JPH09315889A - ダイヤモンド薄膜形成装置およびダイヤモンド薄膜形成方法 - Google Patents

ダイヤモンド薄膜形成装置およびダイヤモンド薄膜形成方法

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JPH09315889A
JPH09315889A JP13689596A JP13689596A JPH09315889A JP H09315889 A JPH09315889 A JP H09315889A JP 13689596 A JP13689596 A JP 13689596A JP 13689596 A JP13689596 A JP 13689596A JP H09315889 A JPH09315889 A JP H09315889A
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electron beam
plasma
gas
thin film
diamond
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Hiroshi Yamamoto
浩 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質で信頼性の高いダイヤモンド薄膜を高
速で形成する。 【解決手段】 本発明の第1の特徴は、電子ビームを発
生する電子ビーム発生手段21と、前記電子ビーム発生
手段で生成せしめられた電子ビームを、加速し所定のエ
ネルギーの範囲にそろえる加速手段23、24と、前記
電子ビームを原料ガスに向けて照射し、前記電子ビーム
で前記原料ガスをプラズマ励起することにより、ダイヤ
モンド前駆体プラズマを生成するプラズマ生成部20
と、前記ダイヤモンド前駆体プラズマを、被処理基体S
表面に導き、前記被処理基体にダイヤモンド薄膜を形成
するようにしたことにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイヤモンド薄膜
形成装置およびダイヤモンド薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来技術】ダイヤモンド薄膜は、高硬度であることを
利用して切削工具を被覆したり、あるいは赤外、紫外領
域での透光性に優れているため光学材料としても注目さ
れている。
【0003】従来炭素電極間に水素ガスを吹き付けた状
態で電圧を印加してアーク放電を発生させて、ダイヤモ
ンド前駆体を形成し、下流の被処理基板表面にダイヤモ
ンド薄膜を形成するという方法が提案されている(特開
平2ー156087)。
【0004】このようにアーク放電によりダイヤモンド
前駆体を作成する場合、図4に示すように、プラズマ中
の電子のエネルギー帯域が広く、目的のダイヤモンド前
駆体のみでなく、グラファイト等を生成する他の前駆体
をも生成していた。すなわち、ダイヤモンドの気相合成
メカニズムは図5に表面反応を示すように、ダイヤモン
ド表面に原料ガスをプラズマ化することによって生成さ
れたダイヤモンド前駆体である CH3ラジカルがぶつか
り水素との結合を切り、ダイヤモンド結合を生成する。
そしてさらに、CH3ラジカルが結合する・・・ という
ようにして成膜が行われていく。しかしながら、電子の
エネルギー帯域によっては、図6に示すように、ダイヤ
モンド前駆体である中性ラジカルのみならず、グラファ
イト等を生成する他の前駆体例えば、CH3 +イオンとな
ることもある。CH3 +イオンは吸熱反応によってダイヤ
モンドを生成するため、通常の条件ではダイヤモンド薄
膜の成膜に寄与することなく、エネルギー的に安定なグ
ラファイトを生成するという問題がある。
【0005】このように、従来の方法によれば、グラフ
ァイトが多く混入するため、ダイヤモンド薄膜の品質が
良くないという問題があった。また品質を向上するため
に、成膜工程において、水素プラズマを添加し、グラフ
ァイト成分を水素プラズマによって除去する必要があ
り、成膜速度が低下するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の方法
によれば、プラズマ中の電子のエネルギー帯域が広く、
ダイヤモンドだけでなくグラファイトも混じって形成さ
れるなど、膜質が良くないという問題があった。
【0007】本発明は、前記実情に鑑みてなされたもの
で、高品質で信頼性の高いダイヤモンド薄膜を高速で形
成することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の第1の特
徴は、電子ビームを発生する電子ビーム発生手段と、前
記電子ビーム発生手段で生成せしめられた電子ビーム
を、所定のエネルギーの範囲にそろえるように加速する
加速手段と、前記電子ビームを原料ガスに向けて照射
し、前記電子ビームで前記原料ガスをプラズマ励起する
ことにより、ダイヤモンド前駆体プラズマを生成するプ
ラズマ生成部と、前記ダイヤモンド前駆体プラズマを、
被処理基体表面に導き、前記被処理基体表面にダイヤモ
ンド薄膜を形成するようにしたことにある。
【0009】また本発明の第2の特徴は、内部を通過し
たガスを一端から噴射するように構成されたノズルと、
前記ノズルの流路内または流路の外で、通過する原料ガ
スを、プラズマ励起しガスプラズマを生成するプラズマ
生成部とを具備し、前記ノズルの噴射口近傍に配設され
た被処理基体に前記ガスプラズマを噴射することにより
前記被処理基体にダイヤモンド薄膜を形成するダイヤモ
ンド薄膜形成装置において、前記プラズマ生成部が、電
子ビームを発生する電子ビーム発生手段と、前記電子ビ
ーム発生手段で生成せしめられた電子ビームを、所定の
エネルギー範囲にそろえるように加速する加速手段とを
具備し、前記ノズルの流路内または流路の外で、前記原
料ガスに前記電子ビームを照射することにより、ダイヤ
モンド前駆体プラズマを生成するようにしたことにあ
る。
【0010】望ましくは、前記原料ガスは、前記ノズル
の噴射口近傍で前記電子ビームを照射するように構成さ
れていることを特徴とする。
【0011】本発明の第3の特徴は、断面積が徐々に小
さくなるように構成されたガス導入部と、ガス導入部に
接続され、ノズル全体で最小の断面積をもつように構成
されたスロート部と、該スロート部に接続され、所定の
広がり角をもって断面積が徐々に拡大せしめられ、最大
断面積をとるように構成されたガス噴射部とからなり、
該ノズル内を通過する原料ガスが断熱膨張せしめられて
ガス噴射部から音速よりも大きい流速で噴射されるよう
に加速するガス流路を構成する超音速ノズルと、前記超
音速ノズルの前記スロート部に配設せしめられノズル内
を通過する原料ガスをプラズマ励起するプラズマ生成手
段とを具備し、被処理基体の表面にガスプラズマを噴射
することにより前記被処理基体にダイヤモンド薄膜を形
成するダイヤモンド薄膜形成装置において、前記プラズ
マ生成手段が、電子ビームを発生する電子ビーム発生手
段と、前記電子ビーム発生手段で生成せしめられた電子
ビームを、所定のエネルギーの範囲にそろえるように加
速する加速手段とを具備し、前記スロート部内の流路を
流れる前記原料ガスに前記電子ビームを供給し、ダイヤ
モンド前駆体プラズマを生成するようにしたことにあ
る。
【0012】本発明の第4の特徴は、原料ガスを、プラ
ズマ励起してガスプラズマを生成するプラズマ生成工程
と、前記ガスプラズマを、被処理基体の表面に導き、被
処理基体の表面にダイヤモンド薄膜を形成するダイヤモ
ンド薄膜形成工程とを備えたダイヤモンド薄膜形成方法
において、前記プラズマ生成工程が、電子ビームを発生
し、前記電子ビームを所定のエネルギーの範囲にそろえ
るように加速した後、前記原料ガスに前記電子ビームを
照射することにより、ダイヤモンド前駆体プラズマを生
成する工程であることにある。
【0013】望ましくは、前記ダイヤモンド薄膜形成工
程は、前記ダイヤモンド前駆体プラズマを、音速よりも
大きい流速となるように加速して、被処理基体の表面に
導く工程であることを特徴とする。
【0014】なお、本発明の方法および装置において、
厳密には「断熱」状態は作り得ないが、熱の出入りを極
めて少なくした状態という意味で「断熱」という語を用
いている。
【0015】この本発明では、電子ビーム発生部におい
て発生した電子ビームに電界を印加し、ダイヤモンド前
駆体を形成するエネルギーレベルとなるように、電子の
エネルギー帯域を狭い範囲に揃えダイヤモンド前駆体の
みを形成するようにしているため、高品質のダイヤモン
ド薄膜を効率よく形成することが可能となる。
【0016】また、本発明の第2によれば、プラズマを
加速するノズルの流路内または流路の外で、電子のエネ
ルギー帯域を狭い範囲に揃えた電子ビームを原料ガスに
照射することにより、より効率良くダイヤモンド前駆体
を形成することができ、より高品質のダイヤモンド薄膜
を形成することが可能となる。
【0017】さらにまた、本発明の第3によれば、ラバ
ールノズルのスロート部で、電子のエネルギー帯域を狭
い範囲に揃えた電子ビームを原料ガスに照射するように
しているため、より効率良くダイヤモンド前駆体を形成
することができる。さらにまたこのようにして形成され
たガスプラズマを断熱膨張させて超音速で被処理基体表
面に導くようにしているため、より高品質のダイヤモン
ド薄膜を形成することが可能となる。なお、加速されエ
ネルギーレベルが所定の領域内に揃えられた電子ビーム
はガス導入部に導入された原料ガスに衝突する。そして
ラバールノズルを通過することによりそのスロート部で
の衝突確率が高くなり、従ってエネルギーを高効率で使
用することができる。
【0018】本発明の第4の方法においても、電子のエ
ネルギー帯域を狭い範囲に揃えダイヤモンド前駆体のみ
を形成するようにしているため、高品質のダイヤモンド
薄膜を形成することが可能となる。
【0019】なお、この発明はダイヤモンド薄膜の形成
のみならずダイヤモンド状炭素(DLC)の形成にも適
用可能である。DLC前駆体としては、CH3 + 、CH2
CH 、C等がある。 DLC膜を形成する場合、基
板温度を低くした方が膜質がよいため、DLCの前駆体
としては、Cを生成するエネルギーレベルに設定する様
にするとよい。Hを含む前駆体の場合基板温度を高くし
ないとHを除くことができないためである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照しつつ詳細に説明する。
【0021】本発明実施例のダイヤモンド薄膜形成装置
は、図1に示すように、被処理基体Sとしてのシリコン
基板表面にダイヤモンド薄膜の成膜をおこなうに際し、
成膜チャンバー1に、電子ビームEBを発生してこれを
加速し4.5〜5.0eVのエネルギーの範囲にそろえ
る電子ビーム生成部20を配設し、この狭い帯域内に入
るようにエネルギーレベルを揃えた電子ビームを、CH
4とH2との混合ガスからなる原料ガスに照射し、ダイヤ
モンド前駆体である CH3ラジカルを生成し、これを被
処理基体表面に導くことにより、ダイヤモンド薄膜を形
成するものである。
【0022】この成膜チャンバー1は、ヒータHを備え
た基板支持台7と、この近傍にガス供給ノズルを備えた
ガス供給部16とを具備し、排気系5によって所望の圧
力となるように真空排気され、電子ビーム生成部20か
ら導かれた電子ビームを原料ガスに照射することによ
り、ダイヤモンド前駆体である CH3ラジカルを生成す
る。またこの基板支持台7には熱電対8が取り付けら
れ、この熱電対8の検知温度に応じてヒータHの駆動電
源10を制御する制御回路9が接続されている。一方電
子ビーム生成部20はカソード21と、カソード21を
加熱して電子ビームを放出させるためのカソード加熱用
電源22と、電子ビームを加速するための第1および第
2のアノード23、24と、これら第1および第2のア
ノードを駆動する加速用電源25と、電子ビームの方向
制御のための磁場を発生する磁場発生用コイル26とを
具備している。ここで5は排気系であり、メカニカルブ
ースターポンプとロータリーポンプとからなる真空ポン
プによって成膜室1内が所望の圧力となるように真空排
気される。
【0023】次にこのダイヤモンド薄膜成膜装置を用い
た成膜方法について説明する。
【0024】まず、被処理基体Sとしてシリコン基板を
成膜チャンバー1内の基板支持台17に設置し、制御回
路9の設定温度を850℃とし、熱電対8によって温度
を検出しながら、駆動電源10を駆動することによりヒ
ータHを加熱し、基板温度が850℃に維持されるよう
にする。
【0025】そして、ガス供給部16から、CH450
sccmとH22000sccmとの混合ガスからなる
原料ガスを供給する。
【0026】一方、電子ビーム生成部20のガス圧は1
mTorrとなるように排気系5によって排気される。
また、カソード21の近傍にアルゴンガスを供給しなが
らカソード加熱用電源22を駆動し、カソード21を加
熱することにより、カソード21から電子ビームEBを
発生せしめる。そして加速用電源25に130Vの電圧
を印加し、この電子ビームEBを加速して成膜チャンバ
ー1内に導き、被処理基体Sの近傍に噴射せしめられて
いる原料ガス6に照射する。このとき、この加速され所
望の帯域にエネルギー制御のなされた電子ビームEB
は、効率良く、ダイヤモンド前駆体である CH3ラジカ
ルを生成し、これはシリコン基板との表面反応で良好な
ダイヤモンド薄膜として成長する。この時の成膜速度は
約100μm/hrであった。なお、ガス供給部16で
供給される混合ガスの組成をCH420sccmとH2
000sccmとした時、成膜速度は約50μm/hr
であった。 また、CH410sccmとH22000s
ccmとした時、成膜速度は約20μm/hrであっ
た。このようにして得られたダイヤモンド薄膜は133
2cmー1に鋭いラマンピークを呈するスペクトルをも
つ。またこのときアモルファスカーボンのブロードなス
ペクトルは見られなかった。このことから本発明によれ
ば極めて高純度のダイヤモンド薄膜が形成されているこ
とがわかる。さらにまた、熱伝導率は15〜20W/c
mkであり、透光性の高いものであった。
【0027】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。
【0028】この例では、図2に示すように、ラバール
ノズルと呼ばれている末広ノズルを用いて原料ガス6を
供給することにより被処理基体Sまで音速aよりも大き
い流速uで、ガスを噴射するようにしたことを特徴とす
るものである。 ここで電子ビーム生成部20の構造は
前記第1の実施例で説明したものとまったく同様であ
り、基板支持台17を90度回転して配置し、これに垂
直方向に高速ガス流を噴射し、この噴射領域においてガ
ス噴射方向に直交するようにエネルギー制御のなされた
電子ビームEBを照射するようにしたことを特徴とする
ものである。ここで同一要素には同一符号を付し、説明
を省略する。
【0029】ラバールノズルは、中細のノズルであり、
被処理基体Sの表面に噴射すべき原料ガス6(CH4
2の混合ガス)がガス導入口2a(50mmΦ)から
導入され、ガス進行に伴い断面積が徐々に小さくなるよ
うに構成されたガス導入管2と、ノズル全体で最小の断
面積A1(直径d1:16mmΦ)をなすスロート部(喉
部)3 と 一定の広がり角をもって断面積が徐々に拡大
し、 最大断面積A2(直径d2 :40mmΦ)のガス噴
射口4aから高速ガス流が噴射されるガス噴射管4とか
ら構成されている。
【0030】そして、前記第1の実施例と同様に、電子
ビーム生成部20で、生起され加速されて4.5〜5.
0eVのエネルギー範囲にそろえられた電子ビームEB
が、このラバールノズル1の噴射口4aから噴射される
ガス流に照射され、ダイヤモンド前駆体である CH3
ジカルを生成する。
【0031】このようにして生成された CH3ラジカル
は、超音速を維持した状態で被処理基体S表面に到達す
る。ここで被処理基体も前記第1の実施例と同様に、制
御回路9で高精度に温度制御のなされた基板支持台7に
載置され、850℃に維持されている。
【0032】この CH3ラジカルは、極めて寿命の短い
ラジカルであるが、この装置では、原料ガスを高速で噴
射し、この噴射領域でラジカルを形成し、高速を維持し
たまま被処理基体Sに導くようにしているため、高品質
のダイヤモンド薄膜を効率良く形成することができる。
【0033】なお、前記第2の実施例では、ラバールノ
ズルによって原料ガスを加速し、噴射させた領域で、電
子ビームを照射するようにしたが、電子ビーム照射領域
はこれに限定されるものではない。
【0034】次に、本発明の第3の実施例として、図3
に示すように、電子ビーム照射領域をラバールノズルの
ガス導入口からスロート部3にしてもよい。すなわち、
ラバールノズルのガス導入口からスロート部3を通過す
る原料ガスに電子ビームを照射し、 CH3ラジカルを形
成し、これを噴射管4で断熱膨張させて、被処理基体S
に向けて噴射するようにしてもよい。この他の装置構造
については前記第2の実施例とまったく同様に形成され
ている。ここで、同一要素には同一符号を付し、説明を
省略する。
【0035】この装置では、原料ガス6(CH4とH2
混合ガス)が、断面積が徐々に縮小されるガス導入管に
設置されたガス導入口から導入され、断面積が徐々に縮
小されるガス導入管2で圧縮され高密度化され、最小の
断面積A1をもつスロート部3 で、高密度のガス流とし
て安定化される。ここで、前記実施例と同様に狭帯域に
エネルギーレベルを揃えて前述の電子ビーム生成部20
から導かれてくる電子ビームを、原料ガス6が導入され
たガス導入口からスロート部3にかけての流路を流れる
高密度のガス流に照射し、ここで CH3ラジカルを形成
し、これをガス噴射管4で断熱膨張させて、被処理基体
Sに向けて、噴射するように構成されている。なお、こ
こで電子の運動方向(電子生成部中心軸)とラバールノ
ズル中心軸はほぼ平行になるように配置されている。
【0036】この装置ではさらに極めて効率良く高密度
かつ高純度で安定したダイヤモンド前駆体である CH3
ラジカルが形成される。そして、不純物が少なく反応性
の高いCH3 ラジカルが生成され、ガス噴射管4におけ
る断熱膨張によりこの温度が被処理基体に到達するまで
に、所望の温度に低下せしめられ、かつ、超音速、短時
間でこのCH3 ラジカルを被処理基体に到達させること
ができるため、十分な反応性を維持したまま短時間に成
膜処理を終了させることが可能となる。この結果、膜質
が大幅に向上するとともに、作業効率が飛躍的に向上す
る。
【0037】なお、前記実施例では原料ガスとして C
4と H2の混合ガスを用いたが、これに限定されるこ
となく、適宜変更可能である。
【0038】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、エネルギーレベルを狭帯域に揃えた電子ビームを原
料ガスに照射しダイヤモンド薄膜を形成するようにして
いるため、高品質のダイヤモンド薄膜を容易に高効率で
形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のダイヤモンド薄膜形成
装置を示す図
【図2】本発明の第2の実施例のダイヤモンド薄膜形成
装置を示す図
【図3】本発明の第3の実施例のダイヤモンド薄膜形成
装置を示す図
【図4】アーク放電を用いた従来例の方法によって生成
される電子ビームのエネルギー分布と、ダイヤモンド前
駆体を形成するエネルギー帯域とを示す説明図
【図5】ダイヤモンドの気相成長メカニズムを示す表面
反応の説明図
【図6】ダイヤモンドの気相成長メカニズムを示す気相
反応の説明図
【符号の説明】
1 成膜チャンバー 2 ガス導入管 3 スロート部(喉部) 4 ガス噴射管 5 排気系 5a排気系 5b排気系 6 原料ガス 7 CH3ラジカル 8 熱電対 9 制御回路 10 駆動電源 16 ガス供給部 17 基板支持台 S 被処理基体 20 電子ビーム生成部 21 カソード 22 カソード加熱用電源 23 第1のアノード 24 第2のアノード 25 加速用電源 26 磁場発生用コイル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを発生する電子ビーム発生手
    段と、前記電子ビーム発生手段で生成せしめられた電子
    ビームを、所定のエネルギー範囲にそろえるように加速
    する加速手段と、 前記電子ビームを原料ガスに向けて照射し、前記電子ビ
    ームで前記原料ガスをプラズマ励起することにより、ダ
    イヤモンド前駆体プラズマを生成するプラズマ生成部
    と、 前記ダイヤモンド前駆体プラズマを、被処理基体表面に
    導き、前記被処理基体表面にダイヤモンド薄膜を形成す
    るようにしたことを特徴とするダイヤモンド薄膜形成装
    置。
  2. 【請求項2】 内部を通過したガスを一端から噴射する
    ように構成されたノズルと、前記ノズルの流路内または
    流路の外で、通過する原料ガスを、プラズマ励起しガス
    プラズマを生成するプラズマ生成部とを具備し、前記ノ
    ズルの噴射口近傍に配設された被処理基体に前記ガスプ
    ラズマを噴射することにより前記被処理基体にダイヤモ
    ンド薄膜を形成するダイヤモンド薄膜形成装置におい
    て、 前記プラズマ生成部が、 電子ビームを発生する電子ビーム発生手段と、前記電子
    ビーム発生手段で生成せしめられた電子ビームを、所定
    のエネルギー範囲にそろえるように加速する加速手段と
    を具備し、 前記ノズルの流路内または流路の外で、前記原料ガスに
    前記電子ビームを照射することにより、ダイヤモンド前
    駆体プラズマを生成するようにしたことを特徴とするダ
    イヤモンド薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】 断面積が徐々に小さくなるように構成さ
    れたガス導入部と、ガス導入部に接続され、ノズル全体
    で最小の断面積をもつように構成されたスロート部と、
    該スロート部に接続され、所定の広がり角をもって断面
    積が徐々に拡大せしめられ、最大断面積をとるように構
    成されたガス噴射部とからなり、該ノズル内を通過する
    原料ガスが断熱膨張せしめられてガス噴射部から音速よ
    りも大きい流速で噴射されるように加速するガス流路を
    構成する超音速ノズルと、前記超音速ノズルの前記スロ
    ート部に配設せしめられノズル内を通過する原料ガスを
    プラズマ励起するプラズマ生成手段とを具備し、被処理
    基体の表面にガスプラズマを噴射することにより前記被
    処理基体にダイヤモンド薄膜を形成するダイヤモンド薄
    膜形成装置において、 前記プラズマ生成手段が、 電子ビームを発生する電子ビーム発生手段と、前記電子
    ビーム発生手段で生成せしめられた電子ビームを、所定
    のエネルギーの範囲にそろえるように加速する加速手段
    とを具備し、前記スロート部内の流路を流れる前記原料
    ガスに前記電子ビームを供給し、ダイヤモンド前駆体プ
    ラズマを生成するようにしたことを特徴とするダイヤモ
    ンド薄膜形成装置。
  4. 【請求項4】 原料ガスを、プラズマ励起してガスプラ
    ズマを生成するプラズマ生成工程と、 前記ガスプラズマを、被処理基体の表面に導き、被処理
    基体の表面にダイヤモンド薄膜を形成するダイヤモンド
    薄膜形成工程とを備えたダイヤモンド薄膜形成方法にお
    いて、 前記プラズマ生成工程が、 電子ビームを発生し、前記電子ビームを所定のエネルギ
    ーの範囲にそろえるように加速した後、前記原料ガスに
    前記電子ビームを照射することにより、ダイヤモンド前
    駆体プラズマを生成する工程であることを特徴とする表
    面処理方法。
  5. 【請求項5】 前記ダイヤモンド薄膜形成工程は、前記
    ダイヤモンド前駆体プラズマを、音速よりも大きい流速
    となるように加速して、被処理基体の表面に導く工程で
    あることを特徴とする請求項4記載のダイヤモンド薄膜
    の形成方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109075067A (zh) * 2016-06-28 2018-12-21 应用材料公司 电子束等离子体工艺形成的类金刚石碳层

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