JPH09307205A - 低温焼成セラミック基板 - Google Patents
低温焼成セラミック基板Info
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- JPH09307205A JPH09307205A JP12293896A JP12293896A JPH09307205A JP H09307205 A JPH09307205 A JP H09307205A JP 12293896 A JP12293896 A JP 12293896A JP 12293896 A JP12293896 A JP 12293896A JP H09307205 A JPH09307205 A JP H09307205A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 表層導体の電極部の半田濡れ性や耐半田性を
良好に確保しながら、低コスト化も実現する。 【解決手段】 低温焼成セラミック基板11の表面に
は、表層導体としてAg/Pd層16のパターンが印刷
・焼成されている。このAg/Pd層16のパターンの
うち、少なくとも半田付けの対象となる電極部17上に
は、Ag/Pt層18が印刷・焼成されている。従っ
て、半田付けの対象となる電極部17は、下層をAg/
Pd層16とし、上層をAg/Pt層18とする二層構
造となっている。上層のAg/Pt層18の厚みを3〜
15μmとし、Pt含有量を0.5〜1.5%とするこ
とが好ましい。
良好に確保しながら、低コスト化も実現する。 【解決手段】 低温焼成セラミック基板11の表面に
は、表層導体としてAg/Pd層16のパターンが印刷
・焼成されている。このAg/Pd層16のパターンの
うち、少なくとも半田付けの対象となる電極部17上に
は、Ag/Pt層18が印刷・焼成されている。従っ
て、半田付けの対象となる電極部17は、下層をAg/
Pd層16とし、上層をAg/Pt層18とする二層構
造となっている。上層のAg/Pt層18の厚みを3〜
15μmとし、Pt含有量を0.5〜1.5%とするこ
とが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表層導体をAg系
導体で形成した低温焼成セラミック基板に関するもので
ある。
導体で形成した低温焼成セラミック基板に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】1000℃以下で焼成する低温焼成セラ
ミック基板は、1600℃前後で焼成するアルミナ基板
と比較して、誘電率が低く、信号処理の高速化が可能
であると共に、セラミックと同時焼成する配線導体と
して導通抵抗の小さいAg系導体等の低融点金属を用い
ることができる等の利点があり、近年益々需要が増大し
つつある。
ミック基板は、1600℃前後で焼成するアルミナ基板
と比較して、誘電率が低く、信号処理の高速化が可能
であると共に、セラミックと同時焼成する配線導体と
して導通抵抗の小さいAg系導体等の低融点金属を用い
ることができる等の利点があり、近年益々需要が増大し
つつある。
【0003】この低温焼成セラミック基板の表層導体の
電極部に電子部品を半田付けする場合、電極部に要求さ
れる性質として、半田濡れ性が良いこと(つまり溶融
半田が電極部表面になじみやすいこと)、半田食われ
(溶融半田への電極金属の溶け出し)が少ないことが要
求され、また、電極部に一旦半田付けした部品を特性
調整により他の部品と付け替えるリペア作業を行う場合
には、ある程度のリペア回数にも電極部が耐え得る耐半
田性が良いことも要求される。電極部に半田食われが起
りやすいと、少ないリペア回数で電極部が溶食されて、
耐半田性が低下してしまう。従来は、上述した〜の
条件を満たすために、表層導体としてAg/Pdを用
い、Ag/Pdペーストを2回重ねて印刷して電極部の
厚みを厚くすることで、耐半田性を確保するようにして
いた。
電極部に電子部品を半田付けする場合、電極部に要求さ
れる性質として、半田濡れ性が良いこと(つまり溶融
半田が電極部表面になじみやすいこと)、半田食われ
(溶融半田への電極金属の溶け出し)が少ないことが要
求され、また、電極部に一旦半田付けした部品を特性
調整により他の部品と付け替えるリペア作業を行う場合
には、ある程度のリペア回数にも電極部が耐え得る耐半
田性が良いことも要求される。電極部に半田食われが起
りやすいと、少ないリペア回数で電極部が溶食されて、
耐半田性が低下してしまう。従来は、上述した〜の
条件を満たすために、表層導体としてAg/Pdを用
い、Ag/Pdペーストを2回重ねて印刷して電極部の
厚みを厚くすることで、耐半田性を確保するようにして
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、Ag/Pdペ
ーストは、高価なPdの含有量が多いため、比較的高価
である。このため、Ag/Pdペーストを2回印刷する
と、コスト高になる欠点がある。
ーストは、高価なPdの含有量が多いため、比較的高価
である。このため、Ag/Pdペーストを2回印刷する
と、コスト高になる欠点がある。
【0005】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、表層導体の電極部の
半田濡れ性や耐半田性を良好に確保しながら、低コスト
化も実現することができる低温焼成セラミック基板を提
供することにある。
たものであり、従ってその目的は、表層導体の電極部の
半田濡れ性や耐半田性を良好に確保しながら、低コスト
化も実現することができる低温焼成セラミック基板を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の低温焼成セラミック基板は、表
層導体のうちの少なくとも半田付けの対象となる電極部
を、下層をAg/Pd層、上層をAg/Pt層とする二
層構造としたものである。
に、本発明の請求項1の低温焼成セラミック基板は、表
層導体のうちの少なくとも半田付けの対象となる電極部
を、下層をAg/Pd層、上層をAg/Pt層とする二
層構造としたものである。
【0007】Ag/Ptペーストは、Ptの含有量が少
ないため、Ag/Pdペーストと比較して安価である。
また、耐半田性は、Ag/PtよりもAg/Pdの方が
優位である。半田濡れ性は、Ag/PdよりもAg/P
tの方が優位である。そこで本発明では、電極部の下層
をAg/Pd層、上層をAg/Pt層とすることで、耐
半田性と半田濡れ性を確保しながら、上層に安価なAg
/Ptペーストを使用して、製品コストを安くするもの
である。後述する本発明者の試験結果(表1)によれ
ば、電極部の上層にAg/Ptを用いても、上下2層を
Ag/Pdとした場合と同レベルの半田濡れ性や耐半田
性等を確保できることが確認されている。
ないため、Ag/Pdペーストと比較して安価である。
また、耐半田性は、Ag/PtよりもAg/Pdの方が
優位である。半田濡れ性は、Ag/PdよりもAg/P
tの方が優位である。そこで本発明では、電極部の下層
をAg/Pd層、上層をAg/Pt層とすることで、耐
半田性と半田濡れ性を確保しながら、上層に安価なAg
/Ptペーストを使用して、製品コストを安くするもの
である。後述する本発明者の試験結果(表1)によれ
ば、電極部の上層にAg/Ptを用いても、上下2層を
Ag/Pdとした場合と同レベルの半田濡れ性や耐半田
性等を確保できることが確認されている。
【0008】この場合、請求項2のように、上層のAg
/Pt層の厚みを3〜15μmとすることが好ましい。
このAg/Pt層の厚みが15μmを越えると、電極部
の厚みが厚くなり過ぎ、基板との接合用ガラス成分が過
剰となり表面に浮き出してくるため、半田濡れ性が悪く
なる。また、Ag/Pt層の厚みが3μmよりも薄い
と、電極部の厚みが薄くなり過ぎて、半田食われに対す
る厚みの余裕が少なくなり、耐半田性が悪くなる。
/Pt層の厚みを3〜15μmとすることが好ましい。
このAg/Pt層の厚みが15μmを越えると、電極部
の厚みが厚くなり過ぎ、基板との接合用ガラス成分が過
剰となり表面に浮き出してくるため、半田濡れ性が悪く
なる。また、Ag/Pt層の厚みが3μmよりも薄い
と、電極部の厚みが薄くなり過ぎて、半田食われに対す
る厚みの余裕が少なくなり、耐半田性が悪くなる。
【0009】更に、請求項3のように、Ag/Pt層の
Pt含有量を0.5〜1.5%とすることが好ましい。
後述する本発明者の試験結果(表1)によれば、Ag/
Pt層のPt含有量が1.5%を越えると、半田濡れ性
が悪くなる。また、Pt含有量が0.5%よりも少なく
なると、Pt含有による半田食われ防止の効果が少なく
なり、耐半田性が悪くなる。
Pt含有量を0.5〜1.5%とすることが好ましい。
後述する本発明者の試験結果(表1)によれば、Ag/
Pt層のPt含有量が1.5%を越えると、半田濡れ性
が悪くなる。また、Pt含有量が0.5%よりも少なく
なると、Pt含有による半田食われ防止の効果が少なく
なり、耐半田性が悪くなる。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、図1に基づいて本発明の一
実施形態における低温焼成セラミック基板11の構成を
説明する。低温焼成セラミック基板11は、後述する組
成の低温焼成用のグリーンシート12を複数枚積層して
焼成して一体化したものである。各層のグリーンシート
12の所定位置には、層間接続用のビアホール13が打
ち抜き形成され、各ビアホール13にAg系導体ペース
ト(ビア)14が充填されている。更に、表層を除く各
層のグリーンシート12の表面には、ビア14と同じA
g系導体ペーストで内層配線パターン15がスクリーン
印刷されている。これらAg系導体のビア14と内層配
線パターン15は、グリーンシート12の積層体と同時
焼成されている。
実施形態における低温焼成セラミック基板11の構成を
説明する。低温焼成セラミック基板11は、後述する組
成の低温焼成用のグリーンシート12を複数枚積層して
焼成して一体化したものである。各層のグリーンシート
12の所定位置には、層間接続用のビアホール13が打
ち抜き形成され、各ビアホール13にAg系導体ペース
ト(ビア)14が充填されている。更に、表層を除く各
層のグリーンシート12の表面には、ビア14と同じA
g系導体ペーストで内層配線パターン15がスクリーン
印刷されている。これらAg系導体のビア14と内層配
線パターン15は、グリーンシート12の積層体と同時
焼成されている。
【0011】一方、低温焼成セラミック基板11の表面
には、表層導体としてAg/Pd層16のパターンが印
刷・焼成されている。このAg/Pd層16のパターン
のうち、少なくとも半田付けの対象となる電極部17に
は、Ag/Pt層18が印刷・焼成されている。従っ
て、半田付けの対象となる電極部17は、下層をAg/
Pd層16、上層をAg/Pt層18とする二層構造と
なっている。この電極部17に対して電子部品(図示せ
ず)が半田付けされる。
には、表層導体としてAg/Pd層16のパターンが印
刷・焼成されている。このAg/Pd層16のパターン
のうち、少なくとも半田付けの対象となる電極部17に
は、Ag/Pt層18が印刷・焼成されている。従っ
て、半田付けの対象となる電極部17は、下層をAg/
Pd層16、上層をAg/Pt層18とする二層構造と
なっている。この電極部17に対して電子部品(図示せ
ず)が半田付けされる。
【0012】尚、本発明は、半田付けの対象となる電極
部17のみをAg/Pd層16とAg/Pt層18との
二層構造とする場合に限定されず、表層導体の電極17
以外の部分或は表層導体全体を、下層をAg/Pd層、
上層をAg/Pt層とする二層構造としても良い。
部17のみをAg/Pd層16とAg/Pt層18との
二層構造とする場合に限定されず、表層導体の電極17
以外の部分或は表層導体全体を、下層をAg/Pd層、
上層をAg/Pt層とする二層構造としても良い。
【0013】次に、上記構成の低温焼成セラミック基板
11の製造方法を説明する。まず、CaO−SiO2 −
Al2 O3 −B2 O3 系ガラス粉末50〜65重量%と
アルミナ粉末50〜35重量%とを混合して低温焼成セ
ラミック原料粉末を作り、これに有機溶剤やバインダ等
を混合して作ったスラリーを用いて、通常のドクターブ
レード法でグリーンシート12を成形する。このグリー
ンシート12を所定寸法に切断すると共に、所定位置に
ビアホール13を打ち抜き形成する。
11の製造方法を説明する。まず、CaO−SiO2 −
Al2 O3 −B2 O3 系ガラス粉末50〜65重量%と
アルミナ粉末50〜35重量%とを混合して低温焼成セ
ラミック原料粉末を作り、これに有機溶剤やバインダ等
を混合して作ったスラリーを用いて、通常のドクターブ
レード法でグリーンシート12を成形する。このグリー
ンシート12を所定寸法に切断すると共に、所定位置に
ビアホール13を打ち抜き形成する。
【0014】その後、Ag粉末にバインダと有機溶剤を
混合して作製したAg系導体ペースト14をグリーンシ
ート12のビアホール13に充填し、表層を除く各層の
グリーンシート12には、同じAg系導体ペーストを使
用して内層配線パターン15をスクリーン印刷する。更
に、表層のグリーンシート12には、Ag/Pdペース
トを用いて、表層導体となるAg/Pd層16のパター
ンをスクリーン印刷する。
混合して作製したAg系導体ペースト14をグリーンシ
ート12のビアホール13に充填し、表層を除く各層の
グリーンシート12には、同じAg系導体ペーストを使
用して内層配線パターン15をスクリーン印刷する。更
に、表層のグリーンシート12には、Ag/Pdペース
トを用いて、表層導体となるAg/Pd層16のパター
ンをスクリーン印刷する。
【0015】その後、これら複数枚のグリーンシート1
2を積層し、この積層体を例えば80〜150℃、50
〜250kg/cm2 の条件で熱圧着して一体化する。
次いで、この積層体を通常の電気式連続ベルト炉を使用
して、800〜950℃、20分ホールドの条件で酸化
雰囲気(空気)中で焼成して、低温焼成セラミック基板
11を作製する。
2を積層し、この積層体を例えば80〜150℃、50
〜250kg/cm2 の条件で熱圧着して一体化する。
次いで、この積層体を通常の電気式連続ベルト炉を使用
して、800〜950℃、20分ホールドの条件で酸化
雰囲気(空気)中で焼成して、低温焼成セラミック基板
11を作製する。
【0016】次の工程では、低温焼成セラミック基板1
1表層のAg/Pd層16のパターンのうち、少なくと
も半田付けの対象となる電極部17上に、Ag/Ptペ
ーストを用いてAg/Pt層18のパターンをスクリー
ン印刷する。ここで使用するAg/Ptペーストは、P
t含有量が0.5〜1.5%のものを使用する。印刷
後、この低温焼成セラミック基板11を通常の電気式連
続ベルト炉を使用して、酸化雰囲気(空気)中にて80
0〜950℃で焼成し、Ag/Pd層16上に厚み3〜
15μmのAg/Pt層18を焼結する。
1表層のAg/Pd層16のパターンのうち、少なくと
も半田付けの対象となる電極部17上に、Ag/Ptペ
ーストを用いてAg/Pt層18のパターンをスクリー
ン印刷する。ここで使用するAg/Ptペーストは、P
t含有量が0.5〜1.5%のものを使用する。印刷
後、この低温焼成セラミック基板11を通常の電気式連
続ベルト炉を使用して、酸化雰囲気(空気)中にて80
0〜950℃で焼成し、Ag/Pd層16上に厚み3〜
15μmのAg/Pt層18を焼結する。
【0017】以上説明した焼成法では、グリーンシート
12の積層体とAg/Pd層16とを同時焼成し、その
後、Ag/Pt層18を印刷・焼成するようにした(2
回焼成)。
12の積層体とAg/Pd層16とを同時焼成し、その
後、Ag/Pt層18を印刷・焼成するようにした(2
回焼成)。
【0018】これ以外の焼成法として、次の3通りの方
法がある。 (1)グリーンシート12の積層体を焼成した後、この
焼成基板にAg/Pd層16を印刷して焼成し、その
後、このAg/Pd層16上にAg/Pt層18を印刷
して焼成する(3回焼成)。
法がある。 (1)グリーンシート12の積層体を焼成した後、この
焼成基板にAg/Pd層16を印刷して焼成し、その
後、このAg/Pd層16上にAg/Pt層18を印刷
して焼成する(3回焼成)。
【0019】(2)グリーンシート12の積層体を焼成
した後、この焼成基板にAg/Pd層16を印刷し、更
に、未焼成のAg/Pd層16上にAg/Pt層18を
印刷した後で、これらAg/Pd層16とAg/Pt層
18とを同時焼成する(2回焼成)。
した後、この焼成基板にAg/Pd層16を印刷し、更
に、未焼成のAg/Pd層16上にAg/Pt層18を
印刷した後で、これらAg/Pd層16とAg/Pt層
18とを同時焼成する(2回焼成)。
【0020】(3)グリーンシート12の未焼成の積層
体にAg/Pd層16を印刷し、更に、このAg/Pd
層16上にAg/Pt層18を印刷した後で、グリーン
シート12の積層体とAg/Pd層16とAg/Pt層
18とを同時焼成する(1回焼成)。
体にAg/Pd層16を印刷し、更に、このAg/Pd
層16上にAg/Pt層18を印刷した後で、グリーン
シート12の積層体とAg/Pd層16とAg/Pt層
18とを同時焼成する(1回焼成)。
【0021】ところで、電子部品を半田付けする電極部
17に要求される性質として、半田濡れ性が良いこと
(つまり溶融半田が電極部表面になじみやすいこと)、
半田食われ(溶融半田への電極金属の溶け出し)が少
ないことが要求され、また、電極部17に一旦半田付
けした部品を特性調整により他の部品と付け替えるリペ
ア作業を行う場合には、ある程度のリペア回数にも電極
部17が耐え得る耐半田性が良いことも要求される。電
極部17に半田食われが起りやすいと、少ないリペア回
数で電極部17が溶食されて、耐半田性が低下してしま
う。
17に要求される性質として、半田濡れ性が良いこと
(つまり溶融半田が電極部表面になじみやすいこと)、
半田食われ(溶融半田への電極金属の溶け出し)が少
ないことが要求され、また、電極部17に一旦半田付
けした部品を特性調整により他の部品と付け替えるリペ
ア作業を行う場合には、ある程度のリペア回数にも電極
部17が耐え得る耐半田性が良いことも要求される。電
極部17に半田食われが起りやすいと、少ないリペア回
数で電極部17が溶食されて、耐半田性が低下してしま
う。
【0022】そこで、本発明者は、電極部17を形成す
る導体の組成と厚みが半田濡れ性と耐半田性(半田食わ
れ性)に及ぼす影響を考察する試験を行ったので、その
試験結果を次の表1に示す。
る導体の組成と厚みが半田濡れ性と耐半田性(半田食わ
れ性)に及ぼす影響を考察する試験を行ったので、その
試験結果を次の表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】この表1において、サンプルNo.1〜4
は、図2に示すように、電極部を、下層がAg/Pd
層、上層をAg/Pt層とする二層構造としたものであ
り、いずれのサンプルも、Ag/Pd層の厚みが7〜1
3μm、Ag/Pt層の厚みが3〜15μmであり、A
g/Pt層のPt含有量のみが異なる。サンプルNo.
1〜4のPt含有量は、それぞれ0.5%、1.0%、
1.5%、2.0%である。
は、図2に示すように、電極部を、下層がAg/Pd
層、上層をAg/Pt層とする二層構造としたものであ
り、いずれのサンプルも、Ag/Pd層の厚みが7〜1
3μm、Ag/Pt層の厚みが3〜15μmであり、A
g/Pt層のPt含有量のみが異なる。サンプルNo.
1〜4のPt含有量は、それぞれ0.5%、1.0%、
1.5%、2.0%である。
【0025】サンプルNo.5,6は、図2に示すよう
に、電極部を、Ag/Pdペーストの1回印刷により形
成したものであり、Ag/Pd層の厚みが3〜8μm
(サンプルNo.5)、7〜13μm(サンプルNo.
6)である。
に、電極部を、Ag/Pdペーストの1回印刷により形
成したものであり、Ag/Pd層の厚みが3〜8μm
(サンプルNo.5)、7〜13μm(サンプルNo.
6)である。
【0026】サンプルNo.7は、図2に示すように、
電極部を、Ag/Pdペーストの2回印刷により形成し
たものであり、Ag/Pd層の厚みが13〜18μmと
なっている。
電極部を、Ag/Pdペーストの2回印刷により形成し
たものであり、Ag/Pd層の厚みが13〜18μmと
なっている。
【0027】サンプルNo.8は、図2に示すように、
電極部を、Ag/Pdペーストの3回印刷により形成し
たものであり、Ag/Pd層の厚みが28〜40μmと
なっている。
電極部を、Ag/Pdペーストの3回印刷により形成し
たものであり、Ag/Pd層の厚みが28〜40μmと
なっている。
【0028】表1において、半田接着強度は、150℃
で500時間エージングした後に2mm角当りの接着強
度を測定したものであり、各サンプルについて半田接着
強度の最小値(MIN)が記載されている。半田接着強
度は、2kgf以上が合格基準となる。サンプルNo.
5を除く全てのサンプルで、2kgf以上の半田接着強
度を確保できた。
で500時間エージングした後に2mm角当りの接着強
度を測定したものであり、各サンプルについて半田接着
強度の最小値(MIN)が記載されている。半田接着強
度は、2kgf以上が合格基準となる。サンプルNo.
5を除く全てのサンプルで、2kgf以上の半田接着強
度を確保できた。
【0029】半田濡れ性を定量的に直接測定できる方法
は、表面張力法(メニスコ・グラフ法)であるが、ここ
では、簡易方法を採用し、次の試験条件で半田濡れ性を
評価している。試験条件は、使用する半田が60Sn/
38Pb/2Ag、半田付浴温度が230±5℃、半田
付時間が5±1秒である。この試験条件で電極部にディ
ップ半田付けしたときに、ディップ回数3回で電極部の
面積の90%以上が溶融半田で濡れていることが合格基
準となる。
は、表面張力法(メニスコ・グラフ法)であるが、ここ
では、簡易方法を採用し、次の試験条件で半田濡れ性を
評価している。試験条件は、使用する半田が60Sn/
38Pb/2Ag、半田付浴温度が230±5℃、半田
付時間が5±1秒である。この試験条件で電極部にディ
ップ半田付けしたときに、ディップ回数3回で電極部の
面積の90%以上が溶融半田で濡れていることが合格基
準となる。
【0030】半田濡れ性が不合格となるのは、サンプル
No.4,8だけであり、これ以外は全て半田濡れ性が
合格となる。サンプルNo.4は、電極部上層のAg/
Pt層のPt含有量が2.0%と多すぎるため、半田濡
れ性が悪くなるものと考えられる。また、サンプルN
o.8は、電極部(Ag/Pdの3回印刷)の厚みが2
8〜40μmであるため、電極部の厚みが厚くなり過
ぎ、電極のAg/Pdの焼成中にPdOが形成され、半
田濡れ性が悪くなるものと考えられる。
No.4,8だけであり、これ以外は全て半田濡れ性が
合格となる。サンプルNo.4は、電極部上層のAg/
Pt層のPt含有量が2.0%と多すぎるため、半田濡
れ性が悪くなるものと考えられる。また、サンプルN
o.8は、電極部(Ag/Pdの3回印刷)の厚みが2
8〜40μmであるため、電極部の厚みが厚くなり過
ぎ、電極のAg/Pdの焼成中にPdOが形成され、半
田濡れ性が悪くなるものと考えられる。
【0031】一方、耐半田性の試験方法は、低温焼成セ
ラミック基板の表面に印刷・焼成した0.3mm幅の配
線パターンが半田食われにより断線するまでのディップ
回数を測定し、そのディップ回数が5回以上であること
が合格基準となる。この耐半田性の試験では、1回の半
田付時間を30±1秒とする。
ラミック基板の表面に印刷・焼成した0.3mm幅の配
線パターンが半田食われにより断線するまでのディップ
回数を測定し、そのディップ回数が5回以上であること
が合格基準となる。この耐半田性の試験では、1回の半
田付時間を30±1秒とする。
【0032】耐半田性が不合格となるのは、サンプルN
o.5,6だけであり、これ以外は全て耐半田性が合格
となる。サンプルNo.5,6は、導体(Ag/Pdの
1回印刷)の厚みが薄いため、半田食われに対する厚み
の余裕が少なく、耐半田性が悪くなるものと考えられ
る。
o.5,6だけであり、これ以外は全て耐半田性が合格
となる。サンプルNo.5,6は、導体(Ag/Pdの
1回印刷)の厚みが薄いため、半田食われに対する厚み
の余裕が少なく、耐半田性が悪くなるものと考えられ
る。
【0033】以上の試験結果から、半田接着強度、半田
濡れ性及び耐半田性の全てが合格となるものは、サンプ
ルNo.1〜3,7である。このうち、サンプルNo.
7はAg/Pdの2回印刷であるため、高価なAg/P
dペーストの使用量が多くなり、コスト高になる欠点が
ある。
濡れ性及び耐半田性の全てが合格となるものは、サンプ
ルNo.1〜3,7である。このうち、サンプルNo.
7はAg/Pdの2回印刷であるため、高価なAg/P
dペーストの使用量が多くなり、コスト高になる欠点が
ある。
【0034】これに対し、サンプルNo.1〜3は、電
極部の下層をAg/Pd層、上層をAg/Pt層とする
二層構造としているので、電極部の上層に、Ag/Pd
ペーストよりも安価なAg/Ptペーストを使用するこ
とができ、その分、製品コストを安くすることができ
る。一般的に、耐半田性はAg/PtよりもAg/Pd
の方が優位であるが、半田食われ性はAg/Pdよりも
Ag/Ptの方が優位である。サンプルNo.1〜3
は、電極部の下層をAg/Pd層、上層をAg/Pt層
とすることで、耐半田性と半田濡れ性等を確保しなが
ら、高価なAg/Pdペーストの使用量を少なくして、
製品コストを安くするものである。
極部の下層をAg/Pd層、上層をAg/Pt層とする
二層構造としているので、電極部の上層に、Ag/Pd
ペーストよりも安価なAg/Ptペーストを使用するこ
とができ、その分、製品コストを安くすることができ
る。一般的に、耐半田性はAg/PtよりもAg/Pd
の方が優位であるが、半田食われ性はAg/Pdよりも
Ag/Ptの方が優位である。サンプルNo.1〜3
は、電極部の下層をAg/Pd層、上層をAg/Pt層
とすることで、耐半田性と半田濡れ性等を確保しなが
ら、高価なAg/Pdペーストの使用量を少なくして、
製品コストを安くするものである。
【0035】この場合、Ag/Pt層の厚みが15μm
を越えると、電極部の厚みが厚くなり過ぎ、基板との接
合用ガラス成分が過剰となり表面に浮き出してくるた
め、半田濡れ性が悪くなる。また、Ag/Pt層の厚み
が3μmよりも薄いと、電極部の厚みが薄くなり過ぎ
て、半田食われに対する厚みの余裕が少なくなり、耐半
田性が悪くなる。それ故に、Ag/Pt層の厚みは3〜
15μmとすることが好ましい。
を越えると、電極部の厚みが厚くなり過ぎ、基板との接
合用ガラス成分が過剰となり表面に浮き出してくるた
め、半田濡れ性が悪くなる。また、Ag/Pt層の厚み
が3μmよりも薄いと、電極部の厚みが薄くなり過ぎ
て、半田食われに対する厚みの余裕が少なくなり、耐半
田性が悪くなる。それ故に、Ag/Pt層の厚みは3〜
15μmとすることが好ましい。
【0036】また、サンプルNo.4のように、Ag/
Pt層のPt含有量が1.5%を越えると、半田濡れ性
が悪くなる。かといって、Pt含有量が0.5%よりも
少なくなると、Pt含有による半田食われ防止の効果が
少なくなり、耐半田性が悪くなる。それ故に、Pt含有
量を0.5〜1.5%とすることが好ましい。最も好ま
しいのは、サンプルNo.2のように、Pt含有量を
1.0%とした場合であり、この場合に、耐半田性と半
田接着強度が最も良くなる。
Pt層のPt含有量が1.5%を越えると、半田濡れ性
が悪くなる。かといって、Pt含有量が0.5%よりも
少なくなると、Pt含有による半田食われ防止の効果が
少なくなり、耐半田性が悪くなる。それ故に、Pt含有
量を0.5〜1.5%とすることが好ましい。最も好ま
しいのは、サンプルNo.2のように、Pt含有量を
1.0%とした場合であり、この場合に、耐半田性と半
田接着強度が最も良くなる。
【0037】尚、図1に示す低温焼成セラミック基板
は、片面のみに電極部17を形成しているが、基板両面
に電極部17を形成するようにしても良い。その他、本
発明は、グリーンシート12の積層枚数を変更しても良
い等、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる
ことは言うまでもない。
は、片面のみに電極部17を形成しているが、基板両面
に電極部17を形成するようにしても良い。その他、本
発明は、グリーンシート12の積層枚数を変更しても良
い等、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる
ことは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1によれば、表層導体のうちの少なくとも半田
付けの対象となる電極部を、下層をAg/Pd層、上層
をAg/Pt層とする二層構造としたので、半田濡れ性
や耐半田性を良好に確保しながら、低コスト化も実現す
ることができる。
の請求項1によれば、表層導体のうちの少なくとも半田
付けの対象となる電極部を、下層をAg/Pd層、上層
をAg/Pt層とする二層構造としたので、半田濡れ性
や耐半田性を良好に確保しながら、低コスト化も実現す
ることができる。
【0039】更に、上層のAg/Pt層の厚みを3〜1
5μmとし(請求項2)、Pt含有量を0.5〜1.5
%とすることで(請求項3)、上下2層をAg/Pdと
した場合と同レベルの半田濡れ性や耐半田性等を確保で
きる。
5μmとし(請求項2)、Pt含有量を0.5〜1.5
%とすることで(請求項3)、上下2層をAg/Pdと
した場合と同レベルの半田濡れ性や耐半田性等を確保で
きる。
【図1】本発明の一実施形態を示す低温焼成セラミック
基板の縦断面図
基板の縦断面図
【図2】性能試験に用いた各サンプルの電極部の導体構
造を説明する図
造を説明する図
11…低温焼成セラミック基板、12…グリーンシー
ト、13…ビアホール、14…Ag系導体のビア、15
…Ag系導体の内層配線パターン、16…Ag/Pd
層、17…電極部、18…Ag/Pt層。
ト、13…ビアホール、14…Ag系導体のビア、15
…Ag系導体の内層配線パターン、16…Ag/Pd
層、17…電極部、18…Ag/Pt層。
Claims (3)
- 【請求項1】 1000℃以下で焼成されて成る低温焼
成セラミック基板において、 基板表層に形成する表層導体のうちの少なくとも半田付
けの対象となる電極部は、下層をAg/Pd層、上層を
Ag/Pt層とする二層構造となっていることを特徴と
する低温焼成セラミック回路基板。 - 【請求項2】 前記Ag/Pt層の厚みを3〜15μm
としたことを特徴とする請求項1に記載の低温焼成セラ
ミック基板。 - 【請求項3】 前記Ag/Pt層のPt含有量を0.5
〜1.5%としたことを特徴とする請求項1に記載の低
温焼成セラミック基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12293896A JPH09307205A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | 低温焼成セラミック基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12293896A JPH09307205A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | 低温焼成セラミック基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09307205A true JPH09307205A (ja) | 1997-11-28 |
Family
ID=14848334
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12293896A Pending JPH09307205A (ja) | 1996-05-17 | 1996-05-17 | 低温焼成セラミック基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09307205A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006066760A (ja) * | 2004-08-30 | 2006-03-09 | Nippon Seiki Co Ltd | 回路基板 |
JP2007088221A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | Seiko Epson Corp | セラミックス電子部品の製造方法およびセラミックス電子部品 |
JP2007084384A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | Seiko Epson Corp | セラミックス電子部品の製造方法およびセラミックス電子部品 |
US7733665B2 (en) | 2005-06-09 | 2010-06-08 | Denso Corporation | Multi-layer substrate having conductive pattern and resin film and method for manufacturing the same |
US8073365B2 (en) | 2008-12-22 | 2011-12-06 | Sharp Kabushiki Kaisha | Ion generating device, charging device, and image forming apparatus |
-
1996
- 1996-05-17 JP JP12293896A patent/JPH09307205A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006066760A (ja) * | 2004-08-30 | 2006-03-09 | Nippon Seiki Co Ltd | 回路基板 |
US7733665B2 (en) | 2005-06-09 | 2010-06-08 | Denso Corporation | Multi-layer substrate having conductive pattern and resin film and method for manufacturing the same |
JP2007088221A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | Seiko Epson Corp | セラミックス電子部品の製造方法およびセラミックス電子部品 |
JP2007084384A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | Seiko Epson Corp | セラミックス電子部品の製造方法およびセラミックス電子部品 |
US8073365B2 (en) | 2008-12-22 | 2011-12-06 | Sharp Kabushiki Kaisha | Ion generating device, charging device, and image forming apparatus |
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