JPH0930897A - ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶厚膜の製造法 - Google Patents

ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶厚膜の製造法

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JPH0930897A
JPH0930897A JP18403595A JP18403595A JPH0930897A JP H0930897 A JPH0930897 A JP H0930897A JP 18403595 A JP18403595 A JP 18403595A JP 18403595 A JP18403595 A JP 18403595A JP H0930897 A JPH0930897 A JP H0930897A
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JP
Japan
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single crystal
substrate
garnet single
bismuth
growth
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JP18403595A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Takano
俊彦 高野
Norio Takeda
憲夫 武田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液相エピタキシャル法による 200μmの厚さ
のビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶製造におい
て、基板の割れを抑制する方法を提供する。 【解決手段】 単結晶育成条件として、育成中の最大曲
率(ただし、基板側から見て凸をプラスとする)が−2.
8m-1〜−2.3m-1の範囲になるように結晶育成条件を選択
する。 【効果】 液相エピタキシャル法による 200μmの厚さ
のビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶製造におい
て、基板の割れが抑制され安定した結晶製造が可能とな
った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、光磁界センサや
光アイソレータなどのファラデー回転子に用いられるビ
スマス置換希土類鉄ガーネット単結晶に関する。詳しく
は、2インチ以上の非磁性ガーネット基板上に育成され
た厚さが 200μm以上のビスマス置換希土類鉄ガーネッ
ト単結晶厚膜の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバ通信や光計測の発展は
めざましいものがある。この光ファイバ通信や光計測で
は多くの場合、信号源として半導体レーザが使用されて
いる。しかし半導体レーザは、光ファイバ端面などから
反射し、再び半導体レーザ自身に戻ってくるところの所
謂反射戻り光があると、発振が不安定になるという重大
な欠点がある。そのため半導体レーザの出射側に光アイ
ソレータを設けて、反射戻り光を遮断し、半導体レーザ
の発振を安定化させることが行われている。
【0003】光アイソレータは偏光子、検光子、ファラ
デー回転子およびファラデー回転子を磁気的に飽和させ
るための永久磁石からなる。光アイソレータの中心的な
機能を担うファラデー回転子には主に液相エピタキシャ
ル(以下「LPE」と記す)法で育成される厚さが数十
μmから 400μm程度のビスマス置換希土類鉄ガーネッ
ト単結晶(以下「BIG」と記す)、例えば (HoTbBi)3
Fe5O12、(YbTbBi)3Fe5O12 、(LuTbBi)3(FeAl)5O12 など
が提案されている。
【0004】通常一般にLPE法によるBIGの育成
は、以下のように行われる。まず、縦型管状炉からなる
LPE装置の中央に貴金属製の坩堝を備えつける。そし
て、希土類鉄ガーネット成分の酸化物、例えば酸化第二
鉄や希土類酸化物と、フラックス成分、例えば酸化鉛、
酸化ほう素および酸化ビスマスなどを坩堝に仕込む。そ
して 1,000℃程度の高温でこれら酸化物を溶解させ、B
IG育成用の融液とする。その後、融液温度を 800℃前
後に降下させ過飽和状態に保つ。
【0005】次に、基板ホルダーに通常、爪状固定具を
用いて固定した非磁性ガーネット基板をLPE炉上部か
ら徐々に降下させ、融液と接触させる。融液と接触した
基板を回転させながら基板下面にガーネット単結晶をエ
ピタキシャル成長させる。所定の厚さにBIGを育成し
た後、該BIG育成基板を融液から数センチ程度引き上
げる。そして高速で基板を回転させ、ビスマス置換希土
類鉄ガーネット単結晶膜に付着した融液の大部分を振り
切った後、LPE炉から引き上げる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】半導体レーザの発振波
長は様々であるが、長距離の光ファイバ通信では石英光
ファイバの損失が低い1.31μmや1.55μm帯(長波長帯
と呼ばれている)が採用されている。この波長に対応し
たファラデー回転子の厚さは、例えば (HoTbBi)3Fe5O12
の場合、1.31μmでおおよそ 250μm、1.55μmで 360
μm程度である。実際には、研磨加工代分の厚さとして
約50μmを上乗せする必要があり、1.31μmでおおよそ
300μm、1.55μmで 410μm程度の厚さに成長させな
ければならない。
【0007】しかしながら、これだけの厚さに結晶を育
成させるとしばしば育成途中で基板が割れるという重大
な問題があった。基板の割れはまず周辺部に起き、さら
にこの割れが基板ホルダーの爪の部分に達すると、基板
が基板ホルダーから離れて融液に浮いた状態となる。融
液に浮いた状態になってもBIG膜の成長は進行する
が、それまで回転しながら成長していたBIG膜と格子
定数が大幅に違ってくるので、結局はストレスによって
細かくBIG育成基板が割れてしまう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、膜厚が
200μm以上のBIG厚膜育成におけるBIG育成基板
の割れの防止という課題を解決するため鋭意検討を加え
た。その結果、BIG育成基板の育成中の基板の曲率、
さらに、その室温下における曲率とを特定の範囲に制御
することにより割れが大幅に抑制されることを見出し、
これらに基づいて本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、液相エピタキシャル
法により、2インチ以上の大きさの非磁性ガーネット単
結晶基板の片面に育成された厚さ 200μm以上のビスマ
ス置換希土類鉄ガーネット単結晶厚膜を育成してBIG
育成基板を製造する方法において、該BIG育成基板の
育成中の最大曲率(ただし、基板側から見て凸の状態を
プラスとする)が−2.8m-1〜−2.3m-1の範囲に入るよう
に該育成条件を選択することを特徴とするビスマス置換
希土類鉄ガーネット単結晶厚膜の製造法であり、また、
該BIG育成基板の室温での曲率が+0.2m-1〜+0.7m-1
の範囲であるビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶厚
膜の製造法である。
【0010】BIG育成基板の反りは、融液の過飽和度
で調整が可能である。過飽和度を大きくする、すなわち
結晶育成温度を低くするとイオン半径の大きいビスマス
がより多く単結晶膜中に取り込まれ、格子定数が大きく
なり、育成中のBIG育成基板のマイナスの反りは大き
くなり、これを室温下にしたときのプラスの反りは小さ
くなる。反対に過飽和度を小さくする、すなわち結晶育
成温度を高くすると単結晶膜中に取り込まれるビスマス
量が少なくなって、育成中のBIG育成基板のマイナス
の反りは小さくなり、これを室温下にしたときのプラス
の反りは大きくなる。
【0011】以上のことを基板とビスマス置換希土類鉄
ガーネット単結晶膜の界面に働くストレスの関係から述
べると、過飽和度を大きくすると結晶育成中にストレス
が大きくなり、逆に室温ではストレスが小さくなる。逆
に、過飽和度を小さくすると結晶育成中にストレスが小
さくなり、逆に室温ではストレスが大きくなる。本発明
は厚さ 200μm以上のBIG育成基板の反りを基板側か
ら見て凸の状態をプラスとしたとき、育成中の曲率が−
2.8m-1〜−2.3m-1の範囲となるように過飽和度を選択
し、これを室温としたときの曲率が+0.2m-1〜+0.7m-1
の範囲、より好適には+0.3m-1〜+0.5m-1の範囲となる
ように選択する。
【0012】本発明で製造する、ファラデー回転子、即
ち、BIGとしては、一般式 R3-xBixFe5-ZAZO12 〔但し、Rは、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、
Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの群から選ばれる少なくとも一
種であり、Aは、Ga、Sc、Al、Inの群から選ばれる少な
くとも一種であり、かつ、 0.5≦x≦2.0 、0≦z≦1.
5 である〕。で示される磁性ガーネット単結晶の中から
適宜に選ぶのが好ましい。
【0013】本発明で用いる基板としては、公知の何れ
の基板も使用し得るが、通常一般には、既に、SGGG基板
と称して市販されている格子定数が1.2490〜1.2515nmの
非磁性ガーネット〔(GdCa)3(GaMgZr)5O12 〕の中から適
宜に選べば良い。また、その基板の厚さは 0.4mmから
0.7mmから適宜選べば良い。以下、本発明を実施例によ
って、その実施態様と効果を具体的に説明するが、以下
の例は、具体的に説明するものであって、本発明の実施
態様や発明の範囲を限定するものとしては意図されてい
ない。
【0014】
【実施例】
実施例1 容量 3,000ml(ミリリットル)の白金製ルツボに、酸化鉛(PbO,4
N) 6,000g 、酸化ビスマス(Bi2O3,4N) 6,960g 、酸化第
2鉄(Fe2O3,4N) 918g 、酸化ほう素(B2O3,5N)252g、酸
化テルビウム(Tb4O7,3N) 41.0g、酸化ホルミウム(Ho
2O3,3N) 54.0gを仕込んだ。これを精密縦型管状電気炉
の所定の位置に設置し、1,000 ℃に加熱溶融して十分に
攪拌して均一に混合したのち、融液温度 765℃にまで冷
却してビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶育成用融
液とした。
【0015】ここに得られた融液表面に、常法に従っ
て、厚さが 500μmで格子定数が1.2497±0.0002nmの 3
インチ(111)ガーネット単結晶[(GdCa)3(GaMgZr)5O12]
基板の片面を接触させ、融液温度を 765℃に維持しなが
ら22時間のエピタキシャル成長を行い、厚さ 393μm
で、Ho1.1Tb0.7Bi1.2Fe5O12 の組成を有するビスマス置
換希土類鉄ガーネット単結晶厚膜(以下簡単のためHoTb
BiIGと略称する)を得た。?? (取り出し、冷却方法の記
載が必要ではないのか。)
【0016】次ぎに第2回目のHoTbBiIGの製造を行っ
た。上記で用いた融液に上記の第1回目のHoTbBiIG単結
晶厚膜の成長に消費された量に相当する酸化ビスマス、
酸化第2鉄、酸化テルビウム、酸化ホルミウムを融液に
添加し、これを 1,000℃に加熱溶融してから15時間融液
を放置した。その後融液を 1,000℃にて十分に攪拌し、
ついで融液温度を 765℃にまで冷却して1回目とまった
く同様の条件でのビスマス置換希土類鉄ガーネット単結
晶厚膜作製を行った。以下、第2回目と同様にして合計
5回のLPE成長を行ったが結晶育成中の基板の割れは
無かった。得られたHoTbBiIG単結晶厚膜の平均の厚さは
389μm、室温での基板の曲率はプラス 0.34m-1であっ
た。
【0017】実施例2 ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜育成温度を 7
66℃、育成時間を23時間とした以外は実施例1に準じ
て、合計で5回の厚膜育成を行った。育成中の基板の割
れは無かった。得られたHoTbBiIG単結晶厚膜の平均の厚
さは 404μm、室温での基板の平均の曲率はプラス 0.5
6m-1であった。
【0018】比較例1 ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜育成温度を 7
67℃とした以外は実施例2と全く同様にして、合計で3
回の厚膜育成を行った。育成中の基板の割れは無かっ
た。しかし、室温で基板はいずれも数枚に割れた。得ら
れたHoTbBiIG単結晶厚膜の平均の厚さは 390μm、室温
での基板の平均の曲率はプラス 0.78m-1であった。
【0019】比較例2 ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜育成温度を 7
64℃、育成時間を20時間とした以外は実施例1に準じ
て、合計で3回の厚膜育成を行った。育成途中で基板が
割れた。割れた基板を白金の網で回収し、曲率を測定し
た結果平均プラス 0.17m-1であった。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、液相エピタキシャル法
により2インチ以上の大きさの非磁性ガーネット単結晶
基板の片面に、厚さ 200μm以上のビスマス置換希土類
鉄ガーネット単結晶厚膜を育成する際の、結晶育成中の
基板の割れ、および結晶育成後の基板の割れが抑制され
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液相エピタキシャル法により、2インチ
    以上の大きさの非磁性ガーネット単結晶基板の片面に育
    成された厚さ 200μm以上のビスマス置換希土類鉄ガー
    ネット単結晶厚膜を育成してBIG育成基板を製造する
    方法において、該BIG育成基板の育成中の最大曲率
    (ただし、基板側から見て凸の状態をプラスとする)が
    −2.8m-1〜−2.3m-1の範囲に入るように該育成条件を選
    択することを特徴とするビスマス置換希土類鉄ガーネッ
    ト単結晶厚膜の製造法。
  2. 【請求項2】 該BIG育成基板の室温での曲率が+0.
    2m-1〜+0.7m-1の範囲である請求項1記載のビスマス置
    換希土類鉄ガーネット単結晶厚膜の製造法。
JP18403595A 1995-07-20 1995-07-20 ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶厚膜の製造法 Pending JPH0930897A (ja)

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