JPH09316098A - 修飾カルシトニン類似体 - Google Patents

修飾カルシトニン類似体

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JPH09316098A
JPH09316098A JP13719196A JP13719196A JPH09316098A JP H09316098 A JPH09316098 A JP H09316098A JP 13719196 A JP13719196 A JP 13719196A JP 13719196 A JP13719196 A JP 13719196A JP H09316098 A JPH09316098 A JP H09316098A
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JP
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calcitonin
amino acid
analog
group
peptide
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JP13719196A
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Jun Sasaki
潤 佐々木
Masataka Ooba
優孝 大場
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カルシトニンとしての生理活性を保持し、かつ
製造が容易なカルシトニン類似体を提供する。 【構成】カルシトニンまたはその類縁体の1番目から2
0〜32番目までのアミノ酸配列を有し、かつカルボキ
シル末端がアルキルアミド化またはアルキルエステル化
されている修飾ペプチド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルキル鎖で修飾さ
れたカルシトニン類似体に関する。
【0002】
【従来の技術】既知の天然型カルシトニンは鰻、鮭、
鶏、豚、ヒト、ウシ、羊、ラット等の由来のものが知ら
れており、すべて32個のアミノ酸により構成されてい
る。本明細書ではヒトや動物が本来有しているカルシト
ニンを天然型カルシトニンという。
【0003】一方、天然型カルシトニンの1以上のアミ
ノ酸残基を、付加、欠失、置換させた配列を有し、カル
シトニンと同様の生理活性を有するペプチドが知られて
いる。すなわち、天然型カルシトニンの配列に1以上の
アミノ酸残基を付加して得られる配列を有するペプチ
ド、天然型カルシトニンのアミノ酸配列中の1以上のア
ミノ酸残基を欠失させて得られる配列を有するペプチ
ド、天然型カルシトニンの配列中の1以上のアミノ酸残
基を他のアミノ酸残基に置換させて得られる配列を有す
るペプチド、およびこれら付加、欠失、置換を2以上組
み合わせて得られる配列を有するペプチドである。この
うち新たに付加するか置換により新たに加えられるアミ
ノ酸残基が天然に見いだされるアミノ酸の残基であるも
のを非天然型カルシトニンという。
【0004】また、上記天然型カルシトニンの付加、置
換において、α−アミノ酸以外のアミノ酸(たとえば、
β−アミノ酸など)やD−アミノ酸などの通常のペプチ
ドの構成要素ではないアミノ酸を付加あるいは置換して
得られる配列を有するカルシトニンをカルシトニン類縁
体という。さらに、これら天然型カルシトニン、非天然
型カルシトニン、あるいはカルシトニン類縁体にアミノ
酸以外のもので修飾して得られるカルシトニンをカルシ
トニン類似体という。後述本発明のカルシトニンは、カ
ルシトニン類似体である。
【0005】カルシトニン類縁体や非天然型カルシトニ
ンとしては、たとえば、特公昭53−41677、特公
昭57−61730、特公昭61−4840、特公平1
−34240、特公平5−1798、特開昭50−11
7791、特開昭63−277698、特開昭63−2
84198、特開昭63−287800、WO91/1
5511明細書、J.Biochem.Vol.159 P125(1986)、Endo
crinology Vol.117 P80(1987) 、J.Biochem. Vol.162 P
399(1987) などに記載されたカルシトニンがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、カルシトニン
の活性の十分な発現には32個のアミノ酸残基が必要と
されている。しかし、32個もの長鎖のペプチドは製造
が困難であるばかりでなく安定性も低いことが知られて
いる。前記のように天然型カルシトニンのアミノ酸残基
を1以上欠失させた非天然型カルシトニンの例も知られ
ているが、製造上の困難さと安定性を克服したとはいえ
ない。
【0007】他方、カルシトニン類は遺伝子操作により
その遺伝子を用いて製造する試みもなされているが、こ
の場合には粗ペプチドの純度が低く、また精製に多段階
を要するなどの欠点を依然有しており、固相合成法、液
相合成法またはそれらの組み合わせによる方法などの化
学合成法を凌駕するには至っていない。
【0008】さらにカルシトニンのカルボキシル末端の
カルボキシル基(−COOH)はアミド化(−CONH
2 )されている必要があるが、通常のペプチド合成や遺
伝子操作でアミド化されたカルボキシル末端とすること
が困難な場合もある。
【0009】
【課題を解決するための手段】カルシトニンのアミノ末
端より数えて1番目から16番目までは生物活性発現に
必要な部分であり、17番目から32番目までの部分は
受容体に結合する部分であることが知られている(オス
テオポローシスジャパン、須田、第2巻第3号491頁
(1994年))。本発明者はこの知見に基づき上記課
題の解決について検討した結果、アミノ末端より数えて
1番目から20〜32番目までのアミノ酸配列を有し、
かつカルボキシル末端をアルキル基で修飾したカルシト
ニン類似体を見いだすに至った。本発明はこのアルキル
修飾カルシトニン類似体に関する下記発明である。
【0010】カルシトニンまたはその類縁体のアミノ末
端より数えて1番目から20〜32番目までのアミノ酸
配列を有し、かつカルボキシル末端のカルボキシル基が
アルキルアミド化またはアルキルエステル化されている
修飾ペプチドであることを特徴とするアルキル修飾カル
シトニン類似体またはその薬学的に許容される塩。
【0011】本発明の本発明のアルキル修飾カルシトニ
ン類似体は、元の配列のカルシトニンやカルシトニン類
縁体と同等ないしそれに近い生理活性を有し、しかもペ
プチド部分を構成するアミノ酸残基の数が少ないことよ
り安定性に優れ、また製造も容易であるという特徴を有
する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、元となるカルシ
トニンとは天然型カルシトニンあるいは非天然型カルシ
トニンを意味する。元となるカルシトニンの類縁体と
は、前記のようにこれらカルシトニンに通常のペプチド
の構成要素ではないアミノ酸を付加あるいは置換して得
られる配列を有するものを意味する。またこれら元とな
るカルシトニンまたはその類縁体は、いずれもカルシト
ニン本来の生理活性を有しているものをいう。元となる
カルシトニンとしては、鰻、鮭、鶏、豚またはヒトの天
然型カルシトニンが好ましく、特にヒトの天然型カルシ
トニンが好ましい。
【0013】本発明においてアミノ酸残基の位置は天然
型カルシトニンのアミノ末端のアミノ酸残基を1番目と
してカルボキシル末端方向へ数えた位置をいう。非天然
型カルシトニンにおいては、対応する天然型カルシトニ
ンの位置番号で表す。たとえば、欠失あるいは付加した
アミノ酸残基によって位置番号は変化しないものとする
(たとえば欠失位置は欠番とし、付加位置には番号をつ
けない)。カルシトニン類縁体においても同様に対応す
る天然型カルシトニンの位置番号で表すものとする。
【0014】本発明のアルキル修飾カルシトニン類似体
におけるペプチド部分のアミノ酸配列は、元となるカル
シトニンまたはその類縁体(1番目から32番目までの
アミノ酸残基からなるもの)そのものであってもよい。
カルシトニンまたはその類縁体のアミノ末端より数えて
1番目から20〜28番目までのアミノ酸配列からなる
ことが好ましい。より好ましくは1番目から22〜26
番目までのアミノ酸配列からなり、1番目から24番目
までのアミノ酸配列からなるものが最も好ましい。
【0015】上記28番目までのアミノ酸配列からなる
ペプチド部分を有する本発明のアルキル修飾カルシトニ
ン類似体は下記式(1)で表すことができる。
【0016】
【化4】[CT]−CO−Z−R ・・・(1)
【0017】ただし、 [CT]:カルシトニンまたはその類縁体のアミノ末端
より数えて1番目から20〜28番目までのアミノ酸配
列を有するペプチドのカルボキシル末端のカルボキシル
基を除いた残基。 Z:−NH−または−O−。 R:アルキル基。
【0018】またこのアミノ酸配列は、天然型カルシト
ニンの1番目から20〜28番目までのアミノ酸配列か
らなるもの、および、その天然型カルシトニンの28番
目までの位置で1〜3個のアミノ酸残基を付加、欠失、
置換させた配列を有する非天然型カルシトニンあるいは
カルシトニン類縁体の1番目から20〜28番目までの
アミノ酸配列からなるものが好ましい。特に1個のアミ
ノ酸残基を欠失させたもの、1〜3個のアミノ酸残基を
他のアミノ酸残基に置換させたもの、および1番目と7
番目のシステイン残基を除いて代わりに7番目に2−ア
ミノスベリン酸[HOCO-(CH2)5-CH(NH2)-COOH]を導入し
このアミノ酸の側鎖カルボキシル基とアミノ末端のアミ
ノ酸とで閉環した構造のアミノ末端側配列を有するも
の、およびこれらの組み合わせからなるものが好まし
い。
【0019】上記ペプチドの修飾とは、上記ペプチドの
カルボキシル末端のカルボキシル基がアルキルアミド化
またはアルキルエステル化されていることをいう。すな
わち、前記式(1)で表されるように、カルボキシル末
端のカルボキシル基(−COOH)が−CO−Z−Rに
置換されていることをいう。このZは−NH−である
(すなわち、アミド化されている)か、または−O−で
あり(すなわち、エステル化されている)、好ましくは
−NH−である。Rはアルキル基を表し、その炭素数は
24以下が適当である。より好ましいアルキル基の炭素
数は1〜20である。また、アルキル基は直鎖状であっ
ても分岐状であってもよい。特に直鎖状であるか短い側
鎖(炭素数2以下)で置換された直鎖状であるものが好
ましい。特に好ましいアルキル基は、炭素数6〜16の
直鎖状アルキル基である。
【0020】本発明のアルキル修飾カルシトニン類似体
としては、特に下記式(2)で表されるものが好まし
い。
【0021】
【化5】
【0022】ただし、Axx、Bxx、Cxx、および
Dxx以外は通例の3文字アミノ酸表記によるアミノ酸
残基を表し、Axx、Bxx、Cxx、およびDxxは
それぞれ下記のアミノ酸の残基(ただし、Dxxはカル
ボキシル基を除いた残基)を表し、Zは−NH−または
−O−を表し、Rは炭素数20以下のアルキル基を表
す。
【0023】Axx:AspまたはGlu、 Bxx:HisまたはAsn、 Cxx:TyrまたはPhe、 Dxx:ArgまたはGln。
【0024】さらに好ましくはAxx、Bxx、Cx
x、およびDxxが順にそれぞれAsp、His、Ty
r、Argである式(2)で表される化合物である。最
も好ましい本発明のアルキル修飾カルシトニン類似体は
下記式(3)で表されるカルボキシル末端のカルボキシ
ル基がラウリルアミド化された化合物である。
【0025】
【化6】
【0026】本発明のアルキル修飾カルシトニン類似体
の薬学的に許容される塩としては、上記のアルキル修飾
カルシトニン類似体と酸または塩基との塩がある。酸と
しては、塩酸、硫酸、リン酸、その他の無機酸、ギ酸、
酢酸、プロピオン酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、酒石
酸、安息香酸、アルカンスルホン酸、トルエンスルホン
酸、その他の有機酸などがある。塩基としてはアルカリ
金属塩を形成し得るアルカリ金属水酸化物などのアルカ
リ金属化合物塩基などがある。
【0027】本発明のアルキル修飾カルシトニン類似体
を製造する方法は、特に限定されるものではないが、ペ
プチドの合成、末端カルボキシル基の修飾、ペプチド部
分がジスルフィド結合を有する場合はその結合の形成を
この順で行って製造することが好ましい。末端カルボキ
シル基の修飾の際はその部分以外の官能基は保護されて
いることが好ましく、修飾後に脱保護を行うことが好ま
しい。ジスルフィド結合を形成する場合はその結合の形
成後に保護を行うことが好ましい。
【0028】ペプチドを合成するにあたっては、ポリマ
ー樹脂を利用したペプチド固相合成法や一般的な有機合
成法であるペプチド液相合成法、またはそれらを組み合
わせてカルボキシル末端より遂次アミノ酸を付加して行
く方法や、任意の位置で切断したジペプチド以上のペプ
チドフラグメントをペプチド固相合成法、ペプチド液相
法またはそれらを組み合わせて遂次縮合を行う方法が利
用できる。
【0029】ペプチド固相合成に用いる樹脂には、ベン
ズヒドリルアミン樹脂、4−(2,4−ジメトキシフェ
ニル−アミノメチル)−フェノキシアセトアミド−アミ
ノメチル樹脂、4−(2,4−ジメトキシフェニル−ア
ミノメチル)−フェノキシアセトアミド−4−メチルベ
ンズヒドリルアミン樹脂、4−(2,4−ジメトキシフ
ェニル−アミノメチル)−フェノキシ樹脂等が利用でき
る。アミノ酸は必要に応じて官能基を保護したアミノ酸
誘導体が利用できる。アミノ酸のα−アミノ保護基とし
ては、ベンジルオキシカルボニル基(Z)、9−フルオ
レニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、第3ブ
チルオキシカルボニル基(Boc)、ホルミル基(HC
O)、アセチル基(Ac)等が利用できる。アミノ酸の
α−カルボキシル保護基としては、ベンジル基(Bz
l)、第3ブチル基(tBu)、メチル基(Me)、エ
チル基(Et)、フェナシル基(Pac)等が利用でき
る。なお、()内は通常使用されている基の略号を示
し、以下の基においても同様である。
【0030】またアミノ酸側鎖官能基保護基としては、
ベンジル基(Bzl)、p−トルエンスホニル基(To
s)、p−ニトロフェノール基(ONp)、ベンズヒド
リル基(Bzh)、アセトアミド基(Acm)、第3ブ
チル基(tBu)、第3ブチルオキシカルボニル基(B
oc)、シクロヘキシル基(cHex)、ベンジルオキ
シメチル基(Bom)、第3ブトキシメチル基(Bu
m)、第3ブチルチオ基(tButhio)、ジニトロ
フェニル基(Dnp)、9−フルオレニルメチルオキシ
カルボニル基(Fmoc)、2,2,5,7,8−ペン
タメチルクロマン−6−スルホニル基(Pmc)、トリ
チル基(Trt)等が利用できる。これらの保護基は目
的に応じて1つまたはそれ以上を任意に選択して利用で
きる。ペプチド鎖の伸長反応、即ちアミノ酸またはアミ
ノ酸誘導体の遂次付加反応にはカルボジイミドを用いた
脱水縮合法や、活性エステル法が利用できる。
【0031】脱水縮合法においては縮合剤として、ジシ
クロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−
3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
(WSC)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキ
サフルオロリン酸塩(HBTU)、ベンゾトリアゾール
−1−イルオキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホス
ホニウムヘキサフルオロリン酸塩(BOP)等が利用で
きる。活性エステル法では、N−ヒドロキシスクシンイ
ミドエステル(HONSu)、ペンタフルオロフェノー
ルエステル(OPfp)、ジヒドロキシベンズトリアジ
ンエステル(ODhbt)等が利用できる。なお、()
内は通常使用されている化合物の略号を示す。
【0032】反応溶媒としては、N,N−ジメチルホル
ムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、
テトラヒドロフラン、クロロホルム、塩化メチレン、酢
酸エチル、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシ
ド、N−メチルピロリドン、ピリジン、水等が利用でき
る。アミノ酸またはペプチドの官能基保護基の脱離剤と
しては目的に応じて、フッ化水素、トリフルオロ酢酸
(TFA)、トリフルオロメタンスルホン酸、アンモニ
ア/メタノール、臭化水素/酢酸、水素/パラジウム炭
素、酢酸水銀、酢酸/亜鉛粉末、アルカリ/水/メタノ
ール等が利用できる。合成途中または最終精製法として
逆相クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー、イ
オン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過等各種のクロマ
トグラフィーや再結晶が利用できる。
【0033】アミノ基を有する樹脂を用いてペプチドを
合成した後ペプチドを樹脂から脱離させることにより、
フリーの末端カルボキシル基を有し他の官能基が保護さ
れたペプチドが得られる。このペプチドを引き続きアル
キルアミド化あるいはアルキルエステル化することによ
り末端カルボキシル基を修飾することができる。ジスル
フィド結合を形成する場合は、空気酸化、フェリシアン
化カリウム、ヨウ素等による酸化反応方法などの常法の
ジスルフィド結合形成方法を用いて形成することができ
る。脱保護も常法を用いて行うことができる。
【0034】以下本発明の実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0035】
【実施例】
[実施例1] ラウリルアミド化ヒトカルシトニン類似体の合成 (1)4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ
酪酸−4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂への Arg
(アルギニン)の導入。
【0036】Fmoc-Arg(Pmc)-OH 700mgをジクロロメタ
ン10mlに溶解させ、脱気下、0℃にて撹拌した。これ
に DCC 110mgを加え更に1時間撹拌した。沈殿した反
応副生成物をを濾取した後、濾液を減圧蒸留し残渣にア
ミノ酸誘導体の酸無水物を得た。得られたアミノ酸誘導
体の酸無水物を少量の DMFに溶解させ、予め DMFに浸し
て置いた4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキ
シ酪酸−4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂 250mg
に加えた。さらに4−ジメチルアミノピリジンを加え3
時間撹拌した後、反応溶液を濾去して目的物を得た。
【0037】(2)アミノ酸の遂次付加反応 (1)で得た樹脂を自動合成機のカラムに充填し以下の
条件で遂次アミノ酸を付加した。 1)反応:室温30分、溶媒:DMF。 2)洗浄:室温10分、溶媒:DMF。 3)脱Fmoc:室温10分、溶媒: 20(v/v)%ピペリジ
ン含有DMF。 4)洗浄:室温10分、溶媒:DMF。 1)〜4)を繰り返してアルギニン以降の23個のアミ
ノ酸を付加した。使用したアミノ酸は表1の通りであ
る。
【0038】
【表1】
【0039】反応終了後、 0.1wt%TFA含有ジクロ
ロメタンでペプチドをアミノ酸残基の側鎖保護基のつい
たまま樹脂から脱離し、エーテルで洗浄した。沈澱物を
濾取した後、乾燥し目的物を 200mg得た。
【0040】(3)カルボキシル末端のラウリルアミド
化 上記で得られたペプチド誘導体 200mgを10mlの DMF
に溶解し、HBTU 40mg、ラウリルアミン93mgを加え
一昼夜撹拌した。 DMFを減圧留去した後、残渣をクロロ
ホルム−メタノール混合溶媒を用いたシリカカラムによ
り精製を行い、目的物を 150mg得た。 Rf:0.38(クロロホルム:メタノール=4:1)。
【0041】(4)ジスルフィド結合の形成 300mgのヨウ素をメタノール 100mlに溶解し、これ
に上記で得られたペプチド誘導体 150mgの10mlのト
リフルオロエタノールに溶解した溶液を加えた。5分間
の撹拌の後、アスコルビン酸をクエン酸溶液に溶解した
溶液を加えた。溶媒を減圧留去し、残渣を水洗、乾燥し
た後、目的物を 100mg得た。 Rf:0.48(クロロホルム:メタノール=4:1)。
【0042】(5)アミノ酸残基の側鎖保護基の除去と
精製 上記で得られたペプチド誘導体 100mgをTFA 10ml中
で撹拌した。1時間後反応液をエーテル70mlに加え、
得られた沈殿物を濾取し、目的物を含む粗生成物50mg
得た。この粗生成物を 0.1wt%の TFAを含む水に溶解
し、ODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー
により精製した。A液/B液=20%、A液/B液=3
0%、A液/B液=40%の順で溶出し、30%溶出の
分画を集め、凍結乾燥した。
【0043】凍結乾燥したペプチド誘導体20mgを5w
t%酢酸溶液に溶解し、陰イオン交換樹脂(Cl- 型)
を加え20分間撹拌した後、樹脂を濾去した。濾液を凍結
乾燥して目的物であるラウリルアミド化ヒトカルシトニ
ン類似体を10mg得た。
【0044】なお、このラウリルアミド化ヒトカルシト
ニン類似体(式3)で表される化合物であり、そのペプ
チド部分は、天然型ヒトカルシトニンの1番目から24
番目までのアミノ酸配列を有する。
【0045】[実施例2] 生理活性の測定 実施例1で得られたヒトカルシトニン類似体(以下hC
T−Aという)を0.1%BSA(牛血清アルブミン)
を含む10mM酢酸緩衝液(pH4. 2)に溶解し、T
47D細胞(ヒト乳ガン細胞)を用いたcAMP量測定
(アマシャム:cAMP測定キット)により生理活性を
測定した。hCT−Aの濃度と測定されたcAMP量と
の関係を図1に示す。
【0046】比較のため、天然型ヒトカルシトニン(以
下hCTという)、天然型ヒトカルシトニンの1番目か
ら24番目までのアミノ酸配列を有しフリーのカルボキ
シル末端を有する非天然型ヒトカルシトニン(以下hC
T−1という)、およびその非天然型ヒトカルシトニン
と同じアミノ酸配列を有しカルボキシル末端がアミド化
されている非天然型ヒトカルシトニン(以下hCT−2
という)を用い、上記と同じ生理活性の測定を行った。
その結果を図1に示す。
【0047】図1に示されるように、本発明のhCT−
Aは、同様の短いアミノ酸配列を持つhCT−1やhC
T−2に比較して10倍以上活性が高く、また、hCT
と比較しても約1/10程度活性を有する。
【0048】
【発明の効果】本発明の修飾カルシトニン類似体では、
合成上容易なアルキル化によって得られるものであるこ
とにより製造上の困難さが軽減され、さらにはより短い
ペプチド鎖を有するものではペプチド部分の製造が容易
となり、かつカルシトニンとしての生理活性を保持す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】カルシトニン類の生理活性測定結果を示すグラ
フ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルシトニンまたはその類縁体のアミノ末
    端より数えて1番目から20〜32番目までのアミノ酸
    配列を有し、かつカルボキシル末端のカルボキシル基が
    アルキルアミド化またはアルキルエステル化されている
    修飾ペプチドであることを特徴とするアルキル修飾カル
    シトニン類似体またはその薬学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】アルキル修飾カルシトニン類似体が下記式
    (1)で表される化合物である、請求項1の化合物。 【化1】[CT]−CO−Z−R ・・・(1) ただし、 [CT]:天然型カルシトニンまたはその類縁体のアミ
    ノ末端より数えて1番目から20〜28番目までのアミ
    ノ酸配列を有するペプチドのカルボキシル末端のカルボ
    キシル基を除いた残基。 Z:−NH−または−O−。 R:アルキル基。
  3. 【請求項3】アルキル基の炭素数が1〜20である、請
    求項1または2の化合物。
  4. 【請求項4】修飾されたペプチドが、天然型カルシトニ
    ンまたはその類縁体のアミノ末端より数えて1番目から
    24番目までのアミノ酸配列を有するペプチドである、
    請求項1または2の化合物。
  5. 【請求項5】下記式(2)で表されるアルキル修飾カル
    シトニン類似体またはその薬学的に許容される塩。 【化2】 ただし、 Axx、Bxx、Cxx、およびDxx以外は通例の3
    文字アミノ酸表記によるアミノ酸残基を表し、Axx、
    Bxx、Cxx、およびDxxはそれぞれ下記のアミノ
    酸の残基(ただし、Dxxはカルボキシル基を除いた残
    基)を表し、Zは−NH−または−O−を表し、Rは炭
    素数24以下のアルキル基を表す。 Axx:AspまたはGlu、 Bxx:HisまたはAsn、 Cxx:TyrまたはPhe、 Dxx:ArgまたはGln。
  6. 【請求項6】Zが−NH−であり、Rが炭素数6〜16
    のアルキル基である、請求項5の化合物。
  7. 【請求項7】下記式(3)で表されるカルボキシル末端
    のカルボキシル基がラウリルアミド化されたカルシトニ
    ン類似体またはその薬学的に許容される塩。 【化3】
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