JP3742844B2 - 傾斜又は振動又は加速度の検出装置 - Google Patents

傾斜又は振動又は加速度の検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、傾斜又は振動又は加速度の検出装置に関し、建設機械、自動車、工作機械、その他あらゆる分野で応用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の傾斜検出装置にはポテンショメータを用いたものがある。しかし、ポテンショメータにおいて摺動接触子があるために耐久性の点で難があった。
また、従来知られた誘導型位置検出装置には、直線位置検出装置としては差動トランスがあり、回転位置検出装置としてはレゾルバがある。差動トランスは、1つの1次巻線を1相で励磁し、差動接続された2つの2次巻線の各配置位置において検出対象位置に連動する鉄心コアの直線位置に応じて差動的に変化するリラクタンスを生ぜしめ、その結果として得られる1相の誘導出力交流信号の電圧振幅レベルが鉄心コアの直線位置を示すようにしたものである。レゾルバは、複数の1次巻線を1相で励磁し、サイン相取り出し用の2次巻線からサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を取り出し、コサイン相取り出し用の2次巻線からコサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を取り出すようにしたものである。この2相のレゾルバ出力は公知のR/Dコンバータといわれる変換回路を用いて処理し、検出した回転位置に対応する位相値をディジタル的に測定することができる。
【0003】
また、サイン相とコサイン相のような複数相の交流信号によって複数の1次巻線を夫々励磁し、検出対象直線位置又は回転位置に応じて該交流信号を電気的に位相シフトした出力交流信号を出力し、この出力交流信号の電気的位相シフト量を測定することにより、検出対象直線位置又は回転位置をディジタル的に測定する技術も知られている(例えば、特開昭49−107758号、特開昭53−106065号、特開昭55−13891号、実公平1−25286号など)。
また、振り子状の錘を傾斜又は振動に応じて揺動させ、この錘の動きを検知することにより、傾斜又は振動又は加速度を検出することも考えられるが、錘の変位量を簡素な検出装置構成で精度良く検出できるものはない。また、検出対象の動きが激しい(加速度が大きい)場合は、錘の慣性動を抑制しない限り、誤検出の原因となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
傾斜検出装置として従来知られたポテンショメータは、前述の通り、摺動接触子があるために耐久性の点で難があった。また、劣悪な環境で使用するには適していないものであった。
また、従来知られた誘導型位置検出装置は、回転位置または直線位置を検出するものであり、傾斜を検出することのできるような構造を持っていなかった。一般に、誘導型位置検出装置は、構造的に非接触であり、また、コイルと磁性体(鉄片等)の簡単な構成により、簡便かつ安価に製造することができ、かつ劣悪な環境下での使用にも耐えうるので、これを傾斜検出装置に適用できれば、広い応用・用途が見込まれる。
また、振り子構成のように、可動部が重力方向を指向して変位する構成の場合は、慣性動を有効に抑制・緩衝させることが望まれる。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、従来なかった新規な誘導型の傾斜又は振動又は加速度の検出装置を提供しようとするものである。
また、可動部の慣性動を有効に抑制・緩衝させることのできる、誘導型の傾斜又は振動又は加速度の検出装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る傾斜又は振動又は加速度の検出装置は、本体部と、非磁性の導電体からなるものであり、重力方向を指向して前記本体部に対して相対的に変位する可動部と、前記本体部に設けられ、かつ交流信号によって励磁され、前記可動部の前記本体部に対する相対的変位に応じて生じる渦電流損に対応した検出出力を生じるコイル部と、前記本体部に設けられた磁石とを具え、前記可動部の変位に応じて前記磁石によって該可動部に生じる渦電流による電磁力により該可動部の動きが抑制されるようにしたことを特徴とするものであり、更に、前記コイル部は、前記可動部の相対的変位の方向に沿って配置されたサイン相、コサイン相、マイナスサイン相及びマイナスコサイン相の特性を示す4極のコイルで構成され、サイン相とマイナスサイン相の出力を差動合成することで前記可動部の相対的変位に応じてサイン相の振幅関数特性を示す第1の出力交流信号を生じ、コサイン相とマイナスコサイン相の出力を差動合成することで前記可動部の相対的変位に応じてコサイン相の振幅関数特性を示す第2の出力交流信号を生じ、更に、前記コイル部における各コイルは前記交流信号によって励磁される1次コイルのみからなり、該各1次コイルに対する前記可動部の導電体の位置に応じたインダクタンス変化に基づく振幅変化を示す出力交流電圧信号を該各1次コイルから取り出し、これに基づき前記サイン相の振幅関数特性を示す前記第1の出力交流信号と前記コサイン相の振幅関数特性を示す前記第2の出力交流信号がそれぞれ生成され、前記可動部の相対的変位の方向に沿う一方向の傾斜又は振動に応じた振幅変化を示す前記第 1 および第2の出力交流信号がそれぞれ異なる振幅関数特性で得られることを特徴とする。
【0006】
この検出装置は、傾斜又は振動又は加速度を検出しようとする対象物(例えば、建設機械の作業アームや、工作機械の可動部や、自動車の車体など)に取り付けられる。対象物の傾斜又は振れに応じて、可動部が本体部に対して相対的に変位し、この変位がコイル部によって検出されることにより、傾斜又は振動又は加速度が検出される。すなわち、コイル部に対する可動部の相対的位置が該可動部の振れの大きさに対応しており、この可動部の振れの大きさが、対象物の傾斜量又は振動の大きさ又は加速度の大きさを示している。非磁性の導電体(例えば銅又はアルミニウムなど)からなる可動部と交流励磁されたコイル部との間の相対的位置は、渦電流損に応じた誘導原理によって検出することができる。
本体部に対して可動部が相対的に変位するとき、本体部側に設けられた磁石に対して非磁性の導電体からなる可動部が相対的に変位することになり、これにより、可動部の導電体に磁石の磁場による渦電流が流れ、これによる電磁力が可動部を磁石の方に吸引する方向に働く。これは「アラゴの円板」として知られた作用と同様の原理に基づいている。これによって、可動部の動きが緩衝され、慣性による無駄な動きが抑制される。従って、対象物の傾斜又は振動又は加速度を、簡単かつ正確に検出することができる。
【0007】
上記とは逆に、磁石を可動部側に設け、非磁性の導電体を本体部に固定するようにしてもよい。すなわち、別の観点に従えば、本発明に係る傾斜又は振動又は加速度の検出装置は、本体部と、磁石及び所定の磁気応答部材を組み合わせてなるものであり、重力方向を指向して前記本体部に対して相対的に変位する可動部と、前記本体部に設けられ、かつ交流信号によって励磁され、前記可動部の前記本体部に対する相対的変位に応じた誘導出力を生じるコイル部と、前記本体部に設けられた非磁性の導電体とを具え、前記可動部の変位に応じて前記磁石によって前記導電体に生じる渦電流による電磁力により該可動部の動きが緩衝されることを特徴とするものである。
この場合も、コイル部に対する可動部の相対的位置は、可動部内の磁気応答部材(例えば磁性体又は導電体)コイル部との位置関係に応じた誘導原理によって検出することができる。また、本体部に対して可動部が相対的に変位するとき、可動部側に設けられた磁石が本体部側の非磁性の導電体に対して変位することにより、上記「アラゴの円板」の原理により、本体部側の導電体に磁石の磁場による渦電流が流れ、これによる電磁力が可動部(磁石)を本体部側の導電体に吸引し、該可動部の動きを緩衝する。
【0008】
一例として、前記可動部は、振り子状に揺動するものであってよい。別の例として、前記可動部は、転がり運動をするもの(例えば円板又は球体)であってもよい。なお、磁石としては永久磁石を用いるのが普通であり、構造の簡素化及び経済性の点で有利である。しかし、磁石としてあえて電磁石を使用する迂回的実施を排除するものではなく、これも発明の範囲に含まれる。
【0009】
静的な傾斜を検出する場合は、あるいは動的な傾斜又は振動又は加速度を検出する場合であっても、永久磁石を除去した実施形態を採用することができる。すなわち、そのような場合、本発明に係る傾斜又は振動又は加速度の検出装置は、本体部と、磁性体または導電体からなり、重力方向を指向して前記本体部に対して振り子状に相対的に変位する可動部と、前記本体部に設けられ、かつ交流信号によって励磁され、前記可動部の前記本体部に対する相対的変位に応じた誘導出力を生じるコイル部とを具え、前記コイル部の出力に基づき前記可動部の前記本体部に対する相対的変位の大きさを検出することにより、傾斜又は振動又は加速度を検出することを特徴とするものである。これによっても、従来にない新規な構成の、非接触、高精度な、誘導型の傾斜又は振動又は加速度の検出装置を提供することができる。なお、この場合、慣性動の影響をデータ処理によってキャンセルしてもよい。例えば最初の最大振幅のみを検出しそれに続く減衰振幅は慣性動によるものとみなしてデータキャンセルする処理を施す。
【0010】
本発明に係る傾斜又は振動又は加速度の検出装置は、一方向のみについての傾斜又は振動又は加速度を検出するようにしてもよいし、異なる複数方向についての傾斜又は振動又は加速度を検出するようにしてもよい。例えば、建設機械の作業アームの傾斜検出のように、目的の傾斜方向が所定の一方向に決まっている場合は、この検出装置を1つ設ければよい。しかし、車体の前後の傾斜又は加速度と左右横方向の傾斜又は加速度を検出する場合のように、少なくとも2方向についての傾斜又は加速度を検出したい場合は、この検出装置を少なくとも2個互いに異なる所定の方向に配置するようにすればよい。
本発明によれば、更に様々な実施の形態をとることができ、その詳細は、例示的に以下において示される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態をいくつかの代表例について詳細に説明する。図示された各例は、相互に組み合わせることも可能であり、それらの組合せも本発明の実施に含まれる。
図1は本発明に係る傾斜又は振動又は加速度の検出装置10の一構成例を示す図であり、(a)は全体の側面略図である。本体部1は、下部ベース1aと、その上に垂直に延びた2つの平行なベース1b,1cとを含んでいる。図右側のベース(便宜上、右ベースという)1bには所定の配置でコイル部2が設けられている。反対側のベース(便宜上、左ベースという)1cには所定の配置で永久磁石4が設けられている。右ベース1bと左ベース1cとの間には、重力方向を指向して振り子状に揺動しうるように可動部3が枢支されている。例えば、可動部3の揺動軸3aの両端が円錐状にとがっており、この円錐端が右ベース1bと左ベース1cの所定の位置にそれぞれ設けられた点状凹部(図示せず)に嵌合して、摩擦の少ない点接触の形態で、揺動自在に枢支されるようになっている。勿論、可動部3を振り子状に揺動自在に枢支する構造は図示のものに限らず、他の任意の構造(例えば「やじろべい」のように揺動自在に支持する構造)であってもよい。
【0012】
図1(b)は可動部3の形状及び右ベース1bにおけるコイル部2の配置を例示する正面略図、(c)は左ベース1cにおける永久磁石4の配置例を示す正面略図である。可動部3は、銅又はアルミニウムのような非磁性の良導電体からなっており、全体として図示のような扇形であり、コイル部2に対応する個所において所定のパターンで打ち抜き(スペース)SPが設けられている。すなわち、傾斜に応じた可動部3の変位に伴って、コイル部2に対する導電体の有無のパータンの対応関係が変化するようになっている。図の例では、可動部3における導電体とスペースSPの繰返しパターンが2サイクル分設けられており、このパターンの1サイクルに対応する傾斜角度をPとすると、「P+P」の角度範囲での傾斜量をアブソリュートで検出することができるようになっている。
【0013】
コイル部2は、所定の交流信号によって励磁され、その誘導出力を生じるものであり、具体的な1次及び2次コイルの配置は適宜に定めてよく、また、電磁誘導による検出原理も、レゾルバタイプや差動トランスタイプなど、適宜のものを採用してよい。コイル部2に対する非磁性の導電体からなる可動部3の相対的位置に対応した誘導出力信号を該コイル部2から得る検出原理は、渦電流損に応じて誘導出力レベルが変化することに基づく。すなわち、可動部3の本体部1に対する相対的変位に応じて、該本体部1の側のコイル部2と可動部3の導電体パターンとの対応関係が変化し、可動部3の導電体に流れる渦電流が変化し、この渦電流損に対応した誘導出力がコイル部2に生じる。これにより、可動部3の傾斜量を検出することができる。
【0014】
左ベース1cにおいては、図1(c)に示すように、可動部3が移動する範囲に対応して、永久磁石4が配置されている。図では3個の円柱形の永久磁石4を配置する例を示しているが、磁石の形状及び数はこれに限らない。なお、1個の大きな永久磁石を設けるよりは、複数個の永久磁石を並べた方が、サイズ、コスト及び制動性能等の面で効率がよい。複数個の永久磁石4を並べる場合は、各磁石の磁極の向きは同極に揃える。非磁性の良導電体からなる可動部3が永久磁石4に対して相対的に変位すると、可動部3に流れる渦電流により、「アルゴの円板」として知られた原理に従い、電磁力が生じ、該可動部3の動きが抑制される。これにより、慣性によって揺動しようとする可動部3の動きがダンプされ、可動部3の不所望の慣性揺動を自動的に抑制することができる。従って、振り子状の可動部3の動きから不所望の慣性揺動を自動的にキャンセルし、検出しようとする所望の傾斜又は振動にできるだけ忠実な動きのみとすることができ、傾斜又は振動又は加速度の検出精度を上げることができる。なお、永久磁石4の存在は、コイル部2における検出動作に影響を及ぼさない。
【0015】
図1におけるコイル部2の配置は、レゾルバ原理でコイル部2を構成する場合を例示している。コイル部2は複数の極(c,s,/c,/s)からなっており、該コイル部2における1つの極は、例えば図1(a)に例示するように磁性体コア2cに1次コイル2aと2次コイル2bを巻回してなるものからなる。
レゾルバ原理を採用する場合、コイル部2の各極(s,c,/s,/c)に対応する1次コイル2aを所定の交流信号で励磁し、各極(s,c,/s,/c)毎の2次コイル2bに生じる誘導出力交流信号の振幅関数が、サイン関数(図でsを付記する)、コサイン関数(図でcを付記する)、マイナス・サイン関数(図で/s(sバー)を付記する)、マイナス・コサイン関数(図で/c(cバー)を付記する)、にそれぞれ相当するものとなるように、各極毎の2次コイル2bの配置並びに巻数及び可動部3の導電体及びスペースSPのパターン形状を、設定する。種々の条件によって、各コイルの配置並びに巻数は微妙に変わり得るし、可動部3の導電体及びスペースSPのパターン形状も変わりうるので、希望の関数特性が得られるように各コイル配置を適宜調整したり、あるいは2次出力レベルを電気的増幅によって調整することにより、希望の振幅関数特性が最終的に得られるようにすることができる。従って、コイル部2の各極の配置と可動部3の導電体及びスペースSPのパターン形状は重要ではあるが、絶対的精度を要求されるわけではなく、設計上適宜に設定若しくは変更できる。
なお、明細書中では、表記の都合上、反転を示すバー記号は「/(スラッシュ)」で記載するが、これは、図中のバー記号に対応している。
【0016】
詳しくは、角度範囲Pにおける可動部3の変位を1サイクルの関数で検出し得るようにするために、4つの極(コサイン極c,サイン極s,マイナス・コサイン極/c,マイナス・サイン極/s)を、角度範囲Pを略4等分した角度位置にそれぞれ配置する。そのような4つの極(c,s,/c,/s)が2サイクル分つまりP+Pの範囲で設けられるので、図1(b)では合計8個の極(c,s,/c,/s,c,s,/c,/s)が少なくとも設けられる。更に、設計上の必要に応じて補助的なコイル極(例えば図1(b)で最右側の極c’)を設けてもよい。
円弧状の領域における8個の極の配置効率を良くするために、図1(c)では、コサイン極c,/cとサイン極s,/sとを千鳥状に(つまり、コサイン極c,/cは振り子の内周寄りに、サイン極s,/sは振り子の外周寄りに)配置している。このような千鳥状配置は有利である。
【0017】
可動部3の導電体は、コイル部2の各極(c,s,/c,/s,)に対する近接位置関係に応じて、該各極の2次コイル2bと1次コイル2aとの間の磁気結合(すなわち電磁誘導結合)を渦電流損に応じて変化させ、その近接位置関係に応じた出力信号がコイル部2から出力されるようにする。従って、可動部3の傾斜角に応じて振幅変調された誘導出力交流信号が、各極(c,s,/c,/s)の配置のずれに応じて異なる振幅関数特性で、各2次コイル2bに誘起される。各極(c,s,/c,/s)の2次コイル2bに誘起される各誘導出力交流信号は、1次コイル2aが同相交流信号によって共通に励磁されるが故に、その電気的位相が同相であり、その振幅関数(誘起電圧レベル)が可動部3の傾斜量に応じてそれぞれ変化する。
【0018】
図2は、コイル部2の1次及び2次コイルの接続例を示す回路図であり、1次コイル2aには共通の励磁交流信号(説明の便宜上、sinωtで示す)が印加される。この1次コイル2aの励磁に応じて、可動部3の傾斜量θに対応して変化する所定の振幅値を持つ出力交流信号が各極の各2次コイル2bに誘導される。なお、θは1サイクル分の角度範囲Pを1回転(360度)とする角度表現であり、可動部3の実際の傾斜角度をσとすると、θはσの「360度/P」倍に相当する。各極(c,s,/c,/s)の夫々の誘導電圧レベルは該傾斜量θに対応して2相の関数特性sinθ,cosθ及びその逆相の関数特性−sinθ,−cosθを示す。説明の便宜上、コイルの巻数等、その他の条件に従う係数は省略し、サイン極sの出力信号を「sinθ・sinωt」で示し、コサイン極cの出力信号を「cosθ・sinωt」で示す。また、マイナス・サイン極/sの出力信号を「−sinθ・sinωt」で示し、マイナス・コサイン極/cの出力信号を「−cosθ・sinωt」で示す。サイン極とマイナス・サイン極の誘導出力を差動的に合成することによりサイン関数の振幅関数を持つ第1の出力交流信号A(=2sinθ・sinωt)が得られる。また、コサイン極とマイナス・コサイン極の誘導出力を差動的に合成することによりコサイン関数の振幅関数を持つ第2の出力交流信号B(=2cosθ・sinωt)が得られる。なお、表現の簡略化のために、係数「2」を省略して、以下では、第1の出力交流信号Aを「sinθ・sinωt」で表わし、第2の出力交流信号Bを「cosθ・sinωt」で表わす。なお、図1(b)のコイル配置のように各極(c,s,/c,/s)が2サイクル(または複数サイクル)分設けられている場合は、同相極同士の誘導出力は同相加算すればよいが、この点は図2では特に示していない。
【0019】
こうして、傾斜量θに対応する第1の関数値sinθを振幅値として持つ第1の出力交流信号A=sinθ・sinωtと、同じ傾斜量θに対応する第2の関数値cosθを振幅値として持つ第2の出力交流信号B=cosθ・sinωtとが出力される。このようなコイル構成によれば、回転型位置検出装置として従来知られたレゾルバにおいて得られるのと同様の、同相交流であって2相の振幅関数を持つ2つの出力交流信号A,B(サイン出力とコサイン出力)をコイル部2から得ることができることが理解できる。
このコイル部2から出力される2相の出力交流信号(A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωt)は、従来知られたレゾルバの出力と同様の使い方をすることができる。例えば、図2に示すように、コイル部2の出力交流信号A,Bを適切なディジタル位相検出回路40に入力し、前記サイン関数sinθとコサイン関数cosθの位相値θをディジタル位相検出方式によって検出し、傾斜角θのディジタルデータDθを得るようにすることができる。ディジタル位相検出回路40で採用するディジタル位相検出方式としては、公知のR−D(レゾルバ−ディジタル)コンバータを適用してもよいし、追って説明するような本発明者らによって開発済の新方式を採用してもよい。
【0020】
可動部3における導電体とスペースSPのパターンは、図1に示す例に限らず、種々に変更可能である。例えば、図3のような1サイクル分のパターンからなっていてもよい。
上記の例では可動部3のダンパ作用のために設ける永久磁石4と導電体の関係は、永久磁石4を本体部1に固定するようにしているが、これとは逆に、永久磁石4を可動部3に設けて移動可能とし、非磁性・良導電体の方を本体部1に固定するようにしてもよい。図4はその一例を示す。図4の(a),(b),(c)は、図1の(a),(b),(c)と同様の側面略図及び正面図である。
図4においては、(a),(c)に示されるように、左ベース1cの側に非磁性の良導電体5(例えば銅又はアルミニウム)を所定の範囲で固設し、(b)に示されるように、可動部3の所定位置に永久磁石4を固設している。この場合も、永久磁石4の数は1個に限らず複数であってもよい。この場合も、可動部3が変位するとき一緒に動く永久磁石4によって、静止している導電体5に渦電流が流れ、前記「アルゴの円板」の原理に従う電磁力が作用するので、可動部3の慣性動を抑制することができる。
【0021】
なお、図4の場合、可動部3における主たる材質は、図1と同様に非磁性の良導電体からなっていてもよいし、それとは逆に、鉄のような磁性体からなっていてもよい。可動部3における主たる材質を非磁性の良導電体とした場合は、前述のように可動部3の傾斜量に対応して生じる渦電流損に応じた出力信号がコイル部2から得られる。一方、可動部3における主たる材質を磁性体とした場合は、該磁性体とスペースSPとのパターンによって、該磁性体とコイル部2間の対応関係が可動部3の傾斜量に対応して変化し、これに伴うパーミアンスの変化によって磁気結合が変化し、これに応じた誘導出力信号がコイル部2から得られる。渦電流損に基づく誘導出力信号と、磁性体の近接に応じたパーミアンス変化に基づく誘導出力信号とは、誘導電圧レベルの増減方向が相違してはいるが、位置検出(傾斜量θの検出)については同一原理で処理することができる。すなわち、コイル部2の1次及び2次コイルの構成及びその後の処理回路は、導電体による渦電流損タイプと、磁性体によるパーミアンスタイプ、のどちらの場合でも、共通のものを使用することができる。従って、以下では、可動部3においてスペースSPのパターンを打ち抜いてある板材の材質が導電体または磁性体のどちらのタイプであっても、コイル部2の出力信号(A,B)は同じであるとして便宜上説明する。
なお、本明細書において、コイル部2に対して誘導出力を起こさせるための可動部3における材質が、導電体または磁性体のどちらのタイプであってもよい場合は、これらを総称して「磁気応答部材」ということにする。
【0022】
上記実施例は可動部3が振り子状に揺動可能であるが、これに限らず、「コロ(円筒)」または「球」などの転がり構造体であってもよい。
図5は、可動部3として「コロ(円筒)」状の転がり構造体を使用した、本発明に係る検出装置10の一実施例を示す図であり、(a)は正面略図、(b)は側面一部断面略図である。
図5(a)において、本体部に相当するケーシング1は、その内部に円形の収納スペース1aを有し、該スペース1a内に「コロ(円筒)」状の可動部3が、重力方向を指向して、転がり移動自在に収納されている。図5(c)は「コロ(円筒)」状の可動部3の斜視図である。ケーシング1の一側面にはコイル部2が所定の配置で設けられており、コイル部2は、例えば、前述と同様に4つの極(s,c,/s,/c)を構成するように1次コイル11〜14及び2次コイル21〜24を含んでいる。ケーシング1の他の側面には、永久磁石4が所定の範囲で1又は複数個設けられている。永久磁石4をケーシング1つまり本体部に固定しているため、可動部3は非磁性の良導電体によって構成する。
【0023】
図5に示す検出装置10による傾斜検出動作と可動部3のダンプ作用は、既に述べた図1の実施例と同様である。すなわち、この検出装置10が検出対象20における所定の位置に固定されると、該検出対象20の傾斜に応じてケーシング1が傾斜し、その内部の可動部3は自重によってケーシング1に対して相対的に変位し、その結果、コイル部2の各極に対する可動部3の相対的位置が変化し、これに応じてコイル部2の出力信号が傾斜量θに対応する値を示すものとなる。この場合も、図2に示したレゾルバ原理のコイル構成とすることができ、可動部3の傾斜量θに応じた2相の誘導出力信号A,Bを得るようにすることができる。
前記図4の例と同様に、図5の場合も、可動部3の方に永久磁石4を設けるように変更することができる。その場合は、例えば、図5(d)に示すように、所定の磁気応答部材(磁性体又は導電体)からなる円板3Bに同じ円形の永久磁石4を貼り付て、可動部3を構成すればよい。勿論、その場合は、図4の例と同様に、ケーシング1の側において、所定の範囲(図5の(a)(b)で永久磁石4を設けた範囲)で銅又はアルミニウムのような非磁性・良導電体の板を貼付るようにする。
【0024】
図6は、可動部3として「球」状の転がり構造体を使用した、本発明に係る検出装置10の一実施例を示す図であり、(a)は軸方向断面図、(b)は側面図である。本体部に相当する収納体1は、銅又はアルミニウムのような非磁性・良導電体のチューブからなっていて、その内部は下側にわん曲した通路1sとなっており、この通路1s内には、適宜のサイズの球状の可動部3が重力方向を指向して移動自在に収納されている。この球状の可動部3は、球状の永久磁石と磁性体の複合体からなる。例えば、球の内部が磁性体であり、その外周に球状の永久磁石を形成してなるものである。球状の永久磁石は公知であるためこれを利用し、その内部に磁性体を設ければよい。あるいは、鉄等の磁性体からなる小球の周囲に、サッカーボール表皮のようなパッチ状に複数の永久磁石を貼り付ることによっても、永久磁石と磁性体の複合体からなる可動部3を形成することができる。
わん曲チューブ状からなる収納体1の周囲には、コイル部2の各コイル11〜14,21〜24が各極(s,c,/s,/c)順に順次巻回されている。勿論、通路1sの両端は閉じられていて、内部の可動部3が飛び出ないようになっている。
【0025】
上記の構成によって、わん曲した通路1s内における可動部3のリニア位置つまり、コイル部2に対する可動部3の相対的直線位置に応じて、コイル部2における誘導結合が変化し、これに応じた出力信号を該コイル部2より得ることができる。従って、通路1s内における可動部3のリニア位置に応じた検出出力信号をコイル部2から得るようにすることができる。この場合も、図2に示したレゾルバ原理のコイル構成とすることができ、可動部3のリニア位置つまり傾斜量θに応じた2相の誘導出力信号A,Bを得るようにすることができる。
ここで、収納体1の通路1sは、下側にわん曲しているため、該収納体1が水平位置におかれているとき、該通路1s内の球状可動部3は自重により必ず所定の位置(傾斜0に対応する一番低い位置)に位置する。収納体1が傾くと、それに応じて通路1sに沿って可動部3が転動変位し、該通路1sにおける前記可動部3の位置に応じた検出出力信号が前記コイル部2から得られる。従って、コイル部2の出力信号は収納体1の傾斜量θに応答するものであり、該傾斜量θの検出信号として適宜利用できる。
また、前記各実施例と同様に、可動部3が変位したとき、該可動部3に設けられた永久磁石の作用によって、収納体1のチューブを構成している導電体に渦電流が流れ、該可動部3の動きを抑制するように作用する。
既に述べた実施例と同様に、図6の変更例として、1又は複数個の永久磁石を収納体1の側に固定するようにしてもよく、その場合は、可動部3を非磁性の良導電体によって構成し、収納体1はプラスチック等の非磁性・非導電体で構成するとよい。
【0026】
図7は、可動部3として「球」状の転がり構造体を使用した、本発明に係る検出装置10の別の実施例を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)はその内部に収納される可動部3の一例を示す外観斜視図、(c)はケース1の下面に配置されるコイル部2のコイル(極)配置の一例を示す展開図、である。
図7において、検出装置本体部に相当するケース1は、外形が完全な球体形状を成しており、また、その内部空間も完全な球状のスペースを有しており、銅またはアルミニウムの非磁性の良導電体からなる。このケース1内においては、(b)に示すような球状の可動部3が重力方向を指向して移動自在に収納されている。この球状の可動部3は、図6の実施例と同様に、球状の永久磁石と磁性体の複合体からなる。
【0027】
ケース1の外側の下面には1又は複数のコイルからなるコイル部2が取り付けられる。コイル部2の各コイルは、巻き軸方向がケース1の面に直交する方向であり、かつ、ケース1の転動を妨げないような薄型のものである。勿論、コイル部2は、薄型のコイルをケース1の外側に貼り付けて、更にその上から非磁性物質でモールド等して、表面が滑らかになるようにして、ケース1の滑らかな転動を確保し得るように、適宜、製造・加工してよいものである。しかし、その点は設計事項であるから特に説明しない。なお、コイル部2は、ケース1の外側ではなく、内側に貼り付けてもよい。その場合も、その上から非磁性物質でモールド等して、表面が滑らかになるようにして、球状の可動部3の滑らかな転動を確保するようにするものとする。なお、ケース1は完全な球体であっても、半分割等ができるようになっていて、内部への可動部3の収納等の製造作業に便ならしめるようにすることは、設計上適宜なされる。
【0028】
コイル部2における個別コイル配置及び接続並びに励磁の態様は、採用しようとする検出原理に従って、適宜、設計してよい。
図7(c)に示すコイル部2のコイル配置は、レゾルバタイプの位置検出原理に従って構成した例を示す。
図7(c)において、コイル部2は、第1の方向(便宜的にX軸方向という)に沿って配置された複数の極を含んでいて、各極は1次及び2次コイルを有している第1の検出コイル部2Xと、前記第1の方向に直交する第2の方向(便宜的にY軸方向という)に沿って配置された複数の極を含んでいて、各極は1次及び2次コイルによる電磁誘導結合を有している第2の検出コイル部2Yとを具備している。
【0029】
第1の検出コイル部2Xは、X軸方向に等間隔で配置された4つの極を含み、各極は少なくとも2次コイル21,22,23,24を有している。すなわち、ケース1の曲面に沿ってX軸方向に等間隔で配置された4つの少なくとも2次コイル21,22,23,24と図示していない1次コイルとによって第1の検出コイル部2Xが構成される。同様に、第2の検出コイル部2Yは、Y軸方向に等間隔で配置された4つの極を含み、各極は少なくとも2次コイル25,26,27,28を有しており、かつ、図示していない1次コイルを含んでいる。第1の検出コイル部2Xの極配列(2次コイル21〜24の配列)と第2の検出コイル部2Yの極配列(2次コイル25〜28の配列)とは、ケース1の曲面上において図示のように交差している。
【0030】
なお、1次コイルの配置については特に図示しないが、該1次コイルによって励起した磁界を対応する各2次コイルに及ぼすことができるような配置であれば適宜の配置であってよい。例えば、個々の2次コイルに対応して同じ位置に重複して個別の1次コイルをそれぞれ設けるようにしてもよいし、あるいは、ケース1の適宜の範囲ですべての2次コイルを包囲するように1個の1次コイルを設けてもよいし、あるいは、いくつかのグループに分けて複数の2次コイルを包囲するように複数の1次コイルを設けてもよい。いずれの場合においても、レゾルバタイプの位置検出原理に従う場合、あるいは差動変圧器原理に従う場合、すべての1次コイルが同相(1相)の交流信号で励磁される。
【0031】
ケース1内に収納された可動部3は、各検出コイル部2X,2Yにおけるそれぞれの各2次コイルに対する近接位置関係に応じて、該2次コイルと対応する1次コイルとの間の磁気結合(すなわち電磁誘導結合)を変化させる。その近接位置関係に応じた出力信号が各検出コイル部2X,2Yからそれぞれ出力される。従って、各検出コイル部2X,2Yの出力に基づき、可動部3の相対的位置に応じたX軸成分位置検出信号とY軸成分位置検出信号とを得ることができる。従って、球状のケース1の転動に応じて可動部3が相対的に変位し、これに応じてX及びY軸に沿う2次元的な傾斜を検出することができる。この場合も、図2に示したレゾルバ原理のコイル構成とすることができ、可動部3のX軸方向の傾斜量θに応じた2相の誘導出力信号A,Bを第1の検出コイル部2Xから出力し、可動部3のY軸方向の傾斜量θに応じた2相の誘導出力信号A,Bを第2の検出コイル部2Yから出力することができる。
なお、可動部3の球サイズ(直径)は、各2次コイルの配置間隔と同様に、レゾルバタイプの位置検出原理に従って適切に設計してよい。例えば図示の例では、可動部3は、隣合う2つの2次コイル21,22の配置範囲にほぼ対応する直径を有するように描かれているが、これに限らず、直径寸法の適量の減少又は増加が設計上可能である。
【0032】
また、前記各実施例と同様に、可動部3が変位したとき、該可動部3に設けられた永久磁石の作用によって、ケース1を構成している導電体に渦電流が流れ、該可動部3の動きを抑制するように作用する。
また、既に述べた実施例と同様に、図7の変更例として、1又は複数個の永久磁石をケース1の側に固定するようにしてもよく、その場合は、可動部3を非磁性の良導電体によって構成し、ケース1はプラスチック等の非磁性・非導電体で構成する。
図7に示されたような球体のケース1からなる傾斜検出装置の使用の仕方としては、この球体のケース1をテーブル上等でそのまま手等でコロコロと転がしてマウスのような操作入力センサとして使用してもよい。あるいは、球体のケース1を振り子状に吊り下げて、傾斜等を検出するようにしてもよい。あるいは、球体のケース1を検出対象物の適宜個所に固定して、該対象物の傾斜等を検出するようにしてもよい。
なお、図7の実施例及びその変更例において、ケース1の形状は、完全な球体に限らず、図8(a)に示すような半球体形状若しくは「おわん」状又はその他適宜の部分球体形状又はわん曲形状であってもよい。勿論、半球体形状等のケース1においては適宜の蓋でカバーするものとする。ケース1の形状は、その他、楕円球体若しくは部分的に曲面を有する形状等であってよい。
また、図7及び図8(a)の例において、コイル部2の構成は、上記のようなX,Yの2軸傾斜検出構成に限らない。例えば、図8(b)の展開図のように、球状または半球状のケース1の所定範囲に各極(s,c,/s,/c)のコイル21〜24を円環状に配置してもよい。
また、各実施例において、可動部3の形状は、円板又は球に限らず、部分球又は部分円であってもよい。
【0033】
ところで、図1または図4に示すような振り子状の誘導型傾斜又は振動又は加速度の検出装置は、従来なかった構造である。従って、これらのタイプの検出装置においては、永久磁石4によるダンパ作用を持たない実施の形態をとるようにすることも可能である。図9はそのような振り子状の誘導型傾斜又は振動又は加速度の検出装置10の一実施例を示しており、図1又は図4の実施例から永久磁石4と導電体5を除去したものであり、それ以外は同一構成である。従って、図9においては、振り子状の可動部3の材質は、銅またはアルミニウムのような非磁性・導電体と、鉄のような磁性体、のどちらのタイプを採用してもよい。また、銅またはアルミニウムのような非磁性・導電体と鉄のような磁性体の組合せパターンを採用してもよい。すなわち、可動部3の主たる材質を銅またはアルミニウムのような非磁性・導電体とした場合は、図のスペースSPの部分に鉄のような磁性体を配置するようにしてよく、反対に、可動部3の主たる材質を鉄のような磁性体とした場合は、図のスペースSPの部分に銅またはアルミニウムのような非磁性・導電体を配置するようにしてよい。
【0034】
次に、上記各実施例におけるコイル部2から出力される2相の出力交流信号A,B(図2)に基づき傾斜量θを検出する処理回路の一例について説明する。
図10は、ディジタル位相検出回路40として、公知のR−D(レゾルバ−ディジタル)コンバータを適用した例を示す。コイル部2の2次コイル2b(又は21〜24)から出力されるレゾルバタイプの2相の出力交流信号A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωtが、それぞれアナログ乗算器30,31に入力される。順次位相発生回路32では位相角φのディジタルデータを発生し、サイン・コサイン発生回路33から該位相角φに対応するサイン値sinφとコサイン値cosφのアナログ信号を発生する。乗算器30では、サイン相の出力交流信号A=sinθ・sinωtに対してサイン・コサイン発生回路33からのコサイン値cosφを乗算し、「cosφ・sinθ・sinωt」を得る。もう一方の乗算器31では、コサイン相の出力交流信号B=cosθ・sinωtに対してサイン・コサイン発生回路33からのサイン値sinφを乗算し、「sinφ・cosθ・sinωt」を得る。引算器34で、両乗算器30,31の出力信号の差を求め、この引算器34の出力によって順次位相発生回路32の位相発生動作を次のように制御する。すなわち、順次位相発生回路32の発生位相角φを最初は0にリセットし、以後順次増加していき、引算器34の出力が0になったとき増加を停止する。引算器34の出力が0になるのは、「cosφ・sinθ・sinωt」=「sinφ・cosθ・sinωt」が成立したときであり、すなわち、φ=θが成立し、順次位相発生回路32から位相角φのディジタルデータが出力交流信号A,Bの振幅関数の位相角θのディジタル値に一致している。従って、任意のタイミングで周期的にリセットトリガを与えて順次位相発生回路32の発生位相角φを0にリセットして、該位相角φのインクリメントを開始し、引算器34の出力が0になったとき、該インクリメントを停止し、位相角θのディジタルデータを得る。
なお、順次位相発生回路32をアップダウンカウンタ及びVCOを含んで構成し、引算器34の出力によってVCOを駆動してアップダウンカウンタのアップ/ダウンカウント動作を制御するようにすることが知られており、その場合は、周期的なリセットトリガは不要である。
【0035】
温度変化等によってコイル部2の1次及び2次コイルのインピーダンスが変化することにより2次出力交流信号における電気的交流位相ωtに誤差が生じるが、上記のような位相検出回路においては、sinωtの位相誤差は自動的に相殺されるので、好都合である。これに対して、従来知られた2相交流信号(例えばsinωtとcosωt)で励磁することにより1相の出力交流信号に電気的位相シフトが生じるようにした方式では、そのような温度変化等に基づく出力位相誤差を除去することができない。
ところで、上記のような従来のR−Dコンバータからなる位相検出回路は、追従比較方式であるため、φを追従カウントするときのクロック遅れが生じ、応答性が悪い、という問題がある。
そこで、本発明者等は、以下に述べるような新規な位相検出回路を開発したので、これを使用すると好都合である。
【0036】
図11は、本発明に係る傾斜検出装置に適用される新規なディジタル位相検出回路40の一実施形態を示している。
図11において、検出回路部41では、カウンタ42で所定の高速クロックパルスCKをカウントし、そのカウント値に基づき励磁信号発生回路43から励磁用の交流信号(例えばsinωt)を発生し、コイル部2の1次コイル2a(又は11〜14)に与える。カウンタ42のモジュロ数は、励磁用の交流信号の1周期に対応しており、説明の便宜上、そのカウント値の0は、基準のサイン信号sinωtの0位相に対応しているものとする。コイル部2の2次コイル2b(又は21〜24)から出力される2相の出力交流信号A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωtは、検出回路部41に入力される。
【0037】
検出回路部41において、第1の交流出力信号A=sinθ・sinωtが位相シフト回路44に入力され、その電気的位相が所定量位相シフトされ、例えば90度進められて、位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtが得られる。また、検出回路部41においては加算回路45と減算回路46とが設けられており、加算回路45では、位相シフト回路44から出力される上記位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtとコイル部2の2次コイルから出力され第2の交流出力信号B=cosθ・sinωtとが加算され、その加算出力として、B+A’=cosθ・sinωt+sinθ・cosωt=sin(ωt+θ)なる略式で表わせる第1の電気的交流信号Y1が得られる。減算回路46では、上記位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと上記第2の交流出力信号B=cosθ・sinωtとが減算され、その減算出力として、B−A’=cosθ・sinωt−sinθ・cosωt=sin(ωt−θ)なる略式で表わせる第2の電気的交流信号Y2が得られる。このようにして、検出対象傾斜角θに対応して正方向にシフトされた電気的位相角(+θ)を持つ第1の電気的交流信号Y1=sin(ωt+θ)と、同じ前記検出対象位置(x)に対応して負方向にシフトされた電気的位相角(−θ)を持つ第2の電気的交流信号Y2=sin(ωt−θ)とが、電気的処理によって夫々得られる。
【0038】
加算回路45及び減算回路46の出力信号Y1,Y2は、夫々ゼロクロス検出回路47,48に入力され、それぞれのゼロクロスが検出される。ゼロクロスの検出の仕方としては、例えば、各信号Y1,Y2の振幅値が負から正に変化するゼロクロスつまり0位相を検出する。各回路47,48で検出したゼロクロス検出パルスつまり0位相検出パルスは、ラッチパルスLP1,LP2として、ラッチ回路49,50に入力される。ラッチ回路49,50では、カウンタ42のカウント値を夫々のラッチパルスLP1,LP2のタイミングでラッチする。前述のように、カウンタ42のモジュロ数は励磁用の交流信号の1周期に対応しており、そのカウント値の0は基準のサイン信号sinωtの0位相に対応しているものとしたので、各ラッチ回路49,50にラッチしたデータD1,D2は、それぞれ、基準のサイン信号sinωtに対する各出力信号Y1,Y2の位相ずれに対応している。各ラッチ回路49,50の出力は誤差計算回路51に入力されて、「(D1+D2)/2」の計算が行なわれる。なお、この計算は、実際は、「D1+D2」のバイナリデータの加算結果を1ビット下位にシフトすることで行われるようになっていてよい。
【0039】
ここで、コイル部2と検出回路部41間の配線ケーブル長の長短による影響や、コイル部2の各1次及び2次コイルにおいて温度変化等によるインピーダンス変化が生じていることを考慮して、その出力信号の位相変動誤差を「±d」で示すと、検出回路部41における上記各信号は次のように表わされる。
A=sinθ・sin(ωt±d)
A’=sinθ・cos(ωt±d)
B=cosθ・sin(ωt±d)
Y1=sin(ωt±d+θ)
Y2=sin(ωt±d−θ)
D1=±d+θ
D2=±d−θ
【0040】
すなわち、各位相ずれ測定データD1,D2は、基準のサイン信号sinωtを基準位相に使用して位相ずれカウントを行なうので、上記のように位相変動誤差「±d」を含む値が得られてしまう。そこで、誤差計算回路51において、「(D1+D2)/2」の計算を行なうことにより、
Figure 0003742844
により、位相変動誤差「±d」を算出することができる。
【0041】
誤差計算回路51で求められた位相変動誤差「±d」のデータは、減算回路52に与えられ、一方の位相ずれ測定データD1から減算される。すなわち、減算回路52では、「D1−(±d)」の減算が行なわれるので、
D1−(±d)=±d+θ−(±d)=θ
となり、位相変動誤差「±d」を除去した正しい検出位相差θを示すディジタルデータが得られる。このように、本発明によれば、位相変動誤差「±d」が相殺されて、検出対象傾斜量θに対応する正しい位相差θのみが抽出されることが理解できる。
【0042】
この点を図12を用いて更に説明する。図12においては、位相測定の基準となるサイン信号sinωtと前記第1及び第2の交流信号Y1,Y2の0位相付近の波形を示しており、同図(a)は位相変動誤差がプラス(+d)の場合、(b)はマイナスの場合(−d)を示す。同図(a)の場合、基準のサイン信号sinωtの0位相に対して第1の信号Y1の0位相は「θ+d」だけ進んでおり、これに対応する位相差検出データD1は「θ+d」に相当する位相差を示す。また、基準のサイン信号sinωtの0位相に対して第2の信号Y2の0位相は「−θ+d」だけ遅れており、これに対応する位相差検出データD2は「−θ+d」に相当する位相差を示す。この場合、誤差計算回路51では、
Figure 0003742844
により、位相変動誤差「+d」を算出する。そして、減算回路52により、
D1−(+d)=+d+θ−(+d)=θ
が計算され、正しい位相差θが抽出される。
【0043】
図12(b)の場合、基準のサイン信号sinωtの0位相に対して第1の信号Y1の0位相は「θ−d」だけ進んでおり、これに対応する位相差検出データD1は「θ−d」に相当する位相差を示す。また、基準のサイン信号sinωtの0位相に対して第2の信号Y2の0位相は「−θ−d」だけ遅れており、これに対応する位相差検出データD2は「−θ−d」に相当する位相差を示す。この場合、誤差計算回路51では、
Figure 0003742844
により、位相変動誤差「−d」を算出する。そして、減算回路52により、
D1−(−d)=−d+θ−(−d)=θ
が計算され、正しい位相差θが抽出される。
なお、減算回路52では。「D2−(±d)」の減算を行なうようにしてもよく、原理的には上記と同様に正しい位相差θを反映するデータ(−θ)が得られることが理解できるであろう。
【0044】
また、図12からも理解できるように、第1の信号Y1と第2の信号Y2との間の電気的位相差は2θであり、常に、両者における位相変動誤差「±d」を相殺した正確な位相差θの2倍値を示していることになる。従って、図11におけるラッチ回路49,50及び誤差計算回路51及び減算回路52等を含む回路部分の構成を、信号Y1,Y2の電気的位相差2θをダイレクトに求めるための構成に適宜変更するようにしてもよい。例えば、ゼロクロス検出回路47から出力される第1の信号Y1の0位相に対応するパルスLP1の発生時点から、ゼロクロス検出回路48から出力される第2の信号Y2の0位相に対応するパルスLP2の発生時点までの間を適宜の手段でゲートし、このゲート期間をカウントすることにより、位相変動誤差「±d」を相殺した、電気的位相差(2θ)に対応するディジタルデータを得ることができ、これを1ビット下位にシフトすれば、θに対応するデータが得られる。
【0045】
ところで、上記実施例では、+θをラッチするためのラッチ回路49と、−θをラッチするためのラッチ回路50とでは、同じカウンタ42の出力をラッチするようにしており、ラッチしたデータの正負符号については特に言及していない。しかし、データの正負符号については、本発明の趣旨に沿うように、適宜の設計的処理を施せばよい。例えば、カウンタ42のモジュロ数が4096(10進数表示)であるとすると、そのディジタルカウント0〜4095を0度〜360度の位相角度に対応させて適宜に演算処理を行なうようにすればよい。最も単純な設計例は、カウンタ42のカウント出力の最上位ビットを符号ビットとし、ディジタルカウント0〜2047を+0度〜+180度に対応させ、ディジタルカウント2048〜4095を−180度〜−0度に対応させて、演算処理を行なうようにしてもよい。あるいは、別の例として、ラッチ回路50の入力データ又は出力データを2の補数に変換することにより、ディジタルカウント4095〜0を−360度〜−0度の負の角度データ表現に対応させるようにしてもよい。
【0046】
ところで、傾斜が静止状態のときは特に問題ないのであるが、検出対象傾斜量θが時間的に変化するときは、それに対応する位相角θも時間的に変動することになる。その場合、加算回路45及び減算回路46の各出力信号Y1,Y2の位相ずれ量θが一定値ではなく、移動速度に対応して時間的に変化する動特性を示すものとなり、これをθ(t)で示すと、各出力信号Y1,Y2は、
Y1=sin{ωt±d+θ(t)}
Y2=sin{ωt±d−θ(t)}
となる。すなわち、基準信号sinωtの周波数に対して、進相の出力信号Y1は+θ(t)に応じて周波数が高くなる方向に周波数遷移し、遅相の出力信号Y2は−θ(t)に応じて周波数が低くなる方向に周波数遷移する。このような動特性の下においては、基準信号sinωtの1周期毎に各信号Y1,Y2の周期が互いに逆方向に次々に遷移していくので、各ラッチ回路49,50における各ラッチデータD1,D2の計測時間基準が異なってくることになり、両データD1,D2を単純に回路51,52で演算するだけでは、正確な位相変動誤差「±d」を得ることができない。
【0047】
このような問題を回避するための最も簡単な方法は、図11の構成において、傾斜量θが時間的に動いているときの出力を無視し、静止状態のときの出力のみを用いて、静止状態が得られた時の傾斜量θを測定するように装置の機能を限定することである。すなわち、そのような限定された目的のために本発明を実施するようにしてもよいものである。また、振動の最大振幅のときの傾斜量θを検出することのみで足りる場合も、最大振幅時の傾斜検出値をピークホールドするような処理の仕方で対処できる。
一方、検出対象傾斜量θが時間的に変化している最中であっても時々刻々の該検出対象傾斜量θに対応する位相差θを正確に検出できるようにしたい、という要求もアプリケーションの場面によってはあり得る。そこで、検出対象傾斜が時間的に変化している最中であっても時々刻々の該検出対象傾斜量θに対応する位相差θを検出できるようにした改善策について図13を参照して説明する。
【0048】
図13は、図11の検出回路部41における誤差計算回路51と減算回路52の部分の変更例を抽出して示しており、他の図示していない部分の構成は図11と同様であってよい。検出対象傾斜量θが時間的に変化している場合における該傾斜量θに対応する位相差θを、+θ(t)および−θ(t)で表わすと、各出力信号Y1,Y2は前記のように表わせる。そして、夫々に対応してラッチ回路49,50で得られる位相ずれ測定値データD1,D2は、
D1=±d+θ(t)
D2=±d−θ(t)
となる。
この場合、±d+θ(t) は、θの時間的変化に応じて、プラス方向に0度から360度の範囲で繰り返し時間的に変化してゆく。また、±d−θ(t) は、θの時間的変化に応じて、マイナス方向に360度から0度の範囲で繰り返し時間的に変化してゆく。従って、±d+θ(t) ≠ ±d−θ(t) のときもあるが、両者の変化が交差するときもあり、そのときは±d+θ(t) = ±d−θ(t) が成立する。このように、±d+θ(t) = ±d−θ(t) が成立するときは、各出力信号Y1,Y2の電気的位相が一致しており、かつ、夫々のゼロクロス検出タイミングに対応するラッチパルスLP1,LP2の発生タイミングが一致していることになる。
【0049】
図13において、一致検出回路53は、各出力信号Y1,Y2ののゼロクロス検出タイミングに対応するラッチパルスLP1,LP2の発生タイミングが、一致したことを検出し、この検出に応答して一致検出パルスEQPを発生する。一方、時変動判定回路54では、適宜の手段により(例えば一方の位相差測定データD1の値の時間的変化の有無を検出する等の手段により)、検出対象傾斜角θが時間的に変化するモードであることを判定し、この判定に応じて時変動モード信号TMを出力する。
誤差計算回路51と減算回路52との間にセレクタ55が設けられており、上記時変動モード信号TMが発生されていないとき、つまりTM=“0”すなわち検出対象傾斜角θが時間的に変化していないとき、セレクタ入力Bに加わる誤差計算回路51の出力を選択して減算回路52に入力する。このようにセレクタ55の入力Bが選択されているときの図13の回路は、図11の回路と等価的に動作する。すなわち、検出対象傾斜角θが静止しているときは、誤差計算回路51の出力データがセレクタ55の入力Bを介して減算回路52に直接的に与えられ、図11の回路と同様に動作する。
【0050】
一方、上記時変動モード信号TMが発生されているとき、つまりTM=“1”すなわち検出対象傾斜角θが時間的に変化しているときは、セレクタ55の入力Aに加わるラッチ回路56の出力を選択して減算回路52に入力する。上記時変動モード信号TMが“1”で、かつ前記一致検出パルスEQPが発生されたとき、アンドゲート57の条件が成立して、該一致検出パルスEQPに応答するパルスがアンドゲート57から出力され、ラッチ回路56に対してラッチ命令を与える。ラッチ回路56は、このラッチ命令に応じてカウンタ42の出力カウントデータをラッチする。ここで、一致検出パルスEQPが生じるときは、カウンタ42の出力をラッチ回路49,50に同時にラッチすることになるので、D1=D2であり、ラッチ回路56にラッチするデータは、D1又はD2(ただしD1=D2)に相当している。
【0051】
また、一致検出パルスEQPは、各出力信号Y1,Y2のゼロクロス検出タイミングが一致したとき、すなわち「±d+θ(t) = ±d−θ(t)」が成立したとき、発生されるので、これに応答してラッチ回路56にラッチされるデータは、D1又はD2(ただしD1=D2)に相当しているが故に、
(D1+D2)/2
と等価である。このことは、
Figure 0003742844
であることを意味し、ラッチ回路56にラッチされたデータは、位相変動誤差「±d」を正確に示しているものであることを意味する。
【0052】
こうして、検出対象傾斜量θが時間的に変動しているときは、位相変動誤差「±d」を正確に示すデータが一致検出パルスEQPに応じてラッチ回路56にラッチされ、このラッチ回路56の出力データがセレクタ55の入力Aを介して減算回路52に与えられる。従って、減算回路52では、位相変動誤差「±d」を除去した検出対象傾斜量θのみに正確に応答するデータθ(時間的に変動する場合はθ(t) )を得ることができる。
なお、図13において、アンドゲート57を省略して、一致検出パルスEQPを直接的にラッチ回路56のラッチ制御入力に与えるようにしてもよい。
また、ラッチ回路56には、カウンタ42の出力カウントデータに限らず、図13で破線で示すように誤差計算回路51の出力データ「±d」をラッチするようにしてもよい。その場合は、一致検出パルスEQPの発生タイミングに対して、それに対応する誤差計算回路51の出力データの出力タイミングが、ラッチ回路49,50及び誤差計算回路51の回路動作遅れの故に、幾分遅れるので、適宜の時間遅れ調整を行なった上で、誤差計算回路51の出力をラッチ回路56にラッチするようにするとよい。
また、動特性のみを考慮して検出回路部41を構成する場合は、図13の回路51及びセレクタ55と図11の一方のラッチ回路49又は50を省略してもよいことが、理解できるであろう。
【0053】
図14は、位相変動誤差「±d」を相殺することができる位相差検出演算法についての別の実施例を示す。
コイル部2の2次コイル21〜24から出力されるレゾルバタイプの前記第1及び第2の交流出力信号A,Bは、検出回路部60に入力され、図11の例と同様に、第1の交流出力信号A=sinθ・sinωtが位相シフト回路44に入力され、その電気的位相が所定量位相シフトされて、位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtが得られる。また、減算回路46では、上記位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと上記第2の交流出力信号B=cosθ・sinωtとが減算され、その減算出力として、B−A’=cosθ・sinωt−sinθ・cosωt=sin(ωt−θ)なる略式で表わせる電気的交流信号Y2が得られる。減算回路46の出力信号Y2はゼロクロス検出回路48に入力され、ゼロクロス検出に応じてラッチパルスLP2が出力され、ラッチ回路50に入力される。
【0054】
図14の実施例が図11の実施例と異なる点は、検出対象傾斜に対応する電気的位相ずれを含む交流信号Y2=sin(ωt−θ)から、その位相ずれ量θを測定する際の基準位相が相違している点である。図11の例では、位相ずれ量θを測定する際の基準位相は、基準のサイン信号sinωtの0位相であり、これは、検出装置10のコイル部2に入力されるものではないので、温度変化等によるコイルインピーダンス変化やその他の各種要因に基づく位相変動誤差「±d」を含んでいないものである。そのために、図11の例では、2つの交流信号Y1=sin(ωt+θ)及びY2=sin(ωt−θ)を形成し、その電気的位相差を求めることにより、位相変動誤差「±d」を相殺するようにしている。これに対して、図14の実施例では、コイル部2から出力される第1及び第2の交流出力信号A,Bを基にして、位相ずれ量θを測定する際の基準位相を形成し、該基準位相そのものが上記位相変動誤差「±d」を含むようにすることにより、上記位相変動誤差「±d」を排除するようにしている。
【0055】
すなわち、検出回路部60において、コイル部2から出力された前記第1及び第2の交流出力信号A,Bがゼロクロス検出回路61,62に夫々入力され、それぞれのゼロクロスが検出される。なお、ゼロクロス検出回路61,62は、入力信号A,Bの振幅値が負から正に変化するゼロクロス(いわば0位相)と正から負に変化するゼロクロス(いわば180度位相)のどちらにでも応答してゼロクロス検出パルスを出力するものとする。これは信号A,Bの振幅の正負極性を決定するsinθとcosθがθの値に応じて任意に正又は負となるため、両者の合成に基づき360度毎のゼロクロスを検出するためには、まず180度毎のゼロクロスを検出する必要があるためである。両ゼロクロス検出回路61,62から出力されるゼロクロス検出パルスがオア回路63でオア合成され、該オア回路63の出力が適宜の1/2分周パルス回路64(例えばT−フリップフロップのような1/2分周回路とパルス出力用アンドゲートを含む)に入力されて、1つおきに該ゼロクロス検出パルスが取り出され、360度毎のゼロクロスすなわち0位相のみに対応するゼロクロス検出パルスが基準位相信号パルスRPとして出力される。この基準位相信号パルスRPは、カウンタ65のリセット入力に与えられる。カウンタ65は所定のクロックパルスCKを絶えずカウントするものであるが、そのカウント値が、前記基準位相信号パルスRPに応じて繰返し0にリセットされる。このカウンタ65の出力がラッチ回路50に入力され、前記ラッチパルスLP2の発生タイミングで、該カウント値が該ラッチ回路50にラッチされる。ラッチ回路50にラッチしたデータDが、検出対象傾斜量θに対応した位相差θの測定データとして出力される。
【0056】
コイル部2から出力される第1及び第2の交流出力信号A,Bは、それぞれ、A=sinθ・sinωt、B=cosθ・sinωt、であり、電気的位相は同相である。従って、同じタイミングでゼロクロスが検出されるはずであるが、振幅係数がサイン関数sinθ及びコサイン関数cosθで変動するので、どちらかの振幅レベルが0か又は0に近くなる場合があり、そのような場合は、一方については、事実上、ゼロクロスを検出することができない。そこで、この実施例では、2つの交流出力信号A=sinθ・sinωt、B=cosθ・sinωtのそれぞれについてゼロクロス検出処理を行ない、両者のゼロクロス検出出力をオア合成することにより、どちらか一方が振幅レベル小によってゼロクロス検出不能であっても、他方の振幅レベル大の方のゼロクロス検出出力信号を利用できるようにしたことを特徴としている。
【0057】
図14の例の場合、コイル部2のコイルインピーダンス変化等による位相変動誤差が、例えば「−d」であるとすると、減算回路46から出力される交流信号Y2は、図15の(a)に示すように、Y2=sin(ωt−d−θ)となる。この場合、コイル部2の出力信号A,Bは、角度θに応じた振幅値sinθ及びcosθを夫々持ち、図15の(b)に例示するように、A=sinθ・sin(ωt−d)、B=cosθ・sin(ωt−d)、というように位相変動誤差分を含んでいる。従って、このゼロクロス検出に基づいて図15の(c)のようなタイミングで得られる基準位相信号パルスRPは、本来の基準のサイン信号sinωtの0位相から位相変動誤差−dだけずれたものである。従って、この基準位相信号パルスRPを基準として、減算回路46の出力交流信号Y2=sin(ωt−d−θ)の位相ずれ量を測定すれば、位相変動誤差−dを除去した正確な値θが得られることになる。
【0058】
なお、コイル部2の配線長等の装置条件が定まると、そのインピーダンス変化は主に温度に依存することになる。そうすると、上記位相変動誤差±dは、この傾斜検出装置が配備された周辺環境の温度を示すデータに相当する。従って、図9の実施例のような位相変動誤差±dを演算する回路51を有するものにおいては、そこで求めた位相変動誤差±dのデータを温度検出データとして適宜出力することができる。従って、そのような本発明の構成によれば、1つの傾斜検出装置によって検出対象の傾斜を検出することができるのみならず、該傾斜検出装置の周辺環境の温度を示すデータをも得ることができる。勿論、温度変化等によるセンサ側のインピーダンス変化や配線ケーブル長の長短の影響を受けることなく、検出対象の傾斜に応答した高精度の検出が可能となる。また、図11や図14の例は、交流信号における位相差を測定する方式であるため、図10のような検出法に比べて、高速応答性にも優れた検出を行なうことができる、という優れた効果を奏する。
【0059】
上記例では、各出力信号Y1,Y2の位相データD1,D2をディジタル演算し、傾斜検出データθをディジタル値で出力するようにしているが、これに限らず、傾斜検出データθをアナログ値で出力するようにしてもよい。そのためには、求めた傾斜検出データθをD/A変換すればよい。別の例としては、各出力信号Y1,Y2のゼロクロス検出パルス(ラッチパルス)LP1,LP2の発生タイミングと所定の励磁交流信号sinωtのゼロクロス(0度位相)タイミングとの時間差をアナログ積分回路で積分し、それぞれの積分電圧+Vθ,−Vθ(つまり位相量+θ±d,−θ±dにそれぞれ相当するアナログ電圧)に対して図11の演算器51,52と同様のアナログ演算を施すことによって結果として、アナログの傾斜検出データθを得るようにすることができる。
【0060】
なお、上記各実施例において、コイル部2と可動部3の磁気応答部材(導電体又は磁性体)による検出原理を、公知の位相シフトタイプ位置検出原理によって構成してもよい。例えば、図2に示されたコイル部2において、1次コイル2aと2次コイル2bの励磁と出力の関係を逆にして、サイン相のコイル(s)とマイナス・サイン相(/s)のコイルを互いに逆相のサイン信号sinωt,−sinωtによって励磁し、コサイン相のコイル(c)とマイナス・コサイン相のコイル(/c)を互いに逆相のコサイン信号cosωt,−cosωtによって励磁し、コイル2aから検出対象傾斜量θに応じた電気的位相シフトθを含む出力信号sin(ωt−θ)を得るようにしてもよい。この場合は、温度特性の補償は行えないが、それほどの精度が要求されない場合に応用できる。
あるいは、コイル部2と可動部3の磁気応答部材(導電体又は磁性体)による検出原理を、公知の差動トランス型の位置検出原理に基づいてアナログ検出出力を得るように構成してもよい。
【0061】
あるいは、上記各実施例において、コイル部2の構成として、1次コイルと2次コイルの対を含むように構成せずに、1つのコイルのみによって構成し、該1つのコイルを所定の交流信号によって定電圧駆動し、該コイルへの磁性体(磁気応答部材3)の侵入量に応じて生じるインダクタンス変化に基づく電流変化を計測することにより、傾斜量θの検出データを得るようにしてもよい。その場合、該電流変化に応答する出力信号の振幅変化を測定する方法、あるいは該電流変化に応答するコイル各端部での出力信号間の位相変化を測定する方法などによって所要の測定を行うことができる。
その他、コイル部2と可動部3の磁気応答部材(磁性体又は導電体)による誘導検出手段の具体的構成は任意の変形が可能である。
そのほか、上記実施例で示した新規かつ有意義な構成の一部を選択的に採用して傾斜又は振動又は加速度の検出装置を構成してもよい。なお、本発明に係る検出装置を加速度検出装置として使用する場合は、傾斜量θの検出データに基づき振動のピーク値を加速度対応データとして処理するようにしてもよいし、あるいは時変動する傾斜量θの検出データに対して微分処理等を施すようにしてもよい。本発明の検出装置は、最終的な加速度値を求めるものではなく、加速度検出に応用し得る傾斜又は振動のセンサを提供するものである。
【0062】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、誘導型の傾斜又は振動又は加速度の検出装置において、傾斜又は振動に応じた可動部の動きに応じて磁石と導電体が相対的に変位するように配置したので、導電体に流れる渦電流による電磁力によって可動部の動きが緩衝されて、慣性による無駄な動きを抑制することができるものであり、従って、慣性動を排除して対象物の傾斜又は振動又は加速度を簡単かつ正確に検出することができる。
また、本発明によれば、振り子型の可動部を具えた誘導型の傾斜又は振動又は加速度の検出装置であり、非接触で検出を行なうことができ、耐久性や耐環境性にも優れており、従来にない有用な傾斜又は振動又は加速度の検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る傾斜又は振動又は加速度の検出装置の一実施例を示す図。
【図2】 図1におけるコイル部の構成例を示す回路図。
【図3】 図1における可動部の形状の別の例を示す正面図。
【図4】 図1の実施例の変更例を示す図。
【図5】 本発明に係る傾斜又は振動又は加速度の検出装置の別の実施例を示す図。
【図6】 本発明に係る傾斜又は振動又は加速度の検出装置の更に別の実施例を示す図。
【図7】 本発明に係る傾斜又は振動又は加速度の検出装置の更に他の実施例を示す図。
【図8】 図8の実施例の変更例を示す図。
【図9】 本発明に係る傾斜又は振動又は加速度の検出装置の更に別の実施例を示す図。
【図10】本発明に係る検出装置に適用可能な位相検出タイプの測定回路の一例を示すブロック図。
【図11】 本発明に係る検出装置に適用可能な位相検出タイプの測定回路の別の例を示すブロック図。
【図12】 図11の動作説明図。
【図13】 図11の回路に付加される変更例を示すブロック図。
【図14】 本発明に係る検出装置に適用可能な位相検出タイプの測定回路の更に別の例を示すブロック図。
【図15】 図14の動作説明図。
【符号の説明】
10 検出装置
1 本体部
2 コイル部
2a,11〜14 1次コイル
2b,21〜24 2次コイル
3 可動部(導電体または磁性体)
4 永久磁石
5 導電体
40 ディジタル位相検出回路

Claims (3)

  1. 本体部と、
    非磁性の導電体からなるものであり、重力方向を指向して前記本体部に対して相対的に変位する可動部と、
    前記本体部に設けられ、かつ交流信号によって励磁され、前記可動部の前記本体部に対する相対的変位に応じて生じる渦電流損に対応した検出出力を生じるコイル部と、
    前記本体部に設けられた磁石と
    を具え、前記可動部の変位に応じて前記磁石によって該可動部に生じる渦電流による電磁力により該可動部の動きが抑制されることを特徴とする傾斜又は振動又は加速度の検出装置であって、
    前記コイル部は、前記可動部の相対的変位の方向に沿って配置されたサイン相、コサイン相、マイナスサイン相及びマイナスコサイン相の特性を示す4極のコイルで構成され、サイン相とマイナスサイン相の出力を差動合成することで前記可動部の相対的変位に応じてサイン相の振幅関数特性を示す第1の出力交流信号を生じ、コサイン相とマイナスコサイン相の出力を差動合成することで前記可動部の相対的変位に応じてコサイン相の振幅関数特性を示す第2の出力交流信号を生じ、
    更に、前記コイル部における各コイルは前記交流信号によって励磁される1次コイルのみからなり、該各1次コイルに対する前記可動部の導電体の位置に応じたインダクタンス変化に基づく振幅変化を示す出力交流電圧信号を該各1次コイルから取り出し、これに基づき前記サイン相の振幅関数特性を示す前記第1の出力交流信号と前記コサイン相の振幅関数特性を示す前記第2の出力交流信号がそれぞれ生成され、前記可動部の相対的変位の方向に沿う一方向の傾斜又は振動に応じた振幅変化を示す前記第 1 および第2の出力交流信号がそれぞれ異なる振幅関数特性で得られることを特徴とする傾斜又は振動又は加速度の検出装置。
  2. 本体部と、
    磁石及び所定の磁気応答部材を組み合わせてなるものであり、重力方向を指向して前記本体部に対して相対的に変位する可動部と、
    前記本体部に設けられ、かつ交流信号によって励磁され、前記可動部の前記本体部に対する相対的変位に応じた誘導出力を生じるコイル部と、
    前記本体部に設けられた非磁性の導電体と
    を具え、前記可動部の変位に応じて前記磁石によって前記導電体に生じる渦電流による電磁力により該可動部の動きが抑制されることを特徴とする傾斜又は振動又は加速度の検出装置であって、
    前記コイル部は、前記可動部の相対的変位の方向に沿って配置されたサイン相、コサイン相、マイナスサイン相及びマイナスコサイン相の特性を示す4極のコイルで構成され、サイン相とマイナスサイン相の出力を差動合成することで前記可動部の相対的変位に応じてサイン相の振幅関数特性を示す第1の出力交流信号を生じ、コサイン相とマイナスコサイン相の出力を差動合成することで前記可動部の相対的変位に応じてコサイン相の振幅関数特性を示す第2の出力交流信号を生じ、
    更に、前記コイル部における各コイルは前記交流信号によって励磁される1次コイルのみからなり、該各1次コイルに対する前記可動部の位置に応じたインダクタンス変化に基づく振幅変化を示す出力交流電圧信号を該各1次コイルから取り出し、これに基づき前記サイン相の振幅関数特性を示す前記第1の出力交流信号と前記コサイン相の振幅関数特性を示す前記第2の出力交流信号がそれぞれ生成され、前記可動部の相対的変位の方向に沿う一方向の傾斜又は振動に応じた振幅変化を示す前記第 1 および第2の出力交流信号がそれぞれ異なる振幅関数特性で得られることを特徴とする傾斜又は振動又は加速度の検出装置。
  3. 本体部と、
    磁性体または導電体からなり、重力方向を指向して前記本体部に対して振り子状に相対的に変位する可動部と、
    前記本体部に設けられ、かつ交流信号によって励磁され、前記可動部の前記本体部に対する相対的変位に応じた誘導出力を生じるコイル部と
    を具え、前記コイル部の出力に基づき前記可動部の前記本体部に対する相対的変位の大きさを検出することにより、傾斜又は振動又は加速度を検出することを特徴とする傾斜又は振動又は加速度の検出装置であって、
    前記コイル部は、前記可動部の相対的変位の方向に沿って配置されたサイン相、コサイン相、マイナスサイン相及びマイナスコサイン相の特性を示す4極のコイルで構成され、サイン相とマイナスサイン相の出力を差動合成することで前記可動部の相対的変位に応じてサイン相の振幅関数特性を示す第1の出力交流信号を生じ、コサイン相とマイナスコサイン相の出力を差動合成することで前記可動部の相対的変位に応じてコサイン相の振幅関数特性を示す第2の出力交流信号を生じ、
    更に、前記コイル部における各コイルは前記交流信号によって励磁される1次コイルのみからなり、該各1次コイルに対する前記可動部の位置に応じたインダクタンス変化に基づく振幅変化を示す出力交流電圧信号を該各1次コイルから取り出し、これに基づき前記サイン相の振幅関数特性を示す前記第1の出力交流信号と前記コサイン相の振幅関数特性を示す前記第2の出力交流信号がそれぞれ生成され、前記可動部の相対的変位の方向に沿う一方向の傾斜又は振動に応じた振幅変化を示す前記第 1 および第2の出力交流信号がそれぞれ異なる振幅関数特性で得られることを特徴とする傾斜又は振動又は加速度の検出装置。
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