JPH06256385A - 環状ペプチドの合成法 - Google Patents

環状ペプチドの合成法

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JPH06256385A
JPH06256385A JP7110793A JP7110793A JPH06256385A JP H06256385 A JPH06256385 A JP H06256385A JP 7110793 A JP7110793 A JP 7110793A JP 7110793 A JP7110793 A JP 7110793A JP H06256385 A JPH06256385 A JP H06256385A
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JP
Japan
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peptide
group
solid phase
carrier
cyclic peptide
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JP7110793A
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English (en)
Inventor
Norikazu Nishino
憲和 西野
Masataka Ooba
優孝 大場
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】環状ペプチドを収率よく合成する。 【構成】オキシム基含有樹脂からなる担体を用いた固相
合成法でペプチドを形成し、次いで固相上でジスルフィ
ド結合を形成してペプチドを環化し、その後環化ペプチ
ドを担体から切り離す、環状ペプチドの合成法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オキシム基を有する不
溶性の担体を用いた固相合成法で環状ペプチドを得る方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ペプチドや蛋白質の多くは、分子内にジ
スルフィド結合を持ち、その構造の安定化や生理活性の
保持に寄与している。通常ジスルフィド結合を持つ環状
ペプチドは、液相法によって高希釈の条件でシステイン
のスルフヒドリル基を酸化して得られてきた。この高希
釈の条件は、分子間のジスルフィド結合の生成を抑制
し、分子内で環化するために必要な条件であった。しか
し、このような方法では収率が悪く、その改善が望まれ
ていた。
【0003】最近、Albericio ら(Albericio,F.,et al,
Int.J.Peptide Protein Res.,37,402-413(1991))は、固
相合成法でペプチドを合成した後固相上で環化反応を行
いオキシトシンを得ることに成功した。しかし彼らの方
法では担体として従来の担体樹脂を用いているため樹脂
からペプチドを切り離すために無水フッ酸を用いる必要
があり、アミノ酸側鎖の保護基が全て脱保護されてしま
う。短いペプチドの最終製品を得るためならばこの方法
でもよいが、長鎖ペプチドを合成するための中間体や修
飾ペプチドを得るためには、この方法は用いることはで
きない。
【0004】また、Barlosら(Barlos,K.,et al,Int.J.P
eptide Protein Res.,38,562-568(1991)) は、クロロト
リチル樹脂を用いたFmoc法を用いて、保護環状ペプ
チドを得ているが、Fmoc法を用いているために得ら
れた保護ペプチドを長鎖ペプチド合成のための中間体と
して用いるには、N端フラグメントしか合成できないな
どの制約が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の技術では困難であった、収率良く環化反応を行う方法
を提供し、しかもさらに長鎖ペプチドを合成するための
中間体としても適用できる、保護基を有する環状ペプチ
ドを得る方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされた下記の発明である。
【0007】オキシム基含有樹脂からなる不溶性の担体
を用いた固相合成法で担体上にペプチドを形成し、次い
で固相上でペプチドの環化反応を行い、その後環化され
たペプチドを担体から切り離すことを特徴とする環状ペ
プチドの合成法。
【0008】本発明は、オキシム基含有樹脂からなる不
溶性の担体を用いた固相合成法でペプチドを合成するこ
とにより、通常の不溶性担体を用いた固相合成法と同様
に任意のペプチドを合成することができる。オキシム基
含有樹脂からなる不溶性の担体を用いた固相合成法は公
知であり、例えば、Kaiserら(DeGrado,W.F.,Kaiser,E.
T.,J.Org.Chem.,45,1295-1300,1980)により開発された
方法が知られている。オキシム基含有樹脂は、例えば、
フェニルカルボニルクロライドやそのフェニル基に置換
基を有する類似のカルボニルクロライド等をポリスチレ
ン系樹脂等からなる不溶性担体のフェニル基に反応させ
てカルボニル基を形成し、このカルボニル基をオキシム
基(ケトオキシム基)に変えることにより製造される。
【0009】ペプチド合成終了後、固相上で(すなわ
ち、ペプチドが担体に担持されたままの状態で)ペプチ
ドの環化反応を行う。本発明におけるペプチドの環化
は、固相上で行うことのできるペプチドの環化反応によ
るものであれば特に限定されないが、システインのスル
フヒドリル基間のジスルフィド結合の生成によるものが
好ましい。合成されたペプチド中のシステインのスルフ
ヒドリル基が保護基で保護されている場合には環化に先
立ってこの保護基が外される。この場合、他の保護基は
脱保護されない条件で行われることが好ましい。これに
より環化反応後も側鎖官能基が保護されているペプチド
を得ることができるからである。システインのスルフヒ
ドリル基間のジスルフィド結合の形成は公知の方法、例
えば、ヨウ素を用いた酸化、によりで行うことができ
る。
【0010】環化反応終了後環化されたペプチドが担体
から切り離される。このペプチドの切り離しはペプチド
中の保護基が脱保護しない温和な条件で行われることが
好ましい。これにより保護されたままのペプチドを得る
ことができる。オキシム基含有樹脂を担体としたことに
より、この温和な条件でのペプチドの切り出しが可能と
なった。
【0011】本発明におけるペプチドの固相合成は、オ
キシム基含有樹脂を担体とし、通常α−アミノ基がt−
ブトキシカルボニル基で保護されたBocアミノ酸を用
いて行うことができる。しかし、これに限られず目的に
応じベンジルオキシカルボニル基(Z)やp−メトキシ
ベンジルオキシカルボニル基(pMZ)などの保護基で
保護されたアミノ酸を用いることもできる。後の環化反
応は主に2つのシステイン残基の側鎖保護基を選択的に
除去した後酸化反応により行うため、システインの側鎖
保護基はこの条件に当てはまるものであればよく、例え
ばアセトアミドメチル基(Acm)などの側鎖保護基が
用いられる。
【0012】システイン以外のアミノ酸の側鎖保護基は
通常の固相合成法に用いられるものならばよく、目的に
応じベンジル基(Bzl)、p−トルエンスルホニル基
(Tos)、p−ニトロフェニル基(NOp)、ベンツ
ヒドリル基(Bzh)、シクロヘキシル基(cHe
x)、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼン
スルホニル基(Mtr)などが使用できる。
【0013】固相合成法での保護アミノ酸のカップリン
グは、通常の固相合成に用いられる縮合剤を用いる方
法、活性エステル法などを目的に応じ使うことができ
る。
【0014】縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(DCC)、水溶性カルボジイミド(WS
C)、ベンゾトリアゾリル−N−オキシ−トリス(ジメ
チルアミノ)フォスフォニウムヘキサフルオロフォスフ
ェイト(BOP)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オ
キシ−トリピロリジノフォスフォニウムヘキサフルオロ
フォスフェイト(PyBOP)、O−ベンゾトリアゾー
ル−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロ
ニウムヘキサフルオロフォスフェイト(HBTU)、O
−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’
−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレイト(T
BTU)などが挙げられる。また活性エステルとして
は、N−ヒドロキシスクイシンイミドエステル(−OS
u)、ペンタフルオロフェニルエステル(−OPf
P)、ジヒドロキソベンズトリアジンエステル(−OD
hbt)等が挙げられる。
【0015】反応溶媒は、ジメチルホルムアミド(DM
F)、N−メチルピロリドン、ピリジン、塩化メチレ
ン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジオキサン、
ジメチルスルホキシド、ヘキサフルオロイソプロパノー
ルなどを、それぞれ単独あるいは2種類以上を適当な割
合で混合して用いることができる。
【0016】環状保護ペプチドの樹脂からの切り離し
は、通常のオキシム基含有樹脂を用いた場合と同様の条
件で行うことができる。例えばカップリングが終了した
樹脂を、DMF、メタノールなどの適当な溶媒に溶かし
たN−ヒドロキシピペリジン、アミノ酸誘導体、酢酸ア
ンモニウムなどと反応させることによって、目的の環状
保護ペプチドを得ることができる。
【0017】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。
【0018】[実施例1]オキシトシンの合成 出発原料としてGlyオキシム基含有樹脂(2.0g、
グリシン含量0.47mmol/g)を用いた。この樹
脂を20mlのDMFに懸濁しBocLeu3当量、縮
合剤(BOPおよび1−ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル)3当量、ジイソプロピルエチルアミン5当量を加え
室温で反応させた。カイザーテストにて反応の終了を確
認したのち、樹脂をDMFおよび塩化メチレンでよく洗
浄した。次に、25%トリフルオロ酢酸−塩化メチレン
溶液を加えBoc基を脱保護した。さらに塩化メチレ
ン、DMFで樹脂を洗浄したのち、次のカップリングを
先の条件と同じ条件で行った。
【0019】アミノ酸は、BocPro、BocCys
(Acm)、BocGln、BocAsn、BocIl
e、BocTyr(Cl2 Bzl)、BocCys(A
cm)の順でカップリングした。カップリング終了後、
3.2gの乾燥した樹脂を得た。そのうち1.6gを1
5mlのDMFに懸濁しヨウ素10当量を加え室温で1
時間反応させた。反応後、樹脂をDMFで洗浄したの
ち、15mlの酢酸アンモニウム(10当量)のDMF
溶液を加え終夜反応させた。樹脂を濾別、DMF洗浄
し、濾液と洗液を合わせて濃縮したのち水を加えると目
的物が沈澱したので、濾取し乾燥した。得られたペプチ
ドのHPLC分析結果を示すグラフを図1に示す。収
量:480mg(収率80%)。FAB−MS:m/z
1265(M+H)+ 。HPLC分析:純度80%以
上、二量体20%以下。
【0020】[比較例1]実施例1で合成した保護ペプ
チド−オキシム基含有樹脂1.2gを環化せずに、酢酸
アンモニウムで処理し、直鎖保護ペプチドを得た(53
0mg、79%)。これをDMF14mlに溶解し、ヨ
ウ素1.2gを用いて脱保護、環化を行った。過剰のヨ
ウ素をアスコルビン酸で還元したのち、粗ペプチドを得
た。得られたペプチドのHPLC分析結果を示すグラフ
を図2に示す。収量:370mg(収率78%)。HP
LC分析:二量体60%以上。
【0021】 [実施例2]サケカルシトニン(1−10)の合成 実施例1と同じ反応条件で、出発原料としてLeuオキ
シム基含有樹脂(2.0g、0.92mmol)を用
い、アミノ酸をBocVal、BocCys(Ac
m)、BocThr(Bzl)、BocSer(Bz
l)、BocLeu、BocAsn、BocSer(B
zl)、Z−Cys(Acm)の順にカップリングさせ
た。保護ペプチドの切り出しは、GlyOBut (10
当量)を用いて行い、トリフルオロ酢酸でC端のt−ブ
チルエステルを脱保護し目的物を得た。収量1.2g
(収率85%)。
【0022】
【発明の効果】本発明により、環状ペプチドを収率よく
合成することが可能となった。さらに得られる環状ペプ
チドを側鎖官能基が保護されている環状ペプチドとする
ことができ、この環状保護ペプチドはさらに長鎖のペプ
チドの中間体として使用しうるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたペプチドのHPLC分析結
果を示すグラフ。
【図2】比較例1で得られたペプチドのHPLC分析結
果を示すグラフ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オキシム基含有樹脂からなる不溶性の担体
    を用いた固相合成法で担体上にペプチドを形成し、次い
    で固相上でペプチドの環化反応を行い、その後環化され
    たペプチドを担体から切り離すことを特徴とする環状ペ
    プチドの合成法。
  2. 【請求項2】環化反応に関わる官能基がスルフヒドリル
    基である請求項1の合成法。
  3. 【請求項3】担体から切り離されたペプチドが保護基を
    有する環状ペプチドである請求項1の合成法。
JP7110793A 1993-03-05 1993-03-05 環状ペプチドの合成法 Pending JPH06256385A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108484735A (zh) * 2018-02-24 2018-09-04 暨南大学 一类广泛活性环七肽Reniochalistatin A-D的合成方法
CN110642923A (zh) * 2019-10-22 2020-01-03 大连民族大学 一种具有抗菌活性的环肽及其合成方法

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