JPH09313191A - 蛋白質の分泌生産法 - Google Patents

蛋白質の分泌生産法

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JPH09313191A
JPH09313191A JP6658597A JP6658597A JPH09313191A JP H09313191 A JPH09313191 A JP H09313191A JP 6658597 A JP6658597 A JP 6658597A JP 6658597 A JP6658597 A JP 6658597A JP H09313191 A JPH09313191 A JP H09313191A
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JP
Japan
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gene
protein
escherichia coli
sec
plasmid
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JP6658597A
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Masaru Honjo
勝 本城
Naokazu Naito
直和 内藤
Hiroshi Uchida
博司 内田
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微生物での分泌生産が困難であった有用蛋白
質にも有効な、分泌効率の高い組換え蛋白質の分泌生産
方法を提供する。 【解決手段】 組換え蛋白質の遺伝子を含有し、さらに
SecB、SecD/F、SecG、SecE/Yのい
ずれか一つの遺伝子を人為的かつ過剰発現が抑制される
ような制御下で含有してなる組換えプラスミドで大腸菌
を形質転換し、該組換え蛋白質をペリプラズムに効率よ
く分泌生産させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大腸菌を用いた有用
蛋白質の分泌生産法に関するものであり、さらに詳しく
は大腸菌のペリプラズムに組換え蛋白質を分泌蓄積させ
るに際して、分泌効率の高い生産を可能ならしめるため
に、蛋白質の膜輸送に関与する蛋白質遺伝子を目的蛋白
質の遺伝子とともに共発現させる、大腸菌形質転換体を
用いた組換え蛋白質の分泌生産法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】組換えDNA技術による有用蛋白質の生
産には大腸菌が多く使用される。大腸菌を用いたそのよ
うな蛋白質の生産法は、大きく分類して菌体内生産法と
分泌生産法に分けられる。分泌生産法は、菌体内生産法
に比べて膜輸送及び前駆体プロセッシングの過程が余分
に必要なため、その生産効率は一般に低い。特に、哺乳
動物由来の蛋白質を大腸菌などの原核生物を使って分泌
生産すると、原核生物由来の蛋白質を分泌生産させた場
合に比べ生産効率が極めて低いことが知られている。そ
こで、哺乳動物由来の蛋白質生産にも応用可能な優れた
分泌生産法が望まれていた。
【0003】これまでに、細胞質膜透過実験法、遺伝生
化学的実験法の確立により大腸菌での蛋白質分泌の膜輸
送にSec蛋白質(例えば,SecB,SecA,Se
cD,SecF,SecE,SecY,SecG)が関
与していることが明らかになっている。SecBは、細
胞質に存在し、多くの前駆体と結合してその前駆体を膜
輸送に適した状態(アンフォールディング状態)に保つ
いわゆる分子シャペロンとして働く。SecBは分泌型
蛋白質に特異的なシャペロンである。その他に、一般的
なシャペロンとして、GroEL、GroES、Dna
K、DnaJなどの存在も知られている。SecAは細
胞質膜の細胞質側にある膜表在性蛋白質であり、分泌型
蛋白質の膜輸送に必須の因子である。SecAは、細胞
質内に生成した前駆体蛋白質のN末端に存在するシグナ
ルペプチドに結合して、前駆体を膜輸送装置へと導くと
考えられている。また、SecAは膜輸送に必須である
ATPase活性を持ち、前駆体蛋白質を原形質膜中に
挿入して膜輸送を開始させる役割を果たしている。Se
cEおよびSecYは、SecAと同様に膜輸送の必須
な因子であることが知られている。SecEおよびSe
cYは共に細胞質膜内在性蛋白質であり、複合体として
機能を果たしている。また、SecYは不安定な蛋白で
あるため通常はSecEとの複合体SecE/Yと表記
して一つの因子として扱うこともある。SecAの有す
るATPase活性の再構成には、SecA−SecE
−SecYの3者が必要であることも知られている。S
ecGは、膜輸送の必須因子であるSecA−SecE
−SecY複合体の活性化に関与し、低温での大腸菌の
生育及び蛋白質分泌に必須であることが明かになってい
る。SecDおよびSecFは、共に細胞質膜内在性蛋
白質でありその分子の大部分がペリプラズム側に存在す
ることが知られている。SecDとSecFはオペロン
を形成していることからSecD/Fと表記し、一つの
因子として扱う。SecDは膜輸送の最終段階である分
泌蛋白質の膜からの遊離に関与することが示唆されてい
る。SecFの機能は明らかではないがSecDと同様
の働きをしていると考えられている。
【0004】このように、大腸菌の蛋白質分泌のメカニ
ズムや蛋白質の膜輸送にSec蛋白質が関与しているこ
とが明らかになっている。しかし、これらのSec蛋白
質を有用蛋白の分泌生産に応用することは試みられては
いるものの、その応用例は数例しか知られていない。
【0005】その一つにインターロイキン−6(IL−
6)の大腸菌での分泌生産に関する報告(BIO/TE
CHNOLOGY,12,pp.178−180,(1
994))がある。該文献では、SecE、SecY
(別名:prlA)、prlA4(SecYの変異蛋白
質)の遺伝子を単独であるいは一緒に発現ベクターに組
み込んだプラスミドとIL−6遺伝子を含むプラスミド
の2つのプラスミドで大腸菌を形質転換し、得られた各
形質転換大腸菌のIL−6の分泌生産量を比較してい
る。その結果、SecEとprlA4の両遺伝子を共発
現させた場合には顕著なIL−6の分泌効率の向上が見
られたが、SecE遺伝子単独あるいはprlA4遺伝
子単独をIL−6と共発現させた場合にはIL−6の分
泌効率の向上はほとんど認められず、また、SecYと
SecEの両遺伝子を共発現させた場合には逆にIL−
6の分泌効率は低下した。
【0006】また、同研究者らはHuman Gran
ulocyte−colony stimulatin
g factor(G−CSF)の大腸菌での分泌生産
についても報告している。(Biochem.Biop
hys.Res.Commun.,210(2),p
p.524−529,(1995))。該論文中には、
シャペロンであるSecB、GroES、GroEL、
DnaK、DnaJ遺伝子を単独あるいは複数含むプラ
スミドを構築し、そのプラスミドで形質転換した大腸菌
を培養し、各シャペロン遺伝子の共発現によるG−CS
F分泌効率への効果を比較している。その結果、Dna
KあるいはDnaJ遺伝子を単独で共発現させた場合に
は前駆体のプロセスについて多少の改善が見られ、Dn
aKとDnaJの両シャペロン遺伝子を共発現させた場
合にもっとも顕著な効果があった。それに対し、Sec
B単独やGroEL/GroESの両シャペロン遺伝子
を共発現させた場合では全く効果がなかった。また、I
L−6の分泌生産効率への前記各種シャペロン遺伝子の
共発現についても同様に検討され、効果は全く見られな
かったことも同時に報告している。
【0007】以上のことは、Sec蛋白質遺伝子をただ
単純に共発現させただけでは分泌効率を必ずしも向上さ
せることはできないことを示している。つまり、膜輸送
に関与することがin vitroで立証されているこ
れらのSec蛋白質遺伝子をどのように発現させれば分
泌効率の向上に寄与させ得るかについての指針はない。
前述のBIO/TECHNOLOGY,12,pp.1
78−180(1994)は、SecYの変異体(pr
lA4)を使用した極めて特殊な成功例である。さらに
は、2つのプラスミド(SecE/prlA4遺伝子を
含むプラスミドとIL−6遺伝子を含むプラスミド)で
形質転換された大腸菌を使用している。2つのプラスミ
ドで形質転換された細胞は一般にプラスミドの不和合性
からコピー数の恒常的制御が困難であるため、蛋白質生
産効率が不安定で、工業生産上の使用に耐え得ないとい
う問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、これまで微生物での分泌生産が困難であった有
用蛋白質にも有効な、分泌効率の高いプラスミドを提供
すること、該プラスミドで形質転換した大腸菌形質転換
体を提供すること、該大腸菌形質転換体を使用した組換
え蛋白質の分泌生産法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Sec蛋
白質遺伝子を目的とする蛋白質の遺伝子と共発現させる
ことが可能な種々のプラスミドを構築し、該プラスミド
で形質転換させた大腸菌を作製し、目的蛋白質のペリプ
ラズムへの分泌効率を比較した。すると驚いたことに、
Sec蛋白質遺伝子の発現を過剰でないように抑制する
ことが非常に重要であり、その適正な共発現量でのみ目
的蛋白質の分泌効率の向上が可能であることを見い出し
本発明を完成した。Sec蛋白質遺伝子の発現量が目的
蛋白質の分泌効率の向上に大きな影響を与えることは、
これまでのin vitroの実験結果からは予測不可
能であり、前述のIL−6、G−CSFの分泌生産に関
する報告においても、Sec蛋白質遺伝子の発現量の影
響に関する記載はない。
【0010】即ち本発明は、蛋白質の遺伝子及びSec
B、SecD/F、SecG、SecE/Yよりなる群
から選ばれる少なくとも一つの大腸菌由来のSec蛋白
質遺伝子を含有し、更に該Sec蛋白質遺伝子の過剰発
現を抑制的に制御するDNAを含有する組換えプラスミ
ド、該組換えプラスミドで形質転換することにより得ら
れ、蛋白質の遺伝子と大腸菌由来のSec蛋白質遺伝子
が発現することを特徴とする大腸菌形質転換体、及び該
大腸菌形質転換体を培養して蛋白質を大腸菌のペリプラ
ズムに分泌生産させることを特徴とする蛋白質の分泌生
産方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における蛋白質膜の輸送に関与する蛋白質(Se
c蛋白質)とは、具体的には大腸菌由来のSecB、S
ecE、SecY、SecD、SecF、SecGおよ
びそれらと同様の機能を有する一残基あるいは数残基の
アミノ酸が部分的に挿入、置換あるはい欠損した変異体
(例えば、SecYの変異体であるprlA4)を意味
する。これらのSec蛋白質の遺伝子の取得は、例えば
大腸菌の染色体DNAなどから実施例に記載の方法によ
り可能であるが、化学合成により構築されたものなど如
何なるものでもよい。Sec蛋白質遺伝子は本来大腸菌
の染色体内に予め存在するものであるが、本発明におい
てはSec蛋白質遺伝子を人為的に発現させるために、
例えば大腸菌由来のSec蛋白質遺伝子をプラスミドに
存在させ、大腸菌が本来生産しているSec蛋白質遺伝
子とは別に発現させる。
【0012】本発明においては、Sec蛋白質遺伝子を
目的蛋白質遺伝子と共発現させる方法として両遺伝子を
同一プラスミド内に存在させる方法を用いているが、両
遺伝子を共に染色体内に存在させる方法、染色体とプラ
スミドあるいは2つの異なるプラスミドに別々に存在さ
せる方法も可能かもしれない。
【0013】本発明におけるSec蛋白質遺伝子の過剰
発現を抑制的に制御する方法には、転写抑制の制御と翻
訳抑制の制御の方法がある。転写抑制には、Sec蛋白
質遺伝子の発現に誘導型プロモーター(例えば、tac
プロモーター、lacプロモーターなど)を使用し、誘
導剤を低い濃度で添加あるいは無添加で培養する方法
や、実施例1〜4に記載のようにプロモーターのリプレ
ッサー遺伝子(例えば、tacプロモーターに対するl
acIq)を用いる方法などがある。翻訳抑制の制御方
法には実施例3に記載のように、Sec蛋白質遺伝子の
発現に関与するSD配列とSec蛋白質遺伝子の翻訳開
始コドンまでの塩基数(距離)を増加する方法などが挙
げられる。
【0014】本発明において、Sec蛋白質遺伝子の過
剰発現は培養した大腸菌破砕液の電気泳動分析を実施す
れば容易に確認可能である。
【0015】本発明者らは、SecAについても種々検
討したが、共発現による分泌促進効果は見いだせなかっ
た。しかし、共発現系の検討をさらに詳細に実施すれば
SecA共発現による分泌促進効果を見いだせる可能性
は大いに有り得る。
【0016】本発明で分泌生産される目的蛋白質は、大
腸菌において分泌可能な蛋白質であれば特に限定されな
いが、真核生物、特に哺乳類由来の蛋白質が適当であ
る。真核生物由来の蛋白質を大腸菌により分泌生産させ
た場合、原核生物由来の蛋白質に比べ分泌生産が困難で
あることが知られている。その理由は、大腸菌内で発現
した真核生物由来の蛋白質は、大腸菌体内で異物として
認識され、その結果プロテオリシスを受けやすいと考え
られている。さらに、分泌された真核生物由来の蛋白質
は、膜透過の際のフォールディングが正しく起こらず不
活性型になり易い。また、分泌の際にシグナルペプチド
のプロセッシングが必ずしも正しく起こるとは限らず、
正しいN末端アミノ酸配列を持った蛋白質が得難い。こ
のような問題点が真核生物由来の蛋白質の分泌生産を困
難にしている。これらの問題点は、膜透過機構が原核生
物とは異なる真核生物由来の蛋白質を原核生物の膜透過
機構で分泌させることに起因している。従って、大腸菌
由来のβ−ラクタマーゼなどの原核生物由来の蛋白質を
分泌生産する際は、該蛋白質本来の膜透過機構により分
泌されるため障害が少なくSec蛋白質の共発現による
効果は顕著ではない。他方、哺乳類由来の蛋白質を原核
生物で分泌生産させる際にそのSec蛋白質の共発現の
効果が明確に現われる。本発明における分泌生産可能な
哺乳類由来の蛋白質としては、G−CSF、インシュリ
ン、成長ホルモン、副甲状腺ホルモン(PTH)、プロ
ラクチン、GH結合蛋白などの蛋白質が挙げられる。特
に、分子量約20000のヒト成長ホルモン(以下20
kGH)の分泌に関して顕著な効果があるので適当であ
る。
【0017】本発明者らは既に大腸菌での20KhGH
の生産方法を確立し、20KhGHの分泌生産において
バチルス・アミロリキファシエンス中性プロテアーゼの
分泌に関与するシグナルペプチドのオリジナル配列より
も好ましい改変シグナルペプチドを得ている。本発明者
らは20KhGHの分泌効率に与えるSec蛋白質遺伝
子の共発現の効果を検討するため、この改変シグナルペ
プチド配列を有するプラスミドpGHR10(該プラス
ミドは、本発明者らがFERM BP−5020として
工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託している20
KhGH分泌大腸菌株MT−10765より抽出でき
る。)から実施例に記載のようなプラスミドを構築し、
そのプラスミドで大腸菌を形質転換し、得られた大腸菌
形質転換体の分泌生産性を比較した。蛋白質の分泌効率
を向上させるためには、蛋白質の一連の分泌過程で律速
となっているステップに関与しているSec蛋白質を共
発現させることが有効である。その律速ステップは分泌
させる目的蛋白質により異なるため、目的蛋白質ごとに
律速ステップに関与するSec蛋白質を選択し、適度に
そのSec蛋白質遺伝子の発現量を抑制し共発現させれ
ば、あらゆる種類の分泌蛋白質の分泌効率を向上でき
る。実施例に記載のように、20KhGHの分泌におい
て異なるSec蛋白質遺伝子の共発現が有効であったこ
とは、20KhGHの分泌に複数の律速ステップが存在
することを意味し、それが20khGHが分泌し難い蛋
白質である理由の一つと考えられる。
【0018】20KhGHは、現在臨床で使用されてい
る分子量約22000のヒト成長ホルモン(22KhG
H)を構成する191個のアミノ酸配列のうち、32〜
46番目のアミノ酸配列(15残基)が欠失した176
個のアミノ酸配列を有する。20KGHは22KhGH
投与の際のリスクとして指摘されている耐糖能異常誘発
性や白血病原性が低い可能性があり、その生物学的特性
から新しい医薬品hGHとして期待されている蛋白質で
ある。また、20KhGHのアミノ酸配列のN末端から
第14番目のアミノ酸については、セリンとメチオニン
の2種類の報告がある。即ち、Masuda,N.et
al.,Biochemica et Biophy
isica Acta,949,p.125,(198
8)では、N末端から第14番目のアミノ酸配列をコー
ドするcDNA塩基配列がAGT(セリンのコード)で
あり、Martial,J.A.et al Scie
nce,205,p.602,(1979)では、N末
端から第14番目のアミノ酸をコードするmRNA配列
がAUG(メチオニンのコード)である。本発明におけ
る20KhGHとは、第14番目のアミノ酸がメチオニ
ンあるいはセリンである両アミノ酸配列を意味する。本
発明の20KGHとしては、アミノ酸配列が1〜2個置
換、欠失、挿入されたものも含む。
【0019】本発明における組換えプラスミドの構築方
法は、例えば、取得した遺伝子のDNA断片の両端を制
限酵素で切断し、大腸菌内で複製可能なプラスミドの当
該部位に挿入する常法により容易に実施可能である。こ
の際に利用されるプラスミドベクターとしては、例えば
pBR322、pUC19などがあり、これらは市販品
であり容易に入手可能である。
【0020】本発明で宿主として使用できる大腸菌株と
しては、いかなるものでも良いが、好ましくは病原性が
なく、使用経験豊富な大腸菌株が好ましく、そのような
ものとして、JM109、HB101、W3110(A
TCC 27325)(ATCCはアメリカン・タイプ
カルチャー・コレクションの番号である)などが好適に
使用される。
【0021】本発明の大腸菌形質転換体を得る方法とし
ては、例えば、塩化ルビジウム法あるいは塩化カルシウ
ム法で宿主大腸菌からコンピテントセルを調製し、その
コンピテントセルとプラスミドを混合し、高温(42
℃)の液中に60〜90秒間さらすことによりコンピテ
ントセルにプラスミドを取り込ませ、その細胞含有液を
薬剤(例えばテトラサイクリン)を含むプレート培地上
に均等に広げ、培養後、プレート培地上に形成されるコ
ロニーを回収する方法が挙げられる。
【0022】かくしてSec蛋白質遺伝子を組換え蛋白
質遺伝子と共発現させることで組換え蛋白質を効率良く
分泌生産することができる。20KhGHの分泌生産に
おいては複数のSec蛋白質遺伝子の共発現が有効であ
る。本発明において各Sec蛋白質遺伝子を共発現させ
る20KhGH分泌生産菌株の例としては、SecY/
SecEはMT−10827、prlA4/SecEは
MT−10823(FERM BP−5830)、Se
cBはMT−10824(FERM BP−583
1)、SecGはMT−10825(FERM BP−
5832)、SecD/FはMT−10826(FER
M BP−5833)を挙げることができる。これらの
大腸菌株の20KhGHの分泌生産量は1Lの培養液あ
たり50〜65mgであり、その分泌効率はSec蛋白
質遺伝子を共発現させない株に比べ約1.6〜2.0倍
上昇した。
【0023】本発明において大腸菌形質転換体を培養す
るには、該菌株が資化可能な炭素源、窒素源および無機
塩類からなる培地或いはそれを改変した培地を用い公知
の培養法或いはそれを適宜改良した方法により培養すれ
ばよい。培養法としては液体培養が好適に使用される。
好ましい培地としては、グリセロールを0.2〜1.0
%濃度に含む2倍濃度のLB培地(ポリペプトン20g
/L,酵母エキス10g/L)などが挙げられる。
【0024】本発明の大腸菌形質転換体を培養すること
により、形質転換体のペリプラズム中には、分泌蛋白質
が蓄積される。該大腸菌形質転換体のペリプラズムから
の分泌蛋白質の調製は、通常のペリプラズムからの蛋白
質の回収精製方法により行うことが可能であり、例えば
浸透圧ショック法(Nossal G.N;J.Bio
l.Chem.,241(13),pp.3055−3
062,(1966))等が実施可能である。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこの例により何ら限定されるものではな
い。 [実施例1]SecD/F遺伝子の共発現が20KhGH
の分泌効率に与える影響 (1)SecD/F遺伝子をtacプロモーターで発現
させる20KhGH分泌プラスミドpGHV45DFの
作製 作製の方法は図1(図1)に示されている。Esche
richia coli K−12株(ATCC 23
716)の染色体を鋳型として、SecD/F遺伝子を
含むオペロンを配列番号1と配列番号2の合成オリゴヌ
クレオチドプライマーを使ったPCR法により増幅し、
SecD/F遺伝子を含む約2.9kbのDNA断片を
得た。このDNA断片をT4 DNAポリメラーゼを用
いて末端平滑化してインサートフラグメントを得た。次
に、20KhGH発現プラスミドpGHV45GR(該
プラスミドは、プラスミドpGHR10を制限酵素Ec
oT14IとAvaIで切断し、その結果得られた大き
い方のDNAフラグメントをライゲートすることで、l
acIq遺伝子部分を削除したものである。)を制限酵
素EcoRIとPstIで消化し、T4 DNAポリメ
ラーゼを用いて平滑末端化を行い、ベクターフラグメン
トを調製した。このベクターフラグメントを上記インサ
ートフラグメントの存在下でライゲートして大腸菌Se
cD/F遺伝子を共発現する20KhGH分泌プラスミ
ドpGHV45DFを作製した。
【0026】(2)pGHV45DFで形質転換した大
腸菌形質転換体の分泌生産 前項(1)で作製したpGHV45DFを使って大腸菌
HB101株及びJM109株を形質転換し、それぞれ
の形質転換体をテトラサイクリンを10μg/ml含む
LB寒天培地に接種し、30℃で一晩培養してコロニー
形成させた。単離したそれぞれの形質転換体をテトラサ
イクリンを10μg/mlで含む2倍濃度のLB培地
(ポリペプトン20g/L,酵母エキス10g/L)中
で、培養温度30℃、24時間培養した。pGHV45
DFプラスミド上のSecD/F遺伝子の発現はtac
プロモーターによる転写機構を有するため、両大腸菌株
形質転換体について、IPTGが無添加の場合及び培養
開始時にIPTGを1mM添加した場合の、SecD/
F遺伝子の発現量の20KhGH分泌量への影響を以下
のように検討した。両大腸菌形質転換体を培養後、浸透
圧ショック法によりペリプラズムに分泌蓄積された20
KhGHを回収し、該ペリプラズム画分溶液中の20K
hGHの濃度をhGHに対する抗体を用いた酵素免疫学
的測定法(Kato,K.et al;J.Immun
ol.,116,p.1554,(1976))を利用
して測定した。具体的なペリプラズム画分溶液の調製方
法を以下に説明する。即ち、培養液を遠心分離すること
により菌体を沈澱画分に回収し、元の培養液容量の1/
10量の等張液(20%シュークロース、1mM ED
TAを含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
0))に懸濁した。該懸濁液を30分間放置後、遠心分
離をして菌体を回収した。次に、回収した菌体を元の培
養液容量の1/10量の冷水(4℃)に再び懸濁し、遠
心分離することによりペリプラズムに分泌蓄積した20
KhGHを上清中に回収した。このペリプラズム画分溶
液中の20KhGH濃度を上記酵素免疫学的測定法によ
り測定し、その測定値から培養液1Lあたりの20Kh
GH分泌量を換算した。結果を表1(表1)に示す。
【0027】
【表1】
【0028】JM109の形質転換体においては、IP
TG添加による誘導のない場合に20KhGHの分泌量
が有意に高く、HB101の形質転換体においては、I
PTG添加のいずれの場合においても20KhGHの分
泌量は低かった。
【0029】この大腸菌株の違いによるSecD/F遺
伝子の共発現が20KhGHの分泌量に与える影響の原
因は、JM109がlacIq遺伝子(tacプロモー
ターのリプレッサー遺伝子)を有する株であるのに対
し、HB101はlacIq遺伝子を持たないためと考
えられた。即ち、本発明者らは以下の通り仮定した。H
B101はlacIq遺伝子を持たないため、IPTG
を添加したときはもちろんのこと、IPTGを添加しな
い場合でもtacプロモーターによりSecD/F遺伝
子が過剰に発現されてしまい、20KhGHの分泌効率
は向上されない。一方、lacIq遺伝子を有するJM
109では、tacプロモーター により発現されるS
ecD/F遺伝子はIPTG誘導条件下では過剰すぎて
20KhGHの分泌を促進しないが、非誘導条件下では
SecD/F遺伝子の発現量が過剰にならない程度に抑
制されているため、20KhGHの分泌効率は向上す
る。その仮定に基づき、lacIq遺伝子をSecD/
F遺伝子及び20KhGH遺伝子を含むプラスミドに存
在させ、lacIq遺伝子を有しないHB101を宿主
とした形質転換体における20KhGH分泌量への影響
について検討することにした。
【0030】(3)SecD/F遺伝子の過剰発現がl
acIq遺伝子により抑制的に制御可能な20KhGH
分泌プラスミドpGHR9の作製 作製の方法は図2(図2)に示されている。20KhG
H分泌大腸菌株であるMT−10765から抽出した2
0KhGH分泌プラスミドpGHR10を制限酵素Ec
oT14IとAvaIで消化し、lacIq遺伝子を含
む約1.1kbのDNA断片を得た。次に、前述のpG
HV45DFを制限酵素EcoT14IとAvaIで消
化し、ベクターフラグメントを調製した。このベクター
フラグメントを上記lacIq遺伝子を含むDNA断片
の存在下でライゲートしてlacIq遺伝子によりSe
cD/F遺伝子の過剰発現が抑制的に制御を受ける20
KhGH分泌プラスミドpGHR9を作製した。このプ
ラスミドを使って大腸菌HB101株(宝酒造より購
入)を形質転換して大腸菌形質転換株MT−10826
を得た。このMT−10826株は受託番号FERM
BP−5833として工業技術院生命工学工業技術研究
所に寄託されている。
【0031】(4)pGHR9を使った20KhGHの
分泌生産 Sec蛋白質遺伝子を共発現させていない20KhGH
分泌プラスミドpGHV45(該プラスミドは、プラス
ミドpGHR10を制限酵素EcoT14IとAccI
IIで消化し、その結果得られる大きい方のDNAフラ
グメントをライゲートすることにより、lacIq遺伝
子部分及びグルタチオンレダクターゼ発現遺伝子部分を
削除したものである。)で大腸菌HB101株を形質転
換した菌株MT−10829、そして、前項(3)で作
製したpGHR9を使って大腸菌HB101株を形質転
換した菌株MT−10826を(1)と同様の方法で培
養し、20KhGHの分泌量を比較した。その結果を表
2(表2)に示す。
【0032】
【表2】
【0033】SecD/F遺伝子の過剰発現をlacI
qにより抑制することにより、20KhGHの分泌量が
Sec蛋白質遺伝子を共発現させていないものに比べて
約1.9倍増加することが明らかになった。また、IP
TG添加によりSecD/F遺伝子の発現が促進される
と20KhGHの分泌量は逆に低下した。
【0034】このようにSecD/F遺伝子について
は、発現プロモーターとしてtacプロモーターを用
い、その過剰発現をlacIqで抑制させる20KhG
Hの分泌プラスミドで形質転換させた大腸菌HB101
株で高い20KhGHの分泌量が得られた。そこで、以
下に記載する他の大腸菌由来のSec蛋白質遺伝子の共
発現効果の検討についても、同様の方法を用いることに
した。
【0035】[実施例2]SecE/Y遺伝子の共発現が
20KhGH分泌効率に与える影響 (1)20KhGH遺伝子とSecE/Y遺伝子を共発
現する分泌プラスミドpGHR4の作製 作製の方法は図3(図3)に示されている。Esche
richia coli K−12株(ATCC 23
716)の染色体を鋳型として、SecE/Y遺伝子を
それぞれ配列番号3と配列番号4、及び配列番号5と配
列番号6の合成オリゴヌクレオチドプライマーを使った
PCR法により増幅した(Mullis,K.B.et
al;Methods Enzymol.,155,
pp.335−350)。これら2つのDNA断片をそ
れぞれの両端に存在する制限酵素(EcoRI,Xho
I,PstI)を用いて消化し、SecE遺伝子をコー
ドする約0.4kbのDNA断片とSecY遺伝子をコ
ードする約1.3kbのDNA断片を得た。次に、プラ
スミドpGHR10を制限酵素EcoRIとPstIで
消化し、単離した約6.0kbのDNA断片を上記約
0.4kb及び約1.3kbのDNA断片の存在下でラ
イゲートしてSecE/Y遺伝子を共発現する20Kh
GH分泌プラスミドpGHR4を作製した。この際に、
インサート断片である約0.4kbと約1.3kbのD
NA断片は制限酵素XhoI部位を利用して接続した。
発現系の構造は、tacプロモーターによりSecE及
びSecY遺伝子のmRNAが転写される。そして、両
遺伝子の翻訳開始点からそれぞれ9及び4塩基上流側に
はAGGAから成るSD配列を挿入して、アミノ酸コド
ンフレームを合わせた。このプラスミドを使って大腸菌
HB101株(宝酒造より購入)をInoue,H.ら
の方法(Gene 96,pp.23−28,(199
0))により形質転換して大腸菌形質転換株MT−10
827を得た。
【0036】(2)20KhGH遺伝子とprlA4/
SecE遺伝子を共発現する分泌プラスミドpGHR5
の作製 作製の方法は図4(図4)に示されている。まず、pr
lA4の変異点であるF286,I408をそれぞれY
286,N408に置換するプライマー(配列番号7〜
配列番号10)を作製した。これらとSecY遺伝子ク
ローニングのためのプライマー(配列番号5と配列番号
6)を使い、pGHR4を鋳型としたPCR増幅を行っ
た。このPCR増幅によりprlA4遺伝子を3つのD
NA断片に分けた形式でクローニングした。これら3つ
のDNA断片を図2(図2)の中で示したそれぞれの制
限酵素(XhoI,NheI,BclI,EcoT22
I)で処理し、DNA断片(prlA4−a,prlA
4−b,prlA4−c)を得た。一方、プラスミドp
GHR4を制限酵素XhoIとEcoT22Iを用いて
消化し、ベクターフラグメントを得た。このベクターフ
ラグメントを上記3つのDNA断片が過剰に存在する条
件下でライゲートし、PrlA4/SecE遺伝子を共
発現する20KhGH分泌プラスミドpGHR5を作製
した。このpGHR5を使って大腸菌HB101株(宝
酒造より購入)を形質転換し、MT−10823株を得
た。このMT−10823株は受託番号FERM BP
−5830として工業技術院生命工学工業技術研究所に
寄託されている。
【0037】(3)pGHR4及びpGHR5を使った
20KhGHの分泌生産 Sec蛋白質遺伝子を共発現させていない20KhGH
分泌プラスミドpGHV45で大腸菌HB101株を形
質転換した菌株MT−10829、さらに前項(1)及
び(2)で作製したpGHR4及びpGHR5を使って
大腸菌HB101株を形質転換した菌株(MT−108
27及びMT−10823)をそれぞれテトラサイクリ
ンを10μg/ml含むLB寒天培地に接種し、30℃
で一晩培養してコロニーを形成させた。単離したそれぞ
れの形質転換体をテトラサイクリンを10μg/mlで
含む2倍濃度のLB培地(ポリペプトン20g/L,酵
母エキス10g/L)中で、IPTG添加を行わず、培
養温度30℃、24時間培養した。培養後、実施例1と
同様の方法でペリプラズム画分溶液を調製し、該溶液中
の20KhGHの濃度を測定した。結果を表3(表3)
に示す。
【0038】
【表3】
【0039】SecE/Y遺伝子を共発現させることに
より、20KhGHの分泌量は、Sec蛋白質遺伝子を
共発現させていないものに比べて約1.6倍上昇した。
また、prlA4/SecE遺伝子を共発現させた場合
には、Sec蛋白質遺伝子を共発現させていないものに
比べて約1.8倍の分泌量を示した。
【0040】[実施例3]SecB遺伝子の共発現が20
KhGH分泌効率に与える影響 (1)20KhGHとSecB遺伝子を共発現する分泌
プラスミドpGHR6の作製 作製の方法は図5(図5)に示されている。Esche
richia coli K−12株(ATCC 23
716)の染色体を鋳型として、SecB遺伝子をそれ
ぞれ配列番号11、配列番号12の合成オリゴヌクレオ
チドプライマーを使ったPCR法により増幅し、Sec
B遺伝子を含む約0.5kbのDNA断片を得た。この
DNA断片を両端に存在する制限酵素(EcoRI,P
stI)を用いて消化し、インサートフラグメントを得
た。次に、20KhGHの分泌生産株であるMT−10
765から抽出したプラスミドpGHR10を制限酵素
EcoRIとPstIで消化し、単離した約6.0kb
のDNA断片を上記インサートフラグメントの存在下で
ライゲートしてSecB遺伝子を共発現する20KhG
H分泌プラスミドpGHR6を作製した。このプラスミ
ドpGHR6を使って大腸菌HB101株(宝酒造より
購入)をInoue,H.らの方法(Gene 96
pp.23−28,(1990))により形質転換して
大腸菌形質転換株MT−10828を得た。
【0041】(2)pGHR6を使った20KhGHの
分泌生産 Sec蛋白質遺伝子を共発現させていない20KhGH
分泌プラスミドpGHV45で大腸菌HB101株を形
質転換した菌株MT−10829、そして前項で作製し
たpGHR6を使って大腸菌HB101株を形質転換し
た菌株MT−10828を実施例2に記載の方法と同様
の方法で培養し、20KhGHの分泌量を比較した。そ
の結果を表4(表4)に示す。
【0042】
【表4】
【0043】SecB遺伝子の過剰発現をlacIq遺
伝子により抑制して20KhGHと共発現させたとこ
ろ、20KhGHの分泌量は有意に増加した。しかし、
この培養後の菌体の超音波破砕液をSDS−PAGEに
より分析したところ、SecB蛋白質(分子量:16K
Da)が多く発現していることが判明した。そこで、S
ecB遺伝子の発現の抑制が十分でなく、そのため充分
な20KhGH分泌量が得られないと考え、SecB遺
伝子の過剰発現をさらに抑制した共発現プラスミドを作
製することにした。
【0044】(3)20KhGH遺伝子と適正量のSe
cB遺伝子を共発現する分泌プラスミドpGHR7の作
作製の方法は図6(図6)に示されている。SecB遺
伝子の過剰発現量をさらに抑制するためにpKK223
−3由来のSD配列から翻訳開始点までの距離を長くす
ることにした。具体的には、前述のpGHR6では10
bpであった間隔(距離)を50bpに増やし、翻訳開
始点上流10bpの位置にSecB遺伝子由来のSD配
列を挿入することを目的としたPCRプライマー(配列
番号12と配列番号13)を用いて、pGHR6プラス
ミドを鋳型としたPCR増幅を行いSD配列を変換させ
たSecB遺伝子を含む約1.2kbのDNA断片を得
た。これを両端に存在する制限酵素EcoRI,Acc
IIIで消化し、インサートフラグメントを作製した。
次に、pGHR6をEcoRIとAccIIIで消化
し、ベクターフラグメントを調製した。得られたベクタ
ーフラグメントを上記インサートフラグメントの存在下
でライゲートして、SecB遺伝子の過剰発現を抑制し
た20KhGH分泌プラスミドpGHR7を作製した。
このプラスミドを使って大腸菌HB101株(宝酒造よ
り購入)を形質転換して大腸菌形質転換株MT−108
24を得た。このMT−10824株は受託番号FER
M BP−5831として工業技術院生命工学工業技術
研究所に寄託されている。
【0045】(4)pGHR7を使った20KhGHの
分泌生産 Sec蛋白質遺伝子を共発現させていない20KhGH
分泌プラスミドpGHV45で大腸菌HB101株を形
質転換した菌株MT−10829、そして、前項で作製
したpGHR7を使って大腸菌HB101株を形質転換
した菌株MT−10824を実施例1と同様の方法で培
養し、20KhGHの分泌量を比較した。その結果を表
5(表5)に示す。
【0046】
【表5】 * pGHR6よりもSecB遺伝子の発現は抑制されている
【0047】実験の結果より、SecB遺伝子の共発現
量を下げ適正量に調節することにより、Sec蛋白質遺
伝子を共発現させていないものに比べて、20KhGH
の分泌量が約1.8倍増加することが明らかになった。
なお、SecB遺伝子の共発現量の低下はSDS−PA
GEで確認した。
【0048】[実施例4]SecG遺伝子の共発現が20
KhGH分泌効率に与える影響 (1)20KhGH遺伝子とSecG遺伝子を共発現す
る分泌プラスミドpGHR8の作製 作製の方法は図7(図7)に示されている。Esche
richia coli K−12株(ATCC 23
716)の染色体を鋳型として、SecG遺伝子を配列
番号15と配列番号16の合成オリゴヌクレオチドプラ
イマーを使ったPCR法により増幅し、SecG遺伝子
を含む約0.3kbのDNA断片を得た。このDNA断
片を両端に存在する制限酵素(EcoRI,HindI
II)を用いて消化し、インサートフラグメントを得
た。このインサートフラグメントをファルマシア社より
購入した発現プラスミドpKK223−3のEcoRI
とHindIIIの間にクローニングして、pKKSG
1を作製した。続いて、20KhGH発現プラスミドに
SecG発現領域を組み込むために、このpKKSG1
を鋳型として、配列番号14と配列番号15を用いたP
CR増幅を行い、得られたDNA断片をEcoRIとA
ccIIIで消化して、インサートフラグメントを調製
した。次に、20KhGH発現プラスミドpGHR10
を制限酵素EcoRIとAccIIIで消化し、単離し
たベクターフラグメントを上記インサートフラグメント
の存在下でライゲートしてSecG遺伝子を共発現する
20KhGH分泌プラスミドpGHR8を作製した。こ
のプラスミドを使って大腸菌HB101株(宝酒造より
購入)を形質転換して大腸菌形質転換株MT−1082
5を得た。このMT−10825株は受託番号FERM
BP−5832として工業技術院生命工学工業技術研
究所に寄託されている。
【0049】(2)pGHR8を使った20KhGHの
分泌生産 Sec蛋白質遺伝子を共発現させていない20KhGH
分泌プラスミドpGHV45で大腸菌HB101株を形
質転換した菌株MT−10829、そして、前項で作製
したpGHR8を使って大腸菌HB101株を形質転換
した菌株MT−10825を実施例1と同様の方法で培
養し、20KhGHの分泌量を比較した。その結果を表
6(表6)に示す。
【0050】
【表6】
【0051】実験の結果より、SecG遺伝子の共発現
により、Sec蛋白質遺伝子を共発現させていないもの
に比べ20KhGHの分泌量が約1.8倍増加すること
が明らかになった。
【0052】
【発明の効果】本発明の方法により、これまで微生物で
の分泌生産が困難であった20KhGHのような有用蛋
白質を、大腸菌形質転換体のペリプラズム中に効率よく
分泌蓄積させることができる。すなわち、蛋白質の膜輸
送に関与する蛋白質であるSecB,SecD/F,S
ecG、SecE/Yよりなる群から選ばれる少なくと
も1つのSec蛋白質遺伝子を過剰発現を抑制する制御
下で組換え蛋白質遺伝子と同時に発現させることで該組
換え蛋白質を効率よく分泌生産させることができる。
【0053】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ATCAAGCTTA AGGGAATTGC CGTGT 25
【0054】配列番号:2 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACTGAGCTCA AATCCCGATC TTCTGA 26
【0055】配列番号:3 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TATGAATTCA TGAGTGCGAA TACCGAAGCT CAA 33
【0056】配列番号:4 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AAACTCGAGT CACCTCAGGC CAGTGATAAA GGA 33
【0057】配列番号:5 配列の長さ:41 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TTTCTCGAGA GGAAACAATG GCTAAACAAC CGGGATTAGA T 41
【0058】配列番号:6 配列の長さ:39 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TTTCTGCAGA TGCATTTATC GGCCGTAGCC TTTCAGGTT 39
【0059】配列番号:7 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACTGCTAGCG AAGATTGCCG GGAT 24
【0060】配列番号:8 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TTCGCTAGCA GTATTATTCT GTACCCG 27
【0061】配列番号:9 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CCATGATCAC GACAACAACG TTAAG 25
【0062】配列番号:10 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CGTGATCATG GACTTTATGG CTCAA 25
【0063】配列番号:11 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GTAGAATTCA TGTCAGAACA AAACAACACT 30
【0064】配列番号:12 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CCAAGCTTTC TTGCCAGGGT 20
【0065】配列番号:13 配列の長さ:85 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACAGAATTCC CGGGGATCCG TCGACCTGCA GTATTTAAGG ACAACACTTA AGGGTTTTCT 60 ACACATGTCA GAACAAAACA ACACT 85
【0066】配列番号:14 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGATCCGGAG CAAAAACAGG AAGGC 25
【0067】配列番号:15 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TTTGAATTCC GCAAGGAACA GGTTG 25
【0068】配列番号:16 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TTTAAGCTTT TTAGTTCGGG ATATC 25
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、20KhGH遺伝子とSecD/F
遺伝子を共発現させる20KhGH分泌プラスミドpG
HV45DFの構築方法を示している。
【図2】 図2は、SecD/F遺伝子の過剰発現をl
acIq遺伝子で抑制しつつ、20KhGH遺伝子とS
ecD/F遺伝子を共発現させる20KhGH分泌プラ
スミドpGHR9の構築方法を示している。
【図3】 図3は、SecE/Y遺伝子の過剰発現をl
acIq遺伝子で抑制しつつ、20KhGH遺伝子とS
ecE/Y遺伝子を共発現させる20KhGH分泌プラ
スミドpGHR4の構築方法を示している。
【図4】 図4は、prlA4/SecE遺伝子の過剰
発現をlacIq遺伝子で抑制しつつ、20KhGH遺
伝子とprlA4/SecE遺伝子を共発現させる20
KhGH分泌プラスミドpGHR5の構築方法を示して
いる。
【図5】 図5は、SecB遺伝子の過剰発現をlac
Iq遺伝子で抑制しつつ、20KhGH遺伝子とSec
B遺伝子を共発現させる20KhGH分泌プラスミドp
GHR6の構築方法を示している。
【図6】 図6は、lacIq遺伝子に加え、さらにS
ecB遺伝子翻訳開始部位とSD配列までの距離を長く
することにより、より強くSecB遺伝子の過剰発現を
抑制しつつ、20KhGH遺伝子とSecB遺伝子を共
発現させる20KhGH分泌プラスミドpGHR7の構
築方法を示している。
【図7】 図7は、SecG遺伝子の過剰発現をlac
Iq遺伝子で抑制しつつ、20KhGH遺伝子とSec
G遺伝子を共発現させる20KhGH分泌プラスミドp
GHR8の構築方法を示している。
【符号の説明】
配列1→ :配列番号1で示される合成オリゴヌク
レオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成してい
く方向を示す。 ←配列2 :配列番号2で示される合成オリゴヌク
レオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成してい
く方向を示す。 配列3→ :配列番号3で示される合成オリゴヌク
レオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成してい
く方向を示す。 ←配列4 :配列番号4で示される合成オリゴヌク
レオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成してい
く方向を示す。 配列5→ :配列番号5で示される合成オリゴヌク
レオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成してい
く方向を示す。 ←配列6 :配列番号6で示される合成オリゴヌク
レオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成してい
く方向を示す。 ←配列7 :配列番号7で示される合成オリゴヌク
レオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成してい
く方向を示す。 配列8→ :配列番号8で示される合成オリゴヌク
レオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成してい
く方向を示す。 ←配列9 :配列番号9で示される合成オリゴヌク
レオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成してい
く方向を示す。 配列10→ :配列番号10で示される合成オリゴヌ
クレオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成して
いく方向を示す。 配列11→ :配列番号11で示される合成オリゴヌ
クレオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成して
いく方向を示す。 ←配列12 :配列番号12で示される合成オリゴヌ
クレオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成して
いく方向を示す。 配列13→ :配列番号13で示される合成オリゴヌ
クレオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成して
いく方向を示す。 ←配列14 :配列番号14で示される合成オリゴヌ
クレオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成して
いく方向を示す。 配列15→ :配列番号15で示される合成オリゴヌ
クレオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成して
いく方向を示す。 ←配列16 :配列番号16で示される合成オリゴヌ
クレオチドプライマーを示し、矢印は遺伝子を合成して
いく方向を示す。 NP promoter :バチルス・アミロリキファシエンスの
中性プロテアーゼ遺伝子のプロモーター領域 20KhGH :分子量約20000のヒト成長ホルモ
ン遺伝子 GR :グルタチオンレダクターゼ遺伝子 tac promoter :tacプロモーター領域 lacIq :lacIq遺伝子 prlA4-a :prlA4遺伝子を3つのDNA断片
に分けてクローニングした際、制限酵素XhoIと制限
酵素NheIで認識されて得られるDNA断片 prlA4-b :prlA4遺伝子を3つのDNA断片
に分けてクローニングした際、制限酵素NheIと制限
酵素BclIで認識されて得られるDNA断片 prlA4-c :prlA4遺伝子を3つのDNA断片
に分けてクローニングした際、制限酵素BclIと制限
酵素EcoT22Iで認識されて得られるDNA断片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛋白質の遺伝子及びSecB、SecD
    /F、SecG、SecE/Yよりなる群から選ばれる
    少なくとも一つの大腸菌由来のSec蛋白質遺伝子を含
    有し、更に該Sec蛋白質遺伝子の過剰発現を抑制的に
    制御するDNAを含有する組換えプラスミド。
  2. 【請求項2】 蛋白質が補乳類由来の蛋白質である請求
    項1に記載の組換えプラスミド。
  3. 【請求項3】 哺乳類由来の蛋白質が分子量約2000
    0のヒト成長ホルモンである請求項2に記載の組換えプ
    ラスミド。
  4. 【請求項4】 Sec蛋白質遺伝子の過剰発現を抑制的
    に制御するDNAが誘導型プロモーター、或いは誘導型
    プロモーター及びそのリプレッサー遺伝子である請求項
    1または請求項2に記載の組換えプラスミド。
  5. 【請求項5】 誘導型プロモーターがtacプロモータ
    ーであり、リプレッサー遺伝子がlacIqである請求
    項3に記載の組換えプラスミド。
  6. 【請求項6】 宿主大腸菌を請求項1または2記載の組
    換えプラスミドで形質転換することにより得られ、蛋白
    質の遺伝子と大腸菌由来のSec蛋白質遺伝子が発現す
    ることを特徴とする大腸菌形質転換体。
  7. 【請求項7】 宿主大腸菌を請求項3に記載の組換えプ
    ラスミドで形質転換することにより得られ、蛋白質の遺
    伝子と大腸菌由来のSec蛋白質遺伝子が発現すること
    を特徴とする大腸菌形質転換体。
  8. 【請求項8】 大腸菌形質転換体がFERM BP−5
    830、FERMBP−5831、FERM BP−5
    832、FERM BP−5833のいずれか一つであ
    る請求項7に記載の大腸菌形質転換体。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の大腸菌形質転換体を培
    養して蛋白質を大腸菌のペリプラズムに分泌生産させる
    ことを特徴とする蛋白質の分泌生産方法。
  10. 【請求項10】 請求項7または請求項8に記載の大腸
    菌形質転換体を、誘導剤を添加または添加していない培
    地で培養して大腸菌由来のSec蛋白質遺伝子の過剰発
    現を抑制的に制御して、蛋白質を大腸菌のペリプラズム
    に分泌生産させることを特徴とする蛋白質の分泌生産方
    法。
JP6658597A 1996-03-28 1997-03-19 蛋白質の分泌生産法 Withdrawn JPH09313191A (ja)

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JP6658597A JPH09313191A (ja) 1996-03-28 1997-03-19 蛋白質の分泌生産法

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JP8-74193 1996-03-28
JP7419396 1996-03-28
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JPH09313191A true JPH09313191A (ja) 1997-12-09

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009510998A (ja) * 2005-07-22 2009-03-19 カロビオス・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド シグナルペプチドを用いない、細菌からの抗体分泌

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US8211648B2 (en) 2005-07-22 2012-07-03 Kalobios Pharmaceuticals, Inc. Secretion of antibodies without signal peptides from bacteria
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