JPH0930702A - 高摩擦ローラ及びその製造法 - Google Patents

高摩擦ローラ及びその製造法

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JPH0930702A
JPH0930702A JP20288295A JP20288295A JPH0930702A JP H0930702 A JPH0930702 A JP H0930702A JP 20288295 A JP20288295 A JP 20288295A JP 20288295 A JP20288295 A JP 20288295A JP H0930702 A JPH0930702 A JP H0930702A
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JP
Japan
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adhesive
cylindrical body
hard particles
friction roller
peripheral surface
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JP20288295A
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Inventor
Toshiyuki Oshima
利幸 大嶋
Koji Shirahata
浩嗣 白畑
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Original Assignee
Piolax Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紙等の記録シートに対する突起の食い込みが
良好で、優れたグリップ力が得られると共に、簡単な工
程で安価に製造できる高摩擦ローラ及びその製造法を提
供する。 【構成】 円筒体又は円柱体12の外周面13に、硬質
粒子15と接着剤16との混合物を、ドット状又は線状
にスクリーン印刷した後、接着剤16を硬化させるか、
又は、円筒体又は円柱体12の外周面13の全面に、硬
質粒子15と紫外線硬化型接着剤との混合物を塗布した
後、ドット状又は線状に紫外線を照射して紫外線硬化型
接着剤を部分的に硬化させ、次いで硬化されなかった紫
外線硬化型接着剤を除去することにより、硬質粒子15
と接着剤16との固化物からなる突起14が、円筒体又
は円柱体12の外周面13にドット状又は線状に形成さ
れた高摩擦ローラを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばカラープリンタ
やX−Yプロッタ等の紙送りローラとして好適な高摩擦
ローラ及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】X−Yプロッタ、ファクシミリ、コピー
などの機械においては、紙を所定の寸法で送り出すため
に紙送り用のローラが用いられている。例えば、X−Y
プロッタにおいては、紙の送り方向と直角な方向に移動
するペンを用いて、紙送りローラを正転或は逆転させ
て、紙を送り方向に前進後退させつつ、ペンを実質的に
紙面上のX−Y方向に走らせて作図を行う。
【0003】また、近年、コンピュータグラフィックや
ビデオの出力を、ハードコピーとして取り出すことがで
きるカラープリンタが生産されている。このようなカラ
ープリンタは、例えば、図6に示すように、記録用紙5
1に、イエローY、マゼンタM、シアンCの3つの領域
を有するインクリボン52を重ね、サーマルヘッド53
でインクを記録用紙51側へ転写する構造をなす。
【0004】記録用紙51は、紙送りローラ54及びゴ
ムローラ55で挟まれ、紙送りローラ54の正逆転によ
り図中矢印Aで示す如く往復移動させられる。また、イ
ンクリボン52は、供給ロール56から巻き取りロール
57へ巻き取られて移動する。そして、カラー印刷は、
記録用紙51をインクリボン52のイエローY、マゼン
タM、シアンCの3つの領域に順次重ねて、サーマルヘ
ッド53による転写を3回繰り返すことにより行う。
【0005】このために、特にX−Yプロッタ、カラー
プリンタ等に用いる紙送りローラとしては、寸法精度が
高く、弾性変形を起こさず、紙を確実にグリップする耐
摩耗性の高いものが望まれている。
【0006】従来から、上記のような用途に用いられる
紙送りローラとして、種々のものが提案されており、例
えば、図7に示すように、円筒体又は円柱体12の外周
面13の全面に、多数の硬質粒子15を分散させた接着
剤層63を設け、接着剤層63から突出した硬質粒子1
5を突起としたものが知られている。
【0007】この紙送りローラは、硬質粒子15と接着
剤との混合物を、円筒体又は円柱体12の外周面13の
全面に塗布した後、接着剤を硬化させて接着剤層63を
形成すればよいので、製造が容易である。
【0008】また、金属の円筒体の表面に、炭化物、窒
化物などの硬質粒子を含有する金属を溶射して、多数の
微細な突起を形成したものも知られている。
【0009】更に、本出願人による特開平3−9506
2号、特開平3−130186号、特開平4−5115
3号に示されるように、金属の円筒体の表面にエッチン
グによって多数の突起を形成したものも知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多数の
硬質粒子15を分散させた接着剤層63を設けた図7の
紙送りローラにおいては、突起として作用するのは、硬
質粒子15の接着剤層63から突出した部分のみであ
り、したがって、実質的な突起の高さaは、硬質粒子1
5の高さcから、接着剤層63の高さbを引いた高さと
なるため、突起の紙への食い込みが不足するという問題
があった。
【0011】また、多数の硬質粒子15が、接着剤層6
3に分散された状態で塗布されていることから、硬質粒
子15と硬質粒子15との距離dが近くなりすぎて、突
起の紙に対する面圧が十分に得られず、突起が紙に食い
込みにくいという問題もあった。その結果、図7の紙送
りローラでは、紙に対する十分なグリップ力が得られな
いという欠点があった。
【0012】一方、金属の円筒体の表面に、炭化物、窒
化物などの硬質粒子を含有する金属を溶射して突起を形
成した紙送りローラにおいても、上記図7に示す紙送り
ローラと同様に、突起と突起の間隔を調整することがで
きず、一般的に極めて狭い間隔となるので、各突起の紙
に対する面圧が低くなり、十分なグリップ力が得られな
いという欠点があった。
【0013】更に、金属の円筒体の表面にエッチングに
よって多数の突起を形成した紙送りローラにおいては、
エッチングのパターンを選択することによって、突起と
突起との間隔を自由に調整できるが、レジストを所定の
パターンで形成したり、エッチングしたり、レジストを
除去したりする多数の工程が必要となるため、製品コス
トが極めて高くなるという欠点があった。
【0014】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、突起の実質的な高さが十分に得ら
れ、突起と突起との間隔も適度に設けられて、紙等の記
録シートに対する突起の食い込みが効果的になされ、そ
の結果、優れたグリップ力が得られると共に、比較的簡
単な工程で安価に製造できるようにした高摩擦ローラ及
びその製造法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の高摩擦ローラは、円筒体又は円柱体の外周
面に、硬質粒子を接着剤によって固着してなる高摩擦ロ
ーラにおいて、前記硬質粒子と前記接着剤との固化物が
前記円筒体又は円柱体の外周面にドット状又は線状に形
成されていることを特徴とする。
【0016】また、本発明の高摩擦ローラの製造法の一
つは、円筒体又は円柱体の外周面に、硬質粒子と接着剤
との混合物を、ドット状又は線状にスクリーン印刷し、
前記接着剤を硬化させることを特徴とする。
【0017】更に、本発明の高摩擦ローラの製造法のも
う一つは、円筒体又は円柱体の外周面の全面に、硬質粒
子と紫外線硬化型接着剤との混合物を塗布した後、ドッ
ト状又は線状に紫外線を照射して前記紫外線硬化型接着
剤を部分的に硬化させ、次いで、硬化されなかった紫外
線硬化型接着剤を除去することを特徴とする。
【0018】なお、本発明の高摩擦ローラ及びその製造
法においては、前記硬質粒子が、セラミック、硬質金
属、金属間化合物から選ばれた少なくとも一種であるこ
とが好ましい。
【0019】
【作用】本発明の高摩擦ローラは、硬質粒子と接着剤と
の固化物が、円筒体又は円柱体の外周面にドット状又は
線状に形成されているので、円筒体又は円柱体の外周面
は、硬質粒子と接着剤との固化物が固着している部分
と、固化物が形成されていない部分とからなり、したが
って、突起を構成する固化物の高さは、接着剤層の厚さ
に関係なく、円筒体又は円柱体の周面からの高さとな
る。
【0020】また、硬質粒子と接着剤との固化物を、任
意のパターンでドット状又は線状に形成することができ
るので、突起と突起との間隔を適切に調整することがで
き、各突起の紙等の記録シートに対する面圧を高めるこ
とができる。
【0021】その結果、突起が記録シートに対して確実
に食い込み、グリップ力が向上するので、プリンタ等に
おける記録シートの送り精度が向上する。
【0022】更に、本発明の高摩擦ローラは、円筒体又
は円柱体の外周面に、硬質粒子と接着剤との混合物をド
ット状又は線状に塗布して硬化させるか、あるいは、硬
質粒子と紫外線硬化型接着剤との混合物を全面に塗布
し、紫外線を部分的に照射して紫外線硬化型接着剤を硬
化させた後、未硬化の接着剤を除去するだけで製造でき
るので、製造工程が簡単で、比較的安価に製造すること
ができる。
【0023】
【実施例】図1〜4には、本発明の高摩擦ローラの一実
施例が示されている。図1は、同実施例における高摩擦
ローラの概略斜視図、図2は、同実施例における部分拡
大断面図、図3は、同実施例における突起の一つの50
0倍の電子顕微鏡写真、図4は同実施例における別の突
起の500倍の電子顕微鏡写真である。
【0024】図1、2に示されるように、この高摩擦ロ
ーラ11は、円筒体12の外周面13に、硬質粒子15
と接着剤16との固化物からなる突起14が、ドット状
に形成されている。このように、硬質粒子15と接着剤
16とが、円筒体12の外周面13に部分的に付着され
て突起14が形成されており、突起14以外の部分は外
周面13がそのまま露出しているので、突起14の高さ
Aは、円筒体12の外周面13からの高さとなり、接着
剤16の厚さBに影響されない。
【0025】図3、4に示されるように、突起14は、
硬質粒子15が1個だけ固着されたものだけでなく、2
個、あるいはそれ以上固着されたものもある。なお、突
起14の中には、接着剤16だけで、硬質粒子15が含
有されていないものも生じることがあるが、円筒体12
の外周面13全体として、硬質粒子15と接着剤16と
の固化物からなるものが、十分なグリップ力が得られる
だけあればよい。
【0026】円筒体12としては、金属製のものが好ま
しいが、用途によっては樹脂製のものを用いることもで
きる。円筒体12として金属製のものを用いる場合に
は、例えば、炭素鋼、ステンレス、アルミニウムなどの
金属材料を用いて、鋳造、引抜き加工、円柱の穴開けな
どの各種の方法で円筒体12を形成し、この円筒体12
の内周面17及び外周面13を切削または研削加工し
て、正確な軸心及び円周面を有するようにする。また、
円筒体12として樹脂製のものを用いる場合には、例え
ばエポキシ系、ABS系、塩化ビニル系などの硬質合成
樹脂を用いて、押出し成形、射出成形などの方法で円筒
状に成形すればよい。なお、合成樹脂には、硝子繊維、
炭素繊維などの強化材を含有させることが好ましい。ま
た、円筒体12の代わりに円柱体を用いることもでき
る。
【0027】硬質粒子15としては、アルミナ、炭化珪
素、ジルコニア等のセラミック、タングステン、モリブ
デン等の硬質金属、タングステンカーバイト、超硬鋼合
金、ハイス(高速度鋼)等の金属間化合物等を用いるの
が好ましい。また、硬質粒子15の平均粒子径は、10
〜200μmが好ましい。更に、硬質粒子15は、破砕
して、鋭角状のエッジを有するようにした粒子を用いる
のが好ましい。
【0028】接着剤16としては、一般に接着剤として
市販されているものに限らず、液状のものであって、硬
化することによって硬質粒子15を円筒体12の外周面
13に固着させることができるものであればよく、ま
た、硬化方法も、熱硬化型、乾燥硬化型、紫外線硬化型
等のいずれであってもよく、例えば、エポキシ系、ウレ
タン系等の樹脂や、セラミック系の接着剤等を用いるこ
とができる。
【0029】接着剤16の粘度は、50〜300cpが
好ましい。この範囲の粘度とすることにより、接着剤1
6中における硬質粒子15の分散性を良好に維持できる
と共に、円筒体12の外周面13に付着、固化させたと
き、接着剤16が硬質粒子15の突出した表面にも薄く
被覆され、硬質粒子15が剥れにくくなる。
【0030】また、接着剤16に対する硬質粒子15の
配合割合は、5〜80重量%が好ましく、30〜70重
量%がより好ましい。硬質粒子15の配合割合が5重量
%未満では、硬質粒子15を含まない接着剤16だけの
突起14が多くなってグリップ力が低下する虞れがあ
り、硬質粒子15の配合割合が80重量%を超えると、
硬質粒子15を円筒体12に付着する接着剤16の量が
不十分になって、硬質粒子15が剥れ落ちやすくなると
いう問題がある。
【0031】次に、円筒体12の外周面13に、硬質粒
子15と接着剤16との固化物からなる突起14を形成
する方法、すなわち、本発明の高摩擦ローラ11の製造
法について説明する。
【0032】まず、本発明の高摩擦ローラの製造法の一
つは、スクリーン印刷による方法であって、円筒体12
の外周面13に、硬質粒子15と接着剤16との混合物
を、ドット状にスクリーン印刷した後、接着剤16を硬
化させて、突起14を形成する。
【0033】スクリーン印刷の方法は、通常円筒体に対
して行われる方法を採用することができる。すなわち、
スクリーンの上面にスキージを押圧し、スクリーンの下
面であってスキージに対応した位置に円筒体12の外周
面13を当接し、スキージ及び円筒体12に対してスク
リーンを相対的に移動させるとともに、スクリーンの移
動速度と同じ速度で円筒体12を回転させると、円筒体
12の全周に亙ってスクリーン印刷することができる。
【0034】なお、本発明は、円筒体12の外周面13
に、硬質粒子15と接着剤16との混合物からなる突起
14が形成された部分と形成されない部分とがあるこ
と、すなわち、スクリーン印刷時に、印刷された部分
と、印刷されていない部分とが形成されていることに特
徴がある。したがって、印刷のパターンは、ドット状の
他、線状等であってもよい。
【0035】ドット状のパターンとしては、例えば、碁
盤目状、千鳥格子状等が好ましい。また、線状のパター
ンとしては、例えば、メッシュ状、破線状(短い線が並
んだ形状)等が好ましい。なお、突起の配列間隔(図2
中、D)は、0.5〜2.0mmとするのが好ましい。
突起の配列間隔をこの範囲にすることにより、紙に対し
て十分なグリップ力が得られる。
【0036】このようにしてスクリーン印刷した後、接
着剤16を硬化させるが、硬化の方法は、接着剤16の
種類に応じた方法とすればよく、例えば、接着剤16と
して熱硬化型のものを用いた場合は、加熱して硬化さ
せ、接着剤16として紫外線硬化型のものを用いた場合
は、紫外線を照射して硬化させる。
【0037】また、本発明の高摩擦ローラの製造法のも
う一つは、接着剤16として紫外線硬化型のものを用い
た場合に採用される方法であって、円筒体12の外周面
13の全面に、硬質粒子15と紫外線硬化型接着剤との
混合物を塗布した後、ドット状又は線状に紫外線を照射
して紫外線硬化型接着剤を部分的に硬化させ、次いで、
硬化されなかった紫外線硬化型接着剤を除去することに
よって、突起14を形成する。
【0038】ドット状又は線状に紫外線を照射して紫外
線硬化型接着剤を部分的に硬化させる方法としては、例
えば、ドット状又は線状に開口されたフィルム状のフォ
トマスクを巻つけた後、紫外線を照射する方法、本出願
人による特開平4−51153号に開示された石英ファ
イバーを用いた紫外線の照射装置などを利用した方法等
が採用される。
【0039】実施例1、2 硬質粒子として、破砕により製造された単結晶アルミナ
の平均粒子径が60μmのものと、50μmのものとの
2種類を用い、接着剤としてエポキシインキ(太陽イン
キ製造株式会社製)を用いて、接着剤に対する硬質粒子
の配合割合が50重量%となるように、接着剤と硬質粒
子とを混合した。
【0040】直径19mmで、表面にNi−Pメッキを
施したスチール製の円筒体の外周面に、上記硬質粒子と
接着剤との混合物を、ドット状にスクリーン印刷した
後、150℃で30分間加熱して、接着剤を硬化させ
て、硬質粒子と接着剤との固化物からなる突起が、円筒
体の外周面にドット状に形成された高摩擦ローラを得
た。平均粒子径が60μmの硬質粒子を用いて得たもの
を実施例1、50μmのものを用いて得たものを実施例
2とする。
【0041】なお、実施例1、2とも、円筒体の外表面
に形成された突起の配列は、図5に示されるように千鳥
格子状とし、突起間の距離D1 、D2 は0.7mm、D
3 、D4 は0.35mmとした。また、平面的に見たと
きの突起の大きさ(直径)は100〜200μmであっ
た。
【0042】比較例1 実施例1、2と同様な硬質粒子、接着剤、円筒体を用い
て、円筒体の外周面の全面に、硬質粒子と接着剤との混
合物を、接着剤層の厚さが50μmとなるように塗布
し、実施例と同様の条件下に硬化させて、円筒体の外周
面の全面に、硬質粒子が分散して含有された接着剤層が
設けられた高摩擦ローラを得た。なお、硬質粒子の平均
粒子径は、実施例2と同様に50μmである。この高摩
擦ローラを比較例1とする。
【0043】比較例2 実施例1、2と同様な円筒体の外周面の全面に、タング
ステンカーバイドとコバルトとの混合物を溶射して、溶
射層からなる多数の微細な突起を形成した高摩擦ローラ
を得た。この高摩擦ローラを比較例2とする。
【0044】試験例1 上記実施例1、2及び比較例1、2の高摩擦ローラを用
いて、印字テストを行った。印字テストは、溶融タイプ
のカラープリンタである「カラーマスタープラス」(商
品名、カルコンプ社製)を用い、溶融紙としてOHPシ
ートを用いて、三色重ね印刷を行い、その線幅を顕微鏡
で測定することによって行った。その結果を表1に示
す。
【0045】
【表1】
【0046】表1の結果から、円筒体の外周面に、硬質
粒子と接着剤との固化物からなる突起がドット状に形成
された実施例1、2のほうが、円筒体の全面に硬質粒子
と接着剤との混合物を塗布して形成した比較例1や、円
筒体の全面に溶射層による突起を形成した比較例2より
も色ずれが少ないことがわかる。
【0047】試験例2 スチール製の金属の平板上に、実施例1、2及び比較例
1、2記載の方法でそれぞれ突起を形成し、それぞれの
突起面におけるOHPシートに対する摩擦係数を、図8
記載の方法で測定した。
【0048】図8において、61は金属の平板上に形成
した突起面、62は半円柱形状の押圧子、63は押圧子
62の曲面に添設されたOHPシート、64は押圧子6
2を引張るロードセルである。押圧子62の曲面は直径
10mmの円弧をなす。
【0049】押圧子62に上方から50gの荷重F1
かけ、その状態でロードセル64を引張って0.1 mm/秒
で移動させ、そのときに必要とされる力F2 をロードセ
ル64で測定し、この値に基づいて摩擦係数を求めた。
この結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表2に示されるように、実施例1、2記載
の方法で形成した突起面は、比較例1、2記載の方法で
形成した突起面に比べて、OHPシートに対する摩擦係
数が高いことがわかる。
【0052】実施例3 実施例1と同様の硬質粒子を用い、接着剤として紫外線
硬化樹脂(太陽インキ製造株式会社製)を用いて、接着
剤に対する硬質粒子の配合割合が50重量%よなるよう
に、接着剤と硬質粒子とを混合した。
【0053】実施例1、2と同様の円筒体の外周面の全
面に、接着剤と硬質粒子との混合物を塗布した後、フィ
ルム状のフォトマスクで被覆して、紫外線を照射し、紫
外線硬化樹脂を硬化させて、硬質粒子と接着剤との固化
物からなる突起が、円筒体の外周面にドット状に形成さ
れてた高摩擦ローラを得た。なお、突起の配列は、実施
例1、2と同様な千鳥格子状となるようにした。
【0054】この高摩擦ローラについて、試験例1と同
様な印字テストを行ったところ、色ずれの線幅は、85
μmであった。
【0055】試験例3 前記実施例1の高摩擦ローラと、直径15mm、幅10mm
のピンチローラとを、5kgf の荷重をかけて圧接させ、
高摩擦ローラを107 回回転させた後、高摩擦ローラの
突起の高さの減少量を表面粗さ計で測定することによ
り、高摩擦ローラの耐久試験を行った。
【0056】なお、比較のために、上記比較例2のコバ
ルトからなるマトリックス中にタングステンカーバイト
が分散した溶射層を全面に有する高摩擦ローラについ
て、上記と同様な耐久試験を行った。
【0057】その結果、実施例1及び比較例2のいずれ
の高摩擦ローラも、突起の高さの減少はほとんど認めら
れなかった。したがって、いずれも実用上支障のない十
分な耐久性があることがわかった。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高摩擦ロ
ーラによれば、円筒体又は円柱体の外周面に、硬質粒子
と接着剤との固化物を、ドット状又は線状に形成したも
のからなるので、各突起の実質的な高さが高くなり、ま
た突起と突起との距離が適度に設けられる。その結果、
突起の記録シートへの食い込みが良好になされ、グリッ
プ力が向上する。したがって、特にX−Yプロッタ、カ
ラープリンタ等に用いる紙送りローラとして要求され
る、寸法精度が高く、弾性変形を起こさず、グリップ力
に優れた高摩擦ローラを容易かつ安価に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高摩擦ローラの一実施例を示す概略斜
視図である。
【図2】同高摩擦ローラの部分拡大断面図である。
【図3】同高摩擦ローラにおける突起の一つを示す電子
顕微鏡写真である。
【図4】同高摩擦ローラにおける突起の別の一つを示す
電子顕微鏡写真である。
【図5】同高摩擦ローラの突起の配列を示す平面図であ
る。
【図6】カラープリンタの構造を示す説明図である。
【図7】従来の高摩擦ローラの一例を示す部分拡大断面
図である。
【図8】試験例2における摩擦係数の測定方法を示す説
明図である。
【符号の説明】
11 高摩擦ローラ 12 円筒体 13 外周面 14 突起 15 硬質粒子 16 接着剤

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒体又は円柱体の外周面に、硬質粒子
    を接着剤によって固着してなる高摩擦ローラにおいて、
    前記硬質粒子と前記接着剤との固化物が前記円筒体又は
    円柱体の外周面にドット状又は線状に形成されているこ
    とを特徴とする高摩擦ローラ。
  2. 【請求項2】 前記硬質粒子が、セラミック、硬質金
    属、金属間化合物から選ばれた少なくとも一種である請
    求項1記載の高摩擦ローラ。
  3. 【請求項3】 円筒体又は円柱体の外周面に、硬質粒子
    と接着剤との混合物を、ドット状又は線状にスクリーン
    印刷し、前記接着剤を硬化させることを特徴とする高摩
    擦ローラの製造法。
  4. 【請求項4】 円筒体又は円柱体の外周面の全面に、硬
    質粒子と紫外線硬化型接着剤との混合物を塗布した後、
    ドット状又は線状に紫外線を照射して前記紫外線硬化型
    接着剤を部分的に硬化させ、次いで、硬化されなかった
    紫外線硬化型接着剤を除去することを特徴とする高摩擦
    ローラの製造法。
  5. 【請求項5】 前記硬質粒子が、セラミック、硬質金
    属、金属間化合物から選ばれた少なくとも一種である請
    求項3又は4記載の高摩擦ローラの製造法。
JP20288295A 1995-07-17 1995-07-17 高摩擦ローラ及びその製造法 Pending JPH0930702A (ja)

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JP20288295A Pending JPH0930702A (ja) 1995-07-17 1995-07-17 高摩擦ローラ及びその製造法

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JP (1) JPH0930702A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100339902B1 (ko) * 1998-11-18 2002-06-10 가타오카 마사타카 가압접촉롤러 및 이것을 이용한 프린터
JP2006335509A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Seiko:Kk 紙送りローラおよびその製造方法
JP2008044739A (ja) * 2006-08-17 2008-02-28 Toshiba Corp 紙葉類の厚さ検知装置
JP2011255984A (ja) * 2010-06-07 2011-12-22 Bando Chemical Industries Ltd 被覆部材及び被覆部材の形成方法

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