JP3325512B2 - 大腸菌変異株 - Google Patents

大腸菌変異株

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JP3325512B2
JP3325512B2 JP03171898A JP3171898A JP3325512B2 JP 3325512 B2 JP3325512 B2 JP 3325512B2 JP 03171898 A JP03171898 A JP 03171898A JP 3171898 A JP3171898 A JP 3171898A JP 3325512 B2 JP3325512 B2 JP 3325512B2
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正明 金森
秀樹 柳
隆 由良
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株式会社エイチ・エス・ピー研究所
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大腸菌変異株に関
する。さらに詳しくは、大腸菌内で発現された不安定蛋
白質を安定化する機能を有する大腸菌変異株、該大腸菌
変異株の製造方法、該大腸菌変異株を用いる不安定蛋白
質の大腸菌内での安定発現方法、該大腸菌変異株を用い
る大腸菌由来の不安定蛋白質の安定化方法、該大腸菌変
異株に外来蛋白質をコードする遺伝子を導入して得られ
る形質転換体及び該形質転換体を用いる外来蛋白質の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大腸菌を用いた外来遺伝子の発現による
有用蛋白質の産生は、基本的にはすでに確立された技術
といえるが、大腸菌の菌体内で急速に分解される蛋白質
も多く、必ずしも満足できる発現量が得られるとは限ら
ない。大腸菌内で不安定な外来蛋白質を安定に発現させ
る一つの手段として、プロテアーゼ遺伝子の変異株を宿
主として用いることが考えられ、実際 clpPX遺伝子及
び lon遺伝子の二重変異株が外来蛋白質生産のための宿
主として作製されている(特開平8−140671号公
報)。しかし、種々の外来蛋白質を安定に発現させると
いう点において未だ有効な変異株は得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、大腸
菌の菌体内で不安定な蛋白質を安定化する機能を有する
大腸菌変異株を提供することにある。本発明の他の目的
は、かかる大腸菌変異株の製造方法を提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的は、かかる大腸菌変異株を
用いる不安定蛋白質の安定発現方法を提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的は、かかる大腸菌変異株を
用いる大腸菌由来の不安定蛋白質の安定化方法を提供す
ることにある。本発明のさらに他の目的は、かかる大腸
菌変異株に外来蛋白質をコードする遺伝子を導入して得
られる形質転換体を提供することにある。本発明のさら
に他の目的は、かかる形質転換体を用いて不安定蛋白質
を製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記プロテアーゼには弱
いながらも基質特異性が認められており、ある蛋白質は
Lonにより分解されるが、Clpでは分解されないと
いうことがある。したがって、新たなプロテアーゼを発
見し、それらの変異を既存のプロテアーゼの変異と組み
合わせることにより、様々な外来蛋白質の発現に対応可
能な、蛋白質分解を抑制した宿主が開発できるものと期
待される。
【0005】本発明者らは、このような観点から、大腸
菌内で折り畳みが異常になった蛋白質を処理するという
機能を指標に、新規プロテアーゼ遺伝子の探索を試み、
hslV/Uオペロンを単離した。 hslV/Uオペロンの
塩基配列は既に報告されており、また hslV/Uオペロ
ンがコードする2つの蛋白質HslVとHslUはそれ
ぞれATP依存性プロテアーゼの触媒サブユニットと調
節サブユニットであることが報告されている(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA 93,5808-5813(1996); J.Biol. Che
m. 271,14035-14040(1996))。
【0006】本発明者らは、HslV/U蛋白質を過剰
発現させた大腸菌内ではヒトプロウロキナーゼは著しく
不安定になり、 hslV/U欠失変異株では外来蛋白質と
して用いたヒトプロウロキナーゼが2倍程度安定化する
ことを認めた。ところが、さらに、他のATP依存性プ
ロテアーゼの欠失変異と組み合わせたところ、驚くべき
ことに、 hslV/U遺伝子、 clpPX遺伝子、 lon遺伝
子の三重欠失変異株で、野生型はもちろん clpPX遺伝
子、 lon遺伝子の二重変異株、および hslV/U欠失変
異株に比較してもヒトプロウロキナーゼが著しく安定化
することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、(1) hslV/
U遺伝子、 clpPX遺伝子及び lon遺伝子に三重欠失変
異を有し、かつ、大腸菌内で発現された不安定蛋白質を
安定化する機能を有する大腸菌変異株、(2) clpP
X遺伝子及び lon遺伝子に二重欠失変異を有する大腸菌
変異株を用いて、さらに hslV/U遺伝子に欠失変異を
導入することを特徴とする、前記(1)記載の大腸菌変
異株の製造方法。(3) 前記(1)記載の大腸菌変異
株を用いることを特徴とする、大腸菌内での不安定蛋白
質の安定発現方法、(4) 前記(1)記載の大腸菌変
異株を用いることを特徴とする、大腸菌由来の不安定蛋
白質の安定化方法、(5) 前記(1)記載の大腸菌変
異株に、外来蛋白質をコードする遺伝子を発現させるベ
クターを導入してなる形質転換体、(6) 前記(5)
記載の形質転換体を用いることを特徴とする、外来蛋白
質の製造方法、に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、大腸菌変異株と
は、大腸菌内で発現された不安定蛋白質を安定化する機
能を有する大腸菌変異株をいう。例えば、 hslV/U遺
伝子、 clpPX遺伝子及び lon遺伝子に三重欠失変異を
有し、かつ、前記機能を有する大腸菌変異株等が挙げら
れる。
【0009】本発明において、「不安定蛋白質」とは、
大腸菌内で発現しても速やかに分解を受ける、すなわ
ち、極めて半減期の短い蛋白質をいい、熱ショック転写
因子σ 32等の大腸菌由来の蛋白質及びヒトプロウロキナ
ーゼ、スギ花粉抗原CryjII、各種サイトカイン、成
長因子等の大腸菌内での高発現が困難な外来蛋白質を含
む。
【0010】本発明において、「安定化する」とは、前
記不安定蛋白質の半減期を有意に延長することをいう。
半減期は、例えば後述の放射標識したアミノ酸を用いる
パルス−チェイス実験により、測定することができる。
【0011】前記三重欠失変異とは、 hslV/U遺伝
子、 clpPX遺伝子及び lon遺伝子を、それぞれ、全部
又は一部欠失させることにより、かかる遺伝子がコード
するプロテアーゼが、例えば、ウエスタンブロッティン
グ法等により、大腸菌内に検出されないことをいう。
【0012】前記三重欠失変異の大腸菌染色体中への導
入は、PCR法により確認することができる。
【0013】前記三重欠失変異を導入する大腸菌株は特
に制限されないが、K12株、B株等が用いられ、生物
学的封じ込めの観点から、K12株が好適に用いられ
る。
【0014】本発明においては、不安定蛋白質をより安
定化するという観点から、K12株の派生株であるMC
4100株[F- araDΔ(argF-lac)U169 rpsL relA flbB
deoCptsF rbsR] の hslV/U遺伝子、 clpPX遺伝子
及び lon遺伝子に三重欠失変異を導入して得られたKY
2266株(FERM BP−6239)並びにK12
株の派生株であるW3110株[thyA36 deoC2 IN(rrnD-
rrnE)1 rph1]の hslV/U遺伝子、 clpPX遺伝子及び
lon遺伝子に三重欠失変異を導入して得られた、30℃
〜42℃で増殖可能なKY2893株(FERM BP
−6243)が、特に好ましい。
【0015】本発明の大腸菌変異株を製造する方法を、
前記KY2266株及びKY2893株を例にとって、
以下に詳細に説明する。特に明記しない限り、以下の方
法は、例えば Sambrook, J. et al., Molecular Clonin
g: A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbo
r Laboratory Press, New York, 1989年発行等に記載の
方法を参考にして行うことができる。
【0016】まず、KY2266株の製造方法を説明す
る。前記MC4100株の clpPX遺伝子及び lon遺伝
子に二重欠失変異を導入し、KY2263株を得る。次
に、該KY2263株を用いてさらに hslV/U遺伝子
に欠失変異を導入することにより、 hslV/U遺伝子、
clpPX遺伝子及び lon遺伝子に三重欠失変異を有する
KY2266株を得る。
【0017】(1)KY2263株の製造方法 小原大腸菌整列クローン#148より、Lon(La)
プロテアーゼ及びClpプロテアーゼの触媒サブユニッ
トClpPをそれぞれコードしているlon 遺伝子及び c
lpP遺伝子を周辺領域を含めて多コピープラスミドにク
ローニングする。 clpP遺伝子及びlon 遺伝子は大腸菌
染色体上で近傍にあり、該遺伝子間にはClpプロテア
ーゼの1つであるClpXPの調節サブユニットである
ClpXをコードする clpX遺伝子があり、 clpP遺伝
子とオペロンを形成している(図1)。 clpP遺伝子内
の MluI部位と lon遺伝子内の SalI部位間の3.7k
bpの断片をpACYC184(ATCC37033)
(Chang, A. C. and Cohen,S. N., J. Bacteriol. 134,
1141-1156(1978))由来のクロラムフェニコールアセチル
トランスフェラーゼ(cat)遺伝子(HincII −Nhe I断片
1.6kbp)で置換することにより、欠失変異を生じ
させる(図1)。得られるプラスミドをpKV119
6、欠失変異をΔ(clpPX-lon) 1196::cat と名づけ
る。
【0018】前記pKV1196をHindIII で切断して
直鎖状にしたDNAを用いて、 recD変異株であるFS
1576株(Stahl, F. W. et al., Genetics 113,215-
227(1986))の形質転換を行う。クロラムフェニコール耐
性となった形質転換体より染色体DNAを調製し、PC
Rを用いて前記欠失変異が染色体中に導入されたことを
確認する。
【0019】PIファージ(Yarmolinsky, M. B. and S
ternberg, N., The Bacteriophages(ed. Calendar,
R.), Plenum Press, New York, vol. 1,291-438(1988))
を用いてΔ(clpPX-lon) 1196::cat を野生株MC4
100株に導入する。得られた変異株は、E.coli
KY2263と命名、表示され、日本国茨城県つくば
市東1丁目1番3号(郵便番号305−8566)の通
商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM
BP−6238として寄託されている(原寄託日:1
997年2月18日、国際寄託日:1998年1月26
日)。
【0020】(2)KY2266株の製造方法 SG22094株(MC4100株 clpP1::cat Δ l
on-510、特開平8−140671号公報)より、Hsl
V/Uプロテアーゼをコードする hslV/Uオペロンを
周辺領域を含めて多コピープラスミドにクローニングす
る。 hslV遺伝子内の NsiI部位と hslU遺伝子内のNr
uI部位間の0.6kbpの断片をpBR322由来のテ
トラサイクリン耐性(tet) 遺伝子(EcoRI-AvaI断片 1.4
kbp)で置換する(図2)。得られるプラスミドをpKV
1172、欠失変異をΔ hslV/U1172::tet と名づけ
る。
【0021】前記pKV1172をEcoRIで切断し
て直鎖状にしたDNAを用いて、FS1576株の形質
転換を行う。テトラサイクリン耐性となった形質転換体
より染色体DNAを調製し、PCRを用いて前記欠失変
異が染色体中に導入されたことを確認する。
【0022】(1)と同様に、PIファージを用いて、
Δ hslV/U1172::tet を(1)で得られたKY226
3株に導入する。得られた変異株は、E.coli K
Y2266と命名、表示され、日本国茨城県つくば市東
1丁目1番3号(郵便番号305−8566)の通商産
業省工業技術院生命工学工業技術研究所にFERMBP
−6239として寄託されている(原寄託日:1997
年2月18日、国際寄託日:1998年1月26日)。
【0023】こうして得られた本発明の大腸菌変異株で
あるKY2266株は、親株のMC4100株や二重変
異株のKY2263株と比べて、37℃、栄養培地にお
いて、成長速度、形質転換方法及び保存方法等に差異は
なく、通常の操作で取り扱いができる点が有利である。
【0024】次に、KY2893株の製造方法を説明す
る。KY2893株の製造方法は、、前記KY2266
株の製造方法において、MC4100株の代わりにW3
110株を用いることを除いて同様に行なう。具体的に
は、W3110株の clpPX遺伝子及び lon遺伝子に二
重欠失変異を導入する。得られた変異株は、E.col
i KY2783と命名、表示され、日本国茨城県つく
ば市東1丁目1番3号(郵便番号305−8566)の
通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所にFER
M BP−6244として寄託されている(原寄託日:
1998年2月3日)。
【0025】次いで、該KY2783株を用いてさらに
hslV/U遺伝子に欠失変異を導入することにより、 h
slV/U遺伝子、 clpPX遺伝子及び lon遺伝子に三重
欠失変異を有するKY2804株を得て、該KY280
4株から30℃以上で増殖可能な変異株KY2893株
を分離する。得られたこれらの変異株は、それぞれ、
E.coli KY2804及びE.coli KY2
893と命名、表示され、日本国茨城県つくば市東1丁
目1番3号(郵便番号305−8566)の通商産業省
工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM BP−
6245及びFERM BP−6243として寄託され
ている(原寄託日:1998年2月3日)。
【0026】また、こうして得られた本発明の大腸菌変
異株であるKY2893株も、親株のW3110株や二
重変異株のKY2783株と比べて、37℃、栄養培地
において、成長速度、形質転換方法及び保存方法等に差
異はなく、通常の操作で取り扱いができる点が有利であ
る。
【0027】また、本発明は、前記大腸菌変異株を用い
て、大腸菌内で不安定蛋白質を安定発現させる方法を提
供する。不安定蛋白質は、外来蛋白質が好ましく、ヒト
プロウロキナーゼ、スギ花粉抗原CryjII等が本発明
の大腸菌変異株により有意に安定発現されるので、さら
に好ましい。
【0028】不安定蛋白質が外来蛋白質の場合、目的の
外来蛋白質をコードする遺伝子をベクターに導入して組
換えベクターを調製する。該ベクターは、プロモーター
配列、SD配列、複製開始点、マーカー遺伝子等本発明
の大腸菌変異株での発現制御に必要な配列を有するもの
であり、市販のpET、pTrc99A、pKK233
等が用いられる。得られる組換えベクターを本発明の大
腸菌変異株に導入し、マーカー遺伝子に応じた方法でコ
ロニーを選択することにより、目的の外来蛋白質を発現
する形質転換体を得る。
【0029】また、本発明は、前記形質転換体をも提供
する。
【0030】次に、前記形質転換体を培養することによ
り、目的の不安定な外来蛋白質を安定に発現させること
ができる。形質転換体の培養方法は、通常の方法が用い
られ、培地は栄養培地、合成培地いずれでも構わない
し、培養温度は、20〜42℃の範囲内で任意に選ばれ
るが、37℃付近が最も好ましい。
【0031】対数増殖期の形質転換体を含む培地に35
−メチオニンを添加して形質転換体細胞で合成される蛋
白質を1分間標識した後、過剰の非放射性メチオニンを
加えるパルス−チェイス実験により、目的の外来蛋白質
の安定性を測定することができる。外来蛋白質の安定性
は、半減期により表される。
【0032】さらに、本発明は、前記大腸菌変異株を用
いて、大腸菌由来の不安定蛋白質を安定化する方法を提
供する。以下、大腸菌由来の熱ショック転写因子σ32
例にとって説明する。本発明の大腸菌変異株を前記形質
転換体と同様の方法で培養することにより、大腸菌由来
の不安定蛋白質を安定化することができる。該大腸菌変
異株細胞から蛋白質を通常の方法で溶出する。一定量の
溶出蛋白質をSDS−PAGEに付し、ニトロセルロー
ス膜に転写後、抗σ32抗体を用いるウエスタンブロッテ
ィング法により、σ32の発現量の最も多い大腸菌変異株
を選択することができる(特開平8−140671号公
報)。
【0033】前記σ32の発現量の最も多い本発明の大腸
菌変異株は、σ32を分解するプロテアーゼを欠失してお
り、目的蛋白質の直接的な分解が抑制されるばかりでな
く、σ32によって産生される大量の熱ショック蛋白質の
シャペロン機能により、外来遺伝子の発現により産生さ
れた目的蛋白質をさらに安定に保持し得ることが期待さ
れるので、特に有用である。
【0034】さらに、本発明は、前記形質転換体を用い
る外来蛋白質の製造方法を提供する。前記形質転換体を
前記と同様の方法で培養し、必要があれば発現誘導を行
う。形質転換体からの外来蛋白質の回収及び精製は、形
質転換体を破砕して遠心分離し、上清を回収し、ゲル濾
過や各種のカラムクロマトグラフィー等、蛋白質の精製
に使用されている通常の方法で精製すればよい(Curren
t Protocols in Protein Science(ed. Coligan, J. E.
et al.), John Wiley and Sons, Inc., Chapter 6)。ま
た、目的蛋白質がペリプラズムに存在する場合には、Wi
llsky らの方法(J. Bacteriol., 127, 595-609 (197
6)) 等を参考にして精製することができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。特に明記しない限り、以下の実施例
は、 Sambrook, J. ら著、Molecular Cloning: A Labor
atory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laborato
ry Press, New York, 1989年発行に記載の方法で行っ
た。
【0036】実施例1KY2266株の調製 小原大腸菌整列クローン#148より、Lon(La)
プロテアーゼ及びClpプロテアーゼの触媒サブユニッ
トClpPをそれぞれコードしているlon 遺伝子及び c
lpP遺伝子を周辺領域を含めて多コピープラスミドpB
R322にクローニングした。lon 遺伝子及び clpP遺
伝子は大腸菌染色体上で近傍にあり、該遺伝子間にはC
lpプロテアーゼの1つであるClpXPの調節サブユ
ニットであるClpXをコードする clpX遺伝子があ
り、 clpP遺伝子とオペロンを形成している(図1)。
clpP遺伝子内の MluI部位と lon遺伝子内の SalI部
位間の3.7kbpの断片をpACYC184(ATC
C37033)(Chang, A.C. and Cohen,S. N., J. Ba
cteriol. 134,1141-1156(1978))由来のcat 遺伝子(Nhe
I−HincII断片1.6kbp)で置換することにより、
欠失変異を生じさせた(図1)。得られたプラスミドを
pKV1196、欠失変異をΔ(clpPX-lon)1196::cat
と名づけた。
【0037】前記pKV1196をHindIII で切断した
DNAを用いて、 recD変異株であるFS1576株
(Stahl, F. W. et al., Genetics 113,215-227(1986))
の形質転換を行った。クロラムフェニコール耐性となっ
た形質転換体より染色体DNAを調製し、PCRを用い
て前記欠失変異が染色体中に導入されたことを確認し
た。
【0038】PIファージ(Yarmolinsky, M. B. and S
ternberg, N., The Bacteriophages(ed. Calendar,
R.), Plenum Press, New York, vol. 1,291-438(1988))
を用いてΔ(clpPX-lon) 1196::cat を野生株MC4
100株に導入した。得られた変異株をKY2263株
(FERM BP−6238)と名づけた。
【0039】SG22094株(MC4100株 clpP
1::cat Δ lon-510、特開平8−140671号公報)
より、HslV/Uプロテアーゼをコードする hslV/
Uオペロンを周辺領域を含めて前記多コピープラスミド
にクローニングした。 hslV遺伝子内の NsiI部位と h
slU遺伝子内のNruI部位間の0.6kbpの断片をpB
R322由来のtet 遺伝子(EcoRI-AvaI断片 1.4kbp)で
置換した(図2)。得られたプラスミドをpKV117
2、欠失変異をΔ hslV/U1172::tet と名づけた。
【0040】前記pKV1172をEcoRIで切断し
たDNAを用いて、FS1576株の形質転換を行っ
た。テトラサイクリン耐性となった形質転換体より染色
体DNAを調製し、PCRを用いて前記欠失変異が染色
体中に導入されたことを確認した。
【0041】PIファージを用いて、Δ hslV/U117
2::tet を前記KY2263株に導入した。得られた変
異株をKY2266株(FERM BP−6239)と
名づけた。
【0042】実施例2KY2893株の調製 実施例1と同様にして、PIファージを用いて、Δ(clp
PX-lon) 1196::catを野生株W3110株に導入し
た。得られた変異株をKY2783株(FERMBP−
6244)と名づけた。
【0043】さらに、実施例1と同様にして、PIファ
ージを用いて、Δ hslV/U1172::tet を前記KY27
83株に導入した。得られた変異株をKY2804株
(FERM BP−6245)と名づけた。
【0044】前記KY2804株をL液体培地中で42
℃で増殖させた後、適当に希釈してL寒天培地上に塗布
し、37℃又は30℃で一日培養すると、42℃での培
養に比べ、コロニー数がそれぞれ、1/10又は1/1
0,000に低下した。このことにより、KY2804
株が低温感受性であることがわかった。
【0045】そこで、該KY2804株をL液体培地中
で42℃で一夜培養し、培養液の2μlをL寒天培地上
に塗布し、30℃で1日培養した。増殖してきたコロニ
ーから重なりのないものを選び、L寒天培地上にストリ
ークした後、再び30℃で培養した。同様に増殖してき
たコロニーをL寒天培地上にストリークし、42℃で培
養して単一コロニーを分離し、30℃〜42℃で増殖可
能なKY2893株(FERM BP−6243)を得
た。
【0046】実施例3KY2266株中でのヒトプロウロキナーゼの安定発現
方法 pUK−02pm0はlacIq 遺伝子と tacプロモーター
下流にヒトプロウロキナーゼ遺伝子を持つ多コピープラ
スミドであり、該プラスミドで形質転換した大腸菌は培
地中のIPTG濃度に依存してプロウロキナーゼを合成
する(Kanemori, M. et al., J. Bacteriol. 176, 5648
-5653(1994))。該プラスミドでMC4100株(野生
株)、KY2263株、KY2266株を形質転換し、
アンピシリン耐性によりコロニーを選択し、選択された
コロニー中のヒトプロウロキナーゼの発現をウエスタン
ブロッティングにより確認することにより、形質転換体
を得た。得られた形質転換体をそれぞれ、30℃、合成
培地(medium E)(培地1リットル当たり、 MgSO4・7H2O
0.2g 、クエン酸・H2O 2g、K2HPO4 10g、NaNH4HPO4・4
H2O 3.5g を含む)中で対数増殖させ、前記合成培地に
最終濃度10μMとなるようにIPTGを添加し、ヒト
プロウロキナーゼの合成を誘導した。IPTG添加後1
時間目にサンプリングし、抗ヒトプロウロキナーゼ抗体
を用いるウエスタンブロッティングによりヒトプロウロ
キナーゼの量を調べた。
【0047】その結果、MC4100株形質転換体と比
較して、KY2263株形質転換体及びKY2266株
形質転換体では有意にプロウロキナーゼの含有量が増加
していた(図3)。発現速度には変化がなかったため、
含有量の違いは安定性の違いを反映したものである。栄
養培地(L−培地)(培地1リットル当たり、バクトト
リプトン(登録商標、Difco Laboratories製) 10g、
酵母エキス5g、NaCl5gを含む、pH7.4)
中、37℃の培養条件においても、前記形質転換体中の
ヒトプロウロキナーゼの含有量に関して同様の結果が得
られた。
【0048】前記と同様の方法により培養した対数増殖
期の形質転換体を含む培地に、IPTG添加後、35S−
メチオニン(100μCi/ml)を添加し、形質転換
体細胞で合成される蛋白質を1分間標識した後、過剰の
非放射性メチオニン(終濃度200μg/ml)を加え
て1分後を0分とし、10、20、30、40分後の各
形質転換体をサンプリングすることにより、パルス−チ
ェイス実験を行なった。
【0049】前記各形質転換体中のヒトプロウロキナー
ゼの含有量を免疫沈降法により定量し、半減期を測定し
たところ、MC4100株では10分、KY2263株
では30分であるのに対し、KY2266株では40分
以上であり、有意に半減期が延長されていた(図4)。
【0050】実施例4KY2266株中でのスギ花粉抗原CryjIIの安定発
現方法 CryjII発現ベクターpKCJ2Iを用いて、実施例
3と同様の方法で、各形質転換体を得た。得られた各形
質転換体を栄養培地中、37℃で培養し、対数増殖期に
IPTGを最終濃度1mMとなるように培地に添加して
CryjIIの合成を誘導した。1時間後にスペクチノマ
イシンを最終濃度500μg/mlとなるように添加
し、蛋白質合成を停止させた(0分)。5、10、2
0、40分後の各形質転換体をサンプリングした。
【0051】前記各形質転換体中のCryjIIをウエス
タンブロッティングにより定量したところ、MC410
0株では半減期が7分であるのに対し、KY2263株
及びKY2266株では40分経過後も、CryjIIの
残量は、それぞれ、約0.9及び約1.0とほぼ初期値
を維持しており、CryjIIが非常に安定化されている
ことが明らかとなった(図5)。
【0052】実施例5KY2266株中でのσ32の安定化 30℃、合成培地(medium E)で培養した対数増殖期のK
Y2266株を含む培地に、35S−メチオニン(100
μCi/ml)を添加し、KY2266株で合成される
蛋白質を1分間標識した後、過剰の非放射性メチオニン
(終濃度200μg/ml)を加えて1分後を0分と
し、5、10、15、20分後のKY2266細胞をサ
ンプリングすることにより、パルス−チェイス実験を行
なった。σ 32に対する抗体を用いて、各KY2266細
胞中のσ32含量を免疫沈降法により定量した。MC41
00株では、半減期が約1.5分、KY2263株では
半減期が約8分であるのに対し、KY2266株では半
減期が約40分と有意に半減期が延長されていた。
【0053】実施例6KY2893株中でのσ32の安定化 37℃、栄養培地で培養した対数増殖期のW3110
株、KY2783株およびKY2893株をそれぞれ含
む培地に、クロラムフェニコールを最終濃度100μg
/mlとなるように添加し、蛋白質合成を停止させた
(0分)。0、0.5、1.0、1.5分後(W311
0株)または0、5、10、15分後(KY2783株
およびKY2893株)に菌をサンプリングした。菌体
中のσ32をウエスタンブロッティングにより定量したと
ころ、W3110株では半減期が約1分、KY2783
株では約10分であるのに対し、KY2893株では1
5分後もほぼ初期値を維持しており、σ32が非常に安定
化されていることが明らかとなった(図6)。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、大腸菌内で発現された
不安定蛋白質を安定化する機能を有する大腸菌変異株、
該大腸菌変異株の製造方法、該大腸菌変異株を用いる不
安定蛋白質の安定発見方法、該大腸菌変異株を用いる大
腸菌由来の不安定蛋白質を大腸菌内で安定化する方法、
該大腸菌変異株に外来蛋白質をコードする遺伝子を導入
して得られる形質転換体及び該形質転換体を用いる外来
蛋白質の製造方法が提供される。本発明により、有用外
来蛋白質の効率的な遺伝子工学的生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、 clpPXオペロンとlon 遺伝子の大腸
菌染色体上での模式図及び clpP遺伝子内の MluI部位
と lon遺伝子内の SalI部位間の塩基配列をcat 遺伝子
(HincII −Nhe I)で置換する欠失変異を示す。矢印
は、転写の方向を示す。
【図2】図2は、hsl V/Uオペロンの大腸菌染色体上
での模式図及びhsl V遺伝子内の NsiI部位と hslU遺
伝子内のNruI部位間の塩基配列をtet 遺伝子(AvaI-Eco
RI) で置換する欠失変異を示す。矢印は、転写の方向を
示す。
【図3】図3は、ウエスタンブロッティングによるヒト
プロウロキナーゼの発現を示す電気泳動の写真である。
【図4】図4は、KY2266株を用いるヒトプロウロ
キナーゼの安定化を測定するためのパルス−チェイス実
験の結果を示す図である。
【図5】図5は、KY2266株を用いるCryjIIの
安定化を測定するためのウエスタンブロッティングの結
果を示す図である。
【図6】図6は、KY2893株を用いるσ32の安定化
を測定するためのウエスタンブロッティングの結果を示
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12P 21/02 (C12N 1/21 //(C12N 1/21 C12R 1:19) C12R 1:19) (C12N 9/72 (C12N 9/72 C12R 1:19) C12R 1:19) (C12P 21/02 C (C12P 21/02 C12R 1:19) C12R 1:19) C12N 15/00 A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 C07K 14/415 C07K 14/745 C12N 1/21 C12N 9/72 C12P 21/02

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 hslV/U遺伝子、 clpPX遺伝子及び
    lon遺伝子に三重欠失変異を有し、かつ、大腸菌内で発
    現された不安定蛋白質を安定化する機能を有する大腸菌
    変異株。
  2. 【請求項2】 大腸菌変異株がK12株由来である請求
    項1記載の大腸菌変異株。
  3. 【請求項3】 大腸菌変異株がKY2266株(FER
    M BP−6239)又はKY2893株(FERM
    BP−6243)である、請求項1記載の大腸菌変異
    株。
  4. 【請求項4】 clpPX遺伝子及び lon遺伝子に二重欠
    失変異を有する大腸菌変異株を用いて、さらに hslV/
    U遺伝子に欠失変異を導入することを特徴とする、請求
    項1〜3いずれか記載の大腸菌変異株の製造方法。
  5. 【請求項5】 clpPX遺伝子及び lon遺伝子に二重欠
    失変異を有する大腸菌変異株がKY2263株(FER
    M BP−6238)又はKY2783株(FERM
    BP−6244)である、請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3いずれか記載の大腸菌変異
    株を用いることを特徴とする、大腸菌内での不安定蛋白
    質の安定発現方法。
  7. 【請求項7】 不安定蛋白質が外来蛋白質である請求項
    6記載の安定発現方法。
  8. 【請求項8】 外来蛋白質がヒトプロウロキナーゼであ
    る請求項7記載の安定発現方法。
  9. 【請求項9】 外来蛋白質がスギ花粉抗原CryjIIで
    ある請求項7記載の安定発現方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜3いずれか記載の大腸菌変
    異株を用いることを特徴とする、大腸菌由来の不安定蛋
    白質の安定化方法。
  11. 【請求項11】 大腸菌由来の不安定蛋白質が熱ショッ
    ク転写因子σ32である請求項10記載の安定化方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜3いずれか記載の大腸菌変
    異株に、外来蛋白質をコードする遺伝子を発現させるベ
    クターを導入してなる形質転換体。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の形質転換体を用いる
    ことを特徴とする、外来蛋白質の製造方法。
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