有するという点で好ましい。
上記のうち、好ましいコア材料は、銅、銀、金、パラジウム、ニッケル、錫、ビスマス、アンモチン、鉛、又はこれらの合金より選択される少なくとも一種である。
前記シェル材料は、反射率を低下させる目的で、屈折率の調整剤としても好適に用いられる。
コアシェル構造を有する複合粒子のコア材料としては、例えば、銅、銀、金、パラジウム、又はこれらの合金より選択される少なくとも一種の金属を用いることができる。
コアシェル構造を有する複合粒子の作製方法には、特に制限はなく、代表的な方法を以下に示す。
(1)公知の方法で作製した金属微粒子の表面に、酸化、硫化などにより金属化合物のシェルを形成する方法である。例えば、金属微粒子を水などの分散媒に分散させて、硫化ナトリウムや硫化アンモニウムなどの硫化物を添加する方法がある。この方法により、粒子表面が硫化されてコアシェル複合粒子が形成される。
この場合、用いる金属微粒子は、気相法、液相法などの公知の方法で作製することができ、金属微粒子の作製方法については、例えば「超微粒子の技術と応用における最新動向II」(住ベテクノリサーチ(株)、2002年発行)に記載がある。
(2)金属微粒子を作製する過程で連続的に表面に金属化合物のシェルを形成する方法である。例えば、金属塩溶液に還元剤を添加し、金属イオンの一部を還元して金属微粒子を作製し、これに硫化物を添加し、作製した金属微粒子の周囲に金属硫化物を形成することにより、コアシェル複合粒子が形成される。
上記した金属微粒子及び金属化合物微粒子のうち、アスペクト比(粒子の長軸長/粒子の短軸長の比)が2〜100である微粒子が、色味がかっていない黒色調が得られる点で好ましい。中でも、吸収スペクトルの制御ができ、色相をより黒色に近づけることができる点で、前記アスペクト比は、4〜80が好ましく、10〜60が更に好ましく、15〜50が特に好ましい。アスペクト比が前記範囲内であると、黒色粒子を得るのが比較的容易であり、可視光域の吸収が良好で画質(解像力)の低下を招来することもない。
アスペクト比とは、金属微粒子又は金属化合物微粒子の、後述のように定義された長軸長を短軸長で割った値を意味し、100個の金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子を測定した値の平均値である。なお、粒子の投影面積は電子顕微鏡写真上での面積を測定し、撮影倍率を補正することにより得られる。
次に、径(長軸長、短軸長)について金属微粒子を例に説明する。
金属微粒子の粒子径を三軸径とする。そして、1個の金属粒子がちょうど(きっちりと)収まる箱(直方体)を考え、この箱の長さL、幅b、高さ又は厚みtをもってこの金属粒子の寸法と定義する仕方である。金属粒子を箱に収める場合、いくつかの仕方があるが、本発明では以下の方法を採用する。
まず、平面上に金属粒子を、最も重心が低くて安定に静止するように置く。次に、平面に対し直角に立てた2枚の平行な平板により金属粒子を挟み、その平板間隔が最も短くなる位置の平板間隔を「幅b」とする。次に、前記幅bを決する2枚の平板に対し直角で前記平面に対しても直角の2枚の平行な平板により金属粒子を挟み、この2枚の平板間隔を「長さL」とする。最後に金属粒子の最も高い位置に接触するように天板を前記平面に平行に載せ、天板と平面との間隔を高さ又は厚みtとする。(この方法により平面、各2枚の平板及び天板によって画される直方体が形成される。)また、金属粒子の三軸径b、L及びtの最も長いものに該当する軸を「長軸」と定義し、長軸方向における長さを「長軸長」と、また、長軸に平行な光を金属粒子に照射して得られる投影面積を真円換算した場合の直径を「短軸長」と定義する。
金属微粒子又は金属化合物微粒子の短軸長は、4〜50nmの範囲内が好ましく、15〜50nmの範囲内がより好ましく、15〜30nmの範囲内が最も好ましい。また、金属微粒子又は金属化合物微粒子の長軸長(最大長)は、10〜1000nmの範囲内が好ましく、更には100〜1000nmの範囲内がより好ましく、400〜800nmの範囲内が好ましい。
金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子は、アスペクト比を調整(異なるアスペクト比の粒子を混合)することにより、すなわち同一金属で異なるアスペクト比の微粒子を併用することにより、吸収スペクトルを制御でき、色相を黒色に近づけることもできる。黒色に近づけるためには、他の金属や金属化合物微粒子など、種々のアスペクト比を持つ粒子を組み合わせることにより得ることもできる。
本発明における金属微粒子又は金属化合物微粒子を、球形から例えばロッド形状へ変化させると、可視光線の吸収量も約2倍高められ、球状粒子の場合よりトータルの吸収係数が大きくなり、透過濃度を高めることが可能である。これにより、高濃度を保持しながら薄膜化することができる。
金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の組成物中における含有量としては、微粒子の種類や性状により異なるが、該組成物の全固形分に対して、10〜98質量%が好ましく、20〜95質量%がより好ましく、30〜93質量%が好ましい。該含有量が前記範囲内であると、薄膜で高濃度が得られ、現像性に支障を来すこともない。
−高分子化合物−
本発明の組成物は、前記金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の分散剤として、少なくとも1つのメルカプト基を有する高分子化合物として、下記一般式(1)で表される高分子化合物の少なくとも1種(本発明に係る高分子分散剤)を含有する。
下記一般式(1)で表される特定構造のメルカプト基含有高分子化合物を分散剤とするので、既述の金属系の微粒子を分散して含有する場合に、分散時の分散性及び分散後の分散安定性が向上し、色相(特に黒色相)が良好で、高い光学濃度の画像形成が可能である。
前記一般式(1)において、Rは、単結合又は、非金属原子からなる2〜10価の有機連結基を表す。
前記Rで表される「非金属原子からなる2〜10価の有機連結基」としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
前記「非金属原子からなる2〜10価の有機連結基」は、具体的な例として、下記の構造単位又は該構造単位が組み合わさって構成される基を挙げることができる。
上記のうち、多価の有機連結基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
前記一般式(1)中、m及びnは各々独立に1〜9を表す。mとしては2〜6が好ましく、nとしては2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。
また、一般式(1)中のPolyは、高分子骨格を表し、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。
ポリマーの中でも、前記高分子骨格を構成するには、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、及びこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましい。
更には、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の分散性の点で、前記ポリマーは溶媒に可溶であることが好ましい。
前記一般式(1)で表されるメルカプト基含有高分子化合物の中でも、下記一般式(2)で表されるメルカプト基含有高分子化合物がより好ましい。
前記一般式(2)において、Rは、単結合又は非金属原子からなる2〜10価の有機連結基を表す。
前記Rで表される「非金属原子からなる2〜10価の有機連結基」としては、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
で表される「非金属原子からなる2〜10価の有機連結基」としては、前記Rにおける場合と同様に、具体的な例として、前記同様の構造単位又は、該構造単位が組み合わさって構成される基が挙げられる。
これらのうち、Rで表される有機連結基の好ましい具体例を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
上記の中でも、合成のしやすさ、各種溶媒への溶解性の観点から、特に好ましい有機連結基は下記の基である。
また、上記の多価の有機連結基が置換基を有する場合は、該置換基として、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
前記一般式(2)において、Rは、単結合又は、非金属原子からなる2価の有機連結基を表す。
で表される「非金属原子からなる2価の有機連結基」は、無置換でも置換基を有していてもよく、直鎖、分岐、又は環状のアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、アラルキレン基、並びに、−S−、−C(=O)−、−N(R)−、−SO−、−SO−、−CO−、−N(R)SO−、あるいはこれらの基を2つ以上組み合わせた2価の基を挙げることができる。
また、上記の2価の有機連結基が置換基を有する場合は、該置換基として、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜16のアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1〜6のアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。
前記Rは、水素原子又はアルキル基を挙げることができる。Rで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基が挙げられる。
前記一般式(2)中、m及びnは各々独立に1〜9(ただし、m+n≦10)を表す。mとしては2〜6が好ましく、nとしては2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。
また、一般式(2)中のPolyは、高分子骨格を表し、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。ポリマーの好ましい態様については、前記一般式(1)における場合と同様である。
前記一般式(2)で表される高分子化合物のうち、特にRが前記具体例(3),(4),(7),(8),(10),又は(11)であって、Rが単結合、エチレン基、プロピレン基、又は下記基(22)もしくは(23)であって、Polyがビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、及びこれらの変性物であって、mが2〜4であって、nが2〜4である化合物が更に好ましい。
下記基中、Rは水素原子又はメチル基を表し、lは1又は2を表す。
前記一般式(1)又は(2)で表される高分子化合物は、下記方法により合成することができる。
1.予め導入されたポリマー末端の官能基をメルカプト基に変換させる方法;
2.特開平9−3108号公報に記載のチオカルボン酸の存在下でラジカル重合を行ない、末端にチオカルボン酸エステルを導入した後に加水分解を行ない、末端にメルカプト基を1個有するポリマーを合成する方法;
3.一分子中に2個以上のメルカプト基を有する化合物と末端に炭素−炭素二重結合を有するポリマーとをラジカル発生剤存在下で反応させる方法;
上記のうち、ポリマー末端に複数の官能基を容易に導入できるため、前記3.の方法が好ましい。この場合、一分子中に2個以上のメルカプト基を有する化合物の、末端に炭素−炭素二重結合を有するポリマーへの付加反応(特にラジカル付加反応)により合成できる。
前記「一分子中に2個以上のメルカプト基を有する化合物」は、脂肪族メルカプタン、芳香族メルカプタン、及びメルカプト基を有する複素環の少なくとも一種を分子内に複数個有する化合物である。
具体的な例として、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ジチオエリスリトール、2,3−ジメルカプトサクシン酸、1,2−ベンゼンジチオール、1,2−ベンゼンジメタンチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジメタンチオール、1,4−ベンゼンジメタンチオール、3,4−ジメルカプトトルエン、4−クロロ−1,3−ベンゼンジチオール、2,4,6−トリメチル−1,3−ベンゼンジメタンチオール、4,4’−チオジフェノール、2−ヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−ジエチルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−シクロヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビスメルカプトアセテート、エチレングリコールビスメルカプトアセテート、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−メルカプトプロポキシフェニルプロパン)等の2個のメルカプト基を有する化合物、1,2,6−ヘキサントリオールトリチオグリコレート、1,3,5−トリチオシアヌル酸、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスメルカプトアセテート等の3個のメルカプト基を有する化合物、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテート、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキスメルカプトアセテート等の4個以上のメルカプト基を有する化合物が挙げられる。
前記「末端に炭素−炭素二重結合を有するポリマー」としては、メルカプト基との反応性の点で、炭素−炭素二重結合として1置換もしくは2置換のビニル基が好ましく、「一分子中に2個以上のメルカプト基を有する化合物」との反応で不溶物を与えない点から、片末端に炭素−炭素二重結合を有するポリマーが好ましく、より好ましくは、片末端に重合性炭素−炭素二重結合を有する末端重合性高分子(マクロモノマー)である。
ここでは、片末端に炭素−炭素二重結合を有する各種マクロモノマーが好適である。具体的には、片末端メタクリロイル化ポリメチル(メタ)アクリレート、片末端メタクリロイル化ポリスチレン、片末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、片末端メタクリロイル化メチル(メタ)アクリレートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの共重合体、片末端メタクリロイル化n−ブチル(メタ)アクリレートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの共重合体付加体、片末端メタクリロイル化2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの共重合体、片末端メタクリロイル化スチレンとアクリロニトリルとの共重合体、片末端メタクリロイル化ポリエチレングリコール付加体、片末端メタクリロイル化ポリプロピレングリコール、片末端メタクリロイル化ポリε−カプロラクトン等の市販品を挙げることができる。
以下、前記一般式(1)又は(2)で表される高分子化合物の具体例を示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。なお、具体例中の「X」はいずれも、−CHCH(OH)CHOC(=O)CHCHS−、−CHCH(OH)CHOC(=O)CHS−、又は−CHCH−を表し、m、nは後述の分子量の範囲で選択することができる。
本発明に係る高分子分散剤の分子量としては、重量平均分子量で、1000〜200000が好ましく、1000〜100000がより好ましく、2000〜50000が最も好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、分散性向上に有効で、良好な膜強度が得られると共に、現像性に支障を来すこともない。
少なくとも1つのメルカプト基を有する高分子化合物の、組成物中における含有量としては、既述の金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の質量に対して、3〜50質量%が好ましく、4〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%がより好ましい。該含有量が前記範囲内であると、微粒子に充分に吸着して分散性が向上すると共に、熱による色相変化を抑えて色相及び光学濃度の向上に効果的であり、現像性に支障を来すこともない。
−バインダー−
本発明の組成物は、バインダーの少なくとも1種を用いて好適に構成することができる。バインダーとしては、水溶性もしくはアルカリ可溶性の高分子バインダーが好適であり、既述の金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の分散安定性を更に良化させたり、アルカリ現像適性など分散性以外の特性を付与させるのに有効である。
例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース等のセルロース系高分子バインダー、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を含み、更にメチルメタクリレート、エチルアクリレート、ベンジルアクリレート、スチレン等が共重合した(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリレート系共重合体やスチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体が好ましく挙げられる。
中でも、分子中に酸基、特にカルボン酸基を有する高分子バインダーが好ましく、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を有する高分子バインダーがより好ましい。
バインダーとして、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を含有する(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリレート系共重合体やスチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体は、アルカリ可溶であり、アルカリ現像によりパターニングできる点で好ましい。
これらの共重合体中におけるアクリル酸及び/又はメタクリル酸の割合は、両者の合計で10〜60質量%が好ましく、より好ましくは20〜50質量%の範囲である。
前記共重合体の具体例として、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=60/40)共重合体、メチルメタクリレート/スチレン/メタクリル酸(=10/60/30)共重合体、メチルメタクリレート/スチレン/アクリル酸/メタクリル酸(=20/50/15/15)共重合体、ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸(=40/35/35)共重合体、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸(=60/20/20)共重合体などが挙げられる。但し、( )内の数字は質量比を表す。
バインダーの組成物中における含有量は、既述の金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子に対して、体積比で、0.3:1〜100:1の範囲が好ましく、1.5:1〜30:1の範囲がより好ましい。この比が前記範囲内であると、薄膜としつつ高い光学濃度が得られる。
−多官能モノマー−
本発明の組成物は、多官能モノマーの少なくとも1種を用いて好適に構成することができる。多官能モノマーは、それ自体重合して重合後にバインダーとして機能するものであり、該多官能モノマーの含有により、膜形成したときの膜強度を高めることができる。
多官能モノマーは、光重合可能なモノマーが好ましく、更に熱重合性を有しているものがより好ましい。熱重合性を有する場合には、光重合後に更に熱処理を行なうことで硬化度をより一層高めることができる。
多官能モノマーとしては、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、1,4−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンもしくはグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加反応させた後で(メタ)アクリレート化したもの等の多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。
さらに、特公昭48−41708号、同50−6034号、特開昭51−37193号の各公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、同52−30490号の各公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートを挙げることができる。
上記の中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの多官能アクリルモノマーを用いることが好ましい。多官能モノマーは、一種単独で用いる以外に2種類以上を混合して用いてもよい。
多官能モノマーを用いる場合、多官能モノマーの組成物中における添加量としては、特に限定されるものではなく、該組成物の全固形分に対して、5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。該添加量が前記範囲内であると、光感度や画像を構成する膜の強度も良好であり、膜形成したときの膜の粘着性が過剰になることもない。
前記多官能モノマーは、光や熱を用いて重合可能な化合物であり、組成物を光硬化性もしくは熱硬化性に構成する場合、重合開始剤を併用することが好ましく、中でも光重合開始剤を添加して光硬化性に構成されるのがより好ましい。さらに、前記多官能モノマー以外にオリゴマーを含んでいてもよい。
−光重合開始剤−
本発明の組成物は、光重合開始剤の少なくとも1種を用いて好適に構成することができる。光重合開始剤としては、特開2004−347831号公報の段落番号[0024]に記載の化合物が挙げられる。更に、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとして挙げることができる。
上記のうち、光感度が高く、黄ばみなどの着色が少なく、良好な表示特性を得ることができる例として、トリハロメチルオキサジアゾール系の光重合開始剤とトリハロメチル−s−トリアジン系の光重合開始剤との組み合わせが挙げられ、中でも、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルメチル)−1,3,4−オキサジアゾールと2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3’−プロモフェニル]−s−トリアジンとの組み合わせが最も好ましい。
上記のように光重合開始剤を組み合わせる場合の比率(トリハロメチルオキサジアゾール系/トリハロメチル−s−トリアジン系の質量比率)は、95/5〜20/80であるのが好ましく、90/10〜30/70がより好ましく、最も好ましくは80/20〜40/60である。
また、上記の光重合開始剤の詳細については、特開平1−152449号公報、特開平1−254918号公報、特開平2−153353号公報の記載を参照することができる。
上記以外に好適な光重合開始剤の例として、ベンゾフェノン系の光重合開始剤を挙げることができる。
後述するように、本発明の組成物には顔料を用いることができ、該顔料の組成物の固形分全体に占める割合が15〜25質量%付近である場合には、光重合開始剤と共に、クマリン系化合物を併用することで同様の効果を得ることが可能である。
前記クマリン系化合物としては、7−[2−[4−(3−ヒドロキシメチルビペリジノ)−6−ジエチルアミノ]トリアジニルアミノ]−3−フェニルクマリンが最も好ましい。
クマリン系化合物を用いる場合、光重合開始剤とクマリン系化合物との比率(光重合開始剤/クマリン系化合物の質量比率)としては、20/80〜80/20が好ましく、30/70〜70/30がより好ましく、最も好ましくは40/60〜60/40である。
なお、本発明に使用可能な光重合開始剤は、上記した重合開始剤に制限されるものではなく、他の公知のものの中から適宜選択することできる。
光重合開始剤は、1種単独で用いる以外に、2種類以上を混合して用いてもよく、特に2種類以上を併用した組成が好ましい。
本発明の組成物が光重合開始剤を含有する場合、光重合開始剤の組成物中における添加量は、該組成物の全固形分に対して、0.1〜20質量%が一般的であり、0.3〜15質量%が好ましい。該含有量が前記範囲内であると、光感度や画像を構成する膜の強度低下を効果的に防止することができる。
本発明の組成物においては、熱もしくは光で硬化可能なように構成する場合、感光性樹脂組成物を用いた構成も好適である。感光性樹脂組成物としては、既述の多官能モノマー及び/又はオリゴマーと光重合開始剤とを含む感光性樹脂組成物、並びに特開平10−160926号公報の段落番号[0016]〜[0022]及び[0029]に記載のものが好適である。更に、他の光重合性のモノマーを併用してもよい。
また、銀コロイドのように金属微粒子又は金属化合物微粒子を水分散物として用いる場合には、前記感光性樹脂組成物として水系のものが有用である。水系の感光性樹脂組成物としては、特開平8−271727号公報の段落番号[0015]〜[0023]に記載のもの、並びに市販のものとして、例えば東洋合成工業(株)製の「SPP−M20」、「SPP−H−13」等が挙げられる。
−他の成分−
本発明の組成物は、上記以外に必要に応じて、下記の公知の顔料、界面活性剤、併用できるポリマー、分散剤、分散安定剤等の他の成分を用いて好適に構成することができる。
〜顔料〜
顔料としては、カーボンブラックなどの黒色顔料を用いることができる。
顔料の添加量は、既述の金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子に対して、50質量%以下が好ましく、特に30質量%以下が好ましい。顔料の添加量が50質量%を越えると、必要な光学濃度を得るために必要な遮光膜の厚みが増大し、遮光膜上に形成される赤、青、緑の画素品位が低下することがある。
また、色味調整のため、黒色以外に青色その他の顔料を含んでもよい。黒色以外の顔料を添加する場合の添加量は、既述の金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子に対して、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。該添加量が40質量%を越えると、膜形成した際の膜の色味が悪化することがある。
〜界面活性剤〜
本発明の組成物には、塗布性、微粒子の分散安定性の改良などの目的で、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤を特に制限なく使用可能である。中でも、液の安定性の観点から、アニオン界面活性剤が特に好ましい。また、フッ素系界面活性剤は好ましい界面活性剤である。
前記界面活性剤の好ましい例として、C17SON(C)(CO)14H、C17SOLi、C15COONH、C17SON(C)COPO(OH)等が挙げられる。更に市販品として、F110、F113、F120、F150、F176PF、F177、F780(いずれも大日本インキ化学工業(株)製、オリゴマータイプフッ素系界面活性剤)などを挙げることができる。
〜分散安定剤〜
本発明の組成物には、分散安定剤を用いることができ、分散安定剤については、例えば「顔料分散技術」(技術情報協会(株)、1999年発行)に記載のものを使用できる。
−−組成物の調製−−
本発明の組成物は、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子、メルカプト基を有する高分子化合物、及び必要に応じて添加可能な他の成分を(好ましくは溶剤を加えて)混合分散することにより調製できる。好ましくは、予め金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子をメルカプト基を有する高分子化合物と共に溶剤に分散した微粒子分散液を調製後、これに多官能モノマー、光重合開始剤、バインダーと添加可能な他の成分とを添加混合することにより調製することができる。
調製に用いる溶剤には、特に制限なく使用可能であり、中でも特にSP値が9.0以上のものが好ましい。SP値が9.0以上のものを用いると、分散性が特に良好となり、薄膜でも充分な光学濃度を達成することができる。
SP値は、溶解性パラメーターともいわれるもので、凝集エネルギー密度の平方根で表され、本発明においては、「接着ハンドブック」(日本接着学会編、日刊工業新聞社発行、1971年初版発行)の838頁に記載のものを意味する。
溶剤のSP値は、例えば、n−ヘキサン/7.3、トルエン/8.9、酢酸エチル/9.1、メチルエチルケトン/9.3、アセトン/10.0、エチルアルコール/12.7、メチルアルコール/14.5、水/23.4、等である。ここで、SP値の単位は「(cal/cm1/2」である。
本発明の組成物は、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子を少なくとも「メルカプト基を有する高分子化合物」(及び好ましくは溶剤)と共に混合した混合液を、超音波分散機、ペイントシェーカー、ボールミル、アイガーミルなどの公知の分散機を用いて分散処理することにより調製することができる。中でも、超音波分散機が好ましい。
本発明の組成物は、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子を分散して含む用途に好適であり、(好ましくは黒色の)着色膜形成用インク、遮光膜(ブラックマトリクス等のカラーフィルタの黒色画像を含む。)等の用途に好適に用いることができる。
<表示装置用着色膜形成用インク>
本発明の表示装置用着色膜形成用インクは、既述の本発明の組成物を用いて調製されるものである。本発明の組成物を用いて構成されるので、インクとしての長期保存時の安定性が高く、色相が良好(特に黒色相が良好)で高い光学濃度を有する。
本発明の表示装置用着色膜形成用インクは、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子、及び少なくとも1つのメルカプト基を有する高分子化合物を含んでなり、場合により、必要に応じて多官応モノマー、光重合開始剤、バインダー、着色剤(好ましくは顔料)など他の成分を用いて構成され、インクの付与後に加熱又は紫外線などのエネルギー線の付与により硬化させ得るものである。
なお、本発明の組成物の詳細については、既述の通りであり、前記成分以外に、インクを構成するのに必要な成分を適宜選択して添加することが可能である。
本発明の表示装置用着色膜形成用インクは、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置の用途に好適であり、表示装置内に設けられる黒色の縁や画素周囲の格子状もしくはストライプ状の黒色の縁部(いわゆるブラックマトリックス)、薄膜トランジスター(TFT)遮光のためのドット状もしくは線状の黒色パターンなどの形成に好適である。
<表示装置用遮光膜>
本発明の表示装置用遮光膜は、既述の本発明の組成物、あるいは既述の本発明の表示装置用着色膜形成用インクを用いて形成されるものである。この遮光膜は、本発明の組成物を用いて構成されるので、製造工程上高温に曝されるような場合など、高温環境での樹脂成分、微粒子の変質に伴なう色味変化が少なく、色相が良好(特に黒色相が良好)で高い光学濃度を有する。
本発明の表示装置用遮光膜は、既述の本発明の熱硬化性もしくは光硬化性を有する組成物を所望の基板に塗布し、乾燥させる方法(塗布法)、又は仮支持体上に既述の本発明の熱硬化性もしくは光硬化性を有する組成物を塗布し、乾燥させて設けられた熱硬化性もしくは光硬化性の遮光性層を有する転写材料を用い、前記遮光性層を所望の基板に転写する方法(転写法)、等を利用して作製することができる。
本発明の表示装置用遮光膜が所望のパターンにパターン化されてなるものである場合、上記の塗布法又は転写法により設けられた熱硬化性もしくは光硬化性の遮光性層をパターニングして形成される。
パターニングする方法としては、露光・現像による方法、レーザーの熱により不要部分を除去する方法(アブレーション法)、基板上に設けられた遮光性層の上に感光性レジスト膜を塗布し、これを露光・現像してパターニングした後、感光性レジスト膜を除去する方法などが挙げられる。本発明では、これらの方法のいずれも使用できるが、下記方法(1)〜(3)は工程の簡便さやパターニングの解像度などの点で好ましい。
(1)基板上に非感光性の組成物を塗布、乾燥して遮光性層を形成し、この遮光性層上にフォトレジストを塗布し、塗布形成されたフォトレジスト膜を露光現像によりパターニングした後、フォトレジスト膜と共にその下層となる遮光性層を溶解除去する方法;
(2)基板上に感光性の組成物を塗布、乾燥して感光性の遮光性層を形成し、形成された感光性の遮光性層を露光、現像(未硬化部分を除去)してパターニングする方法;
(3)仮支持体の上に感光性の組成物を塗布、乾燥して感光性の遮光性層を予め形成して積層体(感光性転写材料)としておき、この積層体を所望の基板上にラミネートした後に仮支持体を除去して感光性の遮光性層を基板に転写した後、基板上に転写形成された感光性の遮光性層を露光、現像(未硬化部分を除去)してパターニングする方法;
上記の方法(1)〜(3)はいずれも、蒸着法やスパッタリング法を用いた従来の方法に比べて簡単な工程で遮光性層を形成することができ、所望のパターンに遮光膜を形成することができる。
〜組成物の付与(塗布等)工程〜
組成物を基板又は仮支持体に付与する方法としては、塗布方法が好適であり、該塗布方法としては特に制限はなく、例えば、特開平5−224011号公報に記載のスピンコート法、特開平9−323472号公報に記載のダイコート法などを用いることができる。
仮支持体に付与する場合、後述するように、仮支持体と組成物からなる遮光性層と必要に応じて熱可塑性樹脂層及び中間層とで構成された転写材料とすることができる。
〜露光・現像工程〜
露光は、公知の光源を用いて所望のパターンにて行なうことができる。光源は、フォトレジスト膜又は感光性の遮光性層の感光性状に応じて選択すればよい。例えば、超高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、アルゴンレーザー等の公知の光源を使用することができる。また、特開平6−59119号公報に記載の、400nm以上の波長の光透過率が2%以下である光学フィルター等を併用してもよい。
露光は、被露光面の全面を1回の露光により露光する一括露光でもよいし、被露光面を分割して複数回に分けて露光する分割露光としてもよい。さらに、レーザーを用いて被露光面をスキャンしながら行なう露光方法を適用してもよい。
露光後の現像は、現像液を用いて行なうことができる。現像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が好適であり、水と混和性の有機溶剤を少量添加したものを用いることもできる。
前記アルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類(例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、又は燐酸三ナトリウム等が適当である。アルカリ性物質の濃度は、0.01〜30質量%が好ましく、pHは8〜14が好ましい。感光性の遮光性層の酸化等の性質に応じて例えば、現像液のpH等を変化させて、膜状脱離による現像が行えるように調整することができる。
前記水と混和性の有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等が適当である。水と混和性の有機溶剤の濃度は、0.1〜30質量%が一般的である。
現像液には、さらに公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤を添加する場合の濃度は、0.01〜10質量%が好ましい。
現像液は、浴液として用いてもよいし、あるいは噴射液として用いるようにしてもよい。感光性の遮光性層等の未硬化部分を固形状(好ましくは膜状)で除去することもでき、この場合には、現像液中で回転ブラシで擦るか、湿潤スポンジで擦るなどの方法、あるいは現像液を噴射した際の噴射圧を利用する方法が好ましい。現像液の温度は、通常室温付近から40℃の範囲が好ましい。
また、現像後に水洗工程を設けることも可能である。
〜加熱その他工程〜
現像後には、加熱処理を行なうことが好ましい。加熱処理により、露光により硬化した感光性の遮光性層の硬化を促進し、耐溶剤性や耐アルカリ性をより高めることができる。加熱方法は、現像後の基板を電気炉、乾燥器等の中に入れて加熱する方法、赤外線ランプで加熱する方法などを適用できる。
本発明の表示装置用遮光膜は、膜強度を高める観点から、現像後に加熱処理を行なって得られた膜であるのが好ましい。加熱処理は、遮光膜の組成、厚みにもよるが、180〜300℃で5〜60分間行なうのが好ましく、200〜270℃で10〜50分間行なうのがより好ましく、200〜250℃で10〜50分間行なうのが特に好ましい。
また、現像後、加熱処理をする前に、硬化促進のために更に露光を行なってもよく、この場合の露光も既述の露光の場合と同様の方法により行なうことができる。
上記以外に更に、感光性の遮光性層の形成する場合には、遮光性層の形成後、パターン状に露光する前に遮光性層の上に更に保護層を設ける工程を設けてもよい。
保護層は、パターン露光時に酸素を遮断して感光性の遮光性層の露光感度を高めるための酸素遮断層として機能するものであり、酸素遮断性の樹脂、例えばポリビニルアルコールを主成分に含む層が好ましい。なお、この層は、遮光膜(遮光画像)形成後は不要であるので、現像により除去される。
本発明の表示装置用遮光膜の厚みは、0.05〜2.0μmが好ましく、0.1〜1.5μmがより好ましい。該厚みが前記範囲内であると、必要な光学濃度を確保して表示コントラストが良好であると共に、基板表面の凹凸(遮光膜の設けられた部分と設けられていない部分の格差)が大きくなりすぎて後工程でRGBの画素をこの上に形成する際に不都合を来すこともない。
本発明の表示装置用遮光膜の透過濃度(光学濃度)としては、3.5以上が好ましく、4.0以上がより好ましく、特に好ましくは4.5以上である。光学濃度が前記範囲内であると、コントラストが高く良好な表示品質を確保することができる。
−基板−
前記基板としては、表示装置に一般に用いられるガラス基板が好ましい。
ガラス基板としては、例えば、ソーダガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス等の公知のガラスを用いたガラス基板が好適である。ガラス基板については、例えば、「液晶ディスプレイ工学入門」(鈴木ハナエ著、日刊工業新聞社発行(1998年))に記載がある。その他の基板として、シリコンウエハやポリオレフィン系などの透明プラスチックも用いることができる。さらに、TFT素子が配されたTFT素子基板を用いることもできる。
前記基板の厚みとしては、0.5〜3mmの範囲が好ましく、0.6〜2mmの範囲がより好ましい。
本発明の表示装置用遮光膜は、表示画像のコントラスト、視認性の観点から、より黒色であることが好ましい。より黒色であることは、遮光膜の色度をxyz表色系の(x,y)値で表すとき、理想的な黒色の目標色度からの色差として評価することができる。すなわち、色差の値が小さいほど理想的な黒色に近づき、遠いほど黒色から外れることになる。具体的には、理想的な黒色の目標色度(x,y)値を(0.33,0.33)としたときの該目標色度との差を、XY表色系のΔE値で表すことにより評価することができる。
<遮光材料>
本発明の遮光材料は、表示装置用遮光膜の形成に用いられる遮光材料であり、支持体上に少なくとも一層の微粒子含有層を有してなり、必要に応じて更に、熱可塑性樹脂層、中間層、及び最表層を覆う保護フィルム等を設けて構成することができる。
本発明に係る微粒子含有層は、(好ましくはアスペクト比が2〜100の)金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子と、少なくとも1つのメルカプト基を有する高分子化合物とを少なくとも含み、好ましくは多官能モノマー及び光重合開始剤を更に含んで光硬化性に構成される。また、必要に応じて更に、バインダー、着色剤(より好ましくは黒色の着色剤)など他の成分を用いて構成することができる。
なお、微粒子含有層において、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子、及びメルカプト基を有する高分子化合物、並びに多官能モノマー、光重合開始剤、バインダー、着色剤など他の成分の詳細については、既述の本発明の組成物の場合と同様であり、好ましい態様も同様である。
本発明の遮光材料は、支持体上に設けられた微粒子含有層が被転写体への転写が可能なように構成された転写材料であることが好ましい。
以下、感光性の遮光性層が設けられた感光性転写材料を例に詳細に説明する。但し、本発明においては、これに限定されるものではない。
本発明の遮光材料は、既述の表示装置用遮光膜の形成に好適な方法の一つとして挙げた方法(3)に好適な感光性転写材料に構成されるのが好ましい。この感光性転写材料は、仮支持体と、該仮支持体に直接もしくは他の層を介して本発明の感光性を持つ組成物を塗布、乾燥させて形成された感光性の遮光性層とで構成することができる。
感光性の遮光性層の層厚としては、0.05〜2.0μmが好ましく、0.1〜1.5μmがより好ましい。該厚みが前記範囲内であると、必要な光学濃度を確保して表示コントラストが良好であると共に、基板表面の凹凸(遮光膜の設けられた部分と設けられていない部分の格差)が大きくなりすぎて後工程でRGBの画素をこの上に形成する際に不都合を来すこともない。
感光性転写材料には、仮支持体と感光性の遮光性層との間に熱可塑性樹脂層を設けた形態が好ましく、更に熱可塑性樹脂層と感光性の遮光性層との間にアルカリ可溶性の中間層を設けた形態がより好ましい。また、感光性の遮光性層の露出面には保護フィルムを設けてもよい。
仮支持体は、化学的及び熱的に安定であって、可撓性の物質で構成されたものが好ましい。具体的には、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄いシート又はこれらの積層物が好ましい。また、後述の熱可塑性樹脂層を設ける場合には、該層との剥離性が良好なものが好ましい。 仮支持体の厚さとしては、5〜300μmが適当であり、特に20〜150μmが好ましい。
本発明の遮光材料が、微粒子含有層の転写が可能な転写材料以外の形態で構成される場合は、前記仮支持体を既述の基板に代えて構成することができる。この場合には、基板上に所望のパターンよりなる遮光画像(ブラックマトリクスを含む。)を形成することができ、該遮光画像が形成された基板をそのまま表示装置を構成する基板として用いることができる。
−熱可塑性樹脂層−
熱可塑性樹脂層は、熱可塑性を有する樹脂を少なくとも含んでなり、一般には溶剤を用いて調製された熱可塑性樹脂含有の調製液を用いて形成することができる。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ゴム系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、及びこれらの共重合体等を挙げることができる。熱可塑性樹脂層を構成する樹脂は、アルカリ可溶であることが望ましい。
また、熱可塑性樹脂層を構成する樹脂として、特開2004−317897号公報の段落番号[0046]〜[0048]に記載のものを使用できる。
熱可塑性樹脂層の厚みは、6μm以上が好ましい。熱可塑性樹脂の厚みが前記範囲内であると、1μm以上の被転写体(下地)面の凹凸を完全に吸収することが可能である。また、上限については、アルカリ水溶液除去性、製造適性から約100μm以下が好ましく、より好ましくは約50μm以下である。
熱可塑性樹脂層を形成するための熱可塑性樹脂含有の調製液は、この層を構成する樹脂を溶解し得るものであれば特に制限はなく、例えば、メチルエチルケトン、n−プロパノール、i−プロパノール等を選択することができる。
−中間層−
前記熱可塑性樹脂層を設ける場合、熱可塑性樹脂層と感光性の遮光性層との間には、調製液塗布時の両層の層混合を防止する、あるいは酸素遮断の目的で、さらに中間層を設けることが好ましい。
中間層は、少なくとも樹脂を用いて構成でき、一般には熱可塑性樹脂層や感光性の遮光性層の形成に用いる溶剤と相溶性の小さい水系溶媒を用いて調製された樹脂含有の調製液を用いて形成することができる。
中間層を構成する樹脂としては、アルカリ可溶のものが好ましく、樹脂の例として、特開2004−317897号公報の段落番号[0050]に記載のものが挙げられる。
中間層の厚みは、0.1〜5μmの範囲が好ましく、0.5〜3μmの範囲がより好ましい。中間層の厚みが前記範囲内であると、酸素遮断性に優れると共に、現像時の中間層除去を短時間に行なうことができる。
感光性転写材料を構成する微粒子含有層は、アスペクト比が2〜100の金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子を、メルカプト基を有する高分子化合物(並びに好ましくは多官能モノマー及び光重合開始剤)と共に(好ましくは溶剤を用いて)調製された調製液を例えば塗布等して形成されるので、薄膜でかつ高温環境での樹脂成分、微粒子の変質に伴なう色味変化が少なく、分散時の分散性及び分散後の分散安定性に優れており、色相が良好で高い光学濃度を有する。
次に、感光性転写材料を用いて微粒子含有層を基板に転写形成する方法を中心に述べる。転写は、最表層である微粒子含有層の表面と基板表面とを密着させてラミネートし、仮支持体を剥離して転写する方法が好ましい。
前記ラミネートの方法としては、従来公知のラミネーター、真空ラミネーターなどを用いることができる。また、摩擦性を高めるため、オートカットラミネーターを使用することもできる。
ラミネートの際の加熱温度は、60〜150℃程度が好ましく、加圧圧力は0.2〜20kg/cm程度が好ましい。本発明では、ラミネートは基板のライン速度が0.05〜10m/分程度である範囲で行なうことが好ましい。
感光性転写材料を用いて表示装置用遮光膜を形成する場合、感光性転写材料と基板とのラミネーションの後、仮支持体を剥離し、露光、現像を順次行ない、露光及び現像後にさらに加熱処理を施すことが好ましい。露光と現像、及び加熱処理条件については既述の方法を適用することができる。
<遮光膜付き基板>
本発明の遮光膜付き基板は、基板上に、既述の本発明の組成物、既述の本発明の表示装置用着色膜形成用インク、又は既述の本発明の遮光材料を用いて遮光膜を形成して構成されたものである。
遮光膜の形成は、既述の表示装置用遮光膜を形成するのに好適な方法(1)〜(3)により行なえ、方法(3)によるのがより好ましい。
なお、組成物、表示装置用着色膜形成用インク、及び遮光材料を構成する各成分は、既述の通りであり、好ましい態様も同様である。また、遮光膜の厚み、透過濃度(光学濃度)については、既述の表示装置用遮光膜における場合と同様である。
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、光透過性の基板上に、互いに異なる色相を呈する複数の画素を含む画素群と、画素群を構成する各画素を離隔する遮光画像(いわゆるブラックマトリックス)として、既述の本発明の表示装置用遮光膜とを設けて構成されたものである。
光透過性の基板としては、既述した基板、TFT素子等が設けられた駆動基板(TFT素子基板等)などを用いることができる。
本発明のカラーフィルタは、既述の本発明の表示装置用遮光膜を設けてなり、該表示装置用遮光膜は既述の本発明の組成物、あるいは既述の本発明の表示装置用着色膜形成用インクを用いて形成されるので、かかる遮光膜は、製造工程上高温に曝されるような場合など、高温環境での樹脂成分、微粒子の変質に伴なう色味変化が少なく、色相が良好で高い光学濃度を有しており、表示画像のコントラスト及び配線の遮蔽性に優れる。
TFT素子基板を用いて構成する場合には、TFT素子基板上に、画素群とこれを構成する各画素を離隔する表示装置用遮光膜とを設けた構成であってもよい。
上記のほか、本発明のカラーフィルタは、TFT素子基板を用い、TFT素子基板の上に、画素群を設けずに、表示装置用遮光膜(ブラックマトリックス)のみを設けた構成であってもよい。この場合は、このTFT素子基板とは別の光透過性の基板上に画素群を形成し、画素群が形成された基板を前記TFT素子基板に対向配置して用いる。これにより、TFTアレイの開口率が良好となる。
画素群は、互いに異なる色相を呈する複数の画素を含んでなり、画素形成用の着色感光性樹脂組成物や感光性転写材料の複数種を用いた常法により形成することができる。画素群を形成した後は、熱処理を行なうことが好ましい。
着色感光性樹脂組成物、感光性転写材料については、例えば、特開2005−3861号公報や、特開2004−361448号公報、特開2004−205731公報等を参照できる。
<液晶表示素子、液晶表示装置>
本発明の液晶表示素子は、既述の本発明の遮光膜付き基板を用いて構成されたものである。本発明の遮光膜付き基板、詳細には、既述した本発明の組成物、表示装置用着色膜形成用インク、又は遮光材料を用いてなる遮光膜で構成されるので、高温環境に曝されることに伴なう色味変化が少なく、色相が良好で高い光学濃度を有しており、表示画像のコントラストが高く、良好な表示品質の画像表示が可能である。
液晶表示素子は、本発明の遮光膜付き基板を備えた液晶表示素子であれば、特に限定されるものではなく、公知の液晶表示素子の構成要素を更に用いて構成することができる。例えば、カラーフィルタ基板及びこれと対向配置された光透過性の基板と、これら基板間に設けられた液晶層と、液晶層の液晶を駆動する液晶駆動手段(単純マトリックス駆動方式及びアクティブマトリックス駆動方式を含む。)とを備え、カラーフィルタ基板として既述の本発明のカラーフィルタを用いた構成とすることができる。
本発明の液晶表示装置は、本発明の液晶表示素子を用いて構成されたものである。本発明の液晶表示素子、詳細には、既述した本発明の遮光膜付き基板(本発明の組成物、表示装置用着色膜形成用インク、又は遮光材料)を用いて構成されるので、高温環境に曝されることに伴なう色味変化が少なく、色相が良好で高い光学濃度を有しており、表示画像のコントラストが高く、良好な表示品質の画像表示が可能である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<高分子分散剤の合成>
−ポリマー1の合成例−
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)〔PEMP;堺化学工業(株)製〕1.22部、及び末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート(AA−6、東亞合成(株)製)30.0部をメチルエチルケトン46.8部に溶解させ、窒素気流下、80℃で加熱した。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.03部を加えて更に窒素気流下で80℃で2時間加熱し、室温まで冷却した後、メチルエチルケトン78.1部を加えることで、以下に示すポリマー1の20%溶液(重量平均分子量18000;本発明に係る高分子分散剤)を得た。
−ポリマー2の合成例−
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)〔PEMP;堺化学工業(株)製〕0.81部、及び末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート(AA−6、東亞合成(株)製)30.0部をメチルエチルケトン46.2部に溶解させ、窒素気流下、80℃で加熱した。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.03部を加えて更に窒素気流下で80℃で2時間加熱し、室温まで冷却した後、メチルエチルケトン77.0部を加えることで、以下に示すポリマー2の20%溶液(重量平均分子量21000;本発明に係る高分子分散剤)を得た。
−ポリマー3の合成−
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)〔PEMP;堺化学工業(株)製〕6.58部、及びメトキシポリエチレングリコール#1000メタクリレート(NKエステル M−230G、新中村化学工業(株)製)30.0部をメチルエチルケトン54.9部に溶解させ、窒素気流下、80℃で加熱した。2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.06部を加えて更に窒素気流下、80℃で2時間加熱し、室温まで冷却した後、メチルエチルケトン91.5部を加えることで、以下に示すポリマー3の20%溶液(重量平均分子量2200;本発明に係る高分子分散剤)を得た。
−ポリマー4の合成例−
ジペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)〔DPMP;堺化学工業(株)製〕1.31部、及び末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート(AA−6、東亞合成(株)製)30.0部をメチルエチルケトン47.0部に溶解させ、窒素気流下、80℃で加熱した。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.03部を加えて更に窒素気流下で80℃で2時間加熱し、室温まで冷却した後、メチルエチルケトン78.3部を加えることで、以下に示すポリマー4の20%溶液(重量平均分子量21000;本発明に係る高分子分散剤)を得た。
(実施例1)
<銀微粒子組成物の調製>
まず、Mater.Chem.Phys.2004,84,p.197−204に記載の微粒子の調製方法にしたがって、銀塩還元時のpH、反応温度を変化させることにより、各種アスペクト比を持つロッド状銀微粒子の分散液を調製し、得られた分散液に遠心分離処理(回転数10000r.p.m.,20分間)を施した後、上澄み液を捨て適宜濃縮を行なって、ロッド状銀微粒子を得た。
上記より得たロッド状銀微粒子のうち、平均アスペクト比が54.7のロッド状銀微粒子20.0部と、上記より得たポリマー1の20%溶液20.0部と、メチルエチルケトン80.0部とを混合し、超音波分散機(Ultrasonic generator model US−6000 ccvp、(株)ニッセイ製)を用いて分散し、銀微粒子組成物を調製した。
(評価1)
−1.銀微粒子分散性の評価−
銀微粒子組成物を25℃にて3日間放置した後、目視により銀微粒子の分散性を下記の評価基準にしたがって評価した。評価結果は下記表1に示す。
〈評価基準〉
A:銀微粒子が沈降することなく均一に分散されていた。
B:銀微粒子が一部沈降していた。
C:銀微粒子が完全に沈降していた。
<遮光画像形成用塗布液の調製>
下記組成の各成分を混合し、遮光画像形成用塗布液(黒色材料用の微粒子含有組成物)を調製した。
〈黒色材料用の微粒子含有組成物の組成〉
・上記の銀微粒子組成物(アスペクト比=54.7) … 180部
・フッ素系界面活性剤 … 1.68部
(商品名:F780F、大日本インキ化学工業(株)製)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート … 6.27部
(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)
・ビス[4−[N−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート … 0.6部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 3.35部
(=73/27[モル比]、重量平均分子量30,000)
・アセトン …1500部
<遮光画像の形成>
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。洗浄後の基板を120℃で3分間熱処理し、表面状態を安定化させた。続いて、この基板を冷却して23℃に温調した後、スリット状ノズルを有するガラス基板用コーター(商品名:MH−1600、エフ・エー・エス・ジャパン社製)を用いて、上記の遮光画像形成用塗布液を塗布した(塗布工程)。
引き続き、真空乾燥装置VCD(東京応化工業(株)製)により30秒間、溶媒の一部を乾燥させて塗布膜の流動性をなくした後、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、120℃下で3分間プリベークを行ない、層厚0.5μmの遮光層を形成した。
次に、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング(株)製)を用い、マスク(格子状の画像パターンを有する石英露光マスク)と遮光層が設けられた無アルカリガラス基板とを垂直に立てた状態で、マスク面と遮光層の表面との間の距離を100μmに設定し、露光量200mJ/cmでパターン露光した(露光工程)。
次に、純粋をシャワーノズルから噴霧し、遮光層の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製;KOH及びノニオン界面活性剤含有アルカリ現像液)を純水で100倍に薄めたものを、フラットノズルから23℃、ノズル圧力0.04MPaにて80秒間噴射してシャワー現像し、黒色パターンを得た(現像工程)。続いて、無アルカリガラス基板の黒色パターンが形成された側に超純水を超高圧洗浄ノズルにより9.8MPaの圧力で噴射して残渣を除去し、無アルカリガラス基板上にブラック(K)画像を形成した。その後、これを220℃で40分間熱処理(ベーク)し(ベーク工程)、遮光画像を得た。
<カラーフィルタの作製>
引き続き、遮光画像が形成された無アルカリガラス基板(以下、「カラーフィルタ基板」と称する。)を用い、このカラーフィルタ基板に、特開2004−347831号公報の段落番号[0075]〜[0086]に記載の感光性樹脂を用いて同様にして、所定サイズ、形状よりなる赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の着色パターン(着色画素)を形成し、カラーフィルタを作製した。
<液晶表示素子及び液晶表示装置の作製>
上記で得たカラーフィルタを用いて、以下に示すようにして、液晶表示素子を作製すると共に、さらに液晶表示装置を作製した。
まず、得られたカラーフィルタのRGBのパターンに対応させるようにして、別に用意したガラス基板上に、薄膜トランジスタ(TFT)と画素電極とを形成すると共に、配向膜を設けてアクティブマトリックス基板を作製した。次いで、上記で得たカラーフィルタの上に更にITO膜と配向膜とを形成し、対向基板とした。得られたアクティブマトリクス基板と対向電極とを所定の間隔(いわゆるセル厚)が形成されるようにして対向配置し、両基板間にTN液晶を封入してシール剤を介して貼り合わせ、液晶表示素子を得た。そして、得られた液晶表示素子の両基板の表面に偏光板をクロスニコルにて配置し、更にアクティブマトリックス基板側にバックライトを配設して、液晶表示装置とした。
(実施例2)
実施例1において、ポリマー1の20%溶液をポリマー2の20%溶液に代えたこと以外、実施例1と同様にして、銀微粒子組成物を調製し、評価1を行なうと共に、遮光画像を得た。評価1の結果を下記表1に示す。そして、得られた遮光画像を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルタ並びに液晶表示素子、液晶表示装置を作製した。
(実施例3)
実施例1において、ポリマー1の20%溶液をポリマー3の20%溶液に代えたこと以外、実施例1と同様にして、銀微粒子組成物を調製し、評価1を行なうと共に、遮光画像を得た。評価1の結果は下記表1に示す。そして、得られた遮光画像を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルタ並びに液晶表示素子、液晶表示装置を作製した。
(実施例4)
実施例1において、ポリマー1の20%溶液をポリマー4の20%溶液に代えたこと以外、実施例1と同様にして、銀微粒子組成物を調製し、評価1を行なうと共に、遮光画像を得た。評価1の結果は下記表1に示す。そして、得られた遮光画像を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルタ並びに液晶表示素子、液晶表示装置を作製した。
(実施例5〜8)
実施例1において、ロッド状銀微粒子の平均アスペクト比を54.7から3.2(実施例5)、12.2(実施例6)、78.4(実施例7)、又は1.3(実施例8)にそれぞれ代えたこと以外、実施例1と同様にして、銀微粒子組成物を調製し、評価1を行なうと共に、遮光画像を得た。評価1の結果は下記表1に示す。そして、得られた遮光画像を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルタ並びに液晶表示素子、液晶表示装置を作製した。
(実施例9)
<転写材料の作成>
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート仮支持体(PET仮支持体)の表面に、スリット状ノズルを用いて、乾燥厚みが5μmになるように下記の処方H1で調製された熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布し、100℃で3分間乾燥させ、熱可塑性樹脂層を形成した。この熱可塑性樹脂層上に、下記処方P1で調製された中間層用塗布液をスリットコーターを用いて乾燥膜厚が1.5μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥させて、中間層(酸素遮断膜)を積層した。この中間層上に、実施例1で調製した遮光画像形成用塗布液を、乾燥膜厚が0.5μmとなるようにスリットコーターを用いて塗布し、100℃で3分間乾燥させて感光性遮光層(金属黒色層)を形成した。
以上のようにして、PET仮支持体上に熱可塑性樹脂層、中間層、及び感光性遮光層が順次積層されたフィルムを作製し、更に遮光層の上に保護フィルムとして、厚さ12μmのポリプロピレンフィルムを圧着して、感光性転写材料とした。
〈熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H1〉
・メタノール …11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 6.36部
・メチルエチルケトン …52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合比[モル比]=55/11.7/4.5/28.8、重量平均分子量=9万、Tg≒70℃) … 5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合比[モル比]=63/37、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃) …13.6部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン
(新中村化学工業(株)製;ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリートを2当量脱水縮合した化合物) … 9.1部
・フッ素系界面活性剤 … 0.54部
(商品名:F780F、大日本インキ化学工業(株)製)
〈中間層用塗布液の処方P1〉
・PVA−205 … 32.2部
(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550)
・ポリビニルピロリドン … 14.9部
(K−30、アイ・エス・ピー・ジャパン(株)製)
・蒸留水 …524部
・メタノール …429部
<転写による遮光画像付き基板の作製(転写法)>
無アルカリガラス基板にガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水でシャワー洗浄した後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランの0.3%水溶液;商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、その後、純水でシャワー洗浄した。さらに、この基板を基板予備加熱装置を用いて100℃下で2分間加熱した。
続いて、上記より得た感光性転写材料の保護フィルムを剥離後、露出した感光性遮光層が、加熱後のガラス基板の表面と接するように重ね合わせ、ラミネーターLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、ゴムローラ温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分の条件で貼り合わせた(ラミネート)。次いで、PET仮支持体を剥離した(転写工程)。
続いて、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング社製)を用い、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と、該マスクと熱可塑性樹脂層とが向き合うように配置したガラス基板とを略平行に垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層の中間層に接する側の表面との間の距離を100μmに設定し、マスクを介して熱可塑性樹脂層側から露光量70mJ/cm 2 でパターン露光した(露光工程)。
露光後、トリエタノールアミン系現像液T−PD1(2.5%のトリエタノールアミン、ノニオン界面活性剤、及びポリプロピレン系消泡剤含有、富士写真フイルム(株)製)をフラットノズルから30℃、ノズル圧力0.04MPaにて、熱可塑性樹脂層上から50秒間噴射してシャワー現像を行ない、熱可塑性樹脂層及び中間層を現像除去した。引き続き、純水をシャワーノズルにて噴霧して、感光性遮光層の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製;KOH及びノニオン界面活性剤含有アルカリ現像液)を純水で100倍に薄めたものを、フラットノズルから23℃、ノズル圧力0.04MPaにて80秒間噴射してシャワー現像し(現像工程)、パターン像を得た。続いて、超純水を超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行ない、更に220℃で40分間加熱処理(ベーク工程)を施し、遮光画像を得た。
(比較例1)
実施例1において、ポリマー1を用いなかったこと以外、実施例1と同様にして、銀微粒子組成物を調製し、評価1を行なうと共に、遮光画像を得た。評価1の結果は下記表1に示す。そして、得られた遮光画像を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルタ並びに液晶表示素子、液晶表示装置を作製した。
(比較例2)
実施例1において、ポリマー1をポリメチルメタクリレート(重量平均分子量:3万)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、銀微粒子組成物を調製し、評価1を行なうと共に、遮光画像を得た。評価1の結果は下記表1に示す。そして、得られた遮光画像を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルタ並びに液晶表示素子、液晶表示装置を作製した。
(比較例3)
実施例1において、ポリマー1をポリエチレンオキシド(重量平均分子量1000)に代えたこと以外、実施例1と同様にして、銀微粒子組成物を調製し、評価1を行なうと共に、遮光画像を得た。評価1の結果は下記表1に示す。そして、得られた遮光画像を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルタ並びに液晶表示素子、液晶表示装置を作製した。
(評価2)
−2.色相の評価−
各実施例及び比較例で得られた遮光画像の色度を、顕微分光光度計OSP100(オリンパス光学(株)製を用いて、ピンホール径5μmにて測定し、F10光源視野2度の結果として計算した。そして、理想的な黒色をx=0.33、y=0.33とし、得られた値(x,y値)との色差ΔEを算出して、色相を評価する指標とした。なお、色差ΔEの値が小さい方が黒の色相が良好であることを示す。評価結果は下記表1に示す。
−3.透過濃度の評価−
各実施例及び比較例で得られた遮光画像(膜)の透過濃度(OD)を、マクベス濃度計(TD−904、マクベス社製)を用いて測定した。その際、ガラス基板の光学濃度分は補正した。評価結果は下記表1に示す。
前記表1に示すように、特定のメルカプト基含有高分子化合物を用いた実施例では、金属微粒子の分散安定性に優れており、形成された遮光画像は透過濃度が高く、加熱処理が施された後でも色差が小さく抑えられ、良好な色相の黒色像を得ることができた。特にアスペクト比が2〜100の銀微粒子を用いて膜を構成した場合に、透過濃度が高く、加熱処理が施された後の色差が小さく、色相に優れていた。
これに対し、メルカプト基を有する高分子化合物を用いない構成とした比較例では、分散安定性が不充分であり、銀粒子が凝集を起こして遮光画像を得ることはできなかった。
(評価3)
−4.着色画素の評価−
実施例1〜9及び比較例1〜3で得られた各カラーフィルタについて、着色パターンを顕微鏡観察により評価した。その結果、実施例のカラーフィルタはいずれも、比較例のカラーフィルタに比し、各着色画素に欠陥がなく、パターンは精細に構成されていた。
(評価4)
−5.画質の評価−
実施例1〜及び比較例1〜3で得られた各液晶表示装置を用いて画像表示し、表示画像の品質を目視により評価した。その結果、実施例の液晶表示装置はいずれも、比較例の液晶表示装置に比し、高コントラストで鮮やかな画像表示が可能であり、良好な表示特性を示すことを確認した。

Claims (20)

  1. 少なくとも、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子である着色剤と、少なくとも1つのメルカプト基を有し、重量平均分子量が1000〜200000の高分子化合物である分散剤とを含有する着色組成物であって、
    前記高分子化合物が下記一般式(2)で表されることを特徴とする着色組成物。

    〔式中、Rは、単結合又は、非金属原子からなる2〜10価の有機連結基を表し、Rは、単結合又は、非金属原子からなる2価の有機連結基を表す。m及びnは各々独立に1〜9(ただし、m+n≦10)を表し、Polyは高分子骨格を表す。〕
  2. 前記高分子化合物は、一分子中に2〜10個のメルカプト基を有する化合物の、末端に炭素−炭素二重結合を有するポリマーへの付加反応生成物である請求項1に記載の着色組成物。
  3. 前記Polyで表される高分子骨格が、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物もしくは共重合体より選ばれる少なくとも一種である請求項1又は請求項2に記載の着色組成物。
  4. 前記nが、2以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の着色組成物。
  5. バインダーを更に含有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の着色組成物。
  6. 前記金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子は、アスペクト比が2〜100である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の着色組成物。
  7. 多官能モノマーを更に含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の着色組成物。
  8. 光重合開始剤を更に含有する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の着色組成物。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の着色組成物を用いてなることを特徴とする表示装置用着色膜形成用インク。
  10. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の着色組成物又は請求項9に記載の表示装置用着色膜形成用インクを用いてなることを特徴とする表示装置用遮光膜。
  11. 表示装置用遮光膜の形成に用いられる遮光材料であって、
    支持体上に、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子である着色剤と、少なくとも1つのメルカプト基を有し、重量平均分子量が1000〜200000の高分子化合物である分散剤とを少なくとも含有する微粒子含有層を少なくとも1層有し、
    前記高分子化合物が下記一般式(2)で表されることを特徴とする遮光材料。

    〔式中、Rは、単結合又は、非金属原子からなる2〜10価の有機連結基を表し、Rは、単結合又は、非金属原子からなる2価の有機連結基を表す。m及びnは各々独立に1〜9(ただし、m+n≦10)を表し、Polyは高分子骨格を表す。〕
  12. 前記金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子は、アスペクト比が2〜100である請求項11に記載の遮光材料。
  13. 多官能モノマーを更に含有する請求項11又は請求項12に記載の遮光材料。
  14. 光重合開始剤を更に含有する請求項11〜請求項13のいずれか1項に記載の遮光材料。
  15. 前記微粒子含有層が、被転写体への転写が可能な層である請求項11〜請求項14のいずれか1項に記載の遮光材料。
  16. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の着色組成物、請求項9に記載の表示装置用着色膜形成用インク、又は請求項11〜請求項15のいずれか1項に記載の遮光材料を用いてなる遮光膜を有することを特徴とする遮光膜付き基板。
  17. 光透過性の基板上に、互いに異なる色相を呈する複数の画素を含む画素群と、前記画素群を構成する各画素を離隔する遮光画像とを有するカラーフィルタにおいて、前記遮光画像が、請求項10に記載の表示装置用遮光膜であることを特徴とするカラーフィルタ。
  18. 請求項16に記載の遮光膜付き基板を備えたことを特徴とするカラーフィルタ。
  19. 請求項16に記載の遮光膜付き基板を備えたことを特徴とする液晶表示素子。
  20. 請求項19に記載の液晶表示素子を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
JP2005305027A 2005-10-19 2005-10-19 組成物、表示装置用着色膜形成用インク、表示装置用遮光膜、遮光材料、遮光膜付き基板、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び液晶表示装置 Expired - Fee Related JP5258155B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005305027A JP5258155B2 (ja) 2005-10-19 2005-10-19 組成物、表示装置用着色膜形成用インク、表示装置用遮光膜、遮光材料、遮光膜付き基板、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005305027A JP5258155B2 (ja) 2005-10-19 2005-10-19 組成物、表示装置用着色膜形成用インク、表示装置用遮光膜、遮光材料、遮光膜付き基板、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び液晶表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007112884A JP2007112884A (ja) 2007-05-10
JP5258155B2 true JP5258155B2 (ja) 2013-08-07

Family

ID=38095373

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005305027A Expired - Fee Related JP5258155B2 (ja) 2005-10-19 2005-10-19 組成物、表示装置用着色膜形成用インク、表示装置用遮光膜、遮光材料、遮光膜付き基板、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5258155B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11041088B2 (en) 2017-09-04 2021-06-22 Samsung Display Co., Ltd. Ink blocking layer for display device and manufacturing method thereof

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5293934B2 (ja) 2007-06-13 2013-09-18 Jsr株式会社 着色層形成用感放射線性組成物、カラーフィルタおよびカラー液晶表示素子
JP4959495B2 (ja) * 2007-09-27 2012-06-20 富士フイルム株式会社 着色硬化性組成物、それを用いた着色パターン、及び、カラーフィルタ
JP2010001437A (ja) * 2008-06-23 2010-01-07 Fujifilm Corp インク組成物、インクジェット記録方法、および印刷物
JP5526827B2 (ja) * 2010-02-03 2014-06-18 大日本印刷株式会社 着色インキ組成物およびそれを用いた視認性向上シート
JP5909468B2 (ja) * 2012-08-31 2016-04-26 富士フイルム株式会社 分散組成物、これを用いた硬化性組成物、透明膜、マイクロレンズ、及び固体撮像素子
CN116694127B (zh) * 2023-06-28 2024-05-28 淮安晶浩新材料科技有限公司 一种高附着力的发热画油墨及其制备工艺

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04136801A (ja) * 1990-09-27 1992-05-11 Sanyo Chem Ind Ltd カラーフィルター用表面保護材料
JPH04151603A (ja) * 1990-10-15 1992-05-25 Sanyo Chem Ind Ltd カラーフィルター用表面保護材料
JP3495557B2 (ja) * 1997-05-19 2004-02-09 ペンタックス株式会社 カラーフィルタ用感光性組成物、感光性フィルム及びカラーフィルタの製造方法
JP2000063404A (ja) * 1998-08-25 2000-02-29 Mitsubishi Chemicals Corp 光重合性組成物の製造方法
JP4518220B2 (ja) * 2000-01-17 2010-08-04 独立行政法人科学技術振興機構 ポリエチレングリコール化金属超微粒子
JP2002121412A (ja) * 2000-10-17 2002-04-23 Nippon Shokubai Co Ltd 銅フタロシアニン系改質顔料およびその製造方法
JP2002273191A (ja) * 2001-03-21 2002-09-24 Dainippon Printing Co Ltd 顔料分散剤および感光性着色組成物
JP2003222717A (ja) * 2002-01-29 2003-08-08 Nippon Shokubai Co Ltd カラーフィルタ用感光性樹脂組成物およびカラーフィルタ
JP2003255121A (ja) * 2002-02-28 2003-09-10 Toppan Printing Co Ltd カラーフィルタの製造方法およびカラーフィルタ
JP2004151313A (ja) * 2002-10-30 2004-05-27 Toppan Forms Co Ltd 金属ナノコロイド微粒子を含有するカラーフィルター
JP2004212773A (ja) * 2003-01-07 2004-07-29 Mitsubishi Electric Corp 液晶表示装置およびコロイド溶液
JP2004325733A (ja) * 2003-04-24 2004-11-18 Toppan Printing Co Ltd ブラックマトリックス用レジスト組成物
JP4401112B2 (ja) * 2003-06-23 2010-01-20 富士フイルム株式会社 ブラックマトリックス作製用着色組成物および感光性転写材料、ブラックマトリックス、並びに、カラーフィルター
JP5030386B2 (ja) * 2005-03-03 2012-09-19 富士フイルム株式会社 表示装置用遮光膜、黒色材料用微粒子含有組成物、材料、遮光膜付き基板、カラーフィルタ、液晶表示素子、液晶表示装置、及び表示装置
JP5057663B2 (ja) * 2005-10-19 2012-10-24 富士フイルム株式会社 形状異方性金属微粒子の製造方法、着色組成物、感光性転写材料、黒色画像付き基板、カラーフィルター、並びに液晶表示素子

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11041088B2 (en) 2017-09-04 2021-06-22 Samsung Display Co., Ltd. Ink blocking layer for display device and manufacturing method thereof
US11618834B2 (en) 2017-09-04 2023-04-04 Samsung Display Co., Ltd. Ink blocking layer for display device and manufacturing method thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007112884A (ja) 2007-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101802093B1 (ko) 착색 조성물, 컬러 필터 및 컬러 액정 표시 소자
JP5030386B2 (ja) 表示装置用遮光膜、黒色材料用微粒子含有組成物、材料、遮光膜付き基板、カラーフィルタ、液晶表示素子、液晶表示装置、及び表示装置
JP5258155B2 (ja) 組成物、表示装置用着色膜形成用インク、表示装置用遮光膜、遮光材料、遮光膜付き基板、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び液晶表示装置
JP4837297B2 (ja) 遮光画像付き基板及び遮光画像の形成方法、転写材料、カラーフィルター、並びに表示装置
JP5110223B2 (ja) 顔料分散液、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置
JP5924089B2 (ja) 感放射線性着色組成物、カラーフィルタ及び表示素子
TWI688611B (zh) 著色劑分散液及其製造方法、著色組成物及其製造方法、著色固化膜、顯示元件以及固體攝像元件
JP4712516B2 (ja) 微粒子含有組成物、表示装置用着色膜形成用インク、表示装置用遮光膜、遮光材料、遮光膜付き基板、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び液晶表示装置
JP2007114723A (ja) 着色層形成用感放射線性組成物およびカラーフィルタ
JP2008051934A (ja) 感光性組成物及びそれを用いた感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその製造方法、遮光膜付基板並びに表示装置
JP5110222B2 (ja) 顔料分散液、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置
WO2007046371A1 (ja) 金属微粒子分散物の製造方法、金属微粒子分散物、並びに、これを用いた着色組成物、感光性転写材料、遮光画像付き基板、カラーフィルターおよび液晶表示装置
JP6303936B2 (ja) 着色組成物、着色硬化膜及び表示素子
JP6481479B2 (ja) 着色剤、硬化性組成物、硬化膜、並びに表示素子及び固体撮像素子
WO2017209002A1 (ja) 感光性樹脂組成物、転写フィルム、パターンの製造方法、加飾パターン、及びタッチパネル
WO2006093245A1 (en) Resin compositon for recording material
JP5942365B2 (ja) カラーフィルタ用顔料分散液、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置
JP2007246723A (ja) 着色組成物、並びにこれを用いた転写材料、表示装置用遮光画像、遮光画像付き基板、および液晶表示装置
JP2006208796A (ja) 着色感光性樹脂組成物、着色感光性樹脂膜、感光性樹脂転写材料、遮光膜及びその形成方法、感光性樹脂層の形成方法、カラーフィルター、並びに画像表示装置
JP2008248117A (ja) 微粒子含有組成物の製造方法、表示装置用着色膜形成用インク、表示装置用遮光膜、遮光材料、遮光膜付き基板、カラーフィルタ、液晶表示素子、及び液晶表示装置
JP2006241329A (ja) 黒色材料用微粒子含有組成物、材料、遮光膜、遮光膜付き基板、カラーフィルタ、液晶表示素子、液晶表示装置、表示装置、及び遮光膜の形成方法
JP2008145790A (ja) 感光性組成物及びそれを用いた感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその形成方法、ブラックマトリクス、遮光膜付基板並びに表示装置
JP2007186777A (ja) 金属微粒子分散物及びその製造方法、並びに着色組成物、感光性転写材料、遮光画像付き基板、カラーフィルター、液晶表示装置
JP2003215322A (ja) カラーフィルター用電離放射線硬化性樹脂組成物、カラーフィルター及び液晶パネル
TWI443384B (zh) 顯示裝置用遮光膜、含黑色材料用微粒子之組成物、轉印材料、附遮光膜之基板、彩色濾光片、液晶顯示元件、液晶顯示裝置、及顯示裝置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070207

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080707

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130423

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5258155

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees