JPH09309709A - 亜酸化窒素の製造方法 - Google Patents
亜酸化窒素の製造方法Info
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- JPH09309709A JPH09309709A JP13164696A JP13164696A JPH09309709A JP H09309709 A JPH09309709 A JP H09309709A JP 13164696 A JP13164696 A JP 13164696A JP 13164696 A JP13164696 A JP 13164696A JP H09309709 A JPH09309709 A JP H09309709A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】アンモニア酸化法において、NOx の副生が少
なく、また高濃度の亜酸化窒素を高収率で製造する方法
を提供する。 【解決手段】水蒸気の存在下、アンモニアを酸素で酸化
して亜酸化窒素を製造する方法において、アンモニアに
対する酸素のモル比が1以上、かつ、アンモニアの転化
率が80〜98%となるように反応させることを特徴と
するNOxの副生が少ない亜酸化窒素の製造方法。。
なく、また高濃度の亜酸化窒素を高収率で製造する方法
を提供する。 【解決手段】水蒸気の存在下、アンモニアを酸素で酸化
して亜酸化窒素を製造する方法において、アンモニアに
対する酸素のモル比が1以上、かつ、アンモニアの転化
率が80〜98%となるように反応させることを特徴と
するNOxの副生が少ない亜酸化窒素の製造方法。。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は亜酸化窒素の製造方
法に関する。詳しくは、アンモニアを水蒸気の存在下に
酸素で酸化してNOxの副生が少ない亜酸化窒素を製造
する方法に関する。亜酸化窒素は麻酔ガスやロケット燃
料用支燃剤あるいは半導体洗浄剤として有用な化合物で
ある。
法に関する。詳しくは、アンモニアを水蒸気の存在下に
酸素で酸化してNOxの副生が少ない亜酸化窒素を製造
する方法に関する。亜酸化窒素は麻酔ガスやロケット燃
料用支燃剤あるいは半導体洗浄剤として有用な化合物で
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、亜酸化窒素の製造方法としては、
(a) アンモニア酸化法、(b) 硝酸アンモニウム分解法、
(c) スルファミン酸と硝酸との反応による方法等が知ら
れている。この内、アンモニア酸化法(a) は原料が安価
なアンモニアと酸素であり、また、高収率が得られるた
めに工業的には好ましい方法である。
(a) アンモニア酸化法、(b) 硝酸アンモニウム分解法、
(c) スルファミン酸と硝酸との反応による方法等が知ら
れている。この内、アンモニア酸化法(a) は原料が安価
なアンモニアと酸素であり、また、高収率が得られるた
めに工業的には好ましい方法である。
【0003】この方法は酸素あるいは空気を使用して金
属酸化物触媒上でアンモニアを200〜500 ℃で酸化し、
亜酸化窒素を製造する方法であり、使用する触媒は劣化
することが知られている。この対策として、触媒の再生
方法(特公昭30−1225号)が提案されている。ま
た、触媒調製時の硝酸アンモニウムを完全に洗浄して劣
化しにくい実用的な触媒調製方法(工業化学雑誌、64、
11、1879(1961))等が知られている。
属酸化物触媒上でアンモニアを200〜500 ℃で酸化し、
亜酸化窒素を製造する方法であり、使用する触媒は劣化
することが知られている。この対策として、触媒の再生
方法(特公昭30−1225号)が提案されている。ま
た、触媒調製時の硝酸アンモニウムを完全に洗浄して劣
化しにくい実用的な触媒調製方法(工業化学雑誌、64、
11、1879(1961))等が知られている。
【0004】反応は通常、アンモニア―酸素系において
爆発領域を避けるためにアンモニアの濃度が10vol
%以下になるように酸素で希釈して反応が行われる。し
かし、この方法をそのまま実施しても未反応の酸素が存
在するので反応器出口の亜酸化窒素濃度は数%にすぎな
い。そこで、酸素濃度を80vol%以上使用し、その
反応生成ガスを循環し、アンモニアだけを分割供給する
方法(特公昭46−33210号)が提案されている
が、この場合における反応器出口の亜酸化窒素濃度も4
0vol%程度が得られているに過ぎないだけでなく、
NOx(主としてNOとNO2)の副生量は数%に達す
る。
爆発領域を避けるためにアンモニアの濃度が10vol
%以下になるように酸素で希釈して反応が行われる。し
かし、この方法をそのまま実施しても未反応の酸素が存
在するので反応器出口の亜酸化窒素濃度は数%にすぎな
い。そこで、酸素濃度を80vol%以上使用し、その
反応生成ガスを循環し、アンモニアだけを分割供給する
方法(特公昭46−33210号)が提案されている
が、この場合における反応器出口の亜酸化窒素濃度も4
0vol%程度が得られているに過ぎないだけでなく、
NOx(主としてNOとNO2)の副生量は数%に達す
る。
【0005】アンモニア酸化法(a) において、水蒸気を
共存させてアンモニアを酸化する方法が知られている。
この方法によれば、(1) 活性の劣化がないこと、(2) 水
蒸気を水に凝縮するだけで80%以上の高濃度の亜酸化
窒素を得る事ができること、(3) 酸素あるいは窒素で爆
発限界を避ける方法に比べ安全領域が大きくより安全に
運転できること、(4) 水蒸気の熱容量が窒素や酸素より
も大きいため反応の温度制御が容易であるという長所が
ある(特開平5−58607号)。
共存させてアンモニアを酸化する方法が知られている。
この方法によれば、(1) 活性の劣化がないこと、(2) 水
蒸気を水に凝縮するだけで80%以上の高濃度の亜酸化
窒素を得る事ができること、(3) 酸素あるいは窒素で爆
発限界を避ける方法に比べ安全領域が大きくより安全に
運転できること、(4) 水蒸気の熱容量が窒素や酸素より
も大きいため反応の温度制御が容易であるという長所が
ある(特開平5−58607号)。
【0006】また、上記の方法においてNOxの副生が
少ない方法として、反応器の供給口における酸素/アン
モニアのモル比が0.5〜1.5になるように酸素およ
びアンモニアを反応器へ供給する方法(特開平6−12
2505号)、および反応帯域の圧力を0.8〜10k
g/cm2-Gで反応を行うことを特徴とする方法(特開
平6−122507号)が知られている。これらの方法
においてはNOxの副生量は数10〜100ppm程度
であり、酸素で希釈する方法と比較してNOxの副生量
は少ない。
少ない方法として、反応器の供給口における酸素/アン
モニアのモル比が0.5〜1.5になるように酸素およ
びアンモニアを反応器へ供給する方法(特開平6−12
2505号)、および反応帯域の圧力を0.8〜10k
g/cm2-Gで反応を行うことを特徴とする方法(特開
平6−122507号)が知られている。これらの方法
においてはNOxの副生量は数10〜100ppm程度
であり、酸素で希釈する方法と比較してNOxの副生量
は少ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】水蒸気の存在下アンモ
ニアを酸化することにより亜酸化窒素を製造する方法に
おいて、触媒のコストは比較的大きいため触媒の利用効
率を高める必要がある。この場合、空間速度を大きくす
る必要があるが、同じ反応温度で空間速度を大きくした
場合、アンモニア転化率は低下してしまい十分な効果が
得られない。また、上記方法は窒素または酸素等で希釈
する方法と比較して触媒活性の劣化は小さいものの、長
時間使用することにより徐々に活性の低下が起きる。こ
れら2つの問題はいずれも反応温度を高くすることによ
り、解決することができる。
ニアを酸化することにより亜酸化窒素を製造する方法に
おいて、触媒のコストは比較的大きいため触媒の利用効
率を高める必要がある。この場合、空間速度を大きくす
る必要があるが、同じ反応温度で空間速度を大きくした
場合、アンモニア転化率は低下してしまい十分な効果が
得られない。また、上記方法は窒素または酸素等で希釈
する方法と比較して触媒活性の劣化は小さいものの、長
時間使用することにより徐々に活性の低下が起きる。こ
れら2つの問題はいずれも反応温度を高くすることによ
り、解決することができる。
【0008】しかしながら、反応温度を高くするとNO
xの副生量も多くなり、その除去コストは多大となる。
NOxは毒性が強いため徹底的に除去する必要があり、
例えば、亜酸化窒素を医療用として使用するには亜酸化
窒素中のNOx含有量は0.1ppm以下まで除去する必
要がある。NOx の副生量が多いという事は経済性を損
なう大きな要因であり、空間速度を大きくし反応温度を
高めることは触媒の利用効率は高まるが副生NOx量が
増加し有利でない。アンモニア酸化法において、NOx
の副生が少なく、また高濃度の亜酸化窒素を高収率で製
造する方法が望まれている。
xの副生量も多くなり、その除去コストは多大となる。
NOxは毒性が強いため徹底的に除去する必要があり、
例えば、亜酸化窒素を医療用として使用するには亜酸化
窒素中のNOx含有量は0.1ppm以下まで除去する必
要がある。NOx の副生量が多いという事は経済性を損
なう大きな要因であり、空間速度を大きくし反応温度を
高めることは触媒の利用効率は高まるが副生NOx量が
増加し有利でない。アンモニア酸化法において、NOx
の副生が少なく、また高濃度の亜酸化窒素を高収率で製
造する方法が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】アンモニアを酸素により
酸化する際に水蒸気を共存させて亜酸化窒素を製造する
方法において、触媒の利用効率を高くし、かつ、NOx
副生量を抑制する方法を鋭意検討した結果、本発明を完
成したものである。すなわち、本発明は水蒸気の存在
下、アンモニアを酸素で酸化して亜酸化窒素を製造する
方法において、アンモニアに対する酸素のモル比が1以
上、かつ、アンモニアの転化率が80〜98%となるよ
うに反応させることを特徴とするNOxの副生が少ない
亜酸化窒素の製造方法である。
酸化する際に水蒸気を共存させて亜酸化窒素を製造する
方法において、触媒の利用効率を高くし、かつ、NOx
副生量を抑制する方法を鋭意検討した結果、本発明を完
成したものである。すなわち、本発明は水蒸気の存在
下、アンモニアを酸素で酸化して亜酸化窒素を製造する
方法において、アンモニアに対する酸素のモル比が1以
上、かつ、アンモニアの転化率が80〜98%となるよ
うに反応させることを特徴とするNOxの副生が少ない
亜酸化窒素の製造方法である。
【0010】
【発明実施の形態】本発明で使用する触媒は、アンモニ
ア酸化用触媒として知られている公知の触媒を使用する
ことができる。驚くべきことに、水を添加すると、今ま
で触媒の劣化が認められた触媒においても、その劣化は
極めて少ない。おそらく触媒上の硝酸痕のような被毒物
質の洗浄効果あるいは触媒の酸化状態の保持効果のため
と推測される。このような触媒の例としては、CuO−
MnO2 系、Bi2O3 系、Fe2O3−Bi2O3−Mn
O2 系、MnO2−CoO−NiO系、Ba2O−CuO
系、MnO2 系、Pr2O3−Nd2O3−CeO3 系、P
t系が挙げられる。この中でもMn含有触媒が高活性で
あり好ましい。さらに調製が容易なCuO−MnO2 系
が特に好ましい。これらの触媒は通常管型反応器へ充填
され、水蒸気、アンモニアおよび酸素等の混合ガスが供
給され、反応が行われる。
ア酸化用触媒として知られている公知の触媒を使用する
ことができる。驚くべきことに、水を添加すると、今ま
で触媒の劣化が認められた触媒においても、その劣化は
極めて少ない。おそらく触媒上の硝酸痕のような被毒物
質の洗浄効果あるいは触媒の酸化状態の保持効果のため
と推測される。このような触媒の例としては、CuO−
MnO2 系、Bi2O3 系、Fe2O3−Bi2O3−Mn
O2 系、MnO2−CoO−NiO系、Ba2O−CuO
系、MnO2 系、Pr2O3−Nd2O3−CeO3 系、P
t系が挙げられる。この中でもMn含有触媒が高活性で
あり好ましい。さらに調製が容易なCuO−MnO2 系
が特に好ましい。これらの触媒は通常管型反応器へ充填
され、水蒸気、アンモニアおよび酸素等の混合ガスが供
給され、反応が行われる。
【0011】本発明の水蒸気の存在下にアンモニアを酸
素で酸化反応せしめるに際し、反応器入り口での組成
は、水蒸気濃度が50vol%以上にすることで特に触
媒活性の劣化を抑制する効果があり望ましい。また、こ
のアンモニアの酸化反応においてはアンモニアの濃度い
かんでは爆発の危険性があり、そのアンモニアの爆発下
限界は15vol%で、この爆発領域を避けるために酸
素あるいは窒素などで希釈して反応ガス中のアンモニア
濃度を15vol%以下にする必要があり、安全性の面
からは10vol%以下が好ましい。このように酸素あ
るいは窒素などで希釈した場合には、アンモニア濃度が
小さいため反応効率が悪く、さらには得られる反応生成
ガス中の余分な酸素および窒素を亜酸化窒素と分離する
必要がある。
素で酸化反応せしめるに際し、反応器入り口での組成
は、水蒸気濃度が50vol%以上にすることで特に触
媒活性の劣化を抑制する効果があり望ましい。また、こ
のアンモニアの酸化反応においてはアンモニアの濃度い
かんでは爆発の危険性があり、そのアンモニアの爆発下
限界は15vol%で、この爆発領域を避けるために酸
素あるいは窒素などで希釈して反応ガス中のアンモニア
濃度を15vol%以下にする必要があり、安全性の面
からは10vol%以下が好ましい。このように酸素あ
るいは窒素などで希釈した場合には、アンモニア濃度が
小さいため反応効率が悪く、さらには得られる反応生成
ガス中の余分な酸素および窒素を亜酸化窒素と分離する
必要がある。
【0012】しかしながら、本願発明における水蒸気濃
度を少なくとも60vol%以上にすればアンモニアあ
るいは酸素のモル比にかかわらず爆発領域を回避できる
ことも見出している。このように反応器入り口におい
て、水蒸気濃度が60vol%以上であれば前記した希
釈用としての余分な酸素や窒素は必要がなく、容易に高
濃度の亜酸化窒素を分離することができる。したがっ
て、好ましい水蒸気の使用量は反応器入り口濃度で50
vol%以上、さらに好ましくは60vol%以上であ
る。
度を少なくとも60vol%以上にすればアンモニアあ
るいは酸素のモル比にかかわらず爆発領域を回避できる
ことも見出している。このように反応器入り口におい
て、水蒸気濃度が60vol%以上であれば前記した希
釈用としての余分な酸素や窒素は必要がなく、容易に高
濃度の亜酸化窒素を分離することができる。したがっ
て、好ましい水蒸気の使用量は反応器入り口濃度で50
vol%以上、さらに好ましくは60vol%以上であ
る。
【0013】本発明の方法で使用するアンモニアは純粋
なアンモニアは勿論のこと、アンモニア水溶液を用いる
こともできる。アンモニアの反応器入り口の濃度は上記
したように、爆発領域を避けるために10vol%以下
が好ましいが、水蒸気の使用量を60vol%以上にす
ることでその制限はなく、反応器入り口におけるアンモ
ニアの濃度は1〜30vol%であり、好ましくは1〜
20vol%の範囲である。
なアンモニアは勿論のこと、アンモニア水溶液を用いる
こともできる。アンモニアの反応器入り口の濃度は上記
したように、爆発領域を避けるために10vol%以下
が好ましいが、水蒸気の使用量を60vol%以上にす
ることでその制限はなく、反応器入り口におけるアンモ
ニアの濃度は1〜30vol%であり、好ましくは1〜
20vol%の範囲である。
【0014】本発明で使用する酸化源としての酸素は純
粋な酸素は勿論のこと、窒素等の不活性ガスを含んだ酸
素や空気を用いることもできるが、上述したように、こ
れ以上の窒素などで希釈された酸素を用いることは反応
生成ガス中の亜酸化窒素濃度がさらに低くなるため避け
るべきであり、好ましい酸素の使用量はアンモニア1モ
ルに対し0.3〜3モルの範囲であり、さらに好ましく
は0.5〜1.5モルの範囲である。
粋な酸素は勿論のこと、窒素等の不活性ガスを含んだ酸
素や空気を用いることもできるが、上述したように、こ
れ以上の窒素などで希釈された酸素を用いることは反応
生成ガス中の亜酸化窒素濃度がさらに低くなるため避け
るべきであり、好ましい酸素の使用量はアンモニア1モ
ルに対し0.3〜3モルの範囲であり、さらに好ましく
は0.5〜1.5モルの範囲である。
【0015】これらのアンモニア、酸素および水蒸気等
の混合ガスの供給速度は、通常0℃、1気圧の状態に換
算して空間速度100〜100,000/hr、好まし
くは1,000〜50,000/hrの範囲であるが、
反応器容積(触媒)あたりの亜酸化窒素の収量を増やす
場合においては、その空間速度は2,000〜30,0
00/hrが好ましい。
の混合ガスの供給速度は、通常0℃、1気圧の状態に換
算して空間速度100〜100,000/hr、好まし
くは1,000〜50,000/hrの範囲であるが、
反応器容積(触媒)あたりの亜酸化窒素の収量を増やす
場合においては、その空間速度は2,000〜30,0
00/hrが好ましい。
【0016】反応器を小さくし触媒コストを低く抑える
ために空間速度を大きくした場合、触媒に対する反応原
料の負荷が大きくなり、アンモニアの転化率が低下す
る。このような場合は、触媒活性を維持するために反応
温度を高くすることによりアンモニア転化率を維持する
ことができる。また、触媒を長時間使用したことにより
アンモニア転化率が低下した場合においても、反応温度
を高くすることによりアンモニア転化率を維持すること
が可能である。しかしながら、反応温度を高くするとN
Ox副生量の急激な増加を招き、NOx除去設備の負荷
が増大し好ましくない。このような場合、反応温度を調
節しアンモニア転化率を80〜98%、好ましくは85
〜97%となるようにする。アンモニア転化率が80%
未満では、未反応アンモニアの回収設備に対する負荷が
大きくなる。また、アンモニア転化率が98%を越える
と、上述したようにNOxの生成量が多くなり、NOx
洗浄塔の負荷が増大する。
ために空間速度を大きくした場合、触媒に対する反応原
料の負荷が大きくなり、アンモニアの転化率が低下す
る。このような場合は、触媒活性を維持するために反応
温度を高くすることによりアンモニア転化率を維持する
ことができる。また、触媒を長時間使用したことにより
アンモニア転化率が低下した場合においても、反応温度
を高くすることによりアンモニア転化率を維持すること
が可能である。しかしながら、反応温度を高くするとN
Ox副生量の急激な増加を招き、NOx除去設備の負荷
が増大し好ましくない。このような場合、反応温度を調
節しアンモニア転化率を80〜98%、好ましくは85
〜97%となるようにする。アンモニア転化率が80%
未満では、未反応アンモニアの回収設備に対する負荷が
大きくなる。また、アンモニア転化率が98%を越える
と、上述したようにNOxの生成量が多くなり、NOx
洗浄塔の負荷が増大する。
【0017】なお、本発明においていうNOxとは亜酸
化窒素を除く窒素酸化物をいい、主に一酸化窒素および
二酸化窒素を示す。
化窒素を除く窒素酸化物をいい、主に一酸化窒素および
二酸化窒素を示す。
【0018】未反応のアンモニアは得られた反応生成ガ
スを凝縮することにより容易に回収でき、そのまま水溶
液として再利用してもよいし、アンモニアと水を分離後
再利用してもよい。
スを凝縮することにより容易に回収でき、そのまま水溶
液として再利用してもよいし、アンモニアと水を分離後
再利用してもよい。
【0019】反応帯域の圧力は特に制限はないが、好ま
しくは0〜10kg/cm2-Gであり、さらに好ましく
は0.3〜5kg/cm2-Gの範囲である。反応帯域の
圧力が10kg/cm2-Gを越すとそれに伴う装置が高
価になり不経済であり、またアンモニアの爆発領域が広
くなり、安全性が低下して好ましくない。
しくは0〜10kg/cm2-Gであり、さらに好ましく
は0.3〜5kg/cm2-Gの範囲である。反応帯域の
圧力が10kg/cm2-Gを越すとそれに伴う装置が高
価になり不経済であり、またアンモニアの爆発領域が広
くなり、安全性が低下して好ましくない。
【0020】このようにして反応を行って得た反応生成
ガスに含まれるNOxは亜酸化窒素に対して60ppm
以下であり、次いで水の沸点以下に冷却し、亜酸化窒
素、酸素および窒素等の非凝縮性ガスと水およびアンモ
ニアとに分離され、さらに精製工程を経て微量のNOx
は完全に除去される。微量のNOxの除去方法として
は、例えば、これらの非凝縮性ガスを過マンガン酸カリ
ウムの水酸化ナトリウム水溶液および硫酸水溶液で洗浄
する方法が挙げられる。さらに酸素、窒素が分離されて
高純度の亜酸化窒素が製造される。
ガスに含まれるNOxは亜酸化窒素に対して60ppm
以下であり、次いで水の沸点以下に冷却し、亜酸化窒
素、酸素および窒素等の非凝縮性ガスと水およびアンモ
ニアとに分離され、さらに精製工程を経て微量のNOx
は完全に除去される。微量のNOxの除去方法として
は、例えば、これらの非凝縮性ガスを過マンガン酸カリ
ウムの水酸化ナトリウム水溶液および硫酸水溶液で洗浄
する方法が挙げられる。さらに酸素、窒素が分離されて
高純度の亜酸化窒素が製造される。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
る。
【0022】実施例1 CuO−MnO2 触媒500gを充填した内径2.8c
mの管型反応器へ、アンモニア4.5vol%、酸素5
vol%、水蒸気90.5vol%の割合で各ガスを供
給した。この時のアンモニアに対する酸素のモル比は
1.1であった。反応温度300℃、空間速度7,50
0/hr、反応圧力0.4kg/cm2-Gで反応させ
た。得られた反応生成ガスを30℃に冷却し、その気相
部を分析した結果、亜酸化窒素57.3vol%、窒素
10.8vol%、酸素31.9vol%でありアンモ
ニアは痕跡量だった。一方、液相部を分析したところア
ンモニアが0.3wt%含まれており、アンモニア転化
率は93%だった。NOxは気相部に存在し、亜酸化窒
素に対し19ppm含まれていた。
mの管型反応器へ、アンモニア4.5vol%、酸素5
vol%、水蒸気90.5vol%の割合で各ガスを供
給した。この時のアンモニアに対する酸素のモル比は
1.1であった。反応温度300℃、空間速度7,50
0/hr、反応圧力0.4kg/cm2-Gで反応させ
た。得られた反応生成ガスを30℃に冷却し、その気相
部を分析した結果、亜酸化窒素57.3vol%、窒素
10.8vol%、酸素31.9vol%でありアンモ
ニアは痕跡量だった。一方、液相部を分析したところア
ンモニアが0.3wt%含まれており、アンモニア転化
率は93%だった。NOxは気相部に存在し、亜酸化窒
素に対し19ppm含まれていた。
【0023】実施例2〜4 反応温度を290、310、320℃とした他は実施例
1と同様にして反応を行った。得られた反応生成ガスを
30℃に冷却し、その気相部および液相部を分析した結
果、亜酸化窒素選択率は各温度とも実施例1とほとんど
差はなかったが、アンモニア転化率はそれぞれ90、9
5、97%だった。このときの亜酸化窒素に対するNO
xの副生量を図1に示す。
1と同様にして反応を行った。得られた反応生成ガスを
30℃に冷却し、その気相部および液相部を分析した結
果、亜酸化窒素選択率は各温度とも実施例1とほとんど
差はなかったが、アンモニア転化率はそれぞれ90、9
5、97%だった。このときの亜酸化窒素に対するNO
xの副生量を図1に示す。
【0024】比較例1 反応温度を330℃とした他は実施例1と同様にして反
応を行った。得られた反応生成ガスを30℃に冷却し、
その気相部を分析した結果、亜酸化窒素62.8vol
%、窒素13.5vol%、酸素23.7vol%であ
り、アンモニアは検出されなかった。一方、液相部を分
析したがアンモニアは痕跡量でありアンモニアの転化率
は99%以上だった。NOxは気相部に存在し、亜酸化
窒素に対し110ppm含まれていた。
応を行った。得られた反応生成ガスを30℃に冷却し、
その気相部を分析した結果、亜酸化窒素62.8vol
%、窒素13.5vol%、酸素23.7vol%であ
り、アンモニアは検出されなかった。一方、液相部を分
析したがアンモニアは痕跡量でありアンモニアの転化率
は99%以上だった。NOxは気相部に存在し、亜酸化
窒素に対し110ppm含まれていた。
【0025】実施例5 反応温度を310℃、空間速度を10,000/hr、
反応圧力を0.6kg/cm2-Gとした他は実施例1と
同様にして反応を行った。得られた反応生成ガスを30
℃に冷却しその気相部を分析した結果、亜酸化窒素5
0.2vol%、窒素8.9vol%、酸素40.8v
ol%であり、アンモニアは痕跡量だった。一方、液相
部を分析したところアンモニアが0.7wt%含まれて
おり、アンモニア転化率は85%だった。NOxは気相
部に存在し、亜酸化窒素に対し20ppm含まれてい
た。
反応圧力を0.6kg/cm2-Gとした他は実施例1と
同様にして反応を行った。得られた反応生成ガスを30
℃に冷却しその気相部を分析した結果、亜酸化窒素5
0.2vol%、窒素8.9vol%、酸素40.8v
ol%であり、アンモニアは痕跡量だった。一方、液相
部を分析したところアンモニアが0.7wt%含まれて
おり、アンモニア転化率は85%だった。NOxは気相
部に存在し、亜酸化窒素に対し20ppm含まれてい
た。
【0026】比較例2 反応温度を290℃とした他は実施例5と同様にして反
応を行った。得られた反応生成ガスを30℃に冷却しそ
の気相部を分析した結果、亜酸化窒素43.4vol
%、窒素8.4vol%、酸素48.2vol%、NO
x6ppm(亜酸化窒素に対して14ppm)であり、
アンモニアは痕跡量だった。一方、液相部を分析したと
ころアンモニアが1.0wt%含まれており、アンモニ
ア転化率は78%だった。NOxの生成量は低いが未反
応アンモニアの量が多く効率的ではなかった。
応を行った。得られた反応生成ガスを30℃に冷却しそ
の気相部を分析した結果、亜酸化窒素43.4vol
%、窒素8.4vol%、酸素48.2vol%、NO
x6ppm(亜酸化窒素に対して14ppm)であり、
アンモニアは痕跡量だった。一方、液相部を分析したと
ころアンモニアが1.0wt%含まれており、アンモニ
ア転化率は78%だった。NOxの生成量は低いが未反
応アンモニアの量が多く効率的ではなかった。
【0027】
【発明の効果】水蒸気の存在下にアンモニアを酸素で酸
化する方法において、アンモニアの転化率が特定の範囲
になるように反応させることによりNOxの副生を抑制
することができ、高濃度の亜酸化窒素を工業的に有利に
製造し得る方法である。
化する方法において、アンモニアの転化率が特定の範囲
になるように反応させることによりNOxの副生を抑制
することができ、高濃度の亜酸化窒素を工業的に有利に
製造し得る方法である。
【図1】アンモニア転化率における、亜酸化窒素に対す
るNOxの副生量を示す。
るNOxの副生量を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 寛 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 吉永 進 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】水蒸気の存在下、アンモニアを酸素で酸化
して亜酸化窒素を製造する方法において、アンモニアに
対する酸素のモル比が1以上、かつ、アンモニアの転化
率が80〜98%となるように反応させることを特徴と
するNOxの副生が少ない亜酸化窒素の製造方法。 - 【請求項2】反応器入り口の水蒸気濃度が50vol%
以上である請求項1記載の方法。 - 【請求項3】水蒸気、アンモニアおよび酸素からなる原
料ガスが、0℃、1気圧の状態に換算して空間速度10
0/hr以上100,000/hr以下で反応器触媒層
に供給される請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13164696A JPH09309709A (ja) | 1996-05-27 | 1996-05-27 | 亜酸化窒素の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13164696A JPH09309709A (ja) | 1996-05-27 | 1996-05-27 | 亜酸化窒素の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09309709A true JPH09309709A (ja) | 1997-12-02 |
Family
ID=15062930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13164696A Pending JPH09309709A (ja) | 1996-05-27 | 1996-05-27 | 亜酸化窒素の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09309709A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1024112A1 (de) * | 1999-01-29 | 2000-08-02 | Basf Aktiengesellschaft | Verfahren zur Herstellung von Stickoxiden mit niedrigem Oxidationsgrad |
JP2010149116A (ja) * | 2008-12-23 | 2010-07-08 | Sud-Chemie Catalysts Italia Srl | アンモニア酸化触媒 |
-
1996
- 1996-05-27 JP JP13164696A patent/JPH09309709A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1024112A1 (de) * | 1999-01-29 | 2000-08-02 | Basf Aktiengesellschaft | Verfahren zur Herstellung von Stickoxiden mit niedrigem Oxidationsgrad |
US6322766B1 (en) | 1999-01-29 | 2001-11-27 | Basf Aktiengesellschaft | Preparation of oxides of nitrogen having a low degree of oxidation |
JP2010149116A (ja) * | 2008-12-23 | 2010-07-08 | Sud-Chemie Catalysts Italia Srl | アンモニア酸化触媒 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040831 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040914 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050125 |