JPH089519B2 - 高圧相窒化ホウ素の気相合成法 - Google Patents
高圧相窒化ホウ素の気相合成法Info
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- JPH089519B2 JPH089519B2 JP62112553A JP11255387A JPH089519B2 JP H089519 B2 JPH089519 B2 JP H089519B2 JP 62112553 A JP62112553 A JP 62112553A JP 11255387 A JP11255387 A JP 11255387A JP H089519 B2 JPH089519 B2 JP H089519B2
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- boron nitride
- pressure
- pressure phase
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Description
【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 アーク放電により発生する活性度の高いプラズマジェ
ットを用いることにより、高圧相窒化ホウ素を高速に製
膜することができる。
ットを用いることにより、高圧相窒化ホウ素を高速に製
膜することができる。
本発明は高圧相窒化ホウ素の気相合成法に係る。高圧
相窒化ホウ素とは立方晶とウルツ鉱型の窒化ホウ素(c
−BNとw−BN)を指称し、グラファイト構造や非品質等
の低圧相窒化ホウ素と対照され、高圧相窒化ホウ素はダ
イヤモンドに匹敵する硬度と、ダイヤモンドより優れた
耐熱性及び熱伝導性を有する工業上有用な材料である。
相窒化ホウ素とは立方晶とウルツ鉱型の窒化ホウ素(c
−BNとw−BN)を指称し、グラファイト構造や非品質等
の低圧相窒化ホウ素と対照され、高圧相窒化ホウ素はダ
イヤモンドに匹敵する硬度と、ダイヤモンドより優れた
耐熱性及び熱伝導性を有する工業上有用な材料である。
従来、高圧相窒化ホウ素の気相合成法としては、窒素
雰囲気中、ホウ素イオンプレーティングするイオン化蒸
着法(第32回応用物理学会講演予稿集226頁、1985
年)、ホウ素を蒸着させながら窒素イオンを照射するイ
オン蒸着併用法(同書、226頁)、窒素雰囲気中で、ホ
ウ素をホローカソード型電子ビーム衝撃で蒸着するホロ
ーカソード活性化化成蒸着法(同書、227頁)等があ
る。
雰囲気中、ホウ素イオンプレーティングするイオン化蒸
着法(第32回応用物理学会講演予稿集226頁、1985
年)、ホウ素を蒸着させながら窒素イオンを照射するイ
オン蒸着併用法(同書、226頁)、窒素雰囲気中で、ホ
ウ素をホローカソード型電子ビーム衝撃で蒸着するホロ
ーカソード活性化化成蒸着法(同書、227頁)等があ
る。
しかしながら、上記の方法では、いずれも、高圧相の
ほかに低圧相の窒化ホウ素を含む膜しかできず、膜の特
性が劣るという問題があった。
ほかに低圧相の窒化ホウ素を含む膜しかできず、膜の特
性が劣るという問題があった。
また、製膜速度も1μm/h以下と遅く、窒化ホウ素膜
の気相合成の工業上の利用を制約している。
の気相合成の工業上の利用を制約している。
そこで、本発明は、高圧相のみからなる窒化ホウ素膜
を高い製膜速度で合成する気相合成法を提供することを
目的とする。
を高い製膜速度で合成する気相合成法を提供することを
目的とする。
本発明により上記問題点を解決するための手段は、ア
ーク放電により発生する1万℃以上におよぶプラズマジ
ェットに窒化ホウ素源を導入し、プラズマジェットを減
圧または大気圧の容器内にある基板に照射して、基板上
に高圧相窒化ホウ素を析出させることを特徴とする高圧
相窒化ホウ素の気相合成法にある。
ーク放電により発生する1万℃以上におよぶプラズマジ
ェットに窒化ホウ素源を導入し、プラズマジェットを減
圧または大気圧の容器内にある基板に照射して、基板上
に高圧相窒化ホウ素を析出させることを特徴とする高圧
相窒化ホウ素の気相合成法にある。
窒化ホウ素源としては、典型的には、B2H6,BCl3など
のホウ素を含む化合物とNH3などの窒素を含む化合物ま
たは窒素ガスとを用いる。窒化ホウ素源はプラズマ中で
気相のホウ素種と窒素種を提供するものであればよい。
気体原料が好ましい。
のホウ素を含む化合物とNH3などの窒素を含む化合物ま
たは窒素ガスとを用いる。窒化ホウ素源はプラズマ中で
気相のホウ素種と窒素種を提供するものであればよい。
気体原料が好ましい。
アーク放電によってプラズマジェットを発生させるた
めの放電ガスとしては、例えば、水素や、ヘリウム、ア
ルゴンなどの希ガス、あるいはこれらの混合ガスなどを
用いることができる。
めの放電ガスとしては、例えば、水素や、ヘリウム、ア
ルゴンなどの希ガス、あるいはこれらの混合ガスなどを
用いることができる。
プラズマジェットを基板に照射するに当って、基板は
減圧下(1気圧〜数十Torr)あるいは大気圧下でよい。
基板温度が1200℃以下となるようにプラズマトーチと基
板の距離等を調整する。
減圧下(1気圧〜数十Torr)あるいは大気圧下でよい。
基板温度が1200℃以下となるようにプラズマトーチと基
板の距離等を調整する。
高周波誘導あるいは交流、直流によるアーク放電によ
って、プラズマトーチ内に発生する1万℃以上にもおよ
ぶアークプラズマ中に、原料ガスを投入すると、原料ガ
スは高効率で活性化され、極めて密度の高いラジカルと
なる。
って、プラズマトーチ内に発生する1万℃以上にもおよ
ぶアークプラズマ中に、原料ガスを投入すると、原料ガ
スは高効率で活性化され、極めて密度の高いラジカルと
なる。
アーク放電により急激に体積膨張したプラズマガス
は、トーチのノズルから高速のプラズマジェットとなり
噴出するため、寿命の短かいラジカルを、高密度で基板
にぶつけることができる。さらに、アーク放電による高
強度の紫外線による光励起、高速プラズマジェットの基
板衝突による局部的高温高圧状態の発生もあり、これら
の作用により、高速で、高圧相窒化ホウ素を合成するこ
とができる。
は、トーチのノズルから高速のプラズマジェットとなり
噴出するため、寿命の短かいラジカルを、高密度で基板
にぶつけることができる。さらに、アーク放電による高
強度の紫外線による光励起、高速プラズマジェットの基
板衝突による局部的高温高圧状態の発生もあり、これら
の作用により、高速で、高圧相窒化ホウ素を合成するこ
とができる。
第1図は、本発明のインダクションプラズマジェット
を用いる新しい高圧相窒化ホウ素の気相合成装置の図
で、1は高周波コイル、2は水冷プラズマチューブ、3
は高周波電源、4は放電ガス、5は原料ガス、6はプラ
ズマジェット、7は基板、8は水冷基板ホルダ、9はバ
イアス電源、10は窒化ホウ素膜、11はアーク柱である。
を用いる新しい高圧相窒化ホウ素の気相合成装置の図
で、1は高周波コイル、2は水冷プラズマチューブ、3
は高周波電源、4は放電ガス、5は原料ガス、6はプラ
ズマジェット、7は基板、8は水冷基板ホルダ、9はバ
イアス電源、10は窒化ホウ素膜、11はアーク柱である。
30mm角のSi基板7をトーチの200mm下にセットし、ロ
ータリーポンブで系内を1×10-2Torrまで排気後、放電
ガス4としてAr900SCCM,H2100SCCM、原料ガスとしてB2H
620SCCM,NH380SCCM、放電周波数27.12MHz、放電出力2K
W、系内圧力100Torrで1時間製膜した。
ータリーポンブで系内を1×10-2Torrまで排気後、放電
ガス4としてAr900SCCM,H2100SCCM、原料ガスとしてB2H
620SCCM,NH380SCCM、放電周波数27.12MHz、放電出力2K
W、系内圧力100Torrで1時間製膜した。
この基板をX線回析、膜厚測定したところ、X線回析
では、c−BNのピークおよび、若干のw−BNのピークが
検出されたが、h−BNのピークは検出されなかった。膜
厚は12μmであった。
では、c−BNのピークおよび、若干のw−BNのピークが
検出されたが、h−BNのピークは検出されなかった。膜
厚は12μmであった。
本実施例によれば、高圧相窒化ホウ素を10μm/h以上
の高い製膜速度で、合成することができた。
の高い製膜速度で、合成することができた。
第2図は、第1図と同様な、しかし高周波誘導ではな
く、交流あるいは直流のアーク放電によりプラズマジェ
ットを発生する高圧相窒化ホウ素の気相合成装置であ
る。第2図中、第1図と対応する部材、部分等は同じ参
照数字で示した。21は陰極、22は陽極、23はアーク電源
である。
く、交流あるいは直流のアーク放電によりプラズマジェ
ットを発生する高圧相窒化ホウ素の気相合成装置であ
る。第2図中、第1図と対応する部材、部分等は同じ参
照数字で示した。21は陰極、22は陽極、23はアーク電源
である。
この装置においても第1図の装置による場合と同様な
高圧相窒化ホウ素の合成が可能であった。
高圧相窒化ホウ素の合成が可能であった。
本発明によれば、アーク放電によるプラズマジェット
を用いることにより、高圧相のみからなる窒化ホウ素膜
を簡単に得ることができ、しかもその製膜速度は従来と
比べて大幅に向上する。
を用いることにより、高圧相のみからなる窒化ホウ素膜
を簡単に得ることができ、しかもその製膜速度は従来と
比べて大幅に向上する。
第1図および第2図はいずれも本発明の方法を実施する
ための高圧相窒化ホウ素気相合成装置を示す模式断面図
である。 1……高周波コイル、2……水冷プラズマチューブ、3
……高周波電源、4……放電ガス、5……原料ガス、6
……プラズマジェット、7……基板、8……水冷基板ホ
ルダー、9……バイアス電源、10……窒化ホウ素膜、11
……アーク柱、21……陰極、22……陽極、23……アーク
電源。
ための高圧相窒化ホウ素気相合成装置を示す模式断面図
である。 1……高周波コイル、2……水冷プラズマチューブ、3
……高周波電源、4……放電ガス、5……原料ガス、6
……プラズマジェット、7……基板、8……水冷基板ホ
ルダー、9……バイアス電源、10……窒化ホウ素膜、11
……アーク柱、21……陰極、22……陽極、23……アーク
電源。
Claims (3)
- 【請求項1】アーク放電により発生する1万℃以上にお
よぶプラズマジェットに窒化ホウ素源を導入し、該プラ
ズマジェットを減圧または大気圧の容器内にある基板に
照射して、基板上に高圧相窒化ホウ素を析出させること
を特徴とする高圧相窒化ホウ素の気相合成法。 - 【請求項2】プラズマジェットを発生させる放電ガスが
水素もしくは希ガスまたはこれらの混合ガスを用いる特
許請求の範囲第1項記載の高圧相窒化ホウ素の気相合成
法。 - 【請求項3】原料の窒化ホウ素源がホウ素を含む化合物
と窒素を含む化合物または窒素とからなる特許請求の範
囲第1項記載の高圧相窒化ホウ素の気相合成法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62112553A JPH089519B2 (ja) | 1987-05-11 | 1987-05-11 | 高圧相窒化ホウ素の気相合成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62112553A JPH089519B2 (ja) | 1987-05-11 | 1987-05-11 | 高圧相窒化ホウ素の気相合成法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63277767A JPS63277767A (ja) | 1988-11-15 |
JPH089519B2 true JPH089519B2 (ja) | 1996-01-31 |
Family
ID=14589544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62112553A Expired - Lifetime JPH089519B2 (ja) | 1987-05-11 | 1987-05-11 | 高圧相窒化ホウ素の気相合成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH089519B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02250969A (ja) * | 1989-03-24 | 1990-10-08 | Yukio Ichinose | 窒化ほう素の製造法 |
JP2840699B2 (ja) * | 1990-12-12 | 1998-12-24 | 株式会社 半導体エネルギー研究所 | 被膜形成装置及び被膜形成方法 |
JP2840700B2 (ja) * | 1990-12-31 | 1998-12-24 | 株式会社 半導体エネルギー研究所 | 被膜形成装置及び被膜形成方法 |
JPH04337076A (ja) * | 1991-05-14 | 1992-11-25 | Yuuha Mikakutou Seimitsu Kogaku Kenkyusho:Kk | 高圧力下でのプラズマ及びラジカルcvd法による高速成膜方法 |
JP5300283B2 (ja) * | 2008-02-27 | 2013-09-25 | 学校法人トヨタ学園 | 窒化処理法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61275198A (ja) * | 1985-05-30 | 1986-12-05 | Mitsubishi Metal Corp | 窒化ほう素被膜の析出形成方法 |
JPS61295377A (ja) * | 1985-06-20 | 1986-12-26 | バルツエルス アクチエンゲゼルシヤフト | 薄膜形成方法 |
JPS63176400A (ja) * | 1987-01-16 | 1988-07-20 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 窒化ホウ素薄膜の製造方法 |
-
1987
- 1987-05-11 JP JP62112553A patent/JPH089519B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61275198A (ja) * | 1985-05-30 | 1986-12-05 | Mitsubishi Metal Corp | 窒化ほう素被膜の析出形成方法 |
JPS61295377A (ja) * | 1985-06-20 | 1986-12-26 | バルツエルス アクチエンゲゼルシヤフト | 薄膜形成方法 |
JPS63176400A (ja) * | 1987-01-16 | 1988-07-20 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 窒化ホウ素薄膜の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63277767A (ja) | 1988-11-15 |
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