JPH09311762A - 3次元操作検出装置 - Google Patents

3次元操作検出装置

Info

Publication number
JPH09311762A
JPH09311762A JP8291170A JP29117096A JPH09311762A JP H09311762 A JPH09311762 A JP H09311762A JP 8291170 A JP8291170 A JP 8291170A JP 29117096 A JP29117096 A JP 29117096A JP H09311762 A JPH09311762 A JP H09311762A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axis
coil
detection
unit
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8291170A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4623765B2 (ja
Inventor
Tadatoshi Goto
忠敏 後藤
Yasuhiro Yuasa
康弘 湯浅
Shuichi Tanaka
秀一 田中
Nobuyuki Akatsu
伸行 赤津
Kazuya Sakamoto
和也 坂元
Hiroshi Sakamoto
宏 坂本
Akio Yamamoto
明男 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP29117096A priority Critical patent/JP4623765B2/ja
Publication of JPH09311762A publication Critical patent/JPH09311762A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4623765B2 publication Critical patent/JP4623765B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成の誘導型の3次元操作検出装置の
提供。自由に持ち歩きながら、操作できるような3次元
操作検出装置の提供。 【解決手段】 傾斜センサ100は、スティック部10
に搭載され、コイル部2と、該スティック部のX軸及び
Y軸方向の傾きに応じて該コイル部に対して相対的に変
位する流動性の磁気応答部材3とを含んでおり、スティ
ック部のX,Y方向の操作を傾きとして検出する。リニ
アセンサ200もスティック部10に搭載され、コイル
部202と、Z軸方向の操作を受けて変位する磁気応答
部材203とを含み、Z軸方向の操作に応じたリニア変
位を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人手等による3次
元的操作を検出する3次元操作検出装置に関し、ジョイ
・スティックのような3次元入力装置として、ゲーム
機、パソコン、マルチメディア機器など、様々な分野で
応用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】ジョイ・スティックのような従来知られ
た3次元操作型入力装置においては、スティック型操作
子をベースに対して3次元的に移動可能とし、ベースの
側に該スティック型操作子の3次元的動きを検出するた
めの検出要素を設けるようにしている。その検出要素と
しては、一般的には、単純なスイッチが使用されてい
た。例えば、プラスX軸方向に操作子を傾けると、対応
するスイッチがオンし、そのオン時間だけクロックパル
スが出力されて、操作量に対応する情報となる。しか
し、そのような操作時間対応情報出力型のものでは、操
作量を大きくすると応答時間が遅くなるという問題があ
る。そこで、最近では、X,Y,Zの各軸に関してポテ
ンショメータのような位置検出装置を使用し、実際の操
作移動量を検出するようにしたものがある。しかし、ポ
テンショメータでは、摺動接触子があるために耐久性の
点で難があった。
【0003】一方、一般的に知られた誘導型位置検出装
置には、直線位置検出装置としては差動トランスがあ
り、回転位置検出装置としてはレゾルバがある。差動ト
ランスは、1つの1次巻線を1相で励磁し、差動接続さ
れた2つの2次巻線の各配置位置において検出対象位置
に連動する鉄心コアの直線位置に応じて差動的に変化す
るリラクタンスを生ぜしめ、その結果として得られる1
相の誘導出力交流信号の電圧振幅レベルが鉄心コアの直
線位置を示すようにしたものである。レゾルバは、複数
の1次巻線を1相で励磁し、サイン相取り出し用の2次
巻線からサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を
取り出し、コサイン相取り出し用の2次巻線からコサイ
ン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を取り出すよう
にしたものである。この2相のレゾルバ出力は公知のR
/Dコンバータといわれる変換回路を用いて処理し、検
出した回転位置に対応する位相値をディジタル的に測定
することができる。また、サイン相とコサイン相のよう
な複数相の交流信号によって複数の1次巻線を夫々励磁
し、検出対象直線位置又は回転位置に応じて該交流信号
を電気的に位相シフトした出力交流信号を出力し、この
出力交流信号の電気的位相シフト量を測定することによ
り、検出対象直線位置又は回転位置をディジタル的に測
定する技術も知られている(例えば、特開昭49−10
7758号、特開昭53−106065号、特開昭55
−13891号、実公平1−25286号など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した誘導型の検出
装置は、構造的に非接触であるため、ジョイ・スティッ
クのような3次元操作型入力装置に応用することができ
れば好ましい。しかし、1本のスティックをベースに対
して3次元的に動かすことができるようにし、かつこの
スティックの動きを電磁誘導方式によってX,Y,Zの
3軸について検出できるようにする構造は複雑であり、
未だ、その種の装置は考えられていなかった。また、ス
ティックをベースに固定せずに、自由に持ち歩きなが
ら、入力操作できるような3次元操作型入力装置も従来
は存在していなかった。本発明は上述の点に鑑みてなさ
れたもので、従来なかった新規かつ有用な誘導型の3次
元操作検出装置を提供しようとするものである。また、
自由に持ち歩きながら、操作できるような、画期的な3
次元操作検出装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点に従
う3次元操作検出装置は、操作の対象となるスティック
部と、前記スティック部に搭載されてなり、第1のコイ
ル部と、該スティック部のX軸及びY軸方向の動きに応
じて該第1のコイル部に対して相対的に変位する第1の
磁気応答部材とを含み、該スティック部のX軸及びY軸
方向の動きに応じた検出信号を該第1のコイル部から出
力する第1の検出手段と、前記スティック部に搭載され
てなり、第2のコイル部と、該第2のコイル部に対して
相対的に変位可能な第2の磁気応答部材と、Z軸方向の
操作を受けて前記第2のコイル部と第2の磁気応答部材
の一方を他方に対して該Z軸方向に相対的に変位させる
可動部とを含み、Z軸方向の操作に応じた検出信号を該
第2のコイル部から出力する第2の検出手段とを具えた
ことを特徴とするものである。
【0006】X軸及びY軸方向の動きを検出するための
第1の検出手段は、スティック部に搭載されており、第
1のコイル部と第1の磁気応答部材とを含んでいる。第
1の磁気応答部材は、該スティック部のX軸及びY軸方
向の動きに応じて該第1のコイル部に対して相対的に変
位する。このように、スティック部に搭載された第1の
検出手段に含まれる第1のコイル部と第1の磁気応答部
材において、該スティック部のX軸及びY軸方向の動き
に応じて該磁気応答部材が該コイル部に対して相対的に
変位し得る構成を採用しているので、スティック部に該
第1の検出手段の全体を搭載していながら、なおかつ該
第1の検出手段によって該スティック部のX軸及びY軸
方向の動きを検出することができるものとなる。従っ
て、スティック部のX軸及びY軸方向の動きを検出する
ための第1の検出手段が、スティック部とは別に設けら
れずに、該スティック部にそっくり搭載されるので、構
成を非常にコンパクトにすることができる。また、Z軸
の操作を検出するための第2の検出手段もスティック部
に搭載されるので、すべての軸の検出手段がスティック
部に搭載されることになり、該スティック部を固定せず
にフリーな状態で持ち歩きながら3次元操作入力を行う
こともできるようになる。
【0007】なお、第1の観点に従う装置において、第
2の検出手段の可動部は、前記第1の検出手段を搭載し
たスティック部の或る部分に対してある程度相対的に変
位するようになっていてもよい。あるいは、この第2の
検出手段の可動部は、前記第1の検出手段を搭載したス
ティック部の或る部分と共に変位するようになっていて
もよい。一実施形態として、第1の検出手段における前
記第1の磁気応答部材は、スティック部に固定された所
定の収納空間内を、重力又は加速度又は慣性等によって
自由に動きうる構成とすることができる。
【0008】本発明の第2の観点に従う3次元操作検出
装置は、操作の対象となるスティック部と、前記スティ
ック部に搭載されてなり、第1のコイル部と、該スティ
ック部のX軸及びY軸方向の動きに応じて該第1のコイ
ル部に対して相対的に変位する第1の磁気応答部材とを
含み、該スティック部のX軸及びY軸方向の動きに応じ
た検出信号を該第1のコイル部から出力する第1の検出
手段と、前記スティック部に搭載されてなり、Z軸方向
に沿って延びた収納空間と、この収納空間の周囲に設け
られた第2のコイル部と、前記収納空間内にて重力に従
って移動自在に収納された第2の磁気応答部材とを含
み、前記スティック部のZ軸方向の動きに応じて第2の
コイル部に対して第2の磁気応答部材が変位し、Z軸方
向の動きに応じた検出信号を該第2のコイル部から出力
する第2の検出手段とを具えたものである。この第2の
観点に従う装置によれば、第2の検出手段において、Z
軸方向に沿って延びた収納空間が設けられており、この
収納空間内にて重力に従って移動自在に収納された第2
の磁気応答部材が設けられている。これによって、ステ
ィック部をZ軸方向に(上下に)振る動作によって収納
空間内で第2の磁気応答部材が変位し、Z軸方向の動き
に応じた検出信号を第2のコイル部から出力することが
できる。この場合も、スティック部のX軸及びY軸方向
の動きを検出するための第1の検出手段が、スティック
部とは別に設けられずに、該スティック部にそっくり搭
載されるので、構成を非常にコンパクトにすることがで
きる。また、Z軸の操作を検出するための第2の検出手
段もスティック部に搭載されるので、すべての軸の検出
手段がスティック部に搭載されることになり、該スティ
ック部を固定せずにフリーな状態で持ち歩きながら3次
元操作入力を行うこともできる。
【0009】本発明の第3の観点に従う3次元操作検出
装置は、ベース部と、前記ベース部に対してX軸及びY
軸方向に傾き可能及びZ軸方向に上下動可能に配置され
た操作部と、前記操作部のX軸及びY軸方向の傾きを検
出することにより、X軸及びY軸方向の操作検出信号を
出力する第1の検出手段と、前記操作部のZ軸方向の動
きを検出することにより、Z軸方向の操作検出信号を出
力する第2の検出手段とを具えたものである。この第3
の観点に従う装置によれば、ベース部に対してX軸及び
Y軸方向に傾き可能及びZ軸方向に上下動可能に配置さ
れた操作部を具備していることが特徴である。このよう
な操作部は、例えば、バネ等でユニバーサル操作可能に
支持することにより構成できる。従って、この操作部の
X軸及びY軸方向の傾きを検出するように第1の検出手
段を配置し、また、この操作部のZ軸方向の動きを検出
するように第2の検出手段を配置することにより、X1
個の操作部の3次元の操作を。1つの操作部と第1及び
第2の検出手段に集約化された、簡潔な構成で、検出で
きるように構成することができる。
【0010】本発明の第4の観点に従う3次元操作検出
装置は、X軸及びY軸方向について傾き操作し、Z軸方
向について上下動操作することにより3次元操作を行な
う操作部と、前記操作部に搭載されてなり、X−Y面に
おいてリング状の収納空間を有する収納体と、前記収納
空間内にて重力に従って移動自在に収納された流動性の
磁気応答部材と、前記収納体において前記収納空間に対
応して配置されたコイル部とを具え、前記X軸及びY軸
方向の傾きに応じて前記磁気応答部材が前記リング状の
収納空間を移動し、該収納空間における前記磁気応答部
材の分布に応答する出力信号を前記コイル部から生成
し、これに基づき前記X軸及びY軸方向の傾きに応じた
X軸及びY軸方向の操作検出信号を出力する第1の検出
手段と、前記操作部によるZ軸方向の動きに連動する可
動部と、この可動部の直線的動きを検出するリニア検出
部とを含み、リニア検出部の出力に基づきZ軸方向の操
作検出信号を出力する第2の検出手段とを具えたもので
ある。この第4の観点に従う装置は、第1の検出手段
が、上記したように、リング状の収納空間を有する収納
体の収納空間内に流動性の磁気応答部材を収納した構成
を採用し、X軸及びY軸方向の傾きを一挙に検出し、こ
れに基づきにX軸及びY軸方向の操作検出信号を出力す
るようにした点に特徴を有する。これにより、X軸及び
Y軸方向の操作を検出するための新規な構成が提供で
き、かつその構成をコンパクトにすることができる。な
お、この場合、第2の検出手段は、可動部のZ軸方向の
動きを検出できるリニア検出部を含むものであれば、ど
のような構成を用いてもよい。
【0011】本発明の第5の観点に従う3次元操作検出
装置は、X軸及びY軸方向について傾き操作し、Z軸方
向について上下動操作することにより3次元操作を行な
う操作部と、前記操作部に搭載されてなり、コイル部
と、所定の収納空間内に移動自在に収納され、前記操作
部のX軸及びY軸方向の少なくとも一方の動きに応じて
該収納空間内を動くことにより該コイル部に対して相対
的に変位する磁気応答部材とを含む検出装置を少なくと
も1つ有し、該検出装置によって前記操作部のX軸及び
Y軸方向の傾きを検出することに基づきX軸及びY軸方
向の操作検出信号を出力する第1の検出手段と、前記操
作部によるZ軸方向の動きに連動する可動部と、この可
動部の直線的動きを検出するリニア検出部とを含み、リ
ニア検出部の出力に基づきZ軸方向の操作検出信号を出
力する第2の検出手段とを具えたものである。この第5
の観点に従う装置は、第1の検出手段が、上記したよう
に、所定の収納空間内に移動自在に収納され、操作部の
X軸及びY軸方向の少なくとも一方の動きに応じて該収
納空間内を動くことにより該コイル部に対して相対的に
変位する磁気応答部材とを含む検出装置を少なくとも1
つ有している構成であることを特徴としている。このよ
うな特殊な構成により、X軸及びY軸方向の動きに応じ
た傾きを検出することができ、これに基づきX軸及びY
軸方向の操作検出信号を出力することができる。これに
より、X軸及びY軸方向の操作を検出するための新規な
構成が提供できる。なお、この場合も、第2の検出手段
は、可動部のZ軸方向の動きを検出できるリニア検出部
を含むものであれば、どのような構成を用いてもよい。
【0012】本発明の第6の観点に従う3次元操作検出
装置は、X軸及びY軸方向について傾き操作し、Z軸方
向について上下動操作することにより3次元操作を行な
う操作部と、前記操作部に搭載されてなり、コイル部
と、前記操作部のX軸及びY軸方向の一方の動きに応じ
て該コイル部に対して相対的に変位する磁気応答部材と
を含む検出装置をX軸及びY軸に対応して夫々設け、該
検出装置によって前記操作部のX軸及びY軸方向の傾き
を夫々検出することに基づきX軸及びY軸方向の操作検
出信号を出力する第1の検出手段と、前記操作部による
Z軸方向の動きに連動する可動部と、この可動部の直線
的動きを検出するリニア検出部とを含み、リニア検出部
の出力に基づきZ軸方向の操作検出信号を出力する第2
の検出手段とを具えたものである。この第6の観点に従
う装置によれば、コイル部と対応する磁気応答部材とを
含む検出装置が、X軸及びY軸に対応して夫々設けら
れ、これによって操作部のX軸及びY軸方向の傾きを夫
々検出することに基づきX軸及びY軸方向の操作検出信
号が出力される。これにより、X軸及びY軸方向の操作
を検出するための新規な構成が提供できる。なお、この
場合も、第2の検出手段は、可動部のZ軸方向の動きを
検出できるリニア検出部を含むものであれば、どのよう
な構成を用いてもよい。
【0013】本発明の第7の観点に従う3次元操作検出
装置は、3次元操作を行なうための操作部と、前記操作
部に搭載されてなり、該操作部のX軸及びY軸方向の動
きに連動して変位する可動体と、この可動体のX軸及び
Y軸方向の動きを検出する2次元検出部とを含み、該2
次元検出部の出力に基づきX軸及びY軸方向の操作検出
信号を出力する第1の検出手段と、前記操作部によるZ
軸方向の動きに連動する可動部と、この可動部の直線的
動きを検出するリニア検出部とを含み、リニア検出部の
出力に基づきZ軸方向の操作検出信号を出力する第2の
検出手段とを具えたものである。この第7の観点に従う
装置によれば、操作部のX軸及びY軸方向の動きに連動
して変位する可動体と、この可動体のX軸及びY軸方向
の動きを検出する2次元検出部とを含み、該2次元検出
部の出力に基づきX軸及びY軸方向の操作検出信号を出
力することが特徴である。このような2次元検出手段を
具備することにより、操作部のX軸及びY軸方向の操作
を検出することに基づきX軸及びY軸方向の操作検出信
号が出力される。これにより、X軸及びY軸方向の操作
を検出するための新規な構成が提供できる。なお、この
場合も、第2の検出手段は、可動部のZ軸方向の動きを
検出できるリニア検出部を含むものであれば、どのよう
な構成を用いてもよい。本発明によれば、更に様々な実
施の形態をとることができ、その詳細は、例示的に以下
において示される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してこの発
明の実施の形態を詳細に説明しよう。図1(a)は、本
発明の第1の観点に従う3次元操作検出装置の一実施例
を示す外観略図、(b)はそのX軸及びZ軸に沿う断面
略図である。この3次元操作検出装置は、例えば、ジョ
イ・スティックのような3次元操作型入力装置として応
用可能なものであり、全体が1つの操作子からなるステ
ィック部10は、略々円盤状の頂部10aとその下に延
びた棒状部10bとからなっていて、図で破線で示すよ
うに、人の手に握って操作されるものである。スティッ
ク部10の下端10cは、図示のように単純に終端して
いて、このスティック部10を自由に持ち歩いたり、振
り回したりできるようになっていてよい。勿論、これに
限らず、従来のジョイ・スティックのように、該下端1
0cがX,Y軸方向にユニバーサルに自由に傾動できる
ように適宜手段で枢支されていてもよい。なお、スティ
ック部10の棒状部10bが延びた方向をZ軸とし、そ
れに直交する頂部10aの円盤面をX−Y座標面とし、
該面上に適宜設定した直交座標軸をそれぞれX軸及びY
軸とする。
【0015】スティック部10において、頂部10aの
部分には、前記X−Y座標面のX軸及びY軸方向につい
ての傾きを検出するための傾斜センサ(第1の検出手
段)100が搭載されている。スティック部10のX軸
方向及びY軸方向の操作は、該スティック部10をX軸
方向及びY軸方向に任意に傾かせることによって行うも
のとしている。従って、この傾斜センサ100によって
スティック部10のX軸方向及びY軸方向の傾きを検出
することにより、これに基づきX軸方向及びY軸方向の
操作(動き)を検出する。傾斜センサ100は、主に、
コイル部2と、スティック部10のX軸及びY軸方向の
動きに応じて該コイル部2に対して相対的に変位する磁
気応答部材3とを含んでいる。追って詳しく示すよう
に、スティック部10のX軸及びY軸方向の傾きに応じ
て磁気応答部材3が動き、これによってコイル部2と磁
気応答部材3の相対的な位置関係が変化するようになっ
ており、この変化に応じてコイル部2と磁気応答部材3
の磁気結合が変化し、該スティック部10のX軸及びY
軸方向の傾きに応じた誘導出力信号がコイル部2から出
力される。
【0016】スティック部10の頂部10aの略中央及
び棒状部10bの部分には、Z軸方向の操作を検出する
ためのリニアセンサ(第2の検出手段)200が搭載さ
れている。すなわち、頂部10aの上部には、Z軸方向
に指で押圧操作するためのドーム状のプッシャ201が
設けられており、棒状部10bの内部には図1(b)に
示すように棒状の可動部204が挿入されており、この
プッシャ201が可動部202に結合していて、該プッ
シャ201の押圧操作に応じて可動部204がZ軸方向
(上下方向)に動くようになっている。可動部204の
全体もしくは少なくとも先端寄りの所定範囲において
は、所定の磁気応答部材(例えば磁性体)203が設け
られており、プッシャ201の押圧操作に応じた可動部
204の動きに伴って該磁気応答部材203が直線的に
変位する。棒状部10bの内部における所定位置にコイ
ル部202が固定されている。このリニアセンサ200
において、コイル部202は1又は複数のコイルからな
り、例えばそのコイル空間内に可動部204の該磁気応
答部材203が侵入して、該可動部204の動きに応じ
て該コイル部202と磁気応答部材203の相対的なリ
ニア位置が変化するようになっている。この変化に応じ
てコイル部202と磁気応答部材203の磁気結合が変
化し、該リニア位置つまりZ軸方向の操作位置に対応す
る誘導出力信号がコイル部202から出力される。な
お、プッシャ201が弾性ゴムからなっていて、その弾
性作用によって押圧操作が加わらないときは中立位置
(リニア変位0の位置)に復帰するようになっている。
勿論、その他の中立位置復帰バネを設けてもよい。
【0017】以上の構成により、操作者がスティック部
10を握ってX軸及びY軸方向に任意に傾けることによ
り、その傾きに応じた誘導出力信号が傾斜センサ100
のコイル部2から出力され、これに基づきX軸及びY軸
方向の操作検出信号を得ることができる。また、操作者
がスティック部10の上部のプッシャ201を押圧操作
することにより、Z軸方向の操作に応じた誘導出力信号
がリニアセンサ200のコイル部204から出力され、
これに基づきZ軸方向の操作検出信号を得ることができ
る。
【0018】次に、図2を参照して、傾斜センサ100
の具体例を説明する。図2に示す傾斜センサ100は、
1つのセンサによってX−Y座標平面の全方向について
の傾斜検出が可能な多方向傾斜検出装置である。この傾
斜センサ100は、収納体1内に流動性の磁気応答部材
3を収納している。図2(a)は全体の側面略図、
(b)は収納体1の概略斜視図、(c)は収納体1の断
面図、(d)はコイル部2におけるコイル配置例を略示
する平面図、である。図2(b),(c)に示されるよ
うに、収納体1は、リング状の収納空間1aを有してお
り、このリング状の収納空間1a内に適量の流動性の磁
気応答部材3が収納されている。磁気応答部材3として
は、例えば磁性流体あるいは磁性粉体を使用する。磁性
粉体としては、微粒粉に限らず、砂鉄のようなものであ
ってもよい。図2(c)は、水平に置かれている状態の
収納体1の断面略図であり、その場合、流動性の磁気応
答部材3はリング状の収納空間1a内に均等に分布して
いる。勿論、収納体1は、非磁性体からなる。4は、取
付けベースである。
【0019】図2(a)に示されるように、収納体1の
下側にコイル部2が設けられる。コイル部2は、収納空
間1a内における磁気応答部材3の分布を検出し得るよ
うな適宜のコイル配置からなる。例えば、図2(d)の
例では、リング状の収納空間1aの円周方向に沿って等
間隔(90度間隔)で4つの極を構成するようにコイル
21〜24が設けられている。例えば、コイル21〜2
4は2次コイルであって、この各2次コイル21〜24
に対応して各極ごとに1次コイル11〜14を設けても
よい。1次コイル11〜14を適宜の交流信号で励磁す
ると、夫々に対応する2次コイル21〜24からは夫々
の誘導結合度若しくは磁気結合度に応じたレベルの交流
信号が誘導される。この誘導結合若しくは磁気結合は、
磁気応答部材3の存在によって可変制御される。上記構
成からなる傾斜センサ100が、検出対象における適宜
の位置に取り付けられる。検出対象の面としての傾きを
全方向について検出しうるようにするためには、収納空
間1aのリングが検出対象面に平行となるように設置す
る。すなわち、円形リングの径方向が検出対象面に平行
となるように設置する。なお、ここで、検出対象面とは
実際に面を成している必要はなく、仮想的な面であって
よい。すなわち、この傾斜センサ100は、検出対象面
の四方・八方、全方向についての傾斜を検出することが
できる。
【0020】収納体1が水平に置かれている場合(つま
り、検出対象面が傾斜0のとき)は、流動性の磁気応答
部材3はリング状の収納空間1a内に均等に分布してい
るので、どの2次コイル21〜24からも同じレベルの
出力信号が得られる。従って、どの2次コイル21〜2
4からも同じレベルの出力信号が得られることに基づ
き、傾斜0であることが検出できる。収納体1が任意の
方向に傾斜すると(つまり、検出対象面が任意の方向に
傾斜すると)、流動性の磁気応答部材3が重力に従って
収納空間1a内を動き、該収納空間1a内における磁気
応答部材3の分布に偏りが生じる。例えば、図3は、収
納体1が傾斜した状態の一例を示す略図であり、(a)
は側面図、(b)は平面図である。この場合、コイル2
3の方向に傾いており、2次コイル23の位置に対応し
て最も多量の磁気応答部材3が集まっている。2次コイ
ル22,24の位置に対応している磁気応答部材3の量
は僅かであり、2次コイル21の位置に対応している磁
気応答部材3の量は0である。このように、収納空間1
a内における磁気応答部材3の分布に応答する出力信号
をコイル部2から得ることができ、これに基づき、傾斜
の方向を検出することができ、また傾斜の大きさ(傾斜
角)を検出することができる。
【0021】収納空間1a内における磁気応答部材3の
分布を検出するための採用するコイル部2の構成は、な
んらかの形で磁気応答部材3の分布を検出することがで
きるものでありさえすれば、どのような構成でもよい。
例えば、図2(d)に示すような円周状のコイル(極)
配置の中心Oを原点0とするX,Y座標を想定し、この
X,Y座標によって傾斜の方向を全方向的に表わすこと
ができる。例えば、コイル21と23がX軸に対応して
おり、コイル22と24がY軸に対応しているとする
と、コイル21はプラスX方向、コイル22はプラスY
方向、コイル23はマイナスX方向、コイル24はマイ
ナスY方向、に位置していることになる。そこで、2次
コイル21が配置された極をプラスX極(図でx)、2
次コイル22が配置された極をプラスY極(図でy)、
2次コイル23が配置された極をマイナスX極(図で/
x)、2次コイル24が配置された極をマイナスY極
(図で/y)、と表わすことにする。なお、明細書中で
は、表記の都合上、反転を示すバー記号は「/(スラッ
シュ)」で記載するが、これは、図中のバー記号に対応
している。
【0022】同じ軸のプラス極とマイナス極のコイル出
力信号はその差を求めることにより、該軸についての座
標値を求めることができる。例えば、2次コイル22と
24の出力振幅レベルが同じである場合は、Y軸座標値
は0であり、Y軸方向の傾斜成分が0であることを示
す。従って、コイル部2における各コイルに関連する回
路例を示すと、図4のようになる。すなわち、すべての
1次コイル11〜14を共通の交流信号(例えばsin
ωtと略記する)で励磁し、X軸に沿う各2次コイル2
1,23の出力信号の差を差分回路25で求め(差動接
続でもよい)、その差信号としてX軸座標検出信号Sx
を得るようにする。また、Y軸に沿う2次コイル22,
24の出力信号の差を差分回路26で求め(差動接続で
もよい)、その差信号としてY軸座標検出信号Syを得
るようにする。このようにして求めたX,Y座標値の信
号Sx,Syから座標の象限と極座標が判明するので、
これらの信号Sx,Syを判定処理回路27で適宜処理
することにより、傾斜の方向と大きさ(傾斜角)を検出
することができる。なお、差分回路25,26の入力側
又は出力側のどちらかに整流回路を設け、X,Y座標値
を示す出力信号Sx,Syは、直流的な電圧レベル値と
する。この電圧レベル値は、アナログ値のままである必
要はなく、適宜ディジタル変換してもよい。従って、判
定処理回路27はアナログ演算回路であってもよいし、
あるいはディジタル回路であってもよい。
【0023】概ね、極座標の偏角θが傾斜の方向に対応
し、動径ρが傾斜の大きさ(傾斜角)に対応するので、
判定処理回路27では、例えば下記式のような公知の直
交座標−極座標変換公式を用いて、X,Y座標値の信号
Sx,Syから極座標の偏角θと動径ρを求め、これに
基づき傾斜の方向と大きさ(傾斜角)を検出するデータ
を得るようにすることができる。下記式において、x,
yは、信号Sx,Syが示すX,Y座標値である。
【数1】
【0024】なお、厳密な極座標変換公式に限らず、お
おまかな傾斜方向の判定は信号Sx,Syから座標の象
限等を判定する簡単なテーブルを用いることによっても
行える。また、おおまかな傾斜の大きさ(傾斜角)は、
差信号(Sx,Sy)を使用せずに、個別の各コイル2
1〜24の出力レベルに基づき判定するようにしてもよ
い。例えば、各コイル21〜24の出力信号レベルのう
ち最大レベルのコイルの出力電圧値に基づき傾斜角度を
判定する。その場合、傾斜方向判定結果を考慮して適宜
の修正演算を行なうとよい。その他、コイル部2の出力
信号に基づく具体的な傾斜方向と傾斜量の判定の仕方
は、設計上適宜の構成を採用してよい。
【0025】別の例として、コイル部2を回転型のレゾ
ルバと見立てて、90度間隔で配置された4つの2次コ
イル21〜24の極(X,Y,/X,/Y)を、サイン
相、コサイン相、マイナス・サイン相、マイナス・コサ
イン相として、サイン及びコサインの2相のレゾルバ出
力信号と同様の出力信号を取り出し、該出力信号から位
相角データを求めることにより、該位相角データを極座
標の偏角θに対応するデータとして得ることができる。
レゾルバ原理を採用する場合、コイル部2の各極(X,
Y,/X,/Y)に対応する2次コイル21〜24に生
じる誘導出力交流信号の振幅関数が、サイン関数、コサ
イン関数、マイナス・サイン関数、マイナス・コサイン
関数にそれぞれ相当するものとなるように、各2次コイ
ル21〜24の配置及び磁気応答部材3の磁気的性質及
び量を、設定する。種々の条件によって、各コイルの配
置は微妙に変わり得るし、磁気応答部材3の磁気的性質
及び量も変わりうるので、希望の関数特性が得られるよ
うに各コイル配置を適宜調整したり、あるいは2次出力
レベルを電気的増幅によって調整することにより、希望
の振幅関数特性が最終的に得られるようにすることがで
きる。従って、各2次コイル21〜24の配置と磁気応
答部材3及び量は重要ではあるが、絶対的精度を要求さ
れるわけではなく、設計上適宜に設定若しくは変更でき
る。
【0026】レゾルバ原理を採用する場合、図5に示す
ように、コイル部2の1次及び2次コイルを回路を構成
する。X軸(サイン相)の2次コイル21,23を差動
接続し、Y軸(コサイン相)の2次コイル22,24を
差動接続して、2つの出力信号を取り出すので、基本的
なコイル結線は図4と変わらないが、整流回路は設けな
い。各2次コイル21〜24の誘導出力信号は、傾斜方
向を示す偏角θに対応して2相の関数特性sinθ,cosθ
及びその逆相の関数特性−sinθ,−cosθで振幅変調さ
れた状態で夫々出力されるようにすることができる。説
明の便宜上、コイルの巻数等、その他の条件に従う係数
は省略し、2次コイル21(サイン相)の出力信号を
「sinθ・sinωt」で示し、2次コイル22(コサイン
相)の出力信号を「cosθ・sinωt」で示す。また、2
次コイル23(マイナス・サイン相)の出力信号を「−
sinθ・sinωt」で示し、2次コイル24(マイナス・
コサイン相)の出力信号を「−cosθ・sinωt」で示
す。サイン相とマイナス・サイン相の誘導出力を差動的
に合成することによりサイン関数の振幅関数を持つ第1
の出力交流信号A(=2sinθ・sinωt)が得られる。
また、コサイン相とマイナス・コサイン相の誘導出力を
差動的に合成することによりコサイン関数の振幅関数を
持つ第2の出力交流信号B(=2cosθ・sinωt)が得
られる。なお、表現の簡略化のために、係数「2」を省
略して、以下では、第1の出力交流信号Aを「sinθ・si
nωt」で表わし、第2の出力交流信号Bを「cosθ・sin
ωt」で表わす。
【0027】こうして、偏角θに対応する第1の関数値
sinθを振幅値として持つ第1の出力交流信号A=sinθ
・sinωtと、同じ偏角θに対応する第2の関数値cosθ
を振幅値として持つ第2の出力交流信号B=cosθ・sin
ωtとが出力される。このようなコイル構成によれば、
回転型位置検出装置として従来知られたレゾルバにおい
て得られるのと同様の、同相交流であって2相の振幅関
数を持つ2つの出力交流信号A,B(サイン出力とコサ
イン出力)をコイル部2から得ることができるようにす
ることが理解できる。このコイル部2から出力される2
相の出力交流信号(A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sin
ωt)は、従来知られたレゾルバの出力と同様の使い方
をすることができる。例えば、図5に示すように、コイ
ル部2の出力交流信号A,Bを適切なディジタル位相検
出回路40に入力し、前記サイン関数sinθとコサイン
関数cosθの位相値θをディジタル位相検出方式によっ
て検出し、偏角θのディジタルデータDθを得るように
することができる。こうして、レゾルバ原理に従う位相
角検出処理によって、極座標の偏角θを示すディジタル
データDθを得ることができ、これによって検出対象の
傾斜方向を検出することができる。
【0028】この場合、傾斜の大きさ(傾斜角)は、前
記数1に示す極座標公式の応用・変形によって、適宜求
めることができる。例えば、図5の判定処理回路28に
おいて、各2次コイル21〜24の出力信号を整流した
信号を入力し、この入力信号から最大レベルのものを検
出し、ここから極座標の象限を判定してこの最大レベル
値を直交座標のx値又はy値とし、かつ、前記ディジタ
ルデータDθにもとづいて得た偏角θを利用して、極座
標公式から動径ρを求めれば、傾斜の大きさ(傾斜角)
を検出することができる。なお、ディジタル位相検出回
路40で採用するディジタル位相検出方式としては、公
知のR−D(レゾルバ−ディジタル)コンバータを適用
してもよいし、本発明者らによって開発済の新方式を採
用してもよい。なお、収納体1の収納空間は、リング状
に限らず、凸曲面又は凹曲面状のような曲面状であって
もよい。すなわち、収納体1の収納空間は、傾斜に応答
してその内部の流動性の磁気応答部材3が重力に従って
適切に変位しうるような形状であればよい。
【0029】各実施例において、1次コイルは、各2次
コイル21〜24に1対1で対応して設ける必要はな
く、2次コイル21〜24の全体をカバーしうるように
1個のみ又は適宜数だけ設けるようにしてよい。図7
は、その一例を示すもので、2次コイル21〜24の配
置の外側を囲んで1つの1次コイル15を設けたもので
ある。このように1個の1次コイル15を設ける場合、
2次コイル21〜24の配置の内側に設けてもよい。ま
た、コイル部2におけるコイル数及びその配置は上記実
施例に示すものに限らず、様々な設計変更が可能であ
る。例えば、上記実施例のような4極からなるコイル構
成に限らず、6極あるいは8極あるいは12極等、任意
である。
【0030】次に、図6を参照してリニアセンサ200
の一具体例につき説明する。図6は、図示の都合上、Z
軸(上下方向)を横向きにして描いてある。このリニア
センサ200は、前述の通り、プッシャ201に連動す
る可動部204と、この可動部204に設けられた磁気
応答部材203と、所定位置に配置されたコイル部20
2とを含む。可動部204が検出対象たるプッシャ20
1に連結されて、該プッシャ201の直線位置の変化に
連動して直線的にかつ往復的に変位可能であり、これに
対して、コイル部202の配置は適宜に固定される。か
くして、可動部204が検出対象たる直線位置に連動し
てコイル部202に対して相対的に直線的に変位する。
勿論、その逆に、コイル部202をリニア変位検出対象
たるプッシャ201に連動して変位させ、可動部204
を固定するようにしてもよい。要するに、このリニアセ
ンサ200においては、コイル部202に対する可動部
204の相対的に直線位置を検出する。この相対的な直
線変位の方向は、図において符号Zを伴う矢印で示され
ている。
【0031】コイル部202は、1相の交流信号によっ
て励磁される1次コイルPW1〜PW5と、直線変位方向
Zに関して異なる位置に配置された複数の2次コイルS
W1〜SW4とを含む。これらの1次及び2次コイル構成
を明示するために、図6ではコイル部202は断面を含
んで示されているが、実際は、点線で補って示されてい
るように、ロッド状の可動部204の周囲にて適宜のギ
ャップを空けて、コイルコイルが巻回された状態を成し
ている。1相の交流信号によって共通に励磁されるが故
に、1次コイルPW1〜PW5の数は、1又は適宜の複数
であってよく、その配置も適宜であってよい。しかし、
複数の1次コイルPW1〜PW5を適宜に分離して、例え
ば図6に示されるように各2次コイルSW1〜SW4をそ
れぞれの間に挟むように、配置することは、1次コイル
によって発生する磁界を個別の2次コイルSW1〜SW4
に対して有効に及ぼし、かつ可動部204の磁気応答部
材203による磁場への影響を有効に及ぼすことができ
るので、好ましい。
【0032】ロッド状の可動部204は、その所定範囲
において、所定の磁気応答特性を持つ磁気応答部材20
3を直線変位方向に沿って所定のピッチpで1又は複数
繰り返して設けて成るものである。既に知られているよ
うに、磁気応答部材203の材質を鉄またはニッケルな
どのような磁性体、あるいは銅またはアルミニウムなど
のような非磁性の導電体とすることにより、透磁率ある
いは磁気抵抗あるいは渦電流損失などの所定の磁気応答
特性を持たせることができるので、そのように適宜の材
質を用いて磁気応答部材203を構成してよい。可動部
204の基部ロッドの材質も、磁性体又は非磁性体又は
導電体など適宜の材質を用いてよく、どのような材質を
用いるかは、磁気応答部材203の材質及び/又は形状
等との兼ね合いによって定まる。要するに、磁気応答部
材203が存在する箇所とそうでない箇所との間では、
コイル部202に及ぼす磁気的応答特性が異なるように
なっていればよいものである。また、可動部204の基
部ロッドに対する磁気応答部材203の形成法も、貼り
付け、接着、かしめ止め、切削、めっき、蒸着、焼き付
け、など適宜の手法を用いてよい。
【0033】検出対象たる直線位置の変化に応じて、可
動部204の磁気応答部材203のコイル部202に対
する対応位置が変化することにより、1次コイルPW1
〜PW5と各2次コイルSW1〜SW4間の磁気結合が該
検出対象直線位置に応じて変化され、これにより、該検
出対象直線位置に応じて振幅変調された誘導出力交流信
号が、各2次コイルSW1〜SW4の配置のずれに応じて
異なる振幅関数特性で、各2次コイルSW1〜SW4に誘
起される。各2次コイルSW1〜SW4に誘起される各誘
導出力交流信号は、1次コイルPW1〜PW5が1相の交
流信号によって共通に励磁されるが故に、その電気的位
相が同相であり、その振幅関数が磁気応答部材203の
繰り返しピッチの1ピッチpに相当する変位量を1サイ
クルとして周期的にそれぞれ変化する。
【0034】4つの2次コイルSW1〜SW4は、磁気応
答部材203の繰り返しピッチの1ピッチpの範囲内に
おいて所定の間隔で配置され、各2次コイルSW1〜S
W4に生じる誘導出力交流信号の振幅関数が、所望の特
性を示すように設定される。例えば、レゾルバタイプの
位置検出装置として構成する場合は、各2次コイルSW
1〜SW4に生じる誘導出力交流信号の振幅関数が、サイ
ン関数、コサイン関数、マイナス・サイン関数、マイナ
ス・コサイン関数、にそれぞれ相当するように設定す
る。例えば図6に示されるように、1ピッチpの範囲を
4分割し、p/4づつずれた各分割位置に配列する。こ
れにより、各2次コイルSW1〜SW4に生じる誘導出力
交流信号の振幅関数が、サイン関数、コサイン関数、マ
イナス・サイン関数、マイナス・コサイン関数、にそれ
ぞれ相当するように設定することができる。勿論、種々
の条件によって、各コイルの配置は微妙に変わり得るの
で、希望の関数特性が得られるように各コイル配置を適
宜調整したり、あるいは2次出力レベルを電気的増幅に
よって調整して、希望の振幅関数特性が最終的に得られ
るようにする。
【0035】例えば、2次コイルSW1の出力がサイン
関数(図でsを付記する)に対応するとすると、これに
対してp/2だけずれて配置された2次コイルSW3の
出力はマイナス・サイン関数(図で/s(sバー)を付
記する)に対応し、この両者の出力を差動的に合成する
ことによりサイン関数の振幅関数を持つ第1の出力交流
信号が得られる。また、サイン関数出力に対応する2次
コイルSW1からp/4ずれて配置された2次コイルS
W2の出力はコサイン関数(図でcを付記する)に対応
し、これに対してp/2だけずれて配置された2次コイ
ルSW4の出力はマイナス・コサイン関数(図で/c
(cバー)を付記する)に対応し、この両者の出力を差
動的に合成することによりコサイン関数の振幅関数を持
つ第2の出力交流信号が得られる。。なお、明細書中で
は、表記の都合上、反転を示すバー記号は「/(スラッ
シュ)」で記載するが、これは、図中のバー記号に対応
している。
【0036】図7はコイル部202の回路図であり、1
次コイルPW1〜PW5には共通の励磁交流信号(説明の
便宜上、sinωtで示す)が印加される。この1次コ
イルPW1〜PW5の励磁に応じて、可動部204の磁気
応答部材203のコイル部202に対する対応位置に応
じた振幅値を持つ交流信号が各2次コイルSW1〜SW4
に誘導される。夫々の誘導電圧レベルは検出対象直線位
置xに対応して2相の関数特性sinθ,cosθ及びその逆
相の関数特性−sinθ,−cosθを示す。すなわち、各2
次コイルSW1〜SW4の誘導出力信号は、Z軸方向の検
出対象直線位置すなわち可動部204のZ軸方向操作量
(これを便宜的に“x”とする)に対応して2相の関数
特性sinθ,cosθ及びその逆相の関数特性−sinθ,−c
osθで振幅変調された状態で夫々出力される。なお、こ
の場合、θはxに比例しており、例えば、θ=2π(x
/p)のような関係である。説明の便宜上、コイルの巻
数等、その他の条件に従う係数は省略し、2次コイルS
W1をサイン相として、その出力信号を「sinθ・sinω
t」で示し、2次コイルSW2をコサイン相として、そ
の出力信号を「cosθ・sinωt」で示す。また、2次コ
イルSW3をマイナス・サイン相として、その出力信号
を「−sinθ・sinωt」で示し、2次コイルSW4をマイ
ナス・コサイン相として、その出力信号を「−cosθ・si
nωt」で示す。サイン相とマイナス・サイン相の誘導
出力を差動的に合成することによりサイン関数の振幅関
数を持つ第1の出力交流信号(2sinθ・sinωt)が得
られる。また、コサイン相とマイナス・コサイン相の誘
導出力を差動的に合成することによりコサイン関数の振
幅関数を持つ第2の出力交流信号(2cosθ・sinωt)
が得られる。なお、表現の簡略化のために、係数「2」
を省略して、以下では、第1の出力交流信号を「sinθ・
sinωt」で表わし、第2の出力交流信号を「cosθ・sin
ωt」で表わす。なお、このリニアセンサ20の動作説
明においても、傾斜センサ100の前記説明と同様に、
便宜上、位相角の符号を“θ”としているが、傾斜セン
サ100の説明で使用する“θ”と、リニアセンサ20
の説明で使用する“θ”とは、べつものであるのは勿論
である。すなわち、傾斜センサ100の説明で使用する
“θ”は、前述の通り、X,Y軸についての傾斜方向を
示すものであるのに対して、リニアセンサ20の説明で
使用する“θ”は、前述の通り、Z軸方向のリニア変位
に対応している。
【0037】こうして、検出対象直線位置xに対応する
第1の関数値sinθを振幅値として持つ第1の出力交流
信号A=sinθ・sinωtと、同じ検出対象直線位置xに
対応する第2の関数値cosθを振幅値として持つ第2の
出力交流信号B=cosθ・sinωtとが出力される。この
ようなコイル構成によれば、回転型位置検出装置である
従来知られたレゾルバにおいて得られるのと同様の、同
相交流であって2相の振幅関数を持つ2つの出力交流信
号(サイン出力とコサイン出力)を直線位置検出装置に
おいて得ることができることが理解できる。従って、こ
のリニアセンサ200から得られる2相の出力交流信号
(A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωt)は、従来知
られたレゾルバの出力と同様の使い方をすることができ
る。例えば、図5の例と同様に、図7においてもディジ
タル位相検出回路40にこれらの2相の出力交流信号
A,Bを入力してディジタル位相検出によって位相値θ
に対応するディジタルデータを得て、これをZ軸方向の
操作量の検出データDzとすることができる。その場
合、ディジタル位相検出回路40の共通利用可能なハー
ドウェア回路を、傾斜センサ100とリニアセンサ20
0の相方で時分割共用することができる。なお、上記の
ように、4つの2次コイルSW1〜SW4を磁気応答部材
203の繰り返しピッチの1ピッチpの範囲内において
所定の間隔で配置した構成は、コイル部202全体のサ
イズを磁気応答部材203の1ピッチの範囲に略対応す
る比較的小さなサイズに収めることができるので、リニ
アセンサ200全体の構成を小型化することに役立つ。
【0038】可動部204の一実施形態として、基部ロ
ッドとしてピアノ線を使用し、磁気応答部材203とし
て所定の金属片を使用し、ピアノ線からなる可動部20
4の周囲に、磁気応答部材203としての該金属片を所
定のピッチで1又は複数繰り返して配置してそれぞれの
金属片をかしめ止めすることによって、該所定のピッチ
で繰り返し配置した磁気応答部材203を構成するよう
にするとよい。このような可動部204の構成は、単
に、所望の長さのピアノ線と所望の数の金属片とを用意
し、該金属片を所望のピッチで該ピアノ線にかしめ止め
することだけで、製造することができるので、構成が極
めて簡単であり、かつ製造が極めて容易であり、製造コ
ストも極めて安価にすることができるので、かなり有意
義である。しかも、可動部204つまり可動コア部の径
は、ピアノ線の径に金属片(磁気応答部材203)の厚
みを足した程度の小さなものとなり、これに伴い、コイ
ル部202の各コイルの径もかなり小さくすることがで
きるので、全体としてかなり小型化されたリニアセンサ
200を提供することができる。
【0039】更にその場合、磁気応答部材203として
の前記金属片として、既存のスプリングピンを用いても
よく、そのようスプリングピンを用いると、かしめ止め
加工作業も極めて容易になり、かつ、かしめ止めも確実
になり、しかも安価であるから、極めて有利である。ま
た、磁気応答部材203を形成するための前記金属片と
して展開状態では長方形のものを使用すると、これをロ
ッド(ピアノ線)の周りにかしめ止めしたとき、図6に
示すように、磁気応答部材203は略円筒形状となる。
しかし、これに限らず、磁気応答部材203を形成する
ための前記金属片として展開状態では略円形乃至楕円形
の金属片を使用してもよい。その他、磁気応答部材20
3の形状及び材質は任意である。勿論、傾斜センサ10
0の磁気応答部材3と同様に流動性の磁性体を用いるこ
とができる。勿論、リニアセンサ200の検出原理は、
上記のようなリニア・レゾルバ原理に従うものに限ら
ず、その他のもの、例えば公知の差動トランスタイプの
もの、あるいは、2相交流励磁1相出力タイプのような
従来技術の項で説明した位相シフト型誘導リニアセンサ
でもよい。
【0040】図1の例では、Z軸方向の操作は、スティ
ック部10の本体に対してプッシャ201及び可動部2
04を相対的に上下動させることにより行われるように
なっている。しかし、これに限らず、スティック部10
の本体そのものを上下動させることによりZ軸方向の操
作を行うようにしてもよい。図8はその場合の一例を示
すZ軸方向一部断面側面図である。図8において、ステ
ィック部10は、頂部10aと棒状部10bとを含む一
体部分(側面略図で示す)が握り部10d(断面で示
す)に対してZ軸方向に相対的に上下動可能な構成とな
っている。すなわち、握り部10d内に棒状部10bが
下側から挿入されて、バネ10eによって棒状部10b
が上向きに付勢され、つば状ストッパ10fによって変
位0の初期位置に規制される。操作者が握り部10dを
握って頂部10aを親指で押すと、頂部10aと一体の
棒状部10bがZ軸方向に下向きに動かされる。この場
合、傾斜センサ100は、図1の例と同様に頂部10a
内に適宜設けられるてよいが、リニアセンサ200は、
コイル部202を握り部10dの内側の所定位置に設
け、磁気応答部材203を棒状部10bの下側の所定位
置の周囲に適宜設ける。
【0041】次に、本発明の第2の観点に従う3次元操
作検出装置の一実施例につき、図9によって説明する。
図9の実施例は、スティック部10をZ軸方向に(上下
に)振る動作によってZ軸方向の操作を行えるようにし
たものである。図9において、スティック部10の頂部
10aは側面図で示し、この内部には図1と同様に適宜
の傾斜センサ100が設けられる。スティック部10の
棒状部10bはリニアセンサ200’を内蔵している部
分を切り欠いて一部断面で示している。このリニアセン
サ200’は、スティック部10をZ軸方向に(上下
に)振る動作に基づくZ軸方向の操作を検出するもので
ある。リニアセンサ200’は、棒状部10bの内部に
おいてZ軸方向に沿って延びた収納空間205と、この
収納空間205の周囲に設けられたコイル部202と、
この収納空間205内にて重力に従って移動自在に収納
された磁気応答部材203’とを含んでいる。磁気応答
部材203’としては、空間205内を重力に従って自
由に動きうる適宜のサイズの磁性体(球体あるいは円板
等の適宜の形状であってよい)を使用することができる
し、あるいは、適量の磁性流体あるいは磁性粉体等であ
ってもよい。これによって、スティック部10をZ軸方
向に(上下に)振る動作によって、慣性作用により、収
納空間205内で磁気応答部材203’がコイル部20
2に対して相対的に変位し、Z軸方向の動きに応じた検
出出力信号をコイル部202から出力することができ
る。
【0042】次に、本発明の第3の観点に従う3次元操
作検出装置の一実施例につき、図10によって説明す
る。図10の実施例は、3次元操作入力手段として、手
で握るタイプの棒状のスティック部10を使用せずに、
テーブル上等に任意に置いて、又は半固定的に設置し
て、使用できるようにしたものである。図10(a)は
X−Y軸方向に沿う平面図、(b)はZ軸に沿う断面略
図である。この3次元操作検出装置の外観は、上側の操
作部10aと、下側のベース部10bとからなってい
る。操作部10aは、ベース部10bに対してX軸及び
Y軸方向に傾き可能及びZ軸方向に上下動可能に配置さ
れている。操作部10aには、その下側に傾斜センサ1
00が設けられていると共に、リニアセンサ200の可
動部204が設けられている。可動部204の下側の所
定箇所には、図1の例と同様に、リニアセンサ200の
磁気応答部材203が設けられている。また、ベース部
10bの内部の所定箇所には、図1の例と同様に、リニ
アセンサ200のコイル部202が設けられている。か
くして、傾斜センサ100とリニアセンサ200の具体
的構成は、本明細書で説明する欠く実施例と同様の構成
を使用してよい。
【0043】上面からみると円形を成している操作部1
0aの略中央が適当に膨らんでいて、ここがZ軸方向の
操作を加えるためのZプッシャ部10zに相当する。ま
た、操作部10aにおけるZプッシャ部10zの周囲の
リング状平面が、X軸及びY軸方向に任意の傾き操作を
加えるためのXYプッシャ部10xyに相当する。この
操作部10aは、リング状のXYプッシャ部10xyの
下方において、少なくとも90度間隔の4点において、
バネ10cを介してベース部10bに対して上下動可能
に支持されている。この構成によって、操作部10aに
おけるリング状のXYプッシャ部10xyの任意の点を
指で押すと、操作部10aがその押された方向に傾く。
この操作部10aの傾きは、前述と同様に、傾斜センサ
100によって検出される。また、操作部10aにおけ
る中央のZプッシャ部10zを指で押すと、操作部10
aの全体が下方に(Z軸方向に)移動する。この操作部
10aのZ軸方向の変位は、前述と同様に、リニアセン
サ200によって検出される。なお、ベース部10bを
任意の使用場所に固定して、この検出装置を半固定的に
設置するようにしてもよい。もしくは、操作部10a及
びベース部10bを含む装置全体を持ち運び可能とし
て、任意の場所でこの検出装置を使用できるようにして
もよい。
【0044】なお、上記各実施例では、Z軸方向の操作
は、下向きにのみ行うようになっているが、これに限ら
ず、上下両方向に任意に操作できるようにしてもよい。
その例を示すと図11,図12のようである。図11
は、図1の変形を示しており、同一符号は同一装置を示
す。図11の例では、スティック部10の棒状部10b
の下端に、上向き操作を行うためのプッシャ206が設
けられている。プッシャ206には可動部204の下端
が接続されている。プッシャ206は、プッシャ201
と同様に、ゴム等の弾性体からなる。この構成によっ
て、上のプッシャ201を押すことによりZ軸方向の下
向き操作を行うことができ、下のプッシャ206を押す
ことによりZ軸方向の上向き操作を行うことができる。
図12は、可動部204の上端を外部に突出させ、この
上端を指で下向きに押したり、指でつまんで上向きに引
き上げることができるようにした例を示す。可動部20
4の下端又は適宜箇所にバネ207が設けられており、
可動部204に操作が加えられていないときは中立位置
となり、可動部204の上向き及び下向きの動き応じて
該バネ207が伸びたり縮んだりする。なお、可動部2
04の上下動範囲を限界づけるための適宜のストッパ部
208が設けられる。この構造は、図1のタイプに限ら
ず、図10のタイプにも応用できる。
【0045】次に、傾斜センサ100の他の実施例につ
いて説明する。図2に示した傾斜センサ100は、XY
座標面の傾斜を1つのセンサで一挙に検出する例である
が、これに限らず、一方向の(1軸用の)傾斜計を2個
組み合わせて2軸傾斜検出を行うようにしてもよい。図
13は、そのような目的で使用できる1軸用の傾斜計1
00Xの一例を示す軸方向断面図である。プラスチック
あるいはステンレス等の非磁性体からなる収納体101
は巻軸のような形状をなしており、その軸の内部には、
図示のように、下側にわん曲した通路101aが設けら
れている。この通路101a内には、適宜のサイズ又は
量の磁気応答部材103が重力に従って移動自在に収納
されている。磁気応答部材103は、図13の例では、
球形状をした例えば鉄のような磁性体からなっている。
収納体101の通路101aの周囲つまり巻軸の周囲に
は、1又は複数のコイル111〜115,121〜12
4が順次配置されて巻かれている。これらのコイル11
1〜115,121〜124によりコイル部102が構
成されている。なお、通路101aの両端は閉じられて
いて、内部の磁気応答部材103が飛び出ないようにな
っている。
【0046】上記の構成によって、通路101a内にお
ける磁気応答部材103のリニア位置つまり、コイル部
102に対する磁気応答部材103の相対的直線位置に
応じて、コイル部102における誘導結合が変化し、こ
れに応じた出力信号を該コイル部102より得ることが
できる。従って、通路101a内における磁気応答部材
103のリニア位置に応じた検出出力信号をコイル部1
02から得るようにすることができる。ここで、収納体
101の通路101aは、下側にわん曲しているため、
該収納体101が水平位置におかれているとき、該通路
101a内の磁気応答部材103は自重により必ず所定
の位置(傾斜0に対応する一番低い位置)に位置する。
収納体101が傾くと、それに応じて通路101aに沿
って磁気応答部材103がリニアに変位し、該通路10
1aにおける前記磁気応答部材103のリニア位置に応
じた検出出力信号が前記コイル部102から得られる。
従って、コイル部102の出力信号は収納体101の傾
きに応答するものであり、該傾きの検知信号として適宜
利用できる。
【0047】コイル部102による検出原理としては、
任意のものを用いることができる。単純な例としては、
ピックアップコイル方式があり得る。すなわち通路10
1aに沿って配置した複数のコイルの出力信号レベルに
基づき、磁気応答部材103が最も近接したコイルを特
定することにより、通路101aにおける磁気応答部材
103のリニア位置を検出することができ、従って、収
納体101の傾斜の度合いを検知/検出することができ
る。より細かく磁気応答部材103のリニア位置を検出
するための一例として、リニア差動トランス原理に従っ
てコイル部102を構成することができる。すなわち、
コイル部102として1個又は複数のリニア差動トラン
スを構成し、該リニア差動トランスの出力電圧値とどの
リニア差動トランスから出力が得られたかを示すデータ
との組み合わせによって、前記ピックアップコイル方式
よりは細かい精度で磁気応答部材103のリニア位置を
検出することができる。
【0048】更に細かい精度で、かつ正確に、磁気応答
部材103のリニア位置を検出し得るようにするには、
レゾルバ原理に従ってコイル部102を構成するとよ
い。レゾルバ原理に従ってコイル部102を構成する場
合、1相の交流信号によって励磁される1次コイル11
1〜115と、複数の2次コイル121〜124とを含
む。各2次コイル121〜124は、通路101aに沿
って所定の間隔でずらして配置される。一方、1相の交
流信号によって共通に励磁されるが故に、1次コイル1
11〜115の数は、1又は適宜の複数であってよく、
その配置も適宜であってよい。しかし、複数の1次コイ
ル111〜115を適宜に分離して、例えば図13に示
されるように各2次コイル121〜124をそれぞれの
間に挟むように、配置することは、1次コイルによって
発生する磁界を個別の2次コイル121〜124に対し
て有効に及ぼし、かつ磁気応答部材103による磁場へ
の影響を有効に及ぼすことができるので、好ましい。
【0049】通路101aにおける磁気応答部材103
のリニア位置に応じて、磁気応答部材103のコイル部
102に対する対応位置が変化することにより、1次コ
イル111〜115と各2次コイル121〜124間の
磁気結合が該リニア位置に応じて変化され、これによ
り、該リニア位置に応じて振幅変調された誘導出力交流
信号が、各2次コイル121〜124の配置のずれに応
じて異なる振幅関数特性で、各2次コイル121〜12
4に誘起される。各2次コイル121〜124に誘起さ
れる各誘導出力交流信号は、1次コイル111〜115
が1相の交流信号によって共通に励磁されるが故に、そ
の電気的位相が同相であり、その振幅関数が各2次コイ
ル121〜124の配置のずれに応じてずれた位相を有
する。すなわち、4つの2次コイル121〜124に生
じる誘導出力交流信号の振幅関数が、所望の特性を示す
ように設定することが可能であり、レゾルバタイプの位
置検出装置として構成する場合は、各2次コイル121
〜124に生じる誘導出力交流信号の振幅関数が、サイ
ン関数、コサイン関数、マイナス・サイン関数、マイナ
ス・コサイン関数、にそれぞれ相当するように設定する
ことが可能である。種々の条件によって、各コイルの配
置は微妙に変わり得るので、希望の関数特性が得られる
ように各コイルの配置や巻数を適宜調整したり、あるい
は2次出力レベルを電気的増幅によって調整して、希望
の振幅関数特性が最終的に得られるようにする。
【0050】例えば、2次コイル121の出力がサイン
関数(図でsを付記する)に対応するとすると、これに
対して所定距離(例えばp/2とする)だけずれて配置
された2次コイル123の出力はマイナス・サイン関数
(図で/s(sバー)を付記する)に相当するように設
定し、この両者の出力を差動的に合成することによりサ
イン関数の振幅関数を持つ第1の出力交流信号を得るよ
うにすることができる。また、サイン関数出力に対応す
る2次コイル121から前記所定距離の半分(例えばp
/4とする)だけずれて配置された2次コイル122の
出力はコサイン関数(図でcを付記する)に対応し、こ
れに対してp/2だけずれて配置された2次コイル12
4の出力はマイナス・コサイン関数(図で/c(cバ
ー)を付記する)に相当するように設定し、この両者の
出力を差動的に合成することによりコサイン関数の振幅
関数を持つ第2の出力交流信号を得るようにすることが
できる。
【0051】磁気応答部材103の形状は球に限らず、
円筒形その他の適宜の形状であってもよい。また、磁気
応答部材103は固形のものに限らず、例えば磁性流体
や磁性粉体のような非固定形状の物体からなるものであ
ってもよい。また、磁気応答部材103の材質は磁性体
に限らず、銅のような良導電体であってもよい。図13
では、収納体101の外観は、ボビン若しくは巻き軸の
ようであるが、これに限らず、チューブを曲げた形状か
らなっていてもよい。その場合は、曲げられたチューブ
(収納体101)の周りにコイル部102を嵌め込むよ
うにすればよい。勿論、コイル部102における1次及
び2次コイルの数及び配置も様々な変形や設計変更が可
能である。また、2次コイル出力信号の相数もサイン,
コサインの2相に限らず、他の形態、例えば120度ず
れた3相タイプ、であってもよい。
【0052】以上のような傾斜計100Xは通路101
aの方向に沿う一方向(1軸)のみについての傾斜を検
出することができるものである。XY座標面の傾斜を検
出するためには、図示例のような1軸傾斜計100Xを
X軸又はY軸について少なくとも1つ設け、他の軸のた
めには、別のタイプの適当な一方向傾斜計を設けるよう
にしてもよい。勿論、図13に示したような同じタイプ
の1軸傾斜計100Xを2個直交させて設けて、XY座
標面の傾斜を検出するための傾斜センサ100を構成し
てもよい。図14はその一例を略示するものであり、互
いに90度の角度で交差するように2つの傾斜計100
X,100Yを組み合わせたものである。各傾斜計10
0X,100Yは、図13の傾斜計100Xと夫々同一
構成である。これによって、検出対象のX軸方向の傾斜
(傾斜成分)を傾斜計100Xで検出することができ、
該検出対象のY軸方向の傾斜(傾斜成分)を傾斜計10
0Yで検出することができる。なお、図14の構成を変
形して、X,Y軸に対応する各傾斜計100X,100
Yの収納体101内の通路101aのわん曲を大きくと
るようにしてもよい。
【0053】なお、X軸及びY軸の操作を検出するため
の、第1のコイル部2と磁気応答部材3とを含む第1の
検出手段(傾斜センサ100)は、上記実施例のよう
に、必ずしも傾斜検出装置である必要はない。例えば、
X軸及びY軸方向に、スティック部10を水平移動させ
るような操作を検出するもの、すなわち加速又は衝撃検
出装置であってもよい。そのような加速又は衝撃検出装
置は、上述の傾斜センサ100によっても構成できる
し、上述の傾斜センサ100を適宜一部変形しても構成
できる。すなわち、流動性の磁気応答部材3は、そのよ
うな瞬間の加速又は衝撃に応答して慣性作用に応じて変
位するので、それに応答する出力を発生することができ
る。また、図13のような1軸傾斜計100の通路10
1aを直線状にしてもそのような瞬間の加速又は衝撃に
応答する出力信号を得ることができる。
【0054】ところで、本発明に係る3次元操作検出装
置を実施するにあたっては、上述の構成すべてを具備す
る必要はなく、少なくとも1つを具備していても有効で
ある。例えば、X軸及びY軸操作検出用のXY座標面傾
斜検出装置すなわち傾斜センサ100は、上述で例示さ
れたいずれかの構成に従うものとし、Z軸操作検出手段
は他の適宜のリニア検出手段(光学式センサ、永久磁石
又は磁化パターン利用のリニアセンサ、ポテンショメー
タ等)を使用してもよい。反対に、Z軸操作検出手段は
例示されたリニアセンサ200のいずれかの構成に従う
ものとし、X軸及びY軸操作検出手段は、誘導式センサ
以外の他の適宜の構成を用いてもよい。X軸及びY軸操
作検出手段として利用可能な誘導式センサ以外の検出手
段の一例を示すと、図10の例において、操作部10a
のリング状のXYプッシャ部10xyの表面をタッチセ
ンサを用いるような変更例が考えられる。勿論、そのよ
うな変更例を採用する場合は、図10における誘導式の
傾斜センサ100を省略する。
【0055】次に、図5に示したディジタル位相検出回
路40のいくつかの例について説明する。以下で説明す
るディジタル位相検出回路40の各例は、図5に示した
ディジタル位相検出回路40に限らず、図7に示したデ
ィジタル位相検出回路40においても適用可能であり、
また、図13に示した1軸傾斜計100Xの出力信号の
位相をディジタル測定する場合においても適用可能であ
る。しかし、以下の説明では、便宜的に、図5に示した
ディジタル位相検出回路40つまり傾斜センサ100の
出力信号の位相測定のための使用されているものとして
説明する。図15は、ディジタル位相検出回路40とし
て、公知のR−D(レゾルバ−ディジタル)コンバータ
を適用した例を示す。コイル部2の2次コイル21〜2
4から出力されるレゾルバタイプの2相の出力交流信号
A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωtが、それぞれア
ナログ乗算器30,31に入力される。順次位相発生回
路32では位相角φのディジタルデータを発生し、サイ
ン・コサイン発生回路33から該位相角φに対応するサ
イン値sinφとコサイン値cosφのアナログ信号を発生す
る。乗算器30では、サイン相の出力交流信号A=sin
θ・sinωtに対してサイン・コサイン発生回路33から
のコサイン値cosφを乗算し、「cosφ・sinθ・sinωt」
を得る。もう一方の乗算器31では、コサイン相の出力
交流信号B=cosθ・sinωtに対してサイン・コサイン
発生回路33からのサイン値sinφを乗算し、「sinφ・c
osθ・sinωt」を得る。引算器34で、両乗算器30,
31の出力信号の差を求め、この引算器34の出力によ
って順次位相発生回路32の位相発生動作を次のように
制御する。すなわち、順次位相発生回路32の発生位相
角φを最初は0にリセットし、以後順次増加していき、
引算器34の出力が0になったとき増加を停止する。引
算器34の出力が0になるのは、「cosφ・sinθ・sinω
t」=「sinφ・cosθ・sinωt」が成立したときであ
り、すなわち、φ=θが成立し、順次位相発生回路32
から位相角φのディジタルデータが出力交流信号A,B
の振幅関数の位相角θのディジタル値に一致している。
従って、任意のタイミングで周期的にリセットトリガを
与えて順次位相発生回路32の発生位相角φを0にリセ
ットして、該位相角φのインクリメントを開始し、引算
器34の出力が0になったとき、該インクリメントを停
止し、位相角θのディジタルデータを得る。なお、順次
位相発生回路32をアップダウンカウンタ及びVCOを
含んで構成し、引算器34の出力によってVCOを駆動
してアップダウンカウンタのアップ/ダウンカウント動
作を制御するようにすることが知られており、その場合
は、周期的なリセットトリガは不要である。
【0056】温度変化等によってコイル部2の1次及び
2次コイルのインピーダンスが変化することにより2次
出力交流信号における電気的交流位相ωtに誤差が生じ
るが、上記のような位相検出回路においては、sinωt
の位相誤差は自動的に相殺されるので、好都合である。
これに対して、従来知られた2相交流信号(例えばsin
ωtとcosωt)で励磁することにより1相の出力交流
信号に電気的位相シフトが生じるようにした方式では、
そのような温度変化等に基づく出力位相誤差を除去する
ことができない。ところで、上記のような従来のR−D
コンバータからなる位相検出回路は、追従比較方式であ
るため、φを追従カウントするときのクロック遅れが生
じ、応答性が悪い、という問題がある。そこで、本発明
者等は、以下に述べるような新規な位相検出回路を開発
したので、これを使用すると好都合である。
【0057】図16は、上述の傾斜センサ100その他
において適用可能な新規なディジタル位相検出回路40
の一実施形態を示している。図16において、検出回路
部41では、カウンタ42で所定の高速クロックパルス
CKをカウントし、そのカウント値に基づき励磁信号発
生回路43から励磁用の交流信号(例えばsinωt)
を発生し、コイル部2の1次コイル11〜14に与え
る。カウンタ42のモジュロ数は、励磁用の交流信号の
1周期に対応しており、説明の便宜上、そのカウント値
の0は、基準のサイン信号sinωtの0位相に対応して
いるものとする。コイル部2の2次コイル21〜24か
ら出力される2相の出力交流信号A=sinθ・sinωtと
B=cosθ・sinωtは、検出回路部41に入力される。
【0058】検出回路部41において、第1の交流出力
信号A=sinθ・sinωtが位相シフト回路44に入力さ
れ、その電気的位相が所定量位相シフトされ、例えば9
0度進められて、位相シフトされた交流信号A’=sin
θ・cosωtが得られる。また、検出回路部41において
は加算回路45と減算回路46とが設けられており、加
算回路45では、位相シフト回路44から出力される上
記位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtとコ
イル部2の2次コイル21〜24から出力され第2の交
流出力信号B=cosθ・sinωtとが加算され、その加算
出力として、B+A’=cosθ・sinωt+sinθ・cosωt
=sin(ωt+θ)なる略式で表わせる第1の電気的交
流信号Y1が得られる。減算回路46では、上記位相シ
フトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと上記第2の
交流出力信号B=cosθ・sinωtとが減算され、その減
算出力として、B−A’=cosθ・sinωt−sinθ・cosω
t=sin(ωt−θ)なる略式で表わせる第2の電気的
交流信号Y2が得られる。このようにして、収納空間1
a内の磁気応答部材3の分布に対応して正方向にシフト
された電気的位相角(+θ)を持つ第1の電気的交流信
号Y1=sin(ωt+θ)と、同じ分布に対応して負方
向にシフトされた電気的位相角(−θ)を持つ第2の電
気的交流信号Y2=sin(ωt−θ)とが、電気的処理
によって夫々得られる。
【0059】加算回路45及び減算回路46の出力信号
Y1,Y2は、夫々ゼロクロス検出回路47,48に入
力され、それぞれのゼロクロスが検出される。ゼロクロ
スの検出の仕方としては、例えば、各信号Y1,Y2の
振幅値が負から正に変化するゼロクロスつまり0位相を
検出する。各回路47,48で検出したゼロクロス検出
パルスつまり0位相検出パルスは、ラッチパルスLP
1,LP2として、ラッチ回路49,50に入力され
る。ラッチ回路49,50では、カウンタ42のカウン
ト値を夫々のラッチパルスLP1,LP2のタイミング
でラッチする。前述のように、カウンタ42のモジュロ
数は励磁用の交流信号の1周期に対応しており、そのカ
ウント値の0は基準のサイン信号sinωtの0位相に対
応しているものとしたので、各ラッチ回路49,50に
ラッチしたデータD1,D2は、それぞれ、基準のサイ
ン信号sinωtに対する各出力信号Y1,Y2の位相ず
れに対応している。各ラッチ回路49,50の出力は誤
差計算回路51に入力されて、「(D1+D2)/2」
の計算が行なわれる。なお、この計算は、実際は、「D
1+D2」のバイナリデータの加算結果を1ビット下位
にシフトすることで行われるようになっていてよい。
【0060】ここで、コイル部2と検出回路部41間の
配線ケーブル長の長短による影響や、コイル部2の各1
次及び2次コイルにおいて温度変化等によるインピーダ
ンス変化が生じていることを考慮して、その出力信号の
位相変動誤差を「±d」で示すと、検出回路部41にお
ける上記各信号は次のように表わされる。 A=sinθ・sin(ωt±d) A’=sinθ・cos(ωt±d) B=cosθ・sin(ωt±d) Y1=sin(ωt±d+θ) Y2=sin(ωt±d−θ) D1=±d+θ D2=±d−θ
【0061】すなわち、各位相ずれ測定データD1,D
2は、基準のサイン信号sinωtを基準位相に使用して
位相ずれカウントを行なうので、上記のように位相変動
誤差「±d」を含む値が得られてしまう。そこで、誤差
計算回路51において、「(D1+D2)/2」の計算
を行なうことにより、 (D1+D2)/2={(±d+θ)+(±d−θ)}/2
= ±2d/2 = ±d により、位相変動誤差「±d」を算出することができ
る。
【0062】誤差計算回路51で求められた位相変動誤
差「±d」のデータは、減算回路52に与えられ、一方
の位相ずれ測定データD1から減算される。すなわち、
減算回路52では、「D1−(±d)」の減算が行なわ
れるので、 D1−(±d)=±d+θ−(±d)=θ となり、位相変動誤差「±d」を除去した正しい検出位
相差θを示すディジタルデータが得られる。このよう
に、本発明によれば、位相変動誤差「±d」が相殺され
て、正しい位相差θのみが抽出されることが理解でき
る。
【0063】この点を図17を用いて更に説明する。図
17においては、位相測定の基準となるサイン信号sin
ωtと前記第1及び第2の交流信号Y1,Y2の0位相
付近の波形を示しており、同図(a)は位相変動誤差が
プラス(+d)の場合、(b)はマイナスの場合(−
d)を示す。同図(a)の場合、基準のサイン信号sin
ωtの0位相に対して第1の信号Y1の0位相は「θ+
d」だけ進んでおり、これに対応する位相差検出データ
D1は「θ+d」に相当する位相差を示す。また、基準
のサイン信号sinωtの0位相に対して第2の信号Y2
の0位相は「−θ+d」だけ遅れており、これに対応す
る位相差検出データD2は「−θ+d」に相当する位相
差を示す。この場合、誤差計算回路51では、 (D1+D2)/2={(+d+θ)+(+d−θ)}/2
= +2d/2 = +d により、位相変動誤差「+d」を算出する。そして、減
算回路52により、 D1−(+d)=+d+θ−(+d)=θ が計算され、正しい位相差θが抽出される。
【0064】図17(b)の場合、基準のサイン信号si
nωtの0位相に対して第1の信号Y1の0位相は「θ
−d」だけ進んでおり、これに対応する位相差検出デー
タD1は「θ−d」に相当する位相差を示す。また、基
準のサイン信号sinωtの0位相に対して第2の信号Y
2の0位相は「−θ−d」だけ遅れており、これに対応
する位相差検出データD2は「−θ−d」に相当する位
相差を示す。この場合、誤差計算回路51では、 (D1+D2)/2={(−d+θ)+(−d−θ)}/2
= −2d/2 = −d により、位相変動誤差「−d」を算出する。そして、減
算回路52により、 D1−(−d)=−d+θ−(−d)=θ が計算され、正しい位相差θが抽出される。なお、減算
回路52では。「D2−(±d)」の減算を行なうよう
にしてもよく、原理的には上記と同様に正しい位相差θ
を反映するデータ(−θ)が得られることが理解できる
であろう。
【0065】また、図17からも理解できるように、第
1の信号Y1と第2の信号Y2との間の電気的位相差は
2θであり、常に、両者における位相変動誤差「±d」
を相殺した正確な位相差θの2倍値を示していることに
なる。従って、図16におけるラッチ回路49,50及
び誤差計算回路51及び減算回路52等を含む回路部分
の構成を、信号Y1,Y2の電気的位相差2θをダイレ
クトに求めるための構成に適宜変更するようにしてもよ
い。例えば、ゼロクロス検出回路47から出力される第
1の信号Y1の0位相に対応するパルスLP1の発生時
点から、ゼロクロス検出回路48から出力される第2の
信号Y2の0位相に対応するパルスLP2の発生時点ま
での間を適宜の手段でゲートし、このゲート期間をカウ
ントすることにより、位相変動誤差「±d」を相殺し
た、電気的位相差(2θ)に対応するディジタルデータ
を得ることができ、これを1ビット下位にシフトすれ
ば、θに対応するデータが得られる。
【0066】ところで、上記実施例では、+θをラッチ
するためのラッチ回路49と、−θをラッチするための
ラッチ回路50とでは、同じカウンタ42の出力をラッ
チするようにしており、ラッチしたデータの正負符号に
ついては特に言及していない。しかし、データの正負符
号については、本発明の趣旨に沿うように、適宜の設計
的処理を施せばよい。例えば、カウンタ42のモジュロ
数が4096(10進数表示)であるとすると、そのデ
ィジタルカウント0〜4095を0度〜360度の位相
角度に対応させて適宜に演算処理を行なうようにすれば
よい。最も単純な設計例は、カウンタ42のカウント出
力の最上位ビットを符号ビットとし、ディジタルカウン
ト0〜2047を+0度〜+180度に対応させ、ディ
ジタルカウント2048〜4095を−180度〜−0
度に対応させて、演算処理を行なうようにしてもよい。
あるいは、別の例として、ラッチ回路50の入力データ
又は出力データを2の補数に変換することにより、ディ
ジタルカウント4095〜0を−360度〜−0度の負
の角度データ表現に対応させるようにしてもよい。
【0067】ところで、傾斜が静止状態のときは特に問
題ないのであるが、検出対象傾斜が時間的に変化すると
きは、それに対応する位相角θも時間的に変動すること
になる。その場合、加算回路45及び減算回路46の各
出力信号Y1,Y2の位相ずれ量θが一定値ではなく、
移動速度に対応して時間的に変化する動特性を示すもの
となり、これをθ(t)で示すと、各出力信号Y1,Y2
は、 Y1=sin{ωt±d+θ(t)} Y2=sin{ωt±d−θ(t)} となる。すなわち、基準信号sinωtの周波数に対し
て、進相の出力信号Y1は+θ(t)に応じて周波数が高
くなる方向に周波数遷移し、遅相の出力信号Y2は−θ
(t)に応じて周波数が低くなる方向に周波数遷移する。
このような動特性の下においては、基準信号sinωtの
1周期毎に各信号Y1,Y2の周期が互いに逆方向に次
々に遷移していくので、各ラッチ回路49,50におけ
る各ラッチデータD1,D2の計測時間基準が異なって
くることになり、両データD1,D2を単純に回路5
1,52で演算するだけでは、正確な位相変動誤差「±
d」を得ることができない。
【0068】このような問題を回避するための最も簡単
な方法は、図16の構成において、検出傾斜が時間的に
動いているときの出力を無視し、静止状態のときの出力
のみを用いて、静止状態が得られた時の位相角θを測定
するように装置の機能を限定することである。すなわ
ち、そのような限定された目的のために本発明を実施す
るようにしてもよいものである。しかし、検出対象傾斜
が時間的に変化している最中であっても時々刻々の該検
出対象傾斜に対応する位相角θを正確に検出できるよう
にすることが望ましい。そこで、上記のような問題点を
解決するために、検出対象傾斜が時間的に変化している
最中であっても時々刻々の該検出対象傾斜に対応する位
相角θを検出できるようにした改善策について図18を
参照して説明する。
【0069】図18は、図16の検出回路部41におけ
る誤差計算回路51と減算回路52の部分の変更例を抽
出して示しており、他の図示していない部分の構成は図
16と同様であってよい。検出対象傾斜が時間的に変化
している場合における該傾斜方向に対応する位相角θ
を、+θ(t)および−θ(t)で表わすと、各出力信
号Y1,Y2は前記のように表わせる。そして、夫々に
対応してラッチ回路49,50で得られる位相ずれ測定
値データD1,D2は、 D1=±d+θ(t) D2=±d−θ(t) となる。この場合、±d+θ(t) は、θの時間的変化に
応じて、プラス方向に0度から360度の範囲で繰り返
し時間的に変化してゆく。また、±d−θ(t) は、θの
時間的変化に応じて、マイナス方向に360度から0度
の範囲で繰り返し時間的に変化してゆく。従って、±d
+θ(t) ≠ ±d−θ(t) のときもあるが、両者の変化
が交差するときもあり、そのときは±d+θ(t) = ±
d−θ(t) が成立する。このように、±d+θ(t) =
±d−θ(t) が成立するときは、各出力信号Y1,Y2
の電気的位相が一致しており、かつ、夫々のゼロクロス
検出タイミングに対応するラッチパルスLP1,LP2
の発生タイミングが一致していることになる。
【0070】図18において、一致検出回路53は、各
出力信号Y1,Y2ののゼロクロス検出タイミングに対
応するラッチパルスLP1,LP2の発生タイミング
が、一致したことを検出し、この検出に応答して一致検
出パルスEQPを発生する。一方、時変動判定回路54
では、適宜の手段により(例えば一方の位相差測定デー
タD1の値の時間的変化の有無を検出する等の手段によ
り)、検出対象傾斜が時間的に変化するモードであるこ
とを判定し、この判定に応じて時変動モード信号TMを
出力する。誤差計算回路51と減算回路52との間にセ
レクタ55が設けられており、上記時変動モード信号T
Mが発生されていないとき、つまりTM=“0”すなわ
ち検出対象傾斜が時間的に変化していないとき、セレク
タ入力Bに加わる誤差計算回路51の出力を選択して減
算回路52に入力する。このようにセレクタ55の入力
Bが選択されているときの図18の回路は、図16の回
路と等価的に動作する。すなわち、検出対象が静止して
いるときは、誤差計算回路51の出力データがセレクタ
55の入力Bを介して減算回路52に直接的に与えら
れ、図16の回路と同様に動作する。
【0071】一方、上記時変動モード信号TMが発生さ
れているとき、つまりTM=“1”すなわち検出対象が
時間的に変化しているときは、セレクタ55の入力Aに
加わるラッチ回路56の出力を選択して減算回路52に
入力する。上記時変動モード信号TMが“1”で、かつ
前記一致検出パルスEQPが発生されたとき、アンドゲ
ート57の条件が成立して、該一致検出パルスEQPに
応答するパルスがアンドゲート57から出力され、ラッ
チ回路56に対してラッチ命令を与える。ラッチ回路5
6は、このラッチ命令に応じてカウンタ42の出力カウ
ントデータをラッチする。ここで、一致検出パルスEQ
Pが生じるときは、カウンタ42の出力をラッチ回路4
9,50に同時にラッチすることになるので、D1=D
2であり、ラッチ回路56にラッチするデータは、D1
又はD2(ただしD1=D2)に相当している。
【0072】また、一致検出パルスEQPは、各出力信
号Y1,Y2のゼロクロス検出タイミングが一致したと
き、すなわち「±d+θ(t) = ±d−θ(t)」が成立し
たとき、発生されるので、これに応答してラッチ回路5
6にラッチされるデータは、D1又はD2(ただしD1
=D2)に相当しているが故に、 (D1+D2)/2 と等価である。このことは、 (D1+D2)/2=[{±d+θ(t)}+{±d−θ(t)}]
/2=2(±d)/2=±d であることを意味し、ラッチ回路56にラッチされたデ
ータは、位相変動誤差「±d」を正確に示しているもの
であることを意味する。
【0073】こうして、検出対象が時間的に変動してい
るときは、位相変動誤差「±d」を正確に示すデータが
一致検出パルスEQPに応じてラッチ回路56にラッチ
され、このラッチ回路56の出力データがセレクタ55
の入力Aを介して減算回路52に与えられる。従って、
減算回路52では、位相変動誤差「±d」を除去した検
出対象傾斜方向に正確に応答するデータθ(時間的に変
動する場合はθ(t) )を得ることができる。なお、図1
8において、アンドゲート57を省略して、一致検出パ
ルスEQPを直接的にラッチ回路56のラッチ制御入力
に与えるようにしてもよい。また、ラッチ回路56に
は、カウンタ42の出力カウントデータに限らず、図1
6で破線で示すように誤差計算回路51の出力データ
「±d」をラッチするようにしてもよい。その場合は、
一致検出パルスEQPの発生タイミングに対して、それ
に対応する誤差計算回路51の出力データの出力タイミ
ングが、ラッチ回路49,50及び誤差計算回路51の
回路動作遅れの故に、幾分遅れるので、適宜の時間遅れ
調整を行なった上で、誤差計算回路51の出力をラッチ
回路56にラッチするようにするとよい。また、動特性
のみを考慮して検出回路部41を構成する場合は、図1
8の回路51及びセレクタ55と図16の一方のラッチ
回路49又は50を省略してもよいことが、理解できる
であろう。
【0074】図19は、位相変動誤差「±d」を相殺す
ることができる位相差検出演算法についての別の実施例
を示す。コイル部2の2次コイル21〜24から出力さ
れるレゾルバタイプの前記第1及び第2の交流出力信号
A,Bは、検出回路部60に入力され、図16の例と同
様に、第1の交流出力信号A=sinθ・sinωtが位相シ
フト回路44に入力され、その電気的位相が所定量位相
シフトされて、位相シフトされた交流信号A’=sinθ・
cosωtが得られる。また、減算回路46では、上記位
相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと上記第
2の交流出力信号B=cosθ・sinωtとが減算され、そ
の減算出力として、B−A’=cosθ・sinωt−sinθ・c
osωt=sin(ωt−θ)なる略式で表わせる電気的交
流信号Y2が得られる。減算回路46の出力信号Y2は
ゼロクロス検出回路48に入力され、ゼロクロス検出に
応じてラッチパルスLP2が出力され、ラッチ回路50
に入力される。
【0075】図19の実施例が図16の実施例と異なる
点は、検出対象に対応する電気的位相ずれを含む交流信
号Y2=sin(ωt−θ)から、その位相ずれ量θを測
定する際の基準位相が相違している点である。図16の
例では、位相ずれ量θを測定する際の基準位相は、基準
のサイン信号sinωtの0位相であり、これは、傾斜計
10のコイル部2に入力されるものではないので、温度
変化等によるコイルインピーダンス変化やその他の各種
要因に基づく位相変動誤差「±d」を含んでいないもの
である。そのために、図16の例では、2つの交流信号
Y1=sin(ωt+θ)及びY2=sin(ωt−θ)を形
成し、その電気的位相差を求めることにより、位相変動
誤差「±d」を相殺するようにしている。これに対し
て、図19の実施例では、コイル部2から出力される第
1及び第2の交流出力信号A,Bを基にして、位相ずれ
量θを測定する際の基準位相を形成し、該基準位相その
ものが上記位相変動誤差「±d」を含むようにすること
により、上記位相変動誤差「±d」を排除するようにし
ている。
【0076】すなわち、検出回路部60において、コイ
ル部2から出力された前記第1及び第2の交流出力信号
A,Bがゼロクロス検出回路61,62に夫々入力さ
れ、それぞれのゼロクロスが検出される。なお、ゼロク
ロス検出回路61,62は、入力信号A,Bの振幅値が
負から正に変化するゼロクロス(いわば0位相)と正か
ら負に変化するゼロクロス(いわば180度位相)のど
ちらにでも応答してゼロクロス検出パルスを出力するも
のとする。これは信号A,Bの振幅の正負極性を決定す
るsinθとcosθがθの値に応じて任意に正又は負となる
ため、両者の合成に基づき360度毎のゼロクロスを検
出するためには、まず180度毎のゼロクロスを検出す
る必要があるためである。両ゼロクロス検出回路61,
62から出力されるゼロクロス検出パルスがオア回路6
3でオア合成され、該オア回路63の出力が適宜の1/
2分周パルス回路64(例えばT−フリップフロップの
ような1/2分周回路とパルス出力用アンドゲートを含
む)に入力されて、1つおきに該ゼロクロス検出パルス
が取り出され、360度毎のゼロクロスすなわち0位相
のみに対応するゼロクロス検出パルスが基準位相信号パ
ルスRPとして出力される。この基準位相信号パルスR
Pは、カウンタ65のリセット入力に与えられる。カウ
ンタ65は所定のクロックパルスCKを絶えずカウント
するものであるが、そのカウント値が、前記基準位相信
号パルスRPに応じて繰返し0にリセットされる。この
カウンタ65の出力がラッチ回路50に入力され、前記
ラッチパルスLP2の発生タイミングで、該カウント値
が該ラッチ回路50にラッチされる。ラッチ回路50に
ラッチしたデータDが、検出対象に対応した位相差θの
測定データとして出力される。
【0077】コイル部2から出力される第1及び第2の
交流出力信号A,Bは、それぞれ、A=sinθ・sinω
t、B=cosθ・sinωt、であり、電気的位相は同相で
ある。従って、同じタイミングでゼロクロスが検出され
るはずであるが、振幅係数がサイン関数sinθ及びコサ
イン関数cosθで変動するので、どちらかの振幅レベル
が0か又は0に近くなる場合があり、そのような場合
は、一方については、事実上、ゼロクロスを検出するこ
とができない。そこで、この実施例では、2つの交流出
力信号A=sinθ・sinωt、B=cosθ・sinωtのそれぞ
れについてゼロクロス検出処理を行ない、両者のゼロク
ロス検出出力をオア合成することにより、どちらか一方
が振幅レベル小によってゼロクロス検出不能であって
も、他方の振幅レベル大の方のゼロクロス検出出力信号
を利用できるようにしたことを特徴としている。
【0078】図19の例の場合、コイル部2のコイルイ
ンピーダンス変化等による位相変動誤差が、例えば「−
d」であるとすると、減算回路46から出力される交流
信号Y2は、図20の(a)に示すように、Y2=sin
(ωt−d−θ)となる。この場合、コイル部2の出力
信号A,Bは、位相角θに応じた振幅値sinθ及びcosθ
を夫々持ち、図20の(b)に例示するように、A=si
nθ・sin(ωt−d)、B=cosθ・sin(ωt−d)、と
いうように位相変動誤差分を含んでいる。従って、この
ゼロクロス検出に基づいて図20の(c)のようなタイ
ミングで得られる基準位相信号パルスRPは、本来の基
準のサイン信号sinωtの0位相から位相変動誤差−d
だけずれたものである。従って、この基準位相信号パル
スRPを基準として、減算回路46の出力交流信号Y2
=sin(ωt−d−θ)の位相ずれ量を測定すれば、位
相変動誤差−dを除去した正確な値θが得られることに
なる。
【0079】なお、コイル部2の配線長等の装置条件が
定まると、そのインピーダンス変化は主に温度に依存す
ることになる。そうすると、上記位相変動誤差±dは、
この傾斜検出装置が配備された周辺環境の温度を示すデ
ータに相当する。従って、図16の実施例のような位相
変動誤差±dを演算する回路51を有するものにおいて
は、そこで求めた位相変動誤差±dのデータを温度検出
データとして適宜出力することができる。従って、その
ような本発明の構成によれば、1つの傾斜検出装置によ
って検出対象の傾斜を検出することができるのみなら
ず、該傾斜検出装置の周辺環境の温度を示すデータをも
得ることができる、という優れた効果を有するものであ
る。勿論、温度変化等によるセンサ側のインピーダンス
変化や配線ケーブル長の長短の影響を受けることなく、
検出対象の傾斜に応答した高精度の検出が可能となる、
という優れた効果をも奏するものである。また、図16
や図図18,図19の例は、交流信号における位相差を
測定する方式であるため、図15のような検出法に比べ
て、高速応答性にも優れた検出を行なうことができる、
という優れた効果を奏する。
【0080】なお、上記各実施例において、コイル部
(2,102,202)と磁気応答部材(3,103,
203)による検出原理を、公知の位相シフトタイプ位
置検出原理によって構成してもよい。例えば、図5に示
されたコイル部2において、1次コイルと2次コイルの
関係を逆にして、サイン相のコイル21とマイナス・サ
イン相のコイル23を互いに逆相のサイン信号sinω
t,−sinωtによって励磁し、コサイン相のコイル
22とマイナス・コサイン相のコイル24を互いに逆相
のコサイン信号cosωt,−cosωtによって励磁
し、コイル11〜14から検出対象傾斜に応じた電気的
位相シフトθを含む出力信号sin(ωt−θ)を得る
ようにしてもよい。また、コイル部(2,102,20
2)と磁気応答部材(3,103,203)による検出
原理を、公知の差動トランス型の位置検出原理に基づい
てアナログ検出出力を得るように構成してもよいことは
前述の通りである。また、X,Y,Z各軸の操作検出の
仕方は、必ずしも正確な操作位置を検出することを要せ
ず、位置検出精度はおおまかであってもよく、また、単
純にX,Y,Z軸方向に操作されたことを検知するだけ
であってもよい。
【0081】あるいは、上記各実施例において、コイル
部(2,102,202)の構成として、1次コイルと
2次コイルの対を含むように構成せずに、1つのコイル
のみによって構成し、該1つのコイルを所定の交流信号
によって定電圧駆動し、該コイルへの磁性体(磁気応答
部材3)の侵入量に応じて生じるインダクタンス変化に
基づく電流変化を計測することにより、傾斜検出データ
を得るようにしてもよい。その場合、該電流変化に応答
する出力信号の振幅変化を測定する方法、あるいは該電
流変化に応答するコイル各端部での出力信号間の位相変
化を測定する方法などによって所要の測定を行うことが
できる。また、上記各実施例において、検出データの出
力形式、もしくはデータ形成方式は、ディジタルアブソ
リュートデータまたはアナログ電圧データ等に限らず、
インクリメンタルパルスデータあるいはアブソリュート
値を周波数変換した繰り返しパルス信号など、あるいは
或る方向への操作持続時間をカウントしたデータ形成な
ど、あるいは加速度的な操作衝撃の大きさを検知して対
応する大きさの適当なデータを形成するなど、利用目的
に応じて適宜の形式としてよい。
【0082】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、スティッ
ク部に搭載された第1の検出手段に含まれる第1のコイ
ル部と第1の磁気応答部材において、該スティック部の
X軸及びY軸方向の動きに応じて該磁気応答部材が該コ
イル部に対して相対的に変位し得る構成を採用している
ので、スティック部に該第1の検出手段の全体を搭載し
ていながら、なおかつ該第1の検出手段によって該ステ
ィック部のX軸及びY軸方向の動きを検出することがで
きるものとなる。従って、スティック部のX軸及びY軸
方向の動きを検出するための第1の検出手段が、スティ
ック部とは別に設けられずに、該スティック部にそっく
り搭載されるので、構成を非常にコンパクトにすること
ができる。また、Z軸の操作を検出するための第2の検
出手段もスティック部に搭載されるので、すべての軸の
検出手段がスティック部に搭載されることになり、該ス
ティック部を固定せずにフリーな状態で持ち歩きながら
3次元操作入力を行うこともできるようになる。また、
構造的に非接触であるという利点を持つ誘導型の検出装
置を使用して、コンパクトな3次元操作検出装置にを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る3次元操作検出装置の一実施例
を示す図。
【図2】 図1におけるXY面の傾斜を検出するための
傾斜センサの詳細例を示す図。
【図3】 図2における収納空間内に収納された流動性
磁気応答部材の傾斜時の状態を略示する図。
【図4】 図2におけるコイル部の構成例を示す回路
図。
【図5】 図2におけるコイル部の別の構成例を示す回
路図。
【図6】 図1におけるZ軸方向の操作を検出するため
のリニアセンサの詳細例を示す図。
【図7】 図6におけるコイル部の構成例を示す回路
図。
【図8】 本発明に係る3次元操作検出装置の別の実施
例を示す図。
【図9】 本発明に係る3次元操作検出装置の更に別の
実施例を示す図。
【図10】 本発明に係る3次元操作検出装置の更に他
の実施例を示す図。
【図11】 本発明に係る3次元操作検出装置の更に他
の実施例を示す図。
【図12】 本発明に係る3次元操作検出装置の更に他
の実施例を示す図。
【図13】 本発明の各実施例におけるX軸又はY軸の
一方向についての傾斜検出に使用できる傾斜計の一例を
示す断面略図。
【図14】 図13の傾斜計を2軸分直交させて組み合
わせて、XY面の傾斜を検出するための傾斜センサを構
成する例を示す図。
【図15】 本発明に係る検出装置において適用可能な
位相検出タイプの測定回路の一例を示すブロック図。
【図16】 本発明に係る検出装置において適用可能な
位相検出タイプの測定回路の別の例を示すブロック図。
【図17】 図16の動作説明図。
【図18】 図16の回路に付加される変更例を示すブ
ロック図。
【図19】 本発明に係る検出装置において適用可能な
位相検出タイプの測定回路の更に別の例を示すブロック
図。
【図20】 図19の動作説明図。
【符号の説明】
10 スティック部 10a 頂部 10b 棒状部 100 傾斜センサ 200 リニアセンサ 2,102,202 コイル部 11〜15 1次コイル 21〜24 2次コイル 3,103,203 磁気応答部材 27,28 判定処理回路 40 ディジタル位相検出回路 100X 1軸用の傾斜計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤津 伸行 東京都東大和市新堀2−1453−43 (72)発明者 坂元 和也 東京都羽村市川崎1丁目1番5号、MAC 羽村コートII−405 (72)発明者 坂本 宏 埼玉県川越市山田896−8 (72)発明者 山本 明男 東京都国立市西1−13−29 KMハイツ 101

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作の対象となるスティック部と、 前記スティック部に搭載されてなり、第1のコイル部
    と、該スティック部のX軸及びY軸方向の動きに応じて
    該第1のコイル部に対して相対的に変位する第1の磁気
    応答部材とを含み、該スティック部のX軸及びY軸方向
    の動きに応じた検出信号を該第1のコイル部から出力す
    る第1の検出手段と、 前記スティック部に搭載されてなり、第2のコイル部
    と、該第2のコイル部に対して相対的に変位可能な第2
    の磁気応答部材と、Z軸方向の操作を受けて前記第2の
    コイル部と第2の磁気応答部材の一方を他方に対して該
    Z軸方向に相対的に変位させる可動部とを含み、Z軸方
    向の操作に応じた検出信号を該第2のコイル部から出力
    する第2の検出手段とを具えた3次元操作検出装置。
  2. 【請求項2】 操作の対象となるスティック部と、 前記スティック部に搭載されてなり、第1のコイル部
    と、該スティック部のX軸及びY軸方向の動きに応じて
    該第1のコイル部に対して相対的に変位する第1の磁気
    応答部材とを含み、該スティック部のX軸及びY軸方向
    の動きに応じた検出信号を該第1のコイル部から出力す
    る第1の検出手段と、 前記スティック部に搭載されてなり、Z軸方向に沿って
    延びた収納空間と、この収納空間の周囲に設けられた第
    2のコイル部と、前記収納空間内にて重力に従って移動
    自在に収納された第2の磁気応答部材とを含み、前記ス
    ティック部のZ軸方向の動きに応じて第2のコイル部に
    対して第2の磁気応答部材が変位し、Z軸方向の動きに
    応じた検出信号を該第2のコイル部から出力する第2の
    検出手段とを具えた3次元操作検出装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の磁気応答部材は、所定の収納
    空間内に移動自在に収納され、前記スティック部のX軸
    及びY軸方向の動きに応じて該収納空間内を動くことに
    より該第1のコイル部に対して相対的に変位するもので
    ある請求項1又は2に記載の3次元操作検出装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の検出手段は、前記スティック
    部のX軸及びY軸方向の傾きを検出し、これに基づきX
    軸及びY軸方向の動きに応じた検出信号を出力するもの
    である請求項1乃至3のいずれかに記載の3次元操作検
    出装置。
  5. 【請求項5】 ベース部と、 前記ベース部に対してX軸及びY軸方向に傾き可能及び
    Z軸方向に上下動可能に配置された操作部と、 前記操作部のX軸及びY軸方向の傾きを検出することに
    より、X軸及びY軸方向の操作検出信号を出力する第1
    の検出手段と、 前記操作部のZ軸方向の動きを検出することにより、Z
    軸方向の操作検出信号を出力する第2の検出手段とを具
    えた3次元操作検出装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の検出手段は、リング状の収納
    空間を有する収納体と、前記収納空間内にて重力に従っ
    て移動自在に収納された流動性の磁気応答部材と、前記
    収納体において前記収納空間に対応して配置されたコイ
    ル部とを具え、前記X軸及びY軸方向の傾きに応じて前
    記磁気応答部材が前記リング状の収納空間を移動し、該
    収納空間における前記磁気応答部材の分布に応答する出
    力信号を前記コイル部から生成し、これにより前記X軸
    及びY軸方向の傾きを検出するものである請求項4又は
    5に記載の3次元操作検出装置。
  7. 【請求項7】 X軸及びY軸方向について傾き操作し、
    Z軸方向について上下動操作することにより3次元操作
    を行なう操作部と、 前記操作部に搭載されてなり、X−Y面においてリング
    状の収納空間を有する収納体と、前記収納空間内にて重
    力に従って移動自在に収納された流動性の磁気応答部材
    と、前記収納体において前記収納空間に対応して配置さ
    れたコイル部とを具え、前記X軸及びY軸方向の傾きに
    応じて前記磁気応答部材が前記リング状の収納空間を移
    動し、該収納空間における前記磁気応答部材の分布に応
    答する出力信号を前記コイル部から生成し、これに基づ
    き前記X軸及びY軸方向の傾きに応じたX軸及びY軸方
    向の操作検出信号を出力する第1の検出手段と、 前記操作部によるZ軸方向の動きに連動する可動部と、
    この可動部の直線的動きを検出するリニア検出部とを含
    み、リニア検出部の出力に基づきZ軸方向の操作検出信
    号を出力する第2の検出手段とを具えた3次元操作検出
    装置。
  8. 【請求項8】 X軸及びY軸方向について傾き操作し、
    Z軸方向について上下動操作することにより3次元操作
    を行なう操作部と、 前記操作部に搭載されてなり、コイル部と、所定の収納
    空間内に移動自在に収納され、前記操作部のX軸及びY
    軸方向の少なくとも一方の動きに応じて該収納空間内を
    動くことにより該コイル部に対して相対的に変位する磁
    気応答部材とを含む検出装置を少なくとも1つ有し、該
    検出装置によって前記操作部のX軸及びY軸方向の傾き
    を検出することに基づきX軸及びY軸方向の操作検出信
    号を出力する第1の検出手段と、 前記操作部によるZ軸方向の動きに連動する可動部と、
    この可動部の直線的動きを検出するリニア検出部とを含
    み、リニア検出部の出力に基づきZ軸方向の操作検出信
    号を出力する第2の検出手段とを具えた3次元操作検出
    装置。
  9. 【請求項9】 X軸及びY軸方向について傾き操作し、
    Z軸方向について上下動操作することにより3次元操作
    を行なう操作部と、 前記操作部に搭載されてなり、コイル部と、前記操作部
    のX軸及びY軸方向の一方の動きに応じて該コイル部に
    対して相対的に変位する磁気応答部材とを含む検出装置
    をX軸及びY軸に対応して夫々設け、該検出装置によっ
    て前記操作部のX軸及びY軸方向の傾きを夫々検出する
    ことに基づきX軸及びY軸方向の操作検出信号を出力す
    る第1の検出手段と、 前記操作部によるZ軸方向の動きに連動する可動部と、
    この可動部の直線的動きを検出するリニア検出部とを含
    み、リニア検出部の出力に基づきZ軸方向の操作検出信
    号を出力する第2の検出手段とを具えた3次元操作検出
    装置。
  10. 【請求項10】 3次元操作を行なうための操作部と、 前記操作部に搭載されてなり、該操作部のX軸及びY軸
    方向の動きに連動して変位する可動体と、この可動体の
    X軸及びY軸方向の動きを検出する2次元検出部とを含
    み、該2次元検出部の出力に基づきX軸及びY軸方向の
    操作検出信号を出力する第1の検出手段と、 前記操作部によるZ軸方向の動きに連動する可動部と、
    この可動部の直線的動きを検出するリニア検出部とを含
    み、リニア検出部の出力に基づきZ軸方向の操作検出信
    号を出力する第2の検出手段とを具えた3次元操作検出
    装置。
JP29117096A 1996-02-15 1996-10-13 3次元操作検出装置 Expired - Lifetime JP4623765B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29117096A JP4623765B2 (ja) 1996-02-15 1996-10-13 3次元操作検出装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5391496 1996-02-15
JP8-87613 1996-03-16
JP8761396 1996-03-16
JP8-53914 1996-03-16
JP29117096A JP4623765B2 (ja) 1996-02-15 1996-10-13 3次元操作検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09311762A true JPH09311762A (ja) 1997-12-02
JP4623765B2 JP4623765B2 (ja) 2011-02-02

Family

ID=27295108

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29117096A Expired - Lifetime JP4623765B2 (ja) 1996-02-15 1996-10-13 3次元操作検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4623765B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6148669A (en) * 1998-06-29 2000-11-21 U.S. Philips Corporation Acceleration sensor with a spherical inductance influencing member
WO2008102432A1 (ja) * 2007-02-20 2008-08-28 Sony Computer Entertainment Inc. 操作デバイス及び情報処理システム、情報処理方法
CN100452086C (zh) * 2001-12-26 2009-01-14 株式会社华科姆 三维信息检测装置、三维信息检测传感器装置及三维信息指示装置
CN103712649A (zh) * 2013-12-09 2014-04-09 合肥工业大学 直管式倾斜与振动传感器及其使用方法
WO2022185825A1 (ja) * 2021-03-01 2022-09-09 村田機械株式会社 変位検出装置

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS546421Y1 (ja) * 1969-04-23 1979-03-26
JPS5937515U (ja) * 1982-09-03 1984-03-09 オムロン株式会社 傾斜角検出センサ
JPS61207915A (ja) * 1985-03-11 1986-09-16 Hideo Oka 磁性流体と開磁路磁心による傾斜センサ
JPS6333413U (ja) * 1986-08-21 1988-03-03
JPH01291316A (ja) * 1988-05-18 1989-11-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 3次元移動量指示装置
JPH04151719A (ja) * 1990-10-15 1992-05-25 Mitsubishi Electric Corp ポインティング・デバイス
JPH0623148A (ja) * 1992-02-24 1994-02-01 Shinichi Tsubota ゲーム制御装置
JPH0783660A (ja) * 1993-09-13 1995-03-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 姿勢角センサ
JPH08106355A (ja) * 1994-10-04 1996-04-23 Fujitsu Ltd 座標入力装置

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS546421Y1 (ja) * 1969-04-23 1979-03-26
JPS5937515U (ja) * 1982-09-03 1984-03-09 オムロン株式会社 傾斜角検出センサ
JPS61207915A (ja) * 1985-03-11 1986-09-16 Hideo Oka 磁性流体と開磁路磁心による傾斜センサ
JPS6333413U (ja) * 1986-08-21 1988-03-03
JPH01291316A (ja) * 1988-05-18 1989-11-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 3次元移動量指示装置
JPH04151719A (ja) * 1990-10-15 1992-05-25 Mitsubishi Electric Corp ポインティング・デバイス
JPH0623148A (ja) * 1992-02-24 1994-02-01 Shinichi Tsubota ゲーム制御装置
JPH0783660A (ja) * 1993-09-13 1995-03-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 姿勢角センサ
JPH08106355A (ja) * 1994-10-04 1996-04-23 Fujitsu Ltd 座標入力装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6148669A (en) * 1998-06-29 2000-11-21 U.S. Philips Corporation Acceleration sensor with a spherical inductance influencing member
CN100452086C (zh) * 2001-12-26 2009-01-14 株式会社华科姆 三维信息检测装置、三维信息检测传感器装置及三维信息指示装置
WO2008102432A1 (ja) * 2007-02-20 2008-08-28 Sony Computer Entertainment Inc. 操作デバイス及び情報処理システム、情報処理方法
JP5016023B2 (ja) * 2007-02-20 2012-09-05 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント 操作デバイス及び情報処理システム、情報処理方法
US8416190B2 (en) 2007-02-20 2013-04-09 Sony Corporation Operation device, information processing system, and information processing method
CN103712649A (zh) * 2013-12-09 2014-04-09 合肥工业大学 直管式倾斜与振动传感器及其使用方法
WO2022185825A1 (ja) * 2021-03-01 2022-09-09 村田機械株式会社 変位検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4623765B2 (ja) 2011-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4144519A (en) Position sensing readout
US4584577A (en) Angular position sensor
JP4173917B2 (ja) 位置検出装置、共振装置、位置検出装置に使用するための複数の成形された導体を製造する方法、x−yディジタイジング・システム、処理回路、パーソナル・コンピーュータ、及び、検出方法
US9678577B1 (en) Magnetic sensing user interface device methods and apparatus using electromagnets and associated magnetic sensors
JP2019525335A (ja) 空間内で物体を位置決めする装置
KR101210394B1 (ko) 지자기 검지장치
US7061469B2 (en) Method of data input into a computer
WO2003038380A1 (en) A position sensor
AU2002334235A1 (en) A position sensor
JPH09311762A (ja) 3次元操作検出装置
JP3742844B2 (ja) 傾斜又は振動又は加速度の検出装置
JP3760191B2 (ja) 球体センサ
JPH10160460A (ja) 傾斜検出装置
JP4047947B2 (ja) 誘導型直線位置検出装置
JP3920896B2 (ja) リニア位置検出装置
JPH09311038A (ja) 多方向傾斜検出装置
KR101948017B1 (ko) 3차원 좌표 획득 방법
JP4125059B2 (ja) 多軸傾斜検出装置
JPH10170210A (ja) 誘導型位置検出装置
JP3749955B2 (ja) 誘導型2次元位置検出装置
JP4048207B2 (ja) 位置検出装置
JP3733400B2 (ja) 傾斜計
JP3733399B2 (ja) 傾斜検出装置
JP2001082914A (ja) 角度検出装置
RU2154257C2 (ru) Двухкоординатный датчик угла

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060627

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20060825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070709

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070920

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071206

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20071211

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100901

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term