JPH05147908A - 立方晶窒化ホウ素粉末の製造方法 - Google Patents

立方晶窒化ホウ素粉末の製造方法

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JPH05147908A
JPH05147908A JP31610591A JP31610591A JPH05147908A JP H05147908 A JPH05147908 A JP H05147908A JP 31610591 A JP31610591 A JP 31610591A JP 31610591 A JP31610591 A JP 31610591A JP H05147908 A JPH05147908 A JP H05147908A
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JP
Japan
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substrate
boron nitride
cbn
gun
plasma discharge
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JP31610591A
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Tadahiko Mishima
忠彦 三島
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LIMES KK
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LIMES KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、六方晶窒化ホウ素(hBN)の混入
が殆どない立方晶窒化ホウ素(cBN)の粉末を生産性
よく製造することが可能な方法を提供する。 【構成】減圧雰囲気中に窒素を導入し、ホロカソード銃
2からアルゴンを前記雰囲気中に供給して前記窒素の流
量と前記アルゴンの流量との比(Ar/N2)を4以上
とした状態で、前記ホロカソード銃2と前記銃2と対向
して配置された電極3との間にプラズマ放電15を起す
させる工程と、前記減圧雰囲気中で蒸発させたホウ素を
前記プラズマ放電15中を通過させる工程と、前記減圧
雰囲気中に配置され、予め加熱されると共に負の電圧と
高周波電圧が重畳印加された基板13に立方晶窒化ホウ
素を析出させる工程とを具備したことを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立方晶窒化ホウ素粉末
の製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】立方晶窒化ホウ素(以下cBNと略す)
は、天然に産出されない化合物で、1985年に高温高
圧法により合成された。
【0003】前記cBNは、常圧下で生成される六方晶
窒化ホウ素(以下、hBNと略す)を触媒を用いて14
50℃以上、約5GPaの高温高圧処理する方法により
製造される。
【0004】また、前記cBNはプラズマを利用したP
VD法やCVD法等の気相合成法により製造することが
試みられている。例えば、特開昭62−47472号公
報、特開昭60−43617号公報には比較的高密度の
プラズマが得られるホロカソード銃を利用した反応性イ
オンプレーティング法により前記cBNを製造すること
が開示されている。具体的には、前記反応性イオンプレ
ーティング法真空容器内に窒素ガスを導入しながら電子
ビーム蒸着等によりホウ素の蒸着を行ない、ホロカソー
ド銃と対向する電極との間にプラズマ放電を起させて前
記窒素および蒸発された前記ホウ素の一部をイオン化
し、負のバイアス電位に保持された基板に向けて加速さ
せることによってcBNを析出する方法である。特開昭
62−263962号公報や特開昭62−93366号
公報には、ホウ素を蒸発させて所望の基板表面に析出さ
せると同時に、高電圧で加速された窒素イオンを前記基
板に照射するイオンミキシング法により前記基板上に前
記cBNを製造することが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記高
温高圧法によるcBNの製造は装置の大型化に制約を受
ける。その結果、合成されるcBNの大きさも小さく、
製造コストが高価となる問題があった。
【0006】前記CVD法によるcBNの製造は、熱力
学的に平衡なプロセスであるため、反応ガスをプラズマ
化してcBNを製造したとしても、hBNがある程度混
入するという問題があった。
【0007】前記気相合成法の中でも、ホロカソード銃
を利用した反応性イオンプレーティング法やイオンミキ
シング法ではcBNの製造が可能であるといわれてい
る。しかしながら、これらのPVD法ではcBNの合成
速度が遅いため、生産性の点で問題があった。前記反応
性イオンプレーティング法において、前記合成速度を高
めるためにホウ素を大量に蒸発させることが考えられる
が、何台ものホロカソード銃を必要とするという新たな
問題を生じる。また、前記イオンミキシング法では処理
面積がイオン銃の照射領域に限られ、装置も高価とな
る。
【0008】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、六方晶窒化ホウ素(hBN)の混
入が殆どない立方晶窒化ホウ素(cBN)の粉末を生産
性よく製造することが可能な方法を提供しようとするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、減圧雰囲気中
に窒素を導入し、ホロカソード銃からアルゴンを前記雰
囲気中に供給して前記窒素の流量と前記アルゴンの流量
との比(Ar/N2 )を4以上とした状態で、前記ホロ
カソード銃と前記銃と対向して配置された電極との間に
プラズマ放電を起すさせる工程と、前記減圧雰囲気中で
蒸発させたホウ素を前記プラズマ放電中を通過させる工
程と、前記減圧雰囲気中に配置され、予め加熱されると
共に負の電圧と高周波電圧が重畳印加された基板に立方
晶窒化ホウ素を析出させる工程と、を具備したこことを
特徴とする立方晶窒化ホウ素粉末の製造方法である。前
記基板の材料としては、例えばシリコン単結晶またはス
テンレス鋼を始めとする各種金属等を用いることができ
る。
【0010】前記プラズマ放電を起させる減圧雰囲気中
の前記窒素の流量と前記アルゴンの流量との比を限定し
た理由は、前記比を4未満にすると前記基板にhBNが
析出するからである。前記ホウ素の蒸発は、例えばホウ
素が収納された蒸着源に電子ビームを照射する方法等を
採用することができる。
【0011】前記基板の温度は、350℃以上にするこ
とが望ましい。この理由は、前記基板温度を350℃未
満にするとhBNが基板上に析出する恐れがある。前記
基板温度上限ついては、前記基板材料の溶融温度以下に
すればよい。より好ましい基板温度は、400℃〜50
0℃の範囲である。
【0012】前記基板に印加される電圧は、−100V
〜−300Vの範囲にすることが望ましい。これは、次
のような理由によるものである。前記印加電圧を−10
0V未満の負電圧にすると基板にhBNが析出する恐れ
がある。一方、前記印加電圧が−300Vを越えるとス
パッタ作用が激しくなってcBNの析出効率が低下する
恐れがある。
【0013】前記基板は、cBNの析出に及ぼすプラズ
マ効果を最大限に利用する観点から、前記減圧雰囲気に
前記プラズマ放電中に曝されるように配置することが望
ましい。
【0014】
【作用】本発明によれば、窒素を含む減圧雰囲気中でホ
ロカソード銃と前記銃と対向して配置された電極との間
にプラズマ放電を起させ、前記減圧雰囲気中で蒸発させ
たホウ素を前記プラズマ放電中を通過させ、前記減圧雰
囲気中に基板を配置して前記基板に窒化ホウ素を析出す
るに際し、前記雰囲気中に供給して前記窒素の流量と前
記アルゴンの流量との比(Ar/N2 )を4以上とし、
前記基板を加熱すると共に負の電圧と高周波電圧を重畳
印加することによって、前記基板にhBNが殆ど混入さ
れないcBNを析出することができる。
【0015】また、前記基板に負の電圧と共に高周波電
圧を重畳して印加することによってチャージアップ現象
を抑制できる。すなわち、前記基板に析出されるcBN
は絶縁体であるため、前記基板にcBNが析出する過程
で前記基板に電荷の蓄積(チャージアップ現象)が生じ
る。このようなチャージアップ現象は、cBNの安定し
た析出を阻害するばかりか、前記析出中のcBNの剥離
の原因となる。前記基板に高周波電圧を印加することに
よって、チャージアップ現象を防止でき、結果的として
前記cBNを前記基板からの剥離を生じることなく析出
できる。しかも、前記高周波電圧は基板に対するバイア
スとして作用させることができる。
【0016】したがって、本発明によれば前記基板全体
にhBNの混入が殆どないcBNを析出できると共に、
前記プラズマ放電を利用することにより大面積の基板に
前記cBNを析出できるため、cBNの生産性を著しく
高めることができる。なお、析出したcBNは、前記基
板との密着性が弱く、機械的な操作により容易に掻き落
とすことができるため、粉末状のcBNを簡単に得るこ
とができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0018】図1は、本発明の実施例で用いられるイオ
ンプレーティング装置を示す概略図である。図中の1
は、真空チャンバである。このチャンバ1の上部側壁に
は、ホロカソード銃2が配置され、前記ホロカソード銃
2からはアルゴンが前記チャンバ1内に供給される。前
記ホロカソード銃2と対向する前記チャンバ1側壁に
は、電極3が配置されている。前記ホロカソード銃2
は、ホロカソード用直流電源4のマイナス端子に、前記
電極3は前記電源4のプラス端子にそれぞれ接続されて
いる。前記電源4は、低電圧大電流の電源で、前記ホロ
カソード銃2と前記電極3間に発生させるプラズマ放電
の状態を電流値で制御する構造になっている。
【0019】前記チャンバ1内の下部付近には、電子銃
5からの電子線照射により蒸発を行う水冷銅るつぼ6が
配置されている。前記プラズマ放電が発生される前記チ
ャンバ1内には、基板ホルダ7が配置されている。前記
ホルダ7には、直流電源8のマイナス端子と高周波電源
9とが並列に接続されている。前記直流電源8のプラス
端子と前記高周波電源9とは、それぞれ接地されてい
る。前記チャンバ1内の前記ホルダ7の上部近傍には、
ヒータ10が配置されている。前記チャンバ1の下部付
近の側壁には、窒素を前記チャンバ1内に導入するため
のガス導入管11が設けられている。前記チャンバ1の
下部付近には、排気管12が連結され、かつ前記排気管
12の端部には図示しない真空ポンプが設けられてい
る。 実施例1〜7
【0020】まず、シリコン単結晶からなる基板13を
前記ホルダ7に保持し、ホウ素14を前記るつぼ6内に
収納した後、図示しない真空ポンプを作動し、前記排気
管12を通して前記真空チャンバ1内を所定の真空度ま
で排気した後、ホロカソード銃2およびガス導入管11
からそれぞれアルゴン、窒素を下記表1に示す流量で供
給し、前記ホロカソード用直流電源4から前記ホロカソ
ード銃2と前記電極3に下記表1に示すプラズマ電流を
印加してそれらの間に位置する前記チャンバ1内にプラ
ズマ放電15を起こさせた。
【0021】次いで、前記電子銃5から下記表1に示す
出力で電子線を前記るつぼ6内に収納されたホウ素14
に照射してホウ素を蒸発させ、蒸発ホウ素を前記プラズ
マ放電15中を通過させた。同時に、前記ホルダ7に保
持された基板13を前記ヒータ10により400℃に加
熱すると共に、前記直流電源8および前記高周波電源9
から前記基板13にそれぞれ下記表1に示す負電圧およ
び13.56MHzの高周波電圧を重畳印加することに
より前記基板13の下面に窒化ホウ素を析出した。 比較例1〜6
【0022】前記ホロカソード銃2およびガス導入管1
1からそれぞれ供給されるアルゴン、窒素の流量、前記
ホロカソード用直流電源4から前記ホロカソード銃2と
前記電極3に印加されるプラズマ電流、前記ホウ素14
に前記電子銃5から電子線を照射する時の出力、および
前記直流電源8および前記高周波電源9から前記基板1
3に重畳印加される負電圧および高周波電圧の電力を下
記表1に示す条件にした以外、実施例1と同様な方法に
より基板下面に窒化ホウ素を析出した。
【0023】実施例1〜7および比較例1〜5におい
て、前記基板に析出された窒化ホウ素の性状を調べるた
めに赤外線吸収分光分析を行った。その結果を同表1に
併記した。また、実施例1、2、6、7および比較例1
〜5で析出した窒化ホウ素については、赤外線吸収スペ
クトルとして図2〜図4に示した。
【0024】
【表1】 前記表1および図2〜図4から明らかなように、本実施
例1〜7によればhBNが混入されないcBNを基板に
再現性よく析出できることがわかる。
【0025】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によれば六方
晶窒化ホウ素(hBN)の混入が殆どない立方晶窒化ホ
ウ素(cBN)の粉末を生産性よく製造することが可能
な方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いたイオンプレーティング
装置を示す概略図。
【図2】実施例1、2により基板に析出した窒化ホウ素
の赤外線吸収スペクトルを示す線図。
【図3】実施例6、7および比較例2、3により基板に
析出した窒化ホウ素の赤外線吸収スペクトルを示す線
図。
【図4】比較例1、4、5により基板に析出した窒化ホ
ウ素の赤外線吸収スペクトルを示す線図。
【符号の説明】
1…真空チャンバ、2…ホロカソード銃、3…電極、5
…電子銃、6…るつぼ、7…ホルダ、8…直流電源、9
…高周波電源、10…ヒータ、11…ガス導入管、13
…基板、14…ホウ素、15…プラズマ放電。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧雰囲気中に窒素を導入し、ホロカソ
    ード銃からアルゴンを前記雰囲気中に供給して前記窒素
    の流量と前記アルゴンの流量との比(Ar/N2 )を4
    以上とした状態で、前記ホロカソード銃と前記銃と対向
    して配置された電極との間にプラズマ放電を起させる工
    程と、 前記減圧雰囲気中で蒸発させたホウ素を前記プラズマ放
    電中を通過させる工程と、 前記減圧雰囲気中に配置され、予め加熱されると共に負
    の電圧と高周波電圧が重畳印加された基板に立方晶窒化
    ホウ素を析出させる工程と、を具備したこことを特徴と
    する立方晶窒化ホウ素粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基板の温度が350℃以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の立方晶窒化ホウ素粉末の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基板に印加される電圧は、−100
    V〜−300Vであることを特徴とする請求項1記載の
    立方晶窒化ホウ素粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記基板は、前記プラズマ放電中に曝さ
    れることを特徴とする請求項1記載の立方晶窒化ホウ素
    粉末の製造方法。
JP31610591A 1991-11-29 1991-11-29 立方晶窒化ホウ素粉末の製造方法 Pending JPH05147908A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015046437A (ja) * 2013-08-27 2015-03-12 日本電信電話株式会社 立方晶窒化ホウ素薄膜の製造方法、および立方晶窒化ホウ素薄膜

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015046437A (ja) * 2013-08-27 2015-03-12 日本電信電話株式会社 立方晶窒化ホウ素薄膜の製造方法、および立方晶窒化ホウ素薄膜

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