JPH0931012A - 2,2−ビス(ヒドロキシアリール)プロピオン酸類の製造方法 - Google Patents
2,2−ビス(ヒドロキシアリール)プロピオン酸類の製造方法Info
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- JPH0931012A JPH0931012A JP7184481A JP18448195A JPH0931012A JP H0931012 A JPH0931012 A JP H0931012A JP 7184481 A JP7184481 A JP 7184481A JP 18448195 A JP18448195 A JP 18448195A JP H0931012 A JPH0931012 A JP H0931012A
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Abstract
ロキシアリール)プロピオン酸類を工業的に有利に製造
する方法を提供することにある。 【構成】本発明による方法は、ピルビン酸と一般式
(I) 【化1】(式中、R1及びR2は水素原子又は炭素数1〜4
のアルキル基を示す。)で表わされるフェノール類とを
鉱酸と脂肪族メルカプタンとからなる触媒の存在下に反
応させることによって、一般式(II) 【化2】(式中、R1及びR2は前記と同じである。)で表
わされる2,2−ビス(ヒドロキシアリール)プロピオン
酸類を製造するものである。
Description
脂、ポリエーテル樹脂等の原料モノマー、感熱記録材料
の顕色剤、医薬原料等として有用である2,2−ビス(ヒ
ドロキシアリール)プロピオン酸類の新規な製造方法に
関する。
料として、2,2−ビス(ヒドロキシアリール)プロピオ
ン酸類を製造する方法については、非常に限られた数の
報告がなされているにすぎない。即ち、具体的には、Be
r., 14, 1595 (1881) とBer.,16, 2071 (1883) とに加
えて、C. L. ParrisらのJ. Org. Chem., 27., 455-460
(1962)(以下、この文献をParrisらの文献という。)等
が知られているにすぎない。
は、Parrisらの文献にその追試実験が報告されている。
それによれば、ピルビン酸に濃硫酸を添加し、−10℃
に冷却した後、これにフェノールを添加し、−5℃乃至
−10℃の温度で6時間反応したところ、得られた反応
生成物は分子量240の低分子量ラクトンであって、明
確な融点をもたず、240℃で分解することが記載され
ている。
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の製造
方法によれば、ピルビン酸とフェノールとを酢酸溶剤
中、塩化水素ガスを触媒として、35〜65℃で約4日
間反応させた後、得られた反応混合物を氷中に注ぎ、目
的物を酢酸エチルで抽出し、その後、目的物を飽和炭酸
ナトリウム水溶液で逆抽出し、得られた抽出水層に希塩
酸を添加し、遊離する油分を再度、酢酸エチルで抽出し
た後、ベンゼンと酢酸エチルとの混合溶剤から再結晶し
て、融点177.5〜179℃の2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオン酸をピルビン酸に対して40
〜50モル%の収率で得たこと記載されている。
2,6−キシレノールとを原料として、同様にして、収率
38%にて融点187〜191℃の粗製品を得た後、こ
れを1,2−ジクロルエタンとアセトンとの混合溶剤から
3回再結晶して、融点202〜203℃の2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ン酸の白色針状結晶を得たことが記載されている。
ェニル)プロピオン酸に言及している文献としては、例
えば、J. Med. Chem., 32 (7), 1523-1528 (1989) や米
国特許第 4,973,734号 (1990) もあるが、しかし、これ
らには、いずれも上記Parrisらの文献が引用されている
のみであり、製造の具体例は記載されていない。
ドロキシアリール)プロピオン酸類、特に、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸は、感熱記録
材料の分野で用途の開発が研究されており、これを背景
として、高純度で着色のない2,2−ビス(ヒドロキシア
リール)プロピオン酸類の工業的規模での安定した供給
が望まれるに至っている。
キシアリール)プロピオン酸類の製造については、前述
したように、正確且つ詳細にして、工業上、有用な研究
は、従来、なされていない。
うに、ピルピン酸は酸性条件下にアルドール縮合し、こ
の縮合生成物はフェノール類と反応して、前記ラクトン
とは異なる高分子量ラクトンを与えるように、酸性条件
下で反応の選択率を高めることは容易ではない。そこ
で、Parrisらの文献に記載の2,2−ビス(ヒドロキシア
リール)プロピオン酸類の製造方法も、酢酸を反応溶剤
として用い、これに塩化水素ガスを数日間にわたって吹
き込んで反応を行なうものであり、更に、反応後、得ら
れた反応混合物を氷水中に投入するので、原料フェノー
ル類と酢酸を含む廃水が多量に生成し、また、酸やアル
カリのいずれにも不安定で加水分解しやすい酢酸エチル
を抽出溶剤として用いる等、反応終了後の目的物の分離
精製も非常に煩雑であり、工業的な実施には不利であ
る。更に、製品収率も40〜50モル%と低く、この点
も、工業的な実施には非常に不利である。
キシアリール)プロピオン酸類の製造における上述した
ような種々の問題、特に、反応速度や反応終了後の目的
物の分離等における問題を解決すべく鋭意研究した結
果、ピルビン酸とフェノール類とを鉱酸と脂肪族メルカ
プタンとからなる触媒の存在下に反応させることによっ
て、短時間で高選択率にて2,2−ビス(ヒドロキシアリ
ール)プロピオン酸類を得ることができることを見出
し、更に、反応終了後、得られた反応混合物から所定の
抽出溶剤を用いて、目的とする反応生成物を抽出するこ
とによって、酸性条件下で目的物を定量的に抽出するこ
とができることを見出し、また、得られた粗製物を所定
の有機溶剤から再結晶することによって、着色のない高
純度精製品を容易に得ることができることを見出して、
本発明に至ったものである。
ス(ヒドロキシアリール)プロピオン酸類の製造方法
は、ピルビン酸と一般式(I)
〜4のアルキル基を示す。但し、少なくとも水酸基のパ
ラ位は水素原子である。)で表わされるフェノール類と
を鉱酸と脂肪族メルカプタンとからなる触媒の存在下に
反応させることを特徴とする一般式(II)
で表わされる2,2−ビス(ヒドロキシアリール)プロピ
オン酸類を製造するものである。
て、ピルビン酸と前記一般式(I)で表わされるフェノ
ール類(以下、単にフェノール類ということがある。)
とを反応させた後、得られた反応混合物から脂肪族ケト
ンか、又は脂肪族ケトンと芳香族炭化水素との混合溶剤
を抽出溶剤として用いて、反応生成物を抽出することが
好ましい。
て得られた抽出液から抽出溶剤と未反応のフェノール類
の一部又は全部を回収した後、芳香族炭化水素か、又は
脂肪族炭化水素及び脂肪族ケトンから選ばれる少なくと
も1種と芳香族炭化水素とからなる混合溶剤を再結晶溶
剤として用いて、上記抽出溶剤と未反応のフェノール類
の一部又は全部を回収した後の残渣から再結晶すること
が好ましい。
キシアリール)プロピオン酸類の製造方法においては、
ピルビン酸と前記一般式(I)で表わされるフェノール
類とを鉱酸と脂肪族メルカプタンとからなる触媒の存在
下に反応させる。
されるフェノール類としては、例えば、フェノール及び
o−アルキルフェノール類を挙げることができ、o−ア
ルキルフェノール類の具体例としては、例えば、o−ク
レゾール、2,6−キシレノール、o−イソプロピルフェ
ノール、o−t−ブチルフェノール等を挙げることがで
きる。
1モルに前記フェノール類2モルが縮合して、2,2−ビ
ス(ヒドロキシアリール)プロピオン酸を生成するの
で、これら原料の仕込み量は、フェノール類/ピルビン
酸モル比で少なくとも理論モル比である2.0以上のフェ
ノール類が必要であり、実際上、好ましくは、2.1〜1
0程度である。
は、上記仕込みモル比が小さいときは、スラリー状で得
られる反応混合物の撹拌流動性が低下し、収率が低下
し、他方、仕込みモル比が余りに大きいときは、目的物
の生産効率が低下するとともに、原料フェノール類の回
収量が多くなるので、経済的に不利である。
ルカプタンとが触媒として用いられる。このような鉱酸
としては、例えば、塩酸、塩化水素ガス、硫酸、リン
酸、メタンスルホン酸等を挙げることができる。これら
は、単独で、又は2種以上の混合物として用いられる。
特に、本発明においては、触媒としては、濃塩酸と塩化
水素ガスとの混合物が好ましく用いられる。具体的に
は、反応容器に濃塩酸とフェノール類と脂肪族メルカプ
タンとを仕込み、反応容器に塩化水素ガスを飽和するま
で吹き込み、次いで、反応容器にピルビン酸を徐々に加
えればよい。反応中、反応容器に塩化水素ガスを更に吹
き込むことは、通常、必要ではないが、しかし、連続的
に又は間欠的に塩化水素ガスを吹き込んでもよい。
よれば、反応終了後、得られた反応混合物から有機溶剤
を用いて反応生成物を抽出分離するので、反応溶剤とし
ての塩酸水層は、繰り返して、反応に用いることができ
る。
限定されるものではないが、反応溶剤を兼ねているの
で、反応終了後、生成した反応生成物が析出しているス
ラリー状の反応混合物が撹拌できる程度に用いるのが好
ましい。
て、鉱酸のみを触媒として用いれば、反応速度が非常に
遅いが、本発明に従って、鉱酸と脂肪族メルカプタンと
を用いることによって、反応速度が著しく大きくなり、
反応時間を大幅に短縮することができる。以下、鉱酸と
して塩酸を用いる場合を例として、本発明の方法を説明
する。
1〜12のアルキルメルカプタン又は炭素数2〜12の
ジメルカプトアルカンが好ましく、このようなアルキル
メルカプタンの具体例として、例えば、メチルメルカプ
タン、エチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ド
デシルメルカプタン等を挙げることができ、また、ジメ
ルカプトアルカンの具体例として、例えば、1,2−ジメ
ルカプトエタン、1,6−ジメルカプトヘキサン、1,9−
ジメルカプトノナン、1,10−ジメルカプトドデカン等
を挙げることができる。これらアルキルメルカプタン
は、ナトリウム塩として用いてもよい。本発明において
は、特に、アルキルメルカプタンが好ましく用いられ
る。
ンの使用量も、特に限定されるものではないが、通常、
ピルビン酸に対して、3〜30モル%の範囲で用いられ
る。
特に限定されるものではなく、原料と触媒を一括して仕
込んでもよいが、好ましくは、フェノール類、鉱酸類及
びメルカプタン類を仕込んだ後、ピルビン酸を滴下し
て、反応させする処方がよい。
低いほど、反応速度は遅いが、目的物の選択率が高くな
る傾向があり、他方、反応温度が高いときは、原料の消
費は早いが、副生物が増加し、収率の低下を招くので、
これらを勘案して、通常、20〜70℃の範囲が適当で
あり、特に好ましくは、30℃以下である。
ができる。即ち、反応混合物のガスクロマトグラフィー
分析によって、未反応のピルビン酸を定量分析すること
ができる。未反応のピルビン酸がなくなり、目的生成物
の生成量の増加が認められなくなった時点を反応の終点
とするのが好ましく、通常、ピルビン酸の滴下終了後、
3〜5時間が目安となる。また、反応生成物である目的
物と不純物の生成量は、GPC分析により容易に分析す
ることができる。
類とを反応させることによって、反応終了後、反応生成
物が析出したスラリー状の塩酸酸性の反応混合物を得
る。そこで、本発明によれば、好ましい態様として、通
常、反応混合物中の塩酸濃度が15〜25重量%となる
ように、反応混合物に水を加えた後、抽出溶剤として脂
肪族ケトンか、又は脂肪族ケトンと芳香族炭化水素とか
らなる混合溶剤を加え、加熱攪拌して、反応生成物を上
記抽出溶剤中に溶解させ、これに抽出することによっ
て、塩酸酸性の反応混合物から実質的に定量的に目的と
する反応生成物を抽出溶剤中に抽出することができる。
分液除去し、得られた油層に水を加えた後、更に、アル
カリ水溶液を加えて、残存する塩酸を中和した後、塩酸
水層を分液除去する。かくして、本発明によれば、目的
とする反応生成物を含む抽出液、即ち、反応生成物を含
む抽出溶剤の溶液を得る。
アルカリとしては、特に限定されるものではないが、通
常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、第二リン酸ナ
トリウム等の希薄水溶液であることが好ましく、また、
pH3〜4の範囲に調整するのが好ましい。中和後のp
Hが低すぎるときは、塩酸が残存し、他方、pHが高す
ぎるときは、目的生成物の収率の低下を招く。
て液状であり、更に、水と分液可能である脂肪族ケトン
か、又は脂肪族ケトンと芳香族炭化水素との混合溶剤で
ある。脂肪族ケトンとしては、好ましくは、炭素数4〜
12の鎖状脂肪族ケトンか、又は炭素数5〜9の環状脂
肪族ケトンが好ましく用いられる。このような鎖状脂肪
族ケトンとして、例えば、メチルエチルケトン、メチル
プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジブチルケ
トン、オクタノン類、ノナノン類、デカノン類、トリメ
チルノナノン等を挙げることができ、また、環状脂肪族
ケトンとして、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキ
サノン、シクロヘプタノン、メチルシクロヘキサノン、
3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン等を挙げることが
できる。特に、本発明においては、メチルイソブチルケ
トンが好ましく用いられる。
素は、ベンゼンか、又は炭素数1〜12のアルキル基を
1〜3個有しているアルキルベンゼン類が好ましい。こ
のアルキルベンゼン類としては、例えば、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン類、ジエチ
ルベンゼン類、エチルトルエン類、ジエチルベンゼン
類、メシチレン、プソイドクメン、ジイソプロピルベン
ゼン類、ブチルベンゼン、サイメン類、アミルベンゼ
ン、ジブチルベンゼン類、ドデシルベンゼン等を挙げる
ことができる。これらは単独で、又は2種以上の混合物
として用いられる。これらのなかでも、特に、ベンゼン
のほか、トルエン、キシレン類、メシチレン、プソイド
クメン等のメチルベンゼン類が好ましく用いられる。
ではないが、通常、水との混合状態での還流温度におい
て、少なくとも目的生成物を完全に溶解抽出するに必要
な量であることが好ましい。抽出溶剤として、脂肪族ケ
トンと芳香族炭化水素との混合溶剤を用いる場合は、そ
の混合比は、特に限定されるものではないが、目的物を
溶解しやすい溶剤を多く、溶解し難い溶剤を少ないめと
した混合溶剤が適しており、通常、芳香族炭化水素/脂
肪族ケトンの重量比を0.5以下とするのが好ましい。
して、上述したようにして得られた反応生成物を含む抽
出液を、例えば、蒸留にて脱水し、抽出溶剤を、例え
ば、蒸留にて全部又は一部を回収し、得られた残渣、即
ち、蒸留残を芳香族炭化水素か、又は脂肪族炭化水素及
び脂肪族ケトンから選ばれる少なくとも1種と芳香族炭
化水素とからなる混合溶剤から再結晶精製することによ
って、着色のない高純度品を得ることができる。
前述した抽出溶剤と同じものが好ましく、また、再結晶
溶剤としての脂肪族ケトンも、前述した抽出溶剤と同じ
ものが好ましい。再結晶溶剤である脂肪族炭化水素は、
炭素数4〜12の鎖状飽和炭化水素又は炭素数5〜9の
環状飽和炭化水素であることが好ましい。鎖状飽和炭化
水素の具体例としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘ
キサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ノナン、デカン
等を挙げることができる。環状飽和炭化水素の具体例と
しては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン、シクロヘプタン等を挙げることが
できる。
のではないが、使用量が多すぎるときは、目的物の収率
が低下し、他方、少なすぎるときは、製品純度の低下と
製品の着色を招くので、粗製品を完全に溶解すると共
に、再結晶スラリーを十分に撹拌し得るに必要な最小量
を目安とするのが好ましく、通常、粗製品の2〜5重量
倍の範囲で用いることが好ましい。
肪族ケトンから選ばれる少なくとも1種と芳香族炭化水
素とからなる混合溶剤を用いる場合、その混合比は、特
に限定されるものではないが、目的物を溶解しやすい溶
剤を少なく、溶解し難い溶剤を多めとした混合溶剤が適
しており、通常は、脂肪族ケトン/芳香族炭化水素又は
芳香族炭化水素/飽和脂肪族炭化水素の重量比をそれぞ
れ0.5以下とするのが好ましい。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。以下の実施例及び比較例において、GPC分析とは
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー分析、H
PLC分析とは液体クロマトグラフィー分析、IR分析
とは赤外吸収スペクトル分析、NMR分析とは核磁気共
鳴分析をそれぞれ意味する。また、10%アセトン溶解
色とは、製品10重量部をアセトン90重量部に溶解し
た溶液の色数(ハーゼン番号)を示し、ハーゼン番号の
値が小さいほど、製品が無色透明に近いことを意味し、
ハーゼン番号10のとき、ほぼ無色透明である。
素ガス吹き込み口を備えた3L容量四つ口フラスコに3
5%塩酸521.4g(5.0モル)、フェノール517g
(5.5モル)及びn−オクチルメルカプタン36.5g
(0.25モル)を仕込み、内温を25〜30℃に保持し
つつ、塩化水素ガスを系内が飽和となるまで吹き込んだ
後、ピルビン酸220g(2.5モル)を3時間を要して
滴下し、その後、4.5時間、撹拌反応した。
の反応混合物にメチルイソブチルケトン1034gと水
520gを加え、60℃で撹拌抽出し、下層の塩酸水層
を分液除去し、油層を得た。この油層を水520gにて
水洗し、水層を分液した後、得られた油層に水400g
を加え、5重量%第二リン酸ナトリウム水溶液で中和
し、pH4.0に調整し、下層の水層を分液除去した。
去し、熱濾過にて不溶物を除去した後、溶剤を蒸留回収
した。このようにして得られた蒸留残663.2gをGP
C分析した結果、高分子不純物(H1)3.61%、主成
分77.60%、低分子不純物(L1)7.71%、フェノ
ール10.70%であり、主成分の存在収率は79.8モル
%(対ピルビン酸)であった。
ケトン284gとメシチレン1421gとを加えて、溶
解、再結晶させ、室温で濾過した後、乾燥して、白色結
晶429.2gを得た。この白色結晶はGPC純度99.7
4%、融点182.4℃(メトラー(Mettler分析)、分
子量258(ガスクロマトグラフイー質量分析)であ
り、プロトンNMR及びIR分析により、目的とする2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸であ
ることを確認した。製品収率は66.5モル%(対ピルビ
ン酸)、10%アセトン溶解色はハーゼン番号10であ
った。
3OD、δ(ppm)):1.78 (s, 3H), 主鎖(プロピ
オン酸骨格)のメチル基のプロトン 6.67-6.72 (m, 4H), フェニル核の2位及び4位のプロ
トン 7.02-7.08 (m, 4H), フェニル核の3位及び5位のプロ
トン(フェニル核上の水酸基は4位とする。) IR(KBr錠剤、cm-1):3330-3000 (フェニル核の
水酸基) 1700 (C=O) 1610-1600, 1510, 1460-1430, 1390-1340, 1300-1180
(その他)
成は、高分子量不純物(H1)21.1%、2,2−ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸35.6%、低
分子量不純物(L1)36.1%及びフェノール1.8%で
あることを確認した。この再結晶濾液をGPCカラムに
より高分子量成分(H1)と低分子量成分(L1)を分
取し、その分取成分について各々ガスクロマトグラフイ
ー質量分析を行なった。
量240を有し、目的物である2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオン酸の異性体が分子内で脱水縮
合した化合物、即ち、前記Parrisらの文献に記載されて
いる低分子量ラクトン体の分子量と一致し、また、高分
子量不純物(H1)の分子量は404であって、低分子
量不純物(L1)にピルビン酸1モルとフェノール1モ
ルが脱水縮合して生成する高分子量ラクトン体の分子量
と一致した。
42.2g、フェノール150.4g(1.6モル)、n−オ
クチルメルカプタン2.9gを仕込み、内温を25〜30
℃に保持しつつ、塩化水素ガスを系内が飽和となるまで
吹き込んだ後、ピルビン酸17.6g(0.20モル)を3
時間を要して滴下し、その後、約4時間、撹拌反応し
た。
の反応混合物に抽出溶剤としてメチルイソブチルケトン
150gと水42.2gとを加えて、60℃で撹拌し、下
層の塩酸水層を分液除去した。得られた油層を水42g
で水洗分液後、油層に水42gと8%水酸化ナトリウム
水溶液11.7gを加え、pH3.8に調整した後、下層の
水層を分液除去した。
て、水、溶剤及び未反応フェノールを回収した。得られ
た蒸留残46.7gをGPC分析した結果、高分子量不純
物(H1)0.54%、主成分89.56%、低分子量不純
物(L1)6.20%、フェノール3.70%であり、主成
分の存在収率は81モル%であった。この蒸留残にメチ
ルイソブチルケトン11.5g及びトルエン34.5gを加
えて、溶解、再結晶し、室温で濾過した後、乾燥して、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の
白色結晶33.8gを得た。この製品は、GPC純度99.
67%、融点182.5℃(メトラー分析)、収率65.5
モル%(対ピルビン酸)、10%アセトン溶解色はハー
ゼン番号10であった。
166.8g、フェノール165.4g(1.76モル)、ド
デシルメルカプタン11.7gを仕込み、反応温度を28
〜30℃に保持しつつ、塩化水素ガスを系内が飽和とな
るまで吹き込んだ後、ピルビン酸70.4g(0.80モ
ル)を3時間を要して滴下し、その後、4時間、撹拌反
応した。
の反応混合物に抽出溶剤としてメチルイソブチルケトン
330gと水166.8gを加え、60℃で撹拌して、下
層の塩酸水層を分液除去した。得られた油層を水166.
8gで水洗分液した後、再度水166.8gを加え、次い
で、8%水酸化ナトリウム水溶液5.5gでpH4.0に中
和し、下層の水層を分液除去した。
し、熱濾過により不溶物を濾過除去した後、溶剤の一部
を蒸留回収した。このようにして得られた蒸留残284
gにメシチレン560gを加えて、溶解、再結晶し、室
温で濾過した後、乾燥して、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオン酸の白色結晶144.7gを得
た。この製品は、GPC純度99.63%、融点182.4
℃(メトラー分析)、収率70.1モル%(対ピルビン
酸)、10%アセトン溶解色はハーゼン番号10であっ
た。
41.7g、フェノール41.4g(0.44モル)、エチル
メルカプタン2.9gを仕込み、反応温度を25〜30℃
に保持しつつ、塩化水素ガスを系内が飽和となるまで吹
き込んだ後、ピルビン酸17.6g(0.20モル)を3時
間を要して滴下し、その後、4時間、撹拌反応した。
の反応混合物に抽出溶剤としてメチルエチルケトン80
gと水40gとを加え、60℃で攪拌して、下層の塩酸
水層を分液除去した。得られた油層に水40gと8%水
酸化ナトリウム水溶液を加え、pH3.9に調整し、下層
の水層を分液除去した。
し、熱濾過により不溶物を濾過除去した後、溶剤を蒸留
回収した。このようにして得られた蒸留残53gにメチ
ルエチルケトン23gとトルエン113gを加えて、溶
解、再結晶し、室温で濾過した後、乾燥して、2,2−ビ
ス(4−ヒドロフェニル)プロピオン酸の白色結晶33.
2gを得た。この製品は、GPC純度99.54%、融点
182.4℃(メトラー分析)、収率64.3モル%(対ピ
ルビン酸)、10%アセトン溶解色はハーゼン番号10
であった。
83.4g、o−クレゾール95.0g(0.88モル)、n
−オクチルメルカプタン5.8gを仕込み、内温を28〜
30℃に保持しつつ、塩化水素ガスを系内が飽和となる
まで吹き込んだ後、ピルビン酸35.2g(0.40モル)
を2時間を要して滴下し、その後、3時間、撹拌反応し
た。
の反応混合物に抽出溶剤としてメチルイソブチルケトン
160gと水83.4gとを加え、60℃で撹拌抽出し
て、下層の塩酸水層を分液除去した。得られた油層に水
83.4gと15.5%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、
水層がpH5となるまで中和し、75%塩酸にてpH4
に調整した後、下層の水層を分液除去した。
し、熱濾過により不溶物を濾過除去した後、溶剤を回収
した。得られた蒸留残114.1gをGPC分析した結
果、高分子量不純物(H2)0.6%、主成分85.0%、
低分子量不純物(L2)2.7%、o−クレゾール11.7
%であり、主成分の存在収率は84.8モル%であった。
この蒸留残(粗製品)にメチルイソブチルケトン20g
とメシチレン150gを加え、溶解、再結晶し、室温で
濾過した後、乾燥して、白色結晶85.8gを得た。
点155.9℃(メトラー分析)、分子量286(ガスク
ロマトグラフイー質量分析)、プロトンNMR及びIR
分析により、目的とする2,2−ビス(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオン酸であることを確認し
た。製品収率は75.0モル%(対ピルビン酸)、10%
アセトン溶解色はハーゼン番号10であった。
3OD、δ(ppm)):1.77 (s, 3H), 主鎖のメチル
基のプロトン 2.13 (s, 6H), フェニル核のメチル基のプロトン 6.62, 6.66 (d, 2H), フェニル核の6位のプロトン 6.83-6.93 (m, 4H), フェニル核の2位及び5位のプロ
トン(フェニル核上のメチル基は3位、水酸基は4位と
する。) IR(KBr錠剤、cm-1):3480-3300 (フェニル核の
水酸基) 3000-2900 (フェニル核のメチル基) 1700 (C=O) 1610, 1500, 1460, 1420-1400(その他)
83.4g、2,6−キシレノール107.4g(0.88モ
ル)、n−オクチルメルカプタン5.8gを仕込み、内温
を50℃に保持しつつ、塩化水素ガスを系内が飽和とな
るまで吹き込んだ後、ピルビン酸35.2g(0.40モ
ル)を2時間を要して滴下し、3.5時間、撹拌反応し
た。
の反応混合物に抽出溶剤としてメチルイソブチルケトン
240gと水83.4gとを加え、60℃で撹拌抽出し、
下層の塩酸水層を分液除去した。次いで、得られた油層
に水83.4gを加え、水洗分液し、更に、水83.4gと
8%水溶液ナトリウム水溶液を加えて、pH4.0に調整
した後、下層の水層を分液除去した。
し、熱濾過により不溶物を濾過除去した後、溶剤の一部
を蒸留回収した。得られた蒸留残138.7gをGPC分
析した結果、高分子量不純物(H3)2.1%、主成分8
2.0%、低分子量不純物(L3)1.5%、2,6−キシレ
ノール13.0%、その他1.4%であり、主成分の存在収
率は90.5%であった。
ケトン45gとメシチレン183.5gを加え、溶解、再
結晶し、室温で濾過した後、乾燥して、白色結晶93.8
gを得た。この白色結晶は、GPC純度99.92%、融
点207.9℃(メトラー分析)、分子量314(ガスク
ロマトグラフィー質量分析)、プロトンNMR及びIR
分析により、目的とする2,2−ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸であることを確
認した。製品収率は74.7モル%(対ピルビン酸)、1
0%アセトン溶解色はハーゼン番号10であった。
3OD、δ(ppm)):1.76 (s, 3H), 主鎖のメチル
基のプロトン 2.14-2.18 (m, 12H), フェニル核のメチル基のプロトン 6.78 (s, 4H), フェニル核のプロトン IR(KBr錠剤、cm-1):3570-3540 (フェニル核の
水酸基) 3000-2900 (フェニル核のメチル基) 1680 (C=O) 1600, 1490, 1460-1430, 1380, 1320-1260(その他)
83.4g、o−イソプロピルフェノール119.7g(0.
88モル)、n−オクチルメルカプタン5.8gを仕込
み、内温を28〜30℃に保持しつつ、塩化水素ガスを
系内が飽和となるまで吹き込んだ後、ピルビン酸21.2
g(0.24モル)を2時間を要して滴下し、その後、内
温を50℃まで昇温し、1時間、撹拌反応した。
反応混合物に抽出溶剤としてメチルイソブチルケトン1
60gと水83.4gとを加え、60℃で撹拌抽出し、下
層の塩酸水層を分液除去した。得られた油層に水50
g、16%水酸化ナトリウム水溶液6.2g及び75%リ
ン酸0.3gを加え、pH4.0に調整した後、下層の水層
を分液除去した。
し、熱濾過により不溶物を濾過除去した後、溶剤と未反
応o−イソプロピルフェノールを蒸留回収した。得られ
た蒸留残98.3gをGPC分析した結果、高分子量不純
物(H4)1.0%、主成分74.7%、低分子量不純物
(L4)4.0%、o−イソプロピルフェノール18.8
%、その他1.5%であり、主成分の存在収率は89.5モ
ル%であった。
を加えて、溶解、再結晶し、室温で濾過した後、乾燥し
て、白色結晶60.3gを得た。この白色結晶は、GPC
純度99.80%、融点162.3℃(メトラー分析)、分
子量342(ガスクロマトグラフィー質量分析)であ
り、プロトンNMR及びIR分析により、目的とする2,
2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸であることを確認した。製品収率は7
3.4モル%(対ピルビン酸)、10%アセトン溶解色は
ハーゼン番号10であった。
3OD、δ(ppm)):1.11-1.16 (m, 12H), プロピ
ル基のメチル基のプロトン 1.78 (s, 3H), 主鎖のメチル基のプロトン 3.21-3.29 (m, 2H), プロピル基のメチン基(CH)の
プロトン 6.64-6.67 (m, 2H), フェニル核の6位のプロトン 6.89-6.90 (m, 2H), フェニル核の5位のプロトン 7.00, 7.01 (d, 2H), フェニル核の2位のプロトン(イ
ソプロピル基はフェニル核の3位、水酸基は4位とす
る。) IR(KBr錠剤、cm-1): 3340 (フェニル核の水酸基) 2970-2870 (フェニル核のイソプロピル基) 1700 (C=O) 1610, 1500, 1460, 1420, 1380-1330(その他)
41.7g、o−t−ブチルフェノール150g(1.0モ
ル)、n−オクチルメルカプタン2.9gを仕込み、内温
を20℃に保持しつつ、塩化水素ガスを系内が飽和とな
るまで吹き込んだ後、ピルビン酸17.6g(0.20モ
ル)を2時間を要して滴下し、その後、内温を20℃に
保持しつつ、4時間、撹拌反応した。
の反応混合物に抽出溶剤としてメチルイソブチルケトン
80gと水42.0gとを加え、40℃で撹拌抽出し、下
層の塩酸水層を分液除去した。得られた油層に水30
g、16%水酸化ナトリウム水溶液16.3gを加え、p
H4.0に調整した後、下層の水層を分液除去した。得ら
れた油層を脱水蒸留し、熱濾過により不溶物を濾過除去
した後、溶剤と未反応o−t−ブチルフェノールを蒸留
回収した。このようにして得られた蒸留残61.4gをG
PC分析した結果、高分子量不純物(H5)0.8%、主
成分91.5%、低分子量不純物(L5)3.2%、o−t
−ブチルフェノール0.1%、その他4.4%であり、主成
分の存在収率は75.9モル%であった。
g、シクロヘキサン45.6gを加えて、溶解、再結晶
し、30℃で濾過した後、乾燥して、白色結晶38.4g
を得た。この白色結晶は、GPC純度99.48%、融点
16.6℃(メトラー分析)、分子量370(ガスクロマ
トグラフィー質量分析)であり、プロトンNMR及びI
R分析により、目的とする2,2−ビス(3−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸であることを
確認した。製品収率は51.9モル%(対ピルビン酸)、
10%アセトン溶解色はハーゼン番号10であった。
3OD、δ(ppm)): 1.31 (s, 18H), ブチル基のメチル基のプロトン 1.78 (s, 3H), 主鎖のメチル基のプロトン 6.63, 6.66 (d, 2H), フェニル核の6位のプロトン 6.87-6.91 (m, 2H), フェニル核の5位のプロトン 7.07, 7.08 (d, 2H), フェニル核の2位のプロトン(t
−ブチル基はフェニル核の3位、水酸基は4位とす
る。) IR(KBr錠剤、cm-1): 3500-3450 (フェニル核の水酸基) 3000-2870 (フェニル核のt−ブチル基) 1690 (C=O) 1610, 1500, 1480, 1460, 1400-1390, 1360, 1340(そ
の他)
及び塩化水素ガス吹き込み口を備えた500mL容量四
つ口フラスコに前記Parrisらの文献に準じて、酢酸10
0g、フェノール94g(1.0モル)及びピルビン酸1
7.6g(0.2モル)を仕込み、内温45℃で塩化水素ガ
スを飽和となるまで吹き込んだ後、20時間撹拌反応し
た。
を氷水330g中に投入し、酢酸エチル200gで2回
抽出した。得られた油層を減圧蒸留し、溶剤と未反応フ
ェノールを回収すると共に、蒸留残45.1gを得た。こ
の蒸留残(粗製品)をGPC分析した結果、高分子量不
純物(H1)7.64%、主成分67.17%、低分子量不
純物(L1)17.19%、フェノール4.3%、その他3.
7%であった。上記主成分、高分子量不純物及び低分子
量不純物は、いずれも前記実施例1におけるそれらと同
一のものであって、主成分である2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオン酸の存在収率は58.7モル
%であり、本発明の方法に比べて、反応生成物は不純物
が多く、また、目的物の存在収率も低いものであった。
5%塩酸41.7gとフェノール41.4g(0.44モル)
とを仕込み、内温を50℃に保持しつつ、ピルビン酸1
7.6g(0.20モル)を2.5時間を要して滴下し、その
後、約4時間、撹拌反応した。
状の反応混合物に抽出溶剤としてメチルイソブチルケト
ン150gと水42.2gを加え、60℃で撹拌し、下層
の塩酸水層を分液除去した。得られた油層を水42gで
水洗分液後、油層に水42gと8%水酸化ナトリウム水
溶液11.7gを加えて、pH3.8に調整した後、下層の
水層を分液除去した。
び未反応フェノールを回収し、得られた蒸留残46.5g
をGPC分析した結果、高分子量不純物(H1)9.45
%、主成分53.02%、低分子量不純物(L1)17.6
2%、フェノール19.64%であり、主成分である2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の存在
収率は47.8モル%であった。
ン酸とフェノール類との反応によって2,2−ビス(ヒド
ロキシアリール)プロピオン酸類を製造するに際し、触
媒として、鉱酸と脂肪族メルカプタンとを用いることに
よって、反応時間を大幅に短縮できること、また、反応
終了後、スラリー状の反応混合物から脂肪族ケトンか、
又は脂肪族ケトンと芳香族炭化水素との混合溶剤にて反
応生成物を抽出することによって、強酸性条件下のまま
で、目的生成物を実質的に定量的に抽出分離できる。
出溶剤と未反応フェノール類の一部又は全部を蒸留回収
し、蒸留残渣として得られる目的物の粗製品を芳香族炭
化水素か、又は脂肪族炭化水素及び脂肪族ケトンから選
ばれる少なくとも1種と芳香族炭化水素とからなる混合
溶剤から再結晶することによって、着色のない高純度の
2,2−ビス(ヒドロキシアリール)プロピオン酸類を容
易に得ることができる。かくして、本発明によれば、高
純度の2,2−ビス(ヒドロキシアリール)プロピオン酸
類を高選択率高収率にて工業的規模で製造することがで
きる。
Claims (11)
- 【請求項1】ピルビン酸と一般式(I) 【化1】 (式中、R1及びR2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキ
ル基を示す。但し、少なくとも水酸基のパラ位は水素原
子である。)で表わされるフェノール類とを鉱酸と脂肪
族メルカプタンとからなる触媒の存在下に反応させるこ
とを特徴とする一般式(II) 【化2】 (式中、R1及びR2は前記と同じである。)で表わされる
2,2−ビス(ヒドロキシアリール)プロピオン酸類の製
造方法。 - 【請求項2】鉱酸が濃塩酸又は濃塩酸と塩化水素ガスと
の混合物であり、脂肪族メルカプタンが炭素数1〜12
のアルキルメルカプタンである請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】フェノール類がフェノール、o−クレゾー
ル、o−イソプロピルフェノール、o−t−ブチルフェ
ノール又は2,6−キシレノールである請求項1に記載の
方法。 - 【請求項4】ピルビン酸と一般式(I) 【化3】 (式中、R1及びR2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキ
ル基を示す。但し、少なくとも水酸基のパラ位は水素原
子である。)で表わされるフェノール類とを鉱酸と脂肪
族メルカプタンとからなる触媒の存在下に反応させた
後、得られた反応混合物から脂肪族ケトンか、又は脂肪
族ケトンと芳香族炭化水素との混合溶剤にて反応生成物
を抽出することを特徴とする一般式(II) 【化4】 (式中、R1及びR2は前記と同じである。)で表わされる
2,2−ビス(ヒドロキシアリール)プロピオン酸類の製
造方法。 - 【請求項5】鉱酸が濃塩酸又は濃塩酸と塩化水素ガスと
の混合物であり、脂肪族メルカプタンが炭素数1〜12
のアルキルメルカプタンである請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】フェノール類がフェノール、o−クレゾー
ル、o−イソプロピルフェノール、o−t−ブチルフェ
ノール又は2,6−キシレノールである請求項4に記載の
方法。 - 【請求項7】脂肪族ケトンが炭素数4〜12の鎖状脂肪
族ケトンか、又は炭素数5〜9の環状脂肪族ケトンであ
り、芳香族炭化水素がベンゼンか、又は炭素数1〜12
のアルキル基を1〜3個有しているアルキルベンゼン類
である請求項4に記載の方法。 - 【請求項8】ピルビン酸と一般式(I) 【化5】 (式中、R1及びR2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキ
ル基を示す。但し、少なくとも水酸基のパラ位は水素原
子である。)で表わされるフェノール類とを鉱酸と脂肪
族メルカプタンとからなる触媒の存在下に反応させた
後、得られた反応混合物から脂肪族ケトンか、又は脂肪
族ケトンと芳香族炭化水素との混合溶剤にて反応生成物
を抽出し、得られた抽出液から抽出溶剤及び未反応フェ
ノール類の一部又は全部を回収した後、得られた残渣を
芳香族炭化水素か、又は脂肪族炭化水素及び脂肪族ケト
ンから選ばれる少なくとも1種と芳香族炭化水素とから
なる混合溶剤から再結晶することを特徴とする一般式
(II) 【化6】 (式中、R1及びR2は前記と同じである。)で表わされる
2,2−ビス(ヒドロキシアリール)プロピオン酸類の製
造方法。 - 【請求項9】鉱酸が濃塩酸又は濃塩酸と塩化水素ガスと
の混合物であり、脂肪族メルカプタンが炭素数1〜12
のアルキルメルカプタンである請求項8に記載の方法。 - 【請求項10】フェノール類がフェノール、o−クレゾ
ール、o−イソプロピルフェノール、o−t−ブチルフ
ェノール又は2,6−キシレノールである請求項8に記載
の方法。 - 【請求項11】抽出溶剤である脂肪族ケトンが炭素数4
〜12の鎖状脂肪族ケトンか、又は炭素数5〜9の環状
脂肪族ケトンであり、芳香族炭化水素がベンゼンか、又
は炭素数1〜12のアルキル基を1〜3個有しているア
ルキルベンゼン類であり、再結晶溶剤である芳香族炭化
水素がベンゼンか、又は炭素数1〜12のアルキル基を
1〜3個有しているアルキルベンゼン類であり、脂肪族
炭化水素が炭素数4〜12の鎖状飽和炭化水素か、又は
炭素数5〜9の環状飽和炭化水素であり、脂肪族ケトン
が炭素数4〜12の鎖状脂肪族ケトンか、又は炭素数5
〜9の環状脂肪族ケトンである請求項8に記載の方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18448195A JP4077887B2 (ja) | 1995-07-20 | 1995-07-20 | 2,2−ビス(ヒドロキシアリール)プロピオン酸類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18448195A JP4077887B2 (ja) | 1995-07-20 | 1995-07-20 | 2,2−ビス(ヒドロキシアリール)プロピオン酸類の製造方法 |
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JPH0931012A true JPH0931012A (ja) | 1997-02-04 |
JP4077887B2 JP4077887B2 (ja) | 2008-04-23 |
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JP (1) | JP4077887B2 (ja) |
-
1995
- 1995-07-20 JP JP18448195A patent/JP4077887B2/ja not_active Expired - Fee Related
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