JPH09309943A - 可視光硬化性フッ素化樹脂組成物 - Google Patents

可視光硬化性フッ素化樹脂組成物

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JPH09309943A
JPH09309943A JP15042596A JP15042596A JPH09309943A JP H09309943 A JPH09309943 A JP H09309943A JP 15042596 A JP15042596 A JP 15042596A JP 15042596 A JP15042596 A JP 15042596A JP H09309943 A JPH09309943 A JP H09309943A
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fluorinated
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JP15042596A
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English (en)
Inventor
Takeshi Sukegawa
健 助川
Takuji Yoshida
卓史 吉田
Mitsutoshi Hoshino
光利 星野
Fumihiro Ebisawa
文博 海老沢
Norio Murata
則夫 村田
Koichi Arishima
功一 有島
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光で硬化できるフッ素化樹脂組成物を提
供する。 【解決手段】 フッ素化された多官能エポキシ樹脂、及
び/又は、フッ素化された多官能エポキシ(メタ)アク
リレート樹脂を含む硬化性の主剤、樹脂を硬化させるた
めの硬化剤、及び可視光に感光性を持たせるための増感
剤としてペリレン、あるいはその誘導体化合物を必須構
成要素としてなる可視光硬化性フッ素化樹脂組成物。他
に希釈剤、増粘剤等を添加してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的応用を目的
とする可視光硬化性のフッ素化樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、硬化性のフッ素化エボキシ樹脂組
成物やフッ素化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂組成
物(以下、総称するときはフッ素化樹脂組成物と言う)
は、屈折率が石英ガラス等と同時になる、耐薬品性が高
い、硬化後はガラス等との接着性が良い等の性質から、
光学部品や光ファイバー関連部品用の接着剤として多く
用いられてきた。フッ素化樹脂組成物は硬化の方法か
ら、熱硬化性の樹脂と光硬化性の樹脂に大別される。熱
硬化性の樹脂は一般に硬化速度が遅く、精密な位置合せ
等が必要な光学部品用の接着剤としては不向きである。
このため、光硬化性のフッ素化樹脂組成物が多く用いら
れてきたが、これらはすべて紫外光に感光性を持つもの
であった。紫外光硬化性のフッ素化樹脂組成物は、石英
ガラスからなる光学部品用途の光学接着剤では硬化速度
が速いために多くの光学部品の接着に用いられている
が、紫外光にしか感光性がないため、経済的には優位で
あるものの紫外光の透過性に劣る多成分ガラス部品やプ
ラスチックを使用する光学部品の組立てには用いること
ができなかった。また、作業者の安全性確保のために紫
外光の遮蔽に大きな労力が必要であった。このため、可
視光に感光性を有するフッ素化樹脂組成物の開発が望ま
れていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
したような可視光に感光性を有するフッ素化樹脂組成物
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は、可視光硬化性フッ素化樹脂組成物
に関する発明であって、フッ素化された多官能エポキシ
樹脂、及び/又は、フッ素化された多官能エポキシ(メ
タ)アクリレート樹脂を含む硬化性の主剤、樹脂を硬化
させるための硬化剤、可視光に感光性を持たせるための
増感剤としてペリレン、あるいはその誘導体化合物を必
須構成要素としてなることを特徴とする。第2の発明
は、第1の発明において、該樹脂組成物の粘度を低下さ
せるための希釈剤、及び/又は、該樹脂組成物の粘度を
増加させるための増粘剤を添加してなることを特徴とす
る。第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、
該フッ素化された多官能エポキシ樹脂を含む硬化性の主
剤が、下記一般式(化1)で表される式I〜式VIの化合
物を少なくとも1つ以上含有してなることを特徴とす
る。
【0005】
【化1】
【0006】〔式中、Rfは下記式(化2):
【0007】
【化2】
【0008】で表される基を示し、nは、0、又は任意
の正数を示す。Yは、H、又はCH3を示す。xは、1
から36の整数を示す。Zは、H、又はC1 〜C18のフ
ルオロアルキル基を示す〕
【0009】第4の発明は、上記第1又は第2の発明に
おいて、該フッ素化された多官能エポキシ(メタ)アク
リレート樹脂を含む硬化性の主剤が、一般式(化1)中
の式V又は式VIで表される化合物を少なくとも1つ以上
含有してなることを特徴とする。
【0010】本発明は前記の課題を解決するために、従
来の紫外光硬化性を有するフッ素化樹脂組成物にペリレ
ン、あるいはペリレン誘導体を添加することにより可視
光硬化性を付与したものである。フッ素化樹脂組成物
は、一般にフッ素含量が多くなると有機材料の溶解性が
低くなり、特に芳香族系の化合物に対しては溶解性が極
めて低い。本発明者らは、種々の芳香族系光増感剤を検
討した結果、ペリレンとその誘導体のみが、フッ素化樹
脂組成物に十分な溶解性を持ち、かつ顕著な可視光増感
硬化を示すことを見出した。また、本発明における増感
剤(ペリレン、又はペリレン誘導体)を用いることで、
後述するように、通常のエポキシ樹脂の硬化に用いられ
るオニウム塩、メタロセン錯体類を硬化剤に用いること
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。硬化性エポキシ樹脂、あるいはエポキシ(メタ)ア
クリレート樹脂は、その用途により種々の添加物を加え
て用いられるのが通例である。本発明における可視光硬
化性フッ素化樹脂組成物の主たる用途は光学部品におけ
る接着剤や光学部品の構成要素であり、このような用途
に適した樹脂の粘度を調整するための添加剤を加えた可
視光硬化性フッ素化樹脂組成物である。更に付け加えれ
ば、本発明の可視光硬化性フッ素化樹脂組成物では、他
の構成要素として、例えば、フッ素化されていないエポ
キシ樹脂やエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ウレタ
ンアクリレート樹脂、ブタジエンアクリレート樹脂等の
各種アクリレート樹脂(フッ素化されていても良い)、
又はその変成物のほか、接着性を増すためのカップリン
グ剤等を含んでいても良い。
【0012】本発明に用いられるフッ素化された多官能
エポキシ樹脂、フッ素化された多官能エポキシ(メタ)
アクリレート樹脂としては、例えば、ビスフェノール系
化合物、ベンゼン系化合物、ジフェニルエーテル系化合
物、シクロヘキサン系化合物、グリコール系化合物、ビ
ニルエーテル系化合物のフッ素化物が用いられるが、化
学構造にフッ素を持つ多官能エポキシ樹脂、多官能エポ
キシ(メタ)アクリレート樹脂であれば特に限定されな
い。本発明で特に好ましく用いられる化合物例を、前記
一般式(化1)中における式I〜VIで示した。
【0013】本発明におけるフッ素化エポキシ樹脂、及
び/又は、フッ素化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂
を含む主剤は、上記、フッ素化された多官能エポキシ樹
脂やエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が複数種で構成
されていても良いし、少なくとも1成分としてフッ素化
された多官能エポキシ樹脂や多官能エポキシ(メタ)ア
クリレート樹脂が含まれていれば、フッ素化されていな
い多官能エポキシ樹脂や多官能エポキシ(メタ)アクリ
レート樹脂が含まれていても良い。このように、フッ素
化されていない多官能エポキシ樹脂や多官能エポキシ
(メタ)アクリレート樹脂を構成成分に含ませること
は、屈折率の調整、硬化性の調整、樹脂組成物相互の相
溶性の調整等に有効である。更に、これらの多官能エポ
キシ樹脂やエポキシ(メタ)アクリレート樹脂をオリゴ
マーとしてそのまま、あるいは他の成分と混合して用い
ても良い。一般に、硬化性エポキシ樹脂やエポキシ(メ
タ)アクリレート樹脂の製造では、生成物は、単量体か
ら数量体、オリゴマー、固体高分子までその沸点等によ
り取り分けられる。これらの生成物は、それぞれ粘性が
異なり、接着剤等としての用途により使い分けられる。
本発明においても、主剤を構成するフッ素化エポキシ樹
脂、フッ素化エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の使い
方はこれと同様である。
【0014】本発明に用いられる硬化剤は、いわゆるオ
ニウム塩、メタロセン錯体が好適に用いられる。オニウ
ム塩としては、アンモニウム塩、ジアゾニウム塩、ヨー
ドニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニ
ウム塩、アルソニウム塩等が用いられる。なお、これら
の硬化剤は、単量体、数量体、オリゴマー、ポリマーの
化学構造であっても良い。各硬化剤の化学構造は特に限
定されないが、通常、エポキシ樹脂の硬化に有効性が知
られている公知の化合物を任意に選択して使用すること
ができ、例えば、「イメージング用有機材料」(有機エ
レクトロニクス材料研究会編、1993年7月8日、ぶ
んしん出版発行)に記述されているオニウム塩、メタロ
セン錯体を使うことができる。例示すれば、以下の式
(化3)で表される各化合物、及びその誘導体を挙げる
ことができる。硬化剤の濃度は、用いる硬化剤の活性
度、反応性により異なるが、通常、樹脂組成物100部
に対して10部(重量部)以下の濃度で用いられる。よ
り好適には、5部以下で十分であり、特に反応性の高い
ものでは1部以下で用いられる。
【0015】
【化3】
【0016】特に、指定しない限り、R、及びR1 〜R
4 は、H、又はC1 〜C18のアルキル基、フルオロアル
キル基、若しくはフェニル基を示し、互いに同じでも異
なっていても良い。X- は、ハロゲンイオン、B
4 - 、PF6 - 、AsF6 - 、SbF6 - 、CF3
3 - 、CF3 COO- 、HSiF6 - 、HSO4 -
SCN- 、CH3SO4 - 、 あるいは下記式(化
4):
【0017】
【化4】
【0018】で表される陰イオンを示す。
【0019】本発明の可視光硬化性屈折率可変フッ素化
樹脂組成物においては、可視光に感光性を持たせるため
の増感剤としてペリレン、あるいはペリレン誘導体化合
物が必須構成要素として含まれる。ペリレン単独でも十
分な溶解性と光増感効果が得られるが、ペリレンに炭素
数1〜18のアルキル基を置換したペリレン誘導体化合
物は本発明の可視光硬化性フッ素化樹脂組成物に対する
溶解性を向上でき、より効果的な増感効果が得られる。
置換位置は特に限定されず、本発明者らが検討した結果
では、炭素数6のアルキル基を置換することで最も良い
結果が得られた。光増感剤の濃度は、溶解性と樹脂の厚
さを勘案して決められる。厚く用いられる場合には、光
学濃度を減らして深さ方向に均一に光が当るようにしな
ければならない。逆に、薄い場合には濃度を高めて光学
濃度を上げることが必要である。本発明者らが調べた結
果では、10μmの厚さに対しては、添加量が組成物全
体(100部)のおおむね0.2〜0.8重量部程度で
良い結果が得られた。
【0020】本発明で用いられる希釈剤としては、主剤
に用いられるエポキシ樹脂やエポキシ(メタ)アクリレ
ート樹脂と硬化時に反応する化合物を用いることができ
る。以下、例示すれば、ブチルグリシジルエーテル、2
−エチルヘキシルグリシジルエーテル等の炭素数2〜2
5のアルキルモノグリシジルエーテル、ブタンジオール
ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグ
リシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジ
ルエーテル、ドデカンジオールジグリシジルエーテル、
ペンタエリトリトールポリグリシジルエーテル、トリメ
チロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロー
ルポリグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテ
ル、レゾルシンジグリシジルエーテル、p−ter−ブ
チルフェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、テトラフルオロプロピルグリシジルエーテル、
オクタフルオロペンチルグリシジルエーテル、ドデカフ
ルオロオクチルグリシジルエーテル、スチレンオキシ
ド、リモネンジエポキシド、リモネンモノオキシド、α
−ピネンエポキシド、β−ピネンエポキシド、シクロヘ
キセンエポキシド、シクロオクテンエポキシド、ビニル
シクロヘキセンジオキシドなどのほか、下記構造式(化
5)で表されるエポキシ基を有する化合物を用いること
ができる。
【0021】
【化5】
【0022】更に、他の反応性を持つ希釈剤として、ス
チレン、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、
ジアリルテレフタレート、ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンチニ
ル(メタ)アクリレート変成物、グリシジル(メタ)ア
クリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、及び下記の構造式(化6)で示されるような炭素
−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。これらの
希釈剤は単独で、あるいは複数混合して用いても良い。
【0023】
【化6】
【0024】増粘剤としては、前記第1の発明で示され
たフッ素化された多官能エポキシ樹脂やフッ素化された
多官能エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、式(化1)
とフッ素化されていない多官能エポキシ樹脂や多官能エ
ポキシ(メタ)アクリレート樹脂とから作られる多量体
やオリゴマー、及び、フッ素化されていない多官能エポ
キシ樹脂や多官能エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と
から作られる多量体やオリゴマーが用いられる。また、
主剤と相溶性の良い高分子化合物を用いても良い。この
ような高分子化合物の例としては、2,2,2−トリフ
ルオロエチルメタクリレートの重合体やこれとメチルメ
タクリレートの共重合体が挙げられる。なお、本発明の
可視光硬化性フッ素化樹脂組成物においては、その用途
に応じて、他の添加剤、例えば、接着性を増すための接
着助剤、耐水性を増すための耐水助剤等、通常、公知の
各種添加剤を適宜添加して用いても良い。
【0025】本発明の好適例は、フッ素化された多官能
エポキシ樹脂、及び/又は、フッ素化された多官能エポ
キシ(メタ)アクリレート樹脂を含む硬化性の主剤、オ
ニウム塩あるいはメタロセン化合物等からなる硬化剤、
ペリレンあるいはその誘導体からなる増感剤を必須成分
とする可視光硬化性フッ素化樹脂組成物である。従来、
フッ素化された多官能エポキシ樹脂やフッ素化された多
官能エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を主剤に含む硬
化性樹脂では、可視光感光性を持つものは全く見出され
ていなかった。この理由は、フッ素化樹脂組成物の光増
感剤に対する溶解性が低く、可視光で増感作用を持ち、
かつフッ素化樹脂組成物に可溶な増感剤が見出されてい
なかったことによる。本発明では、フッ素化樹脂組成物
に可溶で、かつ、顕著な増感作用を示す増感剤を見出
し、これを添加することにより可視光で硬化の可能な樹
脂組成物を構成できることを明らかにした。
【0026】このようなフッ素化された多官能エポキシ
樹脂やフッ素化されたエポキシ(メタ)アクリレート樹
脂を主剤に含む硬化性樹脂組成物は、屈折率を石英ガラ
スと同等にできるために通信用光学部品には必須のもの
であった。光学部品のすべてを石英で構成する場合に
は、石英が紫外光の透過性が良いため、水銀灯やキセノ
ン−水銀灯の紫外光で樹脂の硬化が可能であった。ただ
し、この場合においても紫外線を取扱うためその遮蔽等
には多大な配慮が必要であった。近年、通信用光部品の
経済化が言われるようになり、高価な石英に替わり、多
成分ガラスやプラスチックが多用されるようになってき
たが、これらの紫外線透過率は低いため紫外線硬化樹脂
を使うことができず、専ら熱硬化樹脂を使わざるを得な
くなっている。しかし、これら熱硬化樹脂は硬化速度が
遅く、その生産性は低いものに留まっている。本発明の
可視光硬化性フッ素化樹脂組成物は、可視光で硬化する
ため、ハロゲン灯や有害な紫外光を遮断したキセノン灯
が使用可能なためサングラス程度の軽微な目の保護程度
で良く、また、多成分ガラスやプラスチックを部品構成
要素として用いることができ、短時間に、かつ、経済的
に部品を組立てることができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明の可視光硬化性フ
ッ素化エポキシ樹脂組成物を説明するが、本発明はこれ
に限定されるものではない。なお、以下の各例におい
て、部は特に断らない限り、重量部を意味する。
【0028】実施例1、比較例1 下記式(化7):
【0029】
【化7】
【0030】で示されるエポキシ樹脂(以下、CHEP
と略す)が90部、下記式(化8):
【0031】
【化8】
【0032】で示される希釈剤(以下、PRGEと略
す)が10部、下記式(化9):
【0033】
【化9】
【0034】で示される硬化剤(以下、PSC−1と略
す)が、エポキシ樹脂と希釈剤の混合物100部に対し
て0.5部、増感剤として、ペリレンをエポキシ樹脂と
希釈剤の混合物100部に対して0.3部からなるフッ
素化樹脂組成物を調製した。スライドガラス上に調製し
た可視光硬化性フッ素化樹脂組成物を約50μl、約1
cm2 の面積で乗せて試料とし、スチロールシャーレの
中に入れた。スチロールシャーレの上に、紫外線カット
フィルター(東芝ガラス製 L−42)を乗せて、光源
からの紫外光を遮断した。光源には200Wキセノン灯
(ケンコー製、バンドルファイバー付)を用いて、試料
から10cmの距離にバンドルファイバーの光射出口を
置いた。所定の時間光照射することで、可視光での硬化
性を調べた。結果を表1に示す。比較のために、光増感
剤として良く知られているアズレン、ベンジル、ナフタ
セン、ペンタセン、フェナントレキノンを上記増感剤の
替わりに用いた時の例を比較例として表2に示す。な
お、添加量に対して溶解残滓のある時は、ポア径0.5
μmのフィルターで取り除いた。表1及び表2の結果か
らわかるように、ペリレンのみがフッ素化樹脂組成物に
溶解して、かつ、樹脂の可視光での硬化に顕著な増感作
用を示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】 (表1及び表2中、◎印は硬化した状態、○印は硬化が開始された状態、×印 は全く硬化してない状態を示す)
【0037】実施例2〜7、比較例2〜7 エポキシ樹脂として、CHEPと、下記式(化10):
【0038】
【化10】
【0039】で示されるエポキシ樹脂(以下、DPEP
と略す)を55:25の割合で混合したエポキシ樹脂を
90部、希釈剤として、PRGE、あるいは下記式(化
11):
【0040】
【化11】
【0041】で示される希釈剤(以下、HDEPと略
す)を10部用い、硬化剤として、PSC−1、あるい
は下記式(化12):
【0042】
【化12】
【0043】で示される硬化剤(以下、PSC−9と略
す)を用い、増感剤として、ペリレン、あるいは下記式
(化13):
【0044】
【化13】
【0045】で示される化合物(以下、ペリレン−6と
略す)を用いて、実施例1と同様にして硬化性を調べた
結果を表3に示す。なお、硬化剤の添加量は、エポキシ
樹脂と希釈剤の混合樹脂100部に対して、PSC−1
は0.5部、PSC−9は1.5部とした。同様に、増
感剤の添加量は、ペリレンで0.3部、ペリレン−6で
0.7部とした。比較例2〜7として、実施例2〜7に
おいて増感剤を除いた試料を用意し、同様にして硬化性
を調べた結果を表4に示す。比較例の各番号は実施例の
番号と対応させている。増感剤の添加により、可視光硬
化性に顕著な効果が見られる。また、ペリレン−6はフ
ッ素化樹脂組成物への溶解性が良く可視光増感効果も高
い。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】 (表3及び表4中、◎印は硬化した状態、〇印は硬化が開始された状態、×印は 全く硬化してない状態を示す)
【0048】実施例8及び9、比較例8及び9 下記式(化14):
【0049】
【化14】
【0050】で示されるエポキシ樹脂(以下、GLEP
−6と略す)と、下記式(化15):
【0051】
【化15】
【0052】で示される化合物(以下、CHEP−Sと
略す。室温で固体)を用意して、GLEP−6とCHE
P−Sの混合比を40:40としたフッ素化エポキシ樹
脂主剤を作製した。希釈剤として、下記式(化16):
【0053】
【化16】
【0054】で示される化合物(以下、RAC−2と略
す)、及び下記式(化17):
【0055】
【化17】
【0056】で示される化合物(以下、RAC−5と略
す)の2種を用意し、フッ素化エポキシ樹脂主剤80部
に対して、希釈剤の添加量を20部とした。硬化剤に
は、PSC−1を、エポキシ樹脂主剤と希釈剤からなる
混合物100部に対して0.5部を添加し、増感剤には
ペリレンを用いて0.3部添加した。これらを組合せ
て、可視光硬化性フッ素化樹脂組成物を作製した。実施
例1と同様にして、硬化性を調べた結果を表5に示す。
比較例として、増感剤を含まないときの硬化性を調べた
結果を表6に示す。なお、比較例の番号は実施例と対応
させた。各試料は、硬化性を調べる前にポア径0.5μ
mのフィルターでろ過した。増感剤としてペリレンの添
加により良好な可視光硬化性が得られる。
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】 (表5及び表6中、◎印は硬化した状態、〇印は硬化が開始された状態、×印は 全く硬化してない状態を示す)
【0059】実施例10及び11、比較例10及び11 エポキシ樹脂として、実施例8で用いたGLEP−6を
45部、希釈剤として、RAC−2、及びRAC−5の
2種を用意し、希釈剤の添加量を20部とした。これ
に、増粘剤として、2,2,2−トリフルオロエチルメ
タクリレートとメチルメタクリレートの60:40の共
重合体(重量平均分子量 7.5万、以下、P3F60
と略す)を用意して、添加量を35部とした。硬化剤に
は、PSC−1を、エポキシ樹脂主剤と希釈剤と増粘剤
からなる混合物100部に対して0.5部を添加し、増
感剤にはペリレンを用いて0.3部添加した。これらを
組合せて、可視光硬化性フッ素化樹脂組成物を作製し
た。実施例1と同様にして、硬化性を調べた結果を表7
に示す。比較例として、増感剤を含まないときの硬化性
を調べた結果を表8に示す。なお、比較例の番号は実施
例と対応させた。各試料は、硬化性を調べる前にポア径
0.5μmのフィルターでろ過した。増感剤としてペリ
レンの添加により良好な可視光硬化性が得られる。ま
た、増粘剤として加えたP3F60は、硬化後も相分離
することなく、均質な硬化物が得られた。
【0060】
【表7】
【0061】
【表8】 (表7及び表8中、◎印は硬化した状態、〇印は硬化が開始された状態、×印は 全く硬化してない状態を示す)
【0062】実施例12〜17 エポキシ樹脂として、実施例8で用いた、GLEP−6
とCHEP−Sを用意して、混合比を45:35とし
て、主剤とした。希釈剤として、RAC−5、および下
記式(化18):
【0063】
【化18】
【0064】で示される化合物(以下、RAC−6と略
す)、及び下記式(化19):
【0065】
【化19】
【0066】で示される化合物(以下、RAC−7と略
す)の3種を用意した。RAC−5単独、RAC−6単
独、RAC−5とRAC−7の3:2(容積比)の混合
物を希釈剤として、主剤80部に対して添加量を20部
とした。硬化剤には、PSC−1とPSC−9を用意し
て、エポキシ樹脂と希釈剤と増粘剤からなる混合物10
0部に対してPSC−1は0.5部をPSC−9は1.
5部を添加し、増感剤にはペリレンを用いて0.3部添
加した。また、ガラスとの密着性を改善する目的で、下
記式(化20):
【0067】
【化20】
【0068】で示される化合物を0.8部添加した。こ
れらを組合せて、可視光硬化性フッ素化樹脂組成物を作
製した。実施例1と同様にして、硬化性を調べた結果を
表9に示す。各試料は、硬化性を調べる前にポア径0.
5μmのフィルターでろ過した。比較のため、増感剤を
添加しないほかは同様にして試料を作製したが、可視光
での硬化性は認められなかった。増感剤としてペリレン
の添加により良好な可視光硬化性が得られる。
【0069】
【表9】 (表9中、◎印は硬化した状態、〇印は硬化が開始された状態、×印は全く硬化 してない状態を示す)
【0070】実施例18〜20 下記式(化21):
【0071】
【化21】
【0072】で示されるエポキシアクリレート樹脂(以
下、CHEPAと略す)と、下記式(化22):
【0073】
【化22】
【0074】で示されるエポキシメタクリレート樹脂
(以下、CHEPMAと略す)と、下記式(化23):
【0075】
【化23】
【0076】で示されるエポキシメタクリレート樹脂
(以下、DPEPMAと略す)の3種の硬化性の主剤を
用意した。次に、下記式(化24):
【0077】
【化24】
【0078】で示される希釈剤(以下、EGDMAと略
す)を用意した。硬化剤には、PSC−9、増感剤には
ペリレンを用いた。これらを組合せて、下記表10の各
フッ素化樹脂組成物を作製して、可視光での硬化性を調
べた。この時、各主剤と希釈剤の混合比は、90部:1
0部とし、CHEPMAとDPEPMAの混合比は、7
0部:30部とした。また、主剤と希釈剤の混合物10
0部に対して硬化剤は2部、ペリレンは0.3部の添加
量とした。各試料は、硬化性の試験の前にポア径0.5
μmのフィルターでろ過をした。硬化性試験の方法は、
実施例1と同じとした。結果を表10にまとめた。いず
れも、可視光で良好な硬化性を示し、エポキシ(メタ)
アクリレート樹脂を用いても、可視光硬化性フッ素化樹
脂組成物を構成できることがわかる。なお、実施例18
〜20と増感剤を除いたほかは同じ組成のフッ素化樹脂
組成物を作製し、同一条件で10分間光を照射したが、
硬化は認められなく、増感剤が可視光硬化性の付与に顕
著な効果を持つことがわかった。
【0079】
【表10】
【0080】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明
は、フッ素化された多官能エポキシ樹脂、及び/又は、
フッ素化された多官能エポキシ(メタ)アクリレート樹
脂を主剤として含む可視光硬化性フッ素化樹脂組成物で
あって、その特徴は、従来、紫外光でしか硬化できなか
った光学的応用のフッ素化樹脂組成物を可視光で硬化で
きるようにしたものである。このため、以下のような顕
著な技術的、経済的効果が得られる。 (1)硬化に紫外光を用いないため、照射光の遮光によ
る作業者の防護が軽微で良い。 (2)多成分ガラス、プラスチックを用いた光学部品の
作製に使用できる。 (3)熱硬化樹脂に比べて硬化速度が速く、作業効率が
良い。 (4)フッ素化した樹脂主剤を用いているため、屈折率
を石英と同等にでき、光ファイバーや石英平面型導波回
路部品の接続、接着のための部品に使用できる。
フロントページの続き (72)発明者 海老沢 文博 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 村田 則夫 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 有島 功一 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素化された多官能エポキシ樹脂、及
    び/又は、フッ素化された多官能エポキシ(メタ)アク
    リレート樹脂を含む硬化性の主剤、樹脂を硬化させるた
    めの硬化剤、及び可視光に感光性を持たせるための増感
    剤としてペリレン、あるいはその誘導体化合物を必須構
    成要素としてなることを特徴とする可視光硬化性フッ素
    化樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該樹脂組成物の粘度
    を低下させるための希釈剤、及び/又は、該樹脂組成物
    の粘度を増加させるための増粘剤を添加してなることを
    特徴とする可視光硬化性フッ素化樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、該フッ素化さ
    れた多官能エポキシ樹脂を含む硬化性の主剤が、下記一
    般式(化1)で表される式I〜式VIの化合物を少なくと
    も1つ以上含有してなることを特徴とする可視光硬化性
    フッ素化樹脂組成物。 【化1】 〔式中、Rfは下記式(化2): 【化2】 で表される基を示し、nは、0、又は任意の正数を示
    す。Yは、H、又はCH3を示す。xは、1から36の
    整数を示す。Zは、H、又はC1 〜C18のフルオロアル
    キル基を示す〕
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において、該フッ素化さ
    れた多官能エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を含む硬
    化性の主剤が、一般式(化1)中の式V又は式VIで表さ
    れる化合物を少なくとも1つ以上含有してなることを特
    徴とする可視光硬化性フッ素化樹脂組成物。
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