JPH09309941A - エポキシ樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置

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JPH09309941A
JPH09309941A JP12718096A JP12718096A JPH09309941A JP H09309941 A JPH09309941 A JP H09309941A JP 12718096 A JP12718096 A JP 12718096A JP 12718096 A JP12718096 A JP 12718096A JP H09309941 A JPH09309941 A JP H09309941A
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JP
Japan
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epoxy resin
dihydroxy
butyl
represented
resin composition
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Pending
Application number
JP12718096A
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English (en)
Inventor
Masatsugu Akiba
真継 秋庭
Yasuhiro Hirano
泰弘 平野
Akira Yokota
明 横田
Hiroshi Nakamura
宏 中村
Shigeki Naito
茂樹 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】混練作業性と成形性が良く、低吸湿性と耐熱性
と保存安定性を合わせ持ち、特別な予備反応や硬化条件
を必要とせず、特に耐パッケージクラック性に優れるエ
ポキシ樹脂組成物およびそれを用いた樹脂封止型半導体
装置を提供すること。 【解決手段】(A)フェノールノボラックと150℃にお
ける溶融粘度が1.5 ポイズ以下であるポリフェノール樹
脂との組み合わせからなる硬化剤と、(B)一般式
(1) 【化1】 (R1〜R8はそれぞれ独立に炭素数1〜6の鎖状または
環状アルキル基、水素原子またはハロゲン原子を示す。
炭素−炭素二重結合に結合している二つのアリール基は
互いに同じではない。)で表されるスチルベン系エポキ
シ樹脂の一種もしくは二種以上とを必須成分とする半導
体封止用エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いて半導
体素子を封止してなることを特徴とする樹脂封止型半導
体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、電子部品の
封止用として有用なエポキシ樹脂組成物およびそれを用
いた樹脂封止型半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSI、IC、トランジスタ等、
半導体の封止には、経済的に有用なエポキシ樹脂組成物
のトランスファーモールドが行われている。特に、最近
ではLSIの表面実装が行われており、半田浴中に直接
浸漬される場合が増えてきている。その際封止材は、20
0℃以上の高温にさらされるため、封止材中に吸湿して
いた水分が膨張し、半導体の封止パッケージにクラック
が入ったりする問題が発生する。
【0003】このためエポキシ樹脂封止材には低吸湿性
および耐クラック性の改良が求められている。現状で
は、エポキシ樹脂としてo−クレゾールノボラックのグ
リシジルエーテルを用い、硬化剤としてはフェノールノ
ボラックを用いた封止材が主流であるが、保管時に吸湿
すると上記の問題があり、これを避けるため実用上は防
湿梱包をして使用されている。これらの問題を解決する
ため、低吸湿性を得る目的から充填剤を高密度に充填で
きる低粘度のエポキシ樹脂、例えばテトラメチルビフェ
ニル骨格を有するグリシジルエーテルエポキシ樹脂が開
発、実際に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現行の封止材用樹脂、
例えばo−クレゾールノボラックのグリシジルエーテル
を主とする封止材は、耐熱性と成形性の点では一応のバ
ランスがとれているが、封止材物性としてはビフェニル
型エポキシに劣る。またビフェニル型エポキシは吸湿性
が低く表面実装用封止材として優れた物性を示すが、耐
熱性が低く、高吸湿条件下ではパッケージクラックが発
生する等、その物性は未だ十分とは言えない。
【0005】一方、スチルベン系エポキシ樹脂は非常に
優れた硬化物性を示すものの、フェノールノボラックを
硬化剤として用いた場合粘度が高く、エポキシ樹脂成分
と多量の無機充填剤との混合時や成形等の作業性に難点
がある。又、アラルキルフェノールノボラックを硬化剤
として用いた場合、優れた混練作業性を示すものの、硬
化性が低く、多量の硬化促進剤を必要とする。例えば、
4,4'-ジヒドロキ-3,3',5,5'-テトラメチルスチルベンの
グリシジルエーテル化物にアラルキルフェノールノボラ
ックを硬化剤として用いた場合、3Phr.以上の硬化促進
剤量を用し成形時の流れ性が低下する。本発明の目的
は、混練作業性と成形性が良く、低吸湿性と耐熱性と保
存安定性を合わせ持ち、特別な予備反応や硬化条件を必
要とせず、特に耐パッケージクラック性に優れるエポキ
シ樹脂組成物およびそれを用いた樹脂封止型半導体装置
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような事情に鑑み、
鋭意検討した結果、特定の構造を持つエポキシ樹脂に、
硬化剤として粘度の低いポリアラルキルフェノール樹脂
と硬化性に優れるフェノールノボラックを組み合わせた
エポキシ樹脂組成物が上記目的に合うことを見い出し本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記の
とおりである。 [1](A)フェノールノボラックと150℃における溶
融粘度が1.5 ポイズ以下であるポリフェノール樹脂との
組み合わせからなる硬化剤と、(B)一般式(1)
【0007】
【化4】 (ここで、R1〜R8はそれぞれ独立に炭素数1〜6の鎖
状または環状アルキル基、水素原子またはハロゲン原子
を示す。炭素−炭素二重結合に結合している二つのアリ
ール基は互いに同じではない。)で表されるスチルベン
系エポキシ樹脂の一種もしくは二種以上、またはこれと
一般式(2)
【0008】
【化5】 (ここで、R9〜R16はそれぞれ独立に炭素数1〜6の
鎖状または環状アルキル基、水素原子またはハロゲン原
子を示す。炭素−炭素二重結合に結合している二つのア
リール基は互いに同じである。)で表されるスチルベン
系エポキシ樹脂の一種もしくは二種以上の化合物の組合
わせからなる、融点が150℃以下のエポキシ樹脂とを必
須成分とするエポキシ樹脂組成物。 [2](A)成分である150℃における溶融粘度が1.5
ポイズ以下であるポリフェノール樹脂が、一般式(3)
【0009】
【化6】 (式中、Xは直結またはメチレン基、Qはベンゼン、ジ
シクロペンタンまたはメンタンの各残基である。)で表
される化合物である[1]記載のエポキシ樹脂組成物。
【0010】[3]一般式(1)で表わされるスチルベ
ン系エポキシ樹脂が、3-t-ブチル-2,4'-ジヒドロキシ-
3',5',6-トリメチルスチルベンまたは3-t-ブチル-4,4'-
ジヒドロキシ-3',5',6-トリメチルスチルベンのグリシ
ジルエーテル化物から選ばれるエポキシ樹脂であって、
一般式(2)で表わされるスチルベン系エポキシ樹脂
が、4,4'-ジヒドロキシ-3,3',5,5'-テトラメチルスチル
ベン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t-ブチル-6,6'-ジメ
チルスチルベン、2,2'-ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t-ブチル
-6,6'-ジメチルスチルベンまたは2,4'-ジヒドロキシ-3,
3'-ジ-t-ブチル-6,6'-ジメチルスチルベンのグリシジル
エーテル化物から選ばれるエポキシ樹脂である[1]記
載のエポキシ樹脂組成物。
【0011】[4] (A)成分、(B)成分に加えて
(C)無機充填剤を含んでなる[1]、[2]または
[3]記載のエポキシ樹脂組成物。
【0012】[5] [1]、[2]、[3]または
[4]記載のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を
封止してなることを特徴とする樹脂封止型半導体装置。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるフェノールノ
ボラックは、フェノールとホルムアルデヒドとの脱水縮
合により得られるポリフェノール樹脂である。
【0014】本発明に用いられる150℃における溶融粘
度が1.5 ポイズ以下であるポリフェノール樹脂として
は、一般式(3)で表される樹脂があげられ、それを置
換基別に具体的に例示すると、ポリアラルキルフェノー
ル樹脂、ポリジシクロペンタンフェノール樹脂、ポリメ
ンタンフェノール樹脂等があげられる。中でも製品の溶
融粘度の低さや原料の入手の容易さからポリアラルキル
フェノール樹脂が好ましい。本発明におけるポリフェノ
ール樹脂の溶融粘度が、1.5 ポイズを越えるとエポキシ
樹脂組成物の混練作業性を低下させるので好ましくな
い。本発明におけるポリフェノール樹脂の溶融粘度は、
回転式粘度計により測定されたものである。
【0015】本発明に用いられる150℃における溶融粘
度が1.5 ポイズ以下であるポリフェノール樹脂の配合割
合は、全硬化剤中の25〜75重量%であることが好まし
く、さらに好ましくは40〜60重量%である。配合量が25%
よりも少ないと混練時作業性が低下し又75%を超えると
成形性が低下する。
【0016】本発明に用いられる一般式(1)および
(2)で表されるエポキシ樹脂の置換基R1〜R15を具
体的に例示すると、それぞれメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキ
シル基(各異性体を含む)、塩素原子および臭素原子等
があげられる。中でも製品の溶融粘度の低さや原料の入
手の容易さからメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基が好ましい。
【0017】本発明で用いられる一般式(1)のエポキ
シ樹脂の原料となる、炭素−炭素二重結合に結合してい
る二つのアリール基が互いに同じではないスチルベン系
フェノール類の具体例としては、4,4'-ジヒドロキシ-3-
メチルスチルベン、4,4'-ジヒドロキシ-3-エチルスチル
ベン、4,4'-ジヒドロキシ-3-プロピルスチルベン、4,4'
-ジヒドロキシ-3-アミルスチルベン、4,4'-ジヒドロキ
シ-3-ヘキシルスチルベン、4,4'-ジヒドロキシ-2,3-ジ
メチルスチルベン、4,4'-ジヒドロキシ-2,6-ジメチルス
チルベン、4,4'-ジヒドロキシ-2,3'-ジメチルスチルベ
ン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3',5-トリメチルスチルベ
ン、4,4'-ジヒドロキシ-2',3,5-トリメチルスチルベ
ン、4,4'-ジヒドロキシ-2',3,3',5-テトラメチルスチル
ベン、4,4'-ジヒドロキシ-2',3,5,6'-テトラメチルスチ
ルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-3'-メチルスチ
ルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-5,3'-ジメチル
スチルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-3',6-ジメ
チルスチルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-5-エ
チル-3'-メチルスチルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロ
キシ-3'-メチル-5-プロピルスチルベン、3-t-ブチル-4,
4'-ジヒドロキシ-5-ブチル-3'-メチルスチルベン、3-t-
ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-5-アミル-3'-メチルスチル
ベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-5-ヘキシル-3'-
メチルスチルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-5-
シクロヘキシル-3'-メチルスチルベン、3-t-ブチル-4,
4'-ジヒドロキシ-3',5,5'-トリメチルスチルベン、3-t-
ブチル-2,4'-ジヒドロキシ-3',5',6-トリメチルスチル
ベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-3',5',6-トリメ
チルスチルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-3',5,
-ジメチル-5'-プロピルスチルベン、3-t-ブチル-4,4'-
ジヒドロキシ-3',6,-ジメチル-5'-プロピルスチルベン
等(置換位置の異なる異性体を含む)が例示できるが、
合成の容易さ、性能、原料の価格の面から3-t-ブチル-
4,4'-ジヒドロキシ-3',5,5'-トリメチルスチルベン、3-
t-ブチル-2,4'-ジヒドロキシ-3',5',6-トリメチルスチ
ルベン、3-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ-3',5',6-トリ
メチルスチルベンが特に好ましい。
【0018】一般式(2)のエポキシ樹脂の原料となる
スチルベン系フェノール類の具体例としては、4,4'- ジ
ヒドロキシ-3,3'-ジメチルスチルベン、3,3'- ジエチル
-4,4'-ジヒドロキシスチルベン、4,4'- ジヒドロキシ-
3,3'-ジプロピルスチルベン、3,3'- ジアミル-4,4'-ジ
ヒドロキシスチルベン、3,3'- ジヘキシル-4,4'-ジヒド
ロキシスチルベン、3,3'- ジシクロヘキシル-4,4'-ジヒ
ドロキシスチルベン、2,2'- ジヒドロキシ-3,3',5,5'-
テトラメチルスチルベン、4,4'- ジヒドロキシ-3,3',5,
5'- テトラメチルスチルベン、4,4'- ジヒドロキシ-3,
3'-ジ-t- ブチルスチルベン、4,4'- ジヒドロキシ-3,3'
-ジ-t- ブチル-5,5'-ジメチルスチルベン、4,4'- ジヒ
ドロキシ-3,3'-ジ-t- ブチル-6,6'-ジメチルスチルベ
ン、2,2'- ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t- ブチル-6,6'-ジメ
チルスチルベン、2,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t- ブチ
ル-6,6'-ジメチルスチルベン、4,4'- ジヒドロキシ-3,
3',5,5'-テトラ-t- ブチルスチルベン等(置換位置の異
なる異性体を含む)が例示できるが、中でも合成の容易
さ、性能、原料の価格の面から2,2'- ジヒドロキシ-3,
3',5,5'- テトラメチルスチルベン、4,4'- ジヒドロキ
シ-3,3',5,5'- テトラメチルスチルベン、4,4'- ジヒド
ロキシ-3,3'-ジ-t- ブチル-5,5'-ジメチルスチルベン、
4,4'- ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t- ブチル-6,6'-ジメチル
スチルベン、2,2'- ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t- ブチル-
6,6'-ジメチルスチルベン、2,4'- ジヒドロキシ-3,3'-
ジ-t- ブチル-6,6'-ジメチルスチルベンが特に好まし
い。
【0019】本発明で用いるエポキシ樹脂は、フェノー
ル類をグリシジルエーテル化する周知の方法によって得
ることができる。つまり、フェノール類とエピハロヒド
リンとを、苛性ソーダ等のアルカリの存在下で反応させ
る方法である。特に、高純度品を得る場合には、特開昭
60-31517号の様に、非プロトン性溶媒下の反応が好適で
ある。一般式(1)および(2)の様なスチルベン骨格
を持つエポキシ樹脂を合成するには公知の方法が用いら
れる。例えば、合成法の一例を説明すると、二種類以上
のフェノール類とクロロアセトアルデヒド類(クロロア
セトアルデヒド、クロロアセトアルデヒド水溶液、クロ
ロアセトアルデヒドのアセタール類、クロロアセトアル
デヒドのトリオキサン型三量体等)とを酸性物質の存在
下に反応させ、続いて脱塩酸/転位反応を行うことによ
りスチルベン骨格を有するフェノール化合物を合成する
ことができる。このフェノール化合物を塩基性物質の存
在下、エピハロヒドリンと反応させることにより目的の
エポキシ樹脂が得られる。一般式(1)のエポキシ樹脂
の合成を試みると、通常、一般式(1)のエポキシ樹脂
の他に一般式(2)のエポキシ樹脂との混合物が生成す
る。例えばXとYの二種類のフェノール化合物を出発原
料とした場合、X−CH=CH−X、X−CH=CH−
Y、Y−CH=CH−Yの三種類の基本骨格を持つスチ
ルベン化合物が得られる。一般式(1)で表される、炭
素−炭素二重結合に結合している二つのアリール基が互
いに同じではないスチルベン系エポキシ樹脂とは、X−
CH=CH−Yのスチルベン骨格で示される様に、炭素
−炭素二重結合に連結するベンゼン環の置換基の位置と
種類が、それぞれのベンゼン環で全てが同一でない場合
を示す。本発明では一般式(1)に相当するX−CH=
CH−Yのスチルベン骨格を持ち、かつ分子内に互いに
同じではないアリール基を持つエポキシ樹脂を含むこと
が必須である。そうでないと十分にエポキシ樹脂組成物
の融点を低下させることができず、作業性を改善させる
ことができない。そしてまた、出発原料のフェノール類
が三種類以上の組合わせにおいても同様である。例え
ば、フェノール類がX、Y、Zの場合ではX−CH=C
H−X、X−CH=CH−Y、X−CH=CH−Z、Y
−CH=CH−Y、Y−CH=CH−Z、Z−CH=C
H−Zのスチルベン基本骨格を持つ化合物の生成が考え
られるが、この場合ではX−CH=CH−Y、X−CH
=CH−Z、Y−CH=CH−Zのスチルベン骨格を持
つエポキシ樹脂を少なくとも一種以上を含む、一般式
(1)に相当する化合物を含むことが必須である。以
下、出発原料のフェノール類が四種類以上になっても同
様である。
【0020】本発明で用いられるエポキシ樹脂は、一般
式(1)のエポキシ樹脂一種以上のみ、またはこれと一
般式(2)のエポキシ樹脂の一種以上との混合物であ
る。(ア)一般式(1)のエポキシ樹脂一種以上と
(イ)一般式(2)のエポキシ樹脂一種以上の(ア)+
(イ)の合計重量に対し、(ア)の成分は通常1重量%
以上が使用され、好ましくは10重量%以上が使用され
る。(ア)の成分の含量がこの範囲以下であるとエポキ
シ樹脂組成物の融点が上昇して他の成分との混合時の作
業性に劣る傾向がある。使用する目的に応じてエポキシ
樹脂組成物の融点を下げる必要のある場合には(ア)成
分の含量を上げ、融点を上げる必要のある時は(ア)成
分の含量を下げると良い。また、本発明では(ア)に相
当する成分と(イ)に相当する成分をそれぞれ別に合成
しておき、混合して使用しても良い。本発明で用いられ
るエポキシ樹脂の融点が150 ℃を越えるものは、混練作
業性が悪く、好ましくない。
【0021】本発明の組成物においては、エポキシ樹脂
として上記エポキシ樹脂と他のエポキシ樹脂を併用して
もよい。これらのエポキシ樹脂としては、公知の物を使
用することができるが、これらについて例示すると、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ハイドロキノン、
レゾルシン、ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メンタン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ジシクロペンタン、4,4'−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シク
ロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、4,4'−ジヒドロキシビフ
ェニル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3',5,5'−テトラメチ
ルビフェニル、ビス(ヒドロキシナフチル)メタン、1,
1'−ビナフトール、1,1'−ビス(3−t−ブチル−6−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン等の二価フェノ
ール類から誘導されるグリシジルエーテル化合物または
テトラブロムビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェ
ノール類から誘導されるジグリシジルエーテル化合物、
【0022】フェノール、o−クレゾール、カテコール
等のフェノール類やヒドロキシナフタレン、ジヒドロキ
シナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド等の
アルデヒド類との反応生成物であるポリフェノール系や
ポリナフトール系ノボラック樹脂類、フェノール、クレ
ゾール、メチル−t-ブチルフェノール等のフェノール類
とヒドロキシベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒド類
との縮合により得られたトリチル骨格含有ポリフェノー
ル類、トリチル骨格含有ポリフェノール類とホルムアル
デヒド類との反応生成物であるトリチル骨格含有ポリフ
ェノール系ノボラック類、フェノール、o−クレゾー
ル、カテコール等のフェノール類やヒドロキシナフタレ
ン、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とキシリ
レンジクロリドやビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン等
類との反応生成物であるポリアラルキルフェノール樹脂
類やポリアラルキルナフトール樹脂類、フェノール、o
−クレゾール、カテコール等のフェノール類やヒドロキ
シナフタレン、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール
類と、ジシクロペンタジエンやリモネン等の不飽和脂環
式炭化水素類との反応生成物である脂環式炭化水素含有
ポリフェノール樹脂類やポリナフトール樹脂類、脂環式
炭化水素含有ポリフェノール樹脂類やポリナフトール樹
脂類とホルムアルデヒド類との反応生成物である脂環式
炭化水素含有ポリフェノールノボラック樹脂類やポリナ
フトールノボラック樹脂類、フェノール類やナフトール
類と芳香族カルボニル化合物との縮合反応により得られ
る多価フェノールや多価ナフトール類のグリシジルエー
テル化合物類、フロログリシン、トリス(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1,2,2,−テトラキス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,3−ビス〔ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔ビス(4
−ヒドロキシフェニル)メチル〕ベンゼン等を基本骨格
とする三価以上のフェノール類や、カリクサレン等の環
状フェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化合
物等、
【0023】p−アミノフェノール、m−アミノフェノ
ール、4−アミノメタクレゾール、6−アミノメタクレゾ
ール、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノ
ジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−
アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロ
パン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、
p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、1,
4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1,3−シクロ
ヘキサンビス(メチルアミン)、N,N−ジグリシジル
アニリン等から誘導されるアミン系エポキシ樹脂、
【0024】p−オキシ安息香酸、m−オキシ安息香
酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族カルボン酸
から誘導されるグリシジルエステル系化合物、5,5−ジ
メチルヒダントイン等から誘導されるヒダントイン系エ
ポキシ化合物、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)プロパン、2,2−ビス〔4−(2,3−エポキシプロピ
ル)シクロヘキシル〕プロパン、ビニルシクロヘキセン
ジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂
環式エポキシ樹脂、ポリブタジエン等の不飽和炭化水素
化合物中の二重結合を酸化して得られる脂肪族エポキシ
樹脂等があり、これらのエポキシ樹脂の一種または二種
以上が使用される。
【0025】エポキシ樹脂に対するエポキシ硬化剤の配
合割合は、0.7〜1.2当量が良く、さらには当量配
合が好ましい。これらの配合が当量配合から極端にずれ
ると、耐湿性、硬化性等が低下するので好ましくない。
【0026】本発明の樹脂組成物を硬化させる場合、公
知の硬化促進剤を用いてもよい。このような硬化促進剤
について例示すると、トリフェニルホスフィン、トリ−
4−メチルフェニルホスフィン、トリ−4−メトキシフェ
ニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチル
ホスフィン、トリ−2−シアノエチルホスフィン等の有
機ホスフィン化合物およびこれらのテトラフェニルボレ
ート塩、トリブチルアミン、トリエチルアミン、1,8−
ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリアミルアミ
ン等の三級アミン、塩化ベンジルトリメチルアンモニウ
ム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、トリエチ
ルアンモニウムテトラフェニルボレート等の四級アンモ
ニウム塩、イミダゾール類等が例示されるが、これらに
限定されるものではない。これらの中でも、有機ホスフ
ィン化合物、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7、イミダゾール類が耐湿性及び硬化性の点から好まし
く、中でもトリフェニルホスフィンが特に好ましい。
【0027】また、本発明の樹脂組成物における(C)
成分である無機充填材としては、シリカ、アルミナ、チ
タンホワイト、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、
ガラス繊維等が挙げられ、特にシリカ及びアルミナが好
ましい。これらは、その形状(球状あるいは破砕型)、
または大きさの異なるものを混合して充填量を増して使
用することもできる。 無機充填材の配合割合は、樹脂
組成物全量中の25〜95重量%であることが必要であり、
好ましくは70〜95重量%であり、さらに好ましくは80〜
95重量%である。充填剤量が80重量%より少ない場合耐
湿性に劣り、また、95重量%を越える場合は成形性に問
題を生ずる。
【0028】球状粉末の形状は鋭利な角を持たないアス
ペクト比1.0〜1.2の実質的な球形であれば良い。
溶射法やゾル−ゲル法で作製された市販球状シリカ粉末
程度の球形度を持つものが好ましいが、これらより真球
に近い物はさらに好ましい。また、球形化処理が困難な
場合には微粉末化してからメカノケミカル的手法により
バインダを加えて球形化することによっても球状粉末が
得られる。
【0029】破砕状粉末の形状は角を持つ多面体等の異
形体であれば良い。中でも合成あるいは天然の石英塊を
粉砕して得られる非晶性または結晶性の石英破砕状粉末
が適し、具体的には溶融破砕シリカ等が好適である。
【0030】本発明で用いる球状粉末は任意のものを使
用できるが、一例としてx、y、z成分の三群からなる
場合で説明する。x、y、z成分はそれぞれ平均粒径
0.1μm以上1.5μm以下、平均粒径2μm以上1
5μm以下、平均粒径20μm以上70μm以下であ
り、それぞれ平均粒径0.1μm以上1.0μm以下、
平均粒径2μm以上10μm以下、平均粒径20μm以
上50μm以下であればさらに好ましい。平均粒径0.
1μm未満の粉末を用いると、粒子同士の凝集のために
樹脂組成物への均一な分散が困難となって流れ性が損な
われることがあり、平均粒径が70μmを超えるものは
半導体素子の微細部分への充填が困難となるので好まし
くない。x、y、z成分のそれぞれの平均粒径値が上記
範囲を外れると、樹脂組成物の流れ性が減少するので好
ましくない。本発明で用いる各球状粉末の粒径分散は狭
い方が好ましく、さらには単一分散に近いものが適して
いる。このためx、y、z成分共に分級操作で粒径を揃
える操作を行ったものを使用することが好ましい。な
お、上記説明での平均粒径とはレーザー散乱粒度分布計
等の粒度分布測定装置を用いて粒子径分布を測定した場
合の、重量累積50%の時の粒径値で定義される。
【0031】球状粉末x、y、z成分の配合比は、xと
yとz成分の計算上の合計体積に対するx、y、z成分
の体積の割合はそれぞれ10体積%以上24体積%以
下、0.1体積%以上66体積%以下、24体積%以上
76体積%以下が良いが、それぞれ10体積%以上24
体積%以下、0.1体積%以上36体積%以下、57体
積%以上76体積%以下がさらに良く、それぞれ10体
積%以上20体積%以下、4体積%以上30体積%以
下、60体積%以上76体積%以下であればさらに好ま
しい。この範囲以外では樹脂組成物の流れ性は低下す
る。
【0032】本発明での上記の体積%の記載はx、y、
z成分のそれぞれの重量を各成分の真比重で割った値を
それぞれの成分の体積として計算したものである。一般
に、粒子径分布を持つ粒子の見掛けの体積は、測定容器
への充填の仕方、異種の粒子の集合体を混合する場合に
はその混合の前後等で変化する。従って、上記説明では
粒子集合体の各成分の体積%の計算に見掛けの体積を使
用していない。
【0033】本発明で使用される破砕状粉末(m成分)
は平均粒径が1μm以上70μm以下、好ましくは1μ
m以上30μm以下のものが用いられる。破砕状粉末
(m成分)の配合比は球状粉末成分および破砕状粉末m
成分の合計重量に対するm成分の重量の割合が1重量%
以上30重量%以下で使用することが好ましい。配合量
がこの範囲未満であると樹脂の種類、封止装置や金型の
形状によって発生するバリやフラッシュ(樹脂分の滲み
出しによる樹脂薄膜)の低減効果に乏しく、この範囲を
超えると樹脂組成物の流れ性が低下する。
【0034】本発明で使用する充填材は予め十分混合し
ておくことが好ましい。具体的には回転翼や空気を利用
するミキサーやコニーダー等の装置、容器を振動、震
盪、回転させる装置等を用いて混合することができる。
充填材が十分混練されているかどうかの判定には異なる
場所でのサンプルの粒度分布を測定し、それらが実質的
に同一であるかどうかを調べると良い。また、必要に応
じて充填材をカップリング剤や樹脂で予め処理して用い
ても良い。処理の方法としては溶媒を用いて混合した後
に溶媒を留去する方法や、直接充填材に配合し、混合機
を用いて処理する方法がある。
【0035】本発明において、その他必要に応じて天然
ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩
類、若しくはパラフィン等の離型剤あるいはカーボンブ
ラックのような着色剤、さらに、シランカップリング剤
等の表面処理剤等を添加してもよい。また、三酸化アン
チモン、リン化合物、ブロム化エポキシ樹脂等の難燃剤
を加えてもよい。難燃効果を出すためには、ブロム化エ
ポキシ樹脂が特に好ましい。
【0036】また、低応力化するには、各種エラストマ
ーを添加またはあらかじめ反応して用いてもよい。具体
的には、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体、シリコーンゴム、シリコーンオイル等の添
加型あるいは反応型のエラストマー等があげられる。
【0037】本発明による樹脂組成物を用いて半導体
等、電子部品を封止し、樹脂封止型半導体装置を製作す
るには、トランスファーモールド、コンプレッションモ
ールド、インジェクションモールド等の従来から公知の
成形法により硬化成形すればよい。
【0038】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。例中、エポキシ当量と
は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量で定
義される。また、加水分解性塩素とは、エポキシ樹脂を
ジオキサンに溶解し、水酸化カリウムのアルコール溶液
を加え、還流状態で30分加熱したときに脱離する塩素イ
オンを硝酸銀水溶液で逆滴定し、該化合物中のppmで
表したものである。
【0039】混練物、硬化成形物の評価は、以下のとお
りである。 ・バーコール硬度: ASTM D-648に従い、935型硬度計
にて175℃/90秒の条件で測定した。 ・ガラス転移温度(Tg )、線膨張係数(α1 ): 熱
機械的分析装置(SHIMADZU TMA-30M )を用いて測定し
た。 ・吸水率: 恒温恒湿槽(アドバンテック東洋 AGX-32
6)を用い、85℃/85%RHの条件で重量変化を測定した。 ・スパイラルフロー: EMMI-1-66に準じて175℃/70kg/
cm2の条件で行った。 ・半田耐熱性: 模擬IC( 52ピンQFPパッケージ:パッ
ケージ厚さ2.05mm)を85℃/85%RHの条件にて吸湿させ
た後、直ちに240℃のハンダ浴に30秒浸漬した後のクラ
ックの発生したICの個体数。試験個体数10個
【0040】参考例1 原料フェノールの合成−1 温度計、撹拌機、コンデンサーを備えた2リットル四ツ
口フラスコに2,6−キシレノール(以下26XYと略
す。)195.5g(0.16mol)と3M6B(2
−t−ブチル−5−メチルフェノール)65.7g(0.
4mol)、45%クロロアセトアルデヒド水溶液17
4.4g(1.0mol)および酢酸376gを仕込
み、撹拌、溶解し、5℃まで冷却した。次に、濃硫酸1
22g(1.2mol)を酢酸84gに混合した溶液を
10℃にて3時間かけて滴下、その後25℃で6時間反
応系を保温し、終夜室温で撹拌を続けた。系の温度を5
℃まで冷却し、析出した結晶を濾別した。結晶を500
gの水で6回洗浄し、その後40℃にて8時間真空乾燥
し、淡紫色結晶268gを得た。
【0041】参考例2 原料フェノールの合成−2 温度計、撹拌機、コンデンサーの付いた2リットル四ツ
口フラスコに48.3%苛性ソーダ水溶液245.2g
とN−メチルピロリドン552gを仕込み、内部を窒素
で置換した。窒素シール下、溶液を140℃まで昇温し
た。参考例1で得られたフェノール中間体225.6g
及びN−メチルピロリドン676gの溶液を140℃×
1.5時間で滴下し、同温度で2時間保温した。その後
反応系を60℃まで冷却し、濃塩酸226gで中和し
た。減圧下に溶媒を回収してから、反応混合物をイオン
交換水1000gに排出し、析出した結晶を濾別した。
結晶をイオン交換水1000g×3回で洗浄後、80℃
で8時間真空乾燥を行い黄色結晶190gを得た。
【0042】参考例3 エポキシの合成 参考例2で得られた原料フェノール100gを温度計、
撹拌機、滴下漏斗、分離管付きコンデンサーの付いた反
応容器に仕込み、エピクロルヒドリン485.6g、ジ
メチルスルホキシド243.1gに溶解した。反応系内
を43torrに保ちながら、温度48℃で、48.3
%苛性ソーダ61.71gを5時間で連続的に滴下し
た。 この間、温度は48℃に保ちながら、共沸するエ
ピクロルヒドリンと水を冷却液化し、有機層を反応系内
に戻しながら反応させた。反応終了後に、未反応エピク
ロルヒドリンを減圧濃縮により除去し、副生塩とジメチ
ルスルホキシドを含むグリシジルエーテルをメチルイソ
ブチルケトン644gに溶解させ、副生塩とジメチルス
ルホキシドを水洗により除去した。その後160℃、1
0torrにてメチルイソブチルケトンを減圧留去し目
的物を得た(XMCC−20Eとする)。このものの融
点は110〜130℃、エポキシ当量は208g/e
q、加水性分解性塩素は170ppmであった。また、
溶融粘度は150℃で0.1ポイズであった。
【0043】参考例4 エポキシの合成 参考例1の場合で26XYと略す195.5g(0.1
6mol)と3M6B65.7g(0.4mol)gの代
わりに26XY122.2g(1.0mol)と3M6
B164.3g(1.0mol)gを用いた他は全く同
じ操作を行い、参考例4の場合と同様にエポキシ化を行
って目的物を得た(XMCC−50Eとする)。このも
のの融点は45℃、エポキシ当量は226g/eq、加
水性分解性塩素は170ppmであった。また、溶融粘
度は150℃で0.2ポイズであった。
【0044】参考例5 エポキシの合成 参考例1の場合で26XYと略す195.5g(0.1
6mol)と3M6B65.7g(0.4mol)gの代
わりに26XY91.7g(0.75mol)と3M6
B164.3g(1.25mol)gを用いた他は全く
同じ操作を行い、参考例4の場合と同様にエポキシ化を
行って目的物を得た(XMCC−62.5Eとする)。
このものの融点は105〜125℃、エポキシ当量は2
30g/eq、加水性分解性塩素は180ppmであっ
た。また、溶融粘度は150℃で0.4ポイズであっ
た。
【0045】実施例1〜3および比較例1〜3 エポキシ樹脂として参考例3〜5で得られたグリシジル
エーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,
5’−テトラメチルビフェニルのグリシジルエーテル
(住友化学工業製)、硬化剤としてアラルキルフェノー
ル(商品名ミレックスXL-335-3.5L、三井東圧化学製)
フェノールノボラック(商品名タマノル758、荒川化学
工業製)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン、
充填材として溶融シリカ(シリカのグレードおよび配合
は下記に示す)、離型剤としてカルナバワックス、カッ
プリング剤(商品名SH-6040 東レダウコーニングシリ
コーン製)を表1に示した量(g)で配合し、ロールで
加熱混練後トランスファー成形を行った。さらに、180
℃オーブン中で、5時間ポストキュアーを行い、硬化成
形物を得た。 この硬化成形物の物性を測定した。その
結果を表1に示す。
【0046】溶融シリカのグレードと配合 1、商品名FS−20:破砕状シリカ(平均粒径5.6
μm)電気化学工業(株)100重量部 2、商品名アドマファインSO-C2:球状シリカ(平均粒
径0.4μm)(株)アドマテック108重量部 3、商品名シスナスター MK-06 :球状シリカ(平均粒
径4.9μm)日本化学工業(株)180重量部 4、商品名エクセリカSE-40 :球状シリカ(平均粒径4
0.4μm)徳山曹達(株)612重量部 を配合した混合シリカを表1のシリカとして使用した。
(エポキシ+硬化剤):(シリカ)=1:9(重量比)
の割合で使用した。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明のスチルベン系エポキシ樹脂組成
物は、溶融粘度の低いポリフェノール樹脂と硬化性に優
れるフェノールノボラックを硬化剤として使用している
ため、従来のスチルベン系エポキシ樹脂組成物と比較し
て混練作業性と成形性に優れ、取扱いの上で利便性があ
る。そして電子部品の封止用材料として、より優れた吸
湿性と耐熱性を有する。また、この樹脂組成物を用いて
なる樹脂封止型半導体装置は特に耐ハンダクラック性に
優れ、長期吸水後の条件でもパッケージクラックは全く
発生しない。この様に本発明では従来の封止材の成形条
件、作業性を損なうことなく信頼性の優れる材料を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/31 H01L 23/30 R // C08G 61/02 NLF (72)発明者 中村 宏 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 内藤 茂樹 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)フェノールノボラックと150℃にお
    ける溶融粘度が1.5 ポイズ以下であるポリフェノール樹
    脂との組み合わせからなる硬化剤と、(B)一般式
    (1) 【化1】 (ここで、R1〜R8はそれぞれ独立に炭素数1〜6の鎖
    状または環状アルキル基、水素原子またはハロゲン原子
    を示す。炭素−炭素二重結合に結合している二つのアリ
    ール基は互いに同じではない。)で表されるスチルベン
    系エポキシ樹脂の一種もしくは二種以上、またはこれと
    一般式(2) 【化2】 (ここで、R9〜R16はそれぞれ独立に炭素数1〜6の
    鎖状または環状アルキル基、水素原子またはハロゲン原
    子を示す。炭素−炭素二重結合に結合している二つのア
    リール基は互いに同じである。)で表されるスチルベン
    系エポキシ樹脂の一種もしくは二種以上の化合物の組合
    わせからなる融点が150℃以下のエポキシ樹脂とを必須
    成分とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分における150℃における溶融粘
    度が1.5 ポイズ以下であるポリフェノール樹脂が、一般
    式(3) 【化3】 (式中、Xは直結またはメチレン基、Qはベンゼン、ジ
    シクロペンタンまたはメンタンの各残基である。)で表
    される化合物である請求項1記載のエポキシ樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】一般式(1)で表わされるスチルベン系エ
    ポキシ樹脂が、3-t-ブチル-2,4'-ジヒドロキシ-3',5',6
    -トリメチルスチルベンまたは3-t-ブチル-4,4'-ジヒド
    ロキシ-3',5',6-トリメチルスチルベンのグリシジルエ
    ーテル化物から選ばれるエポキシ樹脂であって、一般式
    (2)で表わされるスチルベン系エポキシ樹脂が、4,4'
    -ジヒドロキシ-3,3',5,5'-テトラメチルスチルベン、4,
    4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t-ブチル-6,6'-ジメチルスチ
    ルベン、2,2'-ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t-ブチル-6,6'-ジ
    メチルスチルベンまたは2,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジ-t-
    ブチル-6,6'-ジメチルスチルベンのグリシジルエーテル
    化物から選ばれるエポキシ樹脂である請求項1記載のエ
    ポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(A)成分、(B)成分に加えて(C)無
    機充填剤を含んでなる請求項1、2または3記載のエポ
    キシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4記載のエポキシ
    樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特
    徴とする樹脂封止型半導体装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002121263A (ja) * 2000-10-17 2002-04-23 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002121263A (ja) * 2000-10-17 2002-04-23 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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