JPH09306438A - 電池缶形成材料、該材料の製造方法、および該電池缶形成材料を用いて形成した電池缶 - Google Patents

電池缶形成材料、該材料の製造方法、および該電池缶形成材料を用いて形成した電池缶

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JPH09306438A
JPH09306438A JP8123788A JP12378896A JPH09306438A JP H09306438 A JPH09306438 A JP H09306438A JP 8123788 A JP8123788 A JP 8123788A JP 12378896 A JP12378896 A JP 12378896A JP H09306438 A JPH09306438 A JP H09306438A
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steel sheet
forming material
grain size
steel plate
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Hirofumi Sugikawa
裕文 杉川
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Katayama Special Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池缶の表面に肌荒れを無くして耐食性、光
沢性を高める。 【解決手段】 鋼板の結晶粒度が10〜12、あるい
は、この結晶粒度10〜12の鋼板をさらに強く圧延し
て結晶粒が偏平化して線状に整列した鋼板を電池缶形成
材料として、絞り加工時に結晶粒の圧縮で肌あれが発生
しないようにしている。この鋼板はスラブを鋳造後、熱
間圧延し、その後、冷間圧延し、その後、焼鈍で過時効
処理を行って鋼板の結晶粒度を微細化し、該鋼板の結晶
粒度を10〜12としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池缶形成材料、
該電池缶材料の製造方法、および該電池缶形成材料を用
いて形成した一次電池、二次電池の電池缶に関し、特
に、電池缶材料をプレス絞り加工で筒形状の電池缶に形
成する時に、肌荒れを発生させずに耐食性および表面光
沢性を良好とするものである。
【0002】
【従来の技術】電池缶としては、一般にニッケルメッキ
鋼板が用いられ、電池缶材料の基材として使用される鋼
板は、その結晶粒度は10未満が一般的である。
【0003】また、電池缶の形成方法としては、一般
に、図6に示す如き、円形に打ち抜いたニッケルメッキ
鋼板(ブランク)1を、絞り径が異なる複数のダイス3
A〜3Dに移送して筒形状に絞り加工して形成するトラ
ンスファー絞り加工による場合と、図7に示す如き、同
軸線上に多段配置された絞り径が異なる複数のダイス3
A〜3Dに、パンチ4で加圧して連続的に通過させて筒
状に絞りしごき加工して形成するDI(drawing & iron
ing)絞り加工方法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記トランスファー絞
り加工あるいはDI絞り加工により円筒形状の電池缶を
形成する場合、いずれも、図8(B)に示すように、平
板のブランクAの状態から、浅底円筒B、深底円筒Cへ
と絞り加工され、鋼板の結晶粒Xは図8(A)に示すよ
うに変形する。即ち、ブランクA→浅底円筒Bへの加工
段階でプレス絞り加工されると、球形状の結晶粒Xが絞
り方向へ伸ばされて細長い球形状X’となる。ついで、
浅底円筒B→深底円筒Cへと深絞り加工されると、ダイ
スとパンチとにより円筒の側壁がしごかれ、結晶粒X’
が圧縮されることとなる。
【0005】上記絞り加工で一旦延伸されて細長くなっ
た結晶粒X’は、その粒界Yの方が伸び易いため、その
後、圧縮されても、結晶粒X’は元の形の結晶粒Xに戻
らず、図8(A)に示すように結晶粒度が10未満と大
きく、グレン組織が荒いと、結晶粒の隙間が大きいた
め、歪みやすく、鋼板の表面に凹凸が生じて肌荒れが発
生する。このように、肌荒れが生じると、耐食性が悪く
なり、かつ、表面の光沢性が悪くなる。特に、電池缶の
外面側では、耐食性が悪いと錆びが発生しやすく、また
光沢性が劣ると外観が悪くなり、商品価値が低下する問
題があった。
【0006】上記した問題に対して、本発明者は、先に
出願した特開平3−166388号、特開平4−522
95号、特開平4−52294号に記載したように、鋼
板にニッケルメッキを施した後に、焼鈍、スキンパスを
行って、Fe−Ni拡散層を形成した電池缶形成材料を
提供していた。このFe−Ni拡散層を設けたニッケル
メッキ鋼板では、鋼板とメッキ層とをFe−Ni拡散層
によって強固に結合させて、メッキ層を鋼板に追従さ
せ、よって、絞り加工で電池缶を形成した際に表面メッ
キ層に肌荒れや割れを発生させないようにして、上記問
題を解決していた。
【0007】しかしながら、Fe−Ni拡散層を設ける
ために、焼鈍およびスキンパスを行うと、加工数が増加
してコスト高になる問題がある。
【0008】よって、本発明は、コストを上昇させるこ
となく、電池缶形成材料を絞り加工で筒状の電池缶とす
る時に、肌荒れを発生させず、耐食性及び光沢性を持た
せることを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、鋼板の結晶粒度
を10以上の小さい粒度として、グレン組織を細かくす
ると、メッキ後に、焼鈍およびスキンパスを行ってFe
−Ni拡散層を形成しなくても、図4に示すように、ブ
ランクA→浅底円筒Bへ絞り加工して結晶粒Xが細長い
形状の結晶粒X’になった後、浅底円筒B→深底円筒C
へと絞り加工して結晶粒X’を圧縮しても、表面に顕著
な凹凸は発生せず、表面のメッキ層も追従でき、よっ
て、表面光沢性がよく、かつ耐食性が優れたものとする
ことが出来ることを見いだした。
【0010】上記実験結果に基づいて本発明はなされた
もので、請求項1では、絞り加工で電池缶を形成する鋼
板であって、結晶粒度を10〜12に設定していること
を特徴とする電池缶形成材料を提供している。
【0011】上記のように、鋼板の結晶粒度を10〜1
2と小さくして、グレン組織を細かくすると、前記図
6、図7に示すトランスファー絞り加工あるいは、DI
絞り加工のいずれで絞り加工して筒形状の電池缶を形成
した場合にも、缶の表面に肌荒れを発生させず、耐食性
及び光沢性を持たせることができる。
【0012】上記結晶粒は偏平状となって線状に整列さ
せている場合は特に好ましい。(請求項2) このよう
に結晶粒が偏平状となって線上に整列した状態となる
と、絞り加工時により肌荒れが発生しにくくなる。
【0013】上記鋼板は一面粗面、他面鏡面とすること
が好ましい。(請求項3)即ち、鋼板を絞り加工して電
池缶とする時に、粗面側が電池缶内面側とすると、電池
缶内部に充填する活物質との接触面積を大きくできる一
方、鏡面側を電池缶外面とすると、電池缶の美観および
耐食性を向上させることができる。この鋼板を一面粗
面、他面鏡面とする方法は、砥石で研磨したロールと、
ブライトロールとからなる一対の圧延ロールの間に鋼板
を通して圧延することにより得られる。
【0014】上記鋼板の少なくとも片面にメッキを施し
ている。(請求項4)また、上記メッキはニッケルメッ
キあるいは合金メッキからなることが好ましい。(請求
項5)該合金メッキとしては、Ni−Mn、Ni−C
o、Ni−Fe、Ni−Sn、Ni−Zn,Ni−B、
Ni−Si,Ni−In,Ni−Ge,Ni−Se,N
i−Ln,Ni−W,Ni−Ti、Ni−P,Ni−M
o,Ni−Ga、Co−Mo、Fe−W、Ag−Sh等
が好適に用いられる。
【0015】さらに、上記メッキの表面に、Au,A
g,Mo,Co,Ir,Rh,W,Znからなる接触抵
抗の小さい金属をメッキすることが好ましい。(請求項
6)特に、電池缶内面側となる面に上記接触抵抗の小さ
い金属をメッキして導電性被膜を形成すると、導電性を
高めることができる。
【0016】さらに、上記形成材料にメッキ後に焼鈍、
スキンパスを施したものが好適に用いられる。(請求項
7)
【0017】さらに、本発明者は、上記鋼板の結晶粒度
が10〜12の鋼板を製造する方法も鋭意研究した結
果、鋼板スラブを鋳造後、熱間圧延し、その後、冷間圧
延し、ついで、焼鈍、過時効処理を行って鋼板の結晶粒
度を微細化すると、該鋼板の結晶粒度を10〜12とす
ることが出来ることを見いだした。よって、請求項8に
おいて、上記方法で製造する電池缶形成材料の製造方法
を提供している。
【0018】さらに、上記過時効処理を行って、鋼板の
結晶粒度を微細化し、該鋼板の結晶粒度を10〜12と
した後、強く圧延を行うと、結晶粒が偏平状態となって
線状に整列し、その後、メッキを施しても優れた電池缶
形成材料を製造できることを見いだした。よって、請求
項9で、上記方法で製造する電池缶形成材料の製造方法
を提供している。
【0019】本発明は、また、上記請求項1乃至請求項
7のいずれか1項に記載の電池缶形成材料を用いて形成
した電池缶を提供している。(請求項10)上記電池缶
は円筒型あるいは角筒型からなる。(請求項11)
【0020】請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の
結晶粒度が10〜12の鋼板を用いて形成した円筒ある
いは角筒形状からなる電池缶では、表面の耐食性がよい
ため錆びが発生しにくく、かつ、表面光沢性がよいた
め、見栄えを向上させることができる。
【0021】上記電池缶形成材料より電池缶を形成する
方法としては、絞り径が異なる複数のダイスに移送して
筒形状に絞り加工するトランスファー絞り加工方法、同
軸線上に多段配置された絞り径が異なる複数のダイスに
パンチで加圧して連続的に通過させて筒状に絞りしごき
加工して形成するDI絞り方法、あるいは、絞り径が異
なる複数のダイスに移缶して筒形状にトランスファー絞
り加工方法で加工した後に、側壁しごき絞り用ダイスを
通す絞り方法の3種類のプレス絞り加工方法が好適に採
用できる。即ち、電池缶形成材料自体を、絞り加工時に
表面肌荒れを発生させないグレン組織としているため、
トランスファー絞り加工方法、DI絞り加工方法、トラ
ンスファー絞り加工方法にDI絞り加工方法と同様な側
壁しごき作用を行う側壁しごき絞りダイスを通す方法と
を併用した言わばDIまがい(DIもどき)絞り方法の
いずれの方法も、任意に採用しえる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、まず、結
晶粒度を10〜12と微細化させた鋼板の製造方法の実
施形態について説明する。第1実施形態では、下記の表
1に示す成分を有する鋼板1を用い、図1に示すフロー
チャートに示す工程で電池缶形成材料を製造した。
【0023】
【表1】
【0024】第1ステップで、上記成分からなるスラブ
を連続鋳造で鋳造した後、この鋳造したスラブを、第2
ステップで、1200℃で熱間圧延して、仕上がり温度
750℃にて、板厚2.45mmの熱延鋼板とした。そ
の直後に、第3ステップで、平均冷却速度40℃/sで
冷却して、570℃で巻き取っている。
【0025】その後、第4ステップで、上記鋼板を酸洗
し、ついで、第5ステップで圧延率87.6%で冷間圧
延を行い、板厚0.305mmの冷延鋼板とした。
【0026】ついで、上記冷延鋼板を過時効焼鈍処理
(オーバーエイジング処理)を行うが、この過時効焼鈍
処理は、上記第5ステップでの圧延処理で図2(A)に
示すように、筋状につぶされた結晶粒Xの組織を、図2
(B)に示すように球形に戻した後、図2(C)に示す
ように、グレン組織が細かくなり、かつ、整列させるよ
うにしている。
【0027】焼鈍処理方法については連続焼鈍とバッチ
焼鈍とがあり、いずれの焼鈍方法を採用するかで、鋼板
の物理特性に大きな差が生じる。即ち、650℃の高温
の焼鈍炉に鋼板を連続搬送して1分〜2分の短時間で焼
鈍する場合、鋼板の伸び率は25%〜27%程度とな
り、それに伴って結晶粒も変化する。一方、450℃の
焼鈍炉で鋼板を7時間程度の長時間、バッチ焼鈍する場
合、鋼板の伸び率は27%〜30%となり、それに伴っ
て結晶粒も変化する。このように、鋼板の成分に応じ
て、焼鈍温度および焼鈍形態の連続焼鈍とバッチ焼鈍と
を選択して、組み合わせることにより、上記図2(A)
に示す筋状につぶされた結晶粒を図2(C)に示す結晶
粒度が小さく、かつ、この小さくなった結晶粒が整列し
て、グレン組織が細かくなるようにしている。
【0028】第1実施形態では、鋼板の成分を、前記表
1に示す成分としているため、過時効焼鈍処理を行う第
6ステップでは、まず、640℃で1分連続焼鈍して、
図2(B)に示す状態とし、続いて、450℃で7時間
のバッチ焼鈍を行い、図2(C)に示す状態とした。
【0029】続いて、第7ステップで、圧延率1.6%
程度の軽い調質圧延を行って、板厚0.30mmとし
た。
【0030】上記第1ステップから第7ステップで得ら
れた鋼板はJIS G 3141に定める1/8硬質相
当のHv110で、かつ、JIS G 0552に定め
る結晶粒度11の鋼板となった。
【0031】さらに、最終ステップの第8ステップで、
上記鋼板の表面に2.5μmのニッケルメッキあるい
は、ニッケルーマンガン合金メッキ、ニッケル−コバル
ト合金メッキ、ニッケルー鉄合金メッキ等の合金メッキ
を施した。
【0032】上記電池缶形成材料の製造方法の第2実施
形態は、鋼板の成分として、下記の表2に示す成分のN
b−Ti−Sulk鋼を用いた。この鋼板は成分とし
て、表1に示す第1実施形態の鋼板の成分に、NbとT
iとを含めたものである。
【0033】
【表2】
【0034】第2実施形態では、第1実施形態と第3ス
テップの冷却工程と、第6ステップの過時効焼鈍処理工
程のみが相違し、他の第1、第2、第4、第5、第7、
第8ステップは同様である。相違する第3ステップでは
平均冷却速度60℃/sで冷却して結晶粒の微細化を図
っている。また、第6ステップの過時効処理では、78
0℃で1分間の連続焼鈍処理のみを行い、前記図2
(C)に示すように、微細化した結晶粒を整列させてい
る。該第2実施形態で得られた鋼板は、JIS G31
41に定める1/8硬質相当のHv110で、結晶粒度
は10.5であった。
【0035】第3実施形態では、上記第1および第2実
施形態で行っている第7ステップの1.6%の調質圧延
を、30%〜60%の大きな圧延率で圧延を行う方法に
変えている。このように強く圧延すると、図2(D)に
示すように、結晶粒度10〜12の結晶粒Xが偏平化し
て線状の結晶粒XXとなり、この線状の結晶粒XXが線
上に整列され、結晶粒XXが見かけ上で線のようにな
る。
【0036】上記のように過時効処理して結晶粒を小さ
くした鋼板は、砥石で研磨したロールとブライトロール
との一対の圧延ロールに通して、一面を粗面、他面を鏡
面としておくことが好ましい。
【0037】さらに、上記ニッケルメッキあるいは合金
メッキを鋼板に施した後に、これらメッキの表面、少な
くとも電池缶内面側となる面に、Au,Ag,Mo,C
o,Ir,Rh,W,Znからなる接触抵抗の小さい金
属をメッキしておくことが好ましい。
【0038】上記第1実施形態で製造したニッケルメッ
キ鋼板を用いて、円形に切断してブランクを形成した
後、前記図6に示す、絞り径を順次小さくしたダイス3
に順次移送しながらパンチ4で押圧して絞り加工し、順
番に底壁10aの径を縮小しながら、側壁10bの高さ
を延長して、即ち、トラスファー絞り方法で、図3
(A)に示す有底円筒形状の電池缶10を形成した。
【0039】上記トラスファー絞り加工で形成した電池
缶10は、その鋼板の結晶粒Xが図2(C)に示すよう
に、非常に小さく、グレン組織が細かいため、図4
(A)(B)に示すように、ブランクAから浅底円筒B
に絞り加工して絞り方向に伸ばされても、結晶粒X’の
伸びおよびその粒界の伸びも小さい。よって、浅底円筒
Bから深底円筒Cに側壁が絞り加工されても、結晶粒
X’の歪みが少なく、表面に肌荒れが発生しない。
【0040】よって、表面のニッケルメッキ層を追従さ
せることができ、形成された電池缶10は、表面光沢性
がよく、かつ、耐食性も優れ、従来の、ニッケルメッキ
鋼板を焼鈍後、スキンパスをしてFe−Ni拡散層を設
けたニッケルメッキ鋼板と同程度の耐食性が得られた。
よって、従来と比較した場合、ニッケルメッキ後で、焼
鈍およびスキンパスをする必要がなくなり、其の分、大
幅にコストを低下させることができる。
【0041】上記第1実施形態の結晶粒度11の鋼板か
らなる電池缶と、従来の電池缶との耐食性を比較するテ
ストを行った。従来の電池缶は結晶粒度が9〜10未満
の鋼板にニッケルメッキを施しただけの電池缶形成材料
を用いて形成した第1比較例の電池缶と、結晶粒度が9
〜10未満の鋼板にニッケルメッキを施した後に、焼鈍
とスキンパスを行った電池缶形成材料を用いて形成した
第2比較例の電池缶についてテストした。該耐食性テス
トは、JIS Z 2371の塩水噴霧試験法を用い、
電池缶(LR−6)の外径面積に対する錆の発生率
(%)を測定した。第1実施形態、第1比較例、第2比
較例とも夫々10個の電池缶について行い、その平均値
を下記の表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】また、上記第1実施形態で製造したニッケ
ルメッキ鋼板を用いて、前記図7に示すDI絞り加工に
より、図3(A)に示す円筒形状の電池缶10を形成し
た。この場合も、表面光沢性および耐食性が優れた電池
缶10を得ることが出来た。
【0044】上記第2実施形態で製造したニッケル鋼板
を用いて、図5に示すトランスファー絞り加工を行った
後に、側壁しごき絞り用ダイス3Fを通す絞り方法で、
図3(B)に示す角型の電池缶10を形成した。該角型
電池缶10においても、表面光沢性および耐食性が優れ
た電池缶とすることができた。
【0045】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、請求項1の電池缶形成材料は、鋼板の結晶粒
度を10〜12と微細化して、鋼板のグレン組織を細か
くしているため、トランスファー絞り加工、DI絞り加
工、あるいはトランスファー絞り加工に側壁しごき方法
とを併用したDIまがい絞り加工のいずれかの加工方法
を用いて、円筒型あるいは角筒型の電池缶を形成した場
合、絞り加工時に結晶粒の圧縮により鋼板表面に凹凸の
発生による肌荒れが生じるのを抑制あるいは防止でき
る。よって、鋼板の表面のニッケルメッキ層あるいは合
金メッキ層が鋼板に追従でき、肌荒れのない表面光沢性
を有すると共に耐食性に優れた電池缶形成材料を提供す
ることができる。
【0046】また、請求項2の上記結晶粒度が10〜1
2と微細化してグレン組織を細かくし、さらに、圧延し
て微細化した結晶粒を偏平として線状に整列させた鋼板
を用いて、絞り加工した場合は、絞り加工時に結晶の圧
縮により鋼板表面に凹凸を発生させることをより確実に
防止できる。
【0047】上記請求項1および請求項2の結晶粒度を
10〜12と微細化してグレン組織を細かくした鋼板
は、請求項8、9に記載の方法により容易に製造するこ
とができる。よって、従来行っていた鋼板にメッキを施
した後に、焼鈍、スキンパスを行う工程を無くすことが
でき、その分、電池缶形成材料の加工工程数を減少し
て、大幅なコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電池缶形成材料の製造工程を示すフ
ローチャートである。
【図2】 (A)(B)(C)(D)は、上記製造工程
における結晶粒の変化を示す図面である。
【図3】 (A)(B)は本発明で製造する電池缶を示
す概略斜視図である。
【図4】 (A)(B)は本発明の電池缶形成材料によ
り電池缶を絞り加工した時の結晶粒の変化を示す図面で
ある。
【図5】 本発明の電池缶製造方法の1例を示す概略図
である。
【図6】 トランスファー絞り方法による電池缶製造方
法を示す概略図である。
【図7】 DI絞り方法による電池缶製造方法を示す概
略図である。
【図8】 (A)(B)は従来の問題点を示す図面であ
る。
【符号の説明】
1 ニッケルメッキ鋼板 3 ダイス 4 パンチ 10 電池缶 X 結晶粒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 5/26 C25D 5/26 Z

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絞り加工で電池缶を形成する鋼板であっ
    て、結晶粒度を10〜12に設定していることを特徴と
    する電池缶形成材料。
  2. 【請求項2】 上記結晶粒は偏平状となって線状に整列
    していることを特徴とする請求項2に記載の電池缶形成
    材料。
  3. 【請求項3】 上記鋼板は一面粗面、他面鏡面である請
    求項1または請求項2に記載の電池缶形成材料。
  4. 【請求項4】 上記鋼板の少なくとも片面にメッキを施
    している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の
    電池缶形成材料。
  5. 【請求項5】 上記メッキはニッケルメッキあるいは合
    金メッキからなる請求項4に記載の電池缶形成材料。
  6. 【請求項6】 上記メッキの表面に、Au,Ag,M
    o,Co,Ir,Rh,W,Znからなる接触抵抗の小
    さい金属をメッキしている請求項4または請求項5に記
    載の電池缶形成材料。
  7. 【請求項7】 上記形成材料にメッキ後に焼鈍、スキン
    パスを施したものである請求項4乃至請求項6のいずれ
    か1項に記載の電池缶形成材料。
  8. 【請求項8】 鋼板スラブを鋳造後、熱間圧延し、その
    後、冷間圧延し、ついで、焼鈍、過時効処理を行って、
    鋼板の結晶粒度を微細化し、該鋼板の結晶粒度を10〜
    12とした後、メッキを施している電池缶形成材料の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 鋼板スラブを鋳造後、熱間圧延し、その
    後、冷間圧延し、ついで、焼鈍、過時効処理を行って、
    鋼板の結晶粒度を微細化し、該鋼板の結晶粒度を10〜
    12とした後、圧延を行って結晶を偏平状態として線状
    に整列させ、その後、メッキを施している電池缶形成材
    料の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項7のいずれか1項
    に記載の電池缶形成材料を用いて形成した電池缶。
  11. 【請求項11】 上記電池缶は円筒型あるいは角筒型で
    ある請求項10に記載の電池缶。
JP8123788A 1996-05-17 1996-05-17 電池缶形成材料、該材料の製造方法、および該電池缶形成材料を用いて形成した電池缶 Pending JPH09306438A (ja)

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